JP4998491B2 - SiC単結晶の接着方法及びSiC単結晶の溶液成長法 - Google Patents
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Description
(2)黒鉛軸先端とSiC種結晶の間に前記接着剤を介在させ炭化させてSiC種結晶を黒鉛軸先端に対して接着することを特徴とする、(1)に記載の接着方法。
(3)前記炭化させた接着剤において、SiC粒子を除いた部分の炭化率が50%以上であることを特徴とする、(2)に記載の接着方法。
(4)種結晶の結晶成長面が直径15mm以上であることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の接着方法。
(5)SiC粒子の粒径が2〜8μmであることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の接着方法。
(6)前記接着剤中のSiC粒子の質量比率が、接着剤全量を基準として9質量%〜33質量%であることを特徴とする、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の接着方法。
(7)(1)〜(6)のいずれか1つに記載の接着方法を用いて黒鉛軸先端に接着したSiC種結晶をSiCの溶液に接触させてSiC単結晶を成長させることを特徴とする、SiC単結晶の溶液成長法。
・ 接着剤にSiC粒子が一定の割合で含まれることで熱硬化性樹脂の相対量が少なくなり、熱硬化性樹脂が炭化されることによる接着量のバラツキ及び空孔の発生率が、熱硬化性樹脂のみを用いた接着の場合と比べて、減少する。これにより、SiC単結晶から黒鉛軸への放熱が均質になり、平坦な単結晶成長が実現される。
・ 熱硬化性樹脂とSiC粒子を含む接着剤を炭化して得られる炭素系接着層とSiC種結晶が高温になると、両者の熱膨張係数の差により接着層に剥がれ方向への応力がかかるが、接着剤がSiC粒子を含むことにより接着層の熱膨張係数はSiC種結晶の熱膨張係数に近づき、接着された種結晶と黒鉛軸先端を剥がれにくくすることができる。SiC粒子は1600℃以上の高温においても安定なため接着状態に悪影響を与えない。
・ これらの効果の結果、SiC種結晶と黒鉛軸先端との接着層において均一且つ安定な接着が実現され、SiC種結晶の脱落を生じることなく均一で平坦なSiC結晶成長がもたらされる。
接着剤を炭化させる熱処理のためにSiC種結晶と黒鉛軸先端の間に接着剤を保持する方法は、黒鉛軸先端に接着剤を塗布しその上にSiC種結晶を載せるだけでもよいが、好ましくは黒鉛軸先端をSiC種結晶を接着剤の粘着性で付着させたり、熱硬化させて接着したり、機械的手段で保持したりして仮止めする。例えば、SiC種結晶および/または黒鉛軸先端に接着剤を塗布して、次にそれらの接着剤塗布面どうしを付着させる。あるいは、加熱処理(一般的に〜200℃程度で数時間)して熱硬化させて仮止めする。すなわち、熱硬化性樹脂あるいはそれと溶媒との混合物を含む接着剤がもつ粘着性によって種結晶を黒鉛軸先端に接着することができるが、あるいは接着剤を熱硬化させて接着してもよい。
上記のように接着剤を種結晶と黒鉛軸先端の間に介在させた後に、さらに、熱硬化性樹脂の炭化温度以上の保持温度で熱処理する。接着剤が炭素成分を含む場合、さらに炭化率の高い接着層が形成される。熱処理の温度は、炭化が行なわれるのに十分な温度であることが必要であり、従来から樹脂の炭化に用いられている温度でよく、一般に有機物は300℃〜400℃程度で炭化しはじめ、フェノール樹脂は400℃程度で炭化しはじめる。炭化のための熱処理温度の上限も、従来と同様に1000℃程度である。また、炭化熱処理の保持温度への昇温は、90℃/h以下の昇温速度で行なうことが望ましい。昇温が速過ぎると、樹脂成分から発生するガスが接着層から爆発的に抜けるため、ガスの抜けた痕が気孔となり接着強度が低下する。炭化処理温度に到達後、炭化が十分に行われるように数時間その温度に保持される。炭化のための雰囲気は、熱硬化性樹脂が炭化されればよいが、通常はアルゴン中などの不活性雰囲気でよい。
本発明に従い黒鉛軸先端に接着したSiC種結晶を用いてSiC単結晶を成長する方法自体は従来公知のSiC単結晶溶液成長法と同じであることができる。
まず、SiC粒子を含まない接着剤(比較例1)と、本発明のSiC粒子を含む接着剤(実施例1)をそれぞれ用いてSiC種結晶を黒鉛軸先端に接着固定し、接着状況の観察を行った。その後で、図1に示すSiC溶液成長装置により、それぞれについてSiC結晶成長を行い、結果として得られた結晶成長の様子も観察した。以下により具体的に説明する。
次に、接着剤全量を基準として、粒径2〜8μmのSiC粒子を33質量%、25質量%、9質量%と変化させたものを用意した。これらの接着剤のそれぞれを用いて、φ25mmSiC種結晶を黒鉛軸先端に接着し、次に200℃1時間で接着硬化させ、さらに1000℃2時間で炭化させた。その後、SiC種結晶と黒鉛軸先端との接着状況を顕微鏡観察するために、それぞれ、種結晶および黒鉛軸先端部を含めて接着層を薄く切り出し、光学顕微鏡(ニコン社製 SMZ−1000)を用いて接着状態の観察を行った。ここで用いたSiC粒子を除く接着剤の組成は、例1で採用したものと同じものである。
2 断熱材
3 高周波コイル
4 溶液
5 種結晶
6 黒鉛軸
Claims (7)
- SiCの溶液にSiC種結晶を接触させてSiC単結晶を成長させるために用いるSiC種結晶を黒鉛軸先端に接着する方法であって、熱硬化性樹脂およびSiC粒子を含む接着剤を用いてSiC種結晶を黒鉛軸先端に接着することを特徴とするSiC種結晶の接着方法。
- 黒鉛軸先端とSiC種結晶の間に前記接着剤を介在させ炭化させてSiC種結晶を黒鉛軸先端に対して接着することを特徴とする、請求項1に記載の接着方法。
- 前記炭化させた接着剤において、SiC粒子を除いた部分の炭化率が50%以上であることを特徴とする、請求項2に記載の接着方法。
- 種結晶の結晶成長面が直径15mm以上であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の接着方法。
- SiC粒子の粒径が2〜8μmであることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の接着方法。
- 前記接着剤中のSiC粒子の質量比率が、接着剤全量を基準として9質量%〜33質量%であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の接着方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の接着方法を用いて黒鉛軸先端に接着したSiC種結晶をSiCの溶液に接触させてSiC単結晶を成長させることを特徴とする、SiC単結晶の溶液成長法。
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