JPH0337454B2 - - Google Patents

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JPH0337454B2
JPH0337454B2 JP59076573A JP7657384A JPH0337454B2 JP H0337454 B2 JPH0337454 B2 JP H0337454B2 JP 59076573 A JP59076573 A JP 59076573A JP 7657384 A JP7657384 A JP 7657384A JP H0337454 B2 JPH0337454 B2 JP H0337454B2
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JP
Japan
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thermal
plating
continuous casting
thermal spray
sprayed
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JP59076573A
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Satoshi Kasai
Kenichiro Ochiai
Hiroshi Oonishi
Mitsuhiro Yada
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Publication of JPH0337454B2 publication Critical patent/JPH0337454B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/02Pretreatment of the material to be coated, e.g. for coating on selected surface areas
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B22CASTING; POWDER METALLURGY
    • B22DCASTING OF METALS; CASTING OF OTHER SUBSTANCES BY THE SAME PROCESSES OR DEVICES
    • B22D11/00Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths
    • B22D11/04Continuous casting of metals, i.e. casting in indefinite lengths into open-ended moulds
    • B22D11/059Mould materials or platings
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
    • C23C4/00Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge
    • C23C4/04Coating by spraying the coating material in the molten state, e.g. by flame, plasma or electric discharge characterised by the coating material
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  • Coating By Spraying Or Casting (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
技術分野 本発明で提案するところの技術内容は、注入溶
融金属に接する内面の少なくとも最上層の部分
に、耐焼付き性、耐熱性および耐摩耗性に優れた
溶射皮膜層を形成してなる連続鋳造用鋳型の分野
に属し特に本発明の目指す技術はそのような皮膜
付鋳型を、溶射技術および溶射材料の特定、なら
びに素地面性状の特定によつて得るところにあ
る。 従来技術とその問題点 従来、連続鋳造用鋳型の内面、特に鋳型下部の
摩耗を防止するために、そこに耐摩耗性の材料を
溶射被覆して保護するという先行技術が既にいく
つか開示提案されている。 たとえば、特開昭52−43726号として開示の技
術は、Niめつきを施した鋳型内面上に更にNi基
合金を溶射する方法であり、また特開昭55−
70453号として開示の技術は、CoまたはNiめつき
を施したその上にWC−Co合金を溶射し、さらに
その上からMo−Ni−Cr合金を溶射する方法であ
り、さらにまた特開昭56−80356号として開示の
技術は、Ni及びCoの少なくとも1種と、P及び
Bの少なくとも1種との合金めつきの上に無機物
質を溶射した技術である。要するにこれの先行技
術は、いずれも溶射皮膜と銅基体の熱膨張係数差
による熱応力の発生を伴なうはく離等を緩和させ
るためのものであり、溶射皮膜と銅基体との中間
点熱膨張係数をもつめつき層を溶射皮膜と銅基体
との間に介在させただけである。確かにこの先行
技術は、めつき層を介在させない場合よりも熱衝
撃抵抗が向上するとは言つてもそれは僅かであ
る。何故なら溶射皮膜の接着機構は、機械的な投
錨効果によるものであるから、めつき層を介在さ
せても、溶射皮膜の接着力(以後付着強さとい
う)の大幅な向上にはつながらず、溶射皮膜の付
着強さは依然として低いままという問題点があつ
た。 また特開昭54−28228号として開示されている
技術は、Ni基自溶性合金を溶射後1000〜1100℃
で皮膜の溶融処理を行なうことにより付着強さを
向上させる方法であるが、この技術の場合鋳型基
体(銅)の融点近くまで加熱するため、銅基体の
熱歪や材質劣化に対する処置が必要になるなど製
造上の問題点が多い。 しかも、該自溶性合金は定融点(1000〜1100
℃)であるため溶綱のスプラツシユの付着や、高
温での硬度低下が問題となる。 以上の従来技術の説明からわかるように、熱影
響を与えることなしに溶射皮膜と銅基体の付着強
さを大幅に向上させる方法は先行開示にみられな
い。 発明の目的 本発明の目的は、連続鋳造用鋳型内面表層部分
に、耐焼付き性や耐摩耗性等に優れた溶射皮膜層
を形成する従来技術の上述した問題点を克服する
ことにあり、焼付きやはく離が少なく長寿命の鋳
型を提供するのに有利な技術について示す。この
目的達成のための本発明の要旨とするところは、
この明細書の頭書に記載した特許請求の範囲に掲
記したとおりである。 着想の基礎 本発明者らは、溶射皮膜の付着強さおよび皮膜
強さに関する研究を重ねたところ、溶射粉末材料
の粒子飛行速度と溶射皮膜の付着強さおよび皮膜
硬さに密接な関係があることを知り、これを連続
鋳造用鋳型内面への溶射技術に応用し、望ましい
溶射皮膜を形成し長寿命の鋳型とすることとした
のである。 第1図に、被溶射面に衝突する直前における高
速度カメラにて測定した粒子飛行速度と
JISH8666−1980の引張付着力試験方法に準ずる
方法で測定した付着強さとの関係を示す。なお、
溶射装置のノズルと被溶射物の距離は、近すぎる
と被溶射物が過熱され、遠すぎると粒子飛行速度
が低下するので、被溶射物の表面温度が150℃以
下で最も高い付着力が得られる最適距離を選ん
だ。 各粒子飛行速度を得る溶射法で付着強さにある
幅があるのは溶射粉末材料の違いによるものであ
る。しかし、いずれの場合でも粒子飛行速度が
400m/秒以上の溶射法によれば、従来連続鋳造
用鋳型の内面の被覆に用いられてきた粒子飛行速
度が300m/秒以下の火炎溶射法あるいはプラズ
マ溶射法に比べ、高い付着強さが得られているこ
とが判る。 さらに、粒子飛行速度が650m/秒以上になる
と、付着強さは従来の一般的な粒子飛行速度が
300m/秒以下である溶射法の2倍以上に向上し、
鋳型内面皮膜としての付着力は十分なものとな
る。 なお、粒子飛行速度として400m/秒以上のも
のが得られる溶射法としては、たとえば出力
80KW以上のハイパワープラズマ溶射法、また
650m/秒以上の溶射法としてはたとえばアセチ
レンと酸素の混合ガスの爆発によつて生じる高速
燃焼エネルギーを利用する爆発的溶射法およびプ
ロパンと酸素の燃焼フレームをノズル内で加速さ
せる超音速溶射法があるが、本発明の場合、400
m/秒以上の粒子飛行速度が得られる溶射法であ
ればいずれの方法でもよい。 上述したように、粒子飛行速度が400m/秒以
上、望ましくは650m/秒以上になるような溶射
を行うと、その後熱処理を施すまでもなく連続鋳
造用鋳型の内面に付着した皮膜は、十分な付着力
をもつようになり、従来の飛行速度300m/秒以
下の溶射法で被覆した溶射皮膜において見られる
銅基体もしくはめつきとの界面からの付着力不足
によるはくりの問題は大幅に緩和される。 第2図に、同一成分組成(80%Cr2O3、20%
NiCr)の溶射材料を使つて溶射したときのその
溶射法の違いによる粒子飛行速度と溶射皮膜硬さ
の関係を示す。同一成分組成の溶射材料でも、粒
子飛行速度が400m/秒以上の溶射を行うと、粒
子飛行速度が300m/秒以下の従来溶射法に比べ
て溶射皮膜がち密(気孔率小)となり、皮膜硬さ
がアツプする。そして粒子飛行速度が650m/秒
以上の溶射になると、従来法と比べて気孔率の方
は1%以下を示すようになり、2倍以上の皮膜硬
さとなる。 この粒子飛行速度400m/秒以上、望ましくは
650m/秒以上となるような溶射を行うと、従来
用いられてきた溶射材料でも皮膜硬さを改善する
ことができ、摩耗による鋳型の耐用寿命を大幅に
向上させ得る。 本発明者らの研究によると、粒子飛行速度が大
きくなつた場合に溶射皮膜がち密となり、皮膜硬
さが向上し、かつ付着強さが向上するのは、溶射
材料の被溶射面への接着機構が機械的な投錨効果
によるものであるところから、溶射粉末が被溶射
物に衝突した時に扁平化し、それが連続的に積層
したものになる。即ち粒子飛行速度が大きくなる
と、粒子の衝突時のエネルギーが大きくなつて、
その結果ち密で強固に結合した溶射皮膜が得られ
るものと考えている。 発明の構成 本発明は、上述したような知見にもとずく粒子
飛行速度で規制される溶射法採用のもとで、連続
鋳造用鋳型内面への溶射皮膜として好ましい形態
のもとにするために以下に説明するような溶射材
料の選択、ならびに溶射皮膜下の素地面処理を施
したものである。 (1) 溶射材料について; 粒子飛行速度が400m/秒以上になるような
溶射を施す本発明において採用する溶射材料と
しては、硬質のセラミツクス(複合セラミツク
スも含む)又は金属もしくは合金とセラミツク
スの複合材料を用いる。 表1にその一例を示す。
【表】 溶射厚みは0.05〜2mmが望ましい。0.05mm以
下では耐摩耗性の効果が十分でなく、2mm以下
では抜熱を阻害するおそれがある。 特に焼付きによるブレークアウトの発生を回
避しなければならない連続鋳造設備の鋳型内面
の被覆においては、以下の理由により金属もし
くは合金を含有しないセラミツクス、又はセラ
ミツクスを60重量%以上、より望ましくは80重
量%以上含有し、残部が金属もしくは合金の複
合溶射材料を採用すること、および鋳型内表面
温度が高く焼付きの発生が起りやすい、少なく
とも鋳型の上半分に上記材料が被覆されている
ことが重要である。 鋳型内面に被覆されている従来の一般的な耐
摩耗性溶射皮膜は、粒子飛行速度に起因する付
着強さ不足による耐久性の問題があることは上
述したとおりであるが、さらに耐焼付き性も充
分とは言えない。たとえば、先の特開昭56−
80356号として開示の方法では、Ni基自溶性合
金を50%含有するWC−Niサーメツトを溶射材
料として採用している。しかしながら、この例
のように低融点の自溶性合金を50%も含有する
と、メタル−メタルの接触部分が大きくなり、
焼付きが発生する。 そのために、この先行技術では溶射皮膜の使
用は隅部および下端部のみとし、さらに溶射皮
膜のその上にCrメツキを施している。また特
開昭56−68555号として開示の方法では、溶射
材料としてグラフアイト25%、Ni75%のもの
を用いて耐焼付き性の向上を目指しているが、
この場合もニツケル金属を50%以上も含有する
ため、耐焼付き性ならびに耐摩耗性の点で充分
とは言えない。 また、特開昭58−29547号として提案されて
いるのでは、特定比率のCo、Mo、Crからなる
合金を溶射材料として採用しているが、使用中
の環境においてコバルトモリブデン塩を生成
し、耐焼付性が向上することが述べられてい
る。しかしながらこの生成膜は薄く、連続鋳造
設備の鋳型内面のような厳しい使用条件のもの
においては充分とは言えない。 そこで、本発明者らは、耐焼付き性ならびに
耐摩耗性をあわせもつ溶射材料として、耐焼付
性ならびに耐摩耗性に優れたセラミツクスを特
定比率以上含有させることが好ましいと考え
た。 第3図は、本発明者らがセラミツクスの含有
量を限定するために溶射材料の耐焼付き性を調
べた実験装置である。 図において1は、種々の溶射材料を被覆した
供試ロール、2は固定ロール、3は固定材であ
る。供試ロール1は減速機4を介してモーター
5により駆動されるとともに、油圧シリンダー
6により、ロードセル7,7′による試験荷重
の設定下に負荷がかけられている。固定材3は
通電ができ、連続鋳造における凝固シエルの表
面温度(1000℃)相当に加熱できるものであ
る。供試ロール3の表面は、外部ヒーター9に
より連続鋳造用鋳型の表面温度300℃に加熱で
きる。なお図中8はトルク計である。
【表】 実験は、第3図に示すように供試ロール1を
固定角材(SS41鋼片)3、固定ロール2を介
して支持し、該供試ロール1のみを11m/分の
周速にて無潤滑状態で駆動して、負荷を500Kg、
1000Kg、2000Kg、3000Kg、4000Kg、と順次大き
くし、120秒にわたる運転時間内に焼付き、又
ははくりが発生した時点で運転を中止した。な
おこの判断はトルク計8の急激な変動によつ
た。 実験結果を表3に示し、この実験に使用した
ロール寸法はφ20mm×80mm長さであり、供試ロ
ール1の表面に各溶射材料をプラズマ溶射法、
ハイパワープラズマ溶射法及び爆発式溶射法を
用い被覆し、溶射厚みが何れも0.1mmに揃うよ
うに溶射後に研削仕上げを行なつた。また比較
のためCrメツキも含んだ。
【表】 表3により、従来連続鋳造用鋳型内面の表層
に用いられてきたNo.1のCrメツキは、500Kgの
荷重で焼付いた。また従来のプラズマ溶射法に
よるNo.2の溶射材料は1000Kgの荷重ではくりし
たが、同じ材料を用いたNo.10、No.14の本発明例
のハイパワープラズマ溶射法および爆発式溶射
法による実施例ではいずれもはくりはみられな
かつた。ただ、供試材No.3、4、5、6、7、
8のセラミツクスの含有量が50重量%以下の溶
射材料は、1000Kgの荷重で焼付きNo.9、11のセ
ラミツクスが60重量%で残部が合金からなる複
合溶射材料は、2000Kgの荷重で焼付かず、No.
10、12、14、15、16、17のセラミツクスの含有
量が80重量%以上で残部が金属もしくは合金か
らなる複合溶射材料、およびNo.13、18、19のセ
ラミツクス溶射材料、さらにはNo.20の複合セラ
ミツクス溶射材料は、いずれも3000Kgの荷重で
も焼付きが観察されなかつた。 従つて、耐焼付き性を重視する連続鋳造用鋳
型における内面皮覆の溶射材料は、セラミツク
ス(複合セラミツクスを含む)又はセラミツク
スを60重量%以上望ましくは80重量%以上含有
し、残部が金属もしくは合金の複合材料である
ことが望ましい。 ここで用いる金属もしくは合金は特に限定し
ないが融点が1200℃以上のNi、Cr、Co、NiCr
合成、CoCr合金が良い。その理由は、融点が
1200℃以下のたとえばSi、Bを含有したいわゆ
る自溶性合金では高温での硬度低下が起こるか
らである。 耐摩耗性の観点からも硬質のセラミツクスを
60重量%以上望ましくは80重量%以上含有する
ことが望ましい。 (2) 鋳型内面の下地処理について; 上述したように本発明は、粒子飛行速度の限
定、ならびに溶射材料の特定により十分な皮膜
強度が得られるが、さらにその効果を高めるた
めには次のような下地処理を施すことが有効で
あることを知見した。 (イ) その第1は、予め鋳型内面にNiめつきを
施し、その上に上記セラミツクス溶射材料や
セラミツクスを少なくとも60重量%以上含有
し、残部が金属もしくは合金の複合溶射粉末
材料を、粒子飛行速度400m/秒以上、望ま
しくは650m/秒以上の溶射手段によつて被
覆すると、溶射皮膜の熱衝撃抵抗はさらに向
上するのである。 (ロ) その第2は、鋳型内面にまずNiめつきを
施し、その上の少なくとも下部から1/2の領
域にわたつてNi−W−Fe合金めつきを施し、
さらにその上に上述の主としてセラミツクス
基溶射材料を粒子飛行速度400m/秒以上と
なるような溶射法によつて被覆することが、
鋳型内面特にその下部の摩耗を防止する上で
有効であることが判つた。 溶射皮膜の下地として、Ni−W−Fe合金め
つきに限定した理由は、鋳型内表面にむかつて
Hv300〜700の範囲で次第に硬度が大きくなる
硬度勾配をもつ硬質厚メツキを容易に施すこと
ができ、従来のNi−Pのごとき合金めつきに
比べ、はるかに熱衝撃特性に優れるからであ
る。 すなわちNiめつき側では硬度が小さく、一
方溶射皮膜側では硬度が大きくなるように3元
合金めつき層の硬度を厚み方向にわたつて連続
的に変化させてやることにより、熱衝撃特性が
向上する他、Niめつき側では良好な皮膜密着
性が得られ、一方溶射皮膜側では溶射皮膜のベ
ース強度が高くなつてかかる溶射皮膜が割れ難
くなるのである。また当該溶射皮膜の下地めつ
きが硬質厚めつきであることが望ましい理由
は、凝固シエルの熱変形により特に鋳型下部に
高い面圧が加わつて銅基体が変形し、著しい場
合には溶射皮膜内の粒子間結合力が低下して摩
耗しやすくなるのを防止するためである。 該Ni−W−Fe合金めつきの厚みは、0.3mm〜
3mmの範囲で選べるが、より好ましくは0.5mm
〜1mmがよい。その理由は、厚さが0.3mm以下
であると銅基体の変形を防止するのに十分でな
く、また3mm以上であると硬度勾配をつけたと
してもめつき層内の内部応力によつて割れやす
くなるためである。なお、この硬質のNi−W
−Fe合金は鋳型底部の摩耗を防止するために
は、摩耗が問題となる少なくとも下部から1/2
の領域に施されていることが望ましい。 また、Ni−W−Fe合金めつきの成分組成は、
1〜20重量%W、1〜20重量%Fe、残部Niの
範囲で広く選べるが、5〜7重量%W、1〜5
重量%Fe、残部NiでFeの含有量を次第に増加
させて、めつき層の硬度を硬度勾配をつけて
Hv300〜700にしたものが望ましい。 実施例 通過トン数が115トン/チヤージのスラブ用連
続鋳造機の鋳型内面に被覆し、実機使用した結果
を表4に示す。 表4のNo.1〜7は比較例でNo.8〜13は本発明例
である。構成はNo.1が銅製鋳型の内面に下地Ni
めつきを施し、その上にCrめつきを施したもの、
No.2は銅製鋳型の内面に自溶性合金を溶射した後
溶射皮膜の溶融処理を施したもの、No.3はさらに
その上にCrめつきを施したものである。No.4〜
10は第4図に示すように、銅製鋳型1の内面に
Niめつき12を施し、その上に溶射皮膜10を
形成させたもの、No.11〜13は第5図に示すよう
に、銅製鋳型1の内面にNiめつき12を施し、
その上の下部から1/2の領域にこの発明に従うNi
−W−Fe合金めつき13を施し、さらにその上
の鋳型内面全面に溶射皮膜10を形成させたもの
である。 従来、銅製鋳型の内面被覆として用いられてき
たNo.1のNiめつきの上にCrめつきを施したもの
では、下部のCrめつきが短期間ではがれ、
Hv200程度の硬さのNiめつきでは耐摩耗性が十
分でなく、200チヤージで基体の銅が露出し取外
した。 No.2のNi基自溶性合金を溶射したものでは、
融点が低いため溶鋼付着や、焼付きによるブレー
クアウトが多発し、200チヤージで取外した。 No.3のさらにその上にCrめつきを施したもの
でも、耐焼付き性は十分でなく、400チヤージで
取外した。 No.4の粒子飛行速度が100〜200m/秒の火炎溶
射法で被覆した溶射皮膜は付着強さが不十分で
200チヤージでNiめつきと溶射皮膜の界面からは
くりした。 No.5の粒子飛行速度が200〜300m/秒のプラズ
マ溶射法で被覆した溶射皮膜は、若干向上したも
のの400チヤージでNiめつきと溶射皮膜の界面か
らはくりした。 それに対し、粒子飛行速度が400〜650m/秒の
ハイパワープラズマ溶射法および、650〜800m/
秒の爆発式溶射法で被覆したNo.6〜13の溶射皮膜
は、いずれもはくりはみられなかつた。ただし、
No.6のセラミツクスの含有量が50重量%で残部が
合金からなる溶射皮膜およびNo.7のセラミツクス
を含有しない合金の溶射皮膜は、600チヤージで
焼付いた。 本発明例のNo.8のセラミツクスの含有量が60重
量%で残部が合金からなる溶射皮膜は、800チヤ
ージまで焼付かず、No.9、11、13のセラミツクス
の含有量が80重量%以上で、残部が金属または合
金からなる溶射皮膜およびNo.10のセラミツクス溶
射皮膜およびNo.12の複合セラミツクス溶射皮膜に
は焼付きは発生しなかつた。 また、下地層としてNiめつきを施した本発明
のNo.9およびNo.10の溶射皮膜は、それぞれ800チ
ヤージおよび1200チヤージで下部が摩耗し、基体
である銅が露出したため取外したが、溶射皮膜と
Niめつきの間にNi−W−Fe合金の硬質厚めつき
を施して下地の変形を防止させたNo.11〜13の溶射
皮膜は、1200チヤージ使用後も基体である銅の露
出はみられず、また使用に耐えうる状態であつ
た。 なお、粒子飛行速度が650〜800m/秒の爆発式
溶射法で被覆したNo.10の溶射皮膜の方が、粒子飛
行速度が400〜650m/秒のハイパワープラズマ溶
射法で被覆したNo.9の溶射皮膜よりも下部の摩耗
が少なかつたのは、爆発式溶射法で被覆した溶射
皮膜の方がち密で硬質であるためと考える。
【表】 発明の効果 以上説明したように本発明によれば、粒子の飛
行速度によつて規制される特定の溶射法と溶射材
料、さらには下地処理を適当に選択することで、
従来の予測をはるかに超える耐焼付き性、耐熱性
および耐摩耗性に優れた溶射皮膜を鋳型内面に形
成することができ、鋳型の寿命を向上させ、安定
した連続鋳造の操業を確保するのに有利である。
【図面の簡単な説明】
第1図は、粒子飛行速度と溶射皮膜の付着強さ
の関係を示すグラフ、第2図は、粒子飛行速度と
溶射皮膜の硬さの関係を示すグラフ、第3図は、
焼付き挙動の解明に用いた実験装置の正面図、第
4図、第5図は、いずれも連続鋳造用鋳型の縦断
面図である。 1……めつき、2……固定ロール、3……固定
材、4……減速機、5……モーター、6……油圧
シリンダー、7……ロードセル、8……トルク
計、9……ヒーター、10……溶射皮膜、11…
…銅製鋳型、12……下地Niめつき、13……
下部中間Ni−W−Feめつき。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 連続鋳造用鋳型の銅基体の内面上に、ニツケ
    ルめつきより成る下地第1層と、Ni−W−Feの
    成分組成になり下地第1層から離れるほど高い硬
    度となる厚み方向の硬度勾配を有した厚被膜を連
    続鋳造用鋳型の少なくとも下半分で上記下地第1
    層上に被成してなる下地第2層と、これら下地層
    の上にセラミツクス溶射層もしくは少なくともセ
    ラミツクスを60%含有する金属又は合金との複合
    溶射層からなる表層とをそなえて成る連続鋳造用
    鋳型。 2 連続鋳造用鋳型内面に、セラミツクス溶射材
    料もしくはセラミツクスを少なくとも60%含有す
    る金属または合金との複合溶射材料を、溶射材料
    の粒子飛行速度が400m/秒以上になる条件下に
    溶射することを特徴とする連続鋳造用鋳型の溶射
    皮膜形成方法。 3 Niめつきを施した連続鋳造用鋳型内面に、
    セラミツクス溶射材料もしくはセラミツクスを少
    なくとも60%含有する金属または合金との複合溶
    射材料を溶射材料の粒子飛行速度が400m/秒以
    上になる条件下に溶射することを特徴とする連続
    鋳造用鋳型の溶射皮膜形成方法。 4 連続鋳造用鋳型内面に、まずNiめつきを施
    し、そのNiめつき層上にNi−W−Fe3元合金め
    つきを施し、さらにその上にセラミツクス溶射材
    料もしくはセラミツクスを少なくとも60%含有す
    る金属または合金との複合溶射材料を溶射材料の
    粒子飛行速度が400m/秒以上になる条件下に溶
    射することを特徴とする連続鋳造用鋳型の溶射皮
    膜形成方法。 5 上記Ni−W−Feの3元合金めつきを、鋳型
    の下半分に施すことを特徴とする特許請求の範囲
    4記載の方法。
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