JP6211907B2 - 光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法 - Google Patents

光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法 Download PDF

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本発明は、光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法に関する。
FTTH(Fiber To The Home)において、電柱間を布設し、柱間引き落としが可能な光ファイバケーブルに対する中間後分岐を可能とする方法として、ケーブル内に引き裂き紐を配置した構造の光ファイバケーブルが知られている。この光ファイバケーブルでは、引き裂き紐を取り出すために、ケーブル外被をナイフのようなもので削り込む必要があり、作業性が悪い。また、作業者が熟練していないと外被を削り込む際にケーブルコアまでナイフの刃を到達させ、内部の光ファイバを損傷させてしまう恐れがある。
また、中間後分岐を可能とする他の方法として、スロット構造の光ファイバケーブルが知られている。この光ファイバケーブルでは、引き裂き紐は用いないが、ケーブル外被の円周上を専用の工具を用いて輪切りし、輪切りした外被間を裂き、外被を除去するだけでなく、スロット周囲に配置された押さえ巻きを除去する必要があり、作業性が悪い。
また、中間後分岐を可能とする他の方法として、仕切りテープでファイバ周囲を覆う構造の光ファイバケーブルが知られている(例えば、特許文献1参照。)。この光ファイバケーブルでは、中間後分岐性を確保するために、繊維性の材料や、合成樹脂製のフィルム等を用いる必要がある。このため、製造時の原価を押し上げると共に、それらの材料自体の寸法、位置制御等の製造難易度が高い。
また、中間後分岐を可能とする他の方法として、空隙をファイバ周囲ないし近傍に配置した構造の光ファイバケーブルが知られている(例えば、特許文献2及び3参照。)。この光ファイバケーブルでは、合成樹脂製のフィルムは使用していないが、ケーブル被覆内部に精密な空間を作製する必要がある。その制御は非常に難易度が高いと共に、ケーブル長手方向での内部空間状態を担保するには、特殊な工具が必要であり、これも製造コストを押し上げることとなる。
更に、特許文献1〜3に記載の構造では、光ファイバの近傍まで、外被を切断するための刃をいれる必要がある。このため、切り裂き刃を精度良く調整する必要があり、高価な工具が必要となる。
これらの問題点を鑑み、光ファイバを被覆する被覆部に突起部が形成された構造の光ファイバケーブルが考案されている(例えば、特許文献4参照。)。この光ファイバケーブルでは、中間後分岐時には突起部を引き剥がして光ファイバを露出させ、露出した光ファイバを取り出す。特許文献4の段落[0028]では、被覆部と突起部との境界である突起基部から光ファイバまでの距離の和が、突起基部間距離以下と規定されている。また、特許文献4の段落[0060]には、突起部を引き剥がすのには突起部の高さが0.4mm以上必要であることが記載されている。
特開2008−070601号公報 特開2004−361475号公報 特開2012−053107号公報 特開2012−155229号公報
しかしながら、特許文献4の図2には、工具にて突起部を摘み、光ファイバ側から引き剥がすことが記載されているが、被覆除去に要する荷重を工具に印加した際に、突起基部間を切断・圧壊してしまう場合がある。また、特許文献4の図1に示すように、突起部を突起基部間で切断することによって、掴み代を作り、突起部を引き剥がして光ファイバを取り出すことも可能であるが、引き剥がすのに要する荷重によっては、突起部が伸びきれてしまう場合がある。
上記問題点を鑑み、本発明の目的は、中間後分岐の際に、特殊な工具を必要とせずに、光ファイバを容易に取り出すことができる光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法を提供することである。
本発明の一態様によれば、光ファイバを収納する光ファイバ収納部と、光ファイバ収納部を挟んで平行に配置された一対の抗張力体と、光ファイバ収納部並びに抗張力体を被覆する被覆部、及び被覆部上にケーブル長手方向に沿って形成された突起部とを有する外被とを備え、一対の抗張力体を結ぶ直線に平行な第1の方向において光ファイバ収納部と抗張力体との間に被覆部と突起部との境界である突起基部が位置し、突起部の断面積をS[mm]、突起基部から光ファイバ収納部までの外被を引き裂くのに要する荷重をF[N]、外被の降伏点強度をα[MPa]としたとき、
Figure 0006211907
を満たし、突起部の両側の突起基部のそれぞれから光ファイバ収納部までの最短距離をそれぞれL1,L2とし、突起部の両側の突起基部同士の最短距離をL3とし、突起基部から被覆部の突起部が設けられた面に対向する面までの最短距離をL4として、
Figure 0006211907
のそれぞれを満たすことを特徴とする光ファイバケーブルが提供される。
本発明の一態様において、突起基部がノッチ形状を有していてもよい。
本発明の一態様において、一対の抗張力体のそれぞれから等距離に位置し、且つ第2の方向に平行な直線を挟んで、光ファイバ収納部が非対称な形状を有し、突起部の両側の突起基部のそれぞれから光ファイバ収納部までの距離が等しくなるように、突起部の両側の突起基部のノッチ形状を第2の方向に平行な直線を挟んで非対称としてもよい。
本発明の一態様において、突起部の第1方向における長さが、突起部が被覆部から離れるほど長くなっていてもよい。
本発明の他の態様によれば、本発明の一態様における光ファイバケーブルの中間後分岐方法であって、突起部を引き剥がすことにより突起基部と光ファイバ収納部との間の外被を破断させ、光ファイバを取り出すことを含むことを特徴とする光ファイバケーブルの中間後分岐方法が提供される。
本発明によれば、中間後分岐の際に、特殊な工具を必要とせずに、光ファイバを容易に取り出すことができる光ファイバケーブル及び光ファイバケーブルの中間後分岐方法を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図(その1)である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの中間後分岐方法の一例を説明するための斜視図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの中間後分岐方法の一例を説明するための図2に引き続く斜視図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの中間後分岐方法の一例を説明するためのケーブル長手方向に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの中間後分岐方法の一例を説明するための図4に引き続くケーブル長手方向に垂直な断面図である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図(その2)である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図(その3)である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図(その4)である。 本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの実施例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図である。 実施例及び比較例の評価結果を表す表である。 本発明のその他の実施の形態に係る光ファイバケーブルの一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る光ファイバケーブルの他の一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る光ファイバケーブルの更に他の一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図である。 本発明のその他の実施の形態に係る光ファイバケーブルの更に他の一例を示すケーブル長手方向に垂直な断面図である。
後述する明細書及び図面の記載から、少なくとも以下の事項が明らかとなる。
光ファイバを収納する光ファイバ収納部と、光ファイバ収納部を挟んで平行に配置された一対の抗張力体と、光ファイバ収納部並びに抗張力体を被覆する被覆部、及び被覆部上にケーブル長手方向に沿って形成された突起部とを有する外被とを備え、一対の抗張力体を結ぶ直線に平行な第1の方向において光ファイバ収納部と抗張力体との間に被覆部と突起部との境界である突起基部が位置し、突起部の断面積をS[mm]、突起基部から光ファイバ収納部までの外被を引き裂くのに要する荷重をF[N]、外被の降伏点強度をα[MPa]としたとき、
Figure 0006211907
を満たし、突起部の両側の突起基部のそれぞれから光ファイバ収納部までの最短距離をそれぞれL1,L2とし、突起部の両側の突起基部同士の最短距離をL3とし、突起基部から被覆部の突起部が設けられた面に対向する面までの最短距離をL4として、
Figure 0006211907
のそれぞれを満たすことを特徴とする光ファイバケーブルが明らかとなる。このような光ファイバケーブルであれば、中間後分岐の際に、特殊な工具を必要とせずに、光ファイバを容易に取り出すことができる。
また、上記光ファイバケーブルにおいて、突起基部がノッチ形状を有することが望ましい。これにより、突起基部に応力が集中しやすく、外被が破断しやすくなる。
また、一対の抗張力体のそれぞれから等距離に位置し、且つ第2の方向に平行な直線を挟んで、光ファイバ収納部が非対称な形状を有し、突起部の両側の突起基部のそれぞれから光ファイバ収納部までの距離が等しくなるように、突起部の両側の突起基部のノッチ形状を第2の方向に平行な直線を挟んで非対称とすることが望ましい。これにより、外被を想定された位置で引き裂くことができる。
また、突起部の第1方向における長さが、突起部が被覆部から離れるほど長くなっていることが望ましい。これにより、工具の刃を入れやすいだけでなく、突起部をつかみ易くすることができる。
また、上記光ファイバケーブルの中間後分岐方法であって、突起部を引き剥がすことにより突起基部と光ファイバ収納部との間の外被を破断させ、光ファイバを取り出すことを含むことを特徴とする光ファイバケーブルの中間後分岐方法が明らかとなる。このような光ファイバケーブルの中間後分岐方法であれば、中間後分岐の際に、特殊な工具を必要とせずに、光ファイバを容易に取り出すことができる。
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルは、図1に示すように、少なくとも1本の光ファイバ1を収納する光ファイバ収納部10と、光ファイバ収納部10を挟んで平行に配置された一対の抗張力体(テンションメンバ)3a,3bと、光ファイバ収納部10及び抗張力体3a,3bを一括被覆する外被(シース)2とを備える。
光ファイバ1の本数及び種類は特に限定されない。光ファイバ1としては、光ファイバ素線、光ファイバ心線又は光ファイバテープ心線等の心線を採用可能である。このうち、光ファイバテープ心線としては、間欠固定テープ心線等が採用可能である。また、複数本の光ファイバ1を有する場合、長手方向に撚らずに平行に延伸しても良く、一方向に撚り合わされていても良く、SZ形状に撚り合わされていても良く、一方向撚りとSZ撚りが途中で入れ替わる複合形状を保持していてもよい。図1では、光ファイバ1が4本ずつ2段に配置されており、8本の光ファイバ1がケーブル長手方向に平行に延伸する。
抗張力体3a,3bとしては、鋼線等の金属線や、アラミド繊維強化プラスチック (AFRP)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)等の繊維強化プラスチック(FRP)等が使用可能である。
外被2の材料としては、例えばポリエチレン(PE)又はポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン系の樹脂が使用可能である。
外被2は、光ファイバ1及び抗張力体3a,3bを被覆する被覆部2aと、被覆部2aを挟んで対称に設けられた突起部2b,2cを有する。被覆部2aと突起部2b,2cとは一体的に形成されている。
突起部2b,2cは、ケーブル長手方向に沿って延伸する。ここで、図1に示すように、ケーブル長手方向に垂直な断面において、一対の抗張力体3a,3bを結ぶ直線に平行な方向をX方向(第1の方向)と定義し、X方向(第1の方向)に直交する方向をY方向(第2の方向)と定義する。また、突起部2b,2cのX方向(第1の方向)の長さを突起部2b,2cの「幅」、突起部2b,2cのY方向(第2の方向)の長さを突起部2b,2cの「高さ」と定義する。
突起部2b,2cの断面形状は台形をなし、Y方向(第2の方向)において突起部2b,2cが光ファイバ1及び被覆部2aから離れるにつれて、突起部2b,2cの幅が広くなっている。突起部2b,2cの高さH1は例えば0.4mm〜1.0mm程度である。
本発明の実施の形態において、被覆部2aと突起部2bとの境界を突起基部21,22とし、被覆部2aと突起部2cとの境界を突起基部23,24とする。突起基部21〜24は、X方向(第1の方向)において、光ファイバ1と抗張力体3a,3bとの間に位置する。
突起基部21〜24はノッチ形状を有している。本発明の実施の形態において、「ノッチ形状」とは、V字状あるいはU字状の切り込みやくぼみを意味する。図1の突起基部22,23も広義で「ノッチ形状」に含まれるものとし、突起基部21,24は、2段階のノッチ形状を有するものとする。一方、直角形状あるいは鈍角形状は「ノッチ形状」に含まれないものとする。突起基部21,24及び突起基部22,23は、そのノッチ形状の先端が光ファイバ収納部10との最短距離L1,L2となるように形成されている。突起基部21〜24がノッチ形状を有することにより、突起基部21〜24に応力が集中しやすく、外被2が破断しやすくなる。
また、図1では、X方向(第1の方向)に4本並列された光ファイバ1をY方向(第2の方向)に2段実装し、2段の光ファイバ1をX方向(第1の方向)に互いにずらしている。このため、光ファイバ1を収納する光ファイバ収納部10は、一対の抗張力体3a,3bのそれぞれから等距離に位置し、且つY方向(第2の方向)に平行な直線L0を挟んで、非対称な形状を有している。ここで、突起部2bの両側の突起基部21,22のノッチ形状を、直線L0を挟んで非対称(図1では突起基部21を2段のノッチ形状とし、突起基部22を1段のノッチ形状)とすることにより、突起基部21から光ファイバ収納部10までの最短距離L1と、突起基部22から光ファイバ収納部10までの最短距離L2とを略同一にすることができる。これにより、突起基部21,22のそれぞれから光ファイバ収納部10までの外被2を、想定された最短距離L1,L2の位置で引き裂くことができる。
なお、突起基部21〜24のそれぞれが、1段階若しくは2段階のノッチ形状を有するか、或いはノッチ形状を有さずに直角形状であるかは特に限定されず、光ファイバ収納部10の形状等によって適宜決定することができる。例えば全ての突起基部21〜24が1段階のノッチ形状を有していてもよく、2段階のノッチ形状を有していてもよい。
また、図1では突起基部21,24の2段階のノッチ形状のうちの先端側のノッチ形状がY方向(第2の方向) に対して斜め方向に形成されているが、先端側のノッチ形状がY方向(第2の方向)に平行に形成されていてもよい。
次に、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルに対する中間後分岐方法の一例を説明する。
まず、ニッパ等の工具を用いて、図2に示すように突起部2bにケーブル長手方向に対して斜めに切り込み20を入れる。そして、切り込み20を入れた部位から、工具や手で突起部2bを摘み、図3に示すように、突起部2bをケーブル外側に引っ張り、引き剥がす。これにより、光ファイバ1と突起基部21,22間の最短距離における外被2に亀裂が生じて破断する。この結果、図4に示すように、突起部2bが光ファイバケーブルから切り離され、光ファイバ1が露出する。
続いて、突起部2bとは反対側の突起部2cに対してもニッパ等の工具で切り込みを入れる。そして、切れ込みを入れた突起部2cを引っ張り、引き剥がす。これにより、光ファイバ1と突起基部23,24間の最短距離における外被2に亀裂が生じて破断する。この結果、図5に示すように、突起部2cが光ファイバケーブルから切り離され、光ファイバ1を取り出すことが可能となる。
ところで、上述のように突起部2bを引き剥がす際には、図6に矢印で示す方向に引張荷重が印加される。ここで、突起部2bが十分な強度(断面積)を有していない場合、突起基部21,22から光ファイバ1までの外被2を引き裂く荷重に到達する前に、突起部2bが伸び切れ、破断してしまう場合がある。
そこで、突起部2bの断面積(図6の斜線部)をS[mm]、突起基部21,22から光ファイバ収納部10(本発明の実施の形態では光ファイバ1)までの外被2を引き裂くのに要する荷重をF[N]、外被2の降伏点強度をα[MPa]としたとき、以下の式
Figure 0006211907
の関係を満たすように突起部2bの断面積等を規定する。上記式(1)の関係を満たすことにより、突起部2bを破断させずに突起基部21,22から光ファイバ1までを引き裂くことが可能となる。荷重Fは、図7に示すように、光ファイバ1と突起基部21,22間の最短距離における外被2の厚さL1,L2を引き裂くのに要する荷重をそれぞれFa,Fbとした時の合成荷重である。
また、突起部2bを引き剥がす際に、光ファイバ1と突起基部21,22間の最短距離L1,L2において外被2が破断する前に、突起基部21,22同士、突起基部21,23同士、及び突起基部22,24同士の最短距離における外被2に亀裂が生じて破断してしまい、光ファイバ1を取り出すことが困難となる場合がある。
そこで、図8に示すように、突起部2bの両側の突起基部21,22のそれぞれから光ファイバ収納部10までの最短距離をそれぞれL1,L2とし、突起部2bの両側の突起基部21,22同士の最短距離をL3とし、突起部2bの突起基部21,22から、被覆部2aの突起部2bが設けられた面と対向する面までの最短距離(本発明の実施の形態では突起基部21,23同士及び突起基部22,24同士の最短距離)をL4として、以下の式
Figure 0006211907
を満たすように外被2の寸法を規定する。上記式(2)〜(4)の関係を満たすことにより、突起基部21〜24間に亀裂を生じさせることを抑制することができ、光ファイバ1を容易に取り出すことができる。
なお、突起部2cについても突起部2bと同様に、式(1)〜(4)を満たすように突起部2cの断面積、突起基部23,24のそれぞれから光ファイバ収納部10までの最短距離、突起基部23,24同士の最短距離、突起部2cの突起基部23,24から、被覆部2aの突起部2cが設けられた面と対向する面までの最短距離が規定される。
更に、クマゼミの産卵による光ファイバの損傷を防止するため、外被2として、ショアD硬度55以上の材料を用いることが好ましい。ショアD硬度55以上の材料としては、難燃ポリオレフィン樹脂等が使用可能である。更には、クマゼミの産卵による光ファイバの損傷を防止するため、突起基部21〜24から光ファイバ1までの外被2のそれぞれの厚さを0.3mm以上とすることが好ましい。
以上説明したように、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルによれば、被覆部2a上に突起部2b,2cを設け、中間後分岐時には突起部2b,2cを引き剥がして光ファイバを取り出すことができるので、特殊な工具を必要とせず、且つ作業者の熟練を必要とせずに、容易に作業を行うことができる。
更に、上記式(1)の関係を満たすように突起部2b,2cの断面積、外被2の材料を規定することにより、突起部2b,2cを引き剥がす際に突起部2b,2cが破断することを防止することができる。
また、突起部2b,2cの断面積を、式(1)の関係を満たす必要最低限のものとすることができる。よって、過剰な量の樹脂を用いずに済むため、ケーブルの細径化、ケーブルの軽量化、材料コストの削減、及びケーブルの細径化に伴う作業効率の改善を図ることができる。
更に、上記式(2)〜(4)の関係を満たすように、突起基部21〜24間の寸法及び光ファイバ1と突起基部21〜24間の寸法を規定することにより、中間後分岐時に、突起基部21〜24間に亀裂が生じることを防止することができ、より確実に光ファイバを取り出すことができる。
(実施例)
本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルの実施例として、図9に示すような自己支持型の光ファイバケーブルを複数本試作した。各光ファイバケーブルは、直径0.25mmの光ファイバ心線1を4本ずつ2層に積層し、直径0.5mmのアラミドFRPを抗張力体3a,3bとしてその両側に配置し、光ファイバ心線1と抗張力体3a,3bを結んだ延長線上に直径1.2mmの鋼線を支持線7とし、それらを直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)の外被2,5,6で一括被覆した。試作した光ファイバケーブルにおいて、外被2の引き裂き力を測定した。引き裂き力は、図3において左端を把持具で把持し、突起部2bを長手方向と平行な向きに引き裂く時の力を測定した。引っ張り速度は500mm/分とした。この結果、0.4mm厚時では15.1[N]、1.0mm厚時では37[N]であった。また、外被2の降伏点強度をJIS K 7127に準拠し測定したところ、9.8[MPa]であった。
ここで、突起基部21,22から光ファイバ心線1までの外被2の厚さL1,L2と、突起部2b,2cの断面積Sを振り、上記式(1)の関係を満たす実施例1〜3、及び上記式(1)の関係を満たさない比較例1〜5を作製した。実施例1〜3及び比較例1〜5においては、ノッチより発生した亀裂は外被2の最も薄い箇所を走るため、光ファイバ心線1へ亀裂を走らせるように、上記式(2)〜(4)の関係をいずれも満たすように規定した。また、実施例1〜3及び比較例1〜5において、突起部2bの両側の突起基部21,22のそれぞれから光ファイバ収納部10までの最短距離L1,L2を等距離とした。
実施例1〜3及び比較例1〜5に対して、光ファイバ心線の取り出し性についての検証を行った。結果を図10に示す。光ファイバ心線の取り出し性に関しては、外被2を引き裂く際に突起部2b,2cが破断してしまうものを「×」、突起部2b,2cが伸びながら外被2を引き裂くことができるものを「△」、突起部2b,2cに伸びがほぼ生じずに引き裂くことが可能であるものを「○」で表した。図10から、実施例1〜3では光ファイバ心線を容易に取り出すことが可能であることが分かる。
また、実施例1〜3に対して中間後分岐作業を実施したところ、通過心線のいずれにも損失増加は確認されず、良好な結果が得られた。また、作業性においても、光ファイバ心線から遠ざかるほど突起部2b,2cの幅を広げているため、ニッパの刃を入れやすいだけでなく、つかみ易いものとなっている。更に、光ファイバ心線に刃の進行方向が向かうことがないため、光ファイバ心線に損傷を与える等の事故を防止することができる。
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明は実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
例えば、本発明の実施の形態に係る光ファイバケーブルは、図9に示すような自己支持型の光ファイバケーブルであってもよい。首部5はケーブル長手方向に連続していてもよいし、間欠的に設けられていてもよい。
また、図11に示すように、光ファイバ収納部10において、光ファイバ1の周囲に空隙4が設けられていてもよい。この場合、突起部2bを引き剥がす際には、突起部2bを引っ張ることにより、突起基部21,22と空隙4との間の最短距離L1,L2における外被2に亀裂を生じさせ、破断させて、突起部2bを分離することができる。この場合でも本発明の実施の形態と同様に、上記式(1)〜(4)を適用することができる。図11では、一対の抗張力体3a,3bのそれぞれから等距離に位置し、且つY方向に平行な直線L0を挟んで光ファイバ収納部10の形状が対称(線対称)であり、突起基部21,22のそれぞれから空隙4までの最短距離L1,L2が等しい。したがって、最短距離L1,L2の差分を調整する必要がないため、突起基部21,22のいずれも直線L0を挟んで対称に1段階のノッチ形状を有する。
また、図12に示すように、光ファイバ収納部10が、光ファイバ1の周囲に配置された介在物8を更に備えていてもよい。介在物8としては、プラスチックヤーン等が使用可能である。この場合、突起基部21,22と介在物8との間の最短距離L1,L2における外被2に亀裂を生じさせ、破断させて、突起部2bを分離することができる。この場合でも本発明の実施の形態と同様に、上記式(1)〜(4)を適用することができる。
また、図13に示すように、光ファイバ収納部10が、光ファイバ1の周囲に縦添えされたプラスチックフィルムからなる押さえ巻き9を更に有していてもよい。この場合、突起基部21,22と押さえ巻き9との間の最短距離L1,L2における外被2に亀裂を生じさせ、破断させて、突起部2bを分離することができる。この場合でも本発明の実施の形態と同様に、上記式(1)〜(4)を適用することができる。なお、押さえ巻き9の代わりに、糸やテープ等で螺旋状にバンチングしてもよい。
また、図14に示すように、突起基部21〜24のいずれもがノッチ形状を有さずに略直角形状であり、且つ突起部2b,2cの断面形状が略矩形であってもよい。
また、図1では被覆部2aを挟んで対称に配置された2つの突起部2b,2cを有する場合を説明したが、2つの突起部2b,2cのうち一方(例えば突起部2b)のみを設けた構造であってもよい。この場合でも、1つの突起部2bを引き剥がした後に、露出した光ファイバ1を容易に取り出すことができる。
このように、本発明はここでは記載していない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。したがって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められるものである。
1…光ファイバ
2,6…外被
2a…被覆部
2b,2c…突起部
3a,3b…抗張力体
4…空隙
5…首部(外被)
7…支持線
8…介在物
9…押さえ巻き
21〜24…突起基部

Claims (5)

  1. 光ファイバを収納する光ファイバ収納部と、
    前記光ファイバ収納部を挟んで平行に配置された一対の抗張力体と、
    前記光ファイバ収納部並びに前記抗張力体を被覆する被覆部、及び前記被覆部上にケーブル長手方向に沿って形成された突起部を有する外被
    とを備え、
    前記一対の抗張力体を結ぶ直線に平行な第1の方向において前記光ファイバ収納部と前記抗張力体との間に前記被覆部と前記突起部との境界である突起基部が位置し、
    前記突起部の断面積をS[mm]、前記突起基部から前記光ファイバ収納部までの前記外被を引き裂くのに要する荷重をF[N]、前記外被の降伏点強度をα[MPa]としたとき、
    Figure 0006211907
    を満たし、
    前記突起部の両側の前記突起基部のそれぞれから前記光ファイバ収納部までの最短距離をそれぞれL1,L2とし、前記突起部の両側の前記突起基部同士の最短距離をL3とし、前記突起基部から前記被覆部の前記突起部が設けられた面に対向する面までの最短距離をL4として、
    Figure 0006211907
    のそれぞれを満たし、
    前記突起基部がノッチ形状を有し、
    前記突起部の両側の前記突起基部のそれぞれから前記光ファイバ収納部までの距離が等しくなるように、前記突起部の両側の前記突起基部の前記ノッチ形状を、前記一対の抗張力体のそれぞれから等距離に位置し、前記第1の方向に直交する第2の方向に平行な直線を挟んで非対称とすることを特徴とする光ファイバケーブル。
  2. 前記一対の抗張力体のそれぞれから等距離に位置し、且つ前記第2の方向に平行な直線を挟んで、前記光ファイバ収納部が非対称な形状を有することを特徴とする請求項1に記載の光ファイバケーブル。
  3. 前記突起部の前記第1方向における長さが、前記突起部が前記被覆部から離れるほど長くなることを特徴とする請求項1または2に記載の光ファイバケーブル。
  4. 前記光ファイバ収納部は、前記第1の方向に並列された光ファイバを前記第2の方向に2段実装し、2段実装された光ファイバを前記第1の方向に互いにずらして収容しており、
    前記L1は、前記突起部の一方の突起基部から前記光ファイバ収納部における一方の段に並列に実装された光ファイバを収容する箇所までの最短距離であり、
    前記L2は、前記突起部の他方の突起基部から前記光ファイバ収納部における他方の段に並列に実装された光ファイバを収容する箇所までの最短距離であり、
    前記L1と、前記L2とを略同一にするために、前記突起部の両側の前記突起基部の前記ノッチ形状を、前記第2の方向に平行な直線を挟んで非対称とすることを特徴とする請求項2または3に記載の光ファイバケーブル。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の光ファイバケーブルの中間後分岐方法であって、
    前記突起部を引き剥がすことにより前記突起部の両側の前記突起基部と前記光ファイバ収納部との間の前記外被を破断させ、前記光ファイバを取り出すことを含むことを特徴とする光ファイバケーブルの中間後分岐方法。
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