JP5874210B2 - ダイオード - Google Patents

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  • Metal-Oxide And Bipolar Metal-Oxide Semiconductor Integrated Circuits (AREA)

Description

本発明は、ダイオードに関する。
ダイオードは、様々な用途で広く用いられており、例えば、入力電圧を変圧(昇圧又は降圧)して出力する電力変換装置のコンバータ回路、又は入力電圧を直流と交流の間で変換して出力する電力変換装置のインバータ回路で用いられている。この種のダイオードは、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)又はIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子に対して逆並列に接続されており、フリーホイールダイオード(Free Wheel Diode)と称される。ダイオードでは、フリーホイールダイオードに限らず、リカバリ特性の改善と高耐圧化とを両立させる技術の開発が望まれている。
一般的に、ダイオードのリカバリ特性と耐圧は、アノード領域の不純物濃度に依存する。例えば、アノード領域の不純物濃度を薄くすれば、順方向電圧が印加されているときに、アノード領域から注入されるキャリア量が抑えられ、逆回復電荷量(Qrr)が減少し、リカバリ時の損失が低下する。ところが、アノード領域の不純物濃度を薄くすると、逆方向電圧が印加されているときに、空乏層がアノード領域を超えてアノード電極に達するリーチスルー現象が生じてしまう。アノード領域にリーチスルー現象が生じると、逆方向電流が増加して耐圧が低下してしまう。
特許文献1及び非特許文献1には、リカバリ特性の改善と高耐圧化とを両立させる技術の一例が開示されている。特許文献1及び非特許文献1には、IGBTとダイオードが一体化した逆導通型IGBTの例が開示されている。図7に、非特許文献1に開示される逆導通型IGBTのうちのダイオード範囲の構成を示す。
図8に示されるように、ダイオード100は、n型の半導体基板120を用いて形成されており、n型のカソード領域122とn型のバッファ領域123とn型のドリフト領域124とn型のバリア領域126とp型のアノード領域127と絶縁トレンチ136を備えている。絶縁トレンチ136は、絶縁膜134とポリシリコン部132とを有しており、IGBT範囲の絶縁トレンチゲートと同時に形成される。ポリシリコン部132は、アノード領域127と同一の電位に固定されていてもよいし、電気的に絶縁されたフローティングであってもよい。
ダイオード100では、バリア領域126が設けられていることを1つの特徴としている。バリア領域126は、アノード領域127から注入される正孔に対して電位障壁を形成する。このため、バリア領域126が設けられていると、順方向電圧が印加されているときに、アノード領域127から注入される正孔の注入量が抑えられ、リカバリ特性が改善される。
正孔の注入量をさらに抑えるためには、バリア領域126の不純物濃度を濃くするのが望ましい。しかしながら、バリア領域126の不純物濃度を濃くすると、アノード領域127からドリフト領域124に向けて伸びる空乏層の幅が抑えられ、バリア領域126において電界が集中し、ダイオード100の耐圧が低下する。
これに対し、ダイオード100では、絶縁トレンチ136が設けられていることを1つの特徴としている。絶縁トレンチ136が設けられていると、逆方向電圧が印加されているときに、絶縁トレンチ136の底面に電界を集中させることができる。このため、ダイオード100の耐圧は、例えば絶縁トレンチ136のメサ幅(隣り合う絶縁トレンチ136間の距離)のような絶縁トレンチ136の形態に依存させることができるので、絶縁トレンチ136の形態によって必要な耐圧を確保しながら、バリア領域126の不純物濃度を濃くすることができる。この結果、順方向電圧が印加されてるときに、アノード領域127から注入される正孔の注入量をさらに抑えることができるので、リカバリ特性をさらに改善することができる。このように、バリア領域126と絶縁トレンチ136を組合わせる技術は、リカバリ特性の改善と高耐圧化とを両立させるのに有用である。
特開2008−47565号公報(特に、図6参照)
三菱電機技報 2007年 Vol.81 No.5 「モータ制御用RC−IGBT」
上記したように、絶縁トレンチ136が設けられていると、絶縁トレンチ136の底面に電界を集中させることができるので、バリア領域126の電界集中が緩和され、結果としてバリア領域126の不純物濃度を濃くすることができる。このような絶縁トレンチ136の底面における電界集中は、例えば絶縁トレンチ136のメサ幅に依存する。このため、絶縁トレンチ136の底面における電界集中は、微細加工技術に依存することになるので、バリア領域126の不純物濃度の高濃度化に限界がある。
本明細書で開示される技術は、絶縁トレンチとバリア領域を備えたダイオードにおいて、耐圧を維持しながらリカバリ特性を改善する技術を提供することを目的としている。
本願明細書で開示される技術では、バリア領域の下方に電界緩和領域が設けられていることを特徴としている。電界緩和領域は、バリア領域とは反対導電型で形成されている。このため、バリア領域の不純物濃度が濃い場合でも、バリア領域の下方からバリア領域を空乏化させることができるので、バリア領域の電界集中を緩和させることができる。電界緩和領域が設けられていると、耐圧を維持しながらバリア領域の不純物濃度をさらに濃くすることができる。この結果、アノード領域から注入されるキャリアの注入量がさらに抑えられ、リカバリ特性が改善される。
すなわち、本明細書で開示されるダイオードは、第1導電型の半導体基板を用いて形成されており、第2導電型のアノード領域と複数の絶縁トレンチと第1導電型のバリア領域と第2導電型の電界緩和領域を備えている。アノード領域は、半導体基板の表層部に形成されている。複数の絶縁トレンチは、半導体基板の表層部に形成されており、アノード領域を貫通している。バリア領域は、半導体基板の表層部に形成されており、アノード領域よりも深く、絶縁トレンチの底面よりも浅い深さに位置している。電界緩和領域は、半導体基板の表層部に形成されており、バリア領域よりも深く、絶縁トレンチよりも浅い深さに位置している。
本明細書で開示されるダイオードでは、バリア領域とアノード領域が離れているのが望ましい。ここで、バリア領域とアノード領域が離れているとは、バリア領域を形成するために導入した不純物とアノード領域を形成するために導入した不純物が同一濃度となる深さにおけるその濃度が、半導体基板の基板濃度よりも薄い場合をいう。あるいは、バリア領域を形成するために導入した不純物が存在する範囲とアノード領域を形成するために導入した不純物が存在する範囲が、半導体基板の厚み方向で完全に分離している場合をいう。このような関係にあると、バリア領域の形成位置は、バリア領域の製造ばらつきのみに依存する。このため、バリア領域の形成位置は、アノード領域の製造ばらつきの影響を受けないことから、素子毎のばらつきが抑えられる。
本明細書で開示されるダイオードは、第1導電型のカソード領域をさらに備えているのが望ましい。カソード領域は、半導体基板の裏層部に形成されている。この場合、カソード領域は、複数のカソード部分領域で構成されているのが望ましい。複数のカソード部分領域は、半導体基板の厚み方向に直交する面内において、分散して設けられていることを特徴としている。複数のカソード部分領域で構成されていると、半導体基板の裏層部から注入されるキャリア量が抑えられ、リカバリ時の損失が低下する。
本明細書で開示されるダイオードは、隣り合うカソード部分領域の間に設けられている第2導電型の介在領域をさらに備えているのが望ましい。この形態によると、半導体基板の裏層部から注入されるキャリア量がさらに抑えられ、リカバリ時の損失がさらに低下する。
本明細書で開示されるダイオードでは、バリア領域の下方に電界緩和領域が設けられているので、バリア領域の電界集中が緩和される。このため、ダイオードの耐圧を維持しながらバリア領域の不純物濃度を濃くし、リカバリ特性を改善することができる。
第1実施例の縦型ダイオードの要部断面図を示す。 逆回復電荷量(Qrr)のバリア領域のピーク濃度に対する依存性を示す。 逆回復電荷量(Qrr)の耐圧に対する依存性を示す。 第1実施例の縦型ダイオードの変形例の要部断面図を示す。 第1実施例の縦型ダイオードの変形例の不純物濃度分布を示す。 第2実施例の縦型ダイオードの要部断面図を示す。 第3実施例の縦型ダイオードの要部断面図を示す。 従来の縦型ダイオードの要部断面図を示す。
本願明細書で開示される技術の特徴を整理しておく。
(第1特徴)ダイオードは、半導体基板の表面から順に、p型のアノード領域と、n型のバリア領域と、p型の電界緩和領域と、n型のドリフト領域とを有する。アノード領域とバリア領域の間に、n型の上側ドリフト領域が設けられていてもよい。
(第2特徴)絶縁トレンチは、半導体基板の表面から裏面に向けて伸びるトレンチを利用して形成される。絶縁トレンチでは、少なくともトレンチの内壁を被覆するように絶縁体が設けられている。絶縁トレンチは、トレンチ内に充填される絶縁体のみで構成されていてもよく、絶縁膜とその絶縁膜で被覆される導電体で構成されていてもよい。後者の場合、導電体は、アノード領域と同一の電位に固定されていてもよく、電気的に絶縁されたフローティングであってもよい。なお、絶縁トレンチは、耐圧を確保するために、絶縁膜とその絶縁膜で被覆される導電体で構成されているのが望ましい。
(第3特徴)バリア領域は、イオン注入技術を利用して形成された拡散領域であってもよい。この場合、バリア領域は、半導体基板の厚み方向に観測したときに、極大値となるピーク濃度を有する。
(第4特徴)電界緩和領域は、イオン注入技術を利用して形成された拡散領域であってもよい。この場合、電界緩和領域は、半導体基板の厚み方向に観測したときに、極大値となるピーク濃度を有する。
(第5特徴)電界緩和領域のピーク濃度は、約1×1015〜5×1016cm−3の範囲であるのが望ましい。この濃度範囲であれば、p型のアノード領域とn型のバリア領域とp型の電界緩和領域とn型のドリフト領域で構成される寄生サイリスタが動作するのを抑制することができる。
(第6特徴)ダイオードには、ライフタイム制御用の欠陥領域が形成されていない。このような欠陥領域が形成されていなくても、逆回復電荷量(Qrr)が十分に低く、リカバリ時の損失が小さい。
以下、図面を参照して、本実施例の逆導通型IGBTに内蔵される縦型ダイオードを説明する。本実施例の逆導通型IGBTは、入力電圧を直流と交流の間で変換して出力する車載用の電力変換装置のインバータ回路に用いられる。逆導通型IGBTは、半導体基板内にIGBT範囲とダイオード範囲を備えており、IGBT範囲には縦型IGBTを構成するための構造が形成されており、ダイオード範囲には縦型ダイオードを構成するための構造が形成されている。本実施例の縦型ダイオードは、PiNダイオードと称されるタイプである。
図1に示されるように、ダイオード10は、n型のシリコン単結晶の半導体基板20を用いて形成されており、n型のカソード領域22とn型のバッファ領域23とn型のドリフト領域24とp型の電界緩和領域25とn型のバリア領域26とp型のアノード領域27と絶縁トレンチ36を備えている。
カソード領域22は、イオン注入技術を利用して、半導体基板20の裏層部にリンイオンを導入して形成されている。カソード領域22は、半導体基板20の裏面に形成されている図示しないカソード電極に接続されている。カソード領域22を形成するイオン注入工程では、ピーク濃度が半導体基板20の基板濃度を超える条件で実施される。一例では、カソード領域22のドーズ量は約1×1014〜1×1016cm−2であり、ピーク濃度が約1×1018〜1×1020cm−3であるのが望ましい。
バッファ領域23は、イオン注入技術を利用して、半導体基板20の裏層部にリンイオンを導入して形成されている。バッファ領域23を形成するイオン注入工程では、ピーク濃度が半導体基板20の基板濃度を超える条件で実施される。一例では、バッファ領域23のドーズ量は約1×1012〜1×1014cm−2であり、ピーク濃度が約1×1016〜1×1018cm−3であるのが望ましい。
ドリフト領域24は、他の拡散領域を形成した残部である。ドリフト領域24の不純物濃度は、半導体基板20の基板濃度と実質的に一致しており、厚み方向に一定である。一例では、ドリフト領域24の不純物濃度は約1×1013〜1×1015cm−3であるのが望ましい。
電界緩和領域25は、イオン注入技術を利用して、半導体基板20の表層部にボロンイオンを導入して形成されている。電界緩和領域25を形成するイオン注入工程では、ピーク濃度が半導体基板20の基板濃度を超える条件で実施される。そのピーク濃度が形成される深さは、バリア領域26の下端よりも深く、絶縁トレンチ36の底面よりも浅い深さに調整される。一例では、電界緩和領域25のドーズ量は約1×1011〜5×1012cm−2であり、ピーク濃度が約1×1015〜5×1016cm−3であるのが望ましい。また、電界緩和領域25のピーク深さは約2.0〜3.5μmであるのが望ましい。電界緩和領域25は、電気的にフローティングであるのが望ましい。
バリア領域26は、イオン注入技術を利用して、半導体基板20の表層部にリンイオンを導入して形成されている。バリア領域26を形成するイオン注入工程では、ピーク濃度が半導体基板20の基板濃度を超える条件で実施される。そのピーク濃度が形成される深さは、アノード領域27の下端よりも深く、絶縁トレンチ36の底面よりも浅い深さに調整される。一例では、バリア領域26のドーズ量は約1×1011〜1×1013cm−2であり、ピーク濃度が約1×1015〜1×1017cm−3であるのが望ましい。また、バリア領域26のピーク深さは約1.5〜3.0μmであるのが望ましい。バリア領域26は、電気的にフローティングであるのが望ましい。また、図1に示されるように、バリア領域26と電界緩和領域25は接触しているのが望ましい。
アノード領域27は、イオン注入技術を利用して、半導体基板20の表層部にボロンイオンを導入して形成されている。アノード領域27は、半導体基板20の表面に形成されている図示しないアノード電極に接続されている。アノード領域27を形成するイオン注入工程では、ピーク濃度が半導体基板20の基板濃度を超える条件で実施される。一例では、アノード領域27のドーズ量は約5×1011〜1×1014cm−2であり、ピーク濃度が約1×1016〜1×1018cm−3であるのが望ましい。また、アノード領域27の下端の深さは約0.5〜1.0μmであるのが望ましい。
絶縁トレンチ36は、絶縁膜34とその絶縁膜34で被覆されるポリシリコン部32とを有している。絶縁トレンチ36は、IGBT範囲の絶縁トレンチゲートと同時に形成される。ポリシリコン部32は、アノード領域27と同一の電位に固定されていてもよいし、電気的に絶縁されたフローティングであってもよい。一例では、平面視したときに、絶縁トレンチ36のレイアウトはストライプ状である。また、絶縁トレンチ36の底面の深さは約3.0〜7.0μmであり、メサ幅W1は約1〜7μmであり、ピッチ幅W2は約2〜8μmであるのが望ましい。
次に、ダイオード10の特徴を説明する。ダイオード10は、バリア領域26を備えていることを1つの特徴としている。バリア領域26は、アノード領域27から注入される正孔に対して電位障壁を形成する。このため、バリア領域26が設けられていると、順方向電圧が印加されているときに、アノード領域27から注入される正孔の注入量が抑えられ、リカバリ特性が改善される。
ダイオード10はさらに、絶縁トレンチ36を備えていることを1つの特徴としている。絶縁トレンチ36が設けられていると、逆方向電圧が印加されているときに、絶縁トレンチ36の底面に電界を集中させることができる。このため、絶縁トレンチ36の底面に電界を集中させることで、バリア領域26の電界集中を緩和させることができる。この結果、バリア領域26の不純物濃度を濃くすることができるので、アノード領域27から注入される正孔の注入量が抑えられ、リカバリ特性が改善される。
ダイオード10はさらに、バリア領域26の下方に電界緩和領域25が設けられていることを特徴としている。電界緩和領域25は、バリア領域26の不純物濃度が濃い場合でも、バリア領域26の下方からバリア領域を空乏化させることができるので、バリア領域26の電界集中をさらに緩和することができる。このため、電界緩和領域25が設けられていると、ダイオード10の耐圧を維持しながらバリア領域26の不純物濃度をさらに濃くすることができる。この結果、アノード領域27から注入される正孔の注入量がさらに抑えられ、リカバリ特性が改善される。
図2に、逆回復電荷量(Qrr)のバリア領域26のピーク濃度に対する依存性を示す。図2に示されるように、バリア領域26のピーク濃度が増加すると、逆回復電荷量(Qrr)が減少する。このため、バリア領域26のピーク濃度が増加すると、リカバリ時の損失が低下する。
図3に、逆回復電荷量(Qrr)の耐圧に対する依存性を示す。図3に示されるように、比較例(電界緩和領域25が形成されていない例であり、図8に対応する)では、逆回復電荷量(Qrr)が減少すると(すなわち、バリア領域26のピーク濃度が増加すると)、耐圧が急激に悪化している。この結果は、バリア領域26における電界集中が原因だと推察される。一方、本実施例のダイオード10では、逆回復電荷量(Qrr)が減少しても(すなわち、バリア領域26のピーク濃度が増加しても)、耐圧が維持されている。この結果は、電界緩和領域25がバリア領域26の電界集中を緩和したことが理由だと推察される。このように、ダイオード10は、バリア領域26と絶縁トレンチ36と電荷緩和領域25を備えているので、高耐圧で低逆回復電荷量(Qrr)という特性を具備することができる。
(ダイオード10の変形例)
図4に、実施例1のダイオード10の変形例を示す。このダイオード10Aは、バリア領域26とアノード領域27が離れていることを特徴としている。図5に、半導体基板20の表面からの深さと不純物濃度の関係を示す。図5に示されるように、ダイオード10Aでは、バリア領域26を形成するために導入した不純物とアノード領域27を形成するために導入した不純物が同一濃度となる深さにおけるその濃度が、半導体基板20の基板濃度よりも薄い。このため、バリア領域26とアノード領域27は、上側ドリフト領域24aによって隔てられていることを特徴としている。
図1に示されるダイオード10では、バリア領域26とアノード領域27が接触している。この場合、バリア領域26とアノード領域27の境界の深さは、バリア領域26を形成するために導入された不純物とアノード領域27を形成するために導入された不純物が同一濃度となる位置である。このような深さは、不純物の導入工程及び拡散工程に関する製造ばらつきに依存して変動する。
図4に示される変形例のダイオード10Aでは、バリア領域26を形成するために導入した不純物とアノード領域27を形成するために導入した不純物が同一濃度となる深さにおけるその濃度が、半導体基板20の基板濃度よりも薄い。通常、半導体基板20の基板濃度のばらつきは小さいので、この場合、バリア領域26の形成位置は、バリア領域26の製造ばらつきにのみ依存する。このため、ダイオード10では、バリア領域26を所望の位置に形成することができるので、素子毎の特性のばらつきが抑えられる。なお、バリア領域26とアノード領域27は、0.5μm以上離れているのが望ましい。換言すれば、上側ドリフト領域24aの厚みが0.5μm以上であるのが望ましい。
図6に示されるように、ダイオード11では、カソード領域22が複数のカソード部分領域22aで構成されていることを特徴としている。複数のカソード部分領域22aは、半導体基板20の厚み方向に直交する面内において、分散して設けられている。なお、一例では、複数のカソード部分領域22aは、平面視したときにストライプ状であり、絶縁トレンチ36に平行である。また、カソード部分領域22aは、厚み方向において、アノード領域27、バリア領域26及び電界緩和領域25の下方に配置されている。
ダイオード11も、半導体基板20の表層部にバリア領域26と絶縁トレンチ36が形成されている。このため、アノード領域27から注入される正孔量が低く抑えられている。この場合、逆回復電荷量(Qrr)は、カソード領域22から注入される電子量が支配的となる。カソード領域22が複数のカソード部分領域22aで構成されていると、半導体基板20の裏層部に占めるカソード領域22の面積が減少するので、カソード領域22から注入される電子量が減少し、逆回復電荷量(Qrr)がさらに減少する。
なお、半導体基板20の表層部にバリア領域26と絶縁トレンチ36が形成されていないような場合、逆回復電荷量(Qrr)はアノード領域27から注入される正孔が支配的であり、カソード領域22を分散させる効果がほとんど発揮されない。本実施例のダイオード11のように、半導体基板20の表層部にバリア領域26と絶縁トレンチ36が形成されているような場合、カソード領域22を分散させる効果が顕著に発揮される。すなわち、半導体基板20の表層部にバリア領域26と絶縁トレンチ36を形成する技術とカソード領域22を分散させる技術の組合わせは極めて有用である。
図7に示されるように、ダイオード12は、隣り合うカソード部分領域22aの間に設けられているp型の介在領域23をさらに備えていることを特徴としている。この形態によると、半導体基板20の裏層部から注入されるキャリア量がさらに抑えられ、リカバリ時の損失がさらに低下する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
20:半導体基板
24:ドリフト領域
25:電界緩和領域
26:バリア領域
27:アノード領域
32:ポリシリコン部
34:絶縁膜
36:絶縁トレンチ

Claims (3)

  1. 第1導電型の半導体基板を用いたダイオードであって、
    前記半導体基板の表層部に形成されている第2導電型のアノード領域と、
    前記半導体基板の前記表層部に形成されており、前記アノード領域を貫通している複数の絶縁トレンチと、
    前記半導体基板の前記表層部に形成されており、前記アノード領域よりも深く、前記絶縁トレンチよりも浅い深さに位置する第1導電型のバリア領域と、
    前記半導体基板の前記表層部に形成されており、前記バリア領域よりも深く、前記絶縁トレンチよりも浅い深さに位置する第2導電型の電界緩和領域と、を備えており、
    前記バリア領域と前記アノード領域が離れており、
    前記バリア領域と前記アノード領域の間には、前記半導体基板の基板濃度を超えるように不純物が導入された領域が存在しない、ダイオード。
  2. 前記半導体基板の裏層部に形成されており、前記半導体基板の基板濃度よりも濃い第1導電型のカソード領域をさらに備えており、
    前記カソード領域は、複数のカソード部分領域で構成されており、
    複数の前記カソード部分領域は、前記半導体基板の厚み方向に直交する面内において、分散して設けられている請求項1に記載のダイオード。
  3. 隣り合う前記カソード部分領域の間に設けられている第2導電型の介在領域をさらに備えている請求項2に記載のダイオード。
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