JP5843376B1 - パイプ曲げ型ユニット、及び該ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置 - Google Patents

パイプ曲げ型ユニット、及び該ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置 Download PDF

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Abstract

しわの発生を懸念することなくパイプに対する曲げ加工を適切に行い得るパイプ曲げ型ユニット、及び該ユニットを備え段替え容易なパイプ曲げ加工装置を提供する。曲げ型(100)が、外周面に断面半円状の第1の溝部(11)を有すると共に、第1の溝部に形成され、回転軸(A)に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部(12)を有する把持部材(10)と、外周面に断面半円状の第2の溝部(21)を有すると共に、第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部2を有する対圧部材(20)を具備する。嵌合凸部は嵌合凹部に嵌合され、第1の溝部及び第2の溝部によって断面半円状のパイプ受溝が形成される。而して、対圧部材と把持部材は回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されている。

Description

本発明は、パイプの曲げ加工に好適なパイプ曲げ型ユニット、及び該ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置に係る。
パイプに対する曲げ加工として、プレス曲げ、圧縮曲げ、引張曲げ、引き曲げ等、種々の加工が知られているが、回転引き曲げ加工が最も多く使われている。一般的な回転引き曲げ加工は、外周面に溝が形成された曲げ型に対し把持型によってパイプを把持し、このパイプを圧力型によって曲げ型方向に押圧しながら曲げ型(及び把持型)を回転駆動すると、パイプは接線方向に移動し曲げ型の溝に沿って曲げられるというもので、例えば特許文献1の第2柱に記載されており、特許文献2にもその段落〔0003〕乃至〔0006〕(曲げ型はロール型と記載)及び図11に開示されている。
特許文献2においては、パイプの曲げ部分の内側に発生するしわを防止するために設けられるワイパー(シュー)に関し、摺動に伴う摩耗あるいは欠損に対処し得るワイパーが提案されている(特許文献2の段落〔0013〕及び〔0014〕に記載)。同様に、特許文献3には、「ワイパーと曲げダイとの間に段差が生じることがなく、耐摩耗性を有し、種々の材質のパイプを使用しても問題がなく、極めて長寿命で設備調整作業を頻繁に行なう必要がないパイプ曲げ加工装置を提供する」ことを目的とし、「パイプを曲げ加工するために外周面が所定の曲率で円弧状に形成された曲げダイと、当該曲げダイとの間でパイプをクランプするクランプ部材と、当該クランプ部材を前記曲げダイを中心に回動し前記パイプを曲げるときの皺の発生を防止するワイパーと、を有するパイプ曲げ加工装置であって、前記クランプ部材の回動方向における前記ワイパーの先端部を、前記パイプの曲げ開始点を越え前記曲げダイの外周面の曲率に沿って伸延させたことを特徴とする」パイプ曲げ加工装置が提案されている(特許文献3の段落〔0005〕及び〔0006〕に記載)。
更に、特許文献4には、「異なる寸法の管を曲げるために、または、異なる形式の管曲げ作業のために迅速且つ正確にダイセットを交換する」方法及び装置に関し、「管曲げ作業のため予め組立てられたダイセットが提供され、曲げダイとクランプダイと圧力ダイとを含み管曲げテーブルのスピンドルに取付け可能であるダイセットにおいて、圧力ダイとクランプダイとを曲げダイに解放可能に互いに連結し互いにかつ曲げダイに対して予め定めた整合関係で連結する第1の手段と、ダイセットと係合してこれらダイセットを含むダイをテーブルから同時に持ち上げる操作手段とを含む」旨記載されている(特許文献4の第7頁に記載)。そして、「多くの管曲げ作業はワイパーダイとマンドレルとの使用を必要とするが、必要の場合には、これらも予め組立てられたダイセットの一部をなす」旨記載されており(同第8頁)、ワイパーダイがワイパーダイ腕によって曲げダイに結合された態様も開示されている(同第15頁及び図6)。
米国特許第5337590号明細書 特開2004−9125号公報 特開2008−246504号公報 特表平11−512029号公報
上記特許文献1においては積極的にしわが形成されるように構成されているが、一般的に、回転引き曲げ加工にはしわを無くすために、しわおさえが用いられ、特許文献2乃至4においてはワイパーが設けられている。このうち、特許文献2及び4に記載のワイパーは先端部が楔形状に形成されており、特許文献2では先端のエッジ部の摩耗が懸念され、その対策が講じられている。特に、ワイパーと曲げダイとの間には、パイプの曲げ開始線(通常は、曲げダイの回転軸を含む面が曲げダイの溝内面と交差する線)に沿って段差が存在するので、この段差に起因するしわを回避することはできない。これを最小減に抑えるにはワイパー先端部の楔形状の維持が必須であり、特に先端部を極力薄くする必要があるため脆弱であり、耐久性に乏しい。また、定期的な摩耗対策が不可避であり、頻繁な交換が必要とされている。しかも、曲げ加工の初期設定が困難であるので、熟練した技術が要求される。従って、大量の曲げ加工を連続して行うことは困難である。
これに対し、特許文献3に一実施形態として記載されたワイパーは、上下方向に三分割された曲げダイのうちの中央ダイ部の一部を構成し、断面円弧状の凹部が形成されており(特許文献3の段落〔0025〕乃至〔0030〕に記載)、これにより「エッジ構造を有する先端部を形成する必要がなく、曲げダイとの間に段差が生じる虞れもない」と記載されているが(同段落〔0032〕)、この間の説明は不明である。仮に、加工対象のパイプに対し、曲げ加工の開始から終了まで、パイプ軸に平行な三つの平面で分割された曲げダイのうち、上下のサイドダイ部が曲げ加工に寄与し、中央部がワイパーとして機能するという分離作動が行われるというのであれば、しわの発生を防止することが困難というだけでなく、曲げ加工自体も適切に行うことは困難であり、所望の曲げ加工を可能とする構成の開示は見当たらない。
一方、特許文献4には、異なる寸法の管を曲げるために、または、異なる形式の管曲げ作業のために、曲げダイ、クランプダイ及び圧力ダイが予め組立てられたダイセットを交換し得るように構成されているが、ワイパーダイは必ずしも必須とされていない(特許文献4の第11頁に記載)。従って、特許文献4においては、段替え機能に着目されているものの、しわの発生を適切に防止し得る機能を含めて交換可能なダイセットが開示されているものではなく、パイプの曲げ加工に好適なパイプ曲げ型ユニット及びこれを備えた装置が示唆されているものでもない。
そこで、本発明は、しわの発生を懸念することなくパイプに対する曲げ加工を適切に行い得るパイプ曲げ型ユニットを提供することを課題とする。また、当該曲げ加工に好適なパイプ曲げ型ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置を提供することを課題とする。
更に、本発明は、しわの発生を懸念することなくパイプに対する曲げ加工を適切に行い、且つ、段替えを容易に行い得るパイプ曲げ型ユニット、及び該ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置を提供することを別の課題とする。
上記の課題を達成するため、本発明は、外周面に断面半円状のパイプ受溝を有し回転軸を中心に回転駆動される曲げ型を備え、該曲げ型が、外周面に断面半円状の第1の溝部を有すると共に、該第1の溝部に形成され、前記回転軸に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部を有する把持部材と、外周面に断面半円状の第2の溝部を有すると共に、該第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部を有し、該嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合し前記第1の溝部及び前記第2の溝部を結合して前記断面半円状のパイプ受溝を形成する対圧部材とを具備し、該対圧部材と前記把持部材が前記回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、前記回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されている構成としたものである。
上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している構成とするとよい。あるいは、前記嵌合凹部に嵌合される前記嵌合凸部の嵌合部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記把持部材の前記第1の溝部と前記対圧部材の前記第2の溝部との当接部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の後方側に位置している構成とするとよい。
前記対圧部材は、前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部を有し、該回転支持部の一部が前記嵌合凸部を構成し、当該回転支持部の外周面が、前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である構成とするとよい。更に、前記対圧部材と前記把持部材は、前記嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている構成としてもよい。
また、上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、前記把持部材が、前記断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、前記嵌合凹部が、前記回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、前記環状凹部の底中心に配置され、前記断面半円状の第1の溝部が、前記嵌合凹部の一部を含み前記環状凹部に連続しており、前記対圧部材が、前記平面の両側に形成され、前記環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ前記回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、前記嵌合凸部の外周面の前記第2の溝部が、前記曲面部に隣接して前記回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する構成としてもよい。
更に、前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している構成としてもよい。
あるいは、前記対圧部材は、前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、該回転支持部に一体的に形成され、前記断面半円状の第2の溝部及び前記曲面部が形成された本体部とを有し、該本体部に一体的に接合される前記回転支持部の一部が径方向外側に延出し、前記回転支持部が前記嵌合凸部を構成し、前記回転支持部の外周面が前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である構成とするとよい。特に、前記対圧部材における前記本体部の前記断面半円状の第2の溝部と、前記曲面部に隣接する前記第2の溝部の端部側面とのなす角が鈍角に設定される構成とするとよい。更に、前記対圧部材は、少なくとも第1の部材及び第2の部材を具備したものとし、前記回転支持部が前記第1の部材の主要部分を構成すると共に、前記本体部が前記第2の部材の主要部分を構成し、前記第1の部材及び前記第2の部材が接合されて前記対圧部材が構成されるようにしてもよい。
また、上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、前記曲げ型が、前記把持部材及び前記対圧部材、並びに前記回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、該下型と前記上型との間に、前記対圧部材の前記嵌合凸部が介装される構成としてもよい。
また、上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、前記対圧部材が少なくとも二部材に分割され、該少なくとも二部材が、前記嵌合凸部を含む当接部材と前記回転軸に回転可能に軸支される回転支持部材であり、該回転支持部材に対し前記当接部材が着脱可能に接合される構成としてもよい。前記把持部材及び前記対圧部材が夫々、前記回転軸に対して直交する面で分割された複数の部材から成り、該複数の部材が積層されて前記把持部材及び前記対圧部材が構成されることとしてもよい。更に、前記把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備えたものとし、該ノックピンに前記対圧部材が当接する位置が前記把持部材と前記対圧部材の初期相対位置となるように設定されている構成とするとよい。
また、本発明は、外周面に断面半円状のパイプ受溝を有し回転軸を中心に回転駆動される曲げ型と、該曲げ型のパイプ受溝に配置される加工対象のパイプを把持する把持型と、前記パイプを前記曲げ型方向に押圧する圧力型とを備え、前記曲げ型が、外周面に断面半円状の第1の溝部を有すると共に、該第1の溝部に形成され、前記回転軸に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部を有する把持部材と、外周面に断面半円状の第2の溝部を有すると共に、該第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部を有し、該嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合し前記第1の溝部及び前記第2の溝部を結合して前記断面半円状のパイプ受溝を形成する対圧部材とを具備し、該対圧部材と前記把持部材が前記回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、前記回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されてパイプ曲げ型ユニットが構成されているパイプ曲げ加工装置を提供するものである。
上記のパイプ曲げ加工装置において、前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している構成とするとよい。
更に、前記把持部材が、前記断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、前記嵌合凹部が、前記回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、前記環状凹部の底中心に配置され、前記断面半円状の第1の溝部が、前記嵌合凹部の一部を含み前記環状凹部に連続しており、前記対圧部材が、前記平面の両側に形成され、前記環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ前記回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、前記嵌合凸部の外周面の前記第2の溝部が、前記曲面部に隣接して前記回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する構成とするとよい。
更に、前記対圧部材は、前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、該回転支持部に一体的に形成され、前記断面半円状の第2の溝部及び前記曲面部が形成された本体部とを有し、該本体部に一体的に接合される前記回転支持部の一部が径方向外側に延出し、前記回転支持部が前記嵌合凸部を構成し、前記回転支持部の外周面が前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である構成とするとよい。また、前記対圧部材は、少なくとも第1の部材及び第2の部材を具備し、前記回転支持部が前記第1の部材の主要部分を構成すると共に、前記本体部が前記第2の部材の主要部分を構成し、前記第1の部材及び前記第2の部材が接合されて前記対圧部材が構成されるようにしてもよい。
上記のパイプ曲げ加工装置において、前記対圧部材と前記把持部材は、前記嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている構成とするとよい。また、前記曲げ型は、前記把持部材及び前記対圧部材、並びに前記回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、該下型と前記上型との間に、前記対圧部材の前記嵌合凸部が介装されるように構成するとよい。
また、上記のパイプ曲げ加工装置において、前記把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備え、該ノックピンに前記対圧部材が当接する位置が前記把持部材と前記対圧部材の初期相対位置となるように設定されている構成とするとよい。更に、前記パイプ内に先端部が挿入され、前記曲げ型の所定の回転範囲で前記先端部が前記圧力型に対向するように駆動される芯金を備えたものとしてもよい。
本発明は上述のように構成されているので以下の効果を奏する。即ち、本発明のパイプ曲げ型ユニットにおいては、これを構成する曲げ型が、外周面に断面半円状の第1の溝部を有すると共に、第1の溝部に形成され、回転軸に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部を有する把持部材と、外周面に断面半円状の第2の溝部を有すると共に、第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部を有し、嵌合凸部が嵌合凹部に嵌合し第1の溝部及び第2の溝部を結合して断面半円状のパイプ受溝を形成する対圧部材とを具備し、対圧部材と把持部材が回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されているので、しわの発生を懸念することなくパイプに対する曲げ加工を適切に行なうことができる。しかも、加工対象のパイプの形状に応じて複数のパイプ曲げ型ユニットを用意しておけば、種々のパイプ形状に対する曲げ加工に際し、その形状に応じたパイプ曲げ型ユニットを選択して交換するだけでよいので、段替えが容易で段替え後の調整も不要なパイプ曲げ型ユニットを提供することができる。
上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、嵌合凸部の一部が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向の前方側に位置し、嵌合凸部の他の部分が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向に対して後方側に位置している構成、あるいは、嵌合凹部に嵌合される嵌合凸部の嵌合部が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向の前方側に位置し、把持部材の第1の溝部と対圧部材の第2の溝部との当接部が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向の後方側に位置している構成とすれば、パイプにしわが発生することなく、円滑な曲げ加工を行うことができる。
対圧部材は、回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部を有するものとすれば、確実に回転軸を中心に回転可能に支持することができる。特に、把持部材に対し容易に蝶番結合することができ、回転支持部の一部が嵌合凸部を構成し、回転支持部の外周面が、断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面となるように構成すれば、対圧部材を単一部品で適切な形状に形成することができる。また、対圧部材と把持部材が、嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている構成とすれば、パイプにしわが発生することなく、円滑な曲げ加工を行うことができる。
上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、把持部材が、断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、嵌合凹部が、回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、環状凹部の底中心に配置され、断面半円状の第1の溝部が、嵌合凹部の一部を含み環状凹部に連続しており、対圧部材が、前記平面の両側に形成され、環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、嵌合凸部の外周面の第2の溝部が、曲面部に隣接して回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する構成とすれば、対圧部材の曲面部におけるパイプに対する加工開始位置の先端部は把持部材の環状凹部に密着するが、それ以外の部分では、把持部材と対圧部材の相対回転角度が変化しても、対圧部材の曲面部と環状凹部との間に間隙が生ずるので、対圧部材を、環状凹部に干渉することなく容易且つ適切に把持部材に組み付けることができると共に、対圧部材の耐久性が向上する。
上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、嵌合凸部の一部が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向の前方側に位置し、嵌合凸部の他の部分が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向に対して後方側に位置している構成とすれば、パイプにしわが発生することなく、円滑な曲げ加工を行うことができる。
対圧部材は、回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、回転支持部に一体的に形成され、断面半円状の溝及び曲面部が形成された本体部とを有し、この本体部に一体的に接合される回転支持部の一部が径方向外側に延出するように形成すれば、確実に回転軸を中心に回転可能に支持することができ、把持部材に対し容易に蝶番結合することができる。しかも、回転支持部の一部が径方向外側に延出するように形成されているので、回転支持部に対する応力集中を緩和することができ、対圧部材の耐久性が向上する。この回転支持部は嵌合凸部を構成し、回転支持部の外周面が、断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面とするように構成されているので、対圧部材を単一部品で適切な形状に形成することができる。特に、対圧部材における本体部の断面半円状の第2の溝部と、曲面部に隣接する第2の溝部の端部側面とのなす角を鈍角に設定すれば、良好な耐久性を確保することができる。更に、対圧部材は、少なくとも第1の部材及び第2の部材を具備したものとし、回転支持部が第1の部材の主要部分を構成すると共に、本体部が第2の部材の主要部分を構成し、第1の部材及び第2の部材が接合されて対圧部材が構成されるようにすれば、回転支持部が摩耗した場合には、第1の部材のみを交換すればよいので、交換作業が容易となるだけでなく、長期的にみればコストダウンとなる。
一方、曲げ型が、把持部材及び対圧部材、並びに回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、下型と上型との間に、対圧部材の嵌合凸部が介装される構成とすれば、前述の構成に比し、部品点数は増加するが、各部品に要求される機能に応じた精度で製造することができ、各部品の製造が容易となる。
また、上記のパイプ曲げ型ユニットにおいて、対圧部材が少なくとも二部材に分割され、少なくとも二部材が、嵌合凸部を含む当接部材と回転軸に回転可能に軸支される回転支持部材であり、回転支持部材に対し当接部材が着脱可能に接合される構成とすれば、必要に応じて当接部材のみを交換し得る構造となるので、摩耗対策が容易となる。把持部材及び対圧部材が夫々、回転軸に対して直交する面で分割された複数の部材から成り、複数の部材が積層されて把持部材及び対圧部材が構成されるものとすれば、複数の部材を積層することによって把持部材及び対圧部材を構成すると同時に、両者の蝶番結合を構成することができる。更に、把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備えたものとし、ノックピンに対圧部材が当接する位置が把持部材と対圧部材の初期相対位置となるように設定されている構成とすれば、把持部材と対圧部材の初期相対位置が予め設定されたパイプ曲げ型ユニットを提供することができる。
そして、本発明のパイプ曲げ加工装置は、前述のように構成されたパイプ曲げ型ユニットと、その曲げ型のパイプ受溝に配置される加工対象のパイプを把持する把持型と、パイプを曲げ型方向に押圧する圧力型とを備え、この圧力型によってパイプを曲げ型方向に押圧しながら把持型及び曲げ型を回転させてパイプに対し曲げ加工を行うように構成されているので、しわの発生を懸念することなくパイプに対する曲げ加工を適切に行なうことができる。しかも、加工対象のパイプの形状に応じて複数のパイプ曲げ型ユニットを用意しておけば、種々のパイプ形状に対する曲げ加工に際し、その形状に応じたパイプ曲げ型ユニットを選択して交換するだけでよいので、容易に段替えを行うことができ、段替え後の調整も不要である。従って、ロボットによる自動段替えも可能となる。
上記のパイプ曲げ加工装置において、嵌合凸部の一部が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向の前方側に位置し、嵌合凸部の他の部分が、パイプの曲げ加工開始位置に対しパイプの進行方向に対して後方側に位置している構成とすれば、円滑な曲げ加工を行うことができる。
特に、把持部材が、断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、嵌合凹部が、回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、環状凹部の底中心に配置され、断面半円状の第1の溝部が、嵌合凹部の一部を含み環状凹部に連続しており、対圧部材が、前記平面の両側に形成され、環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、嵌合凸部の外周面の第2の溝部が、曲面部に隣接して回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する構成とすれば、対圧部材の曲面部におけるパイプに対する加工開始位置の先端部は把持部材の環状凹部に密着するが、それ以外の部分では、把持部材と対圧部材の相対回転角度が変化しても、対圧部材の曲面部と環状凹部との間に間隙が生ずるので、対圧部材を、環状凹部に干渉することなく容易且つ適切に把持部材に組み付けることができると共に、対圧部材の耐久性が向上する。
上記のパイプ曲げ加工装置に供される対圧部材は、回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、回転支持部に一体的に形成され、断面半円状の溝及び曲面部が形成された本体部とを有し、本体部に一体的に接合される回転支持部の一部が径方向外側に延出するように形成すれば、確実に回転軸を中心に回転可能に支持することができ、把持部材に対し容易に蝶番結合することができる。しかも、回転支持部の一部が径方向外側に延出するように形成されているので、回転支持部に対する応力集中を緩和することができ、対圧部材の耐久性が向上する。この対圧部材における回転支持部は嵌合凸部を構成し、回転支持部の外周面が断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面とするように構成されているので、対圧部材を単一部品で適切な形状に形成することができる。
更に、対圧部材は、少なくとも、嵌合凸部を構成する回転支持部を主要部分とする第1の部材と、本体部を主要部分とする第2の部材を具備し、第1及び第2の部材が接合されたものとすれば、回転支持部が摩耗した場合には、第1の部材のみを交換すればよいので、交換作業が容易となるだけでなく、長期的にみればコストダウンとなる。また、対圧部材と把持部材が、嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている構成とすれば、パイプにしわが発生することなく、円滑な曲げ加工を行うことができる。
更に、曲げ型が、把持部材及び対圧部材、並びに回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、下型と上型との間に、対圧部材の嵌合凸部が介装される構成とすれば、各部品に要求される機能に応じた精度で製造することができ、各部品の製造が容易となる。
上記のパイプ曲げ加工装置において、把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備えたものとし、ノックピンに対圧部材が当接する位置が把持部材と対圧部材の初期相対位置となるように設定されている構成とすれば、把持部材と対圧部材の初期相対位置が予め設定されたパイプ曲げ型ユニットを用いることができ、段替え後の調整も不要である。更に、パイプ内に先端部が挿入され、曲げ型の所定の回転範囲で先端部が圧力型に対向するように駆動される芯金を備えたものとすれば、曲げ半径が小さな曲げ加工を容易に行うことができ、パイプに対する曲げ限界を大幅に向上することができる。
本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ加工装置を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの正面図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ加工装置の曲げ加工開始時の状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ加工装置の曲げ加工終了時の状態を示す平面図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ加工装置の曲げ加工終了時の状態を示す断面斜視図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに供する把持部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に供する把持部材の側面図である。 本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに供する対圧部材を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材の平面図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材を示す図9のB視図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材の右側面図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材の正面図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材の背面図である。 本発明の一実施形態に供する対圧部材の図9のC−C線断面図である。 本発明の他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの分解斜視図である。 本発明の他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの斜視図である。 本発明の他の実施形態に供する把持部材の正面図である。 本発明の他の実施形態に供する把持部材の左側面図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いて曲げ加工が行われたパイプを示す斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の平面図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工開始時の状態を示す部分断面図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工開始時の状態を示す斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工開始時の溝底部中央の断面を示す部分断面斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工開始時の溝底部中央から離隔した位置の断面を示す部分断面斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工開始後の溝底部中央から離隔した位置の断面を示す部分断面斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットの曲げ加工終了時の溝底部中央から離隔した位置の断面を示す部分断面斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の回転支持部側から見た斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の第2の溝部側から見た斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の平面図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材を示す図29のB視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の背面図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の図31のC−C線断面図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の第2の溝部の底部を拡大して示す斜視図である。 本発明の更に他の実施形態に供する対圧部材の組付状態を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に供する対圧部材の組付状態を示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に供する対圧部材の分解斜視図である。 本発明の更に別の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに供する対圧部材を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに供する対圧部材の別の態様を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに供する把持部材及び対圧部材を示す斜視図である。 本発明の更に別の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを示す斜視図である。 本発明の別の実施形態に係るパイプ曲げ加工装置を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いた自動パイプ曲げ加工装置の加工状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いた自動パイプ曲げ加工装置における段替準備状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いた自動パイプ曲げ加工装置における段替開始状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いた自動パイプ曲げ加工装置における段替中の状態を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットを用いたパイプ曲げ加工装置におけるパイプの曲げ加工状態を示す断面図である。 図46の一部を拡大して示す断面図である。 従来の曲げ型及びワイパーを備えた回転引き曲げ加工装置におけるパイプの曲げ加工状態を示す断面図である。 図48の一部を拡大して示す断面図である。
以下、本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るパイプ曲げ型ユニット、並びに、これに加え把持型200及び圧力型300等を含む一実施形態に係るパイプ曲げ加工装置を示すもので、パイプ曲げ型ユニットは、外周面に断面半円状のパイプ受溝(後述する第1及び第2の溝部11、21によって構成)を有し回転軸(A)を中心に回転駆動される曲げ型100を備えている。そして、パイプ曲げ加工装置においては、加工対象のパイプPが、曲げ型100と把持型200との間に把持され、圧力型300によって曲げ型100方向に押圧されながら前進駆動され、圧縮荷重及び軸押し荷重によってパイプPに対し曲げ加工が行われるように構成されている。尚、図1においてはパイプPに対して軸押し荷重を付与し前進駆動する機構は省略されているが、図42乃至図45に1aで示しており、これについては後述する。
本実施形態の曲げ型100は把持部材10及び対圧部材20を備えており、図1及び図2に示すように、把持部材10には断面半円状の第1の溝部11が形成されると共に、この第1の溝部11に、回転軸(A)に対し直交する平面内で周方向に所定距離延在するように所定幅の嵌合凹部12が形成されている。また、把持部材10には基部13が一体的に形成されており、回転軸(A)を構成する軸部材60が基部13に固定されると共に、保持部材70が把持部材10に固定される。更に、基部13の所定位置にノックピン80が固定されるが、これについては後述する。
上記の把持部材10は、図6及び図7に示すように、断面半円状の第1の溝部11を構成する環状凹部10bを有すると共に、回転軸(A)に直交する平面内で周方向に延在する所定幅の嵌合凹部12を具備している。この嵌合凹部12は環状凹部10bの底中心に配置されている。而して、断面半円状の第1の溝部11は、嵌合凹部12の一部を含み環状凹部10bに連続している。即ち、把持部材10は、パイプPを把持する把持部10a(把持型200との接合面は平面)と、これに連続して形成される環状凹部10bを有し、把持部10a及び環状凹部10bと一体的に基部13が形成されている。
而して、第1の溝部11は、把持部10aに形成される断面半円状の溝部11aと、環状凹部10bに形成される断面半円状の溝部11bの、連続した断面半円状を有する。更に、溝部11aには、パイプPの把持を確実に行うため、把持型200の内周面と同様、溝部11aの周方向に複数の把持条が並設されている。そして、第1の溝部11の中央部(軸中心部)には、溝部11aに隣接する部分から溝部11bの周方向(環状)に約270°に亘って、嵌合凹部12が形成されている。尚、本実施形態の把持部材10は、曲げ型100の一部として一体的に形成されているが、図15乃至図18を参照して後述するように、別体で形成して接合することとしてもよい。
一方、対圧部材20には、図1及び図2に示すように、外周面に断面半円状の第2の溝部21が形成されると共に、この第2の溝部21の先端部から周方向に所定距離延出するように嵌合凸部22が形成されており、この嵌合凸部22が上記の嵌合凹部12に嵌合すると、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21によって断面半円状のパイプ受溝が形成される。図3に示すように、対圧部材20は回転支持部23を有し、この回転支持部23が軸部材60(回転軸(A))に回転可能に軸支されており、回転支持部23の一部によって上記の嵌合凸部22が構成されている。従って、回転支持部23の外周面が曲面に形成されており、把持部材10の第1の溝部11と共に断面半円状のパイプ受溝を形成するように構成されている。
上記の対圧部材20は、図8乃至図14に示すように形成されている。即ち、環状凹部10bに当接し得るように配置される曲面部(対圧部)20aと、回転軸(A)に回転可能に軸支される回転支持部23が一体的に形成されており、この回転支持部23の一部によって嵌合凸部22が構成されている。従って、回転支持部23の外周面が曲面に形成されており、把持部材10の第1の溝部11と共に断面半円状のパイプ受溝を形成するように構成されている。即ち、対圧部材20には断面半円状の第2の溝部21が形成されており、把持部材10の第1の溝部11に当接する第2の溝部21の端面形状は、図2に当接部(R)で示すように、正面視で湾曲している。尚、第1の溝部11に当接する位置に向かって曲面部20aの板厚が漸減するように形成されているが、嵌合凸部22が延出する部分で回転支持部23と一体となっているので、連続して極端に薄く形成されることはなく、十分な強度が確保されている。
そして、嵌合凸部22の外周側面22a(即ち、回転支持部23の外周側面)は、図8並びに図10乃至図14に示すように曲面に形成されており、嵌合凸部22が把持部材10の嵌合凹部12に嵌合されると把持部材10の第1の溝部11の半円状断面の一部を構成し、両者によって断面半円状のパイプ受溝が形成されるように設定されている。尚、本実施形態の回転支持部23は環状に形成されているが、嵌合凸部22以外の部分を空隙として回転支持部23をC字状に形成してもよい。
上記のように構成された把持部材10と対圧部材20は、回転軸(A)を中心とする蝶番結合によって連結され、軸部材60(回転軸(A))を中心に相対的に回転可能に支持されている。本実施形態では、図示しない支持装置の所定位置に固定される対圧部材20に対して、把持部材10が回転駆動されるように支持されている。図2に示すように、把持部材10と対圧部材20は、パイプPに対し曲げ加工を行うときの曲げ加工開始位置(図2に鉛直方向の一点鎖線Sで示す)を基準に、嵌合凹部12における回転軸(A)に対し直交する平面(図2に示す(H)を含み図2の紙面に垂直な面に平行な二平面)に包含されない嵌合凸部22との嵌合部(F)がパイプPの進行方向の前方側(図2においてSの右側)に位置し、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21との回転方向の当接部(R)がパイプPの進行方向に対して後方側(図2においてSの左側)に位置するように、連結されている。換言すれば、嵌合凹部12に嵌合される嵌合凸部22の回転方向の嵌合部(F)が、パイプPの曲げ加工開始位置に対しパイプPの進行方向の前方側に位置し、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21との回転方向の当接部(R)が、パイプPの曲げ加工開始位置に対しパイプPの進行方向の後方側に位置している。
而して、対圧部材20の嵌合凸部22が把持部材10の嵌合凹部12に嵌合された状態で、回転軸(A)を構成する軸部材60が回転支持部23を挿通して基部13に固定されると共に、保持部材70に固定されると、図1に示す曲げ型100が構成される。更に、把持部材10の基部13の所定位置にノックピン80が固定され、このノックピン80に対圧部材20が当接する位置が把持部材10と対圧部材20の初期相対位置となるように設定される。一方、把持型200及び圧力型300は図1に示すように配置され、夫々曲げ型100に対して近接離隔するように配設されている。
図1及び図2に示すように、把持部材10と対圧部材20が上記の初期相対位置に配置された曲げ型100によってパイプ曲げ型ユニットが構成されるので、加工対象のパイプPの形状に応じて複数のパイプ曲げ型ユニットを用意しておけば、種々のパイプ形状に対する曲げ加工に際しては、その形状に応じたパイプ曲げ型ユニットを選択して交換するだけでよく、所謂段替えを容易に行うことができる。特に、ノックピン80によって把持部材10と対圧部材20の初期相対位置を予め設定しておくことができるので、段替え後の調整が不要であり、熟練を要することなく容易に段替えを行うことができる。更に、上記のパイプ曲げ型ユニットに把持型200及び圧力型300を含めてユニットを構成すれば、段替え及び調整が容易なパイプ曲げ工具アセンブリを提供することができる。
上記のパイプ曲げ型ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置の全体作動について図1乃至図5を参照して説明する。先ず、対圧部材20がノックピン80に当接する初期相対位置で保持された状態で、パイプPの胴体部の曲げ加工対象部分が、曲げ型100の曲げ加工開始位置(図2のS)に配置され、パイプP内に従前と同様の芯金(マンドレルとも呼ばれ、図1及び図5にMで示す)が挿入される。芯金Mは、図5にその断面を示す(但し、視認性を考慮しハッチングは省略)ように、先端部に傾動自在に支持された玉芯金M1及びM2を有し、これらの玉芯金M1及びM2がパイプP内に挿入され、回転型100の所定の回転範囲で回転型100と把持型200及び圧力型300との間に介在するように駆動される。次に、把持型200及び圧力型300が曲げ型100方向に駆動され、パイプPの先端部が曲げ型100の把持部材10と把持型200との間に把持されると共に、パイプPの胴体部が曲げ型100の対圧部材20と圧力型300との間に押接され、図3に示す状態となる。
続いて、パイプPの先端部が把持部材10と把持型200との間に把持された状態で、パイプPの胴体部が圧力型300によって対圧部材20に押圧されながら、パイプPが前進駆動されると共に、把持型200及び把持部材10が回転軸(A)を中心に回転駆動されると、パイプPは回転支持部23の外周側面(嵌合凸部22の外周側面22a)に順次巻きつけられるように屈曲され、図4及び図5に示すように曲げられたパイプPが形成される。この間、パイプPの軸方向及び径方向に大きな圧力が加えられるが、本実施形態のパイプ曲げ型ユニットを用いれば、曲げに伴うパイプPの曲げ内側部分の圧縮変形による厚肉化を制御し、パイプPの曲げ外側部分に対する増肉を行うと共に、パイプPの曲げ外側部分の薄肉化を防止し、屈曲部においても適切な管厚に維持することができる。
前述のように、本実施形態のパイプ曲げ型ユニットに供される曲げ型100は、把持部材10と対圧部材20を備え、これらは回転軸(A)を中心とする蝶番結合によって連結されており、回転軸(A)を中心に相対的に回転可能に支持されているので、パイプPの屈曲に伴い、対圧部材20が(パイプPを介して)圧力型300に押圧された状態で、把持部材10は、対圧部材20に対して回転軸(A)を中心に相対的に回転し得る。従って、把持部材10は、パイプPに対する曲げ加工開始位置(図2のS)から、対圧部材20に対して離隔する周方向に回転作動する。
そして、曲げ加工開始位置Sを基準に、嵌合凹部12における回転軸(A)に対し直交する平面に包含されない嵌合凸部22との嵌合部(図2のF)がパイプPの進行方向の前方側に位置し、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21との回転方向の当接部(図2のR)がパイプPの進行方向に対して後方側に位置するように、把持部材10と対圧部材20が連結されており、把持部材10と対圧部材20との間に生じ得る段差が小さく抑えられている。このため、パイプPに対して従前に比し大きな軸押し荷重及び圧縮荷重が加えられても、曲げ加工に伴う塑性変形を適切に制御することができる。この点については後に図46及び図47を参照して詳述する。
而して、本実施形態のパイプ曲げ型ユニットを用いて曲げ加工が行われたパイプPには、図19に示すように、嵌合凹部12と嵌合凸部22の嵌合部分に対応する位置に若干の厚肉部(コブ状部)が形成されるものの、これに連続する部分は滑らかな曲面となる。具体的には、図19に細線で示す部分で厚さが緩やかに変化し、流動する肉が嵌合部(図2のF)に嵌まり込んで厚肉部TP1が形成されると共に、当接部(図2のR)に沿って厚肉部TP2及びTP3が形成されるものの、図19に細線で示す部分は滑らかな曲面に形成され、所謂しわに相当するものではないので、厚肉部TP1、TP2及びTP3の発生を懸念する必要はない。寧ろ、これらの厚肉部TP1、TP2及びTP3が形成された屈曲パイプこそが、本実施形態のパイプ曲げ型ユニットを用いて曲げ加工が行われた証となり、その加工品質を裏付けるものとなる。
以上のように、本実施形態のパイプ曲げ型ユニットを備えたパイプ曲げ加工装置により、(しわが発生することなく)円滑な曲げ加工を行うことができる。換言すれば、曲げ加工に伴う塑性変形を適切に制御することにより、しわの発生を懸念することなく、パイプPに対する曲げ加工を適切に行うことができる。この結果、例えばパイプPの直径をdとし、曲げ半径をrとしたとき、r/dが1未満となる極小曲げ半径のパイプPも容易に形成することができる。尚、上記のパイプ曲げ加工装置とは逆に、把持部材10が固定され、対圧部材20が回転軸(A)を中心に回転駆動される構成としてもよい。
更に、上記のパイプ曲げ加工装置に装着されるパイプ曲げ型ユニットとして、加工対象のパイプPの形状に応じて複数のパイプ曲げ型ユニットを用意しておけば、種々のパイプ形状に対する曲げ加工に際し、その形状に応じたパイプ曲げ型ユニットを選択して交換するだけでよいので、容易に段替えを行うことができる。しかも、パイプ曲げ型ユニットを構成する把持部材10と対圧部材20は所定の初期相対位置に設定されているので、段替え後の調整も不要である。従って、自動パイプ曲げ加工装置にパイプ曲げ型ユニットを用い、ロボットによる自動段替えを行うことも可能となるが、これについては図42乃至図45を参照して後述する。
図15乃至図18は、パイプ曲げ型ユニットの他の実施形態に係るもので、上記の把持部10aは把持部材10に一体的に形成されているのに対し、把持部10a部分を別体(図15等に10yで示す)とし、環状凹部10bを構成する本体10(図15等に10xで示す)に接合することとしたものである。例えば、図15に示すように、回転軸(A)に対して直交する面で分割された上型40及び下型50によって本体10xを構成し、これに別体の把持部10yを接合して把持部材10を構成することができる。即ち、軸部材60が、上型40の中央孔42、対圧部材20の回転支持部23及び下型50の中央孔52を挿通するように配置され、軸部材60の上部が保持部材70の中央孔71に挿通された後、保持部材70が上型40に固定されて、図16に示す組み付け状態となる。把持部10yは取付孔14及び15から螺子(図示せず)が挿入され、夫々上型40及び下型50の螺子孔41及び51に螺合されて、本体10x(上型40及び下型50)に固定される。尚、その他の構成は前述の実施形態と同様であるので、実質的に同一の部材については同一の符合を付して説明は省略する。
図17及び図18は別体の把持部10yを示すものであるが、第1の溝部11及び嵌合凹部12の形状は、前述の図1及び図2に示す把持部材10と同様である。即ち、第1の溝部11の半円状断面は対圧部材20の第2の溝部21の半円状断面と同一形状であり、第1の溝部11及び第2の溝部21によって連続した半円状断面のパイプ受溝が形成され、また、嵌合凹部12には対圧部材20の嵌合凸部22が嵌合され、加工対象のパイプPの外周面に対し円滑に当接し得るように設定されている。
而して、図15乃至図18の実施形態においては、上型40及び下型50によって構成される本体10x及び把持部10yによって把持部材10が構成され、把持部10yの切欠、及び上型40と下型50との間の間隙によって嵌合凹部12が構成され、この嵌合凹部12に対圧部材20の嵌合凸部22が介装されて、曲げ型100が構成されている。以下において、把持部材10という場合には、特にことわらない限り、本体10x及び把持部10yで構成されるものを含む。
図20乃至図36は本発明の更に他の実施形態に係るパイプ曲げ型ユニットに係るもので、図1乃至図18に示す部材に対応する部材については同一の符合を付している。本実施形態の対圧部材20は、環状凹部10bの底中心を含む回転軸(A)に直交する平面、即ち、図2に示す(H)を含み図2の紙面に垂直な平面(以下、単に「平面(H)」という)の両側に形成され、環状凹部10bに当接するように構成された曲面部20aであって、その平面(H)に直交し且つ回転軸(A)から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部20aを具備している。また、上記の平面(H)を底中心とする断面半円状の第2の溝部21が外周面に形成され、その第2の溝部21の先端部から周方向に所定距離延出する嵌合凸部22を有し、嵌合凸部22が嵌合凹部12に嵌合すると、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21によって断面半円状のパイプ受溝が形成されるように構成されている。以下、回転支持部23を含む対圧部材20の構成について、図20等を参照して説明する。
図20に示すように、曲面部20aは、図20の紙面に対応する上記の平面(H)の両側に形成され、その平面(H)に直交し且つ回転軸(A)から離隔する方向にオフセットした軸(OC)を円弧中心とするものであり、図20に示す軸(RC)が上記回転軸(A)に対応している。図20において、破線で示すように対圧部材20に形成された断面半円状の第2の溝部21には、二点鎖線で示す中心軸(PC)を有するパイプPが配置され、パイプPに対する加工開始位置(S)を含む垂直(上下)方向の一点鎖線(V)に上記の軸(RC)及び軸(OC)が位置し、両者間の距離がオフセット量(d)となっている。図20には、上記の平面(H)の一方側に形成された曲面部20aが表れているが、他方側(即ち、図20の紙面の反対側)にも、同形状の曲面部20aが形成されている。
特に、曲面部20aは、図20に示すように、軸(OC)を円弧中心とする半径(ra)の最大円弧と半径(rb)の最小円弧を有し、(加工開始位置で)断面半円状の第1の溝部11に当接し得る曲面に膨出形成されている。即ち、パイプPに対する加工開始位置(S)では、図21に示すように、嵌合凸部22及び曲面部20aが環状凹部10b(第1の溝部11)に対し全面に亘って当接し、上記の平面(H)から離隔した位置では、曲面部20aと環状凹部10bとの間に間隙(図21にGで示す)が形成されるように設定されている。尚、図21は、上記の平面(H)から所定距離離隔した位置(図20の中心軸(PC)を含む面から裏面側(図2の下方)に所定距離離隔した位置)での断面を示している。
而して、対圧部材20の曲面部20aは、パイプPに対する加工開始位置(S)の先端部では、把持部材10の環状凹部10bに密着し、それ以外の部分では、上述のように、曲面部20aと環状凹部10bとの間に間隙(図21のG)が形成される。このため、対圧部材20を、環状凹部10bに干渉することなく容易且つ適切に把持部材10(ここでは上型40及び下型50)に組み付けることができる。また、対圧部材20は上記の先端部以外の部分では、環状凹部10bを摺動することはないので、摩耗するおそれがなく、特に、対圧部材20の耐久性が向上する。尚、上記の曲面部20aの形成時に、上記の軸(OC)以外の円弧中心を用いると適切な当接状態とならないので、回避すべきである。例えば、上記の平面(H)に直交し且つ回転軸(A)から離隔する方向にオフセットすると共に、更に、これに直交する方向にもオフセットした軸(図示せず)を円弧中心とすると、適切な間隙を確保することはできない。
図22乃至図26は、図16と同様の態様の曲げ型100に関し、把持部材10と対圧部材20の相対移動時の状態を示すもので、図22は加工開始時の状態を示し、図23は、上記の平面(H)での断面を示し、図24乃至図26は、当該平面(H)から所定距離離隔した位置(即ち、図20の中心軸(PC)を含む面から裏面側(図2の下方)に所定距離離隔した位置)での断面を示している。図23に示すように、対圧部材20の曲面部20aは把持部材10の環状凹部10bに密着しているが、それ以外の部分(上記の所定距離離隔した位置)では、図24乃至図26に示すように、把持部材10と対圧部材20の相対回転角度が変化しても、対圧部材20の曲面部20aと環状凹部10bとの間に間隙(G)が存在している。而して、対圧部材20を、環状凹部10bに干渉することなく容易且つ適切に把持部材10に組み付けることができると共に、対圧部材20の耐久性が向上する。
上記の対圧部材20は、図8に示すように、前述の支持装置(図示せず)に固定するための支持部を一体的に形成することとしてもよいが、本実施形態においては、図34に示すように支持部材26を介して固定される。この支持部材26への接合状態に鑑み、対圧部材20には、図27乃至図34に示すように本体部24及び接合部25が一体的に形成されている。尚、対圧部材20の基本的な構成は図1乃至図26に示す構成と同様であるので、図27以降においても共通の符合を付し、全体構成は対圧部材20で表す。
図27に示すように、本実施形態の対圧部材20は、前述の回転支持部23と、この回転支持部23に一体的に形成され、断面半円状の第2の溝部21及び曲面部20aが形成された本体部24を有し、この本体部24に一体的に形成される回転支持部23の少なくとも円周方向の一部が径方向外側に延出したリブ23aが形成されている。図29に示すように、リブ23aは回転支持部23の環状部の接線方向に延出し、その先端には支持部材26の支持面26b(二点鎖線で示す)に当接する当接面23bが形成されている。また、本体部24と一体的に形成される接合部25は、上記回転支持部23の環状部の接線方向に平行で、支持部材26の支持面26a(二点鎖線で示す)に当接する当接面25aが形成されている。尚、図29においては、支持面26aと26bは直交しているので、当接面25aと当接面23bも直交するように形成されているが、これらの面は接合部25及びリブ23aと支持部材26との接合構造に応じて適宜設定される。
上記のリブ23aは、回転支持部23における曲面部20aとの境界の裾部を、他の装置との干渉を回避するため、必要以上に厚くすることができないので、上記裾部への応力集中を緩和するものである。例えば、パイプPの曲げ加工時には、回転支持部23に対し図34に白抜矢印で示すように荷重Lが印加されるが、その分力Laがリブ23a側に印加され、分力Lbが嵌合凸部22側に印加されることになるので、回転支持部23の裾部に対する応力集中が解消する。更に、リブ23aには、図27及び図29に示すように、回転支持部23の裾部から当接面25aとの間に拡大断面部23cが形成されており、この拡大断面部23cは当接面25aに至るまでの断面積が漸減するように形成されているが、これはパイプPの曲げ角度を大きく設定する際に他の装置との干渉を回避し得るように形成されるものであり、リブ23aは、必要な分力Lbを確保し得る形状及び断面積に形成すればよい。
更に、本実施形態の対圧部材20においては、図29に平面、図30にB視、図31に背面を示すように、嵌合凸部22の外周側面22a(即ち、回転支持部23の外周側面)が曲面に形成され、第2の溝部21の端面形状は背面(正面)視で湾曲し、B視で直線状に形成されており、リブ23aは図31に表れている。図29において、B視で直線状の部分の、図20に一点鎖線で示す直線Vに対する傾斜角(θa)は、加工対象のパイプPの直径と板厚に応じて設定され、パイプPの直径に対する板厚が相対的に厚い場合には大きな傾斜角に設定され、板厚が相対的に薄い場合には小さな傾斜角に設定される。
また、図31のC−C線断面を図32に示すように、本体部24の断面半円状の第2の溝部21と、曲面部20aに隣接する第2の溝部21の端部側面21aとのなす角(θb)が鈍角に設定されている。これにより、当該角(θb)について一般的に設定される直角、あるいは鋭角とした場合に比し、対圧部材20における第2の溝部21の端部に対する耐久性が向上する。また、本体部24の第2の溝部21とその端部側面21aとの境界を直線でなく、滑らかな曲線断面とすれば、第2の溝部21の端部に対する耐久性が一層向上する。尚、図31及び図32の24aは本体部24の外面を示している。更に、図33に示すように、曲面部20aと回転支持部23の境界には、曲面部21bが形成されており、この部分へのパイプPの曲げ加工時の応力集中を緩和するように設定されている。
上記のように、対圧部材20は、回転支持部23と本体部24を有し、この本体部24に回転支持部23が一体的に形成されているが、回転支持部23には加工対象のパイプPを介して大きな荷重が印加されるので摩耗は不可避であり、長期間の使用後には交換する必要が生ずる。この点を考慮し、図34に示すように、支持部材26に接合されるように構成された対圧部材20を更に分割し、図35及び図36に示すように、回転支持部23の主要部23x及び接合部25を包含する第1の部材20xと、回転支持部23の一部23yと本体部24から成る第2の部材20yに分割し、これらを例えばボルトによって接合して対圧部材20を構成することとしてもよい。而して、回転支持部23が摩耗した場合には、摩耗した一部23yを含む第2の部材20yのみを交換すればよいので、交換作業が容易となるだけでなく、長期的な使用の観点からは安価な対圧部材20(ひいては安価な曲げ型100)を提供することができ、コストダウンとなる。
図37は、対圧部材20の更に他の態様(これを20vで表す)を示すもので、回転軸(A)を構成する軸部23sが対圧部材20の回転支持部23に一体的に形成されており、軸部23sの上部と下部が夫々(例えば図15に示す)上型40及び下型50に回転可能に支持されるように構成されている。これにより、図15等に示す軸部材60が不要となり、パイプ曲げ型ユニットを安価且つ容易に製造することができる。
また、対圧部材20は、図38に示すように、嵌合凸部22wを含む当接部材20wと、回転軸(A)に回転可能に軸支される回転支持部材20zに二分割される構成とし、回転支持部材20zに対し当接部材20wが着脱可能に接合されるように構成することができる。即ち、対圧部材20の交換が必要とされる場合には、上記のように当接部材20wのみを交換部品とすれば、全体として安価なユニットを構成することができる。尚、回転支持部材20zは回転支持部23zを有する構成とし、これに一対の軸受部材24zを接合することとしてもよい。
あるいは、図39に示すように、前述の把持部材10及び対圧部材20を、夫々、回転軸(A)に対して直交する面で分割された複数の部材で構成し、これらを積層して把持部材10p及び対圧部材20pを構成することも可能である。即ち、複数の部材を積層することによって把持部材10p及び対圧部材20pを構成すると同時に、両者の蝶番結合を構成することができる。
更に、図40に示すように、上型40及び下型50が共通の支持部材90に支持されるように構成することができる。これによれば、軸部材60に必要な支持強度をパイプ曲げ型ユニット内で負担することができるので、軸部材60の頭部を別途固定する必要はなく、容易に段替えを行うことができ、他の装置との干渉を懸念する必要もなく、段替えが一層容易となる。
また、図41に示すように、把持部材10及び対圧部材20から成る複数の曲げ型101、102及び103が積層されるような形態で回転軸(A)を中心に回転可能に支持することもできる。何れの把持部材10及び対圧部材20も、夫々回転軸(A)を中心とする蝶番結合によって連結されており、何れの曲げ型においても、前述のように、パイプPの屈曲内側部分に対する圧縮応力が適切に加えられるので、しわの発生を懸念することなく、夫々のパイプPに対する曲げ加工を同時に、且つ、適切に行うことができる。本実施形態では、各把持部材10は共通の基台30に支持されると共に、対圧部材20は共通の支持部材92に支持されている。従って、単一のノックピン80によって各把持部材10と各対圧部材20の初期相対位置を容易に設定することができ、段替え後の調整も不要である。尚、各把持部材10を固定とし、これに対して各対圧部材20を可動とするように構成してもよい。
次に、例えば図1等に示したパイプ曲げ型ユニットを用いた自動パイプ曲げ加工装置のライン構成例について、図42乃至図45を参照して説明する。図42はパイプPに対する曲げ加工状態を示し、図43はパイプ曲げ型ユニット(図16と同様の構成であるが、ここでは自動化用のユニットとしてDUで示す)の段替準備状態、図44はその段替開始状態、そして、図45はその段替中の状態を示す。先ず、図42において自動パイプ曲げ加工装置の概要を説明すると、本実施形態のパイプ曲げ加工装置1には、図1に示す曲げ型100、把持型200、圧力型300等に加え、軸押し荷重を付与する機構1aが装着されている。このパイプ曲げ加工装置1に隣接し、加工対象の素材たるパイプPを供給し所定の初期位置に配置するロボット装置2が設置されている。更に、このロボット装置2に隣接し、加工前の素材及び加工後のパイプPを裁置するパイプ置台3が設置され、このパイプ置台3とロボット装置2との間に、把持治具MHを仮置きする把持治具置台4が設置されている。そして、パイプ曲げ加工装置1とロボット装置2に隣接して、パイプ曲げ型ユニットDU(以下、単にユニットDUという)を所定位置に仮置きするパイプ曲げ型ユニット置台5(以下、単にユニット置台5という)が設置されている。
ロボット装置2において、ロボットアーム2aの先端には自動工具交換器(ATC)を介して把持治具MHが装着されている。把持治具MHの両端にはパイプPを着脱可能なクランプ機構が装着されており、一方側で加工前の素材のパイプPを把持し、他方側で加工後のパイプPを把持し得るように構成されている。図42は、パイプ曲げ加工装置1によるパイプPの曲げ加工中の状態を示すと共に、把持治具MHに加工前の素材のパイプPを把持した状態のロボット装置2が、そのパイプPをパイプ曲げ加工装置1に供給すると共に、加工後のパイプPを取り出すために待機している状態を示している。
次に、図43は、ロボット装置2が、ロボットアーム2aの先端から把持治具MHを外して把持治具置台4に仮置きし、ユニットDUの段替えのために待機している状態を示している。パイプ曲げ加工装置1においては、一対のユニット押さえ1b、1bによってユニットDUが保持(クランプ)されており、ユニット押さえ1b、1bが回動、退避することにより離脱(アンクランプ)可能となる。そして、図44は、ロボットアーム2aによって段替対象のユニットDUをパイプ曲げ加工装置1から取り出す状態を示している。尚、ユニットDUの上部にはATCが装着されており、これとロボットアーム2aの先端に装着されたATCとが嵌合し、図45に示すように、ロボットアーム2aの先端にユニットDUが吊り下げられるように構成されている。
而して、ロボットアーム2aによってユニット置台5から新たなユニットDUが取り出され、図45に示すように、パイプ曲げ加工装置1に搬送される。尚、ユニット置台5には、ロボットアーム2aの移動軌跡におけるプログラム指定位置に、種々のユニットDUが配置されており、段替指令に応じて選択されたユニットDUが、ロボットアーム2aによってユニット置台5から取り出され、パイプ曲げ加工装置1に装着される。
上記のパイプ曲げ加工装置1に対するユニットDUの段替(交換装着)、及びパイプ曲げ加工装置1の運転(曲げ加工)は自動化が可能であり、更に高度な自動化を期して、ユニットDUを知能化することも可能である。例えば、図示は省略するが、ユニットDUの可動部に各種センサやカメラ等を装着しておいたりレーザ光線を照射したりして、加工データをリアルタイムで計測し、ユニットDUに内蔵したメモリチップ等に格納することとするとよい。あるいは、ユニットDUに内蔵した通信手段により逐次加工データをラインコントローラ等に送信して、これに蓄積することとしてもよい。また、ユニットDU内のメモリチップ等に加工データを格納するように構成した場合には、ロボット装置2を介して有線にてラインコントローラ等に送信することとしてもよいし、パイプ曲げ加工装置1内に蓄積することとしてもよい。更には、ユニットDUを用いた曲げ加工に対するライセンスに基づき、実施(加工)数量を確認する場合において、上記の通信手段を介して加工データを送信し遠隔カウントを行うように構成することもできる。而して、自動運転及び/又は自動段替において、ユニットDUの位置や状態を逐次把握することができると共に、蓄積した加工データを解析することで、更に効率的な加工条件、自動運転及び/又は自動段替を設定することができ、自動工場化に寄与できる。上記の自動段替ラインにおいてはユニットDUのみを自動段替の対象としたが、このほかにも、段替で製造するパイプの径違いに応じて、あるいは(径が同じでも)板厚違いに応じて、圧力型や把持型、更にはマンドレルも含め、適宜ロボットによる自動交換が可能な構成としてもよい。
次に、図46及び図47は、図1等に示したパイプ曲げ型ユニットを用いたパイプ曲げ加工装置におけるパイプの曲げ加工状態を示すもので、図48及び図49において、従来の曲げ型及びワイパーを備えた回転引き曲げ加工装置におけるパイプの曲げ加工状態を対比して示している。先ず、曲げ半径が小さいパイプを形成するには、パイプの軸方向及び径方向に大きな圧力を加える必要があるが、特に、径方向に大きな圧力を加えるには、図46に示す構成において、パイプPに対する圧力型300の大きな荷重に抗し得る圧力を負担する機構が必要となる。
この機構として、本発明においては、前述の実施形態に示す曲げ型100、特に蝶番結合によって把持部材10に連結される対圧部材20が機能し、圧力型300の大きな荷重に十分抗し得るように構成されている。即ち、図46に示すようにパイプPに対し軸押し荷重(FLで示す)が加えられると共に圧縮荷重(PLで示す)が加えられるが、本実施形態においては、図2に示すように、曲げ加工開始位置Sを基準に、嵌合凹部12における回転軸(A)に対し直交する平面に包含されない嵌合凸部22との嵌合部(F)がパイプPの進行方向の前方側に位置し、把持部材10の第1の溝部11と対圧部材20の第2の溝部21との回転方向の当接部(R)がパイプPの進行方向に対して後方側に位置するように、把持部材10と対圧部材20が連結されているので、圧力型300の大きな荷重にも十分抗し得る耐圧強度を確保することができる。更に、パイプP内に芯金M(玉芯金M1及びM2)が挿入された状態とされると、パイプPに対する圧縮荷重(PL)を更に大きくすることができるので、パイプPの曲げ半径を極小とすることができる。
また、図47に拡大して示すように、曲げに伴うパイプPの曲げ外側部分の減肉を回避するため、パイプPに対し軸押し荷重(FL)が加えられ、材料が送り込まれる(増肉)ように構成されているが、パイプPの曲げ内側部分には、軸押し荷重(FL)に抗して圧縮荷重(PL)による摩擦力(図47に左方向の矢印FRで示す)が生じ、この摩擦力(FR)によって増肉が促進される。更に、パイプP内に芯金Mが挿入された状態で軸押し荷重(FL)が加えられると、パイプPは芯金Mと対圧部材20との間に挟持された状態で前進駆動(図47の右方向への移動)されるので、両部材によるしごき的な作用も加わり、増肉が一層促進される。
一方、従来の曲げ型及びワイパー(しわおさえ)を備えた回転引き曲げ加工装置においては、図48に示すように、パイプPと曲げ型Dに対して楔形状のワイパーWが食い込むように配置されており、パイプPとの間の隙間を極力小さくするため、ワイパーWの先端は極薄形状とされているので、脆弱とならざるを得ない。このため、圧力型300の大きな荷重が連続して加えられると、ワイパーWの先端が変形あるいは破損し、パイプPとの間の隙間が大となり、しわが発生することとなる。このしわを回避するためには、ワイパーWの先端の極薄形状を維持する必要があり、前述のように定期的な交換や破損時の交換が必須とされていた。また、しわを抑制しつつ曲げ加工を行うことになるので、曲げ加工が可能なパイプPの曲げ半径にも制限があり、前述のr/d比が2程度の曲げ半径のパイプを製造することが精々であった。
上記従来の回転引き曲げ加工装置においても、パイプP内に芯金Mが挿入された状態で曲げ加工が行われ、図49に拡大して示すように摩擦力(FR)も生ずるが、パイプPと曲げ型Dとの間は基本的に摺動ではなく、曲げ型Dの回転作動に伴うパイプPの従動であるので、この間の摩擦力(FR)による増肉の促進は期待できない。尚、図48及び図49は、単に本発明のパイプ曲げ型ユニットを用いたときの作用効果を従来技術における作用効果と対比して説明するために作成したものに過ぎず、図48及び図49は、従来装置が本発明のパイプ曲げ型ユニットと対比し得ることを示唆するものではない。
1 パイプ曲げ加工装置
2 ロボット装置
3 パイプ置台
4 把持治具置台
5 パイプ曲げ型ユニット置台
10 把持部材
10a 把持部
10b 環状凹部
11 第1の溝部
12 嵌合凹部
13 基部
20 対圧部材
20a 曲面部
21 第2の溝部
22 嵌合凸部
23 回転支持部
26 支持部材
30 基台
40 上型
50 下型
60 軸部材
70 保持部材
80 ノックピン
100 曲げ型
200 把持型
300 圧力型
A 回転軸
P パイプ
M 芯金

Claims (23)

  1. 外周面に断面半円状のパイプ受溝を有し回転軸を中心に回転駆動される曲げ型を備え、
    該曲げ型が、
    外周面に断面半円状の第1の溝部を有すると共に、該第1の溝部に形成され、前記回転軸に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部を有する把持部材と、外周面に断面半円状の第2の溝部を有すると共に、該第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部を有し、該嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合し前記第1の溝部及び前記第2の溝部を結合して前記断面半円状のパイプ受溝を形成する対圧部材とを具備し、
    該対圧部材と前記把持部材が前記回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、前記回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されている
    パイプ曲げ型ユニット。
  2. 前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  3. 前記嵌合凹部に嵌合される前記嵌合凸部の嵌合部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記把持部材の前記第1の溝部と前記対圧部材の前記第2の溝部との当接部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の後方側に位置している
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  4. 前記対圧部材は、前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部を有し、
    該回転支持部の一部が前記嵌合凸部を構成し、当該回転支持部の外周面が、前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  5. 前記対圧部材と前記把持部材は、前記嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  6. 前記把持部材が、
    前記断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、前記嵌合凹部が、前記回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、前記環状凹部の底中心に配置され、前記断面半円状の第1の溝部が、前記嵌合凹部の一部を含み前記環状凹部に連続しており、
    前記対圧部材が、
    前記平面の両側に形成され、前記環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ前記回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、前記嵌合凸部の外周面の前記第2の溝部が、前記曲面部に隣接して前記回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  7. 前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している
    請求項6記載のパイプ曲げ型ユニット。
  8. 前記対圧部材は、
    前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、
    該回転支持部に一体的に形成され、前記断面半円状の第2の溝部及び前記曲面部が形成された本体部とを有し、該本体部に一体的に接合される前記回転支持部の一部が径方向外側に延出し、
    前記回転支持部が前記嵌合凸部を構成し、前記回転支持部の外周面が前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である
    請求項6記載のパイプ曲げ型ユニット。
  9. 前記対圧部材における前記本体部の前記断面半円状の第2の溝部と、前記曲面部に隣接する前記第2の溝部の端部側面とのなす角が鈍角に設定されている
    請求項8記載のパイプ曲げ型ユニット。
  10. 前記対圧部材は、少なくとも第1の部材及び第2の部材を具備し、前記回転支持部が前記第1の部材の主要部分を構成すると共に、前記本体部が前記第2の部材の主要部分を構成し、前記第1の部材及び前記第2の部材が接合されて前記対圧部材が構成される
    請求項8記載のパイプ曲げ型ユニット。
  11. 前記曲げ型が、
    前記把持部材及び前記対圧部材、並びに前記回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、該下型と前記上型との間に、前記対圧部材の前記嵌合凸部が介装される
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  12. 前記対圧部材が少なくとも二部材に分割され、該少なくとも二部材が、前記嵌合凸部を含む当接部材と前記回転軸に回転可能に軸支される回転支持部材であり、該回転支持部材に対し前記当接部材が着脱可能に接合される
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  13. 前記把持部材及び前記対圧部材が夫々、前記回転軸に対して直交する面で分割された複数の部材から成り、該複数の部材が積層されて前記把持部材及び前記対圧部材が構成される請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  14. 前記把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備え、該ノックピンに前記対圧部材が当接する位置が前記把持部材と前記対圧部材の初期相対位置となるように設定されている
    請求項1記載のパイプ曲げ型ユニット。
  15. 外周面に断面半円状のパイプ受溝を有し回転軸を中心に回転駆動される曲げ型と、
    該曲げ型のパイプ受溝に配置される加工対象のパイプを把持する把持型と、
    前記パイプを前記曲げ型方向に押圧する圧力型とを備え、
    前記曲げ型が、
    外周面に断面半円状の第1の溝部を有すると共に、該第1の溝部に形成され、前記回転軸に対し直交する平面内で周方向に第1の所定距離延在する嵌合凹部を有する把持部材と、外周面に断面半円状の第2の溝部を有すると共に、該第2の溝部の先端部から周方向に第2の所定距離延出する嵌合凸部を有し、該嵌合凸部が前記嵌合凹部に嵌合し前記第1の溝部及び前記第2の溝部を結合して前記断面半円状のパイプ受溝を形成する対圧部材とを具備し、
    該対圧部材と前記把持部材が前記回転軸を中心とする蝶番結合によって連結され、前記回転軸を中心に相対的に回転可能に支持されてパイプ曲げ型ユニットが構成されている
    パイプ曲げ加工装置。
  16. 前記嵌合凸部の一部が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向の前方側に位置し、前記嵌合凸部の他の部分が、前記パイプの曲げ加工開始位置に対し前記パイプの進行方向に対して後方側に位置している
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
  17. 前記把持部材が、
    前記断面半円状の第1の溝部を構成する環状凹部を有し、前記嵌合凹部が、前記回転軸に直交する平面内で周方向に延在すると共に、前記環状凹部の底中心に配置され、前記断面半円状の第1の溝部が、前記嵌合凹部の一部を含み前記環状凹部に連続しており、
    前記対圧部材が、
    前記平面の両側に形成され、前記環状凹部に当接するように構成された曲面部であって、前記平面に直交し且つ前記回転軸から離隔する方向にオフセットした軸に円弧中心を有する曲面部を具備し、前記嵌合凸部の外周面の前記第2の溝部が、前記曲面部に隣接して前記回転軸に直交する平面を底中心とする半円状断面を有する
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
  18. 前記対圧部材は、
    前記回転軸に回転可能に軸支される環状の回転支持部と、
    該回転支持部に一体的に形成され、前記断面半円状の第2の溝部及び前記曲面部が形成された本体部とを有し、該本体部に一体的に接合される前記回転支持部の一部が径方向外側に延出し、
    前記回転支持部が前記嵌合凸部を構成し、前記回転支持部の外周面が前記断面半円状のパイプ受溝の一部を形成する曲面である
    請求項17記載のパイプ曲げ加工装置。
  19. 前記対圧部材は、少なくとも第1の部材及び第2の部材を具備し、前記回転支持部が前記第1の部材の主要部分を構成すると共に、前記本体部が前記第2の部材の主要部分を構成し、前記第1の部材及び前記第2の部材が接合されて前記対圧部材が構成される
    請求項18記載のパイプ曲げ加工装置。
  20. 前記対圧部材と前記把持部材は、前記嵌合凹部を挿通する中心軸を有する軸部材によって蝶番結合されている
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
  21. 前記曲げ型が、前記把持部材及び前記対圧部材、並びに前記回転軸に対して直交する面で分割された上型と下型で構成され、該下型と前記上型との間に、前記対圧部材の前記嵌合凸部が介装される
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
  22. 前記把持部材に対し所定の位置に固定されるノックピンを備え、該ノックピンに前記対圧部材が当接する位置が前記把持部材と前記対圧部材の初期相対位置となるように設定されている
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
  23. 前記パイプ内に先端部が挿入され、前記曲げ型の所定の回転範囲で前記先端部が前記圧力型に対向するように駆動される芯金を備えた
    請求項15記載のパイプ曲げ加工装置。
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