JP5877585B2 - 野菜シートの製造方法 - Google Patents

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本発明は、発酵野菜を原料とした野菜シートの製造方法に関するものである。
野菜は、豊作時には、価格調整の為に廃棄されることがある。また、漬物やカット野菜のような野菜加工食品は、可食部であっても、形状や色調等々が商品として不適なものは規格外として廃棄される。こうした状況の中で、野菜の安定的な需給が、検討されている。一方、食生活の簡便化は、野菜の摂取不足を誘起し、いわゆる生活習慣病の遠因にもなっている。
その為に、発酵野菜の乳酸菌を活用した食品や、植物性食材のフィトケミカルを訴求した食品が開発されている。例えば、腸内に生きて届き整腸作用を発揮するとして開発されたヨーグルトや飲料の乳酸菌は、スンキ漬け、キムチ、サワークラウト等々も漬け物に常在するLactobacillus plantarum 、Lactobacillus brevis等々も活用されている。また、ビスケット等々に配合されることがある有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance ) はスンキ漬けにも常在する。更に、血圧低下機能や精神安定作用の為にチョコレートや飲料等々に配合されことがあるγ−アミノ酪酸は野菜の発酵過程でも生成する。更に、唐辛子のカプサイシン、ウコンのクルクミン、生姜のジンゲロール、ゴーヤーのククルビタシン類、ニンニクの含硫化合物やポリフェノールのようなフィトケミカル(機能性成分)や野菜に多い食物繊維の機能を訴求する加工食品も開発されている。
つまり発酵させた野菜やフィトケミカル、食物繊維を含み、手軽に食せる野菜シートを開発することは、健康の維持・増進に有効な加工食品の提供の他、食料資源の効率的活用にも資すると考えられる。
従来の野菜シートの製造方法として、例えば、野菜を切断後、ボイルして、摩砕後に脱水してから調味料、着色料、繊維軟化酵素を混練して給水シート上で吸引して乾燥処理することにより製造したシート状の野菜加工品がある(特許文献1)。優れた加工法であるが、ボイル工程が必要で、野菜は通常80〜90%の水分を含むので摩砕後の脱水は不可欠な工程であり、その脱水過程で野菜の有効成分が溶出する問題がある。
また、粗くカット後にボイルした野菜を冷却後、マスコロイダーでミンチ化した液状の野菜を簀(みす)状のネットに均一に散布し、ロール状のスポンジで100〜120kgの圧力をかけて圧延し、36〜48℃で乾燥する方法( 特許文献2 )がある。この方法は、ネット上で圧力をかけて圧延して脱水する工程が行なわれるので、これも脱水により野菜の成分が流出する問題がある。
また白菜を小片に細断し、殺菌・加熱処理してから糖類を浸透後に約70℃で乾燥して乾燥白菜( 重量%で約10%の糖類を含有)とする。この乾燥白菜を加熱水中で復元してからキムチ風味調味料、トレハロース、セルロース、デキストリン等々の補強剤、グアガム等の結着剤を配合後、摩砕してから加熱円筒ドラムで乾燥するキムチシートの製造方法( 特許文献3 )がある。この方法は、糖類で脱水するので野菜の成分が糖類と入れ代り、また一旦、乾燥白菜を製造してから水中で復元するので工程が複雑になる問題がある。
また発酵、非発酵の白菜、大根、胡瓜、キャベツ、ニンジン等々の野菜を主材料として、これを粉砕し、これに発酵醸成させた唐辛子、ニンニク、塩辛等の薬味及び果物等の副材料を混合してから粉砕し攪拌する。分散させた後に漉き枠で漉いて、シート状に成形してから加圧後に乾燥する方法(特許文献4)がある。またこの方法は主材料と副材料を粉砕攪拌する時に、結着剤としてデンプン、米、納豆、もずく、昆布、山芋又はCMC等々を配合する方法も提案されている。しかしながら、この方法は漉操作によりシート化し、乾燥前に加圧脱水するので、野菜の成分が流出する問題がある。
また所定寸法に切断された漬物用食材の細片と、つなぎ材の澱粉、加工澱粉、大豆蛋白、小麦粉、ガム類及び増粘多糖類、プルラン、ゼラチン、グルコマンナン、海草抽出物(寒天、カラギーナン等々)とを混練撹拌しゲル状化した混練材を透水透気シート上に載せて、内部の水分を、透水透気シートを通して除去してから、冷風により乾燥させる方法(特許文献5)がある。
この方法は漬物をゲル化剤で凝固させ混練材を透水透気シート上に載せて、内部の水分を、透水透気シートを通して除去してから、冷風により乾燥させるが、漬物には菌が多く、加熱工程がないので、保存性を高める為には保存料を添加する必要がある。
特開平10−155450号公報 特開2000−270802号公報 特開2001−299206号公報 特開2003−141号公報 特開平10−295265号公報
本発明は上記問題を改善し、発酵野菜を原料として機能性アミノ酸や、乳酸を産生させ、機能性食材や調味料の機能性成分を含有し、保存性にも優れた野菜シートの製造方法を提供するものである。
本発明の請求項1記載の野菜シートの製造方法は、野菜に、唐辛子、ショウガ、ウコンから選ばれた少なくとも1種の機能性食材と調味料とを混合した副材料を混合してpH2.5〜5.0に発酵させる発酵工程と、発酵後の野菜と副材料を摩砕する摩砕工程と、摩砕した野菜と副材料に結着剤を混練してペーストにするペーストエ程と、このペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成する焼成工程とからなる乳酸菌及びその産生物質を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項2記載の野菜シートの製造方法は、野菜をpH2.5〜5.0に発酵させる発酵工程と、発酵した野菜に、唐辛子、ショウガ、ウコンから選ばれた少なくとも1種の機能性食材と調味料とを混合した副材料を混合する混合工程と、混合した発酵野菜と副材料を摩砕する摩砕工程と、摩砕した野菜と副材料に結着剤を混練してペーストにするペースト工程と、このペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成する焼成工程とからなる、乳酸菌及びその産生物質を有することを特徴とするものである。
本発明の請求項3記載の野菜シートの製造方法は、請求項1または2において、結着剤として、小麦粉の中力粉、またはこれにヤマイモ若しくは海藻類を添加して用いることを特徴とするものである。
本発明に係る請求項1記載の野菜シートの製造方法によれば、pH2.5〜5.0に調整した発酵工程で、洗浄・殺菌した野菜に、機能性食材の唐辛子、ショウガ、ウコンと、調味料の醤油、魚醤、塩辛、タンパク質加水分解物、アミノ酸類等々からなる副材料を混合し、これに加水して食塩水を加えて放置すると乳酸発酵が起こる。または野菜と副材料を混合したものに、無塩のスンキ漬けや市販の乳酸菌製剤を混合して放置すると、乳酸発酵が起こる。発酵工程で乳酸発酵させることにより乳酸の他にγ−アミノ酪酸やアラニン等々の機能性アミノ酸が産生する。
次に発酵させた野菜と副材料を摩砕する摩砕工程の後に、ペースト工程で、摩砕物に結着剤を加えて混練すると、固形物が沈殿し難い高分散性の野菜ペーストになる。次に、焼成工程で、野菜ペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成するので、乳酸やナイシンの抗菌作用により保存性の高い野菜シートを製造することができる。
本発明の請求項2記載の野菜シートの製造方法によれば、先ず野菜だけを乳酸発酵させる。この発酵工程では野菜をpH2.5〜5.0に調整する。次に混合工程で、発酵した野菜に副材料を混合する。次いで摩砕工程で発酵野菜と副材料を摩砕した後、ペースト工程で摩砕物に結着剤を混練し、固形物が沈殿し難い高分散性の野菜ペーストになる。
次に、焼成工程で野菜ペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成するので、焼成すれば、機能性成分や有胞子性乳酸菌を含有し、保存性の高い無塩または有塩の野菜シートを製造することができる。
また請求項3記載の野菜シートの製造方法によれば、結着剤として小麦粉の中力粉を使用し、混練中に摩砕物中に分散した小麦粉のグルテンの網状構造に、野菜摩砕物の固形物がゾル状に分散し、均質なペーストになる。またヤマイモは粘性のある糖タンパク質のムチンが、小麦粉のグルテンにより形成された野菜摩砕物の均質なゾルを補強し、分散性を高めることができる。更に海藻類は、アルギン酸やフコイダンのような高粘性多糖類が、グルテンにより形成された野菜摩砕物の均質なゾルを補強し、分散性を高めると考えられる。
本発明に使用する野菜は、ハクサイ、ダイコン、カブ、ニンジン、キャベツ、ニンニク、タマネギ、ネギ、オクラ、モロヘイヤ等々であって、単体または混合物を原料にする。また、皮や茎、芯部等々のいわゆる未利用資材や、規格外の野菜、浅漬けやキムチのように塩漬けした野菜であってもよい
また副材料としては、唐辛子、ショウガ、ウコンから選ばれた少なくとも1種の機能性食材と、塩辛、魚醤、醤油、タンパク質加水分解物、アミノ酸類のような調味料を混合したものを用いる。
上記野菜と副材料を混合してから発酵する工程について説明する。野菜を洗浄・殺菌後にそのまま、または切断、または摩砕し、0.1〜5.0倍量の0.1〜10重量%食塩水を添加して放置することにより乳酸発酵が起こる。または原料野菜の5〜30重量%の乳酸菌製剤や、乾燥または冷凍スンキ漬けのような無塩漬物の裁断物か摩砕物を混合して放置することにより乳酸発酵が起こる。この場合、水に浸漬すれば、無塩で乳酸発酵が容易に起こる。また、スンキ漬けには耐熱性の有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance )が多く含まれている。
このように野菜と副材料の混合物に、加水して食塩水を添加するか、乳酸菌製剤やスンキ漬けを混合して例えば0〜30℃に放置すると、乳酸発酵し、pHが低下する。この場合、発酵速度は温度に依存し、高いほど、早いが、風味が乏しい。キムチでは2〜7℃で20日程度発酵させると風味が最もよく、その時はpH4.3付近であるとされているが、本発明ではpH2.5〜5.0の範囲を発酵の終点とする。
請求項1の発明では、野菜に機能性食材と調味料とを混合した副材料を混合して乳酸発酵させるが、請求項2の発明では、野菜だけを先に発酵させ、摩砕時に唐辛子、ショウガ、ウコンなどの機能性食材と、塩辛や魚醤、醤油、タンパク質加水分解物、アミノ酸類等の調味料を混合する。この方法は色調や風味の調整が容易である。また、無塩発酵させた野菜を原料とした無塩の野菜シートの製造に適している。
次に発酵後の摩砕工程について説明する。野菜と副材料を発酵させた後、全量を摩砕する。摩砕の方法は例えばミキサー、フードプロセッサー、ホモジナイザー、擂潰機等々を使うことができる。この場合、摩砕物の粒子を例えば200μm 以下に微細化すると、結着剤を混合したペーストの分散性を高めることができる。
次に摩砕した野菜と副材料に結着剤を混練してペーストにするペースト工程について説明する。結着剤としては小麦粉の中力粉にヤマイモ若しくは海藻類を混合したものを用いる。またヤマイモはナガイモ、ジネンジョ、ダイジョ等を用い、海藻類としてはメカブ、コンブ類、モスク等々の粘度の高いものがよい。なおヤマイモや海藻類の代わりに、粘りのあるモロヘイヤ、オクラ等々の野菜類を使ってもよい。
結着剤として小麦粉の中力粉を使用する理由は、混練中に、摩砕物中に分散した小麦粉のグルテンの網状構造に、野菜摩砕物の固形物がゾル状に分散し、均質なペーストになるからである。また混練剤として小麦粉に配合する海藻類は、アルギン酸やフコイダンのような高粘性多糖類が、ヤマイモは粘性のある糖タンパク質のムチンが、グルテンにより形成された野菜摩砕物の均質なゾルを補強し、分散性を高めることができる。
結着剤として小麦粉の中力粉を使用する時は、10〜30重量%を用いるとよい。また結着剤として小麦粉、ヤマイモと海藻類の混合物を使う場合は、結着剤は摩砕物の10〜30%とし、小麦粉は結着剤総量の65〜90%、ヤマイモは9〜30%、海藻は1〜5%程度が望ましい。このように結着剤を加えてから、パン生地用ミキサー等、ニーダー等々で混練してペースト状にする。
次にペーストをシート状に延ばして焼成する焼成工程について説明する。野菜摩砕物のペーストは分散性が高く、固液が分離し難いので、電熱回転型円形ドラムを100〜130℃に加熱し、ペーストをドラム表面に順次付着させながら回転させて連続的に焼成する方法でもよい。この場合も厚さ0.3〜2.0mmの野菜シートに加工する。
以上のように製造した野菜シートは、水分が15〜20%、食塩が0〜5重量%で乳酸発酵産生物のγ−アミノ酪酸、アラニンのようないわゆる機能性アミノ酸や乳酸を含有する。また機能性食材の唐辛子、ショウガ、ウコン等々と調味料の醤油、魚醤、塩辛、タンパク質加水分解物、アミノ酸類等々の副材料を混合後に放置するとLeuconostoc mesenteroides 、Lactobacillus plantarum 、Lactobacillus brevis等々の乳酸菌により発酵し、乳酸の他にγ−アミノ酪酸やアラニン等々の機能性アミノ酸が産生する。
また、腸管内で整腸作用を呈する有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance)も増殖し、乳酸桿菌や乳酸球菌により抗菌物質のナイシンが生成する可能性もある。さらに、野菜の糖類は乳酸菌の栄養源として資化されるが食物繊維は残存する。また、乳酸発酵物は副材料である唐辛子のカプサイシンによる脂肪燃焼効果、ショウガのジンゲロールによる抗酸化作用、抗血栓作用、抗潰瘍作用、ウコンのクルクミンによる抗酸化作用、肝機能の強化、コレステロール低減効果等々が期待できる。また、副材料の塩辛等々に由来するペプチドやアミノ酸によるうま味成分も生成される。
また本発明方法で製造した野菜シートの食味は、乳酸発酵の程度と副材料が大きく影響する。例えば、副材料として唐辛子を配合すれば赤色で辛味を呈する。ウコンを配合すれば黄色を呈する。食感はやや弾力のある海苔のようであり、そのまま食してもよいが、のり巻きの海苔の代わりに使うこともできるし、野菜や肉を巻いて食す際の食材としても使える。また、室温放置で、10カ月以上、一般生菌数の増殖がなく、カビも発生しないので保存性に優れている。
以下本発明の実施例を説明する。
(実施例1)
白菜5kgを4つ割にしてから水洗・殺菌後に裁断してから3重量%の食塩水2.5kgを加え、白菜の50重量%の重石をした。一晩放置後に水を切り、加水して5kgにしてから、唐辛子と、魚醤および塩辛からなる副材料1kgを混合し、漬け液がpH4.0になるまで、15℃で、20日間放置した。このように発酵させた野菜と発酵液をフードプロセッサーで摩砕し、この摩砕物をパン生地調製用ミキサーに入れ、摩砕物の25重量%の小麦粉を加えてから1時間混練しペーストにした。ペーストを、120℃に加熱した電熱回転型焼成ドラムで焼成し、厚さ0.3〜0.4mm、200×190mmのシート状に成形した。焼成時間は4〜5秒/枚、約6g/枚とした。野菜シートは唐辛子を入れてあるので赤色の色調となった。発酵野菜の一般成分と乳酸菌数の測定結果を表1に示した。
表1から発酵野菜は乳酸菌が6.0×109 cfu/gであることから、乳酸発酵が十分に行われていた。また、15℃で20日間発酵させたので、発酵野菜の乳酸発酵は、キムチ等々の漬物に常在するLactobacillus plantarum と、Lactobacillus brevis、Leuconostoc mesenteroides 、storeptococcus faecalis 、Lactococcus lactis等々によるものと考えられる。また、抗菌活性のあるナイシン産生菌のLactococcus lactisも増殖している。また、腸管内で整腸作用を呈する耐熱性の有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance )が生存している。また、野菜の糖類は発酵中に分解されるので、炭水化物は、セルロースやペクチン質等々の食物繊維によるものと考えられる。
野菜シートの一般成分と一般生菌数を表2に示した。
表2から野菜シートの食塩は2.6mg/100gであった。野菜シートは1枚が約6gなので、シート1枚当たりの食塩換算含量は約62mgである。発酵野菜は糖類を含まないので、炭水化物は、野菜のセルロースや繊維などの食物繊維の他に、結着剤として混練した小麦粉のデンプンに由来するものである。また、野菜シート1枚は約4〜5秒で焼成したので、一般生菌数には腸管内で整腸作用を呈する耐熱性の有胞子性乳酸菌(Bacillus coagulance )も含まれると思われる。
表3は野菜シートのγ−アミノ酪酸とアラニンの含有量である。
表3から野菜シートのγ−アミノ酪酸は生白菜の約114.4倍、アラニンは約2.9倍であった。γ−アミノ酪酸には、高血圧の予防機能やストレス緩和作用のあることが知られている。野菜シートは1枚が約6gなので、1枚に約5.5mgのγ−アミノ酪酸が含まれる。摂取の目安量は10〜20mg/日と言われているので、野菜シート1枚には目安量のおおよそ50%が含まれていることになる。
(実施例2)
次に請求項2に対応する実施例について説明する。白菜5kgを4つ割にしてから水洗・殺菌後に、微塵切りにした市販のスンキ漬け0.5kgを混合し、pH4.0になるまで、15℃で20日間放置した。これに、副材料として唐辛子とグルタミン酸ナトリウムの混合物0.5kgを混合し、フードプロセッサーで摩砕し摩砕物とした。次にパン生地調製用ミキサーに入れ、摩砕物の20%量の、小麦粉(中力粉)・摩り下ろしたヤマイモ・コンブからなる結着剤を加え、1時間混練しペーストにした。この時の小麦粉は結着剤の70%、摩り下ろしたヤマイモは27%、コンブは3%とした。このペーストを、120℃に加熱した電熱回転型焼成ドラムで焼成し、厚さ0.3〜0.4mm、200×190mmのシート状に成形した。焼成所要時間は4〜5秒/枚、6g/枚とした。表4に無塩野菜シートの一般成分と一般生菌数を示した。
表4から野菜シートのナトリウムは原料野菜に由来すると思われる。また、食塩の分析値は0であった。従ってこの加工法で製造した野菜シートは無塩である。また、原料にスンキ漬けを混合した後発酵させたので、常在菌の有胞子性乳酸菌も増殖している。この野菜シートを室内に6カ月間放置し、一般生菌数を測定し、カビ発生の有無を調べた保存試験の結果を表5に示した。
表5に示したように、野菜シートをプラスチック袋に封入し、5〜11月までの6カ月間、室内に放置した結果、無発酵野菜を原料にして製造した野菜シートは放置後5日で一般生菌数が3.5×108 に増菌し、黒カビが一面に増殖していた。従って、無発酵野菜を原料にした野菜シートは保存性が極めて悪い。しかし、発酵野菜を原料にした本発明の野菜シートは180日経過しても一般生菌数の増殖も少なく、カビも発生しなかった。この結果、発酵野菜を原料にした野菜シートは、保存性が極めて高く、この高い保存性は乳酸発酵産生物質の乳酸やナイシンによると考えられる。
本発明の野菜シートは野菜の乳酸発酵産生物質であるγ−アミノ酪酸、アラニン、乳酸等々や、唐辛子、ショウガ、ウコン粉等々に由来する機能性成分を含み、保存性も高いので、いわゆる健康機能を訴求できる新規の食品または食品資材として広く適用することができる。さらに、カット野菜や浅漬け製造時の規格外野菜や、未利用資源の皮部、茎部、芯部や、豊作時に生産調整の為に廃棄される野菜や、冷凍または乾燥野菜も原料として利用することができるので、六次産業の技術として提案できる。

Claims (3)

  1. 野菜に、唐辛子、ショウガ、ウコンから選ばれた少なくとも1種の機能性食材と調味料とを混合した副材料を混合してpH2.5〜5.0に発酵させる発酵工程と、発酵後の野菜と副材料を摩砕する摩砕工程と、摩砕した野菜と副材料に結着剤を混練してペーストにするペースト工程と、このペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成する焼成工程とからなる乳酸菌及びその産生物質を有することを特徴とする野菜シートの製造方法。
  2. 野菜をpH2.5〜5.0に発酵させる発酵工程と、発酵した野菜に、唐辛子、ショウガ、ウコンから選ばれた少なくとも1種の機能性食材と調味料とを混合した副材料を混合する混合工程と、混合した発酵野菜と副材料を摩砕する摩砕工程と、摩砕した野菜と副材料に結着剤を混練してペーストにするペースト工程と、このペーストを100〜130℃に加熱した電熱回転型円形ドラムの表面に順次付着させながら回転させて連続的にシート状に延ばして焼成する焼成工程とからなる乳酸菌及びその産生物質を保有することを特徴とする野菜シートの製造方法。
  3. 結着剤として、小麦粉の中力粉、またはこれにヤマイモ若しくは海藻類を添加して用いることを特徴とする請求項1または2記載の野菜シートの製造方法。
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