JP5863248B2 - 光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの分岐方法 - Google Patents

光ファイバケーブル、光ファイバケーブルの分岐方法 Download PDF

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本発明は、分岐作業性に優れる光ファイバケーブルおよび光ファイバケーブルの分岐方法に関するものである。
従来、光ファイバケーブルは、光ファイバ心線が外被で被覆されたものが用いられている。使用時には、このような光ファイバケーブルが分岐され、複数の住居等に配線される。
このような、光ファイバケーブルとしては、例えば、ケーブルシース内面にシース内に食い込む長手方向に連続するノッチを有し、ケーブルシース外面にノッチと並行してノッチの両側を挟んで付け根部が位置する突起を有している光ファイバケーブルがある(特許文献1)。
また、ケーブルシース外面に中心に向かってシース内に食い込む長手方向に連続する少なくとも2つの外部ノッチを有し、この2つの外部ノッチの先端間を結ぶ直線がシース内に存在し、ケーブルシース内面に外部ノッチと並行して2つの外部ノッチの間に位置するようにシース引裂き手段が形成されている光ファイバケーブルがある(特許文献2)。
特開2008−158177号公報 特開2008−158368号公報
しかしながら、特許文献1のように突起を形成したのでは、ファイバケーブルをドラムに巻きつける際に巻き付け性が悪く、また、敷設時に、このような小突起は容易に摩耗して損傷する恐れがある。また、特許文献1、2いずれの光ファイバケーブルも、内部の光ファイバ心線を分岐させる場合には切断工具が用いられるが、作業が危険であり、切断工具がすべる恐れがある。
一方、このような光ファイバケーブルの被覆の除去には、専用の切断工具ではなく、一般のカッタ等の刃物を用いる場合もある。この場合には、内部に設けられる口開け起点部に対して、外周から少しずつ刃物で被覆部を除去していく必要がある。
しかしながら、このような方法では、内部の口開け起点部を露出させるために時間を要し、また、内部の光ファイバを傷める恐れがある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、被覆除去が容易であり、分岐作業性に優れる光ファイバケーブル等を提供することを目的とする。
前述した目的を達するために第1の発明は、ファイバ心線と、前記ファイバ心線を被覆する被覆部と、を少なくとも有し、ケーブル部が略円断面形状である光ファイバケーブルであって、前記被覆部の断面において、前記被覆部の外周から複数のV字状のノッチが形成され、少なくとも一対の前記ノッチは、前記被覆部の互いに対向する位置に設けられ、一対の前記ノッチの先端同士を結ぶ直線状の切断線上に口開け起点部が配置され、前記被覆部の除去の際に、刃物の直線状の刃面が一対の前記ノッチの下端面と面接触するように、前記ノッチ部の下端面が、前記切断線と平行であり、かつ、前記切断線の延長線と略一致することを特徴とする光ファイバケーブルである。
前記口開け起点部は、引き裂き紐であってもよい。この場合、前記切断線が、前記引き裂き紐の中心から前記引き裂き紐の外端までの間に位置するように前記ノッチが設けられることが望ましい。
前記口開け起点部は、前記光ファイバ心線を保持する緩衝層に連通する凹部であってもよい。この場合、前記凹部には、充填剤が充填されてもよい。
前記ノッチ部には、充填剤が充填されてもよい。
第1の発明によれば、被覆部の外周に少なくとも一対のノッチが設けられ、このノッチの先端を結ぶ切断線上に、口開け起点部が設けられる。したがって、ノッチの先端を結ぶように刃物で切断することで、確実に口開け起点部を露出させることができる。この際、当該切断線上にノッチの上端面または下端面が重ならないため、ノッチ先端をつなぐ切断線上を確実に刃物で切断することができる。
また、ノッチ部の下端面が、切断線と平行であり、かつ、切断線の延長線と略一致するため、被覆部の除去の際に、刃物の刃面がノッチ部の下端面と面接触する。すなわち、刃物でファイバの被覆部を軸方向に沿って切断する際、刃物を当該下端面に沿うように移動させることができる。このため、被覆除去時に刃物をまっすぐに移動させることができる。したがって、内部の光ファイバ心線を損傷したり、口開け起点部を過剰に切れ込んだりすることがない。また、一度の切断で確実に口開け起点部を露出させることができる。
口開け起点部としては、引き裂き紐を用いることができる。この場合、切断線の位置が、引き裂き紐の中心から外端(光ファイバケーブルの中心から見て、径方向に最外周となる部位であって、当該中心に対して引き裂き紐の外接円との接点)の間に位置するようにノッチが設けられることで、当該切断線に沿って刃物で被覆部を除去する際に、引き裂き紐を切断したり、内部の光ファイバ心線を損傷したりすることがない。
また、口開け起点部として、緩衝層に連通する凹部とすることもできる。この場合、充填剤を凹部に充填することで、凹部に光ファイバ心線が入り込むことを防止することができる。このため、被覆部を除去する際に、内部の光ファイバ心線を損傷することがない。
また、外周のノッチ部に充填材を設けることで、外形が略円断面となり、例えばクロージャ等に配置する場合でも、光ファイバケーブル外周の止水が容易となる。
第2の発明は、ファイバ心線と、前記ファイバ心線を被覆する被覆部と、を少なくとも有し、ケーブル部が略円断面形状であり、前記被覆部の断面において、前記被覆部の外周から複数のV字状のノッチが形成され、少なくとも一対の前記ノッチは、前記被覆部の互いに対向する位置に設けられ、前記ノッチ部の上端面および下端面のいずれもが、一対の前記ノッチの先端同士を結ぶ直線状の切断線の延長線との重なり部を形成せず、下端面が、前記切断線と平行であり、かつ、前記切断線の延長線と略一致している光ファイバケーブルの分岐方法であって、前記切断線上に引き裂き紐が配置され、直線状の刃面を具備する刃物を用いて、前記光ファイバケーブルの分岐対象部に対して、前記ノッチの先端の深さまで前記刃物を入れ、前記被覆部の一部をそぎ落として前記刃物の幅よりも長い範囲に切除部を作成し、前記刃物の直線状の刃面が一対の前記ノッチの下端面と面接触するように前記切除部に前記刃物を配置して、前記ノッチに沿って前記光ファイバケーブルの軸方向に前記刃物を移動させることによって前記切断線を直線状に切断して前記引き裂き紐を露出させ、前記引き裂き紐を引き剥がすことで、内部のファイバ心線を露出させ、前記ファイバ心線を取り出すことを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法である。
第2の発明によれば、内部の光ファイバ心線が刃で損傷を受けることがなく、容易に分岐を行うことができる。
本発明によれば、被覆除去が容易であり、分岐作業性に優れる光ファイバケーブル等を提供することができる。
光ファイバケーブル1の断面図であり、(a)は全体図、(b)は(a)のA部拡大図。 切断線13と引き裂き紐11の位置関係を示す図。 被覆部の一部を切除して切除部18を設ける工程を示す図で、(a)は正面図、(b)は断面図。 刃物19によって被覆部を除去する工程を示す図で、(a)は正面図、(b)は断面図。 ノッチ5の形状を示す図で、(a)はノッチの上端面および下端面が切断線と重ならない状態を示す図、(b)は比較例として切断線と下端面とが重なる状態を示す図、(c)は比較例として切断線と上端面とが重なる状態を示す図。 望ましい切断線とノッチの形状とを示す図。 (a)は光ファイバケーブル30を示す断面図、(b)は光ファイバケーブル30aを示す断面図。 (a)は光ファイバケーブル40を示す断面図、(b)は光ファイバケーブル40aを示す断面図。 (a)は光ファイバケーブル1aを示す断面図、(b)は光ファイバケーブル30bを示す断面図。 光ファイバケーブル50を示す断面図。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。図1は、光ファイバ1の断面図であり、図1(a)は全体図、図1(b)は図1(a)のA部拡大図である。光ファイバケーブル1は、被覆部3、ファイバ心線7、テンションメンバ9、引き裂き紐11等により構成される。
光ファイバケーブル1の断面略中央位置には、複数のファイバ心線7が配置される。ファイバ心線7は、単心ファイバや、単心ファイバをバンドルしたユニット等であってもよく、テープ心線であっても良い。また、後述する保護層内部に入れる際に、フィルムやテープによって光ファイバ心線全体を縦添え巻きして一体化してもよい。なお、ファイバ心線としては例えば0.25mmΦの心線を用いることができる。
ファイバ心線7の外周には必要に応じて、緩衝層8が設けられる。緩衝層8は、例えばポリプロピレンヤーンなどの繊維等であり、ファイバ心線7を保持する部位である。なお、緩衝層8は、単に光ファイバ心線3の外周に配置されているのみであり、容易に除去することが可能である。緩衝層8としては、例えば1mm程度の厚みのポリプロピレンヤーンを用いることができる。
緩衝層8の外周には、被覆部3が設けられる。被覆部3としては、例えば、難燃ポリエチレン等の樹脂が使用できる。被覆部3の内部にはテンションメンバ9が埋設される。テンションメンバ9は、光ファイバケーブル1の張力を受け持つ部位である。テンションメンバ9としては、例えば鋼線、モノフィラメント、アラミド繊維等による繊維補強プラスチック等が使用できる。なお、被覆部3外径としては例えば8mm程度であり、テンションメンバ9としては1mmΦ程度とすればよい。
緩衝層8の外部であって、テンションメンバ9とは異なる位置には、口開け起点部である引き裂き紐11が設けられる。引き裂き紐11は、例えばポリエステル撚り糸を用いることができる。
被覆部3の外周面には複数(望ましくは二対以上であり、図では二対の例を示す)のノッチ5が設けられる。ノッチ5は少なくとも一対形成される。一対のノッチ5は、V字状のノッチ部であり、互いに対向する方向に向けて形成される。すなわち、ノッチ5は光ファイバケーブル1の中心方向に向けて形成されるものではない。
図1(b)に示すように、一対のノッチ5の先端同士を結ぶ線を切断線13とする。切断線13が後述する被覆部3の除去の際に、刃物で切断される部位となる。引き裂き紐11は、切断線13上に設けられる。なお、ノッチ5の深さ(切断線13の延長線と、光ファイバケーブル1の外周円との交点から、ノッチ5の先端までの長さ)は、1.2mm程度であればよい。ノッチ5の形状については詳細を後述する。
図2は、図1(b)のB部拡大図である。図2に示すように、切断線13は、引き裂き紐11の中心15から外端17(引き裂き紐11の光ファイバケーブルに対して最外周位置となる端部)の範囲(図中C)の位置となることが望ましい。このようにすることで、後述する被覆部除去作業時に、誤って引き裂き紐11や内部のファイバ心線が損傷を受けることを防止することができる。
次に、本発明にかかる光ファイバケーブル1を用いた分岐方法について説明する。図3は、被覆部3の一部を切除して切除部18を設ける工程を示す図であり、図3(a)は正面図、図3(b)は断面図である。まず、図3に示すように、光ファイバケーブル1の分岐対象部に対して、刃物で被覆部3の一部をそぎ落として切除部18を形成する。切除部18としては、使用される刃物の幅よりも長い範囲に形成されればよい。
なお、切除部18を形成する際には、ノッチ5が被覆部3を除去する範囲の目安となる。すなわち、図3(b)に示すように、対向する一対のノッチ5のそれぞれの先端の深さまで刃物を入れることで、刃物が切断線13よりも下部(光ファイバケーブルの中心方向)に入ることがない。したがって、刃物(切除部18)が緩衝層8等に入り込むことにより、内部のファイバ心線が損傷を受けることを防止することができる。
次に、図4に示すように、当該切除部18を起点として、刃物19により被覆部3を除去する。図4(b)に示すように、切除部18の略中央部(図3(a)における切除部18の直線部)に刃物19を配置すると、刃物19は切断線13上に配置される。したがって、刃物19をノッチ5に沿って光ファイバケーブル1の軸方向に移動させることで(図中矢印D方向)、刃物19によってノッチ5の上方(光ファイバケーブル1の径方向外周側)の被覆部3を除去することができる。
この際、刃物19は一対のノッチ5に沿って移動させることができるため、光ファイバケーブル1の軸方向にまっすぐに移動させることができる。すなわち、一回の切断(刃物19の移動)で、所定範囲の被覆部3を同じ深さで確実に除去することができる。この際、切断深さが一定となるため、内部のファイバ心線7が損傷を受けることがない。
所定範囲の被覆部3が除去されると、当該範囲には内部の引き裂き紐11が露出する。このため、引き裂き紐11を取り出して引っ張ることで被覆部3が引き裂かれて口開け部が形成される。したがって、口開け部より、内部のファイバ心線7を取り出すことができる。以上により、分岐作業が行われる。
次に、ノッチ5の形状について説明する。図5は、それぞれノッチ5の形状を変化させた光ファイバケーブル1の部分拡大図である。断面におけるノッチ5の一方の端面(内面)を上端面5aとし、他方の端面(内面)を下端面5bとする。すなわち、ノッチ5は上端面5aと下端面5bとにより構成される。ノッチ5の角度(上端面5aと下端面5bとの角度)としては、例えば25°程度でよい。
図5(a)に示すように、本発明では、切断線13の延長線を仮想すると、当該直線と、ノッチ5の上端面5aおよび下端面5bとが重なることがない。すなわち、ノッチ5の先端を通る切断線13の延長線によって、ノッチ5の上端面5aと下端面5bとが区分される。このようにすることで、切断面13を切断する際に、切断範囲が一対のノッチ5の先端同士の間のみとなる。
一方、図5(b)に示すように、ノッチ5が互いの対向方向から、光ファイバケーブル1の中心方向に向くように配置されると、ノッチ5の先端を通る切断線13の延長線の上方側(光ファイバケーブル1の外周方向)に、ノッチ5の上端面5aと下端面5bとの両方が位置する。すなわち、切断線13と下端面5bとの重なり部21が形成される。このため、切断面13を切断する際に、刃物によって重なり部21が削られるように切断される。したがって、切断抵抗が大きく、当該部位の切断屑が発生する。
同様に、図5(c)に示すように、ノッチ5が互いの対向方向から、光ファイバケーブル1の外周方向に向くように配置されると、ノッチ5の先端を通る切断線13の延長線の下方側(光ファイバケーブル1の中心方向)に、ノッチ5の上端面5aと下端面5bとの両方が位置する。すなわち、切断線13と上端面5aとの重なり部21が形成される。このため、切断面13を切断する際に、刃物によって重なり部21が削られるように切断される。したがって、切断抵抗が大きく、当該部位の切断屑が発生する。したがって、切断抵抗が大きく、当該部位の切断屑が発生する。
以上のように、本発明では、図5(a)で示すように、切断線13(の延長線)がノッチ5で被覆部3と重ならず、切断線13の延長円方向に開口することが望ましい。
なお、さらに望ましくは、図6に示すように、切断線13(の延長線)が、ノッチ5の上端面5aまたは下端面5bと平行となることが望ましい(図6は下端面5bと切断線13とが平行な場合を示す)。すなわち、ノッチ5の上端面5aまたは下端面5bと、切断線13の延長線とが略一致することが望ましい。
このようにすることで、図4に示すように、ノッチ5に沿って刃物19を移動させる際、例えば刃物19の下面とノッチ5の下端面5bとが面接触し、刃物19の上下方向の向きをより確実に一定にすることができる。したがって、刃物19で被覆部3を切断する際に、誤って引き裂き紐11やファイバ心線7等を切断することがない。
以上説明したように、本実施の形態によれば、内部の光ファイバ心線を傷つけることなく、容易に光ファイバケーブル1に対して分岐を行うことができる。また、被覆部3を刃物19で切除する際に、ノッチ5が設けられるため、誤って刃物19を深く入れ過ぎることがなく、また、引き裂き紐11が露出するまで少しずつ何度も刃物で被覆部をそぎ落とす必要がない。このため、分岐作業性に優れる。
また、ノッチ5の先端を通る切断線13の延長線によって、ノッチ5の上端面5aと下端面5bとが区分される。このため、刃物19で被覆部3を切断する際に、ノッチ5の上端面5aまたは下端面5bを削り取ることがない。また、刃物19の上下方向の向きを安定させることができる。
また、切断線13が引き裂き紐11の中心15から外端17の間に位置させることで、刃物19での切断時に引き裂き紐11や内部にファイバ心線7を切断することがない。
次に、他の実施の形態について説明する。なお、以下の実施の形態において、図1に示した光ファイバケーブル1と同様の機能を奏する構成については、図1と同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図7(a)は、光ファイバケーブル30を示す断面図である。光ファイバケーブル30は、光ファイバケーブル1に対し、引き裂き紐11に代えて凹部31が形成される点で異なる。口開け起点部である凹部31は、緩衝層8と連通する部位であり、被覆部3の内周面側に形成された凹みである。
凹部31は、対向する一対のノッチ5の先端を結ぶ線(図1(b)の切断線13)上に形成される。したがって、図3、図4に示すように、切断線を刃物で切断すると、切断面に凹部31を露出させることができる。したがって、凹部31によって被覆部3に口開け部を形成し、内部のファイバ心線7を取り出すことができる。
また、図7(b)に示すような光ファイバケーブル30aとしてもよい。光ファイバケーブル30aでは、前述した凹部31に充填剤33が充填される。充填剤33は、エラストマー(ゴム)のような低強度破断材料であり、例えば、EEA樹脂(エチレン・エチルアクリレート共重合樹脂)やEVA樹脂(エチレン・酢酸ビニル共重合樹脂)、熱可塑性エラストマー、ポリウレタン、シリコン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、中密度ポリオレフィン等を用いることができる。
充填剤33を凹部31に充填することで、内部のファイバ心線7が凹部31に嵌り込むことがない。このため、刃物で凹部31の一部を切除する際に、凹部31に嵌り込んだ光ファイバ心線を切断等することがない。
また、図8(a)に示すような光ファイバケーブル40としてもよい。光ファイバケーブル40は、凹部31にさらに引き裂き紐11が設けられるものである。すなわち、光ファイバケーブル1の引き裂き紐11が凹部31の内部に設けられるものである。このようにすることで、引き裂き紐11および凹部31両者の効果を得ることができる。
また、図8(b)に示すような光ファイバケーブル40aとしてもよい。光ファイバケーブル40aは、引き裂き紐11が設けられる凹部31に、さらに充填剤33が充填されるものである。このようにすることで、さらに充填剤33の効果を得ることができる。
また、図9(a)、図9(b)に示すように、ノッチ5に充填剤33が充填される光ファイバケーブル1a、30bを用いることもできる。ノッチ5に充填剤33が充填されることで、光ファイバケーブルの外周面を円断面形状とすることができる。このため、例えば、光ファイバケーブルの外周面にシールを設けて、止水が必要な部位に当該光ファイバケーブルを用いても、ノッチ5を通じて水等が浸入することがない。
また、本発明は、図10に示すような自己支持型の光ファイバケーブル50に対しても適用可能である。光ファイバケーブル50は、例えば光ファイバケーブル1と同様のケーブル部53に支持線51が連結されたものである。なお、自己支持型光ファイバケーブルに対しては、支持線51の部位を除く部位をケーブル部53とし、ケーブル部53が略円断面形状であれば本発明に含まれるものである。
以上、添付図を参照しながら、本発明の実施の形態を説明したが、本発明の技術的範囲は、前述した実施の形態に左右されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
たとえば、上記各実施形態で述べた各構成は、当然にそれぞれを組み合わせることができる。
1、1a、30、30a、30b、40、40a、50………光ファイバケーブル
3………被覆部
5………ノッチ
5a………上端面
5………下端面
7………ファイバ心線
8………緩衝層
9………テンションメンバ
11………切り裂き紐
13………切断線
15………中心
17………外端
18………切除部
19………刃物
21………重なり部
31………凹部
33………充填剤
51………支持線
53………ケーブル部

Claims (7)

  1. ファイバ心線と、前記ファイバ心線を被覆する被覆部と、を少なくとも有し、ケーブル部が略円断面形状である光ファイバケーブルであって、
    前記被覆部の断面において、
    前記被覆部の外周から複数のV字状のノッチが形成され、
    少なくとも一対の前記ノッチは、前記被覆部の互いに対向する位置に設けられ、
    一対の前記ノッチの先端同士を結ぶ直線状の切断線上に口開け起点部が配置され、
    前記被覆部の除去の際に、刃物の直線状の刃面が一対の前記ノッチの下端面と面接触するように、前記ノッチの下端面が、前記切断線と平行であり、かつ、前記切断線の延長線と略一致することを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記口開け起点部は、引き裂き紐であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記切断線が、前記引き裂き紐の中心から前記引き裂き紐の外端までの間に位置するように前記ノッチが設けられることを特徴とする請求項2記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記口開け起点部は、前記ファイバ心線を保持する緩衝層に連通する凹部であることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
  5. 前記凹部には、充填剤が充填されることを特徴とする請求項4記載の光ファイバケーブル。
  6. 前記ノッチには、充填剤が充填されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
  7. ファイバ心線と、前記ファイバ心線を被覆する被覆部と、を少なくとも有し、ケーブル部が略円断面形状であり、
    前記被覆部の断面において、
    前記被覆部の外周から複数のV字状のノッチが形成され、
    少なくとも一対の前記ノッチは、前記被覆部の互いに対向する位置に設けられ、
    前記ノッチの上端面および下端面のいずれもが、一対の前記ノッチの先端同士を結ぶ直線状の切断線の延長線との重なり部を形成せず、下端面が、前記切断線と平行であり、かつ、前記切断線の延長線と略一致している光ファイバケーブルの分岐方法であって、
    前記切断線上に引き裂き紐が配置され、
    直線状の刃面を具備する刃物を用いて、
    前記光ファイバケーブルの分岐対象部に対して、前記ノッチの先端の深さまで前記刃物を入れ、前記被覆部の一部をそぎ落として前記刃物の幅よりも長い範囲に切除部を作成し、
    前記刃物の直線状の刃面が一対の前記ノッチの下端面と面接触するように前記切除部に前記刃物を配置して、前記ノッチに沿って前記光ファイバケーブルの軸方向に前記刃物を移動させることによって前記切断線を直線状に切断して前記引き裂き紐を露出させ、
    前記引き裂き紐を引き剥がすことで、内部のファイバ心線を露出させ、前記ファイバ心線を取り出すことを特徴とする光ファイバケーブルの分岐方法。
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