JP6943279B2 - 転写型感光性フィルム、硬化膜パターンの形成方法及びタッチパネル - Google Patents

転写型感光性フィルム、硬化膜パターンの形成方法及びタッチパネル Download PDF

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Description

本発明は、転写型感光性フィルム、硬化膜パターンの形成方法及びタッチパネルに関する。
パソコン及びテレビ等の大型電子機器、カーナビゲーション、携帯電話、スマートフォン、電子辞書等の小型電子機器、OA(Office Automation、オフィスオートメーション)・FA(Factory Automation、ファクトリーオートメーション)機器等の表示機器などには液晶表示素子及びタッチパネル(タッチセンサー)が用いられている。
タッチパネルは各種の方式が実用化されているが、近年、投影型静電容量方式のタッチパネルの利用が進んでいる。一般に、投影型静電容量方式のタッチパネルでは、X軸とY軸による2次元座標を表現するために、複数のX電極と、該X電極に直交する複数のY電極とが、2層構造を形成している。これらの電極の材料として、ITO(Indium−Tin−Oxide、酸化インジウムスズ)が主流である。
ところで、タッチパネルの額縁領域はタッチ位置を検出できない領域であるから、その額縁領域の面積を狭くすることが製品価値を向上させるための重要な要素である。一般的に額縁領域には、タッチ位置の検出信号を伝えるために銅等の金属配線が形成されている。タッチパネルにおいては、指先に接触される際に水分又は塩分等の腐食成分がセンシング領域から内部に侵入することがある。タッチパネルの内部に腐食成分が侵入すると、上記金属配線が腐食し、電極と駆動用回路間の電気抵抗の増加、又は断線の恐れがある。
金属配線の腐食を防ぐために、タッチパネル用基材上に、ジシクロペンタニル構造又はジシクロペンテニル構造を有するジ(メタ)アクリレート化合物を含有する感光性樹脂組成物層を設け、この感光性樹脂組成物層の所定部分を活性光線の照射により硬化させた後に、所定部分以外を除去し、基材の一部又は全部を被覆する感光性樹脂組物の硬化膜を形成する方法が提案されている(特許文献1)。
特開2015−121929号公報
タッチパネルの信頼性をさらに高めるために保護膜による防錆効果の向上が求められており、その実現にはより透湿度が低い硬化膜パターンの形成が重要となっている。
他方で、湾曲若しくは折り曲げ可能なディスプレイが普及しつつあり、液晶表示素子及びタッチパネルには、柔軟性を有する基材上に電極を設けたタッチパネルが用いられることがある。このタッチパネルは、生産性を向上させるために平盤打抜機又はロータリーカッター等で打ち抜いたり、裁断したりするなどの加工が施される。この場合、タッチパネルに設けられる硬化膜パターンには、上記の工程を経てもクラックが生じにくいクラック耐性が要求される。
本発明は、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成することができる転写型感光性フィルム、並びに、それを用いる硬化膜パターンの形成方法及びタッチパネルを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明者らは鋭意検討したところ、バインダーポリマー、光重合性化合物、及び光重合開始剤を含有する感光性樹脂層において、共重合成分として、分岐及び/又は脂環構造を有するモノマーと、酸性基を有するモノマーとが含まれるバインダーポリマーを用いることにより、透湿度が低い硬化膜パターンを形成できることを見出した。その一方で、本発明者らは、上記の硬化膜パターンは、クラック耐性が低下する傾向にあるという知見も得た。そして、これらの知見に基づき本発明者らがさらに検討を行った結果、上記酸性基と反応し得る官能基と、エチレン性不飽和基とを有する化合物を、バインダーポリマーのエチレン性不飽和基当量が特定の範囲となるようにさらに反応させることにより、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成できることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた第一の樹脂層とを備え、第一の樹脂層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、バインダーポリマーが、側鎖に分岐及び/又は脂環構造を有する基、側鎖に酸性基を有する基、並びに、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含有し、且つ、0.50〜3.00(mmol/g)のエチレン性不飽和基当量を有する転写型感光性フィルムを提供する。
本発明に係る転写型感光性フィルムによれば、上記構成を有することにより、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成することができる。金属配線上に形成される硬化膜パターンは、金属配線の防錆のための保護膜として機能させることができる。
なお、上記の効果が得られる理由としては、バインダーポリマーの側鎖に分岐及び/又は脂環構造を有する基を含有させることにより、嵩高い構造が付加されて硬化膜の透湿性を低減することができ、このような低透湿性の硬化膜パターンを金属配線上に形成することにより、腐食の原因である水分が金属配線と接触しにくくなるためと考えられる。また、バインダーポリマーの側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含有させ、バインダーポリマーのエチレン性不飽和基当量を特定の範囲に調整することで、硬化膜中の架橋点間距離が長くなり、柔軟性が向上し、クラック耐性も両立することができたと考えられる。
上記バインダーポリマーは、側鎖にフェニル基を有する基をさらに含有してもよい。
上記第一の樹脂層は、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルをさらに含んでいてもよい。この場合、形成される硬化膜パターンの密着性をさらに向上させることができ、低透湿性との相乗効果によって金属配線の腐食(例えば、銅配線の錆など)を高度に抑制できる保護膜とすることができる。
上記光重合開始剤は、オキシムエステル化合物を含んでいてもよい。この場合、転写型感光性フィルムが高感度となり、形成される硬化膜パターンの透湿度をさらに低減することができる。
本発明に係る転写型感光性フィルムは、第一の樹脂層上に設けられた、金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層を更に備えることができる。
上記の転写型感光性フィルムによれば、低透湿性とクラック耐性とを両立するとともに屈折率調整の機能を有する硬化膜パターンを形成することができる。
ところで、投影型静電容量方式のタッチパネルは、透明電極材料を用いた複数のX電極と、該X電極に直交する透明電極材料を用いた複数のY電極とにより基材上に2層構造の透明電極パターンが形成された構造を有している。このような構造を有する投影型静電容量方式のタッチパネルでは、透明電極パターンが形成された部分と、形成されていない部分との光学的な反射特性の違いにより色差が大きくなり、モジュール化した際に透明電極パターンが画面上に映りこむ、いわゆる「骨見え現象」の問題がある。また、基材と透明電極との間、又はモジュール化する際に使用するカバーガラスと透明電極パターンとを接着する視認性向上フィルム(OCA:Optical Clear Adhesive)と透明電極パターンとの間で、反射光強度が増加し、画面の透過率を低下させるという問題もある。
上記第二の樹脂層を有する本発明に係る転写型感光性フィルムによれば、上記の問題を抑制することが可能となる。
本発明はまた、電極を有する基材上に、上記本発明に係る転写型感光性フィルムの第一の樹脂層を、基材の電極が設けられている側と第一の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、基材上の第一の樹脂層の所定部分を露光後、前記所定部分以外を除去し、電極の一部又は全部を被覆する硬化膜を形成する工程と、を備える硬化膜パターンの第1の形成方法を提供する。
本発明はまた、電極を有する基材上に、第二の樹脂層を有する上記本発明に係る転写型感光性フィルムの第二の樹脂層及び第一の樹脂層を、基材の電極が設けられている側と第二の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、基材上の第二の樹脂層及び第一の樹脂層の所定部分を露光後、所定部分以外を除去し、電極の一部又は全部を被覆する硬化膜パターンを形成する工程と、を備える硬化膜パターンの第2の形成方法を提供する。
上記本発明に係る硬化膜パターンの第1及び第2の形成方法によれば、電極上に低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成することができる。また、本発明に係る硬化膜パターンの第2の形成方法によれば、硬化膜パターンが屈折率調整の機能を有することができ、上述した骨見え現象、画面の透過率低下の問題を抑制することができる。
本発明はまた、上記本発明に係る転写型感光性フィルムにおける第一の樹脂層を硬化してなる硬化膜を提供する。
本発明はまた、第二の樹脂層を有する上記本発明に係る転写型感光性フィルムの第一の樹脂層のみ、又は、第一の樹脂層及び第二の樹脂層の両方を硬化してなる硬化膜を提供する。
本発明はまた、上記本発明に係る転写型感光性フィルムにおける第一の樹脂層の硬化物、又は、第二の樹脂層を有する上記本発明に係る転写型感光性フィルムの第二の樹脂層の硬化物及び第一の樹脂層の硬化物からなる硬化膜パターンを備えるタッチパネルを提供する。
本発明によれば、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成することができる転写型感光性フィルム、並びに、それを用いる硬化膜パターンの形成方法及びタッチパネルを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る転写型感光性フィルムを示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係る転写型感光性フィルムを用いて形成した硬化膜パターンを透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。 本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。
以下、場合により図面を参照しつつ、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味し、「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート又はそれに対応するメタクリレートを意味する。「A又はB」とは、AとBのどちらか一方を含んでいればよく、両方とも含んでいてもよい。
また、本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構造に加え、一部に形成されている形状の構造も包含される。また、本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。また、「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
さらに、本明細書において組成物中の各成分の含有量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。また、例示材料は特に断らない限り単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
また、本明細書中に段階的に記載されている数値範囲において、ある段階の数値範囲の上限値又は下限値は、他の段階の数値範囲の上限値又は下限値に置き換えてもよい。また、本明細書中に記載されている数値範囲において、その数値範囲の上限値又は下限値は、実施例に示されている値に置き換えてもよい。
<転写型感光性フィルム>
本実施形態の転写型感光性フィルムは、支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた第一の樹脂層と、を備えるものである。本実施形態の転写型感光性フィルムは、第一の樹脂層上に設けられた、金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層を更に備えてもよい。これらの転写型感光性フィルムは、第一の樹脂層上又は第二の樹脂層上に設けられた保護フィルムを更に備えていてもよい。
図1は、本発明の一実施形態に係る転写型感光性フィルムを示す模式断面図である。図1に示される転写型感光性フィルム1は、支持フィルム10と、上記支持フィルム10上に設けられた第一の樹脂層20と、第一の樹脂層上に設けられた第二の樹脂層30と、第二の樹脂層30上に設けられた保護フィルム40とを備える。
上記転写型感光性フィルムを用いることで、例えばタッチパネルの額縁にある金属配線又はタッチパネルの透明電極の保護機能と、透明電極パターンの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす硬化膜を一括でパターン形成することができる。
(支持フィルム)
支持フィルム10としては、重合体フィルムを用いることができる。重合体フィルムの材質としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルサルフォン、シクロオレフィンポリマー等が挙げられる。
支持フィルム10の厚みは、被覆性の確保と、支持フィルム10を介して活性光線を照射する際の解像度の低下を抑制する観点から、5〜100μmであることが好ましく、10〜70μmであることがより好ましく、15〜40μmであることがさらに好ましく、15〜35μmであることが特に好ましい。
(第一の樹脂層)
第一の樹脂層20は、バインダーポリマー(以下、(A)成分ともいう)と、光重合性化合物(以下、(B)成分ともいう)と、光重合開始剤(以下、(C)成分ともいう)と、を含有する感光性樹脂組成物から形成されることが好ましい。
<バインダーポリマー>
本実施形態において、(A)成分は、側鎖に分岐構造及び/又は脂環構造を有する基(以下、(i)基ともいう)、側鎖に酸性基を有する基(以下、(ii)基ともいう)、並びに、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基(以下、(iii)基ともいう)を含有するバインダーポリマー(以下、(A−1)成分ともいう)を含む。(i)基は、側鎖に分岐構造を有する基を含有するモノマー、又は側鎖に脂環構造を有する基を含有するモノマーによって導入することができる。(ii)基は、側鎖に酸性基を有する基を含有するモノマーによって導入することができる。
側鎖に分岐構造を有する基を含有するモノマーの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸i−アミル、(メタ)アクリル酸t−アミル、(メタ)アクリル酸sec−iso−アミル、(メタ)アクリル酸2−オクチル、(メタ)アクリル酸3−オクチル、(メタ)アクリル酸t−オクチル等が挙げられる。これらの中でも、(メタ)アクリル酸i−プロピル、(メタ)アクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチルが好ましく、さらに好ましくは、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸t−ブチルである。
側鎖に脂環構造を有する基を含有するモノマーの具体例としては、例えば炭素原子数5〜20個の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリレートが挙げられる。より具体的な例としては、例えば(メタ)アクリル酸(ビシクロ〔2.2.1]ヘプチル−2)、(メタ)アクリル酸−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3,5−ジメチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3−エチルアダマンチル、(メタ)アクリル酸−3−メチル−5−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3,5,8−トリエチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−3,5−ジメチル−8−エチル−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−メチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸2−エチル−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシ−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−5−イル、(メタ)アクリル酸オクタヒドロ−4,7−メンタノインデン−1−イルメチル、(メタ)アクリル酸−1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカン、(メタ)アクリル酸−3−ヒドロキシ−2,6,6−トリメチル−ビシクロ〔3.1.1〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸−3,7,7−トリメチル−4−ヒドロキシ−ビシクロ〔4.1.0〕ヘプチル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸−2,2,5−トリメチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸エステルの中でも、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸−1−アダマンチル、(メタ)アクリル酸−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸フェンチル、(メタ)アクリル酸1−メンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが好ましく、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸(ノル)ボルニル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸−2−アダマンチル、(メタ)アクリル酸トリシクロデカンが特に好ましい。
(A−1)成分が側鎖に分岐構造及び/又は脂環構造を有する基を含有することにより、形成される硬化膜パターンの透湿度を充分に低減することができる。
側鎖に酸性基を有する基を含有するモノマーの具体例としては、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、(メタ)アクリル酸、ビニル安息香酸、マレイン酸、マレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸、イタコン酸、クロトン酸、桂皮酸、ソルビン酸、α−シアノ桂皮酸、アクリル酸ダイマー、水酸基を有するモノマーと環状酸無水物との付加反応物、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(A−1)成分が側鎖に酸性基を有する基を含有することにより、アルカリ現像によるパターニングを可能とすることができる。また、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基の導入及びバインダーポリマーにおけるエチレン性不飽和基当量の調整が容易となる。
側鎖にエチレン性不飽和基を有する基としては、特に制限はなく、(メタ)アクリロイル基が好ましい。また、エチレン性不飽和基とモノマーとの連結はエステル基、アミド基、カルバモイル基などの2価の連結基であれば特に制限はない。側鎖にエチレン性不飽和基を導入する方法は公知の方法の中から適宜選択することができ、例えば、酸性基を有する基にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法、ヒドロキシ基を有する基にイソシアネート基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法、イソシアネート基を有する基にヒドロキシ基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法等により、(A−1)成分に導入することができる。その中でも、酸性基を有する繰り返し単位にエポキシ基を有する(メタ)アクリレートを付加する方法が最も製造が容易であり、低コストである点で好ましい。
(A−1)成分が側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含有することにより、形成される硬化膜パターンのクラック耐性を充分に向上させることができる。
(A−1)成分を構成するモノマー全量を基準として、側鎖に分岐構造及び/又は脂環構造を有する基を構成するモノマーの割合は、10〜70モル%であることが好ましく、15〜65モル%であることがより好ましく、20〜60モル%であることが特に好ましい。また、(A−1)成分を構成するモノマー全量を基準として、側鎖に酸性基を有する基を構成するモノマーの割合は、5〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましく、20〜50モル%がより好ましい。更に、(A−1)成分を構成するモノマー全量を基準として、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を構成するモノマーの割合は、5〜70モル%であることが好ましく、10〜60モル%であることがより好ましく、20〜50モル%がより好ましい。上記モノマーの割合を満たすことで、アルカリ現像によるパターニング性、基材へのラミネート性、インデックスマッチング層を有していてもよい基材に対する良好な密着性、低透湿性及び耐クラック性をバランス良く向上させることができる。
本実施形態において、(A−1)成分のエチレン性不飽和基当量は、硬化膜パターンの低透湿性とクラック耐性とを両立する観点から、0.50〜3.00mmol/gであることが好ましく、1.00〜3.00mmol/gであることがより好ましく、1.50〜3.00mmol/gであることがより好ましい。例えば、メタクリル酸グリシジルを反応させた(A−1)成分のエチレン性不飽和基当量は、エチレン性不飽和基当量(mmol/g)=メタクリル酸グリシジル添加量(mol)/モノマー全添加量(g)により算出される。また、以下の方法により、測定できる。
[エチレン性不飽和基当量の測定方法]
エチレン性不飽和基当量は、バインダーポリマーの(メタ)アクリロイル基のエチレン性不飽和基へのアミンの付加反応(マイケル付加)を利用した滴定法により測定できる。具体的な測定法は以下の通りである。
(1)まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得る。
(2)試料約1gを精秤して三角フラスコに入れ、続いてアセトン約10mlを加え溶解する。
(3)モルホリン標準液[モルホリンとメタノールを1:4(容量比)で混合したもの]10mlを加え、さらに、50%酢酸標準液[酢酸とイオン交換水を1:1(容量比)で混合したもの]1.5mlを加えて5分間攪拌した後、室温で15分間放置する。
(4)アセトニトリル15ml及び無水酢酸10mlを上記三角フラスコに加え5分間攪拌する。
(5)記録式自動滴定装置を用いて、0.5mol/Lの酢酸・メタノール滴定用溶液を用いて滴定する。
(6)同時に空試験を実施し、下式にて算出する。
エチレン性不飽和基当量(mmol/g)=f×(A−B)/2S
式中、Aは試料の滴定に要した0.5mol/Lの酢酸・メタノール滴定用溶液の滴定量(ml)、Bは空試験に要した0.5mol/Lの酢酸・メタノール滴定用溶液の滴定量(ml)、fは0.5mol/Lの酢酸・メタノール滴定用溶液のファクター(濃度換算係数)、Sは試料採取量(g)[試料が溶剤を含む場合は溶剤を除いた量(g)]を表す。
(A−1)成分は、上記の、側鎖に分岐構造及び/又は脂環構造を有する基、側鎖に酸性基を有する基、並びに、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基以外の他の基に由来する構造単位を含有することができる。(A−1)成分は、(メタ)アクリル酸、及び(メタ)アクリル酸アルキルエステルに由来する構造単位を含有する共重合体が好適であり、この場合の共重合体は、上記(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと共重合し得るその他のモノマーを構造単位に含有していてもよい。
上記(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシルエチルエステル等が挙げられる。
その他のモノマーとしては、フェニル基を有する化合物が好ましい。フェニル基を有する化合物としては、例えば、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、エトキシ化o−フェニルフェノールアクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。硬化膜の透湿性を低減する観点から、ベンジル(メタ)アクリレートを用いることが好ましい。バインダーポリマーが側鎖にフェニル基を有する基を含有することで、嵩高い構造が付加されるため硬化膜の透湿性が低減される。
その他のモノマーとしてはまた、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、スチレン等が挙げられる。
(A−1)成分は、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成する観点から、(i)基として、(メタ)アクリル酸トリシクロデカンエステル又は(メタ)アクリル酸シクロヘキシルエステルに由来する構造単位と、(ii)基として、(メタ)アクリル酸に由来する構造単位と、(iii)基として、(メタ)アクリル酸グリシジルエステル、(メタ)アクリレート酸2−イソシアネートエチルエステルからなる群より選択される少なくとも一種の化合物に由来する構造単位と、を含有することが好ましい。
(A−1)成分の重量平均分子量は、解像度の観点から、10,000〜200,000であることが好ましく、15,000〜150,000であることがより好ましく、30,000〜150,000であることがさらに好ましく、30,000〜100,000であることが特に好ましく、40,000〜100,000であることが極めて好ましい。なお、重量平均分子量は、本明細書の実施例に記載したゲルパーミエーションクロマトグラフィー法により測定することができる。
(A−1)成分の酸価は、所望の形状を有する硬化膜(硬化膜パターン)をアルカリ現像で容易に形成する観点から、75mgKOH/g以上とすることが好ましい。また、硬化膜形状の制御容易性と硬化膜の防錆性との両立を図る観点から、(A−1)成分の酸価は、75〜200mgKOH/gであることが好ましく、75〜150mgKOH/gであることがより好ましく、75〜120mgKOH/gであることがさらに好ましい。なお、酸価は、本明細書の実施例に記載した方法で測定することができる。
なお、第一の樹脂層20は、上述した(A−1)成分以外の他のバインダーポリマーを更に含有していてもよい。
本実施形態においては、(A)成分における(A−1)成分の含有割合が、(A)成分全量基準で60〜100質量%であることが好ましく、70〜100質量%であることがより好ましく、80〜100質量%であることがさらに好ましい。
<光重合性化合物>
(B)成分としては、エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物を用いることができる。エチレン性不飽和基を有する光重合性化合物としては、例えば分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマー、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマー、又は分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーが挙げられる。
上記分子内に一つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する一官能ビニルモノマーとしては、例えば、上記(A)成分の好適な例である共重合体の合成に用いられるモノマーとして例示したものが挙げられる。
上記分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、硬化膜の透湿度を低減する観点から、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物を含むことが好ましい。金属配線及び透明電極パターンの腐食抑制の観点から、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物として、下記一般式(B−1)で表されるジ(メタ)アクリレート化合物を含むことが好ましい。
Figure 0006943279
[一般式(B−1)中、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示し、Xは、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基を示し、R及びRは、それぞれ独立に炭素数1〜4のアルキレン基を示し、n及びmは、それぞれ独立に0〜2の整数を示し、p及びqは、それぞれ独立に0以上の整数を示し、p+q=0〜10となるように選択される。]
上記一般式(B−1)において、R及びRは、エチレン基又はプロピレン基であることが好ましく、エチレン基であることがより好ましい。また、プロピレン基はn−イソプロピレン基及びイソプロピレン基のいずれであってもよい。
上記一般式(B−1)で表される化合物によれば、Xに含まれるトリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する2価の基が、嵩高い構造を有することで、硬化膜の低透湿性を実現し、金属配線及び透明電極の腐食抑制性を向上されることができる。ここで、本明細書中における「トリシクロデカン骨格」及び「トリシクロデセン骨格」とは、それぞれ以下の構造(それぞれ、結合手は任意の箇所である)をいう。
Figure 0006943279
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物としては、得られる硬化膜パターンの低透湿性の観点から、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレートなどのトリシクロデカン骨格を有する化合物が好ましい。これらは、DCP及びA−DCP(いずれも新中村化学工業株式会社製)として入手可能である。
(B)成分における、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物の割合は、透湿度を低減する観点から、感光性樹脂組成物に含まれる光重合性化合物の合計量100質量部のうち、50質量部以上であることが好ましく、70質量部以上であることがより好ましく、80質量部以上であることがさらに好ましい。
トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物とは別の、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーとしては、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス(4−(メタ)アクリロキシポリエトキシポリプロポキシフェニル)プロパン、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
上記少なくとも3つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーとしては、従来公知のものを特に制限無く用いることができる。金属配線又は透明電極の腐食防止及び現像性の観点から、上記多官能ビニルモノマーとしては、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等のトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート等のテトラメチロールメタン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート等のペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;又はジグリセリン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物;シアヌル酸由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を用いることが好ましい。
これらの中でも、上記多官能ビニルモノマーは、ペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジペンタエリスリトール由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、又は、シアヌル酸由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を含むことがさらに好ましい。これらの中でも、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を用いた場合、硬化膜の耐クラック性を向上させることができるため好ましい。
ここで、「〜由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物」について、ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物を例にとり説明する。ジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレートとは、ジトリメチロールプロパンと、(メタ)アクリル酸とのエステル化物を意味し、当該エステル化物には、アルキレンオキシ基で変性された化合物も包含される。上記エステル化物は、一分子中におけるエステル結合数が最大数の4であることが好ましいが、エステル結合の数が1〜3の化合物が混合していてもよい。
また、低透湿性とクラック耐性とを両立する硬化膜パターンを形成する観点から、(B)成分は、トリシクロデカン骨格又はトリシクロデセン骨格を有する化合物、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等のジトリメチロールプロパン由来の骨格を有する(メタ)アクリレート化合物、のうちの一種又は二種以上を含むことが好ましい。
(A)成分及び(B)成分の含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、(A)成分が35〜85質量部であることが好ましく、40〜80質量部であることがより好ましく、50〜70質量部であることがさらに好ましく、55〜65質量部であることが特に好ましい。
<光重合開始剤>
(C)成分としては、従来公知の光重合開始剤を特に制限無く用いることができるが、透明性の高い光重合開始剤を用いることが好ましい。基材上に、厚みが10μm以下の薄膜であっても充分な解像度で樹脂硬化膜パターンを形成する点では、(C)成分はオキシムエステル化合物及び/又はホスフィンオキサイド化合物を含むことが好ましい。ホスフィンオキサイド化合物としては、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド等が挙げられる。
オキシムエステル化合物は、下記一般式(1)で表される化合物、下記一般式(2)で表される化合物、又は下記一般式(3)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 0006943279
式(1)中、R11及びR12は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数4〜10のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基、フェニル基又はトリル基であることがさらに好ましい。R13は、−H、−OH、−COOH、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH又は−COO(CHOHを示し、−H、−O(CH)OH、−O(CHOH、−COO(CH)OH、又は−COO(CHOHであることが好ましく、−H、−O(CHOH、又は−COO(CHOHであることがより好ましい。
Figure 0006943279
式(2)中、2つのR14は、それぞれ独立に、炭素数1〜6のアルキル基を示し、プロピル基であることが好ましい。R15は、NO又はArCO(ここで、Arはアリール基を示す。)を示し、Arとしては、トリル基が好ましい。R16及びR17は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基、又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましい。
Figure 0006943279
式(3)中、R18は、炭素数1〜6のアルキル基を示し、エチル基であることが好ましい。R19はアセタール結合を有する有機基であり、後述する式(3−1)に示す化合物が有するR19に対応する置換基であることが好ましい。R20及びR21は、それぞれ独立に、炭素数1〜12のアルキル基、フェニル基又はトリル基を示し、メチル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、メチル基であることがより好ましい。R22は、水素原子又はアルキル基を示す。
上記一般式(1)で表される化合物としては、IRGACURE OXE 01(BASF株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(2)で表される化合物としては、DFI−091(ダイトーケミックス株式会社製、製品名)として入手可能である。
上記一般式(3)で表される化合物としては、アデカオプトマーN−1919(株式会社ADEKA製、製品名)として入手可能である。
(C)成分の含有量は、光感度及び解像度に優れる点では、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜10質量部であることが好ましく、1〜8質量部であることがより好ましく、1〜6質量部であることがさらに好ましく、1〜4質量部であることが特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、硬化膜の防錆性をより向上させる観点から、メルカプト基を有するトリアゾール化合物、メルカプト基を有するテトラゾール化合物、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物、アミノ基を有するトリアゾール化合物及びアミノ基を有するテトラゾール化合物からなる群より選択される少なくとも一種の化合物(以下、(D)成分ともいう)をさらに含有することが好ましい。メルカプト基を有するトリアゾール化合物としては、例えば、3−メルカプト−トリアゾール(和光純薬株式会社製、製品名:3MT)が挙げられる。また、メルカプト基を有するチアジアゾール化合物としては、例えば、2−アミノ−5−メルカプト−1,3,4−チアジアゾール(和光純薬株式会社製、製品名:ATT)が挙げられる。
上記アミノ基を有するトリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、1H−ベンゾトリアゾール−1−アセトニトリル、ベンゾトリアゾール−5−カルボン酸、1H−ベンゾトリアゾール−1−メタノール、カルボキシベンゾトリアゾール等にアミノ基が置換した化合物、3−メルカプトトリアゾール、5−メルカプトトリアゾール等のメルカプト基を含むトリアゾール化合物にアミノ基が置換した化合物などが挙げられる。
上記アミノ基を有するテトラゾール化合物としては、5−アミノ−1H−テトラゾール、1−メチル−5−アミノ−テトラゾール、1−メチル−5−メルカプト−1H−テトラゾール、1−カルボキシメチル−5−アミノ−テトラゾール等が挙げられる。これらのテトラゾール化合物は、その水溶性塩であってもよい。具体例としては、1−メチル−5−アミノ−テトラゾールのナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属塩などが挙げられる。
感光性樹脂組成物が(D)成分を含有する場合、その含有量は、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.05〜5.0質量部が好ましく、0.1〜2.0質量部がより好ましく、0.2〜1.0質量部がさらに好ましく、0.3〜0.8質量部が特に好ましい。
本実施形態に係る感光性樹脂組成物は、インデックスマッチング層を有していてもよい基材及びITO電極等の透明電極に対する密着性と、銅配線等の金属配線上での良好な現像性とが高水準で達成された硬化膜を形成する観点、並びに、現像残りの発生を防ぐ観点から、エチレン性不飽和基を含むリン酸エステル(以下、(E)成分ともいう)をさらに含有することが好ましい。
(E)成分としては、形成する硬化膜の防錆性を充分確保しつつ、基材及びITO電極に対する密着性と金属配線上での現像性とを高水準で両立する観点から、ユニケミカル株式会社製のPhosmerシリーズ(Phosmer−M、Phosmer−CL、Phosmer−PE、Phosmer−MH、Phosmer−PP等)、又は日本化薬株式会社製のKAYAMERシリーズ(PM−21、PM−2等)が好ましい。
感光性樹脂組成物が(E)成分を含有する場合、その含有量は、基材及びITO電極に対する密着性と金属配線上での現像性とを高水準で両立する観点から、(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、0.1〜4.0質量部が好ましく、0.2〜3.0質量部がより好ましく、0.2〜2.5質量部がさらに好ましく、0.2〜2.0質量部が特に好ましい。
本実施形態に係る第一の樹脂層を形成する感光性樹脂組成物には、その他の添加剤として、必要に応じて、シランカップリング剤等の密着性付与剤、防錆剤、レベリング剤、可塑剤、充填剤、消泡剤、難燃剤、安定剤、酸化防止剤、香料、熱架橋剤、重合禁止剤などを(A)成分及び(B)成分の合計量100質量部に対し、各々0.01〜20質量部程度含有させることができる。これらは、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用できる。
第一の樹脂層の厚みは、1〜15μmであってもよく、2〜10μmであることが好ましく、3〜8μmであることがより好ましく、4〜6μmであることがさらに好ましく、5〜6μmであることが特に好ましい。厚みが1〜15μmであることにより、塗布時の欠陥が少なく、透明性に優れた成膜が可能となる。また、硬化後における第一の樹脂層の厚み(即ち、硬化膜パターンの厚み)も上記範囲内であることが好ましい。
(第二の樹脂層)
第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子を含有する層である。第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子を含有することにより、第一の樹脂層20よりも相対的に高い屈折率を有することができる。第二の樹脂層30は、633nmにおける屈折率が1.40〜1.90の範囲内であることが好ましく、1.50〜1.90であることがより好ましく、1.53〜1.85であることが更に好ましく、1.55〜1.75であることが特に好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の633nmにおける屈折率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30の633nmにおける屈折率が上記範囲内であると、硬化膜パターンをITO等の透明電極パターン上に設けた場合に、硬化膜パターン上に使用される各種部材(例えば、モジュール化する際に使用するカバーガラスと透明電極パターンとを接着するOCA)との屈折率の中間値となり、ITO等の透明電極パターンが形成されている部分と形成されていない部分での光学的な反射による色差を小さくすることが可能となり、骨見え現象を防止できる。また、画面全体の反射光強度を低減することが可能となり、画面上の透過率低下を抑制することが可能となる。
ITO等の透明電極の屈折率は、1.80〜2.10であることが好ましく、1.85〜2.05であることがより好ましく、1.90〜2.00であることがさらに好ましい。また、OCA等の部材の屈折率は1.45〜1.55であることが好ましく、1.47〜1.53であることがより好ましく、1.48〜1.51であることがさらに好ましい。
第二の樹脂層30は、450〜650nmの波長域における最小光透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、90%以上であることがさらに好ましい。また、第二の樹脂層が硬化性成分を含む場合、硬化後における第二の樹脂層の450〜650nmの波長域における最小光透過率も上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30は、上記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有することができ、必要に応じて、上記の(D)成分及び/又は上記(E)成分を更に含有することができる。第二の樹脂層30は(B)成分、(C)成分等の光重合成分を必ずしも含有する必要はなく、層形成により隣接する樹脂層から移行する光重合成分を利用して第二の樹脂層を光硬化させることもできる。
第二の樹脂層30は、金属酸化物粒子(以下、(F)成分ともいう)を含有する。金属酸化物粒子としては、特に波長633nmにおける屈折率が1.50以上である、金属酸化物粒子を含有することが好ましい。これにより、転写型感光性フィルムを調製した際、第二の樹脂層の透明性及び波長633nmにおける屈折率を向上させることが可能となる。また基材への吸着を抑制しつつ、現像性を向上させることができる。
金属酸化物粒子としては、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化インジウムスズ、酸化インジウム、酸化アルミウム、酸化イットリウム等の金属酸化物からなる粒子が挙げられる。これらの中でも、骨見え現象抑制の観点から、酸化ジルコニウム又は酸化チタンの粒子が好ましい。
酸化ジルコニウム粒子としては、透明電極の材料がITOの場合、屈折率向上と、ITO及び透明基材との密着性の観点から、酸化ジルコニウムナノ粒子を用いることが好ましい。酸化ジルコニウムナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが40nm以下であることが好ましい。
酸化ジルコニウムナノ粒子は、OZ−S30K(日産化学工業株式会社製、製品名)、OZ−S40K−AC(日産化学工業株式会社製、製品名)、SZR−K(酸化ジルコニウムメチルエチルケトン分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)、SZR−M(酸化ジルコニウムメタノール分散液、堺化学工業株式会社製、製品名)として商業的に入手可能である。
第二の樹脂層30には、(F)成分として酸化チタンナノ粒子を含有させることも可能である。また、酸化チタンナノ粒子の中でも、粒度分布Dmaxが50nm以下であることが好ましく、10〜50nmがより好ましい。
(F)成分として、上記金属酸化物粒子のほかに、例えばMg、Al、Si、Ca、Cr、Cu、Zn、Ba等の原子を含む酸化物粒子または硫化物粒子を用いることもできる。これらは、単独で又は二種類以上を組み合わせて使用できる。
また上記金属酸化物粒子の他に、例えばトリアジン環を有する化合物、イソシアヌル酸骨格を有する化合物、フルオレン骨格を有する化合物等の有機化合物を用いることも可能である。これにより波長633nmにおける屈折率を向上させることができる。
上記第二の樹脂層30の厚みは、0.01〜1μmであってもよく、0.03〜0.5μmであることが好ましく、0.04〜0.3μmであることがより好ましく、0.07〜0.25μmであることがさらに好ましく、0.05〜0.2μmであることが特に好ましい。厚みが0.01〜1μmであることにより、上述の画面全体の反射光強度をより低減することが可能となる。また、硬化後における第二の樹脂層の厚みも上記範囲内であることが好ましい。
第二の樹脂層30の屈折率は、第二の樹脂層が単層で、膜厚が膜厚方向で均一な場合、ETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)を用いて以下のように求めることができる。また、以下の測定は、25℃の条件下で行う。
(1)第二の樹脂層を形成するための塗布液を、厚み0.7mm、縦10cm×横10cmのガラス基材上にスピンコーターで均一に塗布し、100℃の熱風滞留式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、第二の樹脂層を形成する。
(2)次いで、140℃に加熱した箱型乾燥機(三菱電機株式会社製、型番:NV50−CA)内に30分間静置し、第二の樹脂層を有する屈折率測定用試料を得る。
(3)次いで、得られた屈折率測定用試料について、ETA−TCM(AudioDevGmbH株式会社製、製品名)にて波長633nmにおける屈折率を測定する。
単層の第一の樹脂層における屈折率も同様の方法で測定することができる。なお、転写型感光性フィルムの形態では、第二の樹脂層単層の屈折率を測定することは難しいため、第二の樹脂層の保護フィルム側の最表面層の値とする。
(他の層)
本実施形態の転写型感光性フィルムは、本発明の効果が得られる範囲で、適宜選択した他の層を設けてもよい。他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クッション層、酸素遮蔽層、剥離層、接着層等が挙げられる。転写型感光性フィルムは、これらの層を1種単独で有していてもよく、2種以上を有してもよい。また、同種の層を2以上有していてもよい。
(保護フィルム)
保護フィルム40としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリエチレン−酢酸ビニル共重合体のフィルム、及び、これらのフィルムとポリエチレンの積層フィルム等が挙げられる。
保護フィルム40の厚みは、5〜100μmが好ましいが、転写型感光性フィルム1をロール状に巻いて保管する観点から、70μm以下であることが好ましく、60μm以下であることがより好ましく、50μm以下であることがさらに好ましく、40μm以下であることが特に好ましい。
転写型感光性フィルム1における第一の樹脂層20及び第二の樹脂層30を硬化させた硬化膜部分(支持フィルム10及び保護フィルム40を除く)の、波長400〜700nmの可視光領域における全光線透過率(Tt)の最小値は、90.00%以上であることが好ましく、90.50%以上であることがより好ましく、90.70%以上であることがさらに好ましい。一般的な可視光波長域である400〜700nmにおける全光線透過率が90.00%以上であれば、タッチパネル(タッチセンサー)のセンシング領域の透明電極を保護する場合において、センシング領域での画像表示品質、色合い、輝度が低下することを充分抑制することができる。なお、可視光領域における全光線透過率(Tt)は、本明細書の実施例に記載した方法で測定することができる。
転写型感光性フィルム1の第一の樹脂層20、第二の樹脂層30は、例えば、第一の樹脂層形成用塗布液、及び第二の樹脂層形成用塗布液を調製し、これを各々支持フィルム10、保護フィルム40上に塗布、乾燥することで形成できる。そして、転写型感光性フィルム1は、第一の樹脂層20が形成された支持フィルム10と、第二の樹脂層30が形成された保護フィルム40とを、第一の樹脂層20と第二の樹脂層30とが対向した状態で貼り合わせることにより形成できる。また、転写型感光性フィルム1は、支持フィルム10上に第一の樹脂層形成用塗布液を塗布、乾燥し、その後、第一の樹脂層20上に、第二の樹脂層形成用塗布液を塗布、乾燥し、保護フィルム40を貼り付けることにより形成することもできる。
塗布液は、上述した本実施形態に係る感光性樹脂組成物、第二の樹脂層を構成する各成分を溶剤に均一に溶解又は分散することにより得ることができる。
塗布液として用いる溶剤は、特に制限は無く、公知のものが使用できる。具体的には、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、メチレングリコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、クロロホルム、塩化メチレン等が挙げられる。
塗布方法としては、ドクターブレードコーティング法、マイヤーバーコーティング法、ロールコーティング法、スクリーンコーティング法、スピナーコーティング法、インクジェットコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、グラビアコーティング法、カーテンコーティング法、ダイコーティング法等が挙げられる。
乾燥条件に特に制限は無いが、乾燥温度は、60〜130℃とすることが好ましく、乾燥時間は、0.5〜30分とすることが好ましい。
[硬化膜パターンの形成方法]
図2は、本発明の一実施形態に係る転写型感光性フィルムを用いて形成した硬化膜を透明電極パターン付き基材上に備える積層体を示す模式断面図である。図2に示される積層体100は、透明電極パターン50aを有する透明電極パターン付き基材50と、透明電極パターン付き基材50の透明電極パターン50a上に設けられた硬化膜60とを備える。硬化膜60は、硬化した第一の樹脂層22及び硬化した第二の樹脂層32からなる硬化膜であり、本実施形態の転写型感光性フィルム1を用いて形成されている。硬化膜60は、透明電極パターン50aの保護機能と、透明電極パターン50aの不可視化又はタッチ画面の視認性向上の両機能を満たす。以下、透明電極パターン付き基材上に硬化膜が形成された積層体の製造方法の一実施形態について説明する。
−ラミネート工程−
まず、転写型感光性フィルム1の保護フィルム40を除去した後、第二の樹脂層30、第一の樹脂層20及び支持フィルム10を、透明電極パターン付き基材50表面に第二の樹脂層30側から圧着することによりラミネート(転写)する。圧着手段としては、圧着ロールが挙げられる。圧着ロールは、加熱圧着できるように加熱手段を備えたものであってもよい。
加熱圧着する場合の加熱温度は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性の観点、及び、第一の樹脂層20又は第二の樹脂層30の構成成分が熱硬化又は熱分解されにくいようにする観点から、10〜160℃とすることが好ましく、20〜150℃とすることがより好ましく、30〜150℃とすることがさらに好ましい。
また、加熱圧着時の圧着圧力は、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性を充分確保しながら、透明電極パターン付き基材50の変形を抑制する観点から、線圧で50〜1×10N/mとすることが好ましく、2.5×10〜5×10N/mとすることがより好ましく、5×10〜4×10N/mとすることがさらに好ましい。
転写型感光性フィルム1を上記のように加熱圧着すれば、透明電極パターン付き基材50の予熱処理は必ずしも必要ではないが、第二の樹脂層30と透明電極パターン付き基材50との密着性をさらに向上させる点から、透明電極パターン付き基材50を予熱処理してもよい。このときの処理温度は、30〜150℃とすることが好ましい。
(基材)
透明電極パターン付き基材50を構成する基材としては、例えばタッチパネル(タッチセンサー)に用いられる、ガラス板、プラスチック板、セラミック板等の基材が挙げられる。
(透明電極及び金属配線)
透明電極は、例えばITO及びIZO(Indium Zinc Oxide、酸化インジウム−酸化亜鉛)等の導電性金属酸化膜を用いて、形成することができる。また透明電極は、銀繊維及びカーボンナノチューブなどの導電性繊維を用いた光硬化性樹脂層を有する感光性フィルムを用いて、形成することもできる。金属配線は、例えば、Au、Ag、Cu、Al、Mo、Cなどの導電性材料を用いて、スクリーン印刷、蒸着などの方法により形成することができる。また、基材上には、基材と電極との間に絶縁層又はインデックスマッチング層が設けられていてもよい。インデックスマッチング層は、上述した第二の樹脂層30と同様の組成を有していてもよい。
−露光工程−
次に、転写後の第一の樹脂層及び第二の樹脂層の所定部分に、フォトマスクを介して、活性光線をパターン状に照射する。活性光線を照射する際、第一の樹脂層及び第二の樹脂層上の支持フィルム10が透明の場合には、そのまま活性光線を照射することができ、不透明の場合には除去してから活性光線を照射する。活性光線の光源としては、公知の活性光源を用いることができる。なお、本明細書においてパターンとは、回路を形成する微細配線の形状にとどまらず、他基材との接続部のみを矩形に除去した形状及び基材の額縁部のみを除去した形状等も含まれる。
活性光線の照射量は、1×10〜1×10J/mであり、照射の際に、加熱を伴うこともできる。この活性光線の照射量が、1×10J/m以上であれば、第一の樹脂層及び第二の樹脂層の光硬化を充分に進行させることが可能となり、1×10J/m以下であれば第一の樹脂層及び第二の樹脂層が変色することを抑制できる傾向がある。
続いて、活性光線照射後の第一の樹脂層及び第二の樹脂層の未露光部を現像液で除去して、透明電極の一部又は全部を被覆する硬化膜(屈折率調整パターン)60を形成する。なお、活性光線の照射後、第一の樹脂層及び第二の樹脂層に支持フィルム10が積層されている場合にはそれを除去した後、現像工程が行われる。
−現像工程−
現像工程は、アルカリ水溶液、水系現像液、有機溶剤等の公知の現像液を用いて、スプレー、シャワー、揺動浸漬、ブラッシング、スクラッビング等の公知の方法により行うことができる。中でも、環境、安全性の観点からアルカリ水溶液を用いて、スプレー現像することが好ましい。なお、現像温度及び時間は従来公知の範囲で調整することができる。
本実施形態では、第二の樹脂層を有する転写型感光性フィルムを用いて硬化膜パターンを形成したが、第二の樹脂層を有していない転写型感光性フィルムを用いる場合も同様の方法で硬化膜パターンを形成することができる。
(硬化膜)
本発明に係る硬化膜は、本実施形態の転写型感光性フィルムの、第一の樹脂層及び第二の樹脂層を硬化して得られた硬化膜であってもよい。なお、例えば第二の樹脂層の大部分が第一の樹脂層に被覆され、露出されない場合、第二の樹脂層は必ずしも硬化される必要はない。本発明に係る硬化膜は、このような第一の樹脂層が硬化し、第二の樹脂層が硬化していない場合も含む。本発明に係る硬化膜はパターン状に形成されていることが好ましい。
本発明に係る硬化膜は、転写型感光性フィルムが第二の樹脂層を有していない場合は、第一の樹脂層を硬化して得られた硬化膜であってもよい。
本実施形態に係る転写型感光性フィルムは、各種電子部品における保護膜の形成に適用することができる。本実施形態に係る電子部品は、転写型感光性フィルムを用いて形成した硬化膜パターンを備えている。電子部品としては、タッチセンサー、タッチパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッサンス、太陽電池モジュール、プリント配線板、電子ペーパ等が挙げられる。
例えば、タッチセンサーは、図2に示される積層体100を備えることができる。タッチセンサーをタッチパネル等のモジュールにする際には、カバーガラスと積層体100を接着するOCAを用いることができる。
図3は、本発明の一実施形態に係るタッチパネルを示す模式上面図である。図3には、静電容量式のタッチパネルの一例を示す。図3に示されるタッチパネルは、透明基材101の片面にタッチ位置座標を検出するためのタッチ画面102があり、この領域の静電容量変化を検出するための透明電極103及び透明電極104が透明基材101上に設けられている。
透明電極103及び透明電極104はそれぞれタッチ位置のX位置座標及びY位置座標を検出する。
透明基材101上には、透明電極103及び透明電極104からタッチ位置の検出信号を外部回路に伝えるための引き出し配線105が設けられている。また、引き出し配線105と、透明電極103及び透明電極104とは、透明電極103及び透明電極104上に設けられた接続電極106により接続されている。また、引き出し配線105の透明電極103及び透明電極104との接続部と反対側の端部には、外部回路との接続端子107が設けられている。
図3に示すように、本実施形態に係るタッチパネルにおいては、本実施形態の転写型感光性フィルムを用いて、透明電極パターンが形成された部分と、形成されていない部分にまたがって硬化膜パターン123が形成されている。硬化膜パターン123は、硬化した第一の樹脂層及び硬化した第二の樹脂層からなる。なお、第二の樹脂層を有していない転写型感光性フィルムを用いた場合は、硬化膜パターン123は、硬化した第一の樹脂層からなる。この硬化膜パターン123によれば、透明電極103、透明電極104、引き出し配線105、接続電極106及び接続端子107を保護する機能と、透明電極パターンから形成されるセンシング領域(タッチ画面)102の骨見え現象防止機能とを同時に奏することができる。また、本実施形態の転写型感光性フィルムが用いられることにより、硬化膜パターン123は、表面の段差が充分に小さいものになり得る。
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[バインダーポリマー溶液の作製]
(ポリマー溶液1)
反応容器中に1−メトキシ−2−プロパノール(ダイセル化学工業(株)製)85.7質量部をあらかじめ加えて80℃に昇温した。他方で、メタクリル酸48.5質量部、メタクリル酸ベンジル11.5質量部、メタクリル酸トリシクロデカン40.0質量部、及びアゾ系重合開始剤(和光純薬社製、V−601)10質量部を混合し、混合溶液を得た。この混合溶液を、窒素ガス雰囲気下、80℃の上記反応容器中に2時間かけて滴下した。滴下後4時間反応させて、アクリル樹脂溶液を得た。
次いで、上記アクリル樹脂溶液に、ハイドロキノンモノメチルエーテル2.5質量部、及びテトエチルアンモニウムブロマイド8.4質量部を加えた後、グリシジルメタクリレート38.1質量部を2時間かけて滴下した。滴下後、空気を吹き込みながら80℃で4時間反応させ後、固形分濃度が45質量%になるように溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加し、バインダーポリマー溶液1を得た。
(ポリマー溶液2〜5、及び8)
配合量を表1の通りに変えた以外はバインダーポリマー溶液1と同様にして、バインダーポリマー溶液2〜5、及び8(いずれも固形分45質量%)を得た。
(ポリマー溶液6、7及び9)
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテルを62重量部とトルエン62質量部とを仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表1に示す化合物と2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5質量部を混合した溶液を4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、固形分45質量%のバインダーポリマーの溶液6、7及び9(いずれも固形分45質量%)をそれぞれ得た。
上述したバインダーポリマーのエチレン性不飽和基当量、重量平均分子量、及び酸価を以下の方法で求めた。結果を表1に示す。
[エチレン性不飽和基当量の算出方法]
バインダーポリマーの二重結合当量は、仕込み量から以下の式にしたがって算出した。
エチレン性不飽和基当量(mmol/g)=メタクリル酸グリシジル添加量(mmol)/モノマー全添加量(g)
[重量平均分子量の測定方法]
重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)によって測定し、標準ポリスチレンの検量線を用いて換算することにより導出した。GPCの測定条件を以下に示す。
<GPC測定条件>
ポンプ:日立 L−6000型(株式会社日立製作所製、製品名)
カラム:Gelpack GL−R420、Gelpack GL−R430、Gelpack GL−R440(以上、日立化成株式会社製、製品名)
溶離液:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
流量:2.05mL/分
検出器:日立 L−3300型RI(株式会社日立製作所製、製品名)
[酸価の測定方法]
酸価は下記に示すような、JIS K0070に基づいた中和滴定法により測定した。まず、バインダーポリマーの溶液を130℃で1時間加熱し、揮発分を除去して、固形分を得た。そして、上記固形分のバインダーポリマー1gを精秤した後、このバインダーポリマーにアセトンを30g添加し、これを均一に溶解し、樹脂溶液を得た。次いで、指示薬であるフェノールフタレインをその樹脂溶液に適量添加して、0.1mol/Lの水酸化カリウム水溶液を用いて中和滴定を行った。そして、次式により酸価を算出した。
酸価=0.1×V×f×56.1/(Wp×I/100)
式中、Vは滴定に用いた0.1mol/L水酸化カリウム水溶液の滴定量(mL)、fは0.1mol/L水酸化カリウム水溶液のファクター(濃度換算係数)、
Wpは測定した樹脂溶液の質量(g)、Iは測定した上記樹脂溶液中の不揮発分の割合(質量%)を示す。
Figure 0006943279
(ポリマー溶液10)
撹拌機、還流冷却機、不活性ガス導入口及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル62質量部及びトルエン62質量部を仕込み、窒素ガス雰囲気下で80℃に昇温し、反応温度を80℃±2℃に保ちながら、表2に示す化合物と2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)1.5質量部を4時間かけて均一に滴下した。滴下後、80℃±2℃で6時間撹拌を続け、重量平均分子量が30000、酸価が156.6mgKOH/gのバインダーポリマー溶液10(固形分45質量%)を得た。
Figure 0006943279
(実施例1〜7及び比較例1〜4)
[第一の樹脂層形成用塗布液の作製]
溶剤としてメチルエチルケトンを用意し、表3又は4に示す成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して第一の樹脂層形成用塗布液を作製した。表3及び4中、(A)成分の配合量は固形分の配合量を示す。
[第二の樹脂層形成用塗布液の作製]
表3又は4に示す成分を、同表に示す配合量(単位:質量部)で配合し、攪拌機を用いて15分間混合して第二の樹脂層形成用塗布液を作製した。表3及び4中、バインダーポリマー溶液10の配合量は固形分の配合量を示す。
[転写型感光性フィルムの作製]
支持フィルムとして厚み16μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ株式会社製、製品名:FB40)を使用し、上記で作製した第一の樹脂層形成用塗布液を支持フィルム上にコンマコーターを用いて均一に塗布し、100℃の熱風対流式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚み8μmの第一の樹脂層を形成した。
保護フィルムとして厚み30μmのポリプロピレンフィルム(王子エフテックス株式会社製、製品名:ES−201)を使用し、上記で作製した第二の樹脂層形成用塗布液を保護フィルム上にダイコーターを用いて均一に塗布し、110℃の熱風滞留式乾燥機で3分間乾燥して溶剤を除去し、厚み60nm、屈折率1.4の第二の樹脂層を形成した。
次いで、第一の樹脂層を有する支持フィルムと、第二の樹脂層を有する保護フィルムとを、ラミネータ(日立化成株式会社製、製品名:HLM−3000型)を用いて、23℃で貼り合わせて、支持フィルム、第一の樹脂層、第二の樹脂層、及び保護フィルムがこの順で積層された転写型感光性フィルムを作製した。
Figure 0006943279
Figure 0006943279
表3〜4中の成分の記号は以下の意味を示す。
〔(A)成分〕
ポリマー溶液1〜9:上述した方法で作製したバインダーポリマー溶液
ポリマー溶液10:上述した方法で作製したバインダーポリマー溶液
〔(B)成分〕
A−DCP:トリシクロデカンジメタノールジアクリレート(新中村化学株式会社製、製品名)
T−1420:ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(日本化薬株式会社製、製品名)
〔(C)成分〕
OXE01:1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF株式会社製、製品名「IRGACURE OXE 01」)
〔(その他)成分〕
ADDITIVE8032:オクタメチルシクロテトラシロキサン(東レ・ダウコーニング株式会社製、製品名)
AW500:2,2’−メチレン−ビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)(川口化学株式会社製、製品名)
B6030:5−1H−アミノテトラゾール(千代田ケミカル株式会社製、製品名)
〔(E)成分〕
PM−21:エチレン性不飽和基を含むリン酸エステル(日本化薬株式会社製、製品名)
〔(F)成分〕
OZ−S30K:酸化ジルコニウムナノ粒子分散液(日産化学工業株式会社製、製品名)
[透湿度の測定]
実施例及び比較例で得られた転写型感光性フィルムの保護フィルムをはがしながら、No.5Cろ紙(アドバンテック製)上に第二の樹脂層が接するようにロール温度80℃、基板送り速度0.6m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)0.5MPaの条件でラミネートし、No.5Cろ紙上に第二の樹脂層、第一の樹脂層および支持フィルムが積層した積層体を作製した。
上記で得られた積層体を作製後、平行光線露光機(オーク製作所(株)製、EXM1201)を使用して、支持フィルム面垂直上方より露光量5×10J/mで(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を像的に照射した。次いで、第一の樹脂層上に積層されている支持フィルムを除去し、さらに第一の樹脂層側上方より露光量1×10J/mで(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射し、第二の樹脂層の硬化物及び第一の樹脂層の硬化物からなる硬化膜が形成された透湿度測定用試料を得た。
次いで、JIS規格(Z0208)を参考に、透湿度測定としてカップ法を実施した。測定カップ内に乾燥させた約20gの塩化カルシウムを入れ、上記試験用試料から約φ70mmの大きさにはさみで切り取った円形試料で蓋をし、恒温恒湿槽内にて60℃90%RHの条件で24時間放置した。放置前後の重量変化から透湿度[g/m・24h]を算出した。なお、硬化膜の透湿度が250以下であれば、充分な防錆効果が得られる。
[クラック耐性の評価]
実施例及び比較例で得られた転写型感光性フィルムの保護フィルムをはがしながら、厚み50μmのポリエチレンテレフタレートフィルム上に、第二の樹脂層が接するようにロール温度100℃、基板送り速度0.6m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)0.5MPaの条件でラミネートし、ポリエチレンテレフタレートフィルム上に第二の樹脂層、第一の樹脂層および支持フィルムが積層された積層体を作製した。
上記で得られた積層体を作製後、支持フィルム上にフォトマスクを載置し、平行光線露光機(オーク製作所(株)製、EXM1201)を使用して、フォトマスク面垂直上方より露光量5×10J/mで(i線(波長365nm)における測定値)、紫外線を像的に照射した。次いで、第一の樹脂層上に積層されている支持フィルムを除去し、さらに第一の樹脂層側上方より露光量1×10J/mで(i線(波長365nm)における測定値)紫外線を照射し、第二の樹脂層の硬化物及び第一の樹脂層の硬化物からなる硬化膜が形成されたマンドレル試験用試料を得た。
次いで、JIS規格(K5400)を参考に、マンドレル試験を実施した。上記試験用試料から1.5cm×4.0cmの大きさにはさみで切り取り、円筒形マンドレル屈曲試験器(BYKガードナー製)にセットした。試料の片方を固定し、片方には100gの重りを付けて、保護膜側を上面として円筒を中心に180度屈曲させてから元に戻し、硬化膜側を顕微鏡で観察し、以下の評点に従って耐クラック性を評価した。
φ0.5: φ0.5mmの円筒を用い、保護膜にクラックなし。
φ1 : φ1.0mmの円筒を用い、保護膜にクラックなし。
φ2 : φ2.0mmの円筒を用い、保護膜にクラックなし。
φ3 : φ3.0mmの円筒を用い、保護膜にクラックなし。
[密着性の評価]
インデックスマッチング層(IM層)及びITO付きの基材を用意した。この基材のITO上に、実施例及び比較例で得られた転写型感光性フィルムの保護フィルムを剥離しながら、第二の樹脂層を基材に対向させ、ロール温度100℃、基板送り速度0.4m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件でラミネートした。ラミネート後、基材を冷却し、基材の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、80mJ/cmの露光量で光照射した。次に、厚み8.0μmの第一の樹脂層の硬化膜及び第二の樹脂層の硬化物からなるクロスカット密着性試験用試料を得た。
インデックスマッチング層(IM層)及びITO付き基材に対する硬化膜の密着性について、ASTM D3359に準拠してクロスカット試験を行い、剥がれた部分の割合を測定した。この測定結果に基づき、密着性が最も良かった(剥がれが全く無かった)場合を「5」、最も悪かった(全て剥がれた)場合を「0」とし、0〜5の6段階評価を行った。
[信頼性(85℃、85%RH)の評価]
銅基材(縦12cm×横5cm)上に、実施例及び比較例で得られた転写型感光性フィルムの保護フィルムを剥離しながら、第二の樹脂層を基材に対向させ、ロール温度100℃、基板送り速度0.4m/分、圧着圧力(シリンダ圧力)4×10Paの条件でラミネートした。ラミネート後、基材を冷却し、基材の温度が23℃になった時点で、支持フィルム側から高圧水銀灯を有する露光機(株式会社オーク製作所製、商品名:EXM−1201)を用いて、80mJ/cmの露光量で光照射した。次に、支持フィルムを除去し、400mJ/cmの露光量で光照射した。次に、乾燥機を用いて140℃で30分間焼結させ、厚み8.0μmの第一の樹脂層の硬化膜及び第二の樹脂層の硬化物からなる信頼性試験用試料を得た。得られた試料を85℃および85%RHの高温高湿槽内にて放置し、肉眼で銅基材が腐食するまでの時間を評価した。
1…転写型感光性フィルム、10…支持フィルム、20…第一の樹脂層、22…硬化した第一の樹脂層、30…第二の樹脂層、32…硬化した第二の樹脂層、40…保護フィルム、50…透明電極パターン付き基材、50a…透明電極パターン、60…硬化膜、100…積層体、101…透明基材、102…センシング領域、103,104…透明電極、105…引き出し配線、106…接続電極、107…接続端子、123…硬化膜パターン。

Claims (12)

  1. 支持フィルムと、該支持フィルム上に設けられた第一の樹脂層と、を備え、
    前記第一の樹脂層が、バインダーポリマーと、光重合性化合物と、光重合開始剤と、を含有し、
    前記バインダーポリマーが、側鎖に分岐及び/又は脂環構造を有する基、側鎖に酸性基を有する基、並びに、側鎖にエチレン性不飽和基を有する基を含有し、且つ、0.50〜3.00mmol/gのエチレン性不飽和基当量を有する、転写型感光性フィルム。
  2. 前記バインダーポリマーが、側鎖にフェニル基を有する基をさらに含有する、請求項1に記載の転写型感光性フィルム。
  3. 前記第一の樹脂層が、エチレン性不飽和基を有するリン酸エステルをさらに含む、請求項1又は2に記載の転写型感光性フィルム。
  4. 前記光重合開始剤が、オキシムエステル化合物を含む、請求項1〜3のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルム。
  5. 前記光重合性化合物が、分子内に少なくとも三つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する多官能ビニルモノマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルム。
  6. 前記光重合性化合物が、分子内に二つの重合可能なエチレン性不飽和基を有する二官能ビニルモノマーである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルム。
  7. 前記第一の樹脂層上に設けられた、金属酸化物粒子を含有する第二の樹脂層を備える、請求項1〜のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルム。
  8. 電極を有する基材上に、請求項1〜のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルムの前記第一の樹脂層を、前記基材の前記電極が設けられている側と前記第一の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、
    前記基材上の前記第一の樹脂層の所定部分を露光後、前記所定部分以外を除去し、前記電極の一部又は全部を被覆する硬化膜パターンを形成する工程と、
    を備える、硬化膜パターンの形成方法。
  9. 電極を有する基材上に、請求項に記載の転写型感光性フィルムの前記第二の樹脂層及び前記第一の樹脂層を、前記基材の前記電極が設けられている側と前記第二の樹脂層とが密着するようにラミネートする工程と、
    前記基材上の前記第二の樹脂層及び前記第一の樹脂層の所定部分を露光後、前記所定部分以外を除去し、前記電極の一部又は全部を被覆する硬化膜パターンを形成する工程と、
    を備える、硬化膜パターンの形成方法。
  10. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルムにおける前記第一の樹脂層を硬化してなる、硬化膜。
  11. 請求項に記載の転写型感光性フィルムの前記第一の樹脂層のみ、又は、前記第一の樹脂層及び前記第二の樹脂層の両方を硬化してなる、硬化膜。
  12. 請求項1〜のいずれか一項に記載の転写型感光性フィルムにおける前記第一の樹脂層の硬化物、又は、請求項に記載の転写型感光性フィルムの前記第二の樹脂層の硬化物及び前記第一の樹脂層の硬化物、からなる硬化膜パターンを備える、タッチパネル。
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