JP2004077888A - 電線・ケーブル及び光ケーブル - Google Patents
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Abstract
【課題】被覆を手で容易に引き裂くことができ、心線や光ファイバ線を傷付けることなく外部に露出させられる電線・ケーブル及び光ケーブルを提供する。
【解決手段】被覆40の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を配設し、引裂き紐30で切裂き部41を切裂いて容易に被覆40を引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、能率良く光ファイバ線20を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆40の引裂きで光ファイバ線20に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線20を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、信頼性を高められる。
【選択図】 図1
【解決手段】被覆40の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を配設し、引裂き紐30で切裂き部41を切裂いて容易に被覆40を引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、能率良く光ファイバ線20を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆40の引裂きで光ファイバ線20に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線20を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、信頼性を高められる。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線・ケーブル、及び光通信用機器間配線に用いられる複数心の光ケーブルに関し、特に、各機器への接続の際の被覆除去作業(心線取出し作業)が容易で取扱い性に優れる電線・ケーブル、及び光ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電力供給や情報通信に用いられる電線やケーブルは、一般に一又は複数本の心線を樹脂材等で一括被覆を施した構造となっている。この電線やケーブルを各種機器に接続したり、接続用のコネクタを取付けたりする場合、端部で被覆を除去し、内部の心線を露出させる必要がある。
【0003】
また、近年、高速・広帯域の通信サービスが拡大しつつあるが、こうした通信サービスにおける情報伝達の主役を担う光ケーブルは、一般に一又は複数本の光ファイバ線とテンションメンバを並列配置し、樹脂材等で一括被覆を施した構造となっている。この光ケーブルを通信用機器に接続したり、接続用のコネクタを取付けたりする場合、ケーブル端部で被覆を除去し、内部の光ファイバ線を露出させる必要がある。
【0004】
従来、光ファイバ線を露出させるためには、光ケーブルの端部から所定長さの位置まで刃物等の工具を用いて被覆を切断し、切断して広げた被覆を切離す方法が一般に用いられていた。この場合、工具を使用して被覆を長手方向に切裂くために、誤って工具が光ファイバ線まで達すると光ファイバ線が傷付いてしまうという問題があった。このため、光ケーブルの被覆を切裂く際には、工具によって光ファイバ線を傷付けないよう細心の注意を払いながらの作業となり、作業性があまりよくなかった。
【0005】
近年、光ファイバ線を容易に露出させることのできる光ケーブルとして、高強度の合成繊維等からなる引き裂き紐を光ファイバ線に沿わせ、その外周に被覆を形成した引き裂き紐付きの光ケーブルが提案されている。このような引き裂き紐付きの光ケーブルは、引き裂き紐を光ケーブルの末端から光ケーブル外方へ離れる方向に引張って被覆を引き裂くことにより、傷付ける危険もなく光ファイバ線を露出させられる仕組みである。
【0006】
また、光ファイバ線を容易に露出させることのできる他の光ケーブルとして、被覆外面で長手方向に連続する複数個の切裂き用溝を設けたものも近年提案されている。こうした切裂き用溝付きの光ケーブルで内部の光ファイバ線を取り出す際は、ケーブル端部で切裂き用溝位置を中心に被覆を開くと、切裂き用溝先端と光ファイバ線との間での切裂きが進行し、被覆が外れて光ファイバ線を露出させられることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ケーブルは以上のように構成されていたことから、従来前者の引裂き紐を設けている場合、被覆の材質によっては、被覆の耐引裂き性により容易には引裂きが行えず、引裂き紐に大きな引張り力を加える必要があり、作業性があまり改善されないという課題を有していた。
【0008】
一方、従来後者の光ケーブルでは、切裂き用溝の被覆内部方向への深さを深くすると溝成形時に被覆内部の光ファイバ線に傷を付ける危険性があるため、溝深さが比較的浅くなっており、被覆を手で引裂く際に大きな力を加える必要があったり、手の力のみでは引裂けず、溝にカッターなどの刃物を挿入して長手方向に一旦切り込みを入れた上で引裂かなければならない状況もあった。このため、あまり作業性の改善につながらないばかりでなく、刃物で溝部分に切り込みを入れる際に、内部の光ファイバ線を傷付ける危険性もあるという課題を有していた。
【0009】
また、従来の電線・ケーブルにおいて、被覆は容易に破断、剥離せず、引裂きにくい丈夫な材質となっており、引張り強度や耐引裂き性が高いために人の手で容易に引裂きが行えず、被覆を除去する場合には工具の使用が必須となり、作業能率が良くない上、誤って工具が心線の導体まで達し、導体を傷付ける危険性もあるという課題を有していた。
【0010】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、被覆を手で容易に引き裂くことができ、心線や光ファイバ線を傷付けることなく外部に露出させられる電線・ケーブル及び光ケーブルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆に覆われつつ前記心線と並行させて配設される引裂き紐を備え、前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0012】
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなるものである。このように本発明においては、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初の電線・ケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられる。
【0013】
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、心線を露出させる作業が速やかに行える。
【0014】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆に覆われつつ前記光ファイバ線と並行させて配設される引裂き紐を備え、前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0015】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなるものである。このように本発明においては、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初のケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられる。
【0016】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、光ファイバ線を露出させる作業が速やかに行える。
【0017】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なる色に色分けされてなるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上する。
【0018】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、前記二次加工を経て、他部分と同じ色から変色して他部分に対し識別可能な色となるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を二次加工に伴い変色させて加工と同時に他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色等の特別な加工を施さずに切裂き部を識別可能とすることができ、切裂き部の色分けをほとんどコストを上昇させることなしに実現できる。
【0019】
また、本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆が、前記心線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられるものである。このように本発明においては、被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に心線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられ、心線接続作業を効率よく進められる。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と心線との間隔を空けて工具の心線への接触を防止でき、導体の傷付きを抑えられ、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0020】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆が、前記光ファイバ線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられるものである。このように本発明においては、ケーブルの被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められる。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と光ファイバ線との間隔を空けて工具の光ファイバ線への接触を防止でき、光ファイバ線の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められる。
【0021】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆外面の前記切裂き用溝外方に位置する箇所が、被覆外面の他部分と異なる色に色分けされてなるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き用溝外側部分を他部分と別の色に色分けし、被覆内面側に隠れる切裂き用溝の位置を視覚的に明確に示せることにより、工具使用時に、切裂き用溝位置に刃物等の工具を当てて被覆を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させられ、誤って切裂き用溝以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線を保護できると共に、作業能率をより一層向上させられる。
【0022】
また、本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0023】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。本実施形態では光ケーブルの例について説明する。図1は本実施の形態に係る光ケーブルの断面図である。
【0025】
前記図1において本実施形態に係る光ケーブル1は、高強度の線状体で形成されてケーブル全体に所定の剛性を与えるテンションメンバ10と、信号伝送用の複数の光ファイバ線20と、これらテンションメンバ10及び光ファイバ線20と並行させて配設される引裂き紐30と、この引裂き紐30ごと光ファイバ線20を覆う被覆40とを備える構成である。
【0026】
前記光ファイバ線20は、テンションメンバ10を中心として複数本を同心円状に配置した状態で被覆40内に収容される構成である。なお、本実施形態に係る光ケーブル1は光ファイバ線20を同心円状に配置した丸型に限らず、テンションメンバ10を中心に光ファイバ線20を横に複数本並べて配置した平型に形成する構成とすることもできる。また、心数も8心に限らず、適宜必要とされる光ファイバ線20をそれぞれ所定数用いる構成とすることもできる。
【0027】
前記引裂き紐30は、引張り強度に優れるアラミド繊維製の紐体で形成され、複数の光ファイバ線20と共に被覆40内に収容される構成である。なお、図1に示すように引裂き紐30は光ファイバ線20に密着して被覆40から内側に完全に外れた状態で収容されているが、これに限らず、引裂き紐30が被覆40の層中に一部又は完全に食込んだ状態となっていてもかまわない。
【0028】
前記被覆40は、大部分を難燃性ポリエチレンやPVC等の絶縁材で形成されると共に、前記引裂き紐30の外側に位置する部分を切裂き部41として他部分と異なる材料で且つ他部分より軟質、脆いなど強度的に劣る性質を有するもので形成され、この強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を引裂き紐30の外方への引出しに伴って切裂かれる部分とする構成である。この被覆40の主材料がPEの場合、切裂き部41はPE+フィラ(充填材)、PVC、PVC+フィラ、異重合度PVCの混合物、EEA、EEA+フィラ、またはEVAとなる。また、被覆40の主材料がPVCの場合、切裂き部41はPVC+フィラ、異重合度PVCの混合物、PE、PE+フィラ、EEA、EEA+フィラ、またはEVAとなる。
【0029】
次に、本実施形態に係る光ケーブルの被覆引裂き・心線露出工程について説明する。あらかじめケーブル端部は加工され、引裂き紐30が所定長さ端部から露出した状態となっているものとする。まず、ケーブル端部に現れている引裂き紐30を切裂き部41がある位置で被覆40外方へ離れる向きに引張り、被覆40に一体化している切裂き部41を引裂き紐30で長手方向に切裂いていき、被覆40を光ファイバ線20が接続作業を十分行える長さ分露出するまで引裂いていく。引裂き紐30を用いた被覆40の引裂きにより、光ファイバ線20に対して損傷などの悪影響はほとんどない。引裂かれた被覆40を広げると、光ファイバ線20を露出状態とすることができる。この後、広げた被覆40を切離し、光ファイバ線20と、他のケーブルにおける光ファイバ線やコネクタとの接続を行えば、作業完了となる。
【0030】
このように、本実施形態に係る光ケーブルは、被覆40上に強度的に劣る異種材料製の切裂き部41を一体配設し、引裂き紐30で切裂き部41を切裂いて容易に被覆40を引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、能率良く光ファイバ線20を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆40の引裂きで光ファイバ線20に対し工具が近接することもなく、光ファイバ線20を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0031】
なお、前記実施形態に係る光ケーブルにおいては、被覆40を切裂き部41とそれ以外の部分とで材料を異ならせて一体形成する構成としているが、これに加えて、図2に示すように、被覆40の切裂き部41を他部分と色分けする構成とすることもでき、被覆40における切裂き部41位置の識別を容易に行うことができ、光ファイバ線20取出し作業時に、引裂き紐30で確実に切裂き部41位置に力を加えて切裂くことができ、誤って被覆40の他部分を引裂き紐30で切裂こうとして余計な力を加えるといったこともなく、被覆40の引裂きから心線取出しに至る作業を効率的に進められる。
【0032】
また、前記実施形態に係る光ケーブルにおいて、被覆40は切裂き部41とそれ以外の部分とで材料を異ならせて形成される構成としているが、これに限らず、被覆40を全て同じ材料で被覆成形後、切裂き部41の箇所のみ、紫外線照射、加熱などの方法で強度的に劣る状態に二次加工して被覆40の他部分より裂けやすい状態に変化させる構成とすることもでき、同一材料で形成できることで製造コストの高くなるような異種材料一体化の処置を行う必要もなく、コストダウンが図れる。なお、この場合の被覆40の材料例としては、PP、またはPEなど、紫外線照射等で劣化しやすい材料が挙げられる。さらに、被覆40の素材を適宜選択し、切裂き部41を生成するための二次加工を経て、被覆40の被加工部分(切裂き部41)が元の色から変色して他部分から識別可能となる構成とすることもでき、切裂き部41を視覚的に明確に示せることから、誤って切裂き部41以外の箇所に引裂き紐30を向けることなく引裂き紐30で切裂き部41を確実に切裂くことができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色料添加等の特別な加工を施さずに切裂き部41を識別可能とすることができる。
【0033】
さらに、前記実施形態に係る光ケーブルにおいては、被覆40内に引裂き紐30を設ける構成としているが、これに限らず、引裂き紐を設けずに被覆40の一部に前記同様の切裂き部41を配設する構成とすることもでき、強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を起点に手で被覆40を容易に引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、前記実施形態同様、光ファイバ線露出から接続に至る作業を速やかに効率よく進められると共に、工具等で光ファイバ線20を傷付けずに済み、信頼性を向上させられる。
【0034】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態においても光ケーブルの例について説明する。図3は本実施の形態に係る光ケーブルの断面図である。
前記図3において本実施形態に係る光ケーブル1は、前記第1の実施形態同様、テンションメンバ10と、光ファイバ線20と、被覆40とを備える一方、異なる点として、引裂き紐を設けず、被覆40内面側に長手方向に連続する複数の切裂き用溝42を配設する構成を有するものである。
【0035】
前記被覆40は、難燃性ポリエチレン等の絶縁材からなり、テンションメンバ10及び光ファイバ線20を覆った状態で内面の対称となる二箇所に切裂き用溝42を形成される構成である。この被覆40における二つの切裂き溝42外側部位が、被覆40を引裂いて分離する際の断裂部分となる。なお、被覆40における切裂き溝42は二つに限らず、切裂き溝42が一つ、又は三つ以上被覆40内面側に配設される構成としてもかまわない。
【0036】
次に、本実施形態に係る光ケーブルの被覆引裂き・心線露出工程について説明する。まず、ケーブルの被覆40端部を切裂き用溝42を中心として互いに離れる向きに引張り、切裂き用溝42外側部位で被覆40を切裂きながら被覆40を光ファイバ線20が接続作業を十分行える長さ分露出するまで二つに引裂いていく。手の力のみで被覆40の切裂き用溝42位置で切り裂きが進行していくことにより、光ファイバ線20に対して損傷などの悪影響はほとんどない。被覆40を引裂いて被覆40と光ファイバ線20とを十分接続作業が行える長さにわたって分離したら、分離した被覆40を切離し、露出状態になった光ファイバ線20と、他のケーブルにおける光ファイバ線やコネクタとの接続を行えば、作業完了となる。
【0037】
何らかの事情で被覆40の長手方向への引裂きにカッター等の工具を用いる場合にも、切裂き用溝42が被覆40内面側に存在して最外周に被覆40が位置し、被覆40と光ファイバ線20との距離が確保されており、工具で切裂き用溝42外側の被覆40を切断しても光ファイバ線20と工具との接触が防がれ、光ファイバ線20に損傷を与えずに被覆40を長手方向に切断して光ファイバ線20を露出させられる。
【0038】
このように、本実施形態に係る光ケーブルは、被覆40内面側に切裂き用溝42を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることから、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線20への悪影響はなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆40を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝42を起点に被覆40を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線20を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められる。また、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝42位置の被覆40を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝42が被覆40内面側に存在するため、溝位置の被覆40と光ファイバ線20との間隔を空けて工具の光ファイバ線20への接触を防止でき、光ファイバ線20の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められる。
【0039】
なお、前記実施形態に係る光ケーブルにおいて、被覆40内面側に切裂き用溝42を配設する以外、被覆40は一般的な外観を有する構成としているが、これに加えて、図4に示すように、被覆40における切裂き用溝42のちょうど外側部位を他部分と色分けする構成とすることもでき、被覆40における切裂き用溝42位置の識別を容易に行うことができ、被覆40引裂き作業で刃物等の工具を用いる場合に、切裂き用溝42位置に工具を当てて被覆40を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線20を露出させられ、誤って切裂き用溝42以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線20を保護できると共に、被覆40の引裂きから心線取出しに至る作業を効率的に進められる。
【0040】
さらに、前記第1及び第2の各実施形態では、光ケーブルへの適用例について説明しているが、光ケーブルに限らず、光ファイバ線20の代りに導体心線を用いた電線やケーブルに適用してもかまわない。こうした電線・ケーブルにおいて、心線と並行させて引裂き紐を配設し、その外側の被覆に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設した場合、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることから、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められる。また、被覆内面側に切裂き用溝を配設した場合、溝部分の被覆を薄くして確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられる。そして、前記いずれの場合も、心線を傷付けることがないため、設置後の導体強度を確保して断線を防げると共に、異常発熱等の電気的トラブルや損失・反射増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明によれば、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初の電線・ケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられるという効果を有する。
【0043】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、心線を露出させる作業が速やかに行えるという効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【0045】
また、本発明によれば、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初のケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられるという効果を有する。
【0046】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、光ファイバ線を露出させる作業が速やかに行えるという効果を有する。
【0047】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上するという効果を有する。
【0048】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を二次加工に伴い変色させて加工と同時に他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色等の特別な加工を施さずに切裂き部を識別可能とすることができ、切裂き部の色分けをほとんどコストを上昇させることなしに実現できるという効果を有する。
【0049】
また、本発明によれば、被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に心線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられ、心線接続作業を効率よく進められる。また、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と心線との間隔を空けて工具の心線への接触を防止でき、導体の傷付きを抑えられ、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を有する。
【0050】
また、本発明によれば、ケーブルの被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められるという効果を有する。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と光ファイバ線との間隔を空けて工具の光ファイバ線への接触を防止でき、光ファイバ線の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【0051】
また、本発明によれば、被覆における切裂き用溝外側部分を他部分と別の色に色分けし、被覆内面側に隠れる切裂き用溝の位置を視覚的に明確に示せることにより、工具使用時に、切裂き用溝位置に刃物等の工具を当てて被覆を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させられ、誤って切裂き用溝以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線を保護できると共に、作業能率をより一層向上させられるという効果を有する。
【0052】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を有する。
【0053】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ケーブルの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る他の光ケーブルの概略斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光ケーブルの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る他の光ケーブルの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 光ケーブル
10 テンションメンバ
20 光ファイバ線
30 引裂き紐
40 被覆
41 切裂き部
42 切裂き用溝
【発明の属する技術分野】
本発明は、電線・ケーブル、及び光通信用機器間配線に用いられる複数心の光ケーブルに関し、特に、各機器への接続の際の被覆除去作業(心線取出し作業)が容易で取扱い性に優れる電線・ケーブル、及び光ケーブルに関する。
【0002】
【従来の技術】
電力供給や情報通信に用いられる電線やケーブルは、一般に一又は複数本の心線を樹脂材等で一括被覆を施した構造となっている。この電線やケーブルを各種機器に接続したり、接続用のコネクタを取付けたりする場合、端部で被覆を除去し、内部の心線を露出させる必要がある。
【0003】
また、近年、高速・広帯域の通信サービスが拡大しつつあるが、こうした通信サービスにおける情報伝達の主役を担う光ケーブルは、一般に一又は複数本の光ファイバ線とテンションメンバを並列配置し、樹脂材等で一括被覆を施した構造となっている。この光ケーブルを通信用機器に接続したり、接続用のコネクタを取付けたりする場合、ケーブル端部で被覆を除去し、内部の光ファイバ線を露出させる必要がある。
【0004】
従来、光ファイバ線を露出させるためには、光ケーブルの端部から所定長さの位置まで刃物等の工具を用いて被覆を切断し、切断して広げた被覆を切離す方法が一般に用いられていた。この場合、工具を使用して被覆を長手方向に切裂くために、誤って工具が光ファイバ線まで達すると光ファイバ線が傷付いてしまうという問題があった。このため、光ケーブルの被覆を切裂く際には、工具によって光ファイバ線を傷付けないよう細心の注意を払いながらの作業となり、作業性があまりよくなかった。
【0005】
近年、光ファイバ線を容易に露出させることのできる光ケーブルとして、高強度の合成繊維等からなる引き裂き紐を光ファイバ線に沿わせ、その外周に被覆を形成した引き裂き紐付きの光ケーブルが提案されている。このような引き裂き紐付きの光ケーブルは、引き裂き紐を光ケーブルの末端から光ケーブル外方へ離れる方向に引張って被覆を引き裂くことにより、傷付ける危険もなく光ファイバ線を露出させられる仕組みである。
【0006】
また、光ファイバ線を容易に露出させることのできる他の光ケーブルとして、被覆外面で長手方向に連続する複数個の切裂き用溝を設けたものも近年提案されている。こうした切裂き用溝付きの光ケーブルで内部の光ファイバ線を取り出す際は、ケーブル端部で切裂き用溝位置を中心に被覆を開くと、切裂き用溝先端と光ファイバ線との間での切裂きが進行し、被覆が外れて光ファイバ線を露出させられることとなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従来の光ケーブルは以上のように構成されていたことから、従来前者の引裂き紐を設けている場合、被覆の材質によっては、被覆の耐引裂き性により容易には引裂きが行えず、引裂き紐に大きな引張り力を加える必要があり、作業性があまり改善されないという課題を有していた。
【0008】
一方、従来後者の光ケーブルでは、切裂き用溝の被覆内部方向への深さを深くすると溝成形時に被覆内部の光ファイバ線に傷を付ける危険性があるため、溝深さが比較的浅くなっており、被覆を手で引裂く際に大きな力を加える必要があったり、手の力のみでは引裂けず、溝にカッターなどの刃物を挿入して長手方向に一旦切り込みを入れた上で引裂かなければならない状況もあった。このため、あまり作業性の改善につながらないばかりでなく、刃物で溝部分に切り込みを入れる際に、内部の光ファイバ線を傷付ける危険性もあるという課題を有していた。
【0009】
また、従来の電線・ケーブルにおいて、被覆は容易に破断、剥離せず、引裂きにくい丈夫な材質となっており、引張り強度や耐引裂き性が高いために人の手で容易に引裂きが行えず、被覆を除去する場合には工具の使用が必須となり、作業能率が良くない上、誤って工具が心線の導体まで達し、導体を傷付ける危険性もあるという課題を有していた。
【0010】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、被覆を手で容易に引き裂くことができ、心線や光ファイバ線を傷付けることなく外部に露出させられる電線・ケーブル及び光ケーブルを提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆に覆われつつ前記心線と並行させて配設される引裂き紐を備え、前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0012】
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなるものである。このように本発明においては、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初の電線・ケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられる。
【0013】
また、本発明に係る電線・ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、心線を露出させる作業が速やかに行える。
【0014】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆に覆われつつ前記光ファイバ線と並行させて配設される引裂き紐を備え、前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0015】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなるものである。このように本発明においては、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初のケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられる。
【0016】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、光ファイバ線を露出させる作業が速やかに行える。
【0017】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なる色に色分けされてなるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上する。
【0018】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆の切裂き部が、前記二次加工を経て、他部分と同じ色から変色して他部分に対し識別可能な色となるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き部を二次加工に伴い変色させて加工と同時に他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色等の特別な加工を施さずに切裂き部を識別可能とすることができ、切裂き部の色分けをほとんどコストを上昇させることなしに実現できる。
【0019】
また、本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆が、前記心線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられるものである。このように本発明においては、被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に心線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられ、心線接続作業を効率よく進められる。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と心線との間隔を空けて工具の心線への接触を防止でき、導体の傷付きを抑えられ、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0020】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆が、前記光ファイバ線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられるものである。このように本発明においては、ケーブルの被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められる。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と光ファイバ線との間隔を空けて工具の光ファイバ線への接触を防止でき、光ファイバ線の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められる。
【0021】
また、本発明に係る光ケーブルは必要に応じて、前記被覆外面の前記切裂き用溝外方に位置する箇所が、被覆外面の他部分と異なる色に色分けされてなるものである。このように本発明においては、被覆における切裂き用溝外側部分を他部分と別の色に色分けし、被覆内面側に隠れる切裂き用溝の位置を視覚的に明確に示せることにより、工具使用時に、切裂き用溝位置に刃物等の工具を当てて被覆を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させられ、誤って切裂き用溝以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線を保護できると共に、作業能率をより一層向上させられる。
【0022】
また、本発明に係る電線・ケーブルは、一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0023】
また、本発明に係る光ケーブルは、複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなるものである。このように本発明においては、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0024】
【発明の実施の形態】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態を図1に基づいて説明する。本実施形態では光ケーブルの例について説明する。図1は本実施の形態に係る光ケーブルの断面図である。
【0025】
前記図1において本実施形態に係る光ケーブル1は、高強度の線状体で形成されてケーブル全体に所定の剛性を与えるテンションメンバ10と、信号伝送用の複数の光ファイバ線20と、これらテンションメンバ10及び光ファイバ線20と並行させて配設される引裂き紐30と、この引裂き紐30ごと光ファイバ線20を覆う被覆40とを備える構成である。
【0026】
前記光ファイバ線20は、テンションメンバ10を中心として複数本を同心円状に配置した状態で被覆40内に収容される構成である。なお、本実施形態に係る光ケーブル1は光ファイバ線20を同心円状に配置した丸型に限らず、テンションメンバ10を中心に光ファイバ線20を横に複数本並べて配置した平型に形成する構成とすることもできる。また、心数も8心に限らず、適宜必要とされる光ファイバ線20をそれぞれ所定数用いる構成とすることもできる。
【0027】
前記引裂き紐30は、引張り強度に優れるアラミド繊維製の紐体で形成され、複数の光ファイバ線20と共に被覆40内に収容される構成である。なお、図1に示すように引裂き紐30は光ファイバ線20に密着して被覆40から内側に完全に外れた状態で収容されているが、これに限らず、引裂き紐30が被覆40の層中に一部又は完全に食込んだ状態となっていてもかまわない。
【0028】
前記被覆40は、大部分を難燃性ポリエチレンやPVC等の絶縁材で形成されると共に、前記引裂き紐30の外側に位置する部分を切裂き部41として他部分と異なる材料で且つ他部分より軟質、脆いなど強度的に劣る性質を有するもので形成され、この強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を引裂き紐30の外方への引出しに伴って切裂かれる部分とする構成である。この被覆40の主材料がPEの場合、切裂き部41はPE+フィラ(充填材)、PVC、PVC+フィラ、異重合度PVCの混合物、EEA、EEA+フィラ、またはEVAとなる。また、被覆40の主材料がPVCの場合、切裂き部41はPVC+フィラ、異重合度PVCの混合物、PE、PE+フィラ、EEA、EEA+フィラ、またはEVAとなる。
【0029】
次に、本実施形態に係る光ケーブルの被覆引裂き・心線露出工程について説明する。あらかじめケーブル端部は加工され、引裂き紐30が所定長さ端部から露出した状態となっているものとする。まず、ケーブル端部に現れている引裂き紐30を切裂き部41がある位置で被覆40外方へ離れる向きに引張り、被覆40に一体化している切裂き部41を引裂き紐30で長手方向に切裂いていき、被覆40を光ファイバ線20が接続作業を十分行える長さ分露出するまで引裂いていく。引裂き紐30を用いた被覆40の引裂きにより、光ファイバ線20に対して損傷などの悪影響はほとんどない。引裂かれた被覆40を広げると、光ファイバ線20を露出状態とすることができる。この後、広げた被覆40を切離し、光ファイバ線20と、他のケーブルにおける光ファイバ線やコネクタとの接続を行えば、作業完了となる。
【0030】
このように、本実施形態に係る光ケーブルは、被覆40上に強度的に劣る異種材料製の切裂き部41を一体配設し、引裂き紐30で切裂き部41を切裂いて容易に被覆40を引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、能率良く光ファイバ線20を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆40の引裂きで光ファイバ線20に対し工具が近接することもなく、光ファイバ線20を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められる。
【0031】
なお、前記実施形態に係る光ケーブルにおいては、被覆40を切裂き部41とそれ以外の部分とで材料を異ならせて一体形成する構成としているが、これに加えて、図2に示すように、被覆40の切裂き部41を他部分と色分けする構成とすることもでき、被覆40における切裂き部41位置の識別を容易に行うことができ、光ファイバ線20取出し作業時に、引裂き紐30で確実に切裂き部41位置に力を加えて切裂くことができ、誤って被覆40の他部分を引裂き紐30で切裂こうとして余計な力を加えるといったこともなく、被覆40の引裂きから心線取出しに至る作業を効率的に進められる。
【0032】
また、前記実施形態に係る光ケーブルにおいて、被覆40は切裂き部41とそれ以外の部分とで材料を異ならせて形成される構成としているが、これに限らず、被覆40を全て同じ材料で被覆成形後、切裂き部41の箇所のみ、紫外線照射、加熱などの方法で強度的に劣る状態に二次加工して被覆40の他部分より裂けやすい状態に変化させる構成とすることもでき、同一材料で形成できることで製造コストの高くなるような異種材料一体化の処置を行う必要もなく、コストダウンが図れる。なお、この場合の被覆40の材料例としては、PP、またはPEなど、紫外線照射等で劣化しやすい材料が挙げられる。さらに、被覆40の素材を適宜選択し、切裂き部41を生成するための二次加工を経て、被覆40の被加工部分(切裂き部41)が元の色から変色して他部分から識別可能となる構成とすることもでき、切裂き部41を視覚的に明確に示せることから、誤って切裂き部41以外の箇所に引裂き紐30を向けることなく引裂き紐30で切裂き部41を確実に切裂くことができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色料添加等の特別な加工を施さずに切裂き部41を識別可能とすることができる。
【0033】
さらに、前記実施形態に係る光ケーブルにおいては、被覆40内に引裂き紐30を設ける構成としているが、これに限らず、引裂き紐を設けずに被覆40の一部に前記同様の切裂き部41を配設する構成とすることもでき、強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部41を起点に手で被覆40を容易に引裂いて光ファイバ線20を露出させられることから、前記実施形態同様、光ファイバ線露出から接続に至る作業を速やかに効率よく進められると共に、工具等で光ファイバ線20を傷付けずに済み、信頼性を向上させられる。
【0034】
(本発明の第2の実施形態)
本発明の第2の実施形態を図3に基づいて説明する。本実施形態においても光ケーブルの例について説明する。図3は本実施の形態に係る光ケーブルの断面図である。
前記図3において本実施形態に係る光ケーブル1は、前記第1の実施形態同様、テンションメンバ10と、光ファイバ線20と、被覆40とを備える一方、異なる点として、引裂き紐を設けず、被覆40内面側に長手方向に連続する複数の切裂き用溝42を配設する構成を有するものである。
【0035】
前記被覆40は、難燃性ポリエチレン等の絶縁材からなり、テンションメンバ10及び光ファイバ線20を覆った状態で内面の対称となる二箇所に切裂き用溝42を形成される構成である。この被覆40における二つの切裂き溝42外側部位が、被覆40を引裂いて分離する際の断裂部分となる。なお、被覆40における切裂き溝42は二つに限らず、切裂き溝42が一つ、又は三つ以上被覆40内面側に配設される構成としてもかまわない。
【0036】
次に、本実施形態に係る光ケーブルの被覆引裂き・心線露出工程について説明する。まず、ケーブルの被覆40端部を切裂き用溝42を中心として互いに離れる向きに引張り、切裂き用溝42外側部位で被覆40を切裂きながら被覆40を光ファイバ線20が接続作業を十分行える長さ分露出するまで二つに引裂いていく。手の力のみで被覆40の切裂き用溝42位置で切り裂きが進行していくことにより、光ファイバ線20に対して損傷などの悪影響はほとんどない。被覆40を引裂いて被覆40と光ファイバ線20とを十分接続作業が行える長さにわたって分離したら、分離した被覆40を切離し、露出状態になった光ファイバ線20と、他のケーブルにおける光ファイバ線やコネクタとの接続を行えば、作業完了となる。
【0037】
何らかの事情で被覆40の長手方向への引裂きにカッター等の工具を用いる場合にも、切裂き用溝42が被覆40内面側に存在して最外周に被覆40が位置し、被覆40と光ファイバ線20との距離が確保されており、工具で切裂き用溝42外側の被覆40を切断しても光ファイバ線20と工具との接触が防がれ、光ファイバ線20に損傷を与えずに被覆40を長手方向に切断して光ファイバ線20を露出させられる。
【0038】
このように、本実施形態に係る光ケーブルは、被覆40内面側に切裂き用溝42を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることから、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線20への悪影響はなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆40を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝42を起点に被覆40を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線20を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められる。また、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝42位置の被覆40を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝42が被覆40内面側に存在するため、溝位置の被覆40と光ファイバ線20との間隔を空けて工具の光ファイバ線20への接触を防止でき、光ファイバ線20の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められる。
【0039】
なお、前記実施形態に係る光ケーブルにおいて、被覆40内面側に切裂き用溝42を配設する以外、被覆40は一般的な外観を有する構成としているが、これに加えて、図4に示すように、被覆40における切裂き用溝42のちょうど外側部位を他部分と色分けする構成とすることもでき、被覆40における切裂き用溝42位置の識別を容易に行うことができ、被覆40引裂き作業で刃物等の工具を用いる場合に、切裂き用溝42位置に工具を当てて被覆40を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線20を露出させられ、誤って切裂き用溝42以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線20を保護できると共に、被覆40の引裂きから心線取出しに至る作業を効率的に進められる。
【0040】
さらに、前記第1及び第2の各実施形態では、光ケーブルへの適用例について説明しているが、光ケーブルに限らず、光ファイバ線20の代りに導体心線を用いた電線やケーブルに適用してもかまわない。こうした電線・ケーブルにおいて、心線と並行させて引裂き紐を配設し、その外側の被覆に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設した場合、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることから、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められる。また、被覆内面側に切裂き用溝を配設した場合、溝部分の被覆を薄くして確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられる。そして、前記いずれの場合も、心線を傷付けることがないため、設置後の導体強度を確保して断線を防げると共に、異常発熱等の電気的トラブルや損失・反射増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められる。
【0041】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を奏する。
【0042】
また、本発明によれば、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初の電線・ケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられるという効果を有する。
【0043】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、心線を露出させる作業が速やかに行えるという効果を有する。
【0044】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、引裂き紐で切裂き部を切裂いて容易に被覆を引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【0045】
また、本発明によれば、被覆の切裂き部を他部分と同じ材料として被覆成形後、二次加工で強度的に劣る状態に変化させて切裂き部として設定することにより、当初のケーブル製造が従来同様の製造設備で行えることとなり、切裂き部を設けることに伴う製造コスト上昇分を必要最小限に抑えられるという効果を有する。
【0046】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分と別材料で形成し、他部分に対して切裂き部の強度、すなわち切裂き容易性を自由に設定できることにより、他部分に対し確実に強度的に劣った切裂き容易な性質を切裂き部に与えられることとなり、適切な強度とした切裂き部を引裂き紐で容易に切裂くことができ、光ファイバ線を露出させる作業が速やかに行えるという効果を有する。
【0047】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上するという効果を有する。
【0048】
また、本発明によれば、被覆における切裂き部を二次加工に伴い変色させて加工と同時に他部分とは別の色に色分けし、引裂き紐で被覆に対して力を加えて切裂く部分を視覚的に明確に示せることにより、誤って切裂き部以外の箇所に引裂き紐を向けることなく引裂き紐で切裂き部を確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させることができ、作業能率がより一層向上すると共に、着色等の特別な加工を施さずに切裂き部を識別可能とすることができ、切裂き部の色分けをほとんどコストを上昇させることなしに実現できるという効果を有する。
【0049】
また、本発明によれば、被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に心線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く心線を露出させられ、心線接続作業を効率よく進められる。また、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と心線との間隔を空けて工具の心線への接触を防止でき、導体の傷付きを抑えられ、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を有する。
【0050】
また、本発明によれば、ケーブルの被覆内面側に切裂き用溝を配設し、溝深さ方向を内面から外方に向けることにより、溝深さを深く設定しても製造時に光ファイバ線への悪影響がなく、溝深さを深くして溝位置の被覆を薄くし、確実に手で被覆を引裂けるようにすることができ、切裂き用溝を起点に被覆を長手方向に引裂いて能率良く光ファイバ線を露出させられ、ケーブル接続作業を効率よく進められるという効果を有する。さらに、仮に手で引裂けず、刃物等の工具を用いて切裂き用溝位置の被覆を長手方向に切断する場合でも、切裂き用溝が被覆内面側に存在するため、溝位置の被覆と光ファイバ線との間隔を空けて工具の光ファイバ線への接触を防止でき、光ファイバ線の傷付きを抑えられ、設置後のファイバ強度を確保して傷が原因で起る設置後の断線を防ぎ、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【0051】
また、本発明によれば、被覆における切裂き用溝外側部分を他部分と別の色に色分けし、被覆内面側に隠れる切裂き用溝の位置を視覚的に明確に示せることにより、工具使用時に、切裂き用溝位置に刃物等の工具を当てて被覆を長手方向に確実に切裂いて容易に光ファイバ線を露出させられ、誤って切裂き用溝以外の箇所に刃物等の工具を当てることを防止し、光ファイバ線を保護できると共に、作業能率をより一層向上させられるという効果を有する。
【0052】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて心線を露出させられることにより、能率良く心線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで心線に対し工具を近接させることもなく、導体を傷付けずに済み、設置後の導体強度を確保して断線を防げる上、異常発熱等の電気的トラブルや損失増加等の電気特性異常も防止でき、信頼性を高められるという効果を有する。
【0053】
また、本発明によれば、被覆の一部に強度的に弱く裂けやすい性状の切裂き部を配設し、切裂き部を起点に手で被覆を容易に引裂いて光ファイバ線を露出させられることにより、能率良く光ファイバ線を露出させて接続作業が速やかに効率よく進められると共に、被覆の引裂きで光ファイバ線に対し工具を近接させることもなく、光ファイバ線を傷付けずに済み、設置後のファイバ強度を確保して傷などが原因で起る設置後の断線を防止でき、通信の信頼性を高められるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る光ケーブルの断面図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る他の光ケーブルの概略斜視図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る光ケーブルの断面図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る他の光ケーブルの概略斜視図である。
【符号の説明】
1 光ケーブル
10 テンションメンバ
20 光ファイバ線
30 引裂き紐
40 被覆
41 切裂き部
42 切裂き用溝
Claims (13)
- 一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、
前記被覆に覆われつつ前記心線と並行させて配設される引裂き紐を備え、
前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなることを
特徴とする電線・ケーブル。 - 前記請求項1に記載の電線・ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなることを
特徴とする電線・ケーブル。 - 前記請求項1に記載の電線・ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されることを
特徴とする電線・ケーブル。 - 複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、
前記被覆に覆われつつ前記光ファイバ線と並行させて配設される引裂き紐を備え、
前記被覆の前記引裂き紐の外側に位置する部分が、他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされ、前記引裂き紐の被覆外方への引出しで切裂かれる切裂き部とされてなることを
特徴とする光ケーブル。 - 前記請求項4に記載の光ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と同じ材料を他部分と同様に被覆成形された後に、切裂き部該当部位のみ所定の二次加工を施されて強度的に劣る状態に変化させられてなることを
特徴とする光ケーブル。 - 前記請求項4に記載の光ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なり且つ他部分より強度的に劣る性質を有する材料で形成されることを
特徴とする光ケーブル。 - 前記請求項4ないし6のいずれかに記載の光ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、被覆の他部分と異なる色に色分けされてなることを
特徴とする光ケーブル。 - 前記請求項5に記載の光ケーブルにおいて、
前記被覆の切裂き部が、前記二次加工を経て、他部分と同じ色から変色して他部分に対し識別可能な色となることを
特徴とする光ケーブル。 - 一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、
前記被覆が、前記心線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられることを
特徴とする電線・ケーブル。 - 複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、
前記被覆が、前記光ファイバ線に面する内面に長手方向へ連続する一又は複数の切裂き用溝を与えられることを
特徴とする光ケーブル。 - 前記請求項10に記載の光ケーブルにおいて、
前記被覆外面の前記切裂き用溝外方に位置する箇所が、被覆外面の他部分と異なる色に色分けされてなることを
特徴とする光ケーブル。 - 一又は複数の心線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる電線・ケーブルにおいて、
前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなることを
特徴とする電線・ケーブル。 - 複数の光ファイバ線が絶縁材の被覆で覆われつつ一体化されてなる光ケーブルにおいて、
前記被覆が、長手方向に連続する所定部分を切裂き部として他部分より強度的に弱く裂けやすい性状とされてなることを
特徴とする光ケーブル。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
2002
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