JP2018045126A - 真空ラミネート用感光性フィルム、転写型感光性屈折率調整フィルム、及び硬化樹脂パターンの形成方法 - Google Patents

真空ラミネート用感光性フィルム、転写型感光性屈折率調整フィルム、及び硬化樹脂パターンの形成方法 Download PDF

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寿枝 吉原
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Abstract

【課題】 真空ラミネート、露光及び現像を経て、基材上に硬化樹脂パターンを充分な現像性で形成することができる真空ラミネート用感光性フィルム及び転写型感光性屈折率調整フィルムを提供すること。【解決手段】 転写型感光性屈折率調整フィルム1は、支持フィルム10と、該支持フィルム10上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層20と、該感光性樹脂層の支持フィルム側とは反対の面側に設けられた、第2の樹脂層30とを備え、感光性樹脂層20におけるアゾ系重合開始剤の含有量が、感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下であり、感光性樹脂層20及び第2の樹脂層30が真空ラミネートにより転写されるものである。【選択図】 図1

Description

本発明は、真空ラミネート用感光性フィルム、転写型感光性屈折率調整フィルム、及び硬化樹脂パターンの形成方法に関する。
パソコン及びテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、電子辞書等の小型電子機器、OA(Office Automation、オフィスオートメーション)・FA(Factory Automation、ファクトリーオートメーション)機器等の表示機器などには液晶表示素子及びタッチパネル(タッチセンサー)が用いられている。
タッチパネルは各種の方式が実用化されているが、近年、投影型静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成している。これらの電極の材料として、ITO(Indium−Tin−Oxide、酸化インジウムスズ)が主流である。
ところで、タッチパネルの額縁領域はタッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。一般的に額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために銅等の金属配線が形成されている。タッチパネルにおいては、指先に接触される際に水分又は塩分等の腐食成分がセンシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、上記金属配線が腐食し、電極と駆動用回路間の電気抵抗の増加、又は断線の恐れがある。
金属配線の腐食を防ぐために、例えば、下記特許文献1には、透明基材上に特定の感光性樹脂組成物から形成される感光性樹脂層を設け、この感光性樹脂層を露光、現像することで保護膜を形成する方法が提案されている。
他方で、投影型静電容量方式のタッチパネルには、センシング領域において電極パターンが画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題がある。
骨見え現象を抑制する手法として、例えば、下記特許文献2には、特定の屈折率の範囲に調整された低屈折率の第一の硬化性透明樹脂層及び高屈折率の第二の硬化性透明樹脂層とを隣接して有する転写フィルムが提案されている。
国際公開第2013/084873号パンフレット 国際公開第2014/084112号パンフレット
上記のような硬化樹脂パターンを形成する場合、転写型のフィルムを用いて基材上に感光性樹脂層をラミネートする方法は、工程の簡素化及び生産性の向上の点において有効である。しかしながら、本発明者らの検討によると、真空ラミネータを用いて基材表面に感光性樹脂層を真空ラミネートすると、現像工程後の基材表面の金属配線において、現像残渣が生じる場合があることが判明した。また、このような現像残渣は、真空ラミネータの温度を上げるにつれて顕著に発生することも本発明者らの検討により判明した。
本発明は、真空ラミネート、露光及び現像を経て、基材上に硬化樹脂パターンを充分な現像性で形成することができる真空ラミネート用感光性フィルム及び転写型感光性屈折率調整フィルム、これらを用いる硬化樹脂パターンの形成方法の提供を目的とする。
上記の現像残渣について本発明者らが検討を行ったところ、アゾ系重合開始剤を用いて得られたバインダーポリマーを感光性樹脂層に配合した場合に現像残渣の問題が顕著に現れることを見出した。係る知見に基づき本発明者らは更に検討した結果、感光性樹脂層における未反応のアゾ系重合開始剤の濃度が特定量以下となるように感光性樹脂層の組成を調整することによって、真空ラミネータを用いた場合であっても、現像残渣を十分に抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層とを備え、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が、感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下である真空ラミネート用感光性フィルムを提供する。
本発明に係る真空ラミネート用感光性フィルムによれば、基材上に真空ラミネートよって感光性樹脂層を設け、これを露光、現像することにより、硬化樹脂パターンを充分な現像性で形成することができる。この硬化樹脂パターンは、金属配線の腐食を防ぐための保護膜として機能させることができ、その場合に保護膜が設けられている以外の箇所において現像残渣が残留することに起因する問題、例えば、配線上に樹脂成分が残ることによる接続不良等の問題を防止することができる。
なお、アゾ系重合開始剤が含まれる感光性樹脂層を真空ラミネートする場合に現像残渣が発生しやすくなる理由については、真空ラミネートではラジカル活性種への酸素阻害が起こりにくいため、ラミネート時の熱でアゾ系重合開始剤から発生したラジカルによって光重合性化合物が活性化され、その後の露光工程で未露光部となるところにも多くの重合物が発生してしまうためと本発明者らは推察する。
本発明はまた、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層と、該感光性樹脂層の前記支持フィルム側とは反対の面側に設けられた、金属酸化物粒子を含有する第2の樹脂層とを備え、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が、感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下であり、感光性樹脂層及び第2の樹脂層が真空ラミネートにより転写される転写型感光性屈折率調整フィルムを提供する。
本発明に係る転写型感光性屈折率調整フィルムによれば、基材上に真空ラミネートよって第2の樹脂層及び感光性樹脂層をこの順に設け、これを露光、現像することにより、硬化樹脂パターンを充分な現像性で形成することができる。この硬化樹脂パターンは、金属配線の腐食を防ぐための保護膜として機能させることができる。また、硬化樹脂パターンは、金属酸化物粒子を含有する第2の樹脂層及び感光性樹脂層に由来する層を含み、この層間の屈折率差によって骨見え現象を抑制することが可能となる。さらに硬化樹脂パターンが設けられている以外の箇所において現像残渣が残留することに起因する問題、例えば、金属配線上に樹脂成分が残ることによる接続不良等の問題を防止することができる。
本発明はまた、上記本発明に係る真空ラミネート用感光性フィルムの製造方法を提供する。係る方法は、支持フィルム上に、少なくとも、アゾ系重合開始剤が含まれるバインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤が配合されてなる感光性樹脂層を、該感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下となるように設ける工程を備える。
上記方法において、バインダーポリマーに含まれるアゾ系重合開始剤の含有量が0.2質量%以下であってもよい。
本発明はまた、上記本発明に係る転写型感光性屈折率調整フィルムの製造方法を提供する。係る方法は、支持フィルム上に、少なくとも、アゾ系重合開始剤が含まれるバインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤が配合されてなる感光性樹脂層を、該感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下となるように設ける工程を備える。
上記方法において、バインダーポリマーに含まれるアゾ系重合開始剤の含有量が0.2質量%以下であってもよい。
本発明はまた、硬化樹脂パターンの形成方法を提供する。第1の形成方法は、基材上に、真空ラミネートにより、上記本発明に係る真空ラミネート用感光性フィルム又は上記本発明に係る方法によって得られる真空ラミネート用感光性フィルムの感光性樹脂層を配置する工程と、感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、感光性樹脂層の未露光部を除去することにより硬化樹脂パターンを形成する現像工程とを備える。
第2の形成方法は、基材上に、真空ラミネートにより、上記本発明に係る転写型感光性屈折率調整フィルム又は上記本発明に係る方法によって得られる転写型感光性屈折率調整フィルムの第2の樹脂層が基材側に位置するように第2の樹脂層及び感光性樹脂層を配置する工程と、感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、感光性樹脂層の未露光部を除去することにより硬化樹脂パターンを形成する現像工程とを備える。
本発明はまた、上記本発明に係る真空ラミネート用感光性フィルムの感光性樹脂を硬化してなる硬化膜を提供する。
本発明はまた、上記本発明に係る転写型感光性屈折率調整フィルムの第2の樹脂層及び感光性樹脂層を硬化してなる硬化膜を提供する。
本発明によれば、真空ラミネート、露光及び現像を経て、基材上に硬化樹脂パターンを充分な現像性で形成することができる真空ラミネート用感光性フィルム及び転写型感光性屈折率調整フィルム、これらを用いる硬化樹脂パターンの形成方法を提供することができる。
本発明の硬化樹脂パターンの形成方法によれば、真空ラミネートによる方法によって現像残渣を充分抑制しつつ所定のパターンを有する保護膜又は屈折率調整膜を形成することができる。
転写型感光性屈折率調整フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。 硬化樹脂パターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。 静電容量式のタッチパネルセンサの一例を示す模式上面図である。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
[転写型感光性屈折率調整フィルム]
本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層と、該感光性樹脂層の前記支持フィルム側とは反対の面側に設けられた、第2の樹脂層とを備える。
図1は、転写型感光性屈折率調整フィルムの一実施形態を示す模式断面図である。転写型感光性屈折率調整フィルム1は、支持フィルム10と、該支持フィルム10上に設けられた、感光性樹脂層20と、該感光性樹脂層20の支持フィルム10側とは反対の面側に設けられた第2の樹脂層30と、第2の樹脂層30の感光性樹脂層20側とは反対の面側に設けられ保護フィルム40とを備える。
<支持フィルム>
支持フィルム10としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムとしては、例えばポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
支持フィルム10の厚みは、被覆性の確保と、支持フィルム10を介して活性光線を照射する際の解像度の低下を抑制する観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましく、15〜35μmであることが特に好ましい。
<感光性樹脂層>
感光性樹脂層20は、バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)とを含有する感光性樹脂組成物から形成されることが好ましい。
(バインダーポリマー)
(A)成分としては、アルカリ現像によりパターニングを可能とする観点から、カルボキシル基を有するポリマーを用いることが好ましい。
(A)成分は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含有する共重合体が好適である。上記共重合体は、上記(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るその他のモノマーを構成単位に含有していてもよい。具体的には、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン等が挙げられる。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステル等が挙げられる。これらの中でも、アルカリ現像性(特に無機アルカリ水溶液に対する現像性)、パターニング性、透明性の観点から、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、スチレン、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、及び(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステルから選択される化合物の構造単位を1種以上含むバインダーポリマーが好ましい。
(A)成分を重合する際の重合開始剤としては、種々の溶媒への溶解性の観点から、アゾ系重合開始剤を用いることができる。アゾ系重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等が挙げられる。これらの中でも、重合時における反応性の観点から、2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)が好ましい。
なお、アゾ系重合開始剤を用いて重合されたバインダーポリマーには、未反応のアゾ系重合開始剤が残留していてもよい。この場合、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量を所定量以下とすることと、フィルム形成性及び硬化樹脂パターン形成性との両立が容易となる観点から、バインダーポリマーにおけるアゾ系重合開始剤の含有量が0.200質量%以下であることが好ましく、0.170質量%以下であることがより好ましく、0.125質量%以下であることがさらに好ましい。
アゾ系重合開始剤の定量は、バインダーポリマーのガスクロマトグラフ質量分析によって行うことができる。なお、ガスクロマトグラフ質量分析の測定条件は本願明細書の実施例と同一の測定条件とすることができる。
(A)成分の重量平均分子量は、解像度の観点から、10,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることがさらに好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましく、40,000〜100,000であることが極めて好ましい。なお、重量平均分子量の測定条件は本願明細書の実施例と同一の測定条件とすることができる。
(A)成分の酸価は、所望の形状を有する硬化樹脂パターンをアルカリ現像で容易に形成する観点から、75mgKOH/g以上とすることが好ましい。また、硬化樹脂パターン形状の制御容易性と硬化樹脂パターンの防錆性との両立を図る観点から、75〜200mgKOH/gであることが好ましく、75〜150mgKOH/gであることがより好ましく、75〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。なお、酸価の測定条件は本願明細書の実施例と同一の測定条件とすることができる。
(光重合性化合物)
(B)成分である光重合性化合物としては、公知の化合物を用いることができるが、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることが好ましい。例えば、分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー、分子内に2つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー、少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマー等が挙げられる。
上記分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマーとしては、例えば、上記(A)成分の好適な例である共重合体の合成に用いられるモノマーとして例示したものが挙げられる。
上記分子内に2つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、例えばポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。金属配線又は透明電極の腐食抑制及び現像性の観点から、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;又はジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
より具体的には、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物又はジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましく、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物又はジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがより好ましく、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがさらに好ましい。
ここで、「〜由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物」について、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を例にとり説明する。ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレートとは、ジトリメチロールプロパンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記エステル化物は、一分子中におけるエステル結合数が最大数の4であることが好ましいが、エステル結合の数が1〜3の化合物が混合していてもよい。
分子内に少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーと、分子内に1つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー及び/又は分子内に2つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーを組み合わせて用いる場合、使用する割合に特に制限は無いが、光硬化性及び電極腐食を抑制する観点から、分子内に少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有するモノマーの割合が、感光性樹脂層における光重合性化合物の合計量100質量部に対して、30質量部以上であることが好ましく、50質量部以上であることがより好ましく、75質量部以上であることがさらに好ましい。
感光性樹脂層における(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が35〜85質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることがさらに好ましく、55〜65質量部であることが特に好ましい。特に、硬化樹脂パターン形成性及びフィルム形成性を維持する点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が、35質量部以上であることが好ましく、40質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、55質量部以上であることが特に好ましい。
(光重合開始剤)
(C)成分である光重合開始剤としては、透明性の高い光重合開始剤であれば、従来公知のものを特に制限無く用いることができるが、基材上に厚みが10μm以下の薄膜であっても充分な解像度で樹脂硬化膜パターンを形成する点では、オキシムエステル化合物を含むことが好ましい。
オキシムエステル化合物としては、下記式(1)で表される化合物、下記式(2)で表される化合物、又は下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2018045126

式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基を示す。R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHを示す。
11及びR12は、それぞれ独立に炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基、フェニル基又はトリル基であることがさらに好ましい。
13は、−H、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH、又は−COO(CHOHであることが好ましく、−H、−O(CHOH、又は−COO(CHOHであることがより好ましい。
Figure 2018045126

式(2)中、R14及びR15はそれぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R16は、NO又はArCO(ここで、Arはアリール基を示す。)を示し、R17及びR18はそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示す。
14及びR15はプロピル基であることが好ましい。Arとしては、トリル基が好ましい。R17及びR18はそれぞれ独立にメチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。
Figure 2018045126

式(3)中、R19は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、R20はアセタール結合を有する有機基を示し、R21及びR22はそれぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、R23は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、nは0〜4の整数を示す。
19はエチル基であることが好ましい。R20は後述する式(3−1)に示す化合物が有するR20に対応する置換基であることが好ましい。R21及びR22はメチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。
上記式(1)で表される化合物としては、例えば、下記式(1−1)で表される化合物及び下記式(1−2)で表される化合物が挙げられる。下記式(1−1)で表される化合物はIRGACURE OXE−01(BASF株式会社製、製品名)として入手可能である。
Figure 2018045126
上記式(2)で表される化合物としては、例えば、下記式(2−1)で表される化合物が挙げられる。下記式(2−1)で表される化合物は、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、製品名)として入手可能である。
Figure 2018045126
上記式(3)で表される化合物としては、例えば、下記式(3−1)で表される化合物が挙げられる。下記式(3−1)で表される化合物は、アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、製品名)として入手可能である。
Figure 2018045126
その他のオキシムエステル化合物としては、下記式(4)で表される化合物、下記式(5)で表される化合物を用いることが好ましい。
Figure 2018045126

Figure 2018045126
上記の中でも、光感度、硬化樹脂パターンの透明性の点で、上記式(1−1)で表される化合物が極めて好ましい。
(C)成分の含有量は、光感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜5質量部であることがより好ましく、1〜3質量部であることがさらに好ましく、1〜2質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂層は、硬化樹脂パターンの防錆性をより向上させる観点から、メルカプト基を有するトリアゾール化合物、メルカプト基を有するテトラゾール化合物、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物、アミノ基を有するトリアゾール化合物又はアミノ基を有するテトラゾール化合物(以下、(D)成分ともいう)をさらに含有することが好ましい。メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、例えば、3−メルカプト−トリアゾール(和光純薬株式会社製、製品名:3MT)が挙げられる。また、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物としては、例えば、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬株式会社製、製品名:ATT)が挙げられる。
上記アミノ基を有するトリアゾール化合物としては、例えばベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール等にアミノ基が置換した化合物、3−メルカプトトリアゾール、5−メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を含むトリアゾール化合物にアミノ基が置換した化合物等が挙げられる。
上記アミノ基を有するテトラゾール化合物としては、例えば5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−5−アミノ−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−アミノ−テトラゾール等が挙げられる。これらのテトラゾール化合物は、その水溶性塩であってもよい。具体例としては、1−メチル−5−アミノ−テトラゾールのナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
感光性樹脂層が(D)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.2〜1.0質量部がさらに好ましく、0.3〜0.8質量部が特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂層は、ITO電極に対する密着性と、現像残渣の発生を抑制する観点から、光重合性不飽和結合を含むリン酸エステル(以下、(E)成分ともいう)を含有することが好ましい。なお、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルは、上記(B)成分と重複する場合があるが、本明細書においては(B)成分に含ませないものとする。
(E)成分である光重合性不飽和結合を含むリン酸エステルとしては、形成する硬化樹脂パターンの防錆性を充分確保しつつ、ITO電極に対する密着性と現像性とを高水準で両立する観点から、ユニケミカル株式会社製のPhosmerシリーズ(Phosmer−M、Phosmer−CL、Phosmer−PE、Phosmer−MH、Phosmer−PP等)、又は日本化薬株式会社製のKAYAMERシリーズ(PM21、PM−2等)が好ましい。
感光性樹脂層が(E)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.05〜2.00質量部が好ましく、0.1〜1.00質量部がより好ましく、0.15〜0.50質量部がさらに好ましく、0.20〜0.30質量部が特に好ましい。
本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムにおいて、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が、感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下であることが好ましく、0.110質量%以下であることがより好ましく、0.080質量%以下であることがさらに好ましい。
(A)成分がアゾ系重合開始剤を含む場合には、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が上記範囲内となるように(A)成分の配合量を調整することが好ましい。
(添加剤)
感光性樹脂層20には、必要に応じて、各種添加剤を含有させることができる。添加剤としては、例えば可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、密着性付与剤、レベリング剤、剥離促進剤、酸化防止剤、香料、イメージング剤、熱架橋剤、防錆剤等の添加剤を、単独で又は2種類以上を組み合わせて含有させることができる。これらの添加剤の添加量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対して各々0.01〜20質量部であることが好ましい。
感光性樹脂層20は、633nmにおける屈折率が1.40〜1.49であることが好ましい。また、硬化後における感光性樹脂層の633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
感光性樹脂層20は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、硬化後における感光性樹脂層の450〜650nmの波長域における最小光透過率も上記範囲内であることが好ましい。
感光性樹脂層20の厚みは、保護膜として十分に効果を奏し、かつ透明電極パターン付き基材表面の段差を十分に埋め込む上では、乾燥後の厚みで15μm以下であることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましく、3〜8μmであることがさらに好ましい。また、硬化後における感光性樹脂層の厚みも上記範囲内であることが好ましい。
<第2の樹脂層>
第2の樹脂層30は、633nmにおける屈折率が1.50〜1.90であることが好ましく、1.53〜1.85であることがより好ましく、1.55〜1.75であることがさらに好ましい。また、第2の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第2の樹脂層の633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
第2の樹脂層の633nmにおける屈折率が上記範囲内であると、硬化膜パターンをITO等の透明電極パターン上に設けた場合に、硬化膜パターン上に使用される各種部材(例えば、モジュール化する際に使用するカバーガラスと透明電極パターンとを接着するOCA)との屈折率の中間値となり、ITO等の透明電極パターンが形成されている部分と形成されていない部分での光学的な反射による色差を小さくすることが可能となり、骨見え現象を防止できる。また、画面全体の反射光強度を低減することが可能となり、画面上の透過率低下を抑制することが可能となる。
ITO等の透明電極の屈折率は、1.80〜2.10であることが好ましく、1.85〜2.05であることがより好ましく、1.90〜2.00であることがさらに好ましい。また、OCA等の部材の屈折率は1.45〜1.55であることが好ましく、1.47〜1.53であることがより好ましく、1.48〜1.51であることがさらに好ましい。
第2の樹脂層30は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、第2の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第2の樹脂層の450〜650nmの波長域における最小光透過率も上記範囲内であることが好ましい。
第2の樹脂層30は、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有することができ、必要に応じて、上記(D)成分及び/又は上記(E)成分を更に含有することができる。第2の樹脂層は(B)成分、(C)成分等の光重合成分を必ずしも含有する必要はなく、層形成により隣接する樹脂層から移行する光重合成分を利用して第2の樹脂層を光硬化させることもできる。
第2の樹脂層30は、金属酸化物粒子(以下、(F)成分ともいう)を含有することができる。金属酸化物粒子としては、特に波長633nmにおける屈折率が1.50以上である、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。これにより、転写型感光性屈折率調整フィルムを調整した際、第2の樹脂層の透明性及び波長633nmにおける屈折率を向上させることが可能となる。また基材への吸着を抑制しつつ、現像性を向上させることができる。
金属酸化物粒子としては、骨見え現象抑制の観点から、酸化ジルコニウム又は酸化チタンの粒子を含有することが好ましい。
酸化ジルコニウム粒子としては、透明電極の材料がITOの場合、屈折率向上と、ITO及び透明基材との密着性の観点から、酸化ジルコニウムナノ粒子を用いることが好ましい。酸化ジルコニウムナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが40nm以下であることが好ましい。
酸化ジルコニウムナノ粒子は、OZ−S30K(日産化学工業株式会社製、製品名)、OZ−S40K−AC(日産化学工業株式会社製、製品名)、SZR−K(酸化ジルコニウムメチルエチルケトン分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)、SZR−M(酸化ジルコニウムメタノール分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。
第2の樹脂層30には、(F)成分として酸化チタンナノ粒子を含有させることも可能である。また、酸化チタンナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが50nm以下であることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
(F)成分として、上記金属酸化物粒子のほかに、例えばMg、Al、Si、Ca、Cr、Cu、Zn、Ba等の原子を含む酸化物粒子または硫化物粒子を用いることもできる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
また上記金属酸化物粒子の他に、例えばトリアジン環を有する化合物、イソシアヌル酸骨格を有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物等の有機化合物を用いることも可能である。これにより波長633nmにおける屈折率を向上させることができる。
上記第2の樹脂層の厚みは、50〜500nmであることが好ましく、60〜300nmであることがより好ましく、70〜250nmであることがさらに好ましく、80〜200nmであることが特に好ましい。厚みが50〜500nmであることにより、上述の画面全体の反射光強度をより低減することが可能となる。また、硬化後における第2の樹脂層の厚みも上記範囲内であることが好ましい。
<他の層>
本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムは、本発明の効果が得られる範囲で、適宜選択した他の層を設けてもよい。他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮蔽層、剥離層、接着層等が挙げられる。本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。
感光性樹脂層と第2の樹脂層の合計厚みは、ラミネート時の追従性向上の観点から、30μm以下であることが好ましく、20μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。さらに、防錆性の観点から、基材の突起物によるピンホールが発生する可能性を加味すると、1μm以上であることが好ましく、2μm以上であることが好ましく、3μm以上であることがさらに好ましい。3μm以上であれば、基材の突起物による影響を極力抑え、防錆性を保つことが可能となる。また、硬化後における感光性樹脂層と第2の樹脂層の合計厚みも上記範囲内であることが好ましい。
<保護フィルム>
保護フィルム50としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム、及びこれらのフィルムとポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。
保護フィルム50の厚みは、5〜100μmが好ましいが、ロール状に巻いて保管する観点から、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。
本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムは、真空ラミネートを用いて、感光性樹脂層及び第2の樹脂層を基材上に転写することができる。転写後、露光、現像を行うことにより、硬化樹脂パターンを形成することができる。
なお、図1に示されるフィルムにおいて、第2の樹脂層を設けずに、支持フィルム10/感光性樹脂層20/保護フィルム40の構成とすることができる。このようなフィルムは、真空ラミネート用感光性フィルムとすることができ、真空ラミネートを用いて、感光性樹脂層を基材上に転写し、転写後、露光、現像を行うことにより、硬化樹脂パターンを形成することができる。
[転写型感光性屈折率調整フィルムの製造方法]
本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムは、例えば、以下の方法により作製することができる。
支持フィルム上に、上記各成分を含む感光性樹脂組成物、又は必要に応じて、メタノール、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、トルエン、N、N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の溶剤又はこれらの混合溶剤に溶解した、固形分10〜60質量%程度の感光性樹脂組成物の溶液を塗工した後、乾燥することにより感光性樹脂層を形成する。
このとき、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が上述した範囲内となるように(A)成分の配合量を調整することが好ましい。
塗工は、公知の方法で行うことができる。例えば、ロールコート法、コンマコート法、グラビアコート法、エアーナイフコート法、ダイコート法、バーコート法、スプレーコート法等が挙げられる。塗工後、有機溶剤等を除去するための乾燥は、70〜150℃で5〜30分間程度、熱風対流式乾燥機等で行うことができる。
他方で、保護フィルム上に、第2の樹脂層を形成するための塗布液を塗工した後、乾燥することにより第2の樹脂層を形成する。塗工及び乾燥は上記と同様に行うことができる。
次に、上記で得られた感光性樹脂層を有する支持フィルムと、第2の樹脂層を有する保護フィルムとを、感光性樹脂層と第2の樹脂層が密着するようにロールラミネーター等を用いて、貼り合わせる。こうして、転写型感光性屈折率調整フィルムを得ることができる。
(屈折率の測定方法)
第2の樹脂層が単層で、膜厚が膜厚方向で均一な場合、屈折率はETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)を用いて以下のように求めることができる。また、以下の測定は、25℃の条件下で行う。
(1)第2の樹脂層を形成するための塗布液を、厚み0.7mm、縦10cm×横10cmのガラス基材上にスピンコーターで均一に塗布し、100℃の熱風滞留式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、第2の樹脂層を形成する。
(2)次いで、140℃に加熱した箱型乾燥機(三菱電機株式会社製、型番:NV50−CA)内に30分間静置し、第2の樹脂層を有する屈折率測定用試料を得る。
(3)次いで、得られた屈折率測定用試料をETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)にて波長633nmにおける屈折率を測定する。
単層の感光性樹脂層における屈折率も同様の方法で測定することができる。なお、感光性屈折率調整フィルムの形態では、第2の樹脂層単層の屈折率を測定することは難しいため、第2の樹脂層の保護フィルム側の最表面層の値とする。
[硬化樹脂パターンの形成方法]
図2は、硬化樹脂パターンの形成方法の一実施形態を説明するための模式断面図である。本実施形態の硬化樹脂パターンの形成方法は、透明電極パターン60を有する透明導電パターン付基材50上に、真空ラミネートにより、上記本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムの第2の樹脂層が基材に密着するように第2の樹脂層30及び感光性樹脂層20をラミネートするラミネート工程(図2(a))と、感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程(図2(b)と、感光性樹脂層の未露光部を除去することにより第2の樹脂層に由来する層30aを有する硬化樹脂パターン20aを形成する現像工程(図2(c))とを備える。
<基材>
基材50の材質としては、特に制限なく使用することができるが、例えばタッチパネルに用いられる、ガラス、プラスチック、セラミック、樹脂製の基材等が挙げられる。基材50の厚みは、使用の目的に応じて適宜選択することができ、フィルム状の基材を用いてもよい。フィルム状の基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリカーボネートフィルム、シクロオレフィンポリマフィルム等の樹脂製の基材が挙げられる。基材50は、450〜650nmの波長域での最小光透過率が80%以上であるものが好ましい。基材50が、このような条件を満たす場合、例えば、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
<透明電極パターン及び金属配線>
基材上には、硬化樹脂パターンを形成する対象となる、透明電極パターン60及び金属配線が設けられる。透明電極パターン60は、例えばITO及びIZO(Indium Zinc Oxide、酸化インジウム−酸化亜鉛)等の導電性金属酸化膜を用いて、形成することができる。また透明電極パターン60は、銀繊維又はカーボンナノチューブなどの導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、形成することもできる。
金属配線は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Mo、Cなどの導電性材料を用いて、スクリーン印刷、蒸着などの方法により形成することができる。
また、基材と、透明電極パターン及び金属配線との間には、例えば屈折率調整層、絶縁層等が設けられていてもよい。
−ラミネート工程−
ラミネート工程でのラミネート方法としては、例えば、真空ラミネートが挙げられる。本明細書において真空ラミネートは、真空環境下でラミネートする方法を意味する。例えば、試料を配置したチャンバー内を真空に保ち、真空環境下でダイアフラム(弾性膜)を介して、空気圧力により均一な圧力面でラミネートすることができる。転写型感光性屈折率調整フィルム1を、保護フィルム40がある場合はそれを除去した後、第2の樹脂層30側を透明導電パターン付基材50等の上に配置した後、真空ラミネートをすることで、透明導電パターン付き基材等へ良好に追従し、貼り合わせることができる。
透明導電パターン付基材への追従性の観点から、チャンバー内の真空度は4hPa以下が好ましく、2hPa以下がより好ましく、1hPa以下がさらに好ましい。
さらに真空ラミネートはチャンバー内を加熱しながら、ラミネートすることもできる。 ラミネート温度は、180℃以下とすることができ、現像残渣抑制及び追従性の観点から、95〜100℃が好ましく、95〜98℃がより好ましく、95〜96℃がさらに好ましい。圧着圧力は、0〜0.5MPaとすることができ、0.4〜0.5MPaが好ましい。
−露光工程−
露光工程での露光方法としては、例えば、図2(b)に示されるような、アートワークと呼ばれるネガ又はポジマスクパターン70を通して活性光線Lを画像状に照射する方法(マスク露光法)が挙げられる。なお本明細書においてパターンとは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基材との接続部のみを矩形に除去した形状、及び基材の額縁部のみを除去した形状等も含まれる。
露光工程での活性光線の光源としては、公知の光源が挙げられる。例えば、紫外線、可視光などを有効に放射することができるカーボンアーク灯、水銀蒸気アーク灯、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、キセノンランプが用いられる。また、Arイオンレーザ、半導体レーザも用いられる。更に、写真用フラッド電球、太陽ランプ等の可視光を有効に放射するものも用いられる。また、レーザ露光法等を用いた直接描画法により活性光線を画像状に照射する方法を採用してもよい。
露光工程での露光量は、使用する装置及び感光性樹脂層及び第2の樹脂層の組成によって異なるが、好ましくは5mJ/cm〜1000mJ/cmであり、より好ましくは10mJ/cm〜200mJ/cmである。光硬化性に優れる点では、10mJ/cm以上であることが好ましく、解像性の点では200mJ/cm以下であることが好ましい。
露光工程は、空気中、真空中等で行うことができ、露光の雰囲気は特に制限されない。
−現像工程−
本実施形態に係る現像工程では、感光性樹脂層及び第2の樹脂層の、露光工程における未露光の領域を除去して、透明電極パターンの一部又は全部を被覆する硬化樹脂パターンを形成する。なお、活性光線の照射後、第一の樹脂層上に支持フィルム10が積層されている場合にはそれを除去した後、現像工程が行われる。具体的には、ウェット現像によって、感光性樹脂層20の硬化していない部分(未露光部分)を、第2の樹脂層とともに除去する。これにより、透明導電パターン付基材上に、感光性樹脂層の硬化層(硬化膜)20a及び第2の樹脂層由来の層30aを備える硬化樹脂パターンが設けられた積層体100が得られる。硬化樹脂パターンは、屈折率調製パターンとして機能することができる。また、本実施形態においては、本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムを用いることにより、透明電極パターン60の硬化樹脂パターンが設けられていない面S1上の現像残渣を充分に少なくすることができる。
ウェット現像は、例えば、アルカリ性水溶液、水系現像液、有機溶剤系現像液を用いて、スプレー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法により行うことができる。中でも、環境、安全性の観点からアルカリ性水溶液を用いて、スプレー現像することが好ましい。なお、現像温度及び時間は従来公知の範囲で調整することができる。
本実施形態の硬化樹脂パターンの形成方法においては、現像後に必要に応じて、60〜250℃程度の加熱又は0.2〜10J/cm程度の露光を行うことにより、硬化樹脂パターンを更に硬化してもよい。
<硬化樹脂パターン>
本実施形態の硬化樹脂パターンは、上述した本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムの、感光性樹脂層及び第2の樹脂層を硬化して得られた硬化膜である。本実施形態の硬化樹脂パターンは、例えばタッチパネル用電極保護膜、液晶又は有機EL等の表示素子用の平坦化膜及び層間絶縁膜、カラーフィルター用保護膜、プリント配線板用ソルダーレジスト膜等として用いることが可能である。
なお、第2の樹脂層の大部分が感光性樹脂層に被覆され、露出されない場合、第2の樹脂層は必ずしも硬化される必要はない。本実施形態の硬化膜は、このような感光性樹脂層が硬化し、第2の樹脂層が硬化していない場合も含む。
硬化樹脂パターンは、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。硬化樹脂パターンがこのような条件を満たす場合、ディスプレイパネル等での高輝度化が容易となる。
<タッチパネルセンサ>
図3を用いて、本発明に係る硬化樹脂パターンの適用箇所の一例を説明する。図3は、静電容量式のタッチパネルの一例を示す模式上面図である。図3に示されるタッチパネルは、透明基材101の片面にタッチ位置座標を検出するためのセンシング領域102があり、この領域の静電容量変化を検出するための透明電極パターン103及び透明電極パターン104が基材101上に設けられている。透明電極パターン103及び透明電極パターン104はそれぞれタッチ位置の静電容量の変化を検出し、X位置座標及びY位置座標とする。
透明基材101上には、透明電極パターン103及び透明電極パターン104からタッチ位置の検出信号を外部回路に伝えるための金属配線105が設けられている。また、金属配線105と透明電極パターン103及び透明電極パターン104とは、透明電極パターン103及び透明電極パターン104上に設けられた接続電極106により接続されている。また、金属配線105の透明電極パターン103及び透明電極パターン104との接続部と反対側の端部には、外部回路との接続端子107が設けられている。
本発明に係る硬化樹脂パターンの形成方法は、金属配線105、接続電極106及び接続端子107を保護するとともに屈折率調整のための硬化樹脂パターン123を形成することができる。本実施形態においては、本実施形態の転写型感光性屈折率調整フィルムを用いることにより、真空ラミネートを利用して硬化樹脂パターンを設ける場合であっても、接続端子107の硬化樹脂パターンが設けられていない面上の現像残渣を充分に少なくすることができ、接続端子の接続不良等の問題を抑制することができる。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[バインダーポリマー溶液(A1)の作製]
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコール46.8質量部及びトルエン31.2質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、メタクリル酸12質量部、メタクリル酸メチル58質量部、アクリル酸エチル30質量部、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5質量部が含まれる組成物を、4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃の温度範囲で4時間撹拌を続け、その後90℃±2℃の温度範囲で2時間撹拌を続けた。こうして、重量平均分子量が65,000、酸価が78mgKOH/g、水酸基価が2mgKOH/g、ガラス転移温度Tgが60℃のバインダーポリマーの溶液(固形分45質量%)(A1)を得た。
[バインダーポリマー溶液(A2)の作製]
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル65質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、メタクリル酸24質量部、メタクリル酸メチル43.5質量部、アクリル酸ブチル15.2質量部、及びメタクリル酸ブチル17.3質量部、及び2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.3質量部が含まれる組成物を、4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃の温度範囲で2時間撹拌を続け、その後90℃±2℃の温度範囲で2時間撹拌を続けた。こうして、重量平均分子量が30,000、酸価が156.6mgKOH/g、ガラス転移温度Tgが64.9℃のバインダーポリマーの溶液(固形分50質量%)(A2)を得た。
なお、バインダーポリマーの重量平均分子量、酸価、水酸基価及びガラス転移温度Tgは以下の方法で測定した。
[重量平均分子量の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの条件を以下に示す。
<GPC条件>
ポンプ:L−6000(株式会社日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:L−3300(RI検出器、株式会社日立製作所製、製品名)
[酸価の測定方法]
酸価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。まずバインダーポリマー溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×V×f×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、fは0.1mol/L水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
[水酸基価の測定方法]
水酸基価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、バインダーポリマーを三角フラスコに入れ、10質量%の無水酢酸ピリジン溶液を10mL加えてバインダーポリマーを均一に溶解し、100℃で1時間加熱した。加熱後、水10mLとピリジン10mLを加えて100℃で10分間加熱後、自動滴定機(平沼産業株式会社製、製品名:COM−1700)を用いて、0.5mol/Lの水酸化カリウムのエタノール溶液により中和滴定を行った。そして、次式により水酸基価を算出した。
水酸基価=(A−B)×f×28.05/S+D
式中、Aは空試験に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)、Bは滴定に用いた0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の量(mL)、fは0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター(濃度換算係数)、Sはバインダーポリマーの質量(g)、Dは酸価を示す。
なお、空試験はバインダーポリマーを入れることなく上記工程を行なう。
[ガラス転移温度Tgの決定方法]
ガラス転移温度(℃)は、以下のFoxの式より算出されるものである。
Tg(℃)=(w1/Tg1+w2/Tg2+・・・+wk/Tgk)−273
但し、Tgは共重合体のガラス転移温度であり、Tg1、Tg2、・・・・・Tgkは各単量体成分の単独共重合体のガラス転移温度であり、w1、w2・・・・・wkは各単量体成分のモル分率を表し、w1+w2+・・・・・wk=1である。
[転写型感光性屈折率調整フィルムの作製]
(実施例1)
バインダーポリマー溶液(A1)133.3質量部(固形分60質量部)、T−1420(T)(日本化薬株式会社製、製品名、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート)40質量部、IRGACURE OXE 01(BASF株式会社製、製品名、1,2−オクタンジオン,1−[(4−フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)])1.7質量部、HAT(東洋紡績株式会社製、製品名、5−アミノ−1H−テトラゾール)0.4質量部、PM−21(日本化薬株式会社製、製品名、光重合性不飽和結合を含むリン酸エステル)0.25質量部、SH−30(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名、オクタメチルシクロテトラシロキサン)0.07質量部、AW−500(川口化学株式会社製、製品名、2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール))0.1質量部、及びメチルエチルケトン83質量部を、撹拌機によって15分間混合し、感光性樹脂層を形成する塗布液を調製した。
バインダーポリマーの溶液(A2)40質量部(固形分20質量部)、BPE−1300NH(新中村化学工業株式会社製、製品名、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート)5質量部、HAT(東洋紡績株式会社製、製品名、5−アミノ−1H−テトラゾール)0.5質量部、PM−21(日本化薬株式会社製、製品名、光重合性不飽和結合を含むリン酸エステル)0.5質量部、ナノユースOZ−30K−A(日産化学工業株式会社製、製品名、ジルコニア分散液)90質量部、L−7001(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名、オクタメチルシクロテトラシロキサン)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテル11300質量部を、撹拌機によって15分間混合し、第2の樹脂層を形成する塗布液を調製した。
保護フィルムとして厚み30μmのポリプロピレンフィルム(王子エフテックス株式会社製、製品名:E−201F)を用意した。この保護フィルム上に、上記で調製した第2の樹脂層を形成するための塗布液を、ダイコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風滞留式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、乾燥後の厚みが60nmの第2の樹脂層を形成した。
支持フィルムとして厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:FB40)を用意した。この支持フィルム上に、上記で調製した感光性樹脂層を形成する塗布液を、コンマコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、乾燥後の厚みが8μmの感光性樹脂層を形成した。
なお、第2の樹脂層の厚みは、上記で作製した第2の樹脂層をF20(FILMETRICS株式会社製、製品名)で測定することにより測定した。感光性樹脂層の厚みは、上記で作製した感光性樹脂層を、デジタルシックネスゲージ(ニコン株式会社製、製品名:DIGIMICROSTAND MS−5C)で測定することにより測定した。
上記で得られた第2の樹脂層を有する保護フィルムと感光性樹脂層を有する支持フィルムとを、ロールラミネーター(日立化成株式会社製、製品名:LPA 3301)を用いて、第2の樹脂層と感光性樹脂層とが密着するように、100℃、0.6m/分で貼り合わせて転写型感光性屈折率調整フィルムを作製した。
[アゾ系重合開始剤の定量]
感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量については、バインダーポリマーの合成時以外でアゾ系重合開始剤は用いられていないため、バインダーポリマーのガスクロマトグラフ質量分析を行い、バインダーポリマーにおけるアゾ系重合開始剤の含有量を下記の方法で測定した。
バインダーポリマーを40mg計量し、このバインダーポリマーを、アセトニトリル溶液20mLに添加した後、均一に溶解し、試料を得た。
上記試料についてガスクロマトグラフ質量分析を下記の測定条件で行った。
測定装置:QP−2010Ultra(株式会社島津製作所製、製品名)
カラム:UltraALLOY(株式会社島津製作所製、製品名)
Oven Temp:50℃で3分間加熱後、15℃/minの割合で300℃まで昇温
キャリアーガス:ヘリウム、1.0mL/min
インターフェイス温度:300℃
イオンソース温度:200℃
サンプル注入量:25μL
バインダーポリマーにおけるアゾ系重合開始剤の含有量は0.043質量%であった。この値から感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量を算出した。結果を表に示す。
なお、本明細書における真空ラミネート用感光性フィルム又は転写型感光性屈折率調整フィルムの形態でも、上記測定方法を基に感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量を測定することができる。
[現像残渣の評価試験]
得られた転写型感光性屈折率調整フィルムの保護フィルムを剥離し、銅基材(縦12.5cm×横5cm)上に、第2の樹脂層が密着するように真空ラミネーター(名機製作所製、型番:MLLP−5000)を用いて、以下の条件で真空ラミネートし、銅基材、第2の樹脂層、感光性樹脂層及び支持フィルムが積層された現像残渣評価試験用試料をそれぞれ作製した。
<真空ラミネート条件>
ラミネート温度:95℃、97℃、100℃
真空引き時間:5秒、
真空度:4.0hPa、
加圧時間:5秒、
加圧力:1.0MPa
上記で得られた現像残渣評試験用試料の感光性樹脂層上に積層された支持フィルムを剥離した。その後、1.0質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、30℃で40秒間スプレー現像した。得られた基材表面状態を肉眼で観察し、以下の評点に従って現像残渣を評価した。
A: 基材表面に現像残渣が確認されず。
B: 基材表面に現像残渣がわずかに確認される。
C: 基材表面に現像残渣が確認される。
(実施例2〜5、比較例1〜4)
感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が表1に示す値となるように、感光性樹脂層を形成する塗布液を調製する際に2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)を添加したこと以外は実施例1と同様にして、転写型感光性屈折率調整フィルムを作製し、現像残渣の評価を行った。
Figure 2018045126
表1に示されるように、感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が0.120質量%以下である実施例1〜5の転写型感光性屈折率調整フィルムは、95〜100℃の温度で真空ラミネートを行った場合であっても、現像残渣が充分に少ないことが確認された。
1…転写型感光性屈折率調整フィルム、10…支持フィルム、20…感光性樹脂層、30…第2の樹脂層、40…保護フィルム、50…透明導電パターン付基材、60…透明電極パターン、100…積層体、101…透明基材、102…センシング領域、103…透明電極パターン(X位置座標)、104…透明電極パターン(Y位置座標)、105…金属配線、106…接続電極、107…接続端子、123…硬化樹脂パターン。

Claims (10)

  1. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層と、を備え、
    前記感光性樹脂層における前記アゾ系重合開始剤の含有量が、前記感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下である、真空ラミネート用感光性フィルム。
  2. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた、バインダーポリマー、光重合性化合物、光重合開始剤、及びアゾ系重合開始剤を含有する感光性樹脂層と、該感光性樹脂層の前記支持フィルム側とは反対の面側に設けられた、金属酸化物粒子を含有する第2の樹脂層と、を備え、
    前記感光性樹脂層における前記アゾ系重合開始剤の含有量が、前記感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下であり、
    前記感光性樹脂層及び前記第2の樹脂層が真空ラミネートにより転写される、転写型感光性屈折率調整フィルム。
  3. 請求項1に記載の真空ラミネート用感光性フィルムの製造方法であって、
    支持フィルム上に、少なくとも、アゾ系重合開始剤が含まれるバインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤が配合されてなる感光性樹脂層を、該感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が前記感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下となるように設ける工程を備える、真空ラミネート用感光性フィルムの製造方法。
  4. 前記バインダーポリマーに含まれるアゾ系重合開始剤の含有量が0.2質量%以下である、請求項3に記載の真空ラミネート用感光性フィルムの製造方法。
  5. 請求項2に記載の転写型感光性屈折率調整フィルムの製造方法であって、
    支持フィルム上に、少なくとも、アゾ系重合開始剤が含まれるバインダーポリマー、光重合性化合物及び光重合開始剤が配合されてなる感光性樹脂層を、該感光性樹脂層におけるアゾ系重合開始剤の含有量が前記感光性樹脂層全量を基準として0.120質量%以下となるように設ける工程を備える、転写型感光性屈折率調整フィルムの製造方法。
  6. 前記バインダーポリマーに含まれるアゾ系重合開始剤の含有量が0.2質量%以下である、請求項5に記載の転写型感光性屈折率調整フィルムの製造方法。
  7. 基材上に、真空ラミネートにより、請求項1に記載の真空ラミネート用感光性フィルム又は請求項3若しくは4の方法によって得られる真空ラミネート用感光性フィルムの前記感光性樹脂層を配置する工程と、
    前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、
    前記感光性樹脂層の未露光部を除去することにより硬化樹脂パターンを形成する現像工程と、
    を備える、硬化樹脂パターンの形成方法。
  8. 基材上に、真空ラミネートにより、請求項2に記載の転写型感光性屈折率調整フィルム又は請求項5若しくは6の方法によって得られる転写型感光性屈折率調整フィルムの前記第2の樹脂層が前記基材側に位置するように前記第2の樹脂層及び前記感光性樹脂層を配置する工程と、
    前記感光性樹脂層にパターン状に活性光線を照射する露光工程と、
    前記感光性樹脂層の未露光部を除去することにより硬化樹脂パターンを形成する現像工程と、
    を備える、硬化樹脂パターンの形成方法。
  9. 請求項1に記載の真空ラミネート用感光性フィルムの、前記感光性樹脂を硬化してなる、硬化膜。
  10. 請求項2に記載の転写型感光性屈折率調整フィルムの、前記第2の樹脂層及び前記感光性樹脂層を硬化してなる、硬化膜。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2020012651A1 (ja) * 2018-07-13 2020-01-16 日立化成株式会社 センシングデバイス用感光性フィルムロールの製造方法及びセンシングデバイス用感光性フィルムロール

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