JP2008044802A - 炭化珪素種結晶を固定したサセプタの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】炭化珪素単結晶製造時に炭化珪素種単結晶とサセプタとの接着界面が剥離することなく、炭化珪素種単結晶が確実にサセプタに固定されるような好適な接着方法を提供する。
【解決手段】炭化珪素種結晶、種結晶を固定するためのサセプタ、及び種結晶をサセプタに固定する接着剤を準備する工程、炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、及び、種結晶とサセプタとを接着する工程を含む、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】炭化珪素種結晶、種結晶を固定するためのサセプタ、及び種結晶をサセプタに固定する接着剤を準備する工程、炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、及び、種結晶とサセプタとを接着する工程を含む、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体デバイス用材料やLED用材料として利用される炭化珪素(SiC)単結晶を製造する際に用いる炭化珪素種結晶を固定したサセプタの製造方法に関する。
炭化珪素単結晶は結晶の結合エネルギーが大きく、絶縁破壊電界が大きく、また熱伝導率も大きいため、耐苛酷環境用デバイスやパワーデバイス用の材料として有用である。またその格子定数がGaNの格子定数に近いため、GaN−LED用の基板材料としても有用である。
この炭化珪素単結晶の製造方法としては、昇華再結晶法に属する改良レーリー法が一般的である。これは、密閉された黒鉛坩堝内の高温側に炭化珪素粉末原料を充填し、黒鉛坩堝の低温側に炭化珪素種単結晶を固定配置して、黒鉛坩堝内部の温度勾配を調整しながら加熱することにより、炭化珪素粉末原料を昇華させ、炭化珪素種単結晶上にエピタキシャルに再結晶化させる製造方法である。
もちろん、炭化珪素単結晶の製造方法はこれだけではなく、炭化珪素製造原料であるガスソースをキャリアガスによって、加熱された炭化珪素種単結晶上に輸送し結晶表面で化学反応させながらエピタキシャル成長させるCVD法、黒鉛坩堝内で炭化珪素粉末と炭化珪素種単結晶を近接させた状態で加熱して、炭化珪素粉末を炭化珪素種単結晶上にエピタキシャルに再結晶成長させる昇華近接法、炭化珪素種単結晶上にSiウエハを載置し、その上に炭化珪素粉末を充填して、Siウエハの溶融温度以上に全体を加熱することで、Si溶液中にカーボンを溶解させながら対向する炭化珪素種単結晶上にエピタキシャルに結晶成長させるLPE法などがある。
いずれにせよ炭化珪素単結晶の製造工程においては、炭化珪素種単結晶上に余計な不純物、異物、ゴミ等が沈降付着するのを防止するため、炭化珪素種単結晶の成長表面が鉛直方向に対して上向きとならないように配置する場合が多い。すなわち炭化珪素種単結晶をサセプタ上に重力のみで密着させることが困難な構成をとる場合が多い。そこで通常、この炭化珪素種単結晶とサセプタとを接着剤等で物理的に固定した炭化珪素種結晶固定サセプタを製造して、剥離落下の生じないように位置決めして炭化珪素単結晶を製造する。
種結晶固定方法として、種結晶台座の種結晶載置面と種結晶とを第1の接着剤を用いて接着する接着工程と、前記種結晶の前記第1の接着剤で覆われていない部分と前記種結晶台座の側壁とを接続するように第2の接着剤を塗布する塗布工程と、前記第2の接着剤を乾燥させる乾燥工程と、前記第2の接着剤を所定の圧力を加えつつ300℃以下の温度で所定時間加熱して硬化させる熱硬化工程と、前記第1の接着剤を500℃以上の温度で加熱して除去する分解除去工程とからなる方法が開示されている(特許文献1参照)。
炭化珪素単結晶の製造方法により、その製造温度は種々異なるが、通常の製法の場合、1,000℃以上の高温での製造となるため、このような温度に耐えて変質しない接着剤というものは存在しない。そこで通常、カーボンや炭化珪素を添加した炭化水素系接着剤を、炭化珪素種結晶、好ましくは炭化珪素単結晶、の接着に使用する。これは高温で炭化水素が分解して炭素のみが残るようにさせ、予め添加してあるカーボンや炭化珪素と馴染む材質である、例えばグラファイト製や炭化珪素製のサセプタと炭化珪素種単結晶とが強固に接着固定されることを意図するものである。
ところでこの炭化水素系接着剤には問題がある。該炭化水素系接着剤が1,000℃以上の高温まで加熱されると、前述の通り熱分解が起こるが、この際に水素含有気体が発生するため、接着層中に大きなボイド、ポア、気泡が生じる。そのため、しばしば炭化珪素種単結晶とサセプタとの間にボイド溜りが生じ、最終的には両者が剥離してしまうという問題が生じる。上記特許文献1記載の種結晶固定方法も一般的ではなく十分良好な結果は得られない。
本発明はこの課題を解決するためになされたもので、炭化珪素単結晶製造時に炭化珪素種単結晶とサセプタとの接着界面が剥離することなく、炭化珪素種単結晶が確実にサセプタに固定されるような好適な接着方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、種結晶のサセプタからの脱落故障を防止した炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本発明はこの課題を解決するためになされたもので、炭化珪素単結晶製造時に炭化珪素種単結晶とサセプタとの接着界面が剥離することなく、炭化珪素種単結晶が確実にサセプタに固定されるような好適な接着方法を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、種結晶のサセプタからの脱落故障を防止した炭化珪素単結晶の製造方法を提供することである。
本発明の上記課題は、以下の手段により解決された。
1)炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、及び該種結晶を該サセプタに固定する接着剤を準備する工程、炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、及び、該種結晶と該サセプタとを接着する工程を含むことを特徴とする、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
2)接着剤を適用する工程がスクリーン印刷する工程である1)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
3)接着剤をドット状、ストライプ状、放射状、櫛歯状及び螺旋状よりなる群から選ばれた非連続形状に適用する1)又は2)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
4)前記サセプタがグラファイト又は炭化珪素からなる1)〜3)いずれか1つに記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
5)炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、該種結晶と該サセプタとの間に介在させる種結晶台座、及び、該種結晶を該サセプタに該種結晶台座を介して固定するための接着剤を準備する工程、該種結晶と該種結晶台座との間、及び、該種結晶台座と該サセプタとの間に気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、並びに、該種結晶、該種結晶台座、及び該サセプタをこの順に積層して接着する工程を含むことを特徴とする、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
6)1)〜5)いずれか1つに記載の製造方法により製造された炭化珪素種単結晶固定サセプタを用いる、炭化珪素単結晶の製造方法、
7)該接着剤をインクジェット法により適用する1)又は5)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
1)炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、及び該種結晶を該サセプタに固定する接着剤を準備する工程、炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、及び、該種結晶と該サセプタとを接着する工程を含むことを特徴とする、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
2)接着剤を適用する工程がスクリーン印刷する工程である1)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
3)接着剤をドット状、ストライプ状、放射状、櫛歯状及び螺旋状よりなる群から選ばれた非連続形状に適用する1)又は2)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
4)前記サセプタがグラファイト又は炭化珪素からなる1)〜3)いずれか1つに記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
5)炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、該種結晶と該サセプタとの間に介在させる種結晶台座、及び、該種結晶を該サセプタに該種結晶台座を介して固定するための接着剤を準備する工程、該種結晶と該種結晶台座との間、及び、該種結晶台座と該サセプタとの間に気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、並びに、該種結晶、該種結晶台座、及び該サセプタをこの順に積層して接着する工程を含むことを特徴とする、炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法、
6)1)〜5)いずれか1つに記載の製造方法により製造された炭化珪素種単結晶固定サセプタを用いる、炭化珪素単結晶の製造方法、
7)該接着剤をインクジェット法により適用する1)又は5)記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
本発明の炭化珪素種結晶の接着方法により、単結晶炭化珪素製造時にサセプタから炭化珪素種結晶が剥離して単結晶炭化珪素の製造故障を起こすことが皆無となった。このため炭化珪素単結晶を高歩留りで低コスト、安定的に量産製造可能となった。
本発明に使用する接着剤の種類、材質は、金属不純物含有の少ない、純度の高い炭化水素系の接着剤であれば特に限定されず、目的とする単結晶炭化珪素の種類、サイズ、形状、製造温度、雰囲気等によって適宜選択できる。例えば市販のカーボン含有フェノール系接着剤が好適に利用できる。このような市販品として、日清紡(株)のカーボン接着剤(ST−201)及び(株)アサヒ化学研究所製のポリマー型導電性ペースト(製品名TU−30SK、TU−13SK−M)が例示できる。
本発明で使用する炭化珪素種結晶は、炭化珪素単結晶をウエハ形状で使用することが好ましい。炭化珪素種単結晶ウエハの種類、サイズ、形状は特に限定されず、目的とする単結晶炭化珪素の種類、サイズ、形状によって適宜選択することができる。例えば改良レーリー法によって得られた炭化珪素単結晶を必要に応じて前処理した炭化珪素種単結晶ウエハが好適に本発明に利用できる。
本発明に使用する単結晶炭化珪素の製造方法は特に限定されず、背景技術の欄に列挙した方法を含む公知のすべての炭化珪素の製造方法が含まれる。エピタキシャル結晶成長技術については、松波弘之著「半導体SiC技術と応用」日刊工業新聞社(2003年刊)にも記載されている。
本発明の単結晶炭化珪素を得るために使用する単結晶炭化珪素製造装置の構成は特に限定されない。すなわちサイズや加熱方法、材質、原料供給方法、雰囲気調整方法、温度制御方法などは、目的とする単結晶炭化珪素のサイズや形状、種類、原料の種類や量等に応じて適宜選択できる。
本発明に使用する単結晶炭化珪素の製造方法は特に限定されず、背景技術の欄に列挙した方法を含む公知のすべての炭化珪素の製造方法が含まれる。エピタキシャル結晶成長技術については、松波弘之著「半導体SiC技術と応用」日刊工業新聞社(2003年刊)にも記載されている。
本発明の単結晶炭化珪素を得るために使用する単結晶炭化珪素製造装置の構成は特に限定されない。すなわちサイズや加熱方法、材質、原料供給方法、雰囲気調整方法、温度制御方法などは、目的とする単結晶炭化珪素のサイズや形状、種類、原料の種類や量等に応じて適宜選択できる。
炭化珪素種単結晶ウエハを保持するサセプタの形状は特に限定されず、目的とする単結晶炭化珪素のサイズや形状に合せて適宜選択できる。但し、当該サセプタの材質は使用温度範囲を考慮してグラファイト製、または炭化珪素製であることが好ましく、グラファイト製がより好ましい。
本発明において炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに非連続形状に接着剤を適用するための方法は特に限定されない。適当なマスク材を併用して接着剤をブレード塗布することも可能である。マスク材としては、円形の形状を非連続に打ち抜いた膜厚10〜100μmのプラスチックフィルムが例示できる。
本発明において、スクリーン印刷方法又はスクリーン印刷機を使用することが、非連続形状にかつ均一な厚さで接着剤を適用できる点で好ましい。使用するスクリーン及びスクリーン印刷機は特に限定されず、市販のあらゆるスクリーン印刷機が好適に利用できる。
本発明において、スクリーン印刷方法又はスクリーン印刷機を使用することが、非連続形状にかつ均一な厚さで接着剤を適用できる点で好ましい。使用するスクリーン及びスクリーン印刷機は特に限定されず、市販のあらゆるスクリーン印刷機が好適に利用できる。
また、非連続形状に接着剤を適用する他の好ましい方法は、インクジェット方法であり、熱硬化性接着剤を有機溶媒で希釈して適当な粘度(約10cp)とした後、ピエゾ方式等のインクジェット印刷装置を使用して、炭化珪素種結晶及び/又はサセプタに以下に例示するような非連続形状に接着剤を適用することができる。非連続形状のパターン印刷は、インクジェット印刷機に接続したPCにより制御することができる。なお、貼り合わせ前に接着剤から希釈溶剤を予め揮発させることが好ましい。
接着剤の適用形状又は印刷形状は全面適用又は全面印刷ではなく、熱分解で発生する気泡の通路が確保された形状となるように非連続に適用する必要がある。非連続の形状は、特に限定されないが、ドット状、ストライプ状、放射状、櫛歯状、螺旋状などの気泡通路が確保された形状であることが好ましい。これらの形状を図1(ドット状)、図2(ストライプ状)、図3(放射状)、図4(櫛歯状)及び図5(螺旋状)に模式的に示す。この非連続形状により加熱分解時に接着剤から発生するアウトガスは当該気泡通路を通り、速やかに系外へ排出される。ちなみにドット状の塗布形状を得るためには、その反転形状であるメッシュ状のスクリーンを用いればよい。
スクリーン印刷による印刷条件は適宜選択可能であるが、ピッチ20〜500μmのメッシュ状に、膜厚10〜100μmで印刷することが特に好ましい。
本発明では、接着剤を炭化珪素種単結晶のみに塗布して、サセプタと貼合せても、サセプタのみに塗布して、炭化珪素種単結晶と貼合せても、炭化珪素種単結晶とサセプタの両方に塗布してから両者を貼合せても良い。好ましくは、炭化珪素単結晶のみ、又はサセプタのみに塗布(印刷)することが好ましい。
本発明では、接着剤塗布面を予め洗浄しても良いし、磨いても良い。
本発明では、炭化珪素種単結晶とサセプタとを接着剤で貼合せた後、単結晶炭化珪素製造前に予め接着剤を熱硬化させておくことが好ましい。
本発明では、接着剤塗布面を予め洗浄しても良いし、磨いても良い。
本発明では、炭化珪素種単結晶とサセプタとを接着剤で貼合せた後、単結晶炭化珪素製造前に予め接着剤を熱硬化させておくことが好ましい。
本発明に使用するサセプタは接着面近傍において分離自在(着脱可能)に接合されていてもよい。また、本発明に使用する接着方法は、サセプタに中間台座を介して炭化珪素種結晶を固定する場合において、炭化珪素種結晶と中間台座との接着又は中間台座とサセプタとの接着にも転用することができる。中間台座としてはグラファイト製の台座や炭化珪素製の台座が例示できる。
本発明の他の側面は、炭化珪素単結晶の製造方法に係り、前記(1)〜(5)いずれか1つの製造方法により製造された炭化珪素種単結晶を固定したサセプタを用いることを特徴とする。炭化珪素単結晶の製造方法全般に関しては公知であり、炭化珪素種単結晶の製造に使用される製造方法が適用できるが、説明が重複するので省略する。
本発明の他の一つの側面は、単結晶炭化珪素の製造装置に係り、坩堝を設けたチャンバ及び坩堝を加熱する手段、坩堝内に炭化珪素種結晶を固定したサセプタ、及び炭化珪素種結晶に単結晶SiC製造用原料を供給する手段を有し、炭化珪素種結晶を固定したサセプタが前記1)〜5)いずれか1つに記載の製造方法により製造されたことを特徴とする。
以下、本発明の実施例について比較例と合せて説明する。
(実施例1)
改良レーリー法により製造された2インチ炭化珪素種単結晶とグラファイト製成形サセプタと、カーボン接着剤(日清紡(株)ST−201)とを用意した。また小型の圧着式スクリーン印刷機を用意した。尚、今回はグラファイト製サセプタを使用したが、炭化珪素製サセプタを使用することもできる。
(実施例1)
改良レーリー法により製造された2インチ炭化珪素種単結晶とグラファイト製成形サセプタと、カーボン接着剤(日清紡(株)ST−201)とを用意した。また小型の圧着式スクリーン印刷機を用意した。尚、今回はグラファイト製サセプタを使用したが、炭化珪素製サセプタを使用することもできる。
始めに2インチウエハの形状に合せたスクリーン印刷用の型(厚み80μm、ピッチ100μmのメッシュ状)を用意した。次いで2インチ炭化珪素種単結晶を洗浄後、このスクリーン印刷機の上にセットし、スクリーン印刷用の型を被せた。この上にカーボン接着剤を適用し、当該カーボン接着剤を圧着印刷した。この時の印刷された接着剤は厚み13〜17μmでほぼ均一な厚みとなっていた。またスクリーン印刷用の型に由来するドット状に非連続に印刷されていた。図1に印刷形状の部分拡大図を模式的に示す。得られた炭化珪素種単結晶の接着剤塗布面をグラファイト製成形サセプタに圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させて、所望のサセプタ接着2インチ炭化珪素種単結晶を得た。
(実施例2)
実施例1と同様の準備のほかに、グラファイト製の種結晶台座を用意した。
実施例1と同様の方法により、種結晶台座の片面と炭化珪素種単結晶とを接着した。始めに2インチウエハの形状、及び種結晶台座のグラファイト製成形サセプタと接着する面側の形状に合せたスクリーン印刷用の型(厚み80μm、ピッチ100μmのメッシュ状)を用意した。次いで2インチ炭化珪素種単結晶を洗浄後、このスクリーン印刷機の上にセットし、スクリーン印刷用の型を被せた。この上にカーボン接着剤を適用し、当該カーボン接着剤を圧着印刷した。この時の印刷された接着剤は厚み13〜17μmでほぼ均一な厚みとなっていた。またスクリーン印刷用の型に由来するドット状に非連続に印刷されていた。得られた炭化珪素種単結晶の接着剤塗布面をグラファイト製種結晶台座に圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、及び200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させた。
こうして得られた2インチ炭化珪素種単結晶を片面に固定した種結晶台座の他の面を再度スクリーン印刷機の上にセットし、スクリーン印刷用の型を被せた。この上にカーボン接着剤を適用し、当該カーボン接着剤を圧着印刷した。この時の印刷された接着剤は厚み13〜17μmでほぼ均一な厚みとなっていた。またスクリーン印刷用の型に由来するドット状に非連続に印刷されていた。得られた接着剤塗布面をグラファイト製成形サセプタに圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させて、2インチ炭化珪素種単結晶を固定したサセプタを得た。
実施例1と同様の準備のほかに、グラファイト製の種結晶台座を用意した。
実施例1と同様の方法により、種結晶台座の片面と炭化珪素種単結晶とを接着した。始めに2インチウエハの形状、及び種結晶台座のグラファイト製成形サセプタと接着する面側の形状に合せたスクリーン印刷用の型(厚み80μm、ピッチ100μmのメッシュ状)を用意した。次いで2インチ炭化珪素種単結晶を洗浄後、このスクリーン印刷機の上にセットし、スクリーン印刷用の型を被せた。この上にカーボン接着剤を適用し、当該カーボン接着剤を圧着印刷した。この時の印刷された接着剤は厚み13〜17μmでほぼ均一な厚みとなっていた。またスクリーン印刷用の型に由来するドット状に非連続に印刷されていた。得られた炭化珪素種単結晶の接着剤塗布面をグラファイト製種結晶台座に圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、及び200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させた。
こうして得られた2インチ炭化珪素種単結晶を片面に固定した種結晶台座の他の面を再度スクリーン印刷機の上にセットし、スクリーン印刷用の型を被せた。この上にカーボン接着剤を適用し、当該カーボン接着剤を圧着印刷した。この時の印刷された接着剤は厚み13〜17μmでほぼ均一な厚みとなっていた。またスクリーン印刷用の型に由来するドット状に非連続に印刷されていた。得られた接着剤塗布面をグラファイト製成形サセプタに圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させて、2インチ炭化珪素種単結晶を固定したサセプタを得た。
(比較例1)
比較のため、2インチ炭化珪素種単結晶を洗浄後、該炭化珪素種単結晶表面にカーボン接着剤を楊枝で塗布した。塗布後ヘラで接着剤を単結晶表面全体に広げた。この時の接着剤の厚みは6μmから40μm程度とばらついた。また炭化珪素種単結晶表面全体に連続して塗布されており、未塗布領域はなく、もし接着剤の内部からアウトガスが発生してもそのガスが逃げる通路は確保されていない形状であった。その後実施例1と同様に得られた炭化珪素種単結晶の接着剤塗布面をグラファイト製成形サセプタに圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させて、比較用のサセプタ接着2インチ炭化珪素種単結晶を得た。
比較のため、2インチ炭化珪素種単結晶を洗浄後、該炭化珪素種単結晶表面にカーボン接着剤を楊枝で塗布した。塗布後ヘラで接着剤を単結晶表面全体に広げた。この時の接着剤の厚みは6μmから40μm程度とばらついた。また炭化珪素種単結晶表面全体に連続して塗布されており、未塗布領域はなく、もし接着剤の内部からアウトガスが発生してもそのガスが逃げる通路は確保されていない形状であった。その後実施例1と同様に得られた炭化珪素種単結晶の接着剤塗布面をグラファイト製成形サセプタに圧着した。その後80℃で4時間、120℃で4時間、200℃で1時間カーボン接着剤を硬化させて、比較用のサセプタ接着2インチ炭化珪素種単結晶を得た。
得られた実施例1、同2、及び比較例1それぞれのサセプタ接着2インチ炭化珪素種単結晶を、手持ちの単結晶炭化珪素製造装置にセットして単結晶炭化珪素製造を繰り返した。ちなみにこの時の単結晶炭化珪素製造方法は改良レーリー法を採用したが、既存のすべての単結晶炭化珪素製造方法に、今回の2インチ炭化珪素種単結晶のサセプタ接着工程は展開可能である。こうして得られた炭化珪素種単結晶のサセプタからの剥離発生率をカウントした。結果を表1に示す。
表1に示す結果から明らかなように、スクリーン印刷工程により非連続に接着剤を適用した実施例1及び2では剥離発生率が0%であった。またすべての実験で高品質の単結晶炭化珪素を製造することができた。
更に実施例2の場合には、炭化珪素種単結晶とサセプタとが直接接着されない構成のため、例えばサセプタを安価なグラファイト製、種結晶台座を高価だが高純度の炭化珪素製に分ける応用も可能である。これにより価格と高純度管理の両立が可能となる。
一方、一面に接着剤を適用した比較例1では剥離発生率が33%であった。また炭化珪素種単結晶がサセプタから剥離してしまった実験の全水準で、高品質で長尺の単結晶炭化珪素を製造することに失敗した。
更に実施例2の場合には、炭化珪素種単結晶とサセプタとが直接接着されない構成のため、例えばサセプタを安価なグラファイト製、種結晶台座を高価だが高純度の炭化珪素製に分ける応用も可能である。これにより価格と高純度管理の両立が可能となる。
一方、一面に接着剤を適用した比較例1では剥離発生率が33%であった。また炭化珪素種単結晶がサセプタから剥離してしまった実験の全水準で、高品質で長尺の単結晶炭化珪素を製造することに失敗した。
Claims (6)
- 炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、及び該種結晶を該サセプタに固定する接着剤を準備する工程、
該種結晶及び/又は該サセプタに気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、及び、
該種結晶と該サセプタとを接着する工程を含むことを特徴とする、
炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。 - 接着剤を適用する工程がスクリーン印刷する工程である請求項1記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
- 接着剤をドット状、ストライプ状、放射状、櫛歯状及び螺旋状よりなる群から選ばれた非連続形状に適用する請求項1又は2記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
- 前記サセプタがグラファイト又は炭化珪素からなる請求項1〜3いずれか1つに記載の炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。
- 炭化珪素種結晶、該種結晶を固定するためのサセプタ、該種結晶と該サセプタとの間に介在させる種結晶台座、及び、該種結晶を該サセプタに該種結晶台座を介して固定するための接着剤を準備する工程、
該種結晶と該種結晶台座との間、及び、該種結晶台座と該サセプタとの間に気泡通路の確保された非連続形状に接着剤を適用する工程、並びに、
該種結晶、該種結晶台座、及び該サセプタをこの順に積層して接着する工程を含むことを特徴とする、
炭化珪素種結晶固定サセプタの製造方法。 - 請求項1〜5いずれか1つに記載の製造方法により製造された炭化珪素種結晶固定サセプタを用いる、炭化珪素単結晶の製造方法。
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