JP5829508B2 - SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板 - Google Patents

SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板 Download PDF

Info

Publication number
JP5829508B2
JP5829508B2 JP2011275589A JP2011275589A JP5829508B2 JP 5829508 B2 JP5829508 B2 JP 5829508B2 JP 2011275589 A JP2011275589 A JP 2011275589A JP 2011275589 A JP2011275589 A JP 2011275589A JP 5829508 B2 JP5829508 B2 JP 5829508B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
sic
crystal
layer
atoms
seed crystal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2011275589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2013124215A (ja
Inventor
顕次 柴田
顕次 柴田
徹 宇治原
徹 宇治原
俊太 原田
俊太 原田
和明 関
和明 関
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Industries Corp
Nagoya University NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Original Assignee
Toyota Industries Corp
Nagoya University NUC
Tokai National Higher Education and Research System NUC
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Industries Corp, Nagoya University NUC, Tokai National Higher Education and Research System NUC filed Critical Toyota Industries Corp
Priority to JP2011275589A priority Critical patent/JP5829508B2/ja
Priority to PCT/JP2012/080590 priority patent/WO2013088948A1/ja
Priority to TW101147322A priority patent/TW201333246A/zh
Publication of JP2013124215A publication Critical patent/JP2013124215A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5829508B2 publication Critical patent/JP5829508B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B19/00Liquid-phase epitaxial-layer growth
    • C30B19/12Liquid-phase epitaxial-layer growth characterised by the substrate
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C30CRYSTAL GROWTH
    • C30BSINGLE-CRYSTAL GROWTH; UNIDIRECTIONAL SOLIDIFICATION OF EUTECTIC MATERIAL OR UNIDIRECTIONAL DEMIXING OF EUTECTOID MATERIAL; REFINING BY ZONE-MELTING OF MATERIAL; PRODUCTION OF A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; SINGLE CRYSTALS OR HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; AFTER-TREATMENT OF SINGLE CRYSTALS OR A HOMOGENEOUS POLYCRYSTALLINE MATERIAL WITH DEFINED STRUCTURE; APPARATUS THEREFOR
    • C30B29/00Single crystals or homogeneous polycrystalline material with defined structure characterised by the material or by their shape
    • C30B29/10Inorganic compounds or compositions
    • C30B29/36Carbides
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02104Forming layers
    • H01L21/02365Forming inorganic semiconducting materials on a substrate
    • H01L21/02367Substrates
    • H01L21/0237Materials
    • H01L21/02373Group 14 semiconducting materials
    • H01L21/02378Silicon carbide
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02104Forming layers
    • H01L21/02365Forming inorganic semiconducting materials on a substrate
    • H01L21/02436Intermediate layers between substrates and deposited layers
    • H01L21/02439Materials
    • H01L21/02441Group 14 semiconducting materials
    • H01L21/02447Silicon carbide
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02104Forming layers
    • H01L21/02365Forming inorganic semiconducting materials on a substrate
    • H01L21/02518Deposited layers
    • H01L21/02521Materials
    • H01L21/02524Group 14 semiconducting materials
    • H01L21/02529Silicon carbide
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02104Forming layers
    • H01L21/02365Forming inorganic semiconducting materials on a substrate
    • H01L21/02612Formation types
    • H01L21/02617Deposition types
    • H01L21/02623Liquid deposition
    • H01L21/02625Liquid deposition using melted materials
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01LSEMICONDUCTOR DEVICES NOT COVERED BY CLASS H10
    • H01L21/00Processes or apparatus adapted for the manufacture or treatment of semiconductor or solid state devices or of parts thereof
    • H01L21/02Manufacture or treatment of semiconductor devices or of parts thereof
    • H01L21/02104Forming layers
    • H01L21/02365Forming inorganic semiconducting materials on a substrate
    • H01L21/02612Formation types
    • H01L21/02617Deposition types
    • H01L21/02623Liquid deposition
    • H01L21/02628Liquid deposition using solutions

Description

本明細書では、炭化珪素(SiC)結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板に関する技術を開示する。
SiC結晶の成長方法には、昇華再結晶化法、CVD法、液相成長法などの、各種の方法がある。これらの方法では、SiCの種結晶を用いて、種結晶上にSiC単結晶をエピタキシャル成長させる。なお、SiC単結晶の液相成長法についての技術が、特許文献1に開示されている。
特開2011−51857号公報
欠陥が少ない高品質のSiC単結晶を種結晶上に成長させる必要がある。しかし、種結晶であるSiCに点欠陥や線欠陥などの欠陥が存在する場合には、これらの欠陥が成長したSiC単結晶に引き継がれることによって、成長したSiC単結晶中に欠陥が形成されてしまうことがある。すると、成長したSiC単結晶の品質が劣化してしまう。
本明細書では、SiCを種結晶にしてSiC結晶をエピタキシャル成長させる結晶成長方法を開示する。この結晶成長方法では、種結晶に用いるSiC結晶を真空中で加熱して、表面を構成しているSiを昇華させてCを主体とする膜を形成する工程が付加されている。そして、その工程を経たSiC結晶を種結晶にしてSiC結晶をエピタキシャル成長させる。
種結晶の表面にCを主体とする膜を形成することにより、種結晶の表面に表出している欠陥を、Cを主体とする膜によって覆うことができる。Cを主体とする膜の一例としては、グラフェンや、グラフェンが複数層重なった膜などが挙げられる。Cを主体とする膜の表面を起点としてSiC結晶を成長させることにより、Cを主体とする膜の下方に存在するSiC結晶の種結晶の原子配列に従うように、SiC結晶をエピタキシャル成長させることができる。これにより、種結晶の表面に表出している欠陥に起因して、成長したSiC結晶にも欠陥が引き継がれてしまうことを防止できる。よって、成長したSiC結晶の結晶性を向上させることができる。
上記の結晶成長方法では、Cを主体とする膜が形成されている種結晶に用いるSiC結晶と、シリコンの融液を溶媒とするSiC溶液とを接触させることが好ましい。これにより、液相成長法によって、Cを主体とする膜の表面を起点として、SiC結晶をエピタキシャル成長させることができる。
上記の結晶成長方法では、6H−SiCまたは4H−SiCのSiC結晶を種結晶に用いてもよい。
また、本明細書では、第1のSiC結晶層と、少なくとも1層のグラフェン(graphene)と、第2のSiC結晶層が順に積層しているSiC結晶基板を開示する。第1のSiC結晶層の欠陥密度に比して第2のSiC結晶層の欠陥密度が小さい。これにより、第2のSiC結晶層を、より高性能なパワー素子等を形成するための基板として用いることができる。
上記のSiC結晶基板では、グラフェン1層中のC原子の数密度は、SiC結晶層のバイレイヤ1層中のC原子の数密度よりも大きくてもよい。SiC結晶層のバイレイヤとは、SiおよびCの2原子からなる層である。SiCバイレイヤの約3層分のSi原子が昇華して1層分のグラフェンが形成される場合に、このような数密度の比となる。これにより、C原子の数密度によって、第1のSiC結晶層と第2のSiC結晶層との接触面を特定することが可能となる。
本明細書に開示の技術によれば、より結晶欠陥の少ないSiC結晶をSiC基板上にホモエピタキシャル成長させる方法等を提供することができる。
SiC結晶製造装置の模式図である。 SiC結晶の成長方法のフロー図である。 SiC結晶の断面模式図である。 SiC結晶の断面模式図である。 SiC結晶の断面模式図である。 SiC結晶の断面模式図である。
本願の実施例について図面を参照しながら説明する。図1に、本実施例に係るSiC結晶製造装置(以下では結晶製造装置と略称する)1を示す。結晶製造装置1は、坩堝10を備える。坩堝10は、炭素を含有する材質によって形成されている。坩堝10の材質としては、黒鉛やSiCが挙げられる。坩堝10は坩堝台11の上に配置されている。坩堝台11は回転させることが可能である。坩堝10は、坩堝蓋14により密閉することができる。坩堝10の外周は、保温のために断熱材12で覆われている。断熱材12の外周には、多重螺旋構造を有する常伝導コイル13が配置されている。常伝導コイル13は、坩堝10を誘導加熱するための装置である。常伝導コイル13には、不図示の高周波電源が接続されている。坩堝10、断熱材12、常伝導コイル13は、チャンバ15の内部に配置される。チャンバ15は、吸気口16と排気口17とを備える。
坩堝10内にはシリコン溶液22が保持されている。シリコン溶液22は、シリコンを融解して得られた融液を主成分とする溶液である。坩堝10の上方には、保持治具18が備えられている。保持治具18の先端部には、グラフェン(graphene)膜26が成膜されている面が坩堝10と対向するように、SiC種結晶25が取付けられている。保持治具18は、昇降させることが可能である。また保持治具18は、黒鉛によって形成されている。
本実施例に係るSiC結晶の成長方法を、図2のフローと、図3ないし図6の模式図を用いて説明する。図3ないし図6は、SiC種結晶25の表面近傍における断面模式図である。図3ないし図6において、ハッチングされていない丸印はC原子を表わしており、ハッチングされている丸印はSi原子を表わしている。
図2のステップS1において、SiC種結晶25の表面に、グラフェン層26を形成する工程が行われる。グラフェンとは、二次元の蜂の巣格子の格子点にC原子を配置した、厚さ1原子層の炭素材料である。グラフェン層26は、SiC表面分解法によって形成される。具体的には、SiC種結晶25として、6H−SiCの(0001)基板を用意する。SiC種結晶25の表面を洗浄した後に、真空炉(不図示)内にSiC種結晶25を載置する。そして、真空度10−4〜10−6(Torr)、1350〜1500℃で、SiC種結晶25を加熱する。SiC種結晶25を真空中で加熱することにより、SiC種結晶25表面のSi原子が昇華し、残存したC原子によって自己組織的にグラフェンが形成される。
形成したグラフェン層26によって、SiC種結晶25の表面に表出している欠陥を塞ぐことができる場合がある。グラフェン層26によって塞ぐことができる欠陥の例としては、原子数個分の原子空孔からなる点欠陥や、転位などによる線欠陥が挙げられる。なお、螺旋転位に起因して発生する中空貫通欠陥(マイクロパイプ欠陥)は、グラフェン層26によって塞ぐことは困難である。
ステップS1における、グラフェン層が成長するメカニズムを説明する。例として、図3および図4の模式図を用いて説明する。図3は、グラフェン層の成長前の状態を示す図である。図4は、グラフェン層の成長後の状態を示す図である。図3のSiC種結晶25では、SiCバイレイヤL1からL6までの6層が存在している。SiCバイレイヤとは、六角形格子構造のC原子からなる1層のC原子層と、六角形格子構造のSi原子からなる1層のSi原子層とが積層して形成されている層である。SiCバイレイヤL1は、SiC種結晶25の表面に表出している。SiCバイレイヤL2ないしL6は、SiC種結晶25のバルクを形成している。なお、SiCバイレイヤL6の下層にはさらに多数のSiCバイレイヤが存在するが、図3ないし図6では図示を省略している。
図3のSiC種結晶25では、欠陥D1が表面に表出している。欠陥D1は、原子1個分の点欠陥が深さ方向(図3の下方向)に連続することで形成されている、線欠陥である。
図3のSiC種結晶25を真空中で加熱開始すると、SiCバイレイヤの3層分以上のSi原子が昇華する。そして残存したC原子によって、自己組織的にグラフェン層26の1層が形成される。これにより図4に示すように、Si原子層SL1の上に、グラフェン層26が形成される。グラフェン層26のC原子の数密度は、Si原子層SL1のSi原子の数密度よりも大きい。よって、グラフェン層26の六角形格子構造の方が、Si原子層SL1の六角形格子構造よりも格子定数が小さい。なお、グラフェン層26のC原子の数密度とSi原子層SL1のSi原子の数密度との比は、SiCバイレイヤの何層分のSi原子が昇華するかによって定まる。よって典型的には、グラフェン層26のC原子の数密度は、Si原子層SL1のSi原子の数密度の3倍以上となる。
そして図4に示すように、グラフェン層26によって、欠陥D1の表出部を覆うことができる。これは、グラフェン層の1層中におけるC原子の数密度が、SiCバイレイヤの1層中におけるC原子の数密度よりも高いため、SiCバイレイヤに表出している欠陥が原子数個分の原子空孔であれば、当該原子空孔を塞ぐためのC原子が不足することがないためである。
次に、ステップS2において、真空炉からSiC種結晶25を取り出す。そして、グラフェン層26が成膜されている面が坩堝10と対向するように、SiC種結晶25が保持治具18の先端部に取付けられる。
ステップS3において、シリコン溶液22を生成する。具体的には、内部にシリコン原料がセットされた坩堝10を、結晶製造装置1の坩堝台11に載置する。そして常伝導コイル13へ所定周波数の交流電流を流すことにより、坩堝10を誘導加熱する。またチャンバ15内に吸気口16から不活性ガスを供給するとともに、坩堝台11を所定回転数で回転させる。加熱温度は、シリコンの融点(1410℃)以上の温度とされる。これにより、シリコン原料が溶解し、シリコン溶液22が生成される。また、坩堝10の溶解によって、シリコン溶液22中にカーボンを供給することができる。
ステップS4において、SiC結晶をSiC種結晶25(図4)の表面上に成長させる。具体的には、保持治具18を坩堝10の上方から坩堝10内部へ降下させ、SiC種結晶25のグラフェン層26が形成された面をシリコン溶液22に浸漬させる。これにより、シリコン溶液22とSiC種結晶25とが、グラフェン層26を介して接する状態を作り出す。
本実施例では、チャンバ15内にアルゴンガスを供給し、チャンバ15内の圧力を大気圧、1500℃に調整した。なお、本実施例で用いたこれらの条件は一例であり、他の条件を用いることも可能である。
ステップS4における、SiC結晶のホモエピタキシャル成長のメカニズムを説明する。前述のように、グラフェン層26のC原子の数密度は、Si原子層SL1のSi原子の数密度よりも大きい。すると、グラフェン層26(図4)内には、Si原子層SL1のSi原子と共有結合しているC原子と、共有結合していないC原子とが存在することになる。Si原子と共有結合しているC原子と共有結合していないC原子とでは、共有結合の結合手の形が異なるため、活性度(親和性)が異なる。この活性度の違いにより、グラフェン層26の表面では、六角形格子構造で並んでいる多数のC原子の中から、下層のSi原子と共有結合しているC原子と、下層のSi原子と共有結合していないC原子とを区別することが可能となる。
またグラフェン層26は、SiCバイレイヤのC原子の層として機能する。これは、グラフェン層26が、下層のSi原子層SL1の原子配列に揃って成長しているためである。そして、グラフェン層26を形成している多数のC原子のうち、下層のSi原子によって影響を受けているC原子に対して選択的にSi原子が共有結合することで、図5に示すように、SiCバイレイヤのSi原子層SL2が形成される。これにより、グラフェン層26の表面を起点として、グラフェン層26の下層のSi原子層SL1の原子配列に揃ったSi原子層SL2を成長させることができる。そして、グラフェン層26とSi原子層SL2によって、SiCバイレイヤL1aが形成される。
また図5に示すように、Si原子層SL2では欠陥D1の上方にもSi原子が存在するようになるため、欠陥D1が引き継がれない。欠陥D1の上方にSi原子が存在する第1の理由は、欠陥D1が塞がれた状態のグラフェン層26の表面に、Si原子層SL2が形成されるためである。また第2の理由は、グラフェン層26の下層のSi原子層SL1の原子配列に揃うように、Si原子層SL2が形成されるためである。これにより、欠陥D1によって下層のSi原子層SL1にSi原子が存在しない領域においても、上層のSi原子層SL2の六角形格子構造に基づいて、Si原子が正しく配置されるためである。
そしてシリコン溶液22にSiC種結晶25が浸漬している状態が維持されることに応じて、図6に示すように、SiCバイレイヤL1a上にSiCバイレイヤL2a、L3a・・・と多数のSiCバイレイヤが積層するように成長していく。そしてエピタキシャル成長層27が形成される。なお、エピタキシャル成長層27の成長度合いに応じて保持治具18を引き上げることにより、エピタキシャル成長層27を連続成長させることができる。SiCバイレイヤL2a以降の成長は、SiC結晶上へSiC結晶が成長する、通常のホモエピタキシャル成長である。欠陥D1はSiCバイレイヤL1aで塞がれているため、SiCバイレイヤL2aよりも上層側において、欠陥D1に起因した欠陥が形成されてしまう事態を防止することができる。また、エピタキシャル成長層27の厚さは、各種の半導体デバイスを形成することができる厚さであればよく、例えば50マイクロメートル程度の値が用いられる。
以上より、図6に示すSiC結晶基板28が完成する。SiC結晶基板28は、SiC種結晶25と、グラフェン層26と、エピタキシャル成長層27が順に積層している構造を有する。また、SiC種結晶25の表面に表出している欠陥D1は、エピタキシャル成長層27に引き継がれないため、SiC種結晶25の欠陥密度に比してエピタキシャル成長層27の欠陥密度が小さい。
完成したSiC結晶基板28は、グラフェン層26が内部に存在している状態で、各種の半導体デバイスを製造するための基板として使用される。この場合、エピタキシャル成長層27に各種の半導体デバイスが形成される。またSiC種結晶25は、SiC結晶基板28の機械的強度を確保するためのベース基板として機能する。
また、完成後のSiC結晶基板28では、TEM(Transmission Electron Microscope)を用いることで、グラフェン層26(すなわちSiC種結晶25とエピタキシャル成長層27との接触面)の存在をTEM像により確認することが可能である。これは、グラフェン1層中のC原子の数密度は、SiCバイレイヤのC原子層中のC原子の数密度よりも大きいため、六角形格子構造の格子定数に差異が生じるためである。これにより、本願に係るSiC結晶成長方法を用いて製造されたSiC結晶基板を識別することが可能である。
<効果>
本実施例に係るSiC結晶の製造方法の効果を説明する。本実施例の結晶成長方法では、SiC種結晶25の表面にグラフェン層26を形成する工程を備えている。そして、グラフェン層26の表面を起点としてSiC結晶を成長させることにより、グラフェン層26の下方に存在するSiC種結晶25の原子配列に従うように、SiC結晶をエピタキシャル成長させることができる。これにより、SiC種結晶25の表面に表出している欠陥に起因して、成長したSiC結晶にも欠陥が引き継がれてしまうことを防止できる。よって、SiC種結晶25よりも結晶欠陥を減少させたエピタキシャル成長層27を、液層法を用いて製造することが可能となる。
以上、本発明の実施例について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
<変形例>
ステップS4において、SiC種結晶25のグラフェン層26の表面にSiC結晶を成長させる方法は、液相成長法に限られない。昇華再結晶化法やCVD(Chemical Vapor Deposition)法を用いる場合においても、SiC種結晶よりも結晶欠陥を減少させたエピタキシャル成長層を成長させることが可能である。
本実施例では、ステップS1において、1層のグラフェン層26をSiC種結晶25の表面に形成する場合を説明したが、この例に限られない。SiC種結晶25の表面にグラフェン層を複数層形成してもよい。なお、最上層のグラフェン層において、SiC種結晶表面のSi原子によって影響を受けているC原子に対して選択的にSi原子を共有結合させることができる範囲内で、グラフェン層の層数を増加させることができる。
本実施例では、6H−SiCを種結晶に用いる場合を説明したが、この結晶構造に限られない。例えば4H−SiCを種結晶に用いてもよい。また、種結晶に用いるSiCは多結晶であってもよい。
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
1:結晶製造装置、22:シリコン溶液、25:SiC種結晶、26:グラフェン層、27:エピタキシャル成長層、28:SiC結晶基板、D1:欠陥、L1ないしL6:SiCバイレイヤ

Claims (2)

  1. 第1のSiC結晶層と、少なくとも1層のグラフェン(graphene)と、第2のSiC結晶層が順に積層しているSiC結晶基板であって、
    第1のSiC結晶層の欠陥密度に比して第2のSiC結晶層の欠陥密度が小さいことを特徴とするSiC結晶基板。
  2. グラフェン1層中のC原子の数密度は、SiC結晶層のバイレイヤ1層中のC原子の数密度よりも大きいことを特徴とする請求項に記載のSiC結晶基板。
JP2011275589A 2011-12-16 2011-12-16 SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板 Active JP5829508B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011275589A JP5829508B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板
PCT/JP2012/080590 WO2013088948A1 (ja) 2011-12-16 2012-11-27 SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板
TW101147322A TW201333246A (zh) 2011-12-16 2012-12-14 SiC結晶之結晶成長方法及SiC結晶基板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011275589A JP5829508B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013124215A JP2013124215A (ja) 2013-06-24
JP5829508B2 true JP5829508B2 (ja) 2015-12-09

Family

ID=48612403

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011275589A Active JP5829508B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板

Country Status (3)

Country Link
JP (1) JP5829508B2 (ja)
TW (1) TW201333246A (ja)
WO (1) WO2013088948A1 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6938468B2 (ja) * 2015-09-08 2021-09-22 マサチューセッツ インスティテュート オブ テクノロジー グラフェンベースの層転写のためのシステム及び方法
WO2018089444A1 (en) 2016-11-08 2018-05-17 Massachusetts Institute Of Technology Systems and methods of dislocation filtering for layer transfer
CN108166058A (zh) * 2016-12-07 2018-06-15 上海新昇半导体科技有限公司 4H-SiC晶体生长方法
KR20190118189A (ko) 2017-02-24 2019-10-17 메사추세츠 인스티튜트 오브 테크놀로지 곡선형 초점면 어레이를 위한 장치 및 방법들
CN109797374A (zh) * 2019-01-15 2019-05-24 芜湖启迪半导体有限公司 一种碳化硅衬底的制备方法及其批量制备方法
JPWO2022163052A1 (ja) * 2021-02-01 2022-08-04

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3414321B2 (ja) * 1998-05-29 2003-06-09 株式会社デンソー 炭化珪素単結晶の製造方法
JP4985625B2 (ja) * 2008-12-02 2012-07-25 三菱電機株式会社 炭化珪素単結晶の製造方法
JP4998491B2 (ja) * 2009-02-20 2012-08-15 トヨタ自動車株式会社 SiC単結晶の接着方法及びSiC単結晶の溶液成長法
JP5540349B2 (ja) * 2009-12-02 2014-07-02 学校法人関西学院 半導体ウエハの製造方法
JP2011121815A (ja) * 2009-12-10 2011-06-23 Sumitomo Electric Ind Ltd 単結晶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
WO2013088948A1 (ja) 2013-06-20
TW201333246A (zh) 2013-08-16
JP2013124215A (ja) 2013-06-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5829508B2 (ja) SiC結晶の結晶成長方法およびSiC結晶基板
JP2010515661A (ja) 多層成長ガイドを用いた誘導直径SiC昇華成長
TWI343423B (en) Low basal plane dislocation bulk grown sic wafers
WO2017188381A1 (ja) 気相エピタキシャル成長方法及びエピタキシャル層付き基板の製造方法
US10153207B2 (en) Method for manufacturing a silicon carbide wafer using a susceptor having draining openings
JP5526866B2 (ja) 炭化珪素結晶の製造方法および炭化珪素結晶の製造装置
JP6755524B2 (ja) p型4H−SiC単結晶及びp型4H−SiC単結晶の製造方法
JP2010514648A (ja) マイクロパイプ・フリーの炭化ケイ素およびその製造方法
JPWO2003078702A1 (ja) SiC結晶の製造方法およびSiC結晶
JP5102697B2 (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法
JP2007269627A (ja) 基板から継続するマイクロパイプを低減させるSiC結晶の製造方法およびSiC結晶、SiC単結晶膜、SiC半導体素子、SiC単結晶基板および電子デバイス、ならびにSiCバルク結晶の製造方法
JP2008110907A (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法及び炭化珪素単結晶インゴット
TW581831B (en) SiC single crystal and growth method thereof
TW202120758A (zh) 單晶碳化矽的製造方法、單晶碳化矽的製造裝置以及單晶碳化矽晶圓
JP2018140903A (ja) 炭化珪素単結晶インゴットの製造方法
JP3657036B2 (ja) 炭化ケイ素薄膜および炭化ケイ素薄膜積層基板の製造方法
JP2001080997A (ja) SiC単結晶およびその成長方法
JP4976647B2 (ja) 炭化珪素半導体基板の製造方法
JPH0982643A (ja) 炭化珪素薄膜の製造方法
JP2013124213A (ja) SiC結晶の成長方法
JP2007261900A (ja) 単結晶炭化シリコン基板の製造方法
JP2014024705A (ja) 炭化珪素基板の製造方法
JP2005001899A (ja) 炭化珪素単結晶のエピタキシャル成長方法
JP6747510B2 (ja) 炭化珪素エピタキシャル基板
JP2000044393A (ja) 炭化珪素単結晶の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140605

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20150804

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20150924

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20151020

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20151022

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5829508

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250