JP6427141B2 - レジスト光硬化性組成物、プリント配線板及び電子部品の製造方法 - Google Patents

レジスト光硬化性組成物、プリント配線板及び電子部品の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、光の照射により硬化されて用いられるレジスト光硬化性組成物に関する。また、本発明は、上記レジスト光硬化性組成物を用いたプリント配線板に関する。また、本発明は、上記レジスト光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法に関する。
プリント配線板を高温のはんだから保護するための保護膜として、ソルダーレジスト膜が広く用いられている。
また、様々な電子部品において、プリント配線板の上面に発光ダイオード(以下、LEDと略す)チップが搭載されている。LEDから発せられた光の内、上記プリント配線板の上面側に到達した光も利用するために、プリント配線板の上面に白色ソルダーレジスト膜が形成されていることがある。白色ソルダーレジスト膜は、白色顔料を含む。このような白色ソルダーレジスト膜を形成した場合には、LEDチップの表面からプリント配線板とは反対側に直接照射される光だけでなく、プリント配線板の上面側に到達し、白色ソルダーレジスト膜により反射された反射光も利用できる。従って、LEDから生じた光の利用効率を高めることができる。
また、ソルダーレジスト膜用途以外にも、様々な光反射用途において、白色顔料を含むレジスト膜が用いられている。
上記白色ソルダーレジスト膜を形成するための材料の一例として、下記の特許文献1には、(A)脂環骨格エポキシ樹脂から得られ、1分子中に少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)チオール系化合物、(C)光重合開始剤、(D)希釈剤、(E)ルチル型酸化チタン、及び(F)エポキシ系熱硬化性化合物を含むレジスト材料が開示されている。このレジスト材料は、現像型レジスト材料である。
下記の特許文献2には、芳香環を有さないカルボキシル基含有樹脂と、光重合開始剤と、エポキシ化合物と、ルチル型酸化チタンと、希釈剤とを含むレジスト材料が開示されている。このレジスト材料も、現像型レジスト材料である。
下記の特許文献3には、(A)1分子中に2個以上のエチレン性不飽和結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂、(B)アシルフォスフィン系光重合開始剤、(C)ベンゾイルオキシム系光重合開始剤、(D)酸化チタン、及び(E)反応性希釈剤を含む白色活性エネルギー線硬化性樹脂組成物が開示されている。
また、レジスト膜を形成するために用いられるレジスト材料(レジスト組成物)を開示したものではないが、下記の特許文献4には、(A)ラジカル硬化性樹脂、(B)光ラジカル開始剤、(C)白色顔料、及び(D)チオール系化合物を含有する光硬化性樹脂組成物が開示されている。この光硬化性樹脂組成物は、レジスト膜を形成することを意図したものではない。この光硬化性樹脂組成物は、白色カバーレイフィルムにおける光反射層を形成するために用いられている。光反射層は、ポリイミドフィルムの表面上に配置されている。
特開2008−211036号公報 特開2007−322546号公報 特開2014−043523号公報 特開2012−99734号公報
従来の白色顔料を含むレジスト材料では、塗布対象部材に塗布してレジスト膜を形成したときに、塗布対象部材に対するレジスト膜の密着性が低かったり、レジスト膜の耐湿性が低かったりする。
また、特許文献1,2に記載のレジスト材料では、レジスト膜を形成するために、フォトリソグラフィーにおける露光工程及び現像工程などの多くの工程が必要である。このため、工程数が多く、電子部品などの製造効率が悪い。
更に、特許文献1,2に記載のレジスト材料では、酸又はアルカリなどの薬液を用いた現像を行うため、環境負荷が大きい。さらに、現像により除去されるレジスト層部分を形成するために、余分なレジスト材料を用いなければならない。また、現像により除去されたレジスト層部分は廃棄物となる。このため、廃棄物の量が多いので環境負荷が大きい。さらに、これらのレジスト材料は、1液での保存安定性が十分ではなく、作業時に硬化が進んでいたりして、取扱性が十分ではない。また、得られるレジスト膜の耐湿性が低くなりやすい。例えば、レジスト膜が高湿下に晒されると、剥離することがある。
特許文献3に記載のレジスト材料では、環境負荷が少なく、作業効率も良好である。しかし、基材との密着性が十分ではなく、得られるレジスト膜の耐湿性も十分ではない。
特許文献4に記載の組成物は、上述したように、レジスト材料(レジスト組成物)ではない。
本発明の目的は、酸化チタンが使用されていることにより、光の反射率が高いレジスト膜を得ることができ、更にレジスト膜の耐湿性及び密着性と、光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができるレジスト光硬化性組成物を提供することである。また、本発明は、上記レジスト光硬化性組成物を用いたプリント配線板を提供することも目的とする。また、本発明は、上記レジスト光硬化性組成物を用いる電子部品の製造方法を提供することも目的とする。
本発明の広い局面によれば、光硬化性化合物と、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンと、光重合開始剤とを含み、エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を10重量%未満で含む、レジスト光硬化性組成物(以下、光硬化性組成物と略記することがある)が提供される。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を5重量%以下で含む。
本発明の広い局面によれば、光硬化性化合物と、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンと、光重合開始剤とを含み、熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を10重量%未満で含む、レジスト光硬化性組成物(以下、光硬化性組成物と略記することがある)が提供される。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を5重量%以下で含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、カルボキシル基を有さない。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、かつ、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性化合物を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性組成物は、エチレン性不飽和結合を1個以上有する反応性希釈剤を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記硫黄原子含有化合物が、チオール基を1個以上有するチオール化合物を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記硫黄原子含有化合物が、チオール基を2個以上有するチオール化合物を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記硫黄原子含有化合物の含有量が、0.01重量%以上、10重量%以下である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記塩素法ルチル型酸化チタンの含有量が0.1重量%以上、80重量%以下である。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の曲面では、前記光硬化性化合物が、芳香族骨格を有する化合物を含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、エポキシ(メタ)アクリレートを含む。
本発明に係る光硬化性組成物のある特定の局面では、前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含む。
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられる。
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる。
本発明に係る光硬化性組成物は、好ましくは、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない。
本発明に係る光硬化性組成物は、ポリイミドフィルムとは異なる部材の表面上に、レジスト膜を形成するために用いられる。
本発明に係る光硬化性組成物は、カバーレイフィルムにおける硬化物膜とは異なる硬化物膜を形成するために用いられる。
本発明の広い局面によれば、プリント配線板本体と、前記プリント配線板本体の表面上に配置されたレジスト膜とを備え、前記レジスト膜の材料が、上述したレジスト光硬化性組成物である、プリント配線板が提供される。
本発明の広い局面によれば、電子部品本体の表面上に、上述したレジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層を形成する工程と、前記レジスト層に光を照射して、レジスト膜を形成する工程とを備え、前記レジスト膜を形成するために、前記レジスト層を現像しない、電子部品の製造方法が提供される。
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、前記レジスト光硬化性組成物を塗布する。
本発明に係る電子部品の製造方法のある特定の局面では、前記レジスト膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記レジスト層を熱硬化させない。
本発明に係るレジスト光硬化性組成物は、光硬化性化合物と、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンと、光重合開始剤とを含み、エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を10重量%未満で含むので、光の照射により硬化させて、良好なレジスト膜を形成することができる。さらに、本発明に係るレジスト光硬化性組成物では、酸化チタンが使用されていることにより、光の反射率が高いレジスト膜を得ることができ、更に耐湿性に優れたレジスト膜を得ることができる。さらに、本発明に係るレジスト光硬化性組成物では、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンとが併用されているので、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。本発明では、レジスト膜の耐湿性及び密着性と、光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。
本発明に係るレジスト光硬化性組成物は、光硬化性化合物と、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンと、光重合開始剤とを含み、熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を10重量%未満で含むので、光の照射により硬化させて、良好なレジスト膜を形成することができる。さらに、本発明に係るレジスト光硬化性組成物では、酸化チタンが使用されていることにより、光の反射率が高いレジスト膜を得ることができ、更に耐湿性に優れたレジスト膜を得ることができる。さらに、本発明に係るレジスト光硬化性組成物では、硫黄原子含有化合物と、塩素法ルチル型酸化チタンとが併用されているので、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。本発明では、レジスト膜の耐湿性及び密着性と、光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。
図1(a)〜(c)は、本発明の一実施形態に係るレジスト光硬化性組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。 図2(a)〜(e)は、従来の現像型レジスト組成物を用いて、電子部品を製造する方法の一例を説明するための断面図である。
以下、本発明の詳細を説明する。
[レジスト光硬化性組成物]
本発明に係るレジスト光硬化性組成物(以下、光硬化性組成物と略記することがある)は、光の照射により硬化されて用いられる。本発明に係る光硬化性組成物は、現像を行わずにレジスト膜を形成するために好適に用いられる。本発明に係る光硬化性組成物は、非現像型レジスト光硬化性組成物であることが好ましい。本発明に係る光硬化性組成物は、レジスト膜を形成するために現像が行われない場合には、レジスト膜を形成するために現像を行う現像型レジスト組成物とは異なる。本発明に係る光硬化性組成物では、現像を行わなくても、良好なレジスト膜を得ることができる組成が採用されている。
本発明に係る光硬化性組成物は、(A)光硬化性化合物と、(C)硫黄原子含有化合物と、(D)塩素法ルチル型酸化チタンと、(E)光重合開始剤とを含む。本発明に係る光硬化性組成物は、(F)熱硬化性化合物を含まないか、又は、(F)熱硬化性化合物を10重量%未満で含む第1の構成を備えるか、又は、(F’)エポキシ化合物を含まないか、又は、(F)エポキシ化合物を10重量%未満で含む第2の構成を備える。本発明に係る光硬化性組成物は、(F)熱硬化性化合物を含まないか、又は、(F)熱硬化性化合物を10重量%未満で含む第1の構成を備えていてもよく、(F’)エポキシ化合物を含まないか、又は、(F’)エポキシ化合物を10重量%未満で含む第2の構成を備えていてもよい。
本発明では、上記の構成が採用されているので、塗布対象部材に対するレジスト膜の密着性を高めることができる。また、本発明では、上記の構成が採用されているので、現像を行わなくても、塗布対象部材に対するレジスト膜の密着性が高くなる。例えば、基板などの電子部品本体とレジスト膜との密着性を高めることができ、レジスト膜の剥離を抑えることができる。さらに、本発明に係る光硬化性組成物は、(D)塩素法ルチル型酸化チタンを含むので、白色のレジスト膜を形成することができ、光の反射率が高いレジスト膜を得ることができる。レジスト膜が白色であることにより、レジスト膜の光の反射率を高めることができる。さらに、本発明では、上記の構成が採用されているので、レジスト膜の耐湿性を高めることができる。例えば、レジスト膜が高湿下に晒されても、剥離が生じ難い。このため、レジスト膜を備える電子部品等の信頼性を高めることができる。さらに、本発明に係る光硬化性組成物は、(C)硫黄原子含有化合物と、(D)塩素法ルチル型酸化チタンとが併用されているので、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。さらに、本発明では、レジスト膜の熱変色防止性を高めることができ、高温に晒されてもレジスト膜の変色を抑えることができる。
さらに、本発明では、フォトリソグラフィーにおける露光工程及び現像工程などの多くの工程を行わなくても、良好なレジスト膜を形成することができる。露光工程及び現像工程を行わない場合には、廃棄物の量を少なくすることができ、環境負荷を低減できる。さらに、電子部品などの製造コストも低くすることができる。
上記光硬化性組成物は、光の照射により硬化させるために、(F)熱硬化性化合物を含んでいなくてもよく、(F’)エポキシ化合物を含んでいなくてもよく、熱硬化剤を含んでいなくてもよい。上記光硬化性組成物は、熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられないことが好ましい。上記レジスト膜を形成するために、塗布対象部材の表面上に配置されたレジスト層を熱硬化させなくてもよい。上記レジスト膜を形成するために、塗布対象部材の表面上に配置されたレジスト層を加熱しなくてもよい。但し、上記レジスト層は、低温での加熱が行われてもよい。上記レジスト膜を形成するために、上記レジスト層を、280℃以上に加熱しないことが好ましく、180℃以上に加熱しないことがより好ましく、60℃以上に加熱しないことが更に好ましい。上記レジスト層を加熱する温度が低いほど、電子部品本体などの塗布対象部材の熱劣化を抑えることができる。
本発明に係る光硬化性化合物は、(B)エチレン性不飽和結合を1個以上有する反応性希釈剤を含むことが好ましい。
本発明に係る光硬化性化合物において、硫黄原子の含有量のチタン原子の含有量に対する比(含有量比(S/Ti))は、重量基準で、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、好ましくは0.02以下、より好ましくは0.01以下である。上記含有量比(S/Ti)が上記下限以上であると、密着性がより一層良好になる。上記含有量比(S/Ti)が上記上限以下であると、熱変色防止性がより一層良好になる。
光硬化性組成物における硫黄原子の含有量及びチタン原子の含有量は、例えば、レジスト光硬化性組成物に、波長365nmの紫外線を照射エネルギーが2000mJ/cmとなるように500mW/cmの紫外線照度で照射することで得られるレジスト膜を用いて測定することができる。光硬化性組成物における硫黄原子の含有量及びチタン原子の含有量は、より具体的には、例えば、以下のようにして測定される。
100mm×100mm×厚さ0.8mmのFR−4に銅箔が積層された基板を用意する。この基板上に、スクリーン印刷法により、250メッシュのポリエステルバイアス製の版を用いて、マスクパターンでレジスト光硬化性組成物を印刷して、レジスト層を形成する。印刷後、紫外線照射装置を用い、レジスト層に波長365nmの紫外線をベルトコンベアー式露光器に、照射エネルギーが2000mJ/cmとなるように500mW/cmの紫外線照度で1回流すことにより、測定サンプルとしてのレジスト膜を得る。
得られたレジスト膜6gを、85℃で4時間乾燥させ、デシケーター内で30分間放冷した後に秤量する。錠剤成型器を用い、秤量したレジスト膜を9tonf/cmで5分間加圧成型した15mmΦの測定サンプルを得る。この測定サンプルを用いて、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−7000」)を用いて、ヘリウムガス雰囲気下で下記の条件で測定を行う。
X線管:Rhターゲット
管電圧:50kV
管電流:自動
測定時間:240秒
測定環境23℃±2℃
得られたチタン原子と硫黄原子とのスペクトル強度の比から、硫黄原子の含有量のチタン原子の含有量に対する比(含有量比(S/Ti))を算出する。
なお、光硬化性組成物における硫黄原子の含有量は、(C)硫黄原子含有化合物に由来する。光硬化性組成物におけるチタン原子の含有量は、(D)塩素法ルチル型酸化チタン、及び塩素法ルチル型酸化チタン以外のチタン原子含有化合物に由来する。塩素法ルチル型酸化チタン以外のチタン原子含有化合物は、用いられてもよく、用いられなくてもよい。
上記光硬化性組成物は、ポリイミドフィルムとは異なる部材の表面上に、レジスト膜を形成するために好適に用いられる。また、上記光硬化性組成物は、カバーレイフィルムにおける硬化物膜とは異なる硬化物膜を形成するために好適に用いられる。上記光硬化性組成物の用途は、カバーレイフィルムを除く用途であることが好ましい。
以下、上記光硬化性組成物に含まれる各成分を説明する。
((A)光硬化性化合物)
上記光硬化性組成物に含まれる(A)光硬化性化合物は、光硬化性を有していれば特に限定されない。(A)光硬化性化合物は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
光硬化性組成物では現像を行わないので、(A)光硬化性化合物は、カルボキシル基を有さないことが好ましい。レジスト膜においてカルボキシル基が残存すると、レジスト膜が変色したりして、レジスト膜を備える電子部品の信頼性が低下する傾向がある。カルボキシル基を有さない光硬化性化合物を用いることで、カルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えばレジスト膜の変色を抑えることができる。
(A)光硬化性化合物は、(A1)カルボキシル基を有さず、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、かつ、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性化合物を含むことが好ましい。(A1)光硬化性化合物の使用により、塗布対象部材に対するレジスト膜の密着性が効果的に高くなる。特に(D)酸化チタンの含有量が多い場合に、(A1)光硬化性化合物を用いていないと、レジスト膜の密着性が低くなりやすい傾向がある。(A1)光硬化性化合物を用いることで、(D)酸化チタンの含有量が多くても、レジスト膜の密着性を高めることができる。また、(A1)光硬化性化合物がカルボキシル基を有さないことにより、レジスト膜におけるカルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えばレジスト膜の変色を抑えることができる。
(A1)光硬化性化合物におけるエチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。効果的に反応を進行させ、発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。(A1)光硬化性化合物は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
塗布対象部材に対するレジスト膜の密着性を高める観点からは、(A)光硬化性化合物は、(A11)エポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。レジスト膜の硬度を高める観点からは、(A11)エポキシ(メタ)アクリレートは、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとを含むことが好ましい。2官能のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を2個有することが好ましい。3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイル基を3個以上有することが好ましい。
(A11)エポキシ(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリル酸とエポキシ化合物とを反応させて得られる。(A11)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を(メタ)アクリロイル基に変換することにより得ることができる。上記光硬化性組成物は光の照射により硬化させるので、(A11)エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有さないことが好ましい。
(A11)エポキシ(メタ)アクリレートとしては、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールS型エポキシ(メタ)アクリレート)、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート、カルボン酸無水物変性エポキシ(メタ)アクリレート、及びフェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、KAYARAD R381(日本化薬社製、ビスフェノールA型エポキシアクリレート)、ダイセル・オルネクス社製のEBECRYL3701及びEBECRYL3708(変性ビスフェノールA型エポキシアクリレート)等が挙げられる。また、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートの市販品としては、EBECRYL3603(ダイセル・オルネクス社製、ノボラックエポキシアクリレート)等が挙げられる。また、2官能のエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させて、(メタ)アクリロイル基を導入することにより、3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートを得てもよい。
「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基とメタクリロイル基とを示す。「(メタ)アクリル」は、アクリルとメタクリルとを示す。「(メタ)アクリレート」は、アクリレートとメタクリレートとを示す。
(A)光硬化性化合物の重量平均分子量は2000以上であることが好ましい。(A)光硬化性化合物の重量平均分子量が2000未満であると、重量平均分子量が2000以上である場合と比べて、レジスト膜の密着性が悪くなる傾向があったり、リフロー後の発泡や変色が生じたりする傾向がある。(A)光硬化性化合物の重量平均分子量は好ましくは20000以下である。
(A)光硬化性化合物及び(B)反応性希釈剤における重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定されるポリスチレン換算での重量平均分子量であり、下記の測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置:日本ウォーターズ社製「Waters GPC System(Waters 2690+Waters 2414(RI))」
測定条件カラム:Shodex GPC LF−G×1本、Shodex GPC LF−804×2本
移動相:THF 1.0mL/分
サンプル濃度:5mg/mL
検出器:示差屈折率検出器(RID)
標準物質:ポリスチレン(TOSOH社製、分子量:620〜590000)
発泡、剥離及び変色を効果的に抑える観点からは、(A)光硬化性化合物は、脂環式骨格を有する化合物ではないことが好ましく、脂環式骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートではないことが好ましい。発泡、剥離及び変色をより一層抑える観点からは、(A)光硬化性化合物は、芳香族骨格を有する化合物を含むことが好ましく、芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましい。
発泡、剥離及び変色を効果的に抑える観点からは、(A)光硬化性化合物は、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含むことが好ましく、ウレタン(メタ)アクリレート、又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含むことがより好ましい。
(A11)エポキシ(メタ)アクリレートは、水酸基を有するエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基を変性させたエポキシ(メタ)アクリレートであってもよい。この場合には、架橋度を高め、硬度を高めることができる。変性に用いることができる化合物としては、シランカップリング剤、及びイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。上記シランカップリング剤としては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、メルカプト基、エポキシ基、アミノ基、スルフィド基、ウレイド基、及びイソシアネート基などの官能基を有する化合物等が挙げられる。光反応性があるので、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物が好ましい。イソシアネート基を有するモノマーとしては、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、スチリル基、又はメルカプト基を有する化合物等が挙げられる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(A)光硬化性化合物、(A1)カルボキシル基を有さず、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、かつ、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性化合物、及び(A11)エポキシ(メタ)アクリレートの含有量はそれぞれ、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。これらの光硬化性化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜の密着性が効果的に高くなる。また、レジスト膜の密着性を効果的に高める観点から、上記光硬化性組成物100重量%中、重量平均分子量が2000以上である2官能のエポキシ(メタ)アクリレートと、重量平均分子量が2000以上である3官能以上のエポキシ(メタ)アクリレートとの合計の含有量は、好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは40重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。
((B)エチレン性不飽和結合を1個以上有する反応性希釈剤)
(B)反応性希釈剤は、エチレン性不飽和結合を1個以上有する。(A)光硬化性化合物とともに(B)反応性希釈剤を用いることにより、(D)酸化チタンの含有量が多くても、レジスト膜の密着性を効果的に高めることができ、更に光硬化性組成物の粘度を最適な範囲に制御することが容易である。(B)反応性希釈剤には、重量平均分子量が2000以上である(A)光硬化性化合物は含まれない。(B)反応性希釈剤の重量平均分子量は一般に2000未満であり、好ましくは800以下、より好ましくは600以下である。(B)反応性希釈剤は1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(B)反応性希釈剤におけるエチレン性不飽和結合を含む基としては、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基等が挙げられる。効果的に反応を進行させ、発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(メタ)アクリロイル基が好ましい。(B)反応性希釈剤は、(メタ)アクリロイル基を有することが好ましい。
(B)反応性希釈剤としては、特に限定されず、多価アルコールの(メタ)アクリル酸付加物、多価アルコールのアルキレンオキサイド変性物の(メタ)アクリル酸付加物、ウレタン(メタ)アクリレート、及びポリエステル(メタ)アクリレート等が挙げられる。上記多価アルコールとしては、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ビスフェノールAのアルキレンオキシド付加物、及びペンタエリスリトール等が挙げられる。
(B)反応性希釈剤は、(B1)エチレン性不飽和結合を1個有する化合物であってもよい。レジスト膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)反応性希釈剤は、(B1)エチレン性不飽和結合を1個有する化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を1個有する化合物を含むことが好ましい。
(B)反応性希釈剤は、エチレン性不飽和結合を2個有する化合物を含んでいてもよく、(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物を含んでいてもよい。レジスト膜の密着性を更に一層高める観点からは、(B)反応性希釈剤は、(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物を含むことが好ましく、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物を含むことが好ましい。
レジスト膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)反応性希釈剤は、脂環式化合物を含むか、又は、芳香環又は水酸基を含むことが好ましい。単官能の成分が好ましいが、二官能などの多官能の複数成分が含まれていてもよい。
(B)反応性希釈剤は、カルボキシル基を有さないことが好ましい。カルボキシル基を有さない反応性希釈剤の使用により、レジスト膜におけるカルボキシル基による悪影響を防ぐことができ、例えばレジスト膜の変色を抑えることができる。
(B)反応性希釈剤の25℃での粘度は、好ましくは1mPa・s以上、より好ましくは3mPa・s以上である。レジスト膜の密着性をより一層高める観点からは、(B)反応性希釈剤の25℃での粘度は、好ましくは200mPa・s以下、より好ましくは100mPa・s以下である。
上記粘度は、E型粘度計を用いて、25℃及び10rpmの条件で測定することができる。
上記光硬化性組成物100重量%中、(B)反応性希釈剤及び(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物の含有量は好ましくは5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、好ましくは50重量%以下、より好ましくは40重量%以下である。(B)反応性希釈剤及び(B2)エチレン性不飽和結合を2個以上有する化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜の密着性が効果的に高くなる。
((C)硫黄原子含有化合物)
(C)硫黄原子含有化合物を他の化合物と併用することにより、耐湿性に優れたレジスト膜を得ることができ、かつ、耐熱性が高いレジスト膜を得ることができる。(C)硫黄原子含有化合物は、(C’)チオール基を1個以上有するチオール化合物(チオール基含有化合物)、チオエーテル化合物、又はチオキサントン化合物を含むことが好ましい。この場合には、耐湿性により一層優れたレジスト膜を得ることができ、かつ、耐熱性がより一層高いレジスト膜を得ることができる。中でも、(C)硫黄原子含有化合物は、(C’)チオール基を1個以上有するチオール化合物(チオール基含有化合物)を含むことが好ましい。また、(C)硫黄原子含有化合物又は(C’)チオール含有化合物を、後述する(D)塩素法ルチル型酸化チタンと併用することにより、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立させることができる。(C)硫黄原子含有化合物及び(C’)チオール含有化合物はそれぞれ、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(C)硫黄原子含有化合物としては、硫黄原子を含有する化合物であれば特に限定されないが、(C’)チオール基を1個以上有するチオール化合物、硫黄原子を含む光増感剤、硫黄原子を含む酸化防止剤等の有機化合物、及び硫酸バリウム等の無機化合物が挙げられる。
(C)チオール化合物の具体例としては、SC有機化学社製のトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)(TMMP)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(PEMP)、トリス−[(3−メルカプトプロピオニルオキシ)−エチル]−イソシアヌレート(TEMPIC)、テトラエチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)(EGMP−4)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトプロピオネート)(DPMP)等の1級多官能チオール、昭和電工社製のペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1)等の2級多官能チオール、SC有機化学社製の(β−メルカプトプロピオン酸(BMPA)、メチル−3−メルカプトプロピオネート(MPM)、2−エチルヘキシル−3−メルカプトプロピオネート(EHMP)、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(NOMP)、メトキシブチル−3−メルカプトプロピオネート(MBMP)、ステアリル−3−メルカプトプロピオネート(STMP)等の単官能チオール等が挙げられる。
レジスト膜の耐湿性をより一層高め、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立する観点からは、(C’)チオール基を1個以上有するチオール化合物が、(C1)チオール基を2個以上有するチオール化合物を含むことが好ましい。
上記光硬化性組成物100重量%中、(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは0.5重量%以上、好ましくは10重量%以下、より好ましくは5重量%以下である。(A)光硬化性化合物100重量部に対して、(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは0.01重量部以上、より好ましくは0.1重量部以上、好ましくは10重量部以下、より好ましくは5重量部以下、更に好ましくは3重量部以下である。(A)光硬化性化合物と(B)反応性希釈剤との合計100重量部に対して、(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量はそれぞれ、好ましくは0.2重量部以上、より好ましくは1重量部以上、好ましくは20重量部以下、より好ましくは10重量部以下、更に好ましくは6重量部以下である。(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜の耐湿性が高くなり、レジスト膜の剥離がより一層抑制され、さらに、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とが高レベルで両立される。また、(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量が上記上限以下であると、保存中にゲル化が進行しにくい。(C)硫黄原子含有化合物、(C’)チオール化合物及び(C1)チオール化合物の含有量が上記下限以上であると、硬化性がより一層高くなる。
((D)塩素法ルチル型酸化チタン)
(D)塩素法ルチル型酸化チタンは、塩素法により製造されたルチル型酸化チタンである。上記光硬化性組成物が(D)塩素法ルチル型酸化チタンを含むことにより、光の反射率が高いレジスト膜を形成することができる。(D)酸化チタンの使用によって、(D)酸化チタン以外の充填材のみを用いた場合と比較して、光の反射率が高いレジスト膜が得られる。さらに、酸化チタンの種類として、(D)塩素法ルチル型酸化チタンを他の化合物と併用することより、耐湿性に優れたレジスト膜を得ることができる。また、酸化チタンの種類として、(D)塩素法ルチル型酸化チタンを他の化合物と併用することより、レジスト膜の耐熱性がより一層高くなる。さらに、(D)塩素法ルチル型酸化チタンを、上述した(C)硫黄原子含有化合物又は(C’)チオール基を1個以上有するチオール化合物と併用することにより、レジスト膜の密着性と光硬化性組成物の保存安定性とを両立することができる。(D)酸化チタンは、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
また、ルチル型酸化チタンの使用により、レジスト膜の耐熱性がより一層高くなり、レジスト膜の変色がより一層抑えられる。
上記酸化チタンは、アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンであることが好ましい。上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンの使用により、レジスト膜の耐熱性がより一層高くなる。
上記アルミニウム酸化物により表面処理されたルチル型酸化チタンとしては、例えば、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−90−2」、ルチル塩素法酸化チタンである石原産業社製「CR−58」、並びにルチル塩素法酸化チタンであるデュポン社製「R−900」等が挙げられる。
上記表面処理の方法は特に限定されない。表面処理の方法として、乾式法、湿式法、インテグラルブレンド法、並びに他の公知慣用の表面処理方法を用いることができる。
(D)酸化チタンの平均粒径は、好ましくは0.1μm以上、好ましくは40μm以下である。上記平均粒径が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜の光の反射率をより一層高めることができる。上記平均粒径は、数平均粒径を示す。
上記光硬化性組成物100重量%中、(D)酸化チタンの含有量は、好ましくは0.1重量%以上、より好ましくは20重量%以上、更に好ましくは30重量%以上、好ましくは80重量%以下、より好ましくは60重量%以下である。(D)酸化チタンの含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、レジスト膜の光の反射率がより一層高くなり、上記レジスト膜の密着性がより一層高くなる。
((E)光重合開始剤)
上記光硬化性組成物は、(E)光重合開始剤を含むので、光の照射により光硬化性組成物を硬化させることができる。(E)光重合開始剤は、硫黄原子を含まない光重合開始剤であることが好ましい。上記光硬化性組成物は、(E)光重合開始剤とは異なる成分として、(C)硫黄原子含有化合物を含むことが好ましい。(E)光重合開始剤は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(E)光重合開始剤としては、アシルフォスフィンオキサイド、ハロメチル化トリアジン、ハロメチル化オキサジアゾール、イミダゾール、ベンゾイン、ベンゾインアルキルエーテル、アントラキノン、ベンズアンスロン、ベンゾフェノン、アセトフェノン、チオキサントン、安息香酸エステル、アクリジン、フェナジン、チタノセン、α−アミノアルキルフェノン、オキシム、及びこれらの誘導体が挙げられる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、o−ベンゾイル安息香酸メチル及びミヒラーズケトン等が挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤の市販品としては、EAB(保土谷化学工業社製)等が挙げられる。
アセトフェノン系光重合開始剤の市販品としては、ダロキュア1173、ダロキュア2959、イルガキュア184、イルガキュア907、及びイルガキュア369(BASF社製)等が挙げられる。
ベンゾイン系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュア651(BASF社製)等が挙げられる。
アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤の市販品としては、Lucirin TPO(BASF社製)、及びイルガキュア819(BASF社製)等が挙げられる。
チオキサントン系光重合開始剤の市販品としては、イソプロピルチオキサントン、及びジエチルチオキサントン等が挙げられる。
オキシムエステル系光重合開始剤の市販品としては、イルガキュアOXE−01、及びイルガキュアOXE−02(BASF社製)等が挙げられる。
レジスト膜の密着性をより一層高める観点からは、(D)光重合開始剤は、アシルフォスフィン系光重合開始剤と、アルキルフェノン系光重合開始剤との双方を含むことが好ましい。
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、(E)光重合開始剤は、アセトフェノン系光重合開始剤と、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むことが好ましく、アシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤と、ビスアシルフォスフィンオキサイド系光重合開始剤との双方を含むことも好ましい。
(A)光硬化性化合物と(B)反応性希釈剤との合計100重量部に対して、(E)光重合開始剤の含有量は好ましくは1重量部以上、より好ましくは3重量部以上、好ましくは20重量部以下、より好ましくは15重量部以下である。(E)光重合開始剤の含有量が上記下限以上及び上記上限以下であると、光硬化性組成物を良好に光硬化させることができる。
((F)熱硬化性化合物)
上記光硬化性組成物は、(F)熱硬化性化合物を含まないか、又は、(F)熱硬化性化合物を10重量%未満で含むことが好ましい。本発明では、(F)熱硬化性化合物の使用する場合には、(F)熱硬化性化合物の使用量を少なくすることが好ましい。(F)熱硬化性化合物の含有量が10重量%未満である組成物と、(F)熱硬化性化合物の含有量が例えば10重量%以上である組成物とでは、硬化物の基本物性が一般に異なる。(F)熱硬化性化合物は、1種のみが用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。
(F)熱硬化性化合物としては、エポキシ化合物等が挙げられる。
上記光硬化性組成物は、(F’)エポキシ化合物を含まないか、又は、(F’)エポキシ化合物を10重量%未満で含むことが好ましい。
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、光硬化性組成物100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量は好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、より一層好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。
発泡、剥離及び変色をより一層抑制する観点からは、光硬化性組成物100重量%中、(F’)エポキシ化合物の含有量は少ないほどよい。光硬化性組成物100重量%中、(F’)エポキシ化合物の含有量は好ましくは5重量%以下、より好ましくは3重量%以下、より一層好ましくは1重量%以下、更に好ましくは0.5重量%以下、特に好ましくは0重量%(未使用)である。また、(F’)エポキシ化合物の含有量は、他の熱硬化性化合物の含有量と比べて、発泡、剥離及び変色に影響しやすい傾向がある。光硬化性組成物100重量%中、(F)熱硬化性化合物の含有量が10重量%未満であり、かつ、(F’)エポキシ化合物の含有量が5重量%未満であってもよい。
(他の成分)
上記光硬化性組成物は、上述した成分以外に、溶剤、白色顔料以外の無機フィラー、有機フィラー、着色剤、重合禁止剤、連鎖移動剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、レベリング剤、界面活性剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、ワックス、マスキング剤、消臭剤、芳香剤、防腐剤、抗菌剤、帯電防止剤及び密着性付与剤等を含んでいてもよい。上記密着性付与剤としては、シランカップリング剤等が挙げられる。
[電子部品及び電子部品の製造方法]
本発明に係る電子部品の製造方法は、電子部品本体の表面上に、上記レジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層を形成する工程と、上記レジスト層に光を照射して、レジスト膜を形成する工程とを備える。本発明に係る電子部品の製造方法では、上記レジスト膜を形成するために、上記レジスト層を現像しない。
上記光硬化性組成物は現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられるので、電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記レジスト光硬化性組成物を塗布することが好ましい。
電子部品本体の熱劣化を防ぐ観点からは、上記レジスト膜を形成するために、熱硬化剤の作用により上記レジスト層を熱硬化させないことが好ましい。
上記レジスト光硬化性組成物は、電子部品を得るために好適に用いられる。電子部品としては、電子部品本体と、電子部品本体の表面上に配置されたレジスト膜とを備える電子部品が挙げられる。この電子部品において、上記レジスト膜の材料が、上記レジスト光硬化性組成物であることが好ましい。上記電子部品本体は、プリント配線板本体であることが好ましい。上記電子部品は、プリント配線板であることが好ましい。上記レジスト光硬化性組成物は、プリント配線板におけるレジスト膜(硬化物膜)を形成するために好適に用いられる。
上記レジスト膜を形成するために、粗化処理が行われないことが好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明の具体的な電子部品の製造方法を説明する。
先ず、図1(a)に示すように、塗布対象部材11を用意する。塗布対象部材11は、電子部品本体である。塗布対象部材11として、基板11Aが用いられており、基板11Aの表面上に複数の電極11Bが配置されている。
次に、図1(b)に示すように、塗布対象部材11の表面上に、レジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層12を形成する。図1(b)では、塗布対象部材11の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、上記レジスト光硬化性組成物を塗布し、複数のレジスト層12を形成している。具体的には、基板11Aの表面上の複数の電極11Bの間に、複数のレジスト層12を形成している。レジスト層12は、例えばレジストパターンである。例えば、レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用いることを想定したときに、現像後に残存させて形成されるレジスト層部分に対応する位置にのみに形成されている。レジスト層12は、従来の現像型レジスト組成物を用い、現像により除去されるレジスト層部分に対応する位置に形成されていない。
レジスト光硬化性組成物の塗布方法は、例えば、ディスペンサーによる塗布方法、スクリーン印刷による塗布方法、及びインクジェット装置による塗布方法等が挙げられる。製造効率に優れることから、スクリーン印刷が好ましい。レジスト光硬化性組成物をパターン印刷することが好ましい。
次に、レジスト層12に光を照射する。例えば、レジスト層12の塗布対象部材11側とは反対側から、レジスト層12に光を照射する。この結果、図1(c)に示すように、レジスト層12が光硬化し、レジスト膜2が形成される。この結果、塗布対象部材11(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜2が形成された電子部品1が得られる。
なお、図1(a)〜(c)を用いて説明したレジスト膜を備える電子部品の製造方法は、一例であり、電子部品の製造方法は、適宜変更することができる。但し、電子部品の製造時に、レジスト膜を形成するために現像は行われないことが好ましい。
本発明のレジスト光硬化性組成物を用いて電子部品を製造する際には、塗布対象部材の表面に、2層以上のレジスト層を形成してもよく、該2層以上のレジスト層は部分的にかつ複数の箇所に形成してもよい。その際、塗布対象部材の表面にレジスト光硬化性組成物を1層塗布する毎に光を照射してレジスト層を形成してもよく、また2層以上塗布を行った後に光を照射してレジスト層を形成してもよい。
なお、従来、現像型レジスト組成物が用いられることが多かった。ネガ型の現像型レジスト組成物を用いる場合には、図2(a)に示すように、例えば、基板111Aと、基板111Aの表面上に配置された電極111Bとを有する塗布対象部材111を用意する。次に、図2(b)に示すように、塗布対象部材111の表面上に、全体に、レジスト層112を形成する。次に、図2(c)に示すように、マスク113を介して、電極111B上のレジスト層112のみに光を照射する。その後、図2(d)に示すように、現像し、電極111B間に位置するレジスト層112を部分的に除去する。レジスト層112を部分的に除去した後、残存しているレジスト層112を熱硬化させる。この結果、図2(e)に示すように、塗布対象部材111(電子部品本体)の表面上に、レジスト膜102が形成された電子部品101を得る。
このように、現像型レジスト組成物を用いる場合には、レジスト膜の形成効率及び電子部品の製造効率が悪い。さらに、現像を行う必要がある。
これに対して、本発明に係るレジスト光硬化性組成物を用いて現像処理を行わない場合には、レジスト膜の形成効率及び電子部品の製造効率を高めることができる。また、現像を行う必要がない。
また、本発明では、電子部品として、上記レジスト膜を光反射層として備える反射板を作製してもよい。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明を具体的に説明する。本発明は、以下の実施例のみに限定されない。
(実施例1〜10及び比較例1〜3)
(1)非現像型レジスト光硬化性組成物の調製
以下の表1に示す配合成分を以下の表1に示す配合量で配合して、非現像型レジスト光硬化性組成物を調製した。
なお、その他添加剤には、以下の成分等が含まれる。
添加剤1:硫酸バリウム
添加剤2:消泡剤 KS−66(信越シリコーン社製)、タルク
(2)電子部品の作製
100mm×100mm×厚さ0.8mmのFR−4に銅箔が積層された基板を用意した。この基板上に、スクリーン印刷法により、250メッシュのポリエステルバイアス製の版を用いて、マスクパターンで非現像型レジスト光硬化性組成物を印刷して、レジスト層を形成した。印刷後、紫外線照射装置を用い、レジスト層に波長365nmの紫外線をベルトコンベアー式露光器に、照射エネルギーが2000mJ/cmとなるように500mW/cmの紫外線照度で1回流すことにより、測定サンプルとしてのレジスト膜を得た。得られたレジスト膜の厚みは20μmであった。
(評価)
(0)光硬化性化合物における硫黄原子の含有量のチタン原子の含有量に対する比(含有量比(S/Ti)
得られたレジスト膜6gを、85℃で4時間乾燥させ、デシケーター内で30分間放冷した後に秤量した。錠剤成型器用い、秤量したレジスト膜を9tonf/cmで5分間加圧成型した15mmΦの測定サンプルを得た。この測定サンプルを用いて、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(島津製作所社製「EDX−7000」)を用いて、ヘリウムガス雰囲気下で下記の条件で測定を行った。
X線管:Rhターゲット
管電圧:50kV
管電流:自動
測定時間:240秒
測定環境23℃±2℃
得られたチタン原子と硫黄原子とのスペクトル強度の比から、硫黄原子の含有量のチタン原子の含有量に対する比(含有量比(S/Ti))を算出した。
(1)保存安定性
得られた光硬化性組成物について、E型粘度計を用いて、光硬化性組成物の25℃及び10rpmでの粘度η1を測定し、室温(23℃)で3ヶ月後に同条件にて粘度η2を測定し、上昇率(η2/η1)×100[%]を求めた。
○:上昇率150%未満
△:上昇率150%以上、比較例3の上昇率未満
×:比較例3の上昇率
(2)反射率Y[%]
得られた電子部品について、色彩・色差計(コニカミノルタ社製「CR−400」)を用いて、評価サンプルの反射率Yを測定した。
○:86%以上
△:85%以上、86%未満
×:85%未満
(3)耐湿性
測定サンプルを121℃、100%RH、2atmの条件下に96時間放置した後、評価サンプルの剥離の有無を確認した。
[PCT試験96hの判定基準]
○:レジスト膜の剥離なし
×:レジスト膜の剥離あり
(4)碁盤目試験(密着性)
得られた電子部品について、クロスカットテープ試験(JIS 5600)で確認し、下記の判定基準で確認した。1mm間隔で碁盤目に、硬化物に切り込みを25マス分カッターで作成し、次に切り込み部分を有する硬化物にセロハンテープ(JIS Z1522)を十分に貼りつけて、テープの一端を60度の角度で強く引き剥がして剥離状態を確認した。剥離状態をJISに従い分類し、下記判定とした。
[基盤目試験(密着性)の判定基準]
○:分類0〜2
×:分類3以上
(5)熱変色防止性
得られた電子部品ついて、色彩・色差計(コニカミノルタ社製「CR−400」)を用いて色彩色度計を用いて、初期のL表色系におけるL、a、bを測定した。次に、270℃のリフロー炉を2回通過させ、高温下に晒した後、リフロー後のL表色系におけるL、a、bを測定した。リフロー前後の色差ΔEを下記式によって求めた。ΔEから熱変色防止性を以下の基準で判定した。
ΔE={(L −L +(a −a +(b −b 1/2
[熱変色防止性の判定基準]
○:ΔEが2未満
△:ΔEが2以上、3未満
×:ΔEが3以上
(6)総合判定
○:(1)〜(5)全ての評価がすべて○又は△
×:(1)〜(5)の評価のうち、1つでも×がある
組成及び結果を下記の表1に示す。
Figure 0006427141
なお、比較例3では熱硬化性化合物の含有量は10重量%であるが、熱硬化性化合物の含有量が少なくなるほど、粘度上昇が抑えられる傾向があることを確認した。また、比較例3ではエポキシ化合物の含有量は10重量%であるが、エポキシ化合物の含有量が少なくなるほど、粘度上昇が抑えられる傾向があることを確認した。
1…電子部品
2…レジスト膜
11…塗布対象部材(電子部品本体)
11A…基板
11B…電極
12…レジスト層

Claims (23)

  1. 光硬化性化合物と、
    硫黄原子含有化合物と、
    塩素法ルチル型酸化チタンと、
    光重合開始剤とを含み、
    エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を10重量%未満で含み、
    前記光硬化性化合物が、芳香族骨格を有する化合物を含む、レジスト光硬化性組成物。
  2. 光硬化性化合物と、
    硫黄原子含有化合物と、
    塩素法ルチル型酸化チタンと、
    光重合開始剤とを含み、
    エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を10重量%未満で含み、
    前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含む、レジスト光硬化性組成物。
  3. エポキシ化合物を含まないか、又は、エポキシ化合物を5重量%以下で含む、請求項1又は2に記載のレジスト光硬化性組成物。
  4. 光硬化性化合物と、
    硫黄原子含有化合物と、
    塩素法ルチル型酸化チタンと、
    光重合開始剤とを含み、
    熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を10重量%未満で含み、
    前記光硬化性化合物が、芳香族骨格を有する化合物を含む、レジスト光硬化性組成物。
  5. 光硬化性化合物と、
    硫黄原子含有化合物と、
    塩素法ルチル型酸化チタンと、
    光重合開始剤とを含み、
    熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を10重量%未満で含み、
    前記光硬化性化合物が、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート又は芳香族骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートを含む、レジスト光硬化性組成物。
  6. 熱硬化性化合物を含まないか、又は、熱硬化性化合物を5重量%以下で含む、請求項4又は5に記載のレジスト光硬化性組成物。
  7. 前記光硬化性化合物が、カルボキシル基を有さない、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  8. 前記光硬化性化合物が、エチレン性不飽和結合を2個以上有し、かつ、2000以上の重量平均分子量を有する光硬化性化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  9. エチレン性不飽和結合を1個以上有する反応性希釈剤を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  10. 前記硫黄原子含有化合物が、チオール基を1個以上有するチオール化合物を含む、請求項1〜のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  11. 前記硫黄原子含有化合物が、チオール基を2個以上有するチオール化合物を含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  12. 前記硫黄原子含有化合物の含有量が、0.01重量%以上、10重量%以下である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  13. 前記塩素法ルチル型酸化チタンの含有量が0.1重量%以上、80重量%以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  14. 前記光硬化性化合物が、エポキシ(メタ)アクリレートを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  15. 光の照射により硬化されて用いられ、かつ現像を行わずにレジスト膜を形成するために用いられる、請求項1〜14のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  16. 塗布対象部材の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に塗布して用いられる、請求項1〜15のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  17. 熱硬化剤の作用により熱硬化させて用いられない、請求項1〜16のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  18. ポリイミドフィルムとは異なる部材の表面上に、レジスト膜を形成するために用いられる、請求項1〜17のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  19. カバーレイフィルムにおける硬化物膜とは異なる硬化物膜を形成するために用いられる、請求項1〜18のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物。
  20. プリント配線板本体と、
    前記プリント配線板本体の表面上に配置されたレジスト膜とを備え、
    前記レジスト膜の材料が、請求項1〜19のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物である、プリント配線板。
  21. 電子部品本体の表面上に、請求項1〜19のいずれか1項に記載のレジスト光硬化性組成物を塗布して、レジスト層を形成する工程と、
    前記レジスト層に光を照射して、レジスト膜を形成する工程とを備え、
    前記レジスト膜を形成するために、前記レジスト層を現像しない、電子部品の製造方法。
  22. 前記電子部品本体の表面上に、部分的にかつ複数の箇所に、前記レジスト光硬化性組成物を塗布する、請求項21に記載の電子部品の製造方法。
  23. 前記レジスト膜を形成するために、熱硬化剤の作用により前記レジスト層を熱硬化させない、請求項21又は22に記載の電子部品の製造方法。
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