JP5889491B1 - 光硬化性組成物及び電子部品の製造方法 - Google Patents

光硬化性組成物及び電子部品の製造方法 Download PDF

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Abstract

塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を高めることができ、白色であることにより硬化物膜の光の反射率を高めることができ、かつ、硬化物膜の耐熱性を高めることができる光硬化性組成物を提供する。本発明に係る光硬化性組成物は、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられ、カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が5重量%以上、30重量%以下である。

Description

本発明は、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる光硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法に関する。
プリント配線板を高温のはんだから保護するための保護膜として、ソルダーレジスト膜が広く用いられている。
また、様々な電子部品において、プリント配線板の上面に発光ダイオード(以下、LEDと略す)チップが搭載されている。LEDから発せられた光の内、上記プリント配線板の上面側に到達した光も利用するために、プリント配線板の上面に白色ソルダーレジスト膜が形成されていることがある。白色ソルダーレジスト膜は、白色顔料を含む。このような白色ソルダーレジスト膜を形成した場合には、LEDチップの表面からプリント配線板とは反対側に直接照射される光だけでなく、プリント配線板の上面側に到達し、白色ソルダーレジスト膜により反射された反射光も利用できる。従って、LEDから生じた光の利用効率を高めることができる。
また、ソルダーレジスト膜用途以外にも、光反射用途において、白色顔料を含む硬化物膜が用いられることがある。
上記白色ソルダーレジスト膜を形成するための材料の一例として、下記の特許文献1には、エポキシ樹脂と加水分解性アルコキシシランとの脱アルコール反応により得られたアルコキシ基含有シラン変性エポキシ樹脂を含有し、かつ不飽和基含有ポリカルボン酸樹脂と、希釈剤と、光重合開始剤と、硬化密着性付与剤とをさらに含有するレジスト材料が開示されている。
下記の特許文献2には、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤と、エポキシ化合物と、ルチル型酸化チタンと、希釈剤とを含有する白色ソルダーレジスト材料が開示されている。
下記の特許文献3には、白色インク層とアンダーコート層とを含む2層のLED用ソルダーレジスト膜を形成するための組成物が開示されている。上記白色インク層を形成するための組成物は、(A1)ウレタンアクリレート樹脂又はウレタンアクリレート樹脂とエポキシアクリレート樹脂との混合物である光重合反応性ポリマー、(A2)前記光重合反応性ポリマー(A1)100質量部に対して100〜170質量部の白色顔料、及び(A3)前記光重合反応性ポリマー(A1)100質量部に対して10〜50質量部の光重合開始剤を含む。上記アンダーコート層を形成するための組成物は、(B1)エポキシアクリレート樹脂である光重合反応性ポリマー、(B2)前記光重合反応性ポリマー(B1)100質量部に対して200〜300質量部の充填材、及び(B3)前記光重合反応性ポリマー(B1)100質量部に対して10〜50質量部の光重合開始剤を含む。
特開2007−249148号公報 特開2007−322546号公報 特開2013−194057号公報
特許文献1,2に記載の材料では、レジスト膜を形成するために、フォトリソグラフィーにおける露光工程及び現像工程などの多くの工程が必要である。このため、工程数が多く、電子部品などの製造効率が悪い。
更に、特許文献1,2に記載の材料では、酸又はアルカリなどの薬液を用いた現像を行うため、環境負荷が大きい。さらに、現像により除去されるレジスト層部分を形成するために、余分なレジスト材料を用いなければならない。また、現像により除去されたレジスト層部分は廃棄物となる。このため、廃棄物の量が多いので環境負荷が大きい。
特許文献3では、白色インク層とアンダーコート層とを含む2層のLED用ソルダーレジスト膜を形成している。このレジスト膜は現像を行わずに形成されるが、白色インク層を形成するための組成物と、アンダーコート層を形成するための組成物とを別に用意し、さらにこれらの2つの組成物を別に塗布する作業が必要である。このため、電子部品などの製造効率が悪く、電子部品の製造コストも高くなる。
そこで発明者は環境負荷が小さく、製造効率がよい材料の検討を行ったが、塗布対象部材に材料を塗布して硬化物膜を形成したときに、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性が低かったり、硬化物膜の耐熱性が低かったりすることがあるという課題が見出された。
本発明の目的は、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を高めることができ、白色であることにより硬化物膜の光の反射率を高めることができ、かつ、硬化物膜の耐熱性を高めることができる光硬化性組成物を提供することである。また、本発明は、上記光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられ、カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が5重量%以上、30重量%以下である、光硬化性組成物が提供される。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記白色顔料の含有量が20重量%以上、70重量%以下である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する光硬化性化合物である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が10重量%以上、30重量%以下である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、チオール基を少なくとも1つ有するチオール基含有化合物を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、光硬化性組成物に含まれる2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分の全体の含有量の前記光硬化性化合物の含有量に対する比が、1.25以下である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられ、非現像型レジスト光硬化性組成物である。
本発明に係る光硬化性組成物は、25℃及び1rpmでの粘度η1の25℃及び10rpmでの粘度η2に対する比が、1.1以上、2.2以下である。
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を5重量%以下で含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、他の光硬化性組成物とともに多層のレジスト膜を形成するために用いられない。
本発明の広い局面によれば、電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上述した光硬化性組成物を塗布して、組成物層を形成する工程と、前記組成物層に光を照射して、硬化物膜を形成する工程とを備え、前記硬化物膜を形成するために、前記組成物層を現像しない、電子部品の製造方法が提供される。
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記硬化物膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記組成物層を熱硬化させない。
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記組成物層がレジスト層であり、前記硬化物膜がレジスト膜である。
本発明に係る光硬化性組成物は、カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物と、白色顔料と、光重合開始剤とを含み、上記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が5重量%以上、30重量%以下であるので、本発明に係る光硬化性組成物を塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布し、硬化させたときに、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を高めることができ、白色であることにより硬化物膜の光の反射率を高めることができ、かつ、硬化物膜の耐熱性を高めることができる。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係る光硬化性組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。 図2(a)〜(e)は、従来の現像型レジスト組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[光硬化性組成物]
本発明に係る光硬化性化合物は、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる。本発明に係る光硬化性組成物は、光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物は、非現像型レジスト光硬化性組成物であることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物は、レジスト膜を形成するために現像が行われない場合には、レジスト膜を形成するために現像を行う現像型レジスト組成物とは異なる。本発明に係る光硬化性組成物では、現像を行わなくても、良好なレジスト膜を得ることができる組成が採用されている。
本発明に係る光硬化性組成物は、(A)カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、(B)2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物と、(C)白色顔料と、(D)光重合開始剤とを含む。
本発明では、上記の構成が採用されているので、塗布対象部材に対する硬化物膜(レジスト膜など)の密着性を高めることができる。本発明では、現像を行わなくても、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性が高くなる。例えば、基板などの電子部品本体と硬化物膜(レジスト膜など)との密着性を高めることができ、硬化物膜(レジスト膜など)の剥離を抑えることができる。さらに、本発明に係る光硬化性組成物は、(C)白色顔料を含むので、白色の硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができる。硬化物膜(レジスト膜など)が白色であることにより、硬化物膜(レジスト膜など)の光の反射率を高めることができる。さらに、本発明では、上記の構成が採用されているので、硬化物膜(レジスト膜など)の耐熱性を高めることができる。例えば、硬化物膜(レジスト膜など)の変色を抑えることができる。
さらに、本発明に係る光硬化性組成物100重量%中、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量は、5重量%以上、30重量%以下である。このため、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性を効果的に高めることができる。更に、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が上記範囲内であると、本発明に係る光硬化性組成物を印刷したときに、外観が良好になる。本発明においては、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が上記の範囲内であることは、本発明の効果を高いレベルで得るために重要な構成である。
さらに、本発明では、フォトリソグラフィーにおける露光工程及び現像工程などの多くの工程を行わなくても、良好な硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができる。露光工程及び現像工程を行わない場合には、廃棄物の量を少なくすることができ、環境負荷を低減できる。さらに、電子部品などの製造コストも低くすることができる。
上記光硬化性組成物では、25℃及び1rpmでの粘度η1の25℃及び10rpmでの粘度η2に対する比(η1/η2)は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.1以上、更に好ましくは1.4以上、好ましくは2.2以下、より好ましくは2.0以下である。上記光硬化性組成物は現像を行わずにレジスト膜を形成するために好適に用いられるので、上記光硬化性組成物は、電子部品本体などの塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられることがある。例えば、上記光硬化性組成物は、パターン状に塗布されることがある。上記比(η1/η2)が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜をより一層高精度に、所定の領域に形成することができる。例えば、幅150μm以下にパターン状に塗布しても、精度よく硬化物膜(レジスト膜など)を形成することができる。上記光硬化性組成物は、パターン印刷により硬化物膜を形成するために好適に用いられる。
上記粘度は、E型粘度計を用いて測定することができる。
上記光硬化性組成物を用いて、波長365nmの光を積算光量2000mJ/cmになるように照射して硬化物を得て、得られた硬化物を270℃で5分放置する。放置前後のL表色系における色差ΔEは好ましくは5.0以下、より好ましくは4.0以下、更に好ましくは3.5以下、特に好ましくは3.0以下である。上記ΔEが上記上限以下であると、硬化物膜の耐熱性にかなり優れ、長期使用による硬化物膜の光の反射率の低下を抑えることができる。波長365nmの光を照射するためのランプとして、メタルハライド、水銀ランプ及びLEDランプ等が挙げられる。
上記光硬化性組成物は、単層のレジスト膜を形成するために用いられることが好ましい。本発明では、単層のレジスト膜であっても、上記の効果が発現するレジスト膜を形成することができる。上記光硬化性組成物は、他の光硬化性組成物とともに多層のレジスト膜を形成するために用いられないことが好ましい。上記光硬化性組成物を用いて形成された単層のレジスト膜は、他のレジスト膜と積層されないことが好ましい。2種以上の光硬化性組成物を用いて多層のレジスト膜を形成する場合には、レジスト膜の製造効率が低くなる。
上記光硬化性組成物は、光の照射により硬化させるので、熱硬化性化合物を含んでいなくてもよく、熱硬化剤を含んでいなくてもよい。上記光硬化性組成物は、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられないことが好ましい。上記硬化物膜(レジスト膜など)を形成するために、塗布対象部材の表面上に配置された組成物層(レジスト層など)を熱硬化させなくてもよい。上記硬化物膜を形成するので、塗布対象部材の表面上に配置された組成物層を加熱しなくてもよい。但し、上記組成物層は、低温での加熱が行われてもよい。上記硬化物膜を形成するために、上記組成物層を、280℃以上に加熱しないことが好ましく、180℃以上に加熱しないことがより好ましく、60℃以上に加熱しないことが更に好ましい。上記組成物層を加熱する温度が低いほど、電子部品本体などの塗布対象部材の熱劣化を抑えることができる。
上記光硬化性組成物は、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分を含む。上記光硬化性組成物は、上記光硬化性成分として、(A)カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートを少なくとも含む。上記光硬化性組成物は、上記光硬化性成分として、(A)エポキシ(メタ)アクリレート以外の2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分を含んでいてもよい。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、上記光硬化性組成物に含まれる上記光硬化性成分の全体の含有量の(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の含有量に対する比は、好ましくは0.1以上、より好ましくは0.2以上、更に好ましくは0.3以上である。また、硬化物膜の密着性をより一層高める観点から、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、上記光硬化性組成物に含まれる上記光硬化性成分の全体の含有量の(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の含有量に対する比は、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.25以下、更に好ましくは0.95以下、特に好ましくは0.7以下である。
上記光硬化性組成物に含まれる上記光硬化性成分の全体の含有量は、上記光硬化性組成物が、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分として、(A)エポキシ(メタ)アクリレートのみを含む場合には、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量を示し、上記光硬化性組成物が、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分として、(A)エポキシ(メタ)アクリレートと(A)エポキシ(メタ)アクリレート以外の2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分とを含む場合には、(A)エポキシ(メタ)アクリレートと(A)エポキシ(メタ)アクリレート以外の2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分との合計の含有量を示す。
以下、上記光硬化性組成物に含まれる各成分を説明する。
((A)エポキシ(メタ)アクリレート)
上記光硬化性組成物に含まれる(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を有さない。上記光硬化性組成物に含まれる(A)エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は2000以上である。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの使用により、塗布対象部材に対する硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。特に(C)白色顔料の含有量が多い場合に、(A)エポキシ(メタ)アクリレートを用いていないと、硬化物膜の密着性が低くなりやすい傾向がある。(A)エポキシ(メタ)アクリレートを用いることで、(C)白色顔料の含有量が多くても、硬化物膜の密着性を高めることができる。(A)エポキシ(メタ)アクリレートは1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
硬化物膜の硬度を高める観点からは、(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとを含むことが好ましい。2官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を2個有することが好ましい。3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することが好ましい。
(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られる。(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を(メタ)アクリロイル基に変換することにより得ることができる。上記光硬化性組成物は光の照射により硬化させるので、(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有さないことが好ましい。
(A)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート)、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、KAYARAD R−381(日本化薬社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)、PE2100P(MIWON社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)、リポキシPC−3F(昭和電工社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)及びEBECRYL3708(ダイセル・オルネクス社製、変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート)等が挙げられる。また、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、EBECRYL3603(ダイセル・オルネクス社製、ノボラックエポキシアクリレート)等が挙げられる。また、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させて、(メタ)アクリロイル基を導入することにより、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートを得てもよい。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
(A)エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は2000以上である。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量が2000未満であると、硬化物膜の密着性が悪くなる傾向がある。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は好ましくは20000以下である。ただし、重量平均分子量が2000以上である(A)エポキシ(メタ)アクリレートとともに、重量平均分子量が2000未満であるエポキシ(メタ)アクリレートを用いてもよい。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの重量平均分子量は、好ましくは3000以上、より好ましくは5000以上である。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量であり、下記の測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置:日本ウォーターズ社製「Waters GPC System(Waters 2690+Waters 2414(RI))」
測定条件カラム:Shodex GPC LF−G×1本、Shodex GPC LF−804×2本
移動相:THF 1.0mL/分
サンプル濃度:5mg/mL
検出器:示差屈折率検出器(RID)
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製、分子量:620〜590000)
(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、水酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させたエポキシ(メタ)アクリレートであってもよい。この場合には、架橋度を高め、硬度を高めることができる。変性に用いることができる化合物としては、シランカップリング剤、及びイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、スルフィド基、ウレイド基、及びイソシアネート基などの官能基を有する化合物等が挙げられる。光反応性があるので、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物が好ましい。イソシアネート基を有するモノマーとしては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。
(A)エポキシ(メタ)アクリレートは、カルボキシル基を有さない。カルボキシル基を有さないエポキシ(メタ)アクリレートの使用により、硬化物膜におけるカルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えば硬化物膜の変色を抑えることができる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量は5重量%以上、30重量%以下である。上記光硬化性組成物100重量%中、(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量は好ましくは10重量%以上である。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が上記下限以上であると、硬化物の密着性が効果的に高くなる。(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が上記上限以下であると、硬化物膜の鉛筆硬度が効果的に高くなり、更に印刷時に均一な塗膜が得られやすくなる。また、硬化物膜の密着性を効果的に高める観点から、上記光硬化性組成物100重量%中、重量平均分子量が2000以上である2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、重量平均分子量が2000以上である3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとの合計の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは30重量%以下である。
((B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物)
(A)エポキシ(メタ)アクリレートとともに(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物を用いることにより、(C)白色顔料の含有量が多くても、硬化物膜の密着性を効果的に高めることができ、更に光硬化性組成物の粘度比(η1/η2)を最適な範囲に制御することが容易である。(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物には、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートは含まれない。(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、2000以上の重量平均分子量を有さない。このため、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、好ましくは2000未満の分子量を有する。(B)光硬化性化合物の分子量の好ましくは1000以下、より好ましくは800以下、更に好ましくは600以下である。なお、本発明において、分子量とは、分子構造から算出可能な場合は算出した値、分子構造から算出不可能な場合は重量平均分子量のことを指す。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する光硬化性化合物であることが好ましい。(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、エチレン性不飽和結合を含む基として、(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有することが好ましい。
(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物としては、特に限定されず、多価アルコールの(メタ)アクリル酸付加物、多価アルコールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリル酸付加物、ウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。(B)光硬化性化合物では、一部の水酸基が残存していてもよい。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、光硬化性組成物は、ウレタン(メタ)アクリレート又はポリエステル(メタ)アクリレートを含んでもよい。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、(B1)エチレン性不飽和結合を1つ有する光硬化性化合物を含むことが好ましい。
(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、(B2)エチレン性不飽和結合を2つ以上有する光硬化性化合物を含んでいてもよく、(B3)エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光硬化性化合物を含んでいてもよい。硬化物膜の密着性を更に一層高める観点からは、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、(B1)エチレン性不飽和結合を1つ有する光硬化性化合物と、(B2)エチレン性不飽和結合を2つ以上有する光硬化性化合物とを含むことが好ましい。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、脂環式化合物を含むか、又は、芳香環又は水酸基を含むことが好ましい。単官能の成分が好ましいが、二官能などの多官能の複数成分が含まれていてもよい。
(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物は、カルボキシル基を有さないことが好ましい。カルボキシル基を有さない光硬化性化合物の使用により、硬化物膜におけるカルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えば硬化物膜の変色を抑えることができる。
(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の25℃での粘度は、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上である。硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の25℃での粘度は、好ましくは200mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下である。
上記粘度は、E型粘度計を用いて、25℃及び10rpmの条件で測定することができる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の物性が効果的に高くなる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(B1)エチレン性不飽和結合を1つ有する光硬化性化合物の含有量は好ましくは10重量%以上、より好ましくは20重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。(B1)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(B3)エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光硬化性化合物の含有量は、好ましくは5重量%以上、好ましくは20重量%以下である。(B3)エチレン性不飽和結合を3つ以上有する光硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の密着性が効果的に高くなる。
((C)白色顔料)
上記光硬化性組成物が(C)白色顔料を含むことにより、光の反射率が高い硬化物膜を形成することができる。(C)白色顔料の使用によって、(C)白色顔料以外の充填材のみを用いた場合と比較して、光の反射率が高い硬化物膜が得られる。(C)白色顔料は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(C)白色顔料としては、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン及び酸化マグネシウム等が挙げられる。
硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、(C)白色顔料は、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク又は酸化ジルコニウムであることが好ましい。この好ましい白色顔料を用いる場合に、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、タルク及び酸化ジルコニウムの中で、1種又は2種以上の白色顔料を用いることができる。(C)白色顔料は、酸化チタン又は酸化亜鉛であることが好ましく、酸化チタンであることが好ましく、酸化亜鉛であることが好ましい。(C)白色顔料は、酸化ジルコニウムであってもよい。
上記酸化チタンは、ルチル型酸化チタンであることが好ましい。ルチル型酸化チタンの使用により、硬化物膜の耐熱性がより一層高くなり、硬化物膜の変色がより一層抑えられる。
上記酸化チタンは、アルミニウム酸化物、ジルコニウム酸化物、又は珪素酸化物等により表面処理されたルチル型酸化チタンであることが好ましい。上記表面処理されたルチル型酸化チタンの使用により、硬化物膜の耐熱性がより一層高くなる。
上記表面処理されたルチル型酸化チタンとしては、例えば、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−90−2」、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−58」、ルチル塩素法酸化チタンであるデュポン社製「R−900」、並びにルチル硫酸法酸化チタンである石原産業社製「R−630」等が挙げられる。ルチル型酸化チタン以外の白色顔料も、同様に表面処理されていてもよい。
硬化物膜の密着性及び強度をより一層高める観点からは、(C)白色顔料は、酸化チタンと、酸化チタンとは異なる白色顔料とを含んでいてもよい。
上記表面処理の方法は特に限定されない。表面処理の方法として、乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法、並びに他の公知慣用の表面処理方法を用いることができる。
(C)白色顔料の平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは40μm以下である。上記平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の光の反射率をより一層高めることができる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(C)白色顔料の含有量は、好ましくは20重量%以上、より好ましくは30重量%以上、更に好ましくは40重量%以上、好ましくは70重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。(C)白色顔料の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の光の反射率がより一層高くなり、上記硬化物膜の密着性がより一層高くなる。上記光硬化性組成物100重量%中、(C)白色顔料の含有量は、50重量%以上であってもよい。
本発明では、特定の組成が採用されているために、(C)白色顔料の含有量が多くても、硬化物膜の密着性を高めることができる。例えば、上記光硬化性組成物100重量%中、(C)白色顔料の含有量が50重量%以上であっても、硬化物膜の密着性が充分に高くなる。
硬化物膜の密着性をより一層高め、かつ硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、(C)白色顔料の含有量の(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量に対する比は、好ましくは0.5以上、より好ましくは1.0以上、更に好ましくは1.5以上である。硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、(C)白色顔料の含有量の(A)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量に対する比は、好ましくは10以下、より好ましくは5.0以下、更に好ましくは4.0以下である。
上記(C)白色顔料が酸化チタンを含む場合、硬化物膜の密着性をより一層高め、かつ硬化物膜の光の反射率をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、酸化チタンの含有量の(C)白色顔料の含有量に対する比は、好ましくは0.4以上、より好ましくは0.6以上、更に好ましくは0.8以上である。硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、上記光硬化性組成物において、重量基準にて、酸化チタンの含有量の(C)白色顔料の含有量に対する比は、好ましくは1.0以下である。
((D)光重合開始剤)
上記光硬化性組成物は、(D)光重合開始剤を含むので、光の照射により光硬化性組成物を硬化させることができる。(D)光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(D)光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド、ハロメチル化トリアジン、ハロメチル化オキサジアゾール、イミダゾール、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、アントラキノン、ベンズアンスロン、ベンゾフェノン、アルキルフェノン、チオキサントン、安息香酸エステル、アクリジン、フェナジン、チタノセン、α−アミノアルキルフェノン、オキシム、及びこれらの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、o−ベンゾイル安息香酸メチル及びミヒラーズケトン等が挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤の市販品としては、EAB(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
アルキルフェノン系光重合開始剤の市販品としては、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651(BASF社製)、及びエサキュア1001M(Lamberti社製)等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、Lucirin TPO(BASF社製)、及びイルガキュア819(BASF社製)等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュアOXE−01、及びイルガキュアOXE−02(BASF社製)等が挙げられる。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、(D)光重合開始剤は、アシルフォスフィン系光重合開始剤と、アルキルフェノン系光重合開始剤との双方を含むことが好ましい。
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(D)光重合開始剤は、アルキルフェノン系光重合開始剤と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むことが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むことも好ましい。
(A)エポキシ(メタ)アクリレートと(B)エチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物との合計100重量部に対して、(D)光重合開始剤の含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。(D)光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性組成物を良好に光硬化させることができる。
(D)光重合開始剤は、硬化物の内部と外表面との双方の硬化性をより高める観点から、2種以上併用することが好ましい。光硬化性組成物は、2種以上の光重合開始剤を含むことが好ましい。具体的には、イルガキュア819(ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、BASF社製)と、TPO(2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド、BASF社製)、エサキュア1001M(1−[4−(4−ベンゾイルフェニルスルファニル)フェニル]−2−メチル−2−(4−メチルフェニルスルフォニル)プロパン−1−オン、Lamberti社製)、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア907、イルガキュア369、イルガキュア651もしくはイルガキュア184との組み合わせが更に好ましい。その場合、イルガキュア819の含有量は、(D)光重合開始剤の全量100重量%中、好ましくは1重量%以上、より好ましくは15重量%以上、好ましくは99重量%以下、より好ましくは85重量%以下である。また、イルガキュア819を必須成分として用い、3種以上の光重合開始剤を組み合わせて用いてもよい。この場合も、イルガキュア819の好ましい含有量の下限及び上限は上記値と同様である。
((E)チオール基を少なくとも1つ有するチオール基含有化合物)
(E)チオール基を少なくとも1つ有するチオール基含有化合物を他の化合物と併用することにより、耐湿性に優れた硬化物膜を得ることができ、かつ、耐熱性が高い硬化物膜を得ることができる。さらに、(E)チオール基含有化合物を塩素法により製造されたルチル型酸化チタンと併用することにより、硬化物膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立させることができる。(E)チオール基含有化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(E)チオール基含有化合物の具体例としては、SC有機化学社製のトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)等の1級多官能チオール、昭和電工社製のペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1)等の2級多官能チオール、SC有機化学社製の(β−メルカプトプロピオン酸(BMPA)、メチル−3−メルカプトプロピオネート(MPM)、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(NOMP)、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(MBMP)、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(STMP)等の単官能チオール等が挙げられる。
硬化物膜の耐湿性をより一層高め、硬化物膜の密着性を高める観点からは、(E)チオール基を少なくとも1つ有するチオール基含有化合物が、(E1)チオール基を2個以上有するチオール化合物を含むことが好ましい。
上記光硬化性組成物100重量%中、(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。(A)エポキシ(メタ)アクリレート100重量部に対して、(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは1.0重量部以上、より好ましくは3.0重量部以上、好ましくは35重量部以下、より好ましくは25重量部以下、更に好ましくは20重量部以下である。(A)エポキシ(メタ)アクリレートと(B)光反応性化合物との合計100重量部に対して、(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは0.2重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは6重量部以下である。(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、硬化物膜の耐湿性が高くなり、硬化物膜の剥離がより一層抑制され、さらに、硬化物膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とが高レベルで両立される。また、(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量が上記上限以下であると、保存中にゲル化が進行しにくい。(E)チオール基含有化合物及び(E1)チオール化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化性がより一層高くなる。保存安定性を高める観点からは、2級チオール化合物を用いることが好ましい。保存安定性を高める観点から、重合禁止剤を用いてもよい。
((F)熱硬化性化合物)
上記光硬化性組成物は、(F)熱硬化性化合物を含まないか、又は、(F)熱硬化性化合物を5重量%以下で含むことが好ましい。本発明では、(F)熱硬化性化合物の使用する場合には、(F)熱硬化性化合物の使用量を少なくすることが好ましい。(F)熱硬化性化合物の含有量が5重量%以下である組成物と、(F)熱硬化性化合物の含有量が例えば10重量%以上である組成物とでは、硬化物の基本物性が一般に異なる。(F)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(F)熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物等が挙げられる。
上記光硬化性組成物は、エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を5重量%以下で含むことが好ましい。
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、光硬化性組成物100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。光硬化性組成物100重量%中、エポキシ化合物の含有量は好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。
((G)有機溶剤)
上記光硬化性組成物は、(G)有機溶剤を含んでいてもよく、(G)有機溶剤を含んでいなくてもよい。
上記光硬化性組成物は、(G)有機溶剤を含まないか、又は、(G)有機溶剤を10重量%以下で含むことが好ましい。
硬化物膜の密着性をより一層高める観点からは、光硬化性組成物100重量%中、(G)有機溶剤の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物100重量%中、(G)有機溶剤の含有量は好ましくは3重量%以下、より好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。
(他の成分)
上記光硬化性組成物は、有機溶剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。
上記光硬化性組成物は、上述した成分以外に、白色顔料以外の無機フィラー、有機フィラー、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、硬化助剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、ワックス、マスキング剤、消臭剤、芳香剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤及び密着性付与剤等を含んでいてもよい。上記密着性付与剤としては、シランカップリング剤等が挙げられる。
硬化物膜の密着性及び強度をより一層高める観点からは、光硬化性化合物は、酸化チタンとは異なり、かつ白色顔料ではない無機フィラーを含んでいてもよい。
[電子部品及び電子部品の製造方法]
電子部品の製造方法は、電子部品本体の表面上に、上記光硬化性組成物を塗布して、組成物層を形成する工程と、上記組成物層に光を照射して、硬化物膜を形成する工程とを備える。電子部品の製造方法では、上記硬化物膜を形成するために、上記組成物層を現像しないことが好ましい。上記組成物層がレジスト層であることが好ましく、上記硬化物膜がレジスト膜であることが好ましい。
上記光硬化性組成物は現像を行わずに硬化物膜を形成するために好適に用いられるので、電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記光硬化性組成物を塗布することができる。
電子部品本体の熱劣化を防ぐ観点からは、上記硬化物膜を形成するために、熱硬化剤の作用により上記組成物層を熱硬化させないことが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な電子部品の製造方法を説明する。以下に説明する実施形態では、上記組成物層がレジスト層であり、上記硬化物膜がレジスト膜である。レジスト膜を形成するために、非現像型レジスト光硬化性組成物が用いられている。
先ず、図1(a)に示すように、塗布対象部材11を用意する。塗布対象部材11は、電子部品本体である。塗布対象部材11として、基板11Aが用いられており、基板11Aの表面上に複数の電極11Bが配置されている。
次に、図1(b)に示すように、塗布対象部材11の表面上に、非現像型レジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層12(組成物層)を形成する。図1(b)では、塗布対象部材11の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記非現像型レジスト光硬化性組成物を塗布し、複数のレジスト層12を形成している。具体的には、基板11Aの表面上の複数の電極11Bの間に、複数のレジスト層12を形成している。レジスト層12は、例えばレジストパターンである。例えば、レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用いることを想定したときに、現像後に残存させて形成されるレジスト層部分に対応する位置にのみに形成されている。レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用い、現像により除去されるレジスト層部分に対応する位置に形成されていない。
非現像型レジスト光硬化性組成物の塗布方法は、例えば、ディスペンサーによる塗布方法、スクリーン印刷による塗布方法、及びインクジェット装置による塗布方法等が挙げられる。製造効率に優れることから、スクリーン印刷が好ましい。非現像型レジスト光硬化性組成物をパターン印刷することが好ましい。
次に、レジスト層12に光を照射する。例えば、レジスト層12の塗布対象部材11側とは反対側から、レジスト層12に光を照射する。この結果、図1(c)に示すように、レジスト層12が光硬化し、レジスト膜2(硬化物膜)が形成される。この結果、塗布対象部材11(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜2が形成された電子部品1が得られる。
なお、図1(a)〜(c)を用いて説明したレジスト膜を備える電子部品の製造方法は、一例であり、電子部品の製造方法は、適宜変更することができる。電子部品の製造時に、レジスト膜を形成するために現像は行われないことが好ましい。
本発明の非現像型レジスト光硬化性組成物を用いて電子部品を製造する際には、塗布対象部材の表面に、2層以上のレジスト層を形成してもよく、該2層以上のレジスト層は部分的にかつ複数の箇所に形成してもよい。その際、塗布対象部材の表面に非現像型レジスト光硬化性組成物を1層塗布する毎に光を照射してレジスト層を形成してもよく、また2層以上塗布を行った後に光を照射してレジスト層を形成してもよい。
なお、従来、現像型レジスト組成物が用いられることが多かった。ネガ型の現像型レジスト組成物を用いる場合には、図2(a)に示すように、例えば、基板111Aと、基板111Aの表面上に配置された電極111Bとを有する塗布対象部材111を用意する。次に、図2(b)に示すように、塗布対象部材111の表面上に、全体に、レジスト層112を形成する。次に、図2(c)に示すように、マスク113を介して、電極111B上のレジスト層112のみに光を照射する。その後、図2(d)に示すように、現像し、電極111B間に位置するレジスト層112を部分的に除去する。レジスト層112を部分的に除去した後、残存しているレジスト層112を熱硬化させる。この結果、図2(e)に示すように、塗布対象部材111(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜102が形成された電子部品101を得る。
このように、現像型レジスト組成物を用いる場合には、レジスト膜の形成効率及び電子部品の製造効率が悪い。さらに、現像を行う必要がある。
これに対して、本発明に係る光硬化性組成物を用いることにより、硬化物膜(レジスト膜など)の形成効率及び電子部品の製造効率を高めることができる。また、現像を行う必要がない。
また、本発明では、電子部品として、上記硬化物膜を光反射膜として備える反射板を作製してもよい。電子部品において、上記硬化物膜は、光反射膜として備えられてもよく、光を反射すべき位置に配置されてもよい。電子部品は、光照射部を備えていてもよい。上記硬化物膜により光を反射させる場合に、上記硬化物膜は露出していてもよく、又は透明部材が積層されていてもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1〜17及び比較例1〜7)
(1)非現像型レジスト光硬化性組成物の調製
以下の表1〜3に示す配合成分を以下の表1〜3に示す配合量で配合して、非現像型レジスト光硬化性組成物を調製した。
(2)電子部品の作製
100mm×100mm×厚さ0.8mmのFR−4に銅箔を積層した基板を用意した。この基板上に、スクリーン印刷法により、255メッシュのポリエステルバイアス製の版を用いて、マスクパターンで非現像型レジスト光硬化性組成物を印刷して、レジスト層を形成した。印刷後、高圧水銀灯が設置された紫外線照射装置を用い、レジスト層に波長365nmの紫外線を、積算光量が2000mJ/cmとなるようにベルトコンベアー式露光器に1回流すことにより、測定サンプルとしてのレジスト膜を得た。得られたレジスト膜の厚みは20μmであった。
(評価)
(1)塗布精度(粘度(比(η1/η2)))
得られた光硬化性組成物について、E型粘度計を用いて、光硬化性組成物の25℃及び1rpmでの粘度η1と、25℃及び10rpmでの粘度η2とを測定した。比(η1/η2)を求めた。
(2)塗布精度(L/S(μm))
500μm、300μm、200μm、150uμm、100μmの各線幅のL/Sがパターニングされたマスクを用いてスクリーン印刷及び露光し、L/Sの印刷精度を確認した。判定は下記に従って実施した。
線と線の間に樹脂が流れ込まず、線が確認できる状態、かつ、幅と幅の間に樹脂が流れ込まずスペースが確認できる状態の線幅を合格とし、線幅数値を記載した。
(3)密着性(碁盤目試験)
得られた電子部品について、クロスカットテープ試験(JIS 5600)で確認し、下記の判定基準で確認した。1mm間隔で碁盤目に、硬化物に切り込みを20マス分カッターで作成し、次に切り込み部分を有する硬化物にセロハンテープ(JIS Z1522)を十分に貼りつけて、テープの一端を60度の角度で強く引き剥がして剥離状態を確認した。剥離状態をJISに従い分類した。分類0,1,2の場合に、剥離した基盤目の数は0である。
(4)密着性(PCT試験96h)
測定サンプルを121℃、2atmの条件下に96時間放置した後、評価サンプルの剥離の有無を確認した。
[PCT試験96hの判定基準]
○:レジスト膜の剥離なし
×:レジスト膜の剥離あり
(5)塗膜の均一性
得られた光硬化性組成物を支持部材上に厚み20μmに塗布した。塗布後の光硬化性組成物について、波長365nmの紫外線を積算光量2000mJ/cmになるように照射して硬化物を得た。得られた硬化物の外観を確認した。
[塗膜の均一性の判定基準]
○:×の判定基準に相当しない
×:表面に凹凸や筋が複数確認される
(6)反射率(Y(%))
得られた電子部品について、色彩・色差計(コニカミノルタ社製「CR−400」)を用いて、評価サンプルの反射率Y値を測定した。
(7)耐熱性(反射率(ΔE))
得られた光硬化性組成物を支持部材上に厚み20μmに塗布した。塗布後の光硬化性組成物について、波長365nmの紫外線を積算光量2000mJ/cmになるように照射して硬化物を得て、得られた硬化物を270℃で5分放置した。色彩色度計を用いて、放置前後のL表色系における色差ΔEを求めた。
(8)鉛筆硬度
得られた光硬化性組成物を支持部材上に厚み20μmに塗布した。塗布後の光硬化性組成物について、波長365nmの紫外線を積算光量2000mJ/cmになるように照射して硬化物を得た。得られた硬化物について、JIS K5600−5−4に準拠して、鉛筆硬度を求めた。
組成及び結果を下記の表1〜3に示す。
Figure 0005889491
Figure 0005889491
Figure 0005889491
1…電子部品
2…レジスト膜(硬化物膜)
11…塗布対象部材(電子部品本体)
11A…基板
11B…電極
12…レジスト層(組成物層)

Claims (12)

  1. 塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられ、
    光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられ、
    非現像型レジスト光硬化性組成物であり、
    カルボキシル基を有さず、かつ2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートと、
    2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する光硬化性化合物と、
    白色顔料と、
    光重合開始剤とを含み、
    前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が5重量%以上、30重量%以下である、光硬化性組成物。
  2. 前記白色顔料の含有量が20重量%以上、70重量%以下である、請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記光硬化性化合物が、2000以上の重量平均分子量を有するエポキシ(メタ)アクリレートではなく、2000以上の重量平均分子量を有さず、かつ(メタ)アクリロイル基を少なくとも1つ有する光硬化性化合物である、請求項1又は2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記エポキシ(メタ)アクリレートの含有量が10重量%以上、30重量%以下である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  5. チオール基を少なくとも1つ有するチオール基含有化合物を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  6. 光硬化性組成物に含まれる2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性成分の全体の含有量の前記光硬化性化合物の含有量に対する比が、1.25以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  7. 25℃及び1rpmでの粘度η1の25℃及び10rpmでの粘度η2に対する比が、1.1以上、2.2以下である、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  8. 熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  9. 熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を5重量%以下で含む、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  10. 他の光硬化性組成物とともに多層のレジスト膜を形成するために用いられない、請求項1〜のいずれか1項に記載の光硬化性組成物。
  11. 電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、請求項1〜10のいずれか1項に記載の光硬化性組成物を塗布して、レジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層に光を照射して、レジスト膜を形成する工程とを備え、
    前記レジスト膜を形成するために、前記レジスト層を現像しない、電子部品の製造方法。
  12. 前記レジスト膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記レジスト層を熱硬化させない、請求項11に記載の電子部品の製造方法。
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