JP2875747B2 - 光硬化性樹脂組成物 - Google Patents

光硬化性樹脂組成物

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JP2875747B2 JP25287694A JP25287694A JP2875747B2 JP 2875747 B2 JP2875747 B2 JP 2875747B2 JP 25287694 A JP25287694 A JP 25287694A JP 25287694 A JP25287694 A JP 25287694A JP 2875747 B2 JP2875747 B2 JP 2875747B2
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博行 福田
幸義 高山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、紫外線などの光エネル
ギーにより架橋硬化する光硬化性樹脂組成物に関するも
のであり、プリント配線板のレジストインキ、各種電子
部品における保護材料、絶縁材料あるいは接着剤などの
用途に有用である。
【0002】
【従来の技術】従来、電子部品等の保護材料、絶縁材料
あるいは接着剤としては、硬化後の樹脂の特性が優れて
いる点からエポキシ系樹脂組成物が多く用いられてき
た。しかしながら、近年生産性の向上、作業環境の確
保、省資源、省エネルギー化などを目的とした光硬化性
樹脂組成物の検討が活発に行われ、それに伴い熱硬化型
樹脂材料から光硬化型樹脂材料への転換が、被着体形
状、製造プロセス、要求品位に応じて着実に進みつつあ
る。
【0003】従来知られている光硬化性樹脂組成物は、
一般に末端不飽和二重結合を1個以上有する不飽和ポリ
エステル樹脂、アクリル系またはメタアクリレート系オ
リゴマー、光重合性モノマーなどの各樹脂成分と光重合
開始剤を必須成分として含有し、これに必要に応じて無
機充填剤、着色顔料、微量添加剤などをさらに添加した
組成物であった。このような光硬化性樹脂組成物は、塗
膜状態にして紫外線照射により架橋硬化させた場合、従
来のエポキシ系樹脂を主流とする熱硬化型樹脂組成物に
比べ、耐熱性、耐薬品性、銅や銀の変色及びマイグレー
ションなどさまざまな評価項目において相対的に劣るも
のであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
部品等の銅や銀からなる導体回路の変色防止及びマイグ
レーション抑制効果を有する光硬化性時油脂組成物を提
供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な事情に鑑み試験研究を重ねた結果、紫外線などの光エ
ネルギーにより架橋硬化できる末端不飽和二重結合を少
なくとも1個有する光硬化性樹脂に、イソシアヌル酸及
び光重合開始剤を配合することにより、銅や銀からなる
導体回路の変色防止及びマイグレーション抑制効果を有
する光硬化性時油脂組成物が得られることを見い出し、
本発明を完遂した。
【0006】本発明の実施において用いられる光硬化型
樹脂の代表的なものとしては、主として不飽和ポリエス
テル系、アクリレート系あるいはメタアクリレート系な
どの樹脂、例えば光重合性オリゴマーとしてエポキシ
(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレー
ト、ポリエステル(メタ)アクリレート、ポリエーテル
(メタ)アクリレートなどである。
【0007】また光重合性ビニルモノマーの代表的なも
のとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレー
ト、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフル
フリール(メタ)アクリレート、イソボロニル(メタ)
アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジ
ル(メタ)アクリレート及びフェノキシエチレングリコ
ール(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸の
エステル類、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート及びペンタエ
リスリトールトリ(メタ)アクリレートなどのヒドロキ
シアルキル(メタ)アクリレート類、メトキシエチル
(メタ)アクリレート及びエトキシエチル(メタ)アク
リレートなどのアルコキシアルキレングリコールモノ
(メタ)アクリレート類、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレー
ト、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート
及びジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレー
トなどのアルキレンポリオールポリ(メタ)アクリレー
ト類、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコール200ジ(メタ)アクリレート、エ
トキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プ
ロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリ
レート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリ
レート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アク
リレート、エトキシ化水添ビスフェノールAジ(メタ)
アクリレート、プロポキシ化水添ビスフェノールAジ
(メタ)アクリレート、エトキシ化ジシクロペンタニエ
ルジ(メタ)アクリレート及びプロポキシ化ジシクロペ
ンタニエルジ(メタ)アクリレートなどのポリオキシア
ルキレングリコールポリ(メタ)アクリレート類、ヒド
ロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールエステルジ
(メタ)アクリレートなどのポリ(メタ)アクリレート
類、トリス〔(メタ)アクリロキシエチル〕イソシアヌ
レートなどのイソシアヌレート型ポリ(メタ)アクリレ
ート類、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリ
レート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アク
リレート及びt−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレ
ートなどのアミノアルキル(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリル
アミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド及び
(メタ)アクリロイルモルホリンなどの(メタ)アクリ
ルアミド並びにビニルピロリドンなどが挙げられる。
【0008】本発明の実施において用いられる光重合開
始剤の代表的なものとしては、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾイ
ンイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテ
ル及びベンジルメチルケタールなどのベンゾインとその
アルキルエーテル類、アセトフェノン、2,2−ジメト
キシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−
2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ジエト
キシアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−
メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モ
ルホリノープロパン−1−オンなどのアセトフェノン
類、メチルアンソラキノン、2−エチルアンソラキノン
及び2−アミルアンソラキノンなどのアンソラキノン
類、チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、2,4−ジクロロチオ
キサントン、2−メチルチオキサントン及び2,4−ジ
イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類、
アセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチル
ケタールなどのケタール類、ベンゾフェノン及び4,4
−ビスメチルアミノベンゾフェノンなどのベンゾフェノ
ン類、アゾ化合物並びに有機過酸化物などであり、これ
らの化合物を単独または2種以上の混合物で使用するこ
とができる。
【0009】さらにトリエタノールアミン及びメチルジ
エタノールアミンなどの第3級アミン、2−ジメチルア
ミノエチル安息香酸及び4−ジメチルアミノ安息香酸エ
チルなどの安息香酸誘導体などの光重合開始助剤と組み
合わせて使用することができる。
【0010】またシリカ、タルク、炭酸カルシウム、ク
レー沈降性硫酸バリウムなどの無機充填剤、アエロジル
などのチキソトロピー付与剤、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン及び酸化チタンなどの着色剤ま
たは染料、シリコーン、フッソ系のレベリング剤や消泡
剤、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテ
ルなどの重合禁止剤などを必要に応じ改質剤として添加
しても差し支えない。
【0011】本発明の実施において、イソシアヌル酸を
配合する割合は、紫外線などの光エネルギーにより架橋
硬化できる末端不飽和二重結合を少なくとも1個有する
光硬化性樹脂100重量部に対して1〜15重量部添加
することにより、所期の目的を達成することができる。
【0012】イソシアヌル酸の配合量が光硬化性樹脂1
00重量部に対して1重量部未満の場合は、回路部の変
色が起こりやすくなり、またマイグレーションの抑制効
果も低下する。一方15重量部を超える配合割合の場合
は、光の照射による硬化速度が低下するため、得られた
硬化樹脂の所定の物性が得られないため、好ましくな
い。
【0013】
【実施例】次に、本発明を実施例及び比較例により具体
的に説明する。なお、紫外線照射後の硬化塗膜の評価試
験は次のようにして行った。すなわち、銅変色程度の試
験については、温度25℃湿度60%RH、温度40℃
湿度95%RHまたは温度60℃湿度95%RHの状態
に試験板を96時間保持後の銅回路部の変色の発生状態
を目視にて測定した。銀マイグレーション試験について
は、銀ペーストを用いて0.32mmの回路幅及び回路間
を有するくし型回路を形成し、これに光硬化性樹脂塗膜
を塗布し、紫外線照射して硬化させたのち、温度60℃
湿度95%RHの環境下において直流電圧50Vを負荷
させ、試験板を96時間保持したのちのマイグレーショ
ンの発生状況を目視にて測定した。硬化塗膜の表面鉛筆
硬度については、JIS K−5400に準拠して行
い、クロスカットセロテープピーリング試験による密着
性評価試験は、JIS D−202に準拠して行った。
【0014】(実施例1)ノボラック型エポキシアクリ
レート〔商品名:SP−4010、昭和高分子(株)
製〕70重量部、トリメチロールプロパントリアクリレ
ート〔商品名:TMP3A、大阪有機化学(株)製〕1
0重量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート〔商品
名:ライトエステルHO、共栄社化学(株)製〕20重
量部、1−クロルアンソラキノン2重量部及びイソシア
ヌル酸5重量部の割合で配合した樹脂組成物を3本ロー
ルミルを用いて均一に分散混合し、光硬化性樹脂組成物
を調製した。得られた光硬化性樹脂組成物を研磨処理を
施した銅張り積層板上にスクリーン印刷法により約15
μの厚さに塗布し、紫外線を照射して硬化させたのち、
前記の銅変色程度の試験、表面鉛筆硬度試験及びクロス
カットセロテープピーリング試験による密着性試験並び
に銀マイグレーション試験を行った。その試験結果は、
表1に示すとおりであった。
【0015】(実施例2)実施例1において、イソシア
ヌル酸5重量部の代わりにイソシアヌル酸10重量部を
用いた以外は全く実施例1と同じ方法により、光硬化性
樹脂組成物を調製した。次いで、実施例1と同様に硬化
樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は表1に
示すとおりであった。
【0016】(比較例1)実施例1において、イソシア
ヌル酸を配合しなかった以外は全く実施例1と同じ方法
により、光硬化性樹脂組成物を調製し、実施例1と同様
に硬化樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は
表1に示すとおりであった。
【0017】
【表1】
【0018】(実施例3)ウレタンアクリレート〔商品
名:UX−2201、日本化薬(株)製〕60重量部、
n−ビニルピロリドン〔商品名:アロニックスM−15
0、東亜合成化学工業(株)製〕30重量部、イソボリ
ニルアクリレート〔商品名:ライトエステルIB−X
A、共栄社化学(株)製〕10重量部、EO変性リン酸
メタクリレート〔商品名:ライトエステルPM、共栄社
化学(株)製〕2重量部、1−ヒドロキシシクロヘキシ
ルフェニルケトン〔商品名:IRGACURE 18
4、チバガイギー(株)製〕5重量部及びイソシアヌル
酸5重量部の割合で配合した樹脂組成物を3本ロールミ
ルを用いて均一に分散混合し、光硬化性樹脂組成物を調
製した。得られた光硬化性樹脂組成物を用いて実施例1
と同様の方法により、硬化樹脂塗膜の評価試験を行った
ところ、その結果は表2に示すとおりであった。
【0019】(実施例4)実施例3において、イソシア
ヌル酸5重量部の代わりにイソシアヌル酸10重量部を
用いた以外は全く実施例3と同じ方法により、光硬化性
樹脂組成物を調製した。次いで、実施例3と同様に硬化
樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は表2に
示すとおりであった。
【0020】(比較例2)実施例3において、イソシア
ヌル酸を配合しなかった以外は全く実施例3と同じ方法
により、光硬化性樹脂組成物を調製し、実施例3と同様
に硬化樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は
表2に示すとおりであった。
【0021】
【表2】
【0022】(実施例5)ポリエステルアクリレート5
0重量部、ウレタンアクリレート〔商品名:Ebecr
yl 11259、ダイセル・ユーシービー(株)製〕
10重量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト〔商品名:アロニックスM−400、東亜合成化学工
業(株)製〕10重量部、ヒドロキシピバリン酸エステ
ルネオペンチルグリコールジアクリレート〔商品名:K
AYARAD MANDA、日本化薬(株)製〕30重
量部、EO変性リン酸メタクリレート〔商品名:ライト
エステルPM、共栄社化学(株)製〕2重量部、1−ヒ
ドロキシシクロヘキシルフェニルケトン〔商品名:IR
GACURE 184、チバガイギー(株)製〕5重量
部及びイソシアヌル酸5重量部の割合で配合した樹脂組
成物を3本ロールミルを用いて均一に分散混合し、光硬
化性樹脂組成物を調製した。得られた光硬化性樹脂組成
物を用いて実施例1と同様の方法により、硬化樹脂塗膜
の評価試験を行ったところ、その結果は表3に示すとお
りであった。
【0023】(実施例4)実施例5において、イソシア
ヌル酸5重量部の代わりにイソシアヌル酸10重量部を
用いた以外は全く実施例5と同じ方法により、光硬化性
樹脂組成物を調製した。次いで、実施例5と同様に硬化
樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は表3に
示すとおりであった。
【0024】(比較例2)実施例5において、イソシア
ヌル酸を配合しなかった以外は全く実施例5と同じ方法
により、光硬化性樹脂組成物を調製し、実施例5と同様
に硬化樹脂塗膜の評価試験を行ったところ、その結果は
表3に示すとおりであった。
【0025】
【表3】
【0026】
【発明の効果】本発明の光硬化性樹脂組成物は、プリン
ト配線板用のレジストインキとして用いた場合、銅や銀
に対する変色抑制効果及びマイグレーションの抑制効果
に優れたレジスト膜が得られるので、プリント配線板の
回路の信頼性が増し、製品不良を大幅に低減することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 5/3477 C08K 5/3477 C08L 101/02 C08L 101/02 // C09D 5/00 C09D 5/00 C 7/12 7/12 Z 11/00 11/00 163/10 163/10 167/06 167/06 171/00 171/00 B 175/16 175/16 C09J 9/00 C09J 9/00 163/10 163/10 167/06 167/06 171/00 171/00 B 175/16 175/16 G03C 1/73 G03C 1/73 G03F 7/027 511 G03F 7/027 511 7/028 7/028 7/038 7/038 H01B 3/30 H01B 3/30 B 3/40 3/40 A 3/42 3/42 D G H05K 3/06 H05K 3/06 H (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08F 290/00 - 290/14 C08F 283/00 - 283/01 C08F 299/00 - 299/08 C08F 2/00 - 2/60 C08L 1/00 - 101/14 C08K 1/00 - 13/08 G03C 1/00 - 1/95 G03F 7/00 - 7/42 H01B 3/00 - 3/56 H05K 3/00 - 3/46 C09D 1/00 - 201/10 C09J 1/00 - 201/10

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線などの光エネルギーにより架橋硬
    化できる末端不飽和二重結合を少なくとも1個有する光
    硬化性樹脂、イソシアヌル酸及び光重合開始剤を含有す
    ることを特徴とする光硬化性樹脂組成物。
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