JP2019175226A - タッチセンサの保護膜形成用感光性フィルム、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルム、タッチセンサの保護膜の形成方法及びタッチパネル - Google Patents
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Abstract
【課題】長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができるタッチセンサの保護膜形成用感光性フィルムを提供する。【解決手段】感光性フィルム1は、支持フィルム10と、支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層20と、を備える。感光性樹脂層は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、下記一般式(1)で表される化合物と、を含有する。[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]【選択図】図1
Description
本発明は、タッチセンサの保護膜形成用感光性フィルム、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルム、タッチセンサの保護膜の形成方法及びタッチパネルに関する。
パソコン及びテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、電子辞書等の小型電子機器、OA(Office Automation、オフィスオートメーション)・FA(Factory Automation、ファクトリーオートメーション)機器等の表示機器などには液晶表示素子、及び、タッチセンサを有するタッチパネルが用いられている。
タッチパネルは各種の方式が実用化されているが、近年、投影型静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、該X電極に直交する複数のY電極が形成される。これらの電極の材料として、ITO(Indium−Tin−Oxide、酸化インジウムスズ)が主流である。
ところで、タッチパネルの額縁領域はタッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。一般的に額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために銅等の金属配線が形成されている。
しかし、タッチパネルは、指先等に接触される際に水分、塩分等の腐食成分がセンシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、上記金属配線が腐食し、電極と駆動用回路との間の電気抵抗の増加又は断線の恐れがある。
金属配線の腐食を防ぐために、タッチパネルのタッチセンサ基材上に感光性樹脂組成物を用いて保護膜を形成する方法が知られている。例えば、必要な箇所に保護膜(例えばレジスト膜)を設ける方法として、感光性樹脂組成物を含む感光性樹脂層を所定の基板上に設けて、この感光性樹脂層を露光及び現像する方法が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
タッチセンサの保護膜には、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有することが求められる。また、保護膜を形成する際の現像時に現像残渣が少ないことが求められる。現像残渣が多いと、外観不良の発生及び金属配線の接触不良の発生といった問題が生じる。
しかしながら、タッチセンサの保護膜の形成に従来の感光性フィルムを用いた場合、保護膜の耐光性が不充分であったり、現像時に現像残渣が発生し易いという問題があった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができるタッチセンサの保護膜形成用感光性フィルム、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルム、並びに、それらを用いたタッチセンサの保護膜の形成方法及びタッチパネルを提供することを目的とする。
上記問題を解決するために、本発明は、支持フィルムと、上記支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、を備え、上記感光性樹脂層は、(A)側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマーと、(B)光重合性化合物と、(C)光重合開始剤と、(D)下記一般式(1)で表される化合物と、を含有する、タッチセンサの保護膜形成用感光性フィルムを提供する。
[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
[式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。]
本発明のタッチセンサの保護膜形成用感光性フィルムによれば、上記構成を有することにより、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる。かかる効果は、特に上記(A)側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、上記(D)一般式(1)で表される化合物(以下、(D)成分ともいう)とを併用することによって奏することができる。これらを併用しない場合、得られる保護膜は、長時間光照射後に基材から剥がれ易いものとなる。ここで、上記(A)成分は、基材に対する保護膜の密着性を向上させる機能を有し、長時間光照射の前後において基材から保護膜が剥がれることを抑制することができる。しかし、(D)成分を用いずに(A)成分を用いた場合、長時間光照射後に保護膜と基材との密着性が低下することとなる。これは、長時間の光照射により保護膜の過剰な硬化が進行してしまうためであると考えられる。これに対し、(D)成分を(A)成分と併用することにより、上記硬化の進行を充分に防ぐことができ、長時間光照射後であっても保護膜と基材との密着性を維持することができる。これは、(D)成分であるニトロソ基含有化合物がラジカルを捕捉する機能を有していることから、重合禁止剤として作用して、長時間の光照射による硬化の進行を抑制できるためであると考えられる。特に、基材が表面にITO電極パターン等の透明電極パターンを有するタッチセンサ基材である場合において、保護膜と基材とのより優れた密着性を得ることができる。また、(D)成分を用いることにより、現像時の現像残渣の発生も抑制することができる。そのため、本発明の感光性フィルムによれば、優れた耐光性と現像残渣の低減とを高水準で両立させることができる。
上記一般式(1)中のRは、上記本発明の効果をより充分に得る観点から、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数1〜4のハロアルキル基であってもよい。
上記一般式(1)中のMa+は、上記本発明の効果をより充分に得る観点から、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンであってもよい。
上記感光性樹脂層において、上記(D)一般式(1)で表される化合物の含有量は、上記(A)バインダーポリマー及び上記(B)光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部であってもよい。これにより、パターニング性を損なうことなく、優れた耐光性と現像残渣の低減とを高水準で両立できる。また、上記含有量が0.5質量部以下であることで、得られる保護膜は無色に近い色味を保つことができる。
上記(B)光重合性化合物は、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を含んでいてもよい。トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を用いると、得られる保護膜の透湿度をより低減しつつ、保護膜と基材との密着性をより向上させることができる。
上記(C)光重合開始剤は、オキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含んでいてもよい。これらの光重合開始剤を用いると、パターン形成時により優れた解像度を得ることができると共に、得られる保護膜の透明性を向上させることができる。
上記感光性樹脂層は、(E)エチレン性不飽和結合を有するリン酸エステルを更に含有していてもよい。感光性樹脂層が上記リン酸エステルを含有すると、得られる保護膜と基材との密着性をより向上させることができる。
本発明はまた、上記本発明の感光性フィルムの上記感光性樹脂層上に、金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層を更に備える、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルムを提供する。
上記感光性屈折率調整フィルムによれば、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる。また、投影型静電容量方式のタッチパネルにおけるタッチセンサは、透明電極パターンが形成された部分と、形成されていない部分との光学的な反射特性の違いにより色差が大きくなり、モジュール化した際に透明電極パターンが画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題がある。上記感光性屈折率調整フィルムによれば、第二の樹脂層を備えることで、骨見え現象の問題を改善することができる。
本発明はまた、タッチセンサ基材上に、上記本発明の感光性フィルムの感光性樹脂層をラミネートする工程と、上記基材上の上記感光性樹脂層の所定部分を露光後、上記所定部分以外を除去し、保護膜を形成する工程と、を備える、タッチセンサの保護膜の形成方法を提供する。
本発明はまた、タッチセンサ基材上に、上記本発明の感光性屈折率調整フィルムの上記第二の樹脂層及び上記感光性樹脂層を、上記基材と上記第二の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、上記基材上の上記第二の樹脂層及び上記感光性樹脂層の所定部分を露光後、上記所定部分以外を除去し、保護膜を形成する工程と、を備える、タッチセンサの保護膜の形成方法を提供する。
上記保護膜の形成方法によれば、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制しつつ、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成することができる。これらの保護膜はパターン状に形成することもできる。これらの保護膜は、タッチセンサ基材上の金属配線の腐食を防ぐための保護膜として有効に機能する。
本発明はまた、上記本発明の感光性フィルムにおける上記感光性樹脂層の硬化物からなる保護膜をタッチセンサ基材上に有するタッチセンサを備えるタッチパネルを提供する。
本発明は更に、上記本発明の転写型感光性屈折率調整フィルムにおける上記感光性樹脂層の硬化物、及び、上記第二の樹脂層又はその硬化物からなる保護膜をタッチセンサ基材上に有するタッチセンサを備えるタッチパネルを提供する。
上記タッチパネルは、長時間光照射された場合でも保護膜が基材から剥がれ難い優れた耐光性を有することができる。
本発明によれば、長時間光照射された場合でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制することができる。タッチセンサの保護膜形成用感光性フィルム、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルム、並びに、それらを用いたタッチセンサの保護膜の形成方法及びタッチパネルを提供することができる。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
更に、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルム>
本実施形態の感光性フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、を備えるものである。感光性フィルムは、感光性樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。本実施形態の感光性フィルムは、転写型感光性フィルムとして用いることができる。また、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、該感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備えるものである。感光性屈折率調整フィルムは、第二の樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、転写型感光性屈折率調整フィルムとして用いることができる。本実施形態の感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムは、タッチセンサの保護膜の形成に好適に用いることができる。
本実施形態の感光性フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、を備えるものである。感光性フィルムは、感光性樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。本実施形態の感光性フィルムは、転写型感光性フィルムとして用いることができる。また、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた感光性樹脂層と、該感光性樹脂層上に設けられた金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層と、を備えるものである。感光性屈折率調整フィルムは、第二の樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、転写型感光性屈折率調整フィルムとして用いることができる。本実施形態の感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムは、タッチセンサの保護膜の形成に好適に用いることができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る感光性フィルムを示す模式断面図である。図1に示される感光性フィルム1は、支持フィルム10と、上記支持フィルム10上に設けられた感光性樹脂層20と、上記感光性樹脂層20上に設けられた保護フィルム40とを備える。また、図2は、本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを示す模式断面図である。図2に示される感光性屈折率調整フィルム2は、支持フィルム10と、上記支持フィルム10上に設けられた感光性樹脂層20と、上記感光性樹脂層20上に設けられた第二の樹脂層30と、上記第二の樹脂層30上に設けられた保護フィルム40とを備える。
上記感光性フィルムを用いることで、例えばタッチパネルの額縁にある金属配線又はタッチパネルの透明電極の保護機能を有する硬化膜(保護膜)を形成することができる。また、上記感光性屈折率調整フィルムを用いることで、例えばタッチパネルの額縁にある金属配線又はタッチパネルの透明電極の保護機能と、透明電極パターンの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす硬化膜(保護膜)を一括で形成することができる。本実施形態の感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムを用いて形成された保護膜は、特にITO電極等のタッチパネルの透明電極に対して優れた密着性を有することができ、長時間光照射された場合でも良好な密着性を維持することができる。
(支持フィルム)
支持フィルム10としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムの材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
支持フィルム10としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムの材質としては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
支持フィルム10の厚さは、被覆性の確保と、支持フィルム10を介して活性光線を照射する際の解像度の低下を抑制する観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましく、15〜40μmであることが更に好ましく、15〜35μmであることが特に好ましい。
(感光性樹脂層)
感光性樹脂層(第一の樹脂層)20は、(A)側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、(B)光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、(C)光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)と、(D)下記一般式(1)で表される化合物(以下、(D)成分ともいう)と、を含有する感光性樹脂組成物から形成される。感光性樹脂組成物は、(E)エチレン性不飽和結合を有するリン酸エステル(以下、(E)成分ともいう)を更に含有してもよい。なお、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマーは、本明細書においては(B)成分に含ませないものとする。
式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。
感光性樹脂層(第一の樹脂層)20は、(A)側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、(B)光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、(C)光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)と、(D)下記一般式(1)で表される化合物(以下、(D)成分ともいう)と、を含有する感光性樹脂組成物から形成される。感光性樹脂組成物は、(E)エチレン性不飽和結合を有するリン酸エステル(以下、(E)成分ともいう)を更に含有してもよい。なお、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマーは、本明細書においては(B)成分に含ませないものとする。
式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。
(A)成分は、アルカリ現像性の観点から、カルボキシル基を有するバインダーポリマーであることが好ましい。また、(A)成分としては、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を有する共重合体が好適である。上記共重合体は、上記(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るその他のモノマーを構造単位に含有していてもよい。具体的には、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン、アクリル酸シクロヘキシルエステル等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステル等が挙げられる。
(A)成分としては、アルカリ現像性(特に無機アルカリ水溶液に対する)、パターニング性、透明性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル及び(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物に由来する構造単位を有するバインダーポリマーが好ましい。
側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むバインダーポリマーは、例えば、上述した(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン、アクリル酸シクロヘキシルエステル等のモノマーを共重合させた共重合体に、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を導入することにより得ることができる。
側鎖にエチレン性不飽和基を有する基としては特に制限はないが、エチレン性不飽和基としては、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、エチレン性不飽和基とモノマーとの連結はエステル基、アミド基、カルバモイル基等の2価の連結基であれば特に制限はない。側鎖にエチレン性不飽和基を導入する方法は公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を持つ基にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシ基を持つ基にイソシアネート基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法、イソシアネート基を持つ基にヒドロキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法等が挙げられる。その中でも、酸性基を持つ繰り返し単位にエポキシ基を持つ(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で好ましい。
エチレン性不飽和基及びエポキシ基を有する(メタ)アクリレートとしては、これらを有すれば特に制限はないが、例えば、下記一般式(6)で表される化合物及び下記一般式(7)で表される化合物が好ましい。
一般式(6)中、R21は水素原子又はメチル基を示し、L1は2価の有機基を示す。
一般式(7)中、R22は水素原子又はメチル基を示し、L2は2価の有機基を示し、Wは4〜7員環の脂肪族炭化水素基を示す。
上記一般式(6)で表される化合物及び一般式(7)で表される化合物の中でも、一般式(6)で表される化合物の方が一般式(7)で表される化合物よりも好ましい。上記一般式(6)及び(7)で表される化合物としては、L1及びL2がそれぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基である化合物がより好ましい。
上記一般式(6)で表される化合物又は一般式(7)で表される化合物としては、特に制限はないが、例えば、以下の式(8)〜(17)で表される化合物が挙げられる。
(A)成分が側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むことにより、基材に対する良好な密着性、特にITO電極パターン等の透明電極パターンを有するタッチセンサ基材に対する良好な密着性を得ることができる。また、保護膜の透湿度を低減することができる。
(A)成分の重量平均分子量は、解像度の観点から、10,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることが更に好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましく、40,000〜100,000であることが極めて好ましい。なお、重量平均分子量は、本明細書の実施例に記載したゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定することができる。
(A)成分の酸価は、所望の形状を有する硬化膜(保護膜)をアルカリ現像で容易に形成し、且つ、現像残渣の発生を充分に抑制する観点から、75mgKOH/g以上とすることが好ましい。また、保護膜形状の制御容易性と保護膜の防錆性との両立を図る観点から、(A)成分の酸価は、80〜200mgKOH/gであることが好ましく、90〜150mgKOH/gであることがより好ましく、100〜140mgKOH/gであることが更に好ましい。なお、酸価は、本明細書の実施例に記載した方法で測定することができる。
なお、感光性樹脂層20は、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマー以外の他のバインダーポリマーを更に含有していてもよい。
(B)成分としては、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることができる。エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー、又は分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。
上記分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマーとしては、例えば、上記(A)成分の好適な例である共重合体の合成に用いられるモノマーとして例示したものが挙げられる。
上記分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、得られる保護膜の透湿度をより低減しつつ、保護膜と基材との密着性をより向上させることができる観点から、脂環式骨格を有する化合物を含むことが好ましく、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を含むことがより好ましい。金属配線及び透明電極パターンの腐食抑制の観点から、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物として、下記一般式(18)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
[一般式(18)中、R31及びR32は、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基を示し、R33及びR34は、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、n及びmは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、p及びqは、それぞれ独立に0以上の整数を示し、p+q=0〜10となるように選択される。]
上記一般式(18)において、R33及びR34は、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、プロピレン基はn−イソプロピレン基及びイソプロピレン基のいずれであってもよい。
上記一般式(18)で表される化合物によれば、Xに含まれるトリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基が、嵩高い構造を有することで、保護膜の低透湿性を実現し、金属配線及び透明電極の腐食抑制性を向上されることができる。ここで、本明細書中における「トリシクロデカン骨格」及び「トリシクロデセン骨格」とは、それぞれ以下の構造(それぞれ、結合手は任意の箇所である)をいう。
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物としては、得られる保護膜の低透湿性の観点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート等のトリシクロデカン骨格を有する化合物が好ましい。これらは、DCP及びA−DCP(いずれも新中村化学工業株式会社製)として入手可能である。
(B)成分における、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物の割合は、透湿度を低減する観点から、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部のうち、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることが更に好ましい。
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物とは別の、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。金属配線又は透明電極の腐食防止及び現像性の観点から、上記多官能ビニルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;又はジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;シアヌル酸由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーと、分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー又は分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーを組み合わせて用いる場合、使用する割合に特に制限は無いが、光硬化性及び電極腐食を防止する観点から、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーの割合が、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部のうち、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、75質量部以上であることが更に好ましい。
(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が35〜85質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることが更に好ましく、55〜65質量部であることが特に好ましい。特に、パターン形成性及び保護膜の透明性を維持する点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が、35質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることが更に好ましく、55質量部以上であることが特に好ましい。
(C)成分としては、従来公知の光重合開始剤を特に制限無く用いることができるが、透明性の高い光重合開始剤を用いることが好ましい。基材上に、厚さが10μm以下の薄膜であっても充分な解像度で樹脂硬化膜パターンを形成する点では、(C)成分はオキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル化合物は、下記一般式(19)で表される化合物、下記一般式(20)で表される化合物、又は下記一般式(21)で表される化合物であることが好ましい。
式(19)中、R41及びR42は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基、フェニル基又はトリル基であることが更に好ましい。R43は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH又は−COO(CH2)2OHを示し、−H、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH、又は−COO(CH2)2OHであることが好ましく、−H、−O(CH2)2OH、又は−COO(CH2)2OHであることがより好ましい。
式(20)中、2つのR44は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、プロピル基であることが好ましい。R45は、NO2又はArCO(ここで、Arはアリール基を示す。)を示し、Arとしては、トリル基が好ましい。R46及びR47は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。
式(21)中、R48は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、エチル基であることが好ましい。R49はアセタール結合を有する有機基である。R50及びR51は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R52は、水素原子又はアルキル基を示す。
上記一般式(19)で表される化合物は、IRGACURE OXE 01(BASFジャパン株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(20)で表される化合物は、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(21)で表される化合物は、例えば、アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、製品名)として入手可能である。
(C)成分の含有量は、光感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることが更に好ましく、1〜2質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、(D)成分として下記一般式(1)で表される化合物を含有する。
式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。
式(1)中、Rは有機基を示し、aは1〜4の整数を示し、Ma+はa価の金属イオン又はアンモニウムイオンを示す。
より優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣をより低減できる観点から、上記一般式(1)中のRは、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基及び炭素数1〜4のハロアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。なお、置換基を有するアリール基としては、炭素数1〜6のアルキル基、フェニル基、ハロゲン原子及び下記一般式(18)〜(20)で表される基から選ばれる置換基の1個以上を有するアリール基が挙げられる。また、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基としては、1以上の水酸基で置換された炭素数1〜20のアルキル基が挙げられる。
−OR1 (2)
−SR2 (3)
−N(R3)(R4) (4)
式(2)〜(4)中、R1は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、置換基を有する炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(nは1〜20の整数を示す)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R5)r(R6)3−r(R5は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R2は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜12のアルキルエーテル基、主鎖炭素原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R3及びR4は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR3及びR4が一体化した炭素数2〜6のアルキレン基を示す。
−SR2 (3)
−N(R3)(R4) (4)
式(2)〜(4)中、R1は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、置換基を有する炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(nは1〜20の整数を示す)、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R5)r(R6)3−r(R5は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R6はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R2は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜12のアルキルエーテル基、主鎖炭素原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R3及びR4は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR3及びR4が一体化した炭素数2〜6のアルキレン基を示す。
上記一般式(1)中のMa+は、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン及びアンモニウムイオンからなる群から選ばれる1種であることがより好ましい。より優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣をより低減できる観点から、Ma+はアルミニウムイオンであることがより好ましい。
より優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣をより低減できる観点から、(D)成分は下記一般式(5)で表される化合物であることがより好ましい。
式(5)中、R7、R8、R9、R10及びR11は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(−OR12、−SR13及び−N(R14)(R15)からなる群から選ばれる1以上で置換されていてもよい)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、−OR12、−SR13、−S(O)R13、−SO2R13、又は−N(R14)(R15)で表される基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(nは1〜20の整数を示す)で表される基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R16)r(R17)3−r(R16は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R17はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R13は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜6の置換アルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するアルキルエーテル基、主鎖原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R14及びR15は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR14とR15が一体化された炭素数2〜6のアルキレン基を示し;Ma+はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンを示し;aは1〜4を示す。
式(5)中、R7、R8、R9、R10及びR11は相互に独立に水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜12のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基(−OR12、−SR13及び−N(R14)(R15)からなる群から選ばれる1以上で置換されていてもよい)、ベンジル基、ベンゾイル基、炭素数2〜12のアルカノイル基、炭素数2〜12のアルコキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、−OR12、−SR13、−S(O)R13、−SO2R13、又は−N(R14)(R15)で表される基を示し;R12は水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、置換された炭素数2〜6のアルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有する炭素数2〜6のアルキルエーテル基、炭素数2〜8のアルカノイル基、−(CH2CH2O)nH(nは1〜20の整数を示す)で表される基、炭素数3〜12のアルケニル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、シクロヘキシル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、又は−Si(R16)r(R17)3−r(R16は炭素数1〜8のアルキル基を示し、R17はフェニル基を示し、rは1〜3の整数を示す)を示し;R13は水素原子、炭素数1〜12の未置換アルキル基、炭素数3〜12のアルケニル基、シクロヘキシル基、炭素数2〜6の置換アルキル基、主鎖炭素原子間に1個以上の酸素原子を有するアルキルエーテル基、主鎖原子間に1個以上の硫黄原子を有する炭素数2〜12のアルキルスルフィド基、置換又は未置換のフェニル基、又は炭素数7〜9のフェニルアルキル基を示し;R14及びR15は相互に独立に水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数2〜10のアルコキシアルキル基、炭素数3〜5のアルケニル基、炭素数5〜12のシクロアルキル基、炭素数7〜9のフェニルアルキル基、置換又は未置換のフェニル基、炭素数2〜3のアルカノイル基、炭素数3〜6のアルケノイル基、ベンゾイル基を示すか、あるいはR14とR15が一体化された炭素数2〜6のアルキレン基を示し;Ma+はアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンを示し;aは1〜4を示す。
(D)成分のより好ましい例としては、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−1−ナフチルヒドロキシアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−1−ナフチルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−p−クロロフェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−p−クロロフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩、トリス(N−ニトロソ−p−ブロモフェニルヒドロキシアミン)のアルミニウム塩、N−ニトロソ−p−ブロモフェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩等が挙げられる。これらの中でも、より優れた本発明の効果が得られると共に、入手のしやすさの観点から、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩及びN−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミンのアンモニウム塩が好ましく、トリス(N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシルアミン)のアルミニウム塩がより好ましい。
感光性樹脂組成物における(D)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の総量100質量部に対して0.001〜0.5質量部であることが好ましく、0.005〜0.2質量部であることがより好ましく、0.01〜0.1質量部であることが特に好ましい。この含有量を0.001質量部以上とすることで、より優れた耐光性を有する保護膜を形成でき、且つ、現像時の現像残渣をより低減することができる傾向があり、0.5質量部以下とすることで感度が優れたものとなる傾向がある。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、基材に対する密着性向上の観点から、(E)エチレン性不飽和結合を含むリン酸エステルを含有することが好ましい。なお、本明細書において、エチレン性不飽和結合を含むリン酸エステルは、(B)成分ではなく(E)成分として扱うこととする。
(E)成分であるエチレン性不飽和結合を含むリン酸エステルとしては、形成する保護膜の防錆性を充分確保しつつ、基材及びITO電極に対する密着性と金属配線上での現像性とを高水準で両立する観点から、ユニケミカル株式会社製のPhosmerシリーズ(Phosmer−M、Phosmer−CL、Phosmer−PE、Phosmer−MH、Phosmer−PP等)、又は日本化薬株式会社製のKAYAMERシリーズ(PM−21、PM−2等)が好ましい。
(E)成分の含有量は、基材に対する密着性向上と、現像残渣の発生抑制の観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜5質量部であることが好ましく、0.2〜4質量部であることがより好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、保護膜の防錆性をより向上させる観点から、メルカプト基を有するトリアゾール化合物、メルカプト基を有するテトラゾール化合物、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物、アミノ基を有するトリアゾール化合物及びアミノ基を有するテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(以下、(F)成分ともいう)を更に含有していてもよい。メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、例えば、3−メルカプト−トリアゾール(和光純薬工業株式会社製、製品名:3MT)が挙げられる。また、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物としては、例えば、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬工業株式会社製、製品名:ATT)が挙げられる。
上記アミノ基を有するトリアゾール化合物としては、例えばベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール等にアミノ基が置換した化合物、3−メルカプトトリアゾール、5−メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を含むトリアゾール化合物にアミノ基が置換した化合物などが挙げられる。
上記アミノ基を有するテトラゾール化合物としては、例えば5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−5−アミノ−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−アミノ−テトラゾール等が挙げられる。これらのテトラゾール化合物は、その水溶性塩であってもよい。具体例としては、1−メチル−5−アミノ−テトラゾールのナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
感光性樹脂組成物が(F)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.2〜1.0質量部が更に好ましく、0.3〜0.8質量部が特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物には、その他の添加剤として、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤、防錆剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤などを(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
なお、本明細書における感光性樹脂組成物は、後述する溶剤を含まない状態の組成物をいい、各成分の含有量は、後述する溶剤以外の成分全量に対する含有量である。
感光性樹脂層20の波長633nmにおける屈折率は、通常1.40〜1.49である。
感光性樹脂層20の厚さは、保護膜として充分に効果を奏し、且つ透明電極パターン付き基材表面の段差を充分に埋め込む上では、乾燥後の厚さで15μm以下であることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜8μmであることが更に好ましい。また、硬化後における感光性樹脂層20の厚さも上記範囲内であることが好ましい。
(第二の樹脂層)
第二の樹脂層(屈折率調整層)30は、金属酸化物粒子を含有する層である。第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子を含有することにより、感光性樹脂層20よりも相対的に高い屈折率を有することができる。第二の樹脂層30は、633nmにおける屈折率が1.40〜1.90の範囲内であることが好ましく、1.50〜1.90であることがより好ましく、1.53〜1.85であることが更に好ましく、1.55〜1.75であることが特に好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層(屈折率調整層)30は、金属酸化物粒子を含有する層である。第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子を含有することにより、感光性樹脂層20よりも相対的に高い屈折率を有することができる。第二の樹脂層30は、633nmにおける屈折率が1.40〜1.90の範囲内であることが好ましく、1.50〜1.90であることがより好ましく、1.53〜1.85であることが更に好ましく、1.55〜1.75であることが特に好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30の633nmにおける屈折率が上記範囲内であると、保護膜をITO等の透明電極パターン上に設けた場合に、保護膜上に使用される各種部材(例えば、モジュール化する際に使用するカバーガラスと透明電極パターンとを接着するOCA)との屈折率の中間値となり、ITOパターン等の透明電極パターンが形成されている部分と形成されていない部分での光学的な反射による色差を小さくすることが可能となり、骨見え現象を防止できる。また、画面全体の反射光強度を低減することが可能となり、画面上の透過率低下を抑制することが可能となる。
ITO等の透明電極の屈折率は、1.80〜2.10であることが好ましく、1.85〜2.05であることがより好ましく、1.90〜2.00であることが更に好ましい。また、OCA等の部材の屈折率は1.45〜1.55であることが好ましく、1.47〜1.53であることがより好ましく、1.48〜1.51であることが更に好ましい。
第二の樹脂層30は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることが更に好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の450〜650nmの波長域における最小光透過率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30は、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有することができ、必要に応じて、上記(D)成分、(E)成分及び(F)成分を更に含有することができる。第二の樹脂層30は(B)成分、(C)成分等の光重合成分を必ずしも含有する必要はなく、層形成により隣接する樹脂層から移行する光重合成分を利用して第二の樹脂層を光硬化させることもできる。また、第二の樹脂層30には、バインダーポリマーとして(A)成分以外のバインダーポリマーを用いてもよい。
第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子(以下、(G)成分ともいう)を含有する。金属酸化物粒子としては、特に波長633nmにおける屈折率が1.50以上である、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。これにより、感光性屈折率調整フィルムを調製した際、第二の樹脂層の透明性及び波長633nmにおける屈折率を向上させることが可能となる。また、基材への吸着を抑制しつつ、現像性を向上させることができる。
金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化アルミウム、酸化イットリウム等の金属酸化物からなる粒子が挙げられる。これらの中でも、骨見え現象抑制の観点から、酸化ジルコニウム又は酸化チタンの粒子が好ましい。
酸化ジルコニウム粒子としては、透明電極の材料がITOの場合、屈折率向上と、ITO及び透明基材との密着性の観点から、酸化ジルコニウムナノ粒子を用いることが好ましい。酸化ジルコニウムナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが40nm以下であることが好ましい。
酸化ジルコニウムナノ粒子は、OZ−S30K(日産化学工業株式会社製、製品名)、OZ−S40K−AC(日産化学工業株式会社製、製品名)、SZR−K(酸化ジルコニウムメチルエチルケトン分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)、SZR−M(酸化ジルコニウムメタノール分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。
第二の樹脂層30には、(G)成分として酸化チタンナノ粒子を含有させることも可能である。また、酸化チタンナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが50nm以下であることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
(G)成分として、上記金属酸化物粒子のほかに、例えばMg、Al、Si、Ca、Cr、Cu、Zn、Ba等の原子を含む酸化物粒子又は硫化物粒子を用いることもできる。
また上記金属酸化物粒子の他に、例えばトリアジン環を有する化合物、イソシアヌル酸骨格を有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物等の有機化合物を用いることも可能である。これにより波長633nmにおける屈折率を向上させることができる。
上記第二の樹脂層30の厚さは、0.01〜1μmであってもよく、0.03〜0.5μmであることが好ましく、0.04〜0.3μmであることがより好ましく、0.05〜0.25μmであることが更に好ましく、0.05〜0.2μmであることが特に好ましい。厚さが0.01〜1μmであることにより、上述の画面全体の反射光強度をより低減することが可能となる。また、硬化後における第二の樹脂層の厚さも上記範囲内であることが好ましい。
本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、基材上に、第二の樹脂層30が基材と接するようにラミネートする場合、すなわち、感光性樹脂層20と基材との間に第二の樹脂層30が介在する場合であっても、第二の樹脂層30の厚さが充分に薄いため、密着性及び解像度等の物性は感光性樹脂層20の組成の影響を大きく受ける。また、感光性樹脂層20と第二の樹脂層30との間で成分の移動が生じることもあり、感光性樹脂層20の組成が基材に密着する第二の樹脂層30にも影響する。そのため、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムは、感光性樹脂層20が上述した特定の組成を有することにより、基材と感光性樹脂層20との間に第二の樹脂層30が介在する場合であっても、現像残渣の発生を抑制する効果をはじめ、これまでに述べた各種の効果を奏することができる。
第二の樹脂層30の屈折率は、第二の樹脂層が単層で、厚さが厚さ方向で均一な場合、ETA−TCM(AudioDev社製、製品名)を用いて以下のように求めることができる。また、以下の測定は、25℃の条件下で行う。
(1)第二の樹脂層を形成するための塗布液を、厚さ0.7mm、縦10cm×横10cmのガラス基材上にスピンコーターで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、第二の樹脂層を形成する。
(2)次いで、140℃に加熱した箱型乾燥機(三菱電機株式会社製、型番:NV50−CA)内に30分間静置し、第二の樹脂層を有する屈折率測定用試料を得る。
(3)次いで、得られた屈折率測定用試料について、ETA−TCM(AudioDev社製、製品名)にて波長633nmにおける屈折率を測定する。
(1)第二の樹脂層を形成するための塗布液を、厚さ0.7mm、縦10cm×横10cmのガラス基材上にスピンコーターで均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、第二の樹脂層を形成する。
(2)次いで、140℃に加熱した箱型乾燥機(三菱電機株式会社製、型番:NV50−CA)内に30分間静置し、第二の樹脂層を有する屈折率測定用試料を得る。
(3)次いで、得られた屈折率測定用試料について、ETA−TCM(AudioDev社製、製品名)にて波長633nmにおける屈折率を測定する。
単層の感光性樹脂層における屈折率も同様の方法で測定することができる。なお、感光性屈折率調整フィルムの形態では、感光性樹脂層単層及び第二の樹脂層単層の屈折率を測定することは難しいが、感光性樹脂層の支持フィルム側の最表面層、又は第二の樹脂層の保護フィルム側の最表面層の値から推測することができる。
(他の層)
本実施形態の感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムには、本発明の効果が得られる範囲で、適宜選択した他の層を設けてもよい。上記他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮蔽層、剥離層、接着層等が挙げられる。上記感光性屈折率調整フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。
本実施形態の感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムには、本発明の効果が得られる範囲で、適宜選択した他の層を設けてもよい。上記他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮蔽層、剥離層、接着層等が挙げられる。上記感光性屈折率調整フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。
(保護フィルム)
保護フィルム40としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム、及び、これらのフィルムとポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。
保護フィルム40としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム、及び、これらのフィルムとポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。
保護フィルム40の厚さは、5〜100μmが好ましいが、感光性フィルム1又は感光性屈折率調整フィルム2をロール状に巻いて保管する観点から、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることが更に好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。
感光性フィルム1における感光性樹脂層20、又は、感光性屈折率調整フィルム2における感光性樹脂層20及び第二の樹脂層30を硬化させた保護膜部分(支持フィルム10及び保護フィルム40を除く)の、波長400〜700nmの可視光領域における全光線透過率(Tt)の最小値は、90.00%以上であることが好ましく、90.50%以上であることがより好ましく、90.70%以上であることが更に好ましい。一般的な可視光波長域である400〜700nmにおける全光線透過率が90.00%以上であれば、タッチセンサを有するタッチパネルのセンシング領域の透明電極を保護する場合において、センシング領域での画像表示品質、色合い、輝度が低下することを充分抑制することができる。
<感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムの製造方法>
感光性屈折率調整フィルム2の感光性樹脂層20、第二の樹脂層30は、例えば、感光性樹脂組成物を含有する塗布液、及び第二の樹脂組成物を含有する塗布液を調製し、これを各々支持フィルム10、保護フィルム40上に塗布、乾燥することで形成できる。そして、感光性屈折率調整フィルム2は、感光性樹脂層20が形成された支持フィルム10と、第二の樹脂層30が形成された保護フィルム40とを、感光性樹脂層20と第二の樹脂層30とが対向した状態で貼り合わせることにより形成できる。また、感光性屈折率調整フィルム2は、支持フィルム10上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂層20上に、第二の樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することもできる。一方、第二の樹脂層30を有さない感光性フィルム1は、支持フィルム10上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂層20上に、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することができる。
感光性屈折率調整フィルム2の感光性樹脂層20、第二の樹脂層30は、例えば、感光性樹脂組成物を含有する塗布液、及び第二の樹脂組成物を含有する塗布液を調製し、これを各々支持フィルム10、保護フィルム40上に塗布、乾燥することで形成できる。そして、感光性屈折率調整フィルム2は、感光性樹脂層20が形成された支持フィルム10と、第二の樹脂層30が形成された保護フィルム40とを、感光性樹脂層20と第二の樹脂層30とが対向した状態で貼り合わせることにより形成できる。また、感光性屈折率調整フィルム2は、支持フィルム10上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂層20上に、第二の樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することもできる。一方、第二の樹脂層30を有さない感光性フィルム1は、支持フィルム10上に感光性樹脂組成物を含有する塗布液を塗布、乾燥し、その後、感光性樹脂層20上に、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することができる。
塗布液は、感光性樹脂組成物、第二の樹脂組成物を構成する各成分を溶剤に均一に溶解又は分散することにより得ることができる。
塗布液として用いる溶剤は、特に制限は無く、公知のものが使用できる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
塗布方法としては、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
乾燥条件に特に制限は無いが、乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、0.5〜30分とすることが好ましい。
<保護膜の形成方法>
図3は、本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した保護膜を透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。図3に示される積層体100は、透明電極パターン50aを有する透明電極パターン付き基材50と、透明電極パターン付き基材50の透明電極パターン50a上に設けられた保護膜60とを備える。保護膜60は、硬化した感光性樹脂層22及び硬化した第二の樹脂層32からなる硬化膜であり、本実施形態の感光性屈折率調整フィルム2を用いて形成されている。保護膜60は、透明電極パターン50aの保護機能と、透明電極パターン50aの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす。なお、第二の樹脂層を有さない感光性フィルムを用いた場合は、保護膜は硬化した感光性樹脂層のみで構成され、透明電極パターン50aの保護機能を有するものとなる。以下、透明電極パターン付き基材上に硬化した感光性樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる保護膜が形成された積層体の製造方法の一実施形態について説明する。保護膜が硬化した感光性樹脂層のみからなる積層体を製造する場合は、以下の説明における感光性樹脂層及び第二の樹脂層を感光性樹脂層単層に置き換えればよい。
図3は、本発明の一実施形態に係る感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した保護膜を透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。図3に示される積層体100は、透明電極パターン50aを有する透明電極パターン付き基材50と、透明電極パターン付き基材50の透明電極パターン50a上に設けられた保護膜60とを備える。保護膜60は、硬化した感光性樹脂層22及び硬化した第二の樹脂層32からなる硬化膜であり、本実施形態の感光性屈折率調整フィルム2を用いて形成されている。保護膜60は、透明電極パターン50aの保護機能と、透明電極パターン50aの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす。なお、第二の樹脂層を有さない感光性フィルムを用いた場合は、保護膜は硬化した感光性樹脂層のみで構成され、透明電極パターン50aの保護機能を有するものとなる。以下、透明電極パターン付き基材上に硬化した感光性樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる保護膜が形成された積層体の製造方法の一実施形態について説明する。保護膜が硬化した感光性樹脂層のみからなる積層体を製造する場合は、以下の説明における感光性樹脂層及び第二の樹脂層を感光性樹脂層単層に置き換えればよい。
−ラミネート工程−
まず、感光性屈折率調整フィルム2の保護フィルム40を除去した後、第二の樹脂層30、感光性樹脂層20及び支持フィルム10を、透明電極パターン付き基材50表面に第二の樹脂層30側が密着するようにラミネート(転写)する。圧着手段としては、圧着ロールが挙げられる。圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。
まず、感光性屈折率調整フィルム2の保護フィルム40を除去した後、第二の樹脂層30、感光性樹脂層20及び支持フィルム10を、透明電極パターン付き基材50表面に第二の樹脂層30側が密着するようにラミネート(転写)する。圧着手段としては、圧着ロールが挙げられる。圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。
加熱圧着する場合の加熱温度は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性の観点、及び、感光性樹脂層20又は第二の樹脂層30の構成成分が熱硬化又は熱分解されにくいようにする観点から、10〜160℃とすることが好ましく、20〜150℃とすることがより好ましく、30〜150℃とすることが更に好ましい。
また、加熱圧着時の圧着圧力は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性を充分確保しながら、透明電極パターン付き基材50の変形を抑制する観点から、線圧で50〜1×105N/mとすることが好ましく、2.5×102〜5×104N/mとすることがより好ましく、5×102〜4×104N/mとすることが更に好ましい。
感光性屈折率調整フィルム2を上記のように加熱圧着すれば、透明電極パターン付き基材50の予熱処理は必ずしも必要ではないが、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性を更に向上させる点から、透明電極パターン付き基材50を予熱処理してもよい。このときの処理温度は、30〜150℃とすることが好ましい。
(基材)
透明電極パターン付き基材50を構成する基材としては、例えばタッチパネルのタッチセンサに用いられる、ガラス板、プラスチック板、セラミック板等の基材が挙げられる。
透明電極パターン付き基材50を構成する基材としては、例えばタッチパネルのタッチセンサに用いられる、ガラス板、プラスチック板、セラミック板等の基材が挙げられる。
(透明電極及び金属配線)
透明電極は、例えばITO及びIZO(Indium Zinc Oxide、酸化インジウム−酸化亜鉛)等の導電性金属酸化膜を用いて、形成することができる。また透明電極は、銀繊維及びカーボンナノチューブ等の導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、形成することもできる。金属配線は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Mo、C等の導電性材料を用いて、スクリーン印刷、蒸着等の方法により形成することができる。また、基材上には、基材と電極との間に絶縁層又はインデックスマッチング層が設けられていてもよい。インデックスマッチング層は、上述した第二の樹脂層30と同様の組成を有していてもよい。
透明電極は、例えばITO及びIZO(Indium Zinc Oxide、酸化インジウム−酸化亜鉛)等の導電性金属酸化膜を用いて、形成することができる。また透明電極は、銀繊維及びカーボンナノチューブ等の導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、形成することもできる。金属配線は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Mo、C等の導電性材料を用いて、スクリーン印刷、蒸着等の方法により形成することができる。また、基材上には、基材と電極との間に絶縁層又はインデックスマッチング層が設けられていてもよい。インデックスマッチング層は、上述した第二の樹脂層30と同様の組成を有していてもよい。
−露光工程−
次に、転写後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の所定部分に、フォトマスクを介して、活性光線をパターン状に照射する。活性光線を照射する際、感光性樹脂層及び第二の樹脂層上の支持フィルム10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができ、不透明の場合には除去してから活性光線を照射する。活性光線の光源としては、公知の活性光源を用いることができる。なお、本明細書においてパターンとは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基材との接続部のみを矩形に除去した形状、及び、基材の額縁部のみを除去した形状等も含まれる。
次に、転写後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の所定部分に、フォトマスクを介して、活性光線をパターン状に照射する。活性光線を照射する際、感光性樹脂層及び第二の樹脂層上の支持フィルム10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができ、不透明の場合には除去してから活性光線を照射する。活性光線の光源としては、公知の活性光源を用いることができる。なお、本明細書においてパターンとは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基材との接続部のみを矩形に除去した形状、及び、基材の額縁部のみを除去した形状等も含まれる。
活性光線の照射量は、1×102〜1×104J/m2であり、照射の際に、加熱を伴うこともできる。この活性光線の照射量が、1×102J/m2以上であれば、感光性樹脂層及び第二の樹脂層の光硬化を充分に進行させることが可能となり、1×104J/m2以下であれば感光性樹脂層及び第二の樹脂層が変色することを抑制できる傾向がある。
−現像工程−
続いて、活性光線照射後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の未露光部を現像液で除去して、透明電極の一部又は全部を被覆する保護膜(硬化膜パターン)60を形成する。なお、活性光線の照射後、感光性樹脂層及び第二の樹脂層に支持フィルム10が積層されている場合にはそれを除去した後、現像工程が行われる。
続いて、活性光線照射後の感光性樹脂層及び第二の樹脂層の未露光部を現像液で除去して、透明電極の一部又は全部を被覆する保護膜(硬化膜パターン)60を形成する。なお、活性光線の照射後、感光性樹脂層及び第二の樹脂層に支持フィルム10が積層されている場合にはそれを除去した後、現像工程が行われる。
現像工程は、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法により行うことができる。中でも、環境、安全性の観点からアルカリ水溶液を用いて、スプレー現像することが好ましい。なお、現像温度及び時間は従来公知の範囲で調整することができる。
(保護膜)
本実施形態の保護膜は、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムの、上記感光性樹脂層のみ、又は、上記感光性樹脂層及び上記第二の樹脂層の両方を硬化して得られた硬化膜である。
本実施形態の保護膜は、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムの、上記感光性樹脂層のみ、又は、上記感光性樹脂層及び上記第二の樹脂層の両方を硬化して得られた硬化膜である。
なお、例えば第二の樹脂層の大部分が感光性樹脂層に被覆され、露出されない場合、第二の樹脂層は必ずしも硬化される必要はない。本実施形態の保護膜は、このような感光性樹脂層が硬化し、第二の樹脂層が硬化していない場合も含む。本実施形態の保護膜はパターン状に形成されていることが好ましい。
保護膜は、無色透明であることが好ましい。そのため、保護膜は、青色又は黄色等の色味が少ないことが好ましく、分光測色計を用いて測定されるb*の絶対値が小さいほど好ましい。保護膜のb*の絶対値は、1.0以下であることが好ましく、0.8以下であることがより好ましい。
本実施形態に係る感光性フィルム及び感光性屈折率調整フィルムは、各種電子部品における保護膜の形成に適用することができる。本実施形態に係る電子部品は、感光性フィルム又は感光性屈折率調整フィルムを用いて形成した保護膜を備えている。電子部品としては、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッサンス、太陽電池モジュール、プリント配線板、電子ペーパ等が挙げられる。
<タッチパネル>
図4は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。図4には、静電容量式のタッチパネルの一例を示す。図4に示されるタッチパネルは、透明基材101の片面にタッチ位置座標を検出するためのタッチ画面102があり、この領域の静電容量変化を検出するための透明電極103及び透明電極104が透明基材101上に設けられている。
図4は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。図4には、静電容量式のタッチパネルの一例を示す。図4に示されるタッチパネルは、透明基材101の片面にタッチ位置座標を検出するためのタッチ画面102があり、この領域の静電容量変化を検出するための透明電極103及び透明電極104が透明基材101上に設けられている。
透明電極103及び透明電極104はそれぞれタッチ位置のX位置座標及びY位置座標を検出する。
透明基材101上には、透明電極103及び透明電極104からタッチ位置の検出信号を外部回路に伝えるための引き出し配線105が設けられている。また、引き出し配線105と、透明電極103及び透明電極104とは、透明電極103及び透明電極104上に設けられた接続電極106により接続されている。また、引き出し配線105の透明電極103及び透明電極104との接続部と反対側の端部には、外部回路との接続端子107が設けられている。
図4に示すように、本実施形態に係るタッチパネルにおいては、本実施形態の感光性屈折率調整フィルムを用いて、透明電極パターンが形成された部分と、形成されていない部分にまたがってパターン状に保護膜123が形成されている。パターン状の保護膜123は、硬化した感光性樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる保護膜である。このパターン状の保護膜123によれば、透明電極103、透明電極104、引き出し配線105、接続電極106及び接続端子107を保護する機能と、透明電極パターンから形成されるセンシング領域(タッチ画面)102の骨見え現象防止機能とを同時に奏することができる。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(バインダーポリマー(A1)溶液の作製)
反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社ダイセル製)85.7質量部を加え、80℃に昇温した。他方で、メタクリル酸シクロヘキシル45.4質量部、メタクリル酸メチル8.7質量部、メタクリル酸45.9質量部、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、製品名:V−601)1質量部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を、窒素ガス雰囲気下、80℃の上記反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社ダイセル製)85.7質量部を加え、80℃に昇温した。他方で、メタクリル酸シクロヘキシル45.4質量部、メタクリル酸メチル8.7質量部、メタクリル酸45.9質量部、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、製品名:V−601)1質量部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を、窒素ガス雰囲気下、80℃の上記反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、上記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル2.5質量部、及びテトエチルアンモニウムブロマイド8.4質量部を加えた後、メタクリル酸グリシジル32.1質量部を2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させ後、固形分濃度が30質量%になるように溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを添加し、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むバインダーポリマー(A1)を含有する溶液を得た。なお、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸、及びメタクリル酸グリシジルのモル比(x:l:y:z)が24mol%:8mol%:48mol%:20mol%になるように、添加量を調整した。なお表1において、各成分の配合量の単位は質量部である。
(バインダーポリマー(A2)溶液の作製)
メタクリル酸シクロヘキシルに代えてメタクリル酸ベンジルを用いたこと、及び、配合量を表1のとおりに変更したこと以外は、上記(A1)と同様にし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むバインダーポリマー(A2)を含有する溶液(固形分濃度30質量%)を得た。
メタクリル酸シクロヘキシルに代えてメタクリル酸ベンジルを用いたこと、及び、配合量を表1のとおりに変更したこと以外は、上記(A1)と同様にし、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むバインダーポリマー(A2)を含有する溶液(固形分濃度30質量%)を得た。
(バインダーポリマー(A3)溶液の作製)
反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社ダイセル製)85.7質量部を加え、80℃に昇温した。他方で、メタクリル酸メチル34.0質量部、メタクリル酸20.0質量部、スチレン46.0質量部、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、製品名:V−601)1質量部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を、窒素ガス雰囲気下、80℃の上記反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含まないバインダーポリマー(A3)を含有する溶液を得た。
反応容器中にプロピレングリコールモノメチルエーテル(株式会社ダイセル製)85.7質量部を加え、80℃に昇温した。他方で、メタクリル酸メチル34.0質量部、メタクリル酸20.0質量部、スチレン46.0質量部、及び2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル(和光純薬工業株式会社製、製品名:V−601)1質量部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を、窒素ガス雰囲気下、80℃の上記反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含まないバインダーポリマー(A3)を含有する溶液を得た。
上述したバインダーポリマーの重量平均分子量及び酸価を以下の方法で測定した。結果を表1に示す。
[重量平均分子量の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの測定条件を以下に示す。
<GPC測定条件>
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、製品名)
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの測定条件を以下に示す。
<GPC測定条件>
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、製品名)
[酸価の測定方法]
酸価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×V×f1×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、f1は0.1mol/L水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
酸価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×V×f1×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、f1は0.1mol/L水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
(実施例1〜4及び比較例1〜9)
[感光性樹脂層形成用塗布液の作製]
表2及び表3に示す感光性樹脂層の成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して感光性樹脂層形成用塗布液を作製した。なお、感光性樹脂層形成用塗布液は、メチルエチルケトンを適宜加えて、固形分が35質量%となるように調製した。また、表2及び表3中、(A)成分の配合量は固形分の配合量を示す。
[感光性樹脂層形成用塗布液の作製]
表2及び表3に示す感光性樹脂層の成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して感光性樹脂層形成用塗布液を作製した。なお、感光性樹脂層形成用塗布液は、メチルエチルケトンを適宜加えて、固形分が35質量%となるように調製した。また、表2及び表3中、(A)成分の配合量は固形分の配合量を示す。
表2及び表3中の成分の記号は以下の意味を示す。
〔(A)成分〕
A1:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A1)溶液
A2:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A2)溶液
〔(A’)成分〕
A3:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A3)溶液
〔(A)成分〕
A1:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A1)溶液
A2:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A2)溶液
〔(A’)成分〕
A3:上述した方法で作製したバインダーポリマー(A3)溶液
〔(B)成分〕
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名)
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学工業株式会社製、製品名)
〔(C)成分〕
OXE 01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン株式会社製、製品名「IRGACURE OXE 01」)
OXE 01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASFジャパン株式会社製、製品名「IRGACURE OXE 01」)
〔(E)成分〕
PM−21:エチレン性不飽和結合を含むリン酸エステル(日本化薬株式会社製、製品名)
PM−21:エチレン性不飽和結合を含むリン酸エステル(日本化薬株式会社製、製品名)
〔その他の成分〕
ANTAGE W−500:2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(重合禁止剤、川口化学工業株式会社製、製品名)
DIT−TBC:4−tert−ブチルカテコール(重合禁止剤、DIC株式会社製、製品名)
メトキノン:4−メトキシフェノール(重合抑制剤、精工化学株式会社製、製品名)
ANTAGE W−500:2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(重合禁止剤、川口化学工業株式会社製、製品名)
DIT−TBC:4−tert−ブチルカテコール(重合禁止剤、DIC株式会社製、製品名)
メトキノン:4−メトキシフェノール(重合抑制剤、精工化学株式会社製、製品名)
[感光性フィルムの作製]
支持フィルムとして厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:FB40)を使用し、上記で作製した感光性樹脂層形成用塗布液を支持フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ8.0μmの感光性樹脂層を形成した。次いで、保護フィルムとして厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(王子エフテックス株式会社製、製品名:ES−201)を使用し、上記感光性樹脂層上にラミネータ(日立化成株式会社製、製品名:HLM−3000型)を用いて23℃で貼り合わせて、支持フィルム、感光性樹脂層及び保護フィルムがこの順で積層された感光性フィルムを作製した。
支持フィルムとして厚さ16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:FB40)を使用し、上記で作製した感光性樹脂層形成用塗布液を支持フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚さ8.0μmの感光性樹脂層を形成した。次いで、保護フィルムとして厚さ30μmのポリプロピレンフィルム(王子エフテックス株式会社製、製品名:ES−201)を使用し、上記感光性樹脂層上にラミネータ(日立化成株式会社製、製品名:HLM−3000型)を用いて23℃で貼り合わせて、支持フィルム、感光性樹脂層及び保護フィルムがこの順で積層された感光性フィルムを作製した。
[耐光性(耐光性試験前後の密着性)の評価]
耐光性試験として、感光性フィルムに対し、支持フィルム側から、サンテストXLS+(株式会社東洋精機製作所製)でキセノンランプにより、照射強度60W/m2、ブラックパネル温度60℃の条件で300時間光照射した。耐光性試験前後の感光性フィルムについて、以下の方法で密着性を評価した。
耐光性試験として、感光性フィルムに対し、支持フィルム側から、サンテストXLS+(株式会社東洋精機製作所製)でキセノンランプにより、照射強度60W/m2、ブラックパネル温度60℃の条件で300時間光照射した。耐光性試験前後の感光性フィルムについて、以下の方法で密着性を評価した。
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、スパッタITO付きPETフィルム(東洋紡株式会社製)上に、感光性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、製品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度120℃、基板送り速度1m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa(厚さが1mm、縦10cm×横10cmの基板を用いたため、この時の線圧は9.8×103N/m)の条件でラミネートして、スパッタITO上に感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。
次いで、得られた積層体に、60mJ/cm2の露光量で光照射した(初期露光)。その後、支持フィルムを剥離し、120Wの高圧水銀灯を有するコンベアUV照射装置(株式会社オーク製作所製、製品名「QRM−2317−F00」)を用いて、500mJ/cm2の露光量で紫外線を照射して保護膜を形成し、密着性試験用試料を得た。
次いで、JIS規格(K5400)を参考に、100マスのクロスカット試験をそれぞれ2回実施した。具体的には、得られた密着性試験用試料の保護膜に、カッターナイフを用いて、1mm×1mm四方の碁盤目の切れ込みを100マス入れた。その後、碁盤目部分にメンディングテープ#810(スリーエム株式会社製)を強く圧着させ、90秒後にテープの端からほぼ180°の角度の方向に素早く引き剥がした。その後、碁盤目の状態を顕微鏡にて観察し、以下の基準に基づいてクロスカット密着性を評価した。評価は2回の試験の平均値を用いて行った。結果を表2及び表3に示す。
A:全面積の95%以上が密着し残っている。
B:全面積のうち65%以上95%未満が密着し残っている。
C:全面積のうち65%超が欠損している。
A:全面積の95%以上が密着し残っている。
B:全面積のうち65%以上95%未満が密着し残っている。
C:全面積のうち65%超が欠損している。
[現像残渣の評価]
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、銅箔付きPETフィルム(尾池工業株式会社製)上に、感光性樹脂層が接するように真空加圧ラミネータ(株式会社名機製作所製、製品名「MVLP−500」)を用いて、ロール温度100℃、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa、真空度400Paの条件でラミネートし、銅箔上に感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された、現像残渣評価試験用試料を得た。この試料の感光性樹脂層に対し、アルカリ現像機(株式会社フジ機工製)を用いて、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液により、30℃、0.18MPa、40秒の条件でスプレー現像した。現像後の銅箔上の樹脂残りを、目視及び光学顕微鏡で観察し、以下の基準に基づいて現像残渣の評価を行った。結果を表2及び表3に示す。
A:残渣がない。
B:薄い残渣(赤色)がある。
C:濃い残渣(白色又は虹色)がある。
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、銅箔付きPETフィルム(尾池工業株式会社製)上に、感光性樹脂層が接するように真空加圧ラミネータ(株式会社名機製作所製、製品名「MVLP−500」)を用いて、ロール温度100℃、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Pa、真空度400Paの条件でラミネートし、銅箔上に感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された、現像残渣評価試験用試料を得た。この試料の感光性樹脂層に対し、アルカリ現像機(株式会社フジ機工製)を用いて、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液により、30℃、0.18MPa、40秒の条件でスプレー現像した。現像後の銅箔上の樹脂残りを、目視及び光学顕微鏡で観察し、以下の基準に基づいて現像残渣の評価を行った。結果を表2及び表3に示す。
A:残渣がない。
B:薄い残渣(赤色)がある。
C:濃い残渣(白色又は虹色)がある。
[色の評価]
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、SiO2ガラス基板(厚さ0.7mm、株式会社倉元製作所製、)上に、感光性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、製品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度100℃、基板送り速度0.6m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Paの条件でラミネートして、SiO2ガラス基板上に感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。次いで、積層体のSiO2ガラス基板を冷却し、基板の温度が23℃になった時点で、感光性樹脂層に対し、支持フィルム側から超高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、製品名「EXM−1201」)を用いて、60mJ/cm2の露光量で光照射した(初期露光)。その後、支持フィルムを剥離し、初期露光後の感光性樹脂層に対し、アルカリ現像機(ムラタ機工株式会社製)を用いて、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液により、30℃、0.15MPa、40秒の条件でスプレー現像した。現像後の感光性樹脂層に対し、120Wの高圧水銀灯を有するコンベアUV照射装置(株式会社オーク製作所製、製品名「QRM−2317−F00」)を用いて、500mJ/cm2の露光量で光照射した(追加露光)。追加露光後のサンプルを防爆乾燥機(株式会社二葉科学製、型番:MSO−60TPH)を用いて140℃で30分加熱した(アニール処理)。これにより、基板上に、厚さ8μmの保護膜を形成した。得られた保護膜の色味(b*)を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、製品名「CM−5」)を用いて透過モードで測定し、以下の基準に基づいて評価を行った。b*の絶対値が小さいほど、保護膜は青色又は黄色の色味が少なく、タッチセンサの保護膜として好ましい。結果を表2及び表3に示す。
A:−0.8≦b*値≦0.8
B:−1.0≦b*値<−0.8、又は、0.8<b*値≦1.0
C:−1.5≦b*値<−1.0、又は、1.0<b*値≦1.5
感光性フィルムの保護フィルムを剥がしながら、SiO2ガラス基板(厚さ0.7mm、株式会社倉元製作所製、)上に、感光性樹脂層が接するようにラミネータ(日立化成株式会社製、製品名「HLM−3000型」)を用いて、ロール温度100℃、基板送り速度0.6m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×105Paの条件でラミネートして、SiO2ガラス基板上に感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された積層体を作製した。次いで、積層体のSiO2ガラス基板を冷却し、基板の温度が23℃になった時点で、感光性樹脂層に対し、支持フィルム側から超高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、製品名「EXM−1201」)を用いて、60mJ/cm2の露光量で光照射した(初期露光)。その後、支持フィルムを剥離し、初期露光後の感光性樹脂層に対し、アルカリ現像機(ムラタ機工株式会社製)を用いて、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液により、30℃、0.15MPa、40秒の条件でスプレー現像した。現像後の感光性樹脂層に対し、120Wの高圧水銀灯を有するコンベアUV照射装置(株式会社オーク製作所製、製品名「QRM−2317−F00」)を用いて、500mJ/cm2の露光量で光照射した(追加露光)。追加露光後のサンプルを防爆乾燥機(株式会社二葉科学製、型番:MSO−60TPH)を用いて140℃で30分加熱した(アニール処理)。これにより、基板上に、厚さ8μmの保護膜を形成した。得られた保護膜の色味(b*)を、分光測色計(コニカミノルタ株式会社製、製品名「CM−5」)を用いて透過モードで測定し、以下の基準に基づいて評価を行った。b*の絶対値が小さいほど、保護膜は青色又は黄色の色味が少なく、タッチセンサの保護膜として好ましい。結果を表2及び表3に示す。
A:−0.8≦b*値≦0.8
B:−1.0≦b*値<−0.8、又は、0.8<b*値≦1.0
C:−1.5≦b*値<−1.0、又は、1.0<b*値≦1.5
表1に示した結果から分かるように、(A)側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含むアルカリ可溶性バインダーポリマーと、(D)一般式(1)で表される化合物とを併用することで、耐光性試験後でも基材から剥がれ難い優れた耐光性を有する保護膜を形成できると共に、現像時の現像残渣の発生を充分に抑制できることが確認された。また、上記(A)成分と上記(D)成分とを併用していない場合、及び、一般式(1)で表される化合物以外の重合禁止剤又は重合抑制剤を用いた場合、優れた耐光性と現像残渣の低減とを両立できないことが確認された。また、上記(A)成分を用いた場合、保護膜の色味も良好であることが確認された。
1…感光性フィルム、2…感光性屈折率調整フィルム、10…支持フィルム、20…感光性樹脂層、22…硬化した感光性樹脂層、30…第二の樹脂層、32…硬化した第二の樹脂層、40…保護フィルム、50…透明電極パターン付き基材、50a…透明電極パターン、60…保護膜、100…積層体、101…透明基材、102…センシング領域、103,104…透明電極、105…引き出し配線、106…接続電極、107…接続端子、123…保護膜。
Claims (12)
- 前記一般式(1)中のRが、アリール基、置換基を有するアリール基、炭素数1〜20のアルキル基、置換基を有する炭素数1〜20のアルキル基、主鎖炭素原子間に1以上の酸素原子を有する炭素数2〜20のアルキルエーテル基、炭素数5〜8のシクロアルキル基又は炭素数1〜4のハロアルキル基である、請求項1に記載の感光性フィルム。
- 前記一般式(1)中のMa+がアルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、IIIB族金属イオン、IVB族金属イオン、IB族金属イオン、VIII族金属イオン、IVA族金属イオン、VA族金属イオン、VIA族金属イオン、VIIA族金属イオン又はアンモニウムイオンである、請求項1又は2に記載の感光性フィルム。
- 前記感光性樹脂層において、前記(D)一般式(1)で表される化合物の含有量が、前記(A)バインダーポリマー及び前記(B)光重合性化合物の総量100質量部に対して、0.001〜0.5質量部である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性フィルム。
- 前記(B)光重合性化合物が、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性フィルム。
- 前記(C)光重合開始剤が、オキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の感光性フィルム。
- 前記感光性樹脂層が、(E)エチレン性不飽和結合を有するリン酸エステルを更に含有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性フィルム。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性フィルムの前記感光性樹脂層上に、金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層を更に備える、タッチセンサの保護膜形成用感光性屈折率調整フィルム。
- タッチセンサ基材上に、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性フィルムの感光性樹脂層をラミネートする工程と、
前記基材上の前記感光性樹脂層の所定部分を露光後、前記所定部分以外を除去し、保護膜を形成する工程と、
を備える、タッチセンサの保護膜の形成方法。 - タッチセンサ基材上に、請求項8に記載の感光性屈折率調整フィルムの前記第二の樹脂層及び前記感光性樹脂層を、前記基材と前記第二の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、
前記基材上の前記第二の樹脂層及び前記感光性樹脂層の所定部分を露光後、前記所定部分以外を除去し、保護膜を形成する工程と、
を備える、タッチセンサの保護膜の形成方法。 - 請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性フィルムにおける前記感光性樹脂層の硬化物からなる保護膜をタッチセンサ基材上に有するタッチセンサを備えるタッチパネル。
- 請求項8に記載の転写型感光性屈折率調整フィルムにおける前記感光性樹脂層の硬化物、及び、前記第二の樹脂層又はその硬化物からなる保護膜をタッチセンサ基材上に有するタッチセンサを備えるタッチパネル。
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JPWO2021200060A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ||
JP7292500B2 (ja) | 2020-03-31 | 2023-06-16 | 富士フイルム株式会社 | 導電性フィルム、タッチパネル、感光性樹脂組成物、および導電性フィルムの製造方法 |
CN112462573A (zh) * | 2020-12-22 | 2021-03-09 | 浙江福斯特新材料研究院有限公司 | 一种具有双层结构的无色透明感光绝缘保护膜 |
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