JP5862647B2 - 回転子の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば車両などに搭載されて電動機や発電機として用いられる回転電機の回転子の製造方法に関する。
従来、車両などに搭載されて使用される回転電機の1種として、導体の両端を総て短絡したかご形構造のかご形回転子を利用した電動機(モータ)が知られている。このかご形回転子は、軸方向に貫通する中心軸孔及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数の貫通孔を有する複数の鋼板を軸方向に積層してなる回転子コアと、回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリング及び貫通孔を介して一対のエンドリングを連結する複数の連結バーを有し、鋳造により一体に形成された導電部材と、を備えている。
このようなかご形回転子の一般的な製造方法は、鋳型の所定位置に回転子を構成する複数の鋼板を軸方向に積層してセットするセット工程と、鋳型にセットされた積層鋼板の軸方向一端側に開口するゲートを有する溶湯導入通路に溶湯を供給して導電部材を形成する鋳造工程とを行う。
しかし、この方法では、図24に示すように、溶湯導入通路124のゲート124aから軸方向一端側のエンドリングキャビティ123aに導入された溶湯は、積層鋼板111aに設けられた複数の貫通孔113のうちゲート124aに近い貫通孔113aから先に流れ込むことから、軸方向他端側のエンドリングキャビティ122aに先に到達する。そのため、ゲート124aから遠い貫通孔113bに軸方向他端側から先回りした溶湯が、その貫通孔113bに軸方向一端側から流入した溶湯と合流することにより、湯境が形成されてしまうという問題があった。
また、図25のA部に示すように、鋳型内の空気を貫通孔113b内に形成される連結バー117の中に閉じ込めてしまうことにより巣が残るという問題もあった。このようにして巣や前記の湯境が形成されると、導電部材の強度や導電性等の性能に大きな影響を及ぼすこととなる。
そこで、特許文献1には、回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリングの軸方向端部に、さらにエンドリングよりも径方向厚みの薄い円筒状リングを設けて、回転子コアの貫通孔内を流動する溶湯の流れバランスの改善を図ることが提案されている。また、特許文献2には、鋳型にセットされた積層鋼板の軸方向一端側のエンドリングキャビティに開口するゲートを周方向に複数配置することによって、回転子コアの貫通孔内を流動する溶湯の流れバランスの改善を図る技術が提案されている。
特開昭63−73852号公報 特開昭60−204244号公報
ところが、上記の特許文献1の場合には、エンドリングの肉厚を増加させた部分に、溶湯の凝固収縮による鋳造欠陥が発生し易く、また、鋳造工程終了後に、製品形状を確保するために切削加工を施した際に、その鋳造欠陥が表面に露出するという問題があった。
一方、上記の特許文献2の場合には、エンドリングキャビティに開口する複数のゲートを周方向に均等に配置するようにしているが、配置されるゲートの数には限界があり、上記従来のようにエンドリング端部から流入させる場合に比較すると、流れバランスは改善されるものの完全に均等にはならない。さらに、特許文献2の場合、鋳造工程終了後にゲートを切断する際には、製品部との間での引っ張り応力によりゲートを切断するため、製品部にも大きな荷重が掛かり、それを防止するためにゲート部分を小さくする必要があった。しかし、ゲートを小さくすると溶湯の流動性が非常に悪くなり、鋳造圧力が掛かり難いために鋳造欠陥が発生し易いという問題があった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、溶湯の流動性を改善し、鋳造欠陥の発生を抑制し得るようにした回転子の製造方法を提供することを解決すべき課題とする。
上記課題を解決するためになされた本発明は、軸方向に貫通する中心軸孔(12)及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数の貫通孔(13)を有する複数の鋼板(11a)を軸方向に積層してなる回転子コア(11)と、前記回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリング(16)及び前記貫通孔を介して一対の前記エンドリングを連結する複数の連結バー(17)を有し鋳造により一体に形成された導電部材(15)と、を備えた回転子(10)の製造方法において、軸方向に相対移動させて開閉可能な鋳型(21)の所定位置に、前記回転子コアを構成する複数の前記鋼板を軸方向に積層してセットするセット工程(S10)と、前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板の軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲート(24a)及び前記ゲートに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路(24b)を有する溶湯導入通路(24)に溶湯を供給して前記導電部材を形成する鋳造工程(S20)と、前記溶湯導入通路において前記溶湯を切断して前記ゲート側と溶湯導入口側とに分断する切断工程(S30)と、前記鋳型を型開きして鋳物(10A)を取り出す離型工程(S40)と、を有し、前記セット工程において、前記鋳型にセットされる複数の前記鋼板は、前記中心軸孔に挿入される軸部(25a)と、前記軸部の軸方向一端部に設けられて前記中心軸孔の溶湯供給側開口を閉塞する閉塞部(25b)とを備えた保持ピン(25)により保持されることを特徴とする。
本発明の回転子の製造方法によれば、鋳造工程において用いられる鋳型には、鋳型にセットされた複数の鋼板の軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲートを有する溶湯導入通路が設けられている。そのため、溶湯導入通路に供給された溶湯を、リング状のゲートから放射方向に均等に流動させることが可能となる。これにより、鋳型のキャビティ内へ周方向において均等に溶湯を流動させることができるので、鋳型にセットされた複数の鋼板の各貫通孔に対して、溶湯をバランス良く流動させることができる。これにより、溶湯の流動性が良好となり、巣などの鋳造欠陥の発生を抑制することができる。
また、溶湯導入通路は、ゲートに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路を有する。これにより、溶湯導入通路に供給された溶湯を、傾斜通路からゲートに向けて周方向に均等に且つ円滑に流動させることができる。
なお、本発明において、鋳造工程を行う工法としては、例えばダイカストや重力鋳造、砂型鋳造など従来公知の工法を採用することができる。また、鋳造により形成される導電部材の材料としては、例えばアルミや銅、亜鉛、マグネシウム、或いはそれら2種以上の混合物などを採用することができる。
実施形態1に係る回転子の製造方法のフローチャートである。 実施形態1に係る回転子の製造方法により製造される回転子の平面図である。 図2のIII −III 線矢視断面図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法により製造される回転子の正面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法のセット工程を示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法のセット工程において保持ピンに保持された積層鋼板の軸直角方向の断面図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の鋳造工程を示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の鋳造工程を示すフローチャートである。 実施形態1に係る回転子の製造方法の鋳造工程における溶湯のゲートから軸方向への流れを示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の鋳造工程における溶湯のゲートから径方向への流れを示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の切断工程直前を示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の切断工程を示す説明図である。 実施形態1に係る回転子の製造方法の離型工程を示す説明図である。 変形例1に係る保持ピンの切断部による切断状態を示す説明図である。 変形例2に係る保持ピンの切断部による切断状態を示す説明図である。 (a)〜(f)は変形例3に係る保持ピンと駆動部の接続方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は変形例4に係る保持ピンと駆動部の接続方法を示す説明図である。 (a)〜(c)は変形例5に係る保持ピンと駆動部の接続方法を示す説明図である。 変形例6に係る保持ピンの駆動機構を備えた鋳造装置の模式断面図である。 変形例7に係る保持ピンの説明図である。 変形例8に係る保持ピンの説明図である。 変形例9に係る保持ピンの説明図である。 従来の一般的な製造方法における問題点を示す説明図である。 従来の一般的な製造方法における他の問題点を示す説明図である。
以下、本発明に係る回転子の製造方法の実施形態について図面を参照して具体的に説明する。
〔実施形態1〕
本実施形態に係る回転子の製造方法について図1〜図14を参照して説明する。先ず、本実施形態の製造方法により製造される回転子10について説明する。この回転子10は、例えば車両用のかご形三相電動機として使用される回転電機(図示せず)に搭載されるかご形回転子である。この回転子10は、図2〜図5に示すように、複数の鋼板を軸方向に積層してなる回転子コア11と、一対のエンドリング16及び両エンドリング16を連結する複数の連結バー17(図3参照)を有し鋳造により一体に形成された導電部材15と、を備えている。
回転子コア11は、軸方向に貫通する中心軸孔12及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数(本実施形態では16個)の貫通孔13(図4参照)を有するリング板状の複数の鋼板11aを軸方向に積層して形成されている。導電部材15を構成する一対のエンドリング16は、回転子コア11の軸方向両側に配置されている。導電部材15を構成する連結バー17は、貫通孔13を介して一対のエンドリング16を連結しており、本実施形態では16本とされている。
次に、本実施形態の回転子10の製造方法について説明する。本実施形態の製造方法は、回転子10をアルミダイカストにより製造するものであって、図1にフローチャートを示すように、セット工程S10と、鋳造工程S20と、切断工程S30と、離型工程S40とを順に実施する。
セット工程S10では、軸方向に相対移動させて開閉可能な鋳型21の所定位置に、回転子コア11を構成する複数の鋼板11aを軸方向に積層してセットする。ここで用いる鋳型21は、図6に示すように、鋳造装置に装備されており、回転子コア11を構成する複数の鋼板11aがセットされるキャビティ22aを有する固定型22と、固定型22に対して図示しない駆動部で軸方向(図6の左右方向)に相対移動(接近及び離間)可能に配設された可動型23とを備えている。
可動型23には、キャビティ22aに溶湯を供給する溶湯導入通路24が設けられている。この溶湯導入通路24は、固定型22のキャビティ22aにセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端面(図6の右側端面)に対向して開口するリング状のゲート24aを有する。本実施形態のゲート24aは、周方向に連続して1周するリング状に形成されている。そして、溶湯導入通路24のゲート24a側には、ゲート24aに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路24bが設けられている。
また、固定型22のキャビティ22aにセットされる複数の鋼板11aは、保持ピン25により軸方向に積層された状態に保持される。この保持ピン25は、鋼板11aの中心軸孔12に挿入される軸部25aと、軸部25aの軸方向一端部に設けられて中心軸孔12の溶湯供給側開口を閉塞する閉塞部25bとを備えている。
保持ピン25の軸部25aには、図7に示すように、軸部25a嵌合される複数の鋼板11aの回転方向(周方向)の位置決めをする位置決め部が設けられている。本実施形態の場合、位置決め部は、鋼板11aの中心軸孔12に設けられた係合凹部26aと、軸部25aの外周面に設けられ係合凹部26aと係合可能な係合凸部26bとにより構成されている。なお、係合凹部26aと係合凸部26bの凹凸の関係を逆に設定してもよい。
保持ピン25の閉塞部25bは、軸部25aから遠ざかるにつれて次第に小径となる円錐台形状に形成されている。閉塞部25bの大径側底面の直径は、軸部25aの直径よりも所定寸法大きい。そして、図8に示すように、固定型22のキャビティ22aに複数の鋼板11aと共にセットされた保持ピン25は、エアーシリンダなどで構成された駆動部31に反閉塞部25b側端部が接続された後、駆動部31により図8の左側に引き付けられる。これにより、閉塞部25bの大径側底面が積層された鋼板11aの軸方向一端面に当接して、中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞され、中心軸孔12内への溶湯の流入が防止される。なお、保持ピン25と駆動部31は、後述の変形例3〜5で示される接続方法などで接続されている。
この閉塞部25bは、固定型22と可動型23を軸方向に互いに接近するように移動させて型締めしたときに、可動型23の傾斜通路24b内に嵌入される。これにより、傾斜通路24bの外周側壁面と閉塞部25bの外周面との間に、ゲート24a側に向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路24bが形成される。なお、軸部25aの中心軸線L1に対する、傾斜通路24bの外周側壁面の傾斜角度と閉塞部25bの外周面の傾斜角度は概ね同じである。よって、傾斜通路24bは、概ね一定の厚みの円筒状に形成され、傾斜通路24bの大径側端部には、周方向に連続して1周するリング状のゲート24aが形成されている。即ち、傾斜通路24bの内周面側は、閉塞部25bの外周面で区画されている。
次の鋳造工程S20は、図8に示すセット工程S10終了後の状態から、図9に示すフローチャートに従って実施される。即ち、鋳型21の溶湯導入通路24に所定圧力でアルミ溶湯を注入して充填を開始する。このとき、溶湯導入通路24に注入された溶湯は、図10に示すように、傾斜通路24bを通りゲート24aから可動型23のキャビティ23aに流動する。本実施形態の場合、傾斜通路24bがゲート24aに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状に形成され、ゲート24aもリング状に形成されているので、ゲート24aからキャビティ23a内へ流動する溶湯は、図11に示すように、放射方向に均等に流動する。
その後、キャビティ23a内の溶湯は、図10に示すように、積層された鋼板11aの各貫通孔13を通って固定型22のキャビティ22aへと流動する。これにより、各貫通孔13及び両キャビティ22a,23a内に溶湯が充満した状態になり充填完了となる。その後、充填された溶湯が凝固を開始すると温度低下に伴って収縮するため、溶湯の補給を行いつつ、所定時間経過後に、次の切断工程S30を行う。
切断工程S30では、図12に示すように、駆動部31により保持ピン25を閉塞部25b側(図12の右側)へ移動させて、傾斜通路24b内の溶湯を局部的に加圧する。これにより、図13に示すように、保持ピン25の閉塞部25bの外周面が傾斜通路24bの外周壁面に当接して、傾斜通路24b内の溶湯を切断し、ゲート24a側と溶湯導入口側とに分断する。これにより、溶湯の凝固収縮に伴う鋳造欠陥の発生が防止されると同時に、傾斜通路24bのゲート24a付近での溶湯の切断が容易に行われる。
次の離型工程S40は、切断工程S30を終了し、溶湯の凝固が完了した後、図14に示すように、固定型22に対して軸方向に離間するように(図14の右側)図示しない駆動部で可動型23を相対移動させて鋳型21を型開きする。その状態で、固定型22のキャビティ22aから鋳物10A(回転子10)を取り出し、保持ピン25を引き抜いて取り外し、離型工程S40を終了する。その後、必要に応じてバリ取りなどの後処理を行って全工程を終了し、図2〜図5に示す製品としての回転子10が完成する。
以上のように、本実施形態の回転子10の製造方法によれば、鋳造工程S20において用いられる鋳型21には、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲート24aを有する溶湯導入通路24が設けられている。これにより、鋳型のキャビティ内へ周方向において均等に溶湯をバランス良く流動させることができるので、溶湯の流動性が良好となり、巣などの鋳造欠陥の発生を抑制することができる。
また、本実施形態では、溶湯導入通路24は、ゲート24aに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路24bを有する。これにより、溶湯導入通路24に供給された溶湯を、傾斜通路24bからゲート24aに向けて周方向に均等に且つ円滑に流動させることができる。
また、本実施形態では、セット工程S10において、鋳型21にセットされる複数の鋼板11aは、中心軸孔12に挿入される軸部25aと、軸部25aの軸方向一端部に設けられて中心軸孔12の溶湯供給側開口を閉塞する閉塞部25bとを備えた保持ピン25により保持されている。そのため、鋳型21にセットされる複数の鋼板11aが溶湯圧力でばらけてしまう虞れを回避することができるとともに、閉塞部25bで複数の鋼板11aの中心軸孔12内に溶湯が流入するのを防止することができる。これにより、不良品の発生や寸法精度の低下を回避することが可能となる。
また、本実施形態の保持ピン25は、軸部25aに嵌合される複数の鋼板11aの回転方向の位置決めをする係合凸部26b(位置決め部)を有するため、積層された複数の鋼板11aを鋳型21にセットする際に、鋳型21と複数の鋼板11aと保持ピン25の回転方向の位置を明確にすることができる。そのため、不良品の発生や寸法精度の低下をより確実に回避することができる。
また、本実施形態では、切断工程S30は、駆動部31により保持ピン25を軸方向に移動させて閉塞部25bを傾斜通路24bの外周壁面に当接させることにより溶湯を切断するようにしている。これにより、保持ピン25を利用して、切断工程S30を簡単かつ容易に実施することができる。
〔他の実施形態〕
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更することが可能である。以下、変形例1〜9により具体的に説明する。なお、変形例1〜9において実施形態1と共通する部材や部位については同じ符号を用いる。
〔変形例1〕
実施形態1の保持ピン25は、軸部25aの中心軸線L1に対する、閉塞部25bの外周面の傾斜角度と傾斜通路24bの外周側壁面の傾斜角度が概ね同じにされて、閉塞部25bの外周面全体が傾斜通路24bの外周側壁面に当接して溶湯を切断するようにされていた。これに代えて、図15に示す変形例1のように、傾斜通路24bの外周壁面と対向する閉塞部25bの対向面に、2つの面が交わる角部により形成された切断部27を設けるようにしてもよい。
この場合の切断部27は、閉塞部25bの外周面の中心軸線L1に対する傾斜角度が、傾斜通路24bの外周側壁面の中心軸線L1に対する傾斜角度よりも小さくされている。これにより、閉塞部25bの外周面と先端面とが交わる角部によって切断部27が形成されている。変形例1によれば、傾斜通路24bの外周側壁面に対して、局部的に応力が掛かり易い形状となるので、傾斜通路24b内において溶湯の切断を容易にかつ確実に行うことが可能となる。
〔変形例2〕
上記変形例1に代えて、図16に示す変形例2のように、閉塞部25bの2箇所に切断部28を設けるようにしてもよい。この場合、閉塞部25bは、大径部と小径部からなる2段の円柱状に形成されており、大径部の外周面と段部のリング状平面とが交わる角部、及び小径部の外周面と閉塞部25bの先端面とが交わる角部のそれぞれに切断部28が形成されている。
変形例2によれば、閉塞部25bの外周面の2箇所に切断部28が設けられているので、変形例1に比べて、傾斜通路24b内において溶湯の切断を更に容易にかつ確実に行うことが可能となる。
〔変形例3〕
変形例3は、図17(a)〜(f)に示すように、上記実施形態1において、保持ピン25と駆動部31とを接続する際の接続方法の一例であって、回転によるロック機構が採用されている。なお、図17(d)〜(f)は、図17(a)〜(c)に対して周方向に約90°位相がずれた位置の状態を示している。
この場合、駆動部31のシリンダロッド31Aの軸方向一端部(図17の右側端部)には、外周面の180°位相がずれた位置に一対の係合突起41が設けられている。一方、保持ピン25の軸部251aの反閉塞部25b側端部(図17の左側端部)には、シリンダロッド31Aの軸方向一端部が挿入される挿入孔42と、係合突起41が係合する一対の係合溝43が設けられている。挿入孔42は、軸部251aの反閉塞部25b側端面に開口して軸方向に延びている。また、係合溝43は、軸部251aの反閉塞部25b側端面から軸方向に所定距離延びた後、周方向へ直角に折れ曲がるように形成されている。
変形例3の接続作業は、次のように行われる。先ず、図17(a)及び(d)に示すように、保持ピン25の軸部251aとシリンダロッド31Aを、軸方向端面同士が軸方向に対向する状態に配置する。このとき、シリンダロッド31Aの係合突起41と軸部251aの係合溝43とを位置合わせしておく。この状態から、図17(b)及び(e)に示すように、シリンダロッド31Aの先端を軸方向に相対移動させて軸部251aの挿入孔42内に挿入する。そして、係合突起41が係合溝43の最奥端に到達した後、図17(c)及び(f)に示すように、シリンダロッド31Aを周方向に相対回転させる。これにより、周方向に延びる係合溝43に係合突起41が係合して、シリンダロッド31Aと軸部251aが軸方向への相対移動を規制された状態で接続される。
この変形例3の接続方法によれば、回転によるロック機構を採用しているので、簡単且つ容易な作業でシリンダロッド31Aと軸部251aを確実に接続することができる。
〔変形例4〕
変形例4は、上記実施形態1において、保持ピン25と駆動部31とを接続する際の他の接続方法の一例である。この変形例4では、図18(a)〜(c)に示すように、上記変形例3で採用された回転によるロック機構に代えて、差し込みピン47によるロック機構が採用されている。
この場合、駆動部31のシリンダロッド31Bの軸方向一端部(図18の右側端部)の所定位置には、差し込みピン47が差し込まれる第1ピン穴44が設けられている。この第1ピン穴44は、シリンダロッド31Bの中心軸線と直角に交差して径方向に貫通するように形成されている。一方、保持ピン25の軸部252aの反閉塞部25b側端部(図18の左側端部)には、シリンダロッド31Bの軸方向一端部が挿入される挿入孔45と、差し込みピン47が差し込まれる第2ピン穴46が設けられている。第2ピン穴46は、シリンダロッド31Bが挿入孔45に挿入された際に、シリンダロッド31Bに設けられたピン穴44の延長線上の位置に設けられている。
変形例4の接続作業は、次のように行われる。先ず、図18(a)に示すように、保持ピン25の軸部252aとシリンダロッド31Bを、軸方向端面同士が軸方向に対向する状態に配置する。このとき、シリンダロッド31Bの第1ピン穴44と軸部252aの第2ピン穴46とを位置合わせしておく。この状態から、図18(b)に示すように、シリンダロッド31Bの先端部を軸方向に相対移動させて軸部252aの挿入孔45内に挿入する。このとき、シリンダロッド31Bの先端が挿入孔45の最奥端に到達して、第1ピン穴44と第2ピン穴46が径方向に重なり合う状態にする。この状態で、図18(c)に示すように、第1ピン穴44及び第2ピン穴46に差し込みピン47を差し込み、接続作業を終了する。
この変形例4の接続方法によれば、差し込みピン47によるロック機構を採用しているので、簡単且つ容易な作業で、変形例3に比べてシリンダロッド31Bと軸部252aをより確実に接続することができる。
〔変形例5〕
変形例5は、上記実施形態1において、保持ピン25と駆動部31とを接続する際のさらに他の接続方法の一例である。この変形例5では、図19(a)〜(c)に示すように、上記変形例3で採用された回転によるロック機構に代えて、マグネットによるロック機構が採用されている。
この場合、駆動部31のシリンダロッド31C及び保持ピン25の軸部253aは、例えば鉄系金属などの磁性材料で形成されている。そして、シリンダロッド31Cの軸方向一端部(図19の右側端部)には、軸方向端面に開口した磁石収容孔に永久磁石48が埋め込まれ固定されている。一方、保持ピン25の軸部253aの反閉塞部25b側端部(図19の左側端部)には、シリンダロッド31Cの軸方向一端部が挿入される挿入孔49が設けられている。
変形例5の接続作業は、次のように行われる。先ず、図19(a)に示すように、保持ピン25の軸部253aとシリンダロッド31Cを、軸方向端面同士が軸方向に対向する状態に配置する。この状態から、図19(b)に示すように、シリンダロッド31Cの先端部を軸方向に相対移動させて軸部253aの挿入孔49内に挿入する。これにより、図19(c)に示すように、シリンダロッド31Cと軸部253aが、シリンダロッド31Cの先端部に埋設された永久磁石48の吸引力によって強固に連結された状態となり、接続作業を終了する。
この変形例5の接続方法によれば、マグネットによるロック機構を採用しているので、極めて簡単且つ容易な作業でシリンダロッド31Cと軸部253aを確実に接続することができる。
〔変形例6〕
変形例6は、図20に示す鋳造装置を用いて回転子10を製造する製造方法であって、実施形態1と同様に、図1に示すフローチャートに従って実施される。変形例6で用いる鋳造装置は、固定型22及び可動型23を有する鋳型21と、付勢部材32と、押圧部材33とを備えている。
そして、変形例6の場合にも、セット工程S10において、鋳型21にセットされる複数の鋼板11aは、実施形態1と同様に、軸部25aと閉塞部25bとを備えた保持ピン25に保持される。但し、変形例6では、保持ピン25を軸方向に押圧して移動させる押圧部材33と保持ピン25が直接に連結固定されていない点で実施形態1と異なる。この点については後で詳述する。
この変形例6では、セット工程S10において複数の鋼板11aを保持した状態で固定型22の所定位置にセットされた保持ピン25は、鋳型21が型締めされた後に、軸方向一端側(図20の右側)に配置された付勢部材32と、軸方向他端側(図20の左側)に配置された押圧部材33とにより軸方向両側から押圧可能とされている。
付勢部材32は、可動型23の溶湯導入通路24に配置されており、保持ピン25の閉塞部25bに当接して軸方向に移動可能に配置された可動体32aと、可動体32aを軸方向他端側に付勢するコイルばね32bとを備えている。この付勢部材32は、コイルばね32bの付勢力により軸方向他端側(図20の矢印a方向)に常時付勢される可動体32aで閉塞部25bを軸方向他端側に常時押圧している。これにより、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端側端面に閉塞部25bの底面が当接した状態となり、中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞部25bにより閉塞される。この閉塞状態は、鋳造工程S20において維持される。
押圧部材33は、固定型22の軸方向他端側に配置された駆動部33aと、駆動部33aにより駆動されるエアーシリンダ33bとを備えている。エアーシリンダ33bは、複数の鋼板11aを保持して鋳型21にセットされた保持ピン25の軸部25aとシリンダロッド33cが軸方向に対向する状態に配置されている。この場合、軸方向に進退動するシリンダロッド33cの先端は、固定具などで保持ピン25の軸部25aと連結固定されていない。
この押圧部材33は、切断工程S30において、駆動部33aにより付勢部材32の付勢力よりも大きい押圧力でシリンダロッド33cを進出させることにより、シリンダロッド33cの先端が軸部25aの軸方向端面を押圧して保持ピン25を軸方向一端側(図20の矢印b方向)へ移動させる。これにより、閉塞部25bを傾斜通路24bの外周壁面に当接させることによって溶湯を切断する。
その後、シリンダロッド33cを後退させると、付勢部材32の付勢力により保持ピン25が軸方向他端側へ押圧されて、閉塞部25bが鋼板11aの軸方向一端側端面に当接する初期位置に戻る。なお、変形例6の場合には、保持ピン25が付勢部材32により軸方向他端側(シリンダロッド33cの後退側、図20の矢印a方向)に常時押圧されているので、シリンダロッド33cと軸部25aの連結固定が不要となる。
以上のように、変形例6によれば、保持ピン25は、軸方向一端側に配置された付勢部材32と軸方向他端側に配置された押圧部材33とにより軸方向両側から押圧可能とされ、付勢部材32は、保持ピン25の閉塞部25bを軸方向他端側に常時押圧するようにしている。そのため、切断工程S30において作動する押圧部材33のシリンダロッド33cと保持ピン25の軸部25aとを連結固定する必要がないので、固定具を廃止することができる。
〔変形例7〕
変形例7は、上記実施形態1において用いられた保持ピン25に代えて、図21に示すように、傾斜通路24bの内周面を区画する通路区画面35cを有する閉塞ピン35で、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの中心軸孔12の溶湯供給側開口を閉塞するようにしたものである。
閉塞ピン35は、軸部35aと、軸部35aの軸方向一端部(図21の左側端部)に一体に設けられた円錐台形状の閉塞部35bとからなり、可動型23の溶湯導入通路24に配置されている。閉塞部35bは、軸部35aの軸方向一端側の端面に対して小径側端部が同軸となる状態に連結している。この閉塞ピン35は、セット工程S10において、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端側の端面と閉塞部35bの大径側底面が対向し、複数の鋼板11aと同軸状となる状態に配置されている。
この閉塞ピン35の軸方向他端側(図21の右側)には、閉塞ピン35を軸方向に移動させるエアーシリンダ36aを備えた駆動部36が設けられている。エアーシリンダ36aのシリンダロッド36bの先端は、軸部35aの軸方向他端部に固定具(図示せず)を介して連結固定されている。
そして、次の鋳造工程S20を開始する前に、駆動部36の作動により閉塞ピン35を軸方向一端側(図21の左側、矢印b方向)に押圧して、閉塞部35bの大径側底面が鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端側の端面に当接した状態にする(図21参照)。これにより、複数の鋼板11aの中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞される。また、閉塞部35bの外周面は、傾斜通路24bの内周面を区画する通路区画面35cとなる。
そして、鋳造工程S20終了後に行われる切断工程S30では、駆動部36の作動により閉塞ピン35を軸方向他端側(図21の右側)に引き付けて、閉塞部35bの通路区画面35cを傾斜通路24bの外周壁面に当接させることにより溶湯を切断する。
以上のように、変形例7によれば、セット工程S10において、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aは、鋼板11aの軸方向一端面に当接した状態に配置されて傾斜通路24bの内周面を区画する通路区画面35cを有する閉塞ピン35により中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞されるようにしている。これにより、傾斜通路24bの内周面を区画する閉塞ピン35の閉塞部35bを利用して、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの中心軸孔12内に溶湯が流入するのを確実に防止することができる。
また、切断工程S30は、駆動部36により閉塞ピン35を軸方向に移動させて傾斜通路24bの外周壁面に閉塞部35bの通路区画面35cを当接させることにより、溶湯を切断するようにしている。これにより、閉塞ピン35を利用して、切断工程S30を簡単かつ容易に実施することができる。
〔変形例8〕
変形例8は、上記変形例7において用いられた閉塞ピン35に代えて、図22に示すように、円筒状通路24cの内周面を区画する通路区画面51cを有する閉塞ピン51で、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの中心軸孔12の溶湯供給側開口を閉塞するようにしたものである。
変形例8の鋳型21の溶湯導入通路24には、実施形態1等で設けられていた傾斜通路24bに代えて、概ね一定の径で軸方向に延びてゲート24aに連通する円筒状通路24cが設けられている。
そして、変形例8で用いられる閉塞ピン51は、円柱状に形成されている。閉塞ピン51の軸方向一端部(図22の左側端部)には、軸方向一端側に向かうにつれて小径となるテーパ部が形成されている。この閉塞ピン51は、セット工程S10において、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向一端側の端面と軸方向一端側の端面(テーパ部の先端面)が対向し、複数の鋼板11aと同軸状となる状態に配置されている。
この閉塞ピン51の軸方向他端側(図22の右側)には、閉塞ピン51を軸方向一端側(図22の矢印a方向)に常時付勢するコイルばね52が配置されている。これにより、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの軸方向他端側端面に閉塞ピン51の軸方向一端側端面(テーパ部の先端面)が当接した状態となり、中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞ピン51により閉塞される。また、閉塞ピン51のテーパ部の外周面は、傾斜通路24bの内周面を区画する通路区画面51cとなる。この閉塞状態は、鋳造工程S20において維持される。なお、閉塞ピン51のテーパ部の周囲に形成されるリング状のゲート24aは、閉塞ピン51の軸方向一端側が先細りとなっていることから、軸方向一端側に向かうほど径方向の厚み幅が大きくなるため、溶湯の流動性が良好となる。
そして、円筒状通路24cの入り口側には、切断工程S30において、円筒状通路24cの溶湯を切断する長尺円柱状に形成された切断部材53が設けられている。この切断部材53は、閉塞ピン51と平行に並んだ状態で、その先端が円筒状通路24cの入り口に位置するように配置されている。切断部材53の軸方向他端側には、切断部材53を軸方向に移動させるエアーシリンダ36aを備えた駆動部36が設けられている。エアーシリンダ36aのシリンダロッド36bの先端は、切断部材53の軸方向他端部に固定具(図示せず)を介して連結固定されている。これにより、切断工程S30において、駆動部36の作動により切断部材53を軸方向一端側(図22の矢印a方向)に移動させて、円筒状通路24cの溶湯を切断する。
以上のように、変形例8によれば、溶湯導入通路24は、ゲート24aに連通する円筒状通路24cを有するので、溶湯導入通路24に供給された溶湯を、円筒状通路24cからゲート24aに向けて周方向に均等に且つ円滑に流動させることができる。
また、セット工程S10において、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aは、鋼板11aの軸方向一端面に当接した状態に配置されて円筒状通路24cの内周面を区画する通路区画面51cを有する閉塞ピン51により中心軸孔12の溶湯供給側開口が閉塞されるようにしている。これにより、円筒状通路24cの内周面を区画する閉塞ピン51を利用して、鋳型21にセットされた複数の鋼板11aの中心軸孔12内に溶湯が流入するのを確実に防止することができる。
また、切断工程S30は、駆動部36により切断部材53を軸方向に移動させて円筒状通路24cの溶湯を切断するようにしているので、切断部材53により切断工程S30を簡単かつ容易に実施することができる。
〔変形例9〕
変形例9は、上記変形例8において用いられた切断部材53に代えて、図23に示すように、一端が開口した円筒状の切断部材55を用いた点で変形例8と異なる。変形例9の切断部材55は、閉塞ピン51の後端側(図23の右側)を内部に収容して閉塞ピン51と同軸状に且つ軸方向に相対移動可能に配置されている。切断部材55の開口側(図23の右側)端部は、円筒状通路24cの入り口に位置している。
そして、切断部材55の底部側(図23の右側)には、切断部材55を軸方向に移動させるエアーシリンダ36aを備えた駆動部36が設けられている。エアーシリンダ36aのシリンダロッド36bの先端は、切断部材55の軸方向他端部に固定具(図示せず)を介して連結固定されている。これにより、変形例9の場合にも、切断工程S30において、駆動部36の作動により切断部材55を軸方向一端側(図23の矢印a方向)に移動させて、円筒状通路24cの溶湯を切断する。なお、変形例9の他の構成は、変形例8と同じであるので、図23に同じ符号を付して詳しい説明は省略する。
以上のように構成された変形例9は、変形例8と同様の作用及び効果を奏する。
10…回転子、 10A…鋳物(回転子)、 11…回転子コア、 12…中心軸孔、 13…貫通孔、 15…導電部材、 16…エンドリング、 17…連結バー、 21…鋳型、 24…溶湯導入通路、 24a…ゲート、 24b…傾斜通路、 24c…円筒状通路、 25…保持ピン、 25a,251a,252a,253a…軸部、 25b…閉塞部、 26b…係合凸部(位置決め部)、 27,28…切断部、 31,36…駆動部、 32…付勢部材、 33…押圧部材、 35,51…閉塞ピン、 35c,51c…通路区画面、 53,55…切断部材。

Claims (9)

  1. 軸方向に貫通する中心軸孔(12)及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数の貫通孔(13)を有する複数の鋼板(11a)を軸方向に積層してなる回転子コア(11)と、前記回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリング(16)及び前記貫通孔を介して一対の前記エンドリングを連結する複数の連結バー(17)を有し鋳造により一体に形成された導電部材(15)と、を備えた回転子(10)の製造方法において、
    軸方向に相対移動させて開閉可能な鋳型(21)の所定位置に、前記回転子コアを構成する複数の前記鋼板を軸方向に積層してセットするセット工程(S10)と、
    前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板の軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲート(24a)及び前記ゲートに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路(24b)を有する溶湯導入通路(24)に溶湯を供給して前記導電部材を形成する鋳造工程(S20)と、
    前記溶湯導入通路において前記溶湯を切断して前記ゲート側と溶湯導入口側とに分断する切断工程(S30)と、
    前記鋳型を型開きして鋳物(10A)を取り出す離型工程(S40)と、を有し、
    前記セット工程において、前記鋳型にセットされる複数の前記鋼板は、前記中心軸孔に挿入される軸部(25a)と、前記軸部の軸方向一端部に設けられて前記中心軸孔の溶湯供給側開口を閉塞する閉塞部(25b)とを備えた保持ピン(25)により保持されることを特徴とする回転子の製造方法。
  2. 前記保持ピンは、前記軸部に嵌合される複数の前記鋼板の回転方向の位置決めをする位置決め部(26b)を有することを特徴とする請求項1に記載の回転子の製造方法。
  3. 前記切断工程は、駆動部(31)により前記保持ピンを軸方向に移動させて前記閉塞部を前記傾斜通路の外周壁面に当接させることにより前記溶湯を切断することを特徴とする請求項1又は2に記載の回転子の製造方法。
  4. 前記閉塞部は、前記傾斜通路の外周壁面と対向する対向面に2つの面が交わる角部により形成されて、前記傾斜通路の外周壁面に当接して前記溶湯を切断する切断部(27)を有することを特徴とする請求項3に記載の回転子の製造方法。
  5. 前記保持ピンは、軸方向一端側に配置された付勢部材(32)と軸方向他端側に配置された押圧部材(33)とにより軸方向両側から押圧可能とされ、
    前記鋳造工程において、前記付勢部材の付勢力で前記閉塞部を軸方向に押圧して、前記鋳型にセットされた前記鋼板の前記中心軸孔の溶湯供給側開口を前記閉塞部で閉塞し、
    前記切断工程において、前記押圧部材の押圧力で前記保持ピンを軸方向に移動させて、前記閉塞部を前記傾斜通路の外周壁面に当接させることにより前記溶湯を切断することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の回転子の製造方法。
  6. 軸方向に貫通する中心軸孔(12)及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数の貫通孔(13)を有する複数の鋼板(11a)を軸方向に積層してなる回転子コア(11)と、前記回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリング(16)及び前記貫通孔を介して一対の前記エンドリングを連結する複数の連結バー(17)を有し鋳造により一体に形成された導電部材(15)と、を備えた回転子(10)の製造方法において、
    軸方向に相対移動させて開閉可能な鋳型(21)の所定位置に、前記回転子コアを構成する複数の前記鋼板を軸方向に積層してセットするセット工程(S10)と、
    前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板の軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲート(24a)及び前記ゲートに向かって次第に大径となるように傾斜した円筒状の傾斜通路(24b)を有する溶湯導入通路(24)に溶湯を供給して前記導電部材を形成する鋳造工程(S20)と、
    前記溶湯導入通路において前記溶湯を切断して前記ゲート側と溶湯導入口側とに分断する切断工程(S30)と、
    前記鋳型を型開きして鋳物(10A)を取り出す離型工程(S40)と、を有し、
    前記セット工程において、前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板は、前記鋼板の軸方向一端面に当接した状態に配置されて前記傾斜通路の内周面を区画する通路区画面(35c)を有する閉塞ピン(35)により前記中心軸孔の溶湯供給側開口が閉塞されることを特徴とする回転子の製造方法。
  7. 前記切断工程は、駆動部(36)により前記閉塞ピンを軸方向に移動させて前記傾斜通路の外周壁面に当接させることにより前記溶湯を切断することを特徴とする請求項6に記載の回転子の製造方法。
  8. 軸方向に貫通する中心軸孔(12)及び軸方向に貫通し周方向に配列された複数の貫通孔(13)を有する複数の鋼板(11a)を軸方向に積層してなる回転子コア(11)と、前記回転子コアの軸方向両側に配置された一対のエンドリング(16)及び前記貫通孔を介して一対の前記エンドリングを連結する複数の連結バー(17)を有し鋳造により一体に形成された導電部材(15)と、を備えた回転子(10)の製造方法において、
    軸方向に相対移動させて開閉可能な鋳型(21)の所定位置に、前記回転子コアを構成する複数の前記鋼板を軸方向に積層してセットするセット工程(S10)と、
    前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板の軸方向一端面に対向して開口するリング状のゲート(24a)及び前記ゲートに連通する円筒状通路(24c)を有する溶湯導入通路(24)に溶湯を供給して前記導電部材を形成する鋳造工程(S20)と、
    前記溶湯導入通路において前記溶湯を切断して前記ゲート側と溶湯導入口側とに分断する切断工程(S30)と、
    前記鋳型を型開きして鋳物(10A)を取り出す離型工程(S40)と、を有し、
    前記セット工程において、前記鋳型にセットされた複数の前記鋼板は、前記鋼板の軸方向一端面に当接した状態に配置されて前記円筒状通路の内周面を区画する通路区画面(51c)を有する閉塞ピン(51)で前記中心軸孔の溶湯供給側開口が閉塞されることを特徴とする回転子の製造方法。
  9. 前記切断工程は、駆動部(36)により切断部材(53,55)を軸方向に移動させて前記円筒状通路の前記溶湯を切断することを特徴とする請求項8に記載の回転子の製造方法。
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