JP5794880B2 - 水性分散体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、水性分散体およびその製造方法に関する。
被膜形成用の樹脂として、ポリエステル樹脂が有機溶剤に溶解したものが、塗料、インキ、接着剤あるいはコーティング剤などの用途において汎用されている。
近年、環境保護や消防法による危険物規制、あるいは職場環境の改善などを理由として、有機溶剤の使用が抑制される傾向にある。そのため、前記用途においては、ポリエステル樹脂を、有機溶剤ではなく水性媒体に微分散させた水性分散体を用いることが求められており、該水性分散体の開発が盛んにおこなわれている。
例えば、特許文献1、2には、ポリエステル樹脂のカルボキシル基を塩基性化合物で中和することにより、ポリエステル樹脂を水性媒体中に分散させてなるポリエステル樹脂水性分散体が提案されている。このような水性分散体を基材に塗布することで、基材に対する密着性や耐水性に優れた被膜を形成することができる。しかしながら、このような水性分散体から得られた被膜においては、他の基材に対する接着性は不十分であり、さらに、長期の保存安定性や耐水性についてもいまだ不十分である。
特開2002−173582号公報 国際公開第2004/037924号パンフレット
本発明は、前記の問題点を解決しようとするものであり、環境負荷が低減され、長期の保存安定性、耐水性、および被膜とした場合の接着性に優れた水性分散体を提供することを技術的な課題とする。さらに、このような水性分散体を工業的に有利に製造しうる方法を提供することを技術的な課題とする。
本発明者は、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、本発明に到達した。
すなわち本発明の要旨は、下記の通りである。
(1)酸成分とアルコール成分とを含むポリエステルポリマーを主鎖とするポリエステル共重合体であり、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたポリエステル共重合体が水性媒体中に分散した水性分散体であって、
該ポリエステル共重合体の酸価が15〜50mgKOH/g、かつ数平均分子量が7000〜90000であり、
ポリエステル共重合体におけるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合割合が1モル%未満であり、
界面活性剤含有量が、ポリエステル共重合体成分100質量部に対して、0.1質量部未満であることを特徴とする水性分散体。
(2)ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物の共重合割合が、ポリエステル共重合体に含まれる酸成分の全量に対して1〜18mol%であることを特徴とする(1)の水性分散体。
(3)ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が、2個の酸無水物基を有する化合物において1個の酸無水物基が開環したものであることを特徴とする(1)または(2)の水性分散体。
(4)ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が、ピロメリット酸二無水物の1個の酸無水物基が開環したものであることを特徴とする(1)〜(3)のいずれかの水性分散体。
(5)25℃における表面張力が10〜50mN/mであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれかの水性分散体。
(6)(1)〜(5)のいずれかの水性分散体を製造する方法であって、酸成分およびアルコール成分を重合してポリエステル樹脂を得た後、該ポリエステル樹脂の末端水酸基量を基準として1.0〜3.0当量の2個の酸無水物基を有する化合物を添加し、該化合物の2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル末端に付加反応させることによって、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が導入されたポリエステル共重合体を得た後、該ポリエステル共重合体を、塩基性化合物を用いた自己乳化法によって、水性媒体中に分散させることを特徴とする水性分散体の製造方法。
(7)2個の酸無水物基を有する化合物としてピロメリット酸二無水物を用いることを特徴とする(6)の水性分散体の製造方法。
(8)(1)〜(5)のいずれかの水性分散体を含有する被膜。
本発明の水性分散体は、水性媒体中に分散されており有機溶剤の使用が低減されているため、環境保護、職場環境の改善、操業性の改善の立場から非常に有能である。加えて、本発明の水性分散体は、長期の保存安定性、耐水性および被膜とされた場合の接着性に顕著に優れるものである。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の水性分散体は、ポリエステル共重合体が水性分散体中に分散してなるものである。
本発明において用いられるポリエステル共重合体について説明する。
本発明において用いられるポリエステル共重合体は、酸成分とアルコール成分とを含むポリエステルポリマーを主鎖とし、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたものである。
ポリエステルポリマーに含まれる酸成分は、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、無水フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸等の芳香族ジカルボン酸;シュウ酸、コハク酸、無水コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、アイコサン二酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸;1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸およびその無水物;テトラヒドロフタル酸およびその無水物等の脂環式ジカルボン酸、トリメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、トリメシン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸等の3官能以上のカルボン酸が挙げられる。これらの酸成分は単独で用いることもできるし、2種類以上を組み合わせて使用することも可能である。
前記の酸成分の中でも、芳香族ジカルボン酸を含有することがより好ましく、ポリエステルポリマーを構成する酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸の割合が60〜99モル%であることが好ましい。該割合が60モル%未満であると、本発明の水性分散体から被膜を得た場合に、耐アルコール性が不十分となる場合がある。
ポリエステルポリマーに含まれるアルコール成分としては、例えば、以下のようなものが挙げられる。すなわち、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等の脂肪族グリコール;1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロブタンジメタノール等の脂環族グリコール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテル結合含有グリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の3官能以上のポリアルコール等が挙げられる。さらに、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパンのようなビスフェノール類(ビスフェノールA)のアルキレンオキシド付加体やビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホンのようなビスフェノール類(ビスフェノールS)のアルキレンオキシド付加体等も使用することができる。これらのアルコール成分は単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて用いられる。
上記のポリエステル共重合体においては、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合割合が、全酸成分に対して1モル%未満であることが必要であり、0.5モル%未満であることが好ましく、0モル%であることがより好ましい。一般的に、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸をポリエステル共重合体に共重合させることで、乳化剤を使用することなく、該ポリエステル共重合体を容易に水性媒体に分散することができるという利点がある。しかしながら、その一方で、得られた水性分散体の耐水性が著しく低下してしまう。つまり、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1モル%以上である場合、本発明の水性分散体から得られた被膜の耐水性が大きく低下するという問題がある。
上記のスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸(SIPA−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸(STPA−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸(SIPA−K)、5−カリウムスルホテレフタル酸(STPA−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸(SIPA−Li)、5−リチウムスルホテレフタル酸(STPA−Li)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(SIPG−Na)、2,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸ナトリウム(STPG−Na)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸カリウム(SIPG−K)、3,5−ジ(カルボ−β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼンスルホン酸リチウム(SIPG−Li)、5−ナトリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Na)、5−ナトリウムスルホテレフタル酸ジメチル(STPM−Na)、5−カリウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−K)、5−リチウムスルホイソフタル酸ジメチル(SIPM−Li)等が挙げられる。
上記のポリエステル共重合体においては、主鎖であるポリエステルポリマーに含まれるモノマーとして、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上述の酸成分、アルコール成分以外のモノマー成分(他のモノマー成分)が用いられてもよい。
他のモノマー成分として、例えば、テトラヒドロフタル酸、乳酸、オキシラン、グリコール酸、2−ヒドロキシ酪酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシイソ酪酸、2−ヒドロキシ−2−メチル酪酸、2−ヒドロキシ吉草酸、3−ヒドロキシ吉草酸、4−ヒドロキシ吉草酸、5−ヒドロキシ吉草酸、6−ヒドロキシカプロン酸、10−ヒドロキシステアリン酸、4−(β−ヒドロキシ)エトキシ安息香酸などのヒドロキシカルボン酸;β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトンなどの脂肪族ラクトンなどが挙げられる。なお、ポリエステルポリマーにおいて、このような成分の共重合割合は、ポリエステルポリマーに含まれる全モノマー成分に対して50モル%未満とであることが好ましく、40モル%未満であることがより好ましく、30モル%未満であることが好ましい。
また、他のモノマー成分として、モノカルボン酸、モノアルコールなどが用いられてもよい。モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸などが挙げられる。モノアルコールとしては、オクチルアルコール、デシルアルコール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノールなどが挙げられる。
なお、ポリエステルポリマーにおいて、このような成分の共重合割合は、酸成分あるいはアルコール成分に対して、それぞれ1モル%未満であることが好ましく、0.1モル%未満であることがより好ましく、0モル%未満であることがさらに好ましい。1モル%以上である場合、後述するポリエステル樹脂の製造時に、分子鎖の延長を阻害し重縮合が進まず、その結果、必要とされる分子量が達成できない場合がある。それにより、得られる水性分散体の造膜性が不足する場合がある。
上記のポリエステル共重合体の数平均分子量は、7000〜90000であることが必要であり、8000〜70000であることが好ましく、10000〜50000であることが好ましい。数平均分子量が7000未満であると、得られる水性分散体は他の基材への接着性に劣るものとなり、加えて該水性分散体から被膜を得た場合には該被膜の強度が低下する。一方、90000を超えるとゲル化が発現し取扱性に劣るものとなったり、該ポリエステル共重合体が水性媒体に分散しにくくなったり、本発明の水性分散体から得られた被膜の表面における平滑性に劣るものとなったりする。
ポリエステル共重合体の数平均分子量を、上記の範囲に制御することについて以下に述べる。
本発明に用いられるポリエステル共重合体は、上述のように、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されているため、数平均分子量を90000以下とすることが可能となる。このカルボキシル基は反応性が低いため、他のポリエステルポリマーへの付加が発現しない。その結果、数平均分子量が過度に増大することを抑制することができ、つまり、90000以下とすることができる。
一方、ポリエステル共重合体の数平均分子量を7000以上とするためには、ポリエステル共重合体を得る際に使用される2個の酸無水物基を有する化合物の量を、好適な範囲に制御するという方法が好ましく用いられる。該方法の詳細については後述する。
ポリエステル共重合体の数平均重合度は、50〜150であることが好ましく、50〜130がより好ましく、70〜130がさらに好ましい。数平均重合度が50未満であると、得られる水性分散体の他の基材への接着性に劣るものとなる場合がある。また、数平均重合度が150を超えると、重合性が過度となりゲル化が発生する場合がある。なお、数平均重合度とは、数平均分子量をそのポリマーの式量で除した値を示す。
ポリエステル共重合体において、分散度は、2〜10であることが好ましく、2〜9が好ましく、2〜8がより好ましい。分散度が2未満であると、他の基材への接着性に劣るものとなる場合がある。一方、10を超えると、得られる被膜の造膜性に劣る場合があったり、かえって接着性が低下したりする場合がある。なお、分散度とは、分子量分布における分散度を示すものであり、重量平均分子量を数平均分子量で除した値である
本発明のポリエステル共重合体の酸価は、得られる水性分散体における分散性および長期の保存安定性の観点から、15mgKOH/g以上であることが必要であり、15〜50mgKOH/gであることが好ましく、17〜47mgKOH/gであることがより好ましく、19〜45mgKOH/gであることがさらに好ましい。酸価が15mgKOH/g未満であると、末端基濃度が過少となるため、水性媒体への分散が困難となり、たとえ分散できたとしても、均一なものになりにくく長期保存安定性に劣る場合がある。また、酸価が50mgKOH/gを超えると分散性は向上するが、ポリエステル共重合体の分散度が高くなる傾向があり、得られるポリエステル共重合体は、造膜性に劣るものとなる場合がある。
ポリエステル共重合体は、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されているため、酸価を高くすることができ、つまり15mgKOH/g以上とすることができる。なお、酸価を50mgKOH/g以下とするためには、投入する酸無水物の量を調製したり、酸無水物投入前のポリエステル共重合体の水酸基価を調製したりするなどの手法を採用することができる。
ポリエステル共重合体において、ポリエステルポリマーの末端に対してカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が導入されるためには、予め調製されたポリエステル樹脂に対し、2個の酸無水物基を有する化合物を添加することが好ましい。つまり、該化合物の2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル基末端に付加反応させることによって、末端にカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が導入されたポリエステル共重合体を得ることができる。
ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物の共重合割合は、ポリエステル共重合体に含まれる酸成分の全量に対して、1〜18モル%含有であることが好ましく、1〜15モル%であることがより好ましく、1〜12モル%であることがさらに好ましい。共重合割合が1モル%未満である場合には、得られる水性分散体は長期保存安定性に劣る場合がある。一方、18モル%を超える場合には、得られる水性分散体の造膜性に劣る場合がある。
2個の酸無水物基を有する化合物としては、例えば、(i)芳香族系の2個の酸無水物基を有する化合物、(ii)脂環族系の2個の酸無水物基を有する化合物、(iii)脂肪族系の2個の酸無水物基を有する化合物などが挙げられる。
上記の(i)としては、無水ピロメリット酸(ピロメリット酸二無水物)、2,3,3’,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、2,3,3’,4’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4−ジフェニルメタンテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
上記(i)のなかでも、主鎖となるポリエステルポリマーの立体障害を抑制することができ、末端への付加反応が進行しやすくなる観点から、分子構造の対称性に優れる化合物が好ましい。さらに、酸無水物基をポリエステルポリマーに付加反応させた場合の、他の酸無水物基への連鎖的な付加反応をより効果的に抑制しうる点で、下記式(I)で表される構造を有する無水ピロメリット酸が最も好ましい。
Figure 0005794880
そして、上記式(I)で表される無水ピロメリット酸において、2個の酸無水物基の内の1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル基末端に付加反応させることによって、酸無水物基が開環し、下記式(II)で表される基となり、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたポリエステル共重合体が得られる。
Figure 0005794880
上記式(I)に示されるように、無水ピロメリット酸においては、一つの酸無水物において隣り合う酸無水物基の距離が近いという構造を有する。そのため、上記式(II)で示された酸無水物基が主鎖であるポリエステルポリマーに付加された後に、他の酸無水物基へのポリエステルポリマーの付加反応が抑制され、分子量の過度な増大やゲル化を効率よく抑制することができるという利点がある。
なお、無水ピロメリット酸は、市販品を好適に使用することができる。
上記(ii)としては、単環式テトラカルボン酸二無水物、多脂環式テトラカルボン酸二無水物、スピロ環構造を有するテトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
単環式テトラカルボン酸二無水物としては、シクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−cis−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、シクロヘキサン−cis−1,2−trans−3,4−テトラカルボン酸二無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、1,5−シクロオクタジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
多脂環式テトラカルボン酸二無水物としては、5−カルボキシメチルビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,6−トリカルボン酸2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸2,3:5,6−二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、1−メチル−ビシクロ[2.2.2]オクタ−7−エン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[2.2.2]オクタン−2,3,5,6−テトラカルボン酸二無水物、ビシクロ[3.3.0]オクタン−2,4,6,7−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[4.2.2.02,5]デカ−7−エン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、9−オキサトリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸二無水物、9,14−ジオキソペンタシクロ[8.2.11,11.14,7.02,10.03,8]テトラデカン−5,6,12,14−テトラカルボン酸二無水物、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,5,8,9−テトラカルボン酸二無水物、8−カルボキシメチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−3,5,9−トリカルボン酸二無水物、4−カルボキシメチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカン−5,9,10−トリカルボン酸二無水物、ペンタシクロ[9.2.1.18,11.05,13.07,12]ペンタデカン−2,3,9,10−テトラカルボン酸二無水物などが挙げられる。
スピロ環構造を有するテトラカルボン酸二無水物としては、メタンテトラ酢酸二無水物、2,8−ジオキサスピロ[4.5]デカン−1,3,7,9−テロトン、rel−[1S,5R,6R]−3−オキサビシクロ[3.2.1]オクタン−2,4−ジオン−6−スピロ−3’−(テトラヒドロフラン−2’,5’−ジオン)などが挙げられる。
上記の(ii)のなかでも、化合物の安定性や、両端に位置する2個の酸無水物基の距離が近い等の観点から、下記式(III)で表されるシクロブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、下記式(IV)で表されるシクロペンタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物、または下記式(V)であらわされるシクロヘキサン−1,2,4,5−テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
Figure 0005794880
Figure 0005794880
Figure 0005794880
そして、上記式(III)〜(V)で表される化合物において、2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル基末端に付加反応させることにより酸無水物基が開環し、それぞれ、下記式(VI)〜(VIII)で表される基となり、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたポリエステル共重合体が得られる。
Figure 0005794880
Figure 0005794880
Figure 0005794880
なお、上記式(III)〜(V)で表される化合物としては、市販品を好適に使用することができ、例えば、東京化成工業社製の試薬にて入手が可能である。
上記(iii)としては、例えば、下記式(IX)で表される脂肪族テトラカルボン酸二無水物が挙げられる。
Figure 0005794880
上記式(IX)中、Rは脂肪族炭化水素基を示す。Rとしては、化合物の安定性や2個の酸無水物基の距離が近い等の観点から、炭素数が2〜6の脂肪族炭化水素基であることが好ましい。
このような脂肪族テトラカルボン酸二無水物としては、(化合物の安定性や2個の酸無水物基の距離が近い等の観点から、下記式(X)で示されるエタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸二無水物や、下記式(XI)で示されるブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物が好ましい。
Figure 0005794880
Figure 0005794880
そして、上記式(X)および(XI)で示される化合物において、2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル基末端に付加反応させることによって、酸無水物基が開環し、それぞれ、下記式(XII)〜(XIII)で表される基となり、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたポリエステル共重合体が得られる。
Figure 0005794880
Figure 0005794880
なお、上記式(X)で示されるエタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸二無水物は、以下のようにして合成することができる。つまり、マロン酸ジエチルをナトリウムエチラート溶液中に加え、さらに臭素を滴下して攪拌する。そしてこの反応溶液を水中に投入し、白色結晶を生じさせ、該白色結晶を水酸化カリウム水溶液に溶解させて水を除去することで、エタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸テトラカリウム塩を得る。そして、これに塩酸を加え、塩化アセチルのエーテル溶液中で還流することで、エタン−1,1,2,2−テトラカルボン酸二無水物を得ることができる。
(XI)で示されるブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物は、以下のようにして合成することができる。つまり、無水マレイン酸のベンゼン溶液中にブタジエンを投入し、Diels−Alder反応をおこない、白色針状結晶を生じさせる。そしてこれを硝酸酸化して、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸を得、さらに無水酢酸中で還流することで、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸二無水物を得ることができる。
本発明のポリエステル共重合体のガラス転移点は、−50〜120℃であることが好ましく、低温における十分な接着性を発現する観点から、−50〜65℃であることがより好ましい。ガラス転移点が−50℃未満であると、水性分散体が得られにくくなる場合がある。また、120℃を超えると、重合時の熱分解等から、必要な数平均分子量を得ることが困難となる場合がある。
なお、ポリエステル共重合体は、結晶性であってもよいし、非晶性であってもよい。
次に、ポリエステル共重合体の製造方法について説明する。
まず、多価カルボン酸およびグリコールなどのモノマーの組み合わせを適宜選択し、これらを公知の重合法で重合して、ポリエステル樹脂を得る。そして、該ポリエステル樹脂に、その末端水酸基量を基準として、1.0〜3.0当量の2個の酸無水物基を有する化合物を付加反応させ、本発明のポリエステル共重合体を製造することができる。
一般的には、2個の酸無水物基を有する化合物を添加するに際には、末端に水酸基を有するポリエステル樹脂1モルに対して、該化合物1.0当量を用いる。本発明においては、2個の酸無水物基を有する化合物を従来よりも多く用いるものであり、つまりポリエステル樹脂1モル(ヒドロキシル基2モル)に対して、2.0〜6.0当量で用いることが好ましい。これをヒドロキシル基1モルに換算すると、1.0〜3.0当量で用いることが好ましく、1.0〜2.0当量で用いることがより好ましく、1.0〜1.5当量で用いることがさらに好ましい。これにより、ポリエステルポリマーへのカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物の付加反応を十分に進行させ、高分子量かつ高酸価のポリエステル共重合体を得ることができる。
2個の酸無水物基を有する化合物の使用量が、1.0当量未満であると、主鎖となるポリエステル樹脂における末端のヒドロキシル基が、反応せずに一部残ってしまう。その結果、未反応のままのヒドロキシル基が他の開環していない酸無水物基と反応するため、ポリエステルポリマー同士が過度に反応し、ゲル化を引き起こしてしまう。ゲル化したポリエステル樹脂からは、もはや安定な水性分散体を得られなくなってしまう。
一方、2個の酸無水物基を有する化合物の使用量が3.0当量を超えると、ポリエステル樹脂への付加反応に用いられない酸無水物基(つまり、未反応のままの酸無水物基)が余剰に存在する。そのため、このようなポリエステル共重合体から得られた水性分散体を含む被膜においては、余剰となった未反応の該化合物が析出し、該被膜の外観品位が低下するばかりでなく、他の基材への接着性が低下してしまう場合がある。未反応の該化合物が析出する場合は、該被膜に対して、適宜の溶媒等を用いて洗浄をほどこしてもよい。
ポリエステル樹脂を得るためには、以下のような方法を用いることができる。つまり、原料モノマーを反応缶に投入した後、不活性雰囲気下でエステル化反応をおこなった後、公知の方法で所望の分子量に達するまで重縮合させることにより、ポリエステル樹脂を製造することができる。
エステル化反応は、原料の反応性や反応速度の観点から、180〜260℃の反応温度においておこなわれることが好ましい。また、反応時間は、原料の反応性や反応速度の観点から、4〜10時間であることが好ましく、4〜6時間であることがより好ましい。
重縮合反応は、一般的には、130Pa以下の減圧下、220〜280℃の温度下で、重合触媒を用いておこなわれる。130Paを超えると、重縮合時間が長くなる場合がある。重縮合反応は、大気圧から130Pa以下に達するまで、60〜180分程度かけて徐々に減圧することが好ましい。
重合触媒は、テトラブチルチタネ−トなどのチタン化合物、酢酸亜鉛、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛などの金属の酢酸塩、三酸化アンチモン、ヒドロキシブチルスズオキサイド、オクチル酸スズなどの有機スズ化合物などが挙げられる。なお、重合触媒の使用量は、重合速度等の観点から、酸成分1モルに対し、0.1〜20×10−4モルであることが好ましい。
そして、このようにして得られたポリエステル樹脂に、不活性雰囲気下で、上述の2個の酸無水物基を有する化合物を添加し、該化合物の2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル末端に付加反応させることによって本発明に用いられるポリエステル共重合体を得ることができる。このようにすることで、分子量の低下を抑制しつつ、酸価を十分に高めたポリエステル共重合体を得ることができる。
上述のようなポリエステル共重合体を水性媒体中に分散し、乳液状物とすることで、本発明の水性分散体を得ることができる。
水性媒体とは、水、又は水と有機溶媒との混合液をいう。本発明においては、水性媒体を用いて分散体を得ているため、環境への影響、作業者や作業環境への安全性を向上させることができる。
また、本発明の水性分散体は、界面活性剤を実質的に含有していないことが必要である。界面活性剤を含有すると、ポリエステル共重合体を容易に水性媒体中に分散させることができるが、一方で該水性分散体から得られる被膜の耐水性を低下させるという問題がある。本発明の水性分散体は、上述のような特定の構成を有するポリエステル共重合体を用いているため、水分散性に優れており、界面活性剤を実質的に含有しない水性分散体とすることが可能となる。
ここで「界面活性剤を実質的に含有しない」とは、界面活性剤を積極的には系に添加しないことにより、ポリエステル共重合体成分100質量部に対して界面活性剤の含有量が0.1質量部未満であることを言い、好ましくは該含有量がゼロである。
界面活性剤としては、例えば、Aldrich社製のIgepalシリーズ、三洋化成社製のナロアクティーN−100、ナロアクティーN−120、ナロアクティーN−140等、ナロアクティーシリーズ、サンノニックSS−120、サンノニックSS−90、サンノニックSS−70等、サンノニックSSシリーズ、サンノニックFD−140、サンノニックFD−100、サンノニックFD−80等、サンノニックFDシリーズ、セドランFF−220、セドランFF−210、セドランFF−200、セドランFF−180等、セドランFFシリーズ、セドランSNP−112等、セドランSNPシリーズ、ニューポールPE−64、ニューポールPE−74、ニューポールPE75等、ニューポールPEシリーズ、サンモリン11などが挙げられる。
本発明の水性分散体中において、ポリエステル共重合体の含有量は5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。ポリエステル共重合体の含有量が50質量%を超えると、分散しているポリエステル共重合体が凝集しやすくなり、長期の保存安定性に乏しくなる場合がある。一方、ポリエステル共重合体の含有量が5質量%未満では、得られる水性分散体から被膜を形成した場合に、該被膜の膜厚を十分に得るために、多量の水性分散体を用いなければならない場合がある。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、pHが6以上であることが好ましく、7以上がより好ましく、8以上がさらにより好ましい。pHが6未満であるものは、分散しているポリエステル共重合体が凝集してしまい、均一な水性分散体を得ることができない場合がある。
本発明の水性分散体において、分散しているポリエステル共重合体の体積平均粒径は、長期保存安定性を向上させる観点から、200nm未満であることが好ましく、150nm未満であることがより好ましく、100nm未満であることがさらに好ましく、50nm未満であることが特に好ましい。体積平均粒子径が200nmを超える場合は、得られる水性分散体に沈降物が発生し、長期保存安定性に劣る場合がある。
本発明の水性分散体において、25℃における表面張力は10〜50mN/mであることが好ましく、15〜45mN/mであることがより好ましく、20〜40mN/mであることがさらに好ましい。表面張力が10mN/m未満である場合には、水性分散体の長期保存安定性が劣る場合がある。一方、表面張力が50mN/mを超える場合には、得られる水性分散体の基材への濡れ性が劣り、つまり密着性に劣るものとなる。
本発明の水性分散体には、本発明の効果を損なわない範囲内で、必要に応じて、硬化剤、各種添加剤、保護コロイド作用を有する化合物、水、有機溶剤、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック等の顔料、染料、他の水性ポリエステル樹脂、水性ウレタン樹脂、水性オレフィン樹脂、水性アクリル樹脂等の水性樹脂などが含有されていてもよい。
次に、水性分散体の製造方法について説明する。
本発明の水性分散体は、ポリエステル共重合体を、自己乳化法によって、塩基性化合物を用いて水性媒体中に分散させて製造される。
より具体的には、ポリエステル樹脂と塩基性化合物を、水性媒体中に一括で仕込み、昇温しながら、混合、攪拌することにより製造される。塩基性化合物を用いない場合には、ポリエステル共重合体が水性媒体中に分散することが困難となる。また、水性化を容易にするために有機溶剤を用いてもよいが、後述する脱溶剤工程により、有機溶剤および/または塩基性化合物の一部、または、全部を留去することができる。
本発明の水性分散体の製造方法においては、ポリエステル共重合体のカルボキシル基が塩基性化合物と中和し、カルボキシルアニオン生成する。このカルボキシルアニオンの親水性作用により分散化が進行する、いわゆる「自己乳化」が容易に達成される。したがって、あらかじめポリエステル共重合体を有機溶剤に溶解し、この溶液を、塩基性化合物を含む水性媒体と混合して分散化を達成するという、いわゆる転相乳化を採用する必要がない。そのため、有機溶剤を除去する工程を設ける必要がなく、工業的な製法としてより有利である。また、自己乳化法を用いることで水性媒体への分散が容易に達成される。
分散における反応槽の温度は、特に限定されないが、通常、30〜100℃の範囲である。反応槽の温度が100℃を超えるような高温になると、エネルギーの消費量が多くなりコストアップに繋がる場合がある。一方、30℃未満であると、乳化が進行しない場合がある。反応槽の温度は、70〜100℃がより好ましく、80〜100℃がさらに好ましい。
本発明に用いることのできる有機溶剤としては、たとえば、以下のようなものが挙げられる。すなわち、ケトン系有機溶剤、芳香族系炭化水素系有機溶剤、エーテル系有機溶剤、含ハロゲン系有機溶剤、アルコール系有機溶剤、エステル系有機溶剤、グリコール系有機溶剤など、公知のものが挙げられる。
ケトン系有機溶剤としては、メチルエチルケトン、アセトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘキサノン、5−メチル−2−ヘキサノン、シクロペンタノン、シクロヘキサノンなどが挙げられる。芳香族炭化水素系有機溶剤としては、トルエン、キシレン、ベンゼンなど、エーテル系有機溶剤としては、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
含ハロゲン系有機溶剤としては、四塩化炭素、トリクロロメタン、ジククロロメタンなどが挙げられる。アルコール系有機溶剤としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコール、sec−アミルアルコール、tert−アミルアルコール、1−エチル−1−プロパノール、2−メチル−1−ブタノールなどが挙げられる。
エステル系有機溶剤としては、酢酸エチル、酢酸−n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸−sec−ブチル、酢酸−3−メトキシブチル、プロピオン酸メチルなどが挙げられる。グリコール系有機溶剤としては、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。また、3−メトキシ−3−メチルブタノール、3−メトキシブタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジアセトンアルコールなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、単独で用いられてもよいし、2種以上を組み合わせて使用されてもよい。
有機溶剤としては、20℃における水への溶解性が5g/L以上のものが好ましく、10g/L以上のものがさらに好ましい。また、沸点は150℃以下であることが好ましく、水との共沸点が60℃〜150℃であることが好ましい。沸点、もしくは水との共沸点が150℃を超える場合、被膜から乾燥によって揮散させるために多量のエネルギーが必要となり、コストアップに繋がる場合がある。水との共沸点が60℃未満である場合、共沸物の揮散と水の揮散との間に時間差が生じ、得られる被膜の造膜性に劣る場合がある。また、得られる被膜の耐水性が劣る場合がある。特に、前記溶解性が5g/L以上、且つ沸点150℃以下、且つ水との共沸点が60℃〜150℃のものが好ましい。
このような条件を満たす具体的な有機溶剤としては、メチルエチルケトン(溶解性:最小約290g/L、沸点:79.6℃、共沸点:73.4℃)、テトラヒドロフラン(溶解性:無限大、沸点:66.0℃、共沸点:64.0℃)、エタノール(溶解性:無限大、沸点:78.3℃、共沸点:78.2℃)、n−プロパノール(溶解性:無限大、沸点:97.2℃、共沸点:87.7℃)、イソプロパノール(溶解性:無限大、沸点:82.4℃、共沸点:80.2℃)、n−ブタノール(溶解性:7.8g/L、沸点:117.7℃、共沸点:92.7℃)、エチレングリコールモノエチルエーテル(溶解性:無限大、沸点:135.6℃、水との共沸点:99.4℃)などが挙げられ、易分散性、分散安定性、揮散性などがより優れたものとして好ましくは炭素数2〜4のアルコールが例示される。
本発明に用いられる塩基性化合物としては、カルボキシル基を中和することができるものであれば特に限定されない。例えば、金属水酸化物や、アンモニア、有機アミンなどが挙げられる。金属水酸化物としては、LiOH、KOH、NaOHなどが挙げられる。有機アミンとしては、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリンなどが挙げられる。
本発明における塩基性化合物は、乾燥により被膜を得る際に揮散させやすく、また得られる被膜の耐水性向上という観点から、沸点が150℃以下のものであることが好ましい。なかでも、汎用性が高く、低沸点であり、乾燥時の揮散が容易な観点から、アンモニア、ジエチルアミン、トリエチルアミンが好ましく、ポリエステル共重合体の分散性をより向上させ、分散安定性に特に優れたものとなる観点から、トリエチルアミンを使用することが好ましい。
塩基性化合物の使用量は、易分散性、分散安定性および水性分散体の長期保存安定性などの観点から、例えば、酸価20mgKOH/gのポリエステル樹脂100gに対して、1.80〜7.22gであることが好ましく、より好ましくは3.60〜5.42g程度である。その目安としては、塩基性化合物の酸価が2倍となれば、その使用量も2倍とするのが好ましい。塩基性化合物の使用量が7.22gを超えると、分散中に粘度が激しく上昇するため、水性分散体を得ることが困難となる場合がある。一方、塩基性化合物の使用量が1.80g未満であると、ポリエステル共重合体が水性媒体中に十分分散できず、均一な水性分散体を得ることができない場合がある。
本発明の製造方法に用いられる水の種類は特に制限されず、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等が挙げられるが、不純物の混入を防止する観点から、蒸留水やイオン交換水を使用することが好ましい。
本発明の水性分散体を得た後、有機溶剤や塩基性化合物の留去(脱溶剤)をおこなってもよい。脱溶剤は、分散工程の後に、水性媒体を蒸留する方法によりおこなうことができる。蒸留は、常圧、減圧下いずれでおこなってもよく、蒸留をおこなう装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであればよい。
本発明の水性分散体の製造方法においては、異物などを取り除く目的で、ろ過工程を設けることもできる。このような場合には、たとえば、600メッシュのステンレス製フィルター(濾過精度25μm、綾織)を設置し、常圧ろ過、または、加圧(空気圧0.2MPa)ろ過をおこなえばよい。ろ過工程は分散の直後に設けてもよいし、前述の脱溶剤工程を設ける場合には、脱溶剤工程の後に設けてもよい。
上述のようにして得られた本発明の水性分散体を各種基材に均一にコーティングすることで、被膜を形成することができる。コーティング方法としては、例えば、グラビアコート法、マイヤーバーコート法、ディッピング法、はけ塗り法、スプレーコート法、カーテンフローコート法などが挙げられる。
コーティング後は、必要に応じて室温付近でセッティングし、乾燥および焼き付けのための加熱処理に供することにより、均一な被膜を基材表面に密着させて形成することができる。
加熱処理には、通常の熱風循環型のオーブンや、赤外線ヒータなどを使用することができる。また、加熱温度や加熱時間としては、基材の種類などにより適宜選択されるものである。経済性を考慮すると、加熱温度は、60〜250℃であることが好ましく、70〜230℃がより好ましく、80〜200℃がさらに好ましい。加熱時間は、1秒〜30分間であることが好ましく、5秒〜20分がより好ましく、10秒〜10分がさらに好ましい。
本発明の水性分散体を用いて形成される被膜の厚さは、その目的や用途によって適宜選択されるものであるが、通常0.1〜40μmであることが好ましく、0.5〜30μmがより好ましく、1〜20μmがさらに好ましい。
本発明の水性分散体は、長期の保存安定性、耐水性および被膜とされた場合の接着性に優れている。そのため、得られる被膜は、ボイル・レトルト処理を必要とする食品包装材用積層体のシーラント層などとして非常に有用である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
実施例および比較例にて用いられたポリエステル共重合体、および得られた水性分散体の評価に用いた測定法は次の通りである。
(1)ポリエステル共重合体の組成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製、「ECA500 NMR」)を用いて、H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から共重合体の組成を求めた。測定条件は、分解能が500MHz、溶媒として重水素化トリフルオロ酢酸を用い、温度25℃であった。また、H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められないモノマーを含む共重合体については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
(2)ポリエステル共重合体の酸価
末端の酸無水物基が開環している状態における酸価を測定した。ポリエステル共重合体を0.5g精秤し、50mlのジオキサン水溶液[(ジオキサン)/(水)=9/1](体積比)に対して、150℃で40分間溶解をおこなった。このとき、末端の酸無水物基が開環すると推測される。そして、室温まで冷却した後、クレゾールレッドを指示薬として0.1モル/Lの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定をおこない、中和に消費されたKOHのmg数を、ポリエステル樹脂のg数で割った値を酸価として求めた。
(3)ポリエステル共重合体のガラス転移点(Tg)
JIS−K 7121に従って、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、「ダイヤモンドDSC」)を用い、20℃から120℃まで10℃/分で昇温させて測定をおこない、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点の温度を求め、ガラス転移温度とした。
(4)ポリエステル共重合体の重量平均分子量および数平均分子量
GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)分析により、以下の条件でポリスチレン換算にて測定した。
送液ユニット:島津製作所社製、「LC−10ADvp型」
紫外−可視分光光度計:島津製作所社製、「SPD−6AV型」
検出波長:254nm
カラム:Shodex社製「KF−803」1本、Shodex社製「KF−804」2本を直列に接続して使用した。
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
(5)分散度
上記(4)で求められた重量平均分子量を、上記(4)で求められた数平均分子量で除することにより求めた。
(6)数平均重合度
上記(4)で求められた数平均分子量を、繰り返し単位式量で除することにより求めた。なお、繰り返し単位式量とは、得られるポリエステル共重合体の1mol当たりの式量を示す。
(7)水性分散体の固形分濃度
水性分散体を約1g秤量し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Xgとする)し、以下の式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(X/1)×100
(8)水性分散体のpH
pHメーター(堀場製作所社製、「F−21」)を用い、pH7およびpH9の標準緩衝液(ナカライテスク社製)により校正した後、測定温度25℃で水性分散体のpHを測定した。
(9)水性分散体の表面張力(濡れ性)
接触角計(協和界面科学社製 「Drop Master 500」)を用い、測定温度25℃で懸滴法にて水性分散体の表面張力を測定した。
(10)水性分散体の体積平均粒径、数平均粒径
水性分散体中のポリエステル樹脂の濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置(日機装社製、「MICROTRAC UPA(モデル9340−UPA)」)を用い、体積平均粒径、および数平均粒径を測定した。なお、ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cmと設定した。
(11)水性分散体の保存安定性
水性分散体30gを50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、25℃で180日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定した。そして、下記式により、沈殿したポリエステル樹脂の割合を計算し、以下の基準で評価した。評価の結果が×であるものは、長期の保存安定性を有さないと判断した。
(沈殿したポリエステル樹脂の割合)(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)}
◎:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.1質量%未満である。
○:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.1質量%以上0.5質量%未満である。
△:沈殿したポリエステル樹脂の割合が0.5質量%以上1.0質量%未満である。
×:沈殿したポリエステル樹脂の割合が1.0質量%以上である。
(12)被膜の造膜性
水性分散体を、二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ50μm)の非処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータ「No.542−AB型」、バーコータ装着)を用いてコーティングした後、100℃に設定された熱風乾燥機中で2分間乾燥させることにより、膜厚が3μmの被膜を形成した。この被膜を目視にて観察し、外観を評価した。
また、上記記載の通り形成した樹脂被膜を、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅:18mm)を、一方の端部を残して樹脂被膜に貼りつけ、その上から消しゴムでこすって、粘着テープと樹脂被膜とを十分に接着させた後に、粘着テープの端部をフィルムに対して直角としてから瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製、「SYSTEM2000」、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)で分析することにより、粘着テープ面に樹脂被膜が付着しているか否か、すなわち樹脂被膜が粘着テープにより剥離されているかにより分類し、密着性を評価した。
上記の2種類の評価より、総合的な樹脂被膜の造膜性を以下の基準で評価した。
なお、被膜の厚みは、厚み計(ユニオンツール社製、「MICROFINE」)を用いて、フィルムの厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いてフィルム上に被膜を形成した後、この被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差により求めた。
○:クラック、微細な凹凸、白化などの外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれもが認められない。
△:クラック、微細な凹凸、白化などの外観不良、あるいは粘着テープによる樹脂被膜の剥離のうち、いずれか一方が認められる。
×:クラック、微細な凹凸、白化などの外観不良、および粘着テープによる樹脂被膜の剥離のいずれもが認められる。
(13)被膜の耐水性
前記(12)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が3μmの被膜を形成した後、25℃の蒸留水に浸漬させた。これを30分後に静かに引き上げ、25℃で1日かけて風乾させた後、被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:外観変化がなかった。
△:表面が白く曇るなどの表面状態の変化が発現したが、被膜は溶解または膨潤しなかった。
×:被膜が溶解または膨潤した。
(14)被膜の耐アルコール性
前記(12)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が3μmの被膜を形成した後、25℃のイソプロピルアルコールに浸漬させた。これを30分後に静かに引き上げ、25℃で1日かけて風乾させた後、被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:外観変化がなかった。
△:表面が白く曇るなどの表面状態の変化が発現したが、被膜は溶解または膨潤しなかった。
×:被膜が溶解または膨潤した。
(15)被膜の接着性
前記(12)と同様にして、膜厚が3μmの被膜を形成したPETフィルムを2枚準備した。被膜面同士が接触するように重ね、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで10秒間)を用いて100℃でプレスし、積層体を作製した。その後、積層体を20℃、60%RHの雰囲気下で1日放置した後、25mm巾に切断し、引張試験機(インテスコ社製、「インテスコ精密万能試験機2020型」)を用いて、20℃で引張速度50mm/分で180度剥離試験をおこない、剥離強度を測定した。
本発明においては、プレスした積層体の剥離強度が、8N/25mm以上であることを必要とし、10N/25mm以上であることが好ましく、15N/25mm以上であることがより好ましい。
実施例、および比較例で用いたポリエステル共重合体は、以下のようにして得た。
[ポリエステル共重合体Aの調製]
テレフタル酸(TPA)1661g、イソフタル酸(IPA)1661g、エチレングリコール(EG)906g、ネオペンチルグリコール(NPG)1291gからなる混合物をオートクレーブ中で、240℃で5時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込樹脂組成を、モル比で、TPA/IPA/EG/NPG=50/50/73/62とした。次いで、触媒として三酸化アンチモン1.2g(酸成分1モルあたり2.0×10−4モル)とリン酸トリエチル0.7g(酸成分1モルあたり2.0×10−4モル)を添加し、系の温度を260℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下で、さらに表1に記載の時間で重縮合反応を続け、その後系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、240℃になったところで無水ピロメリット酸122g(酸成分1モルに対して0.028モル)を添加し、240℃で1時間撹拌して、付加反応をおこないポリエステル共重合体とした。その後、系を窒素ガスで加圧状態にして該協重合体をストランド状に払出し、水冷後、カッティングしてペレット状(直径約3mm、長さ約3mm)のポリエステル共重合体Aを得た。
[ポリエステル共重合体Bの調製]
テレフタル酸1030g、イソフタル酸1163g、セバシン酸(SEA)1375g、エチレングリコール832g、ネオペンチルグリコール1416gからなる混合物をオートクレーブ中で、250℃で6時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込組成を、モル比で、TPA/IPA/SEA/EG/NPG=31/35/34/67/68とした。次いで、触媒としてテトラブチルチタネート1.4gを添加した後(酸成分1モルあたり2.0×10−4モル)、系の温度を230℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下で、さらに表1に記載の時間で重縮合反応を続け、その後系を窒素ガスで常圧にし、無水ピロメリット酸96g(酸成分1モルに対して0.022モル)を添加し、230℃で1時間攪拌して付加反応をおこない、ポリエステル共重合体を得た。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておきシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状のポリエステル共重合体Bを得た。
[ポリエステル共重合体D、F、G、H、J、LおよびMの調製]
仕込組成、および重縮合時間を、表1のように変更した以外は、ポリエステル共重合体Aと同様にして、ポリエステル共重合体D,F,G,H,J,L,Mをそれぞれ得た。
Figure 0005794880
[ポリエステル共重合体C、E、IおよびKの調製]
仕込組成、および重縮合時間を、表1のように変更した以外は、ポリエステル共重合体Bと同様にして、ポリエステル共重合体C,E,I,Kをそれぞれ得た。
なお、表1および後述の表2中、略語は以下のものを示す。
TPA:テレフタル酸
IPA:イソフタル酸
SIPA−Na:5−ナトリウムスルホイソフタル酸
SUA:コハク酸
ADA:アジピン酸
SEA:セバシン酸
PMDA:ピロメリット酸二無水物
CBTDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
CPTDA:1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸二無水物
CHTDA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸二無水物
PMA:ピロメリット酸
CBTA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸
CPTA:1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸
CHTA:1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸
EG:エチレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
PG:1,2−プロパンジオール
BAEO:2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン(ビスフェノールA)のエチレンオキサイド付加体
PTMG:ポリテトラメチレングリコール(分子量:1000)
得られたポリエステル共重合体A〜Mの組成および特性値を表2に示す。
Figure 0005794880
なお、表1および表2中、組成の欄における空欄は、配合しなかったこと(共重合体を構成するモノマー成分ではないこと)を示す。
[実施例1]
ジャケット付きの、密閉が可能なガラス容器(内容量:2L)と、超高速攪拌機(特殊機化工業社製、「T.K.ロボミックス」)を用い、ポリエステル共重合体A200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン10.4g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水610gをガラス容器内に仕込み、攪拌翼(ホモディスパー)の回転速度を7000rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して加熱した。次いで、系内温度を71〜75℃に保ち、さらに1時間攪拌してポリエステル共重合体Aの分散をおこなった。その後、ジャケット内に冷水を通し、回転速度を4000rpmに下げて攪拌しつつ、25℃まで冷却した後、600メッシュのステンレス製フィルターで濾過し、水性分散体を得た。
[実施例2]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体B200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.2g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水612gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例3]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体C250g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン10.8g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水559gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
参考例1
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体D300g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン33.8g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水486gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例5]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体E300g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン20.8g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水499gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例6]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体F300g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン22.7g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水497gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例7]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体G200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.2g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水612gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例8]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体H200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン7.4g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水613gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例9]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体I200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン12.6g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水607gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例10]
仕込み原料を、ポリエステル共重合体N200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン20.8g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水599gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例11]
2Lのポリエチレン製容器に、400gのポリエステル共重合体Aと600gのメチルエチルケトンを投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル共重合体をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、ポリエステル共重合体の有機溶剤溶液(固形分濃度:40質量%)を得た。次いで、ガラス容器(内容量2L)に、500gの前記溶液を仕込み、系内温度を17℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン10.4g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2当量)を添加した。次いで、40g/分の速度で17℃の蒸留水910gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は、17±1℃であった。そして、得られた液状物800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を237g留去した。その後、室温まで冷却し、さらに攪拌しながら、28質量%のアンモニア水1.6gを添加した。そして、フラスコ内の液状物を600メッシュのステンレスフィルターでろ過し、水性分散体を得た。
[実施例12]
イソプロピルアルコールの代わりに、180gの1−ヘキサノール(溶解性:5.8g/L、沸点:157.1℃、共沸点:97.8℃)を用いた以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例13]
トリエチルアミンの代わりに9.4gのジブチルアミン(沸点:159.6℃)(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)を用い、および蒸留水の量を541gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例14]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体O200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.7g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水611gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例15]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体P200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.3g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水612gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例16]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体Q200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.2g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水612gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例17]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体R200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン6.5g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1,2倍当量)、蒸留水614gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例18]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体S200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン9.5g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水611gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例19]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体T200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン9.7g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水610gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例20]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体K200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン11.3g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水609gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[実施例21]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体L200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン8.2g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水612gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[比較例1]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体J200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン6.1g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水614gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなった。しかしながら、分散終了後すぐにポリエステル共重合体が沈降してしまい、長期の保存安定性を有さなかった。
[比較例2]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体M200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン15.1g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水605gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[比較例3]
仕込み原料として、25gの界面活性剤(Aldrich社製、「IgepalCO720」)の10質量%水溶液を加えること以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
[比較例4]
仕込み原料および組成を、ポリエステル共重合体U200g、イソプロピルアルコール180g、トリエチルアミン9.7g(ポリエステル共重合体の酸価に対して1.2倍当量)、蒸留水610gに変更した以外は、実施例1と同様の方法をおこなって水性分散体を得た。
実施例1〜3、5〜21、参考例1にて得られた水性分散体の特性値、および該水性分散体を用いて得られる被膜の評価結果を表3に示す。さらに、比較例1〜4にて得られた水性分散体の特性値、および該水性分散体を用いて得られる被膜の評価結果を表4に示す。
Figure 0005794880
Figure 0005794880
実施例1〜3、5〜19にて得られた水性分散体は、長期保存安定性、濡れ性(表面張力)に優れるものであった。そして、該水性分散体から得られる被膜は、造膜性、耐水性、耐アルコール性、接着性において非常に優れていた。加えて、水性分散体より得られるため、環境への負荷を低減できる点においても優れていた。
実施例7、8にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体における分散度が高めであった。そのため、該水性分散体から得られる被膜は、接着性に改善の余地を残すものであったが、十分に実用に耐えうるものであった。
実施例9においては、用いられたポリエステル共重合体における芳香族ジカルボン酸の共重合割合が60モル%未満であったため、耐アルコール性、接着性に改善の余地を残すものであったが、十分に実用に耐えうるものであった。
実施例10にて得られた水性分散体は、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物の共重合割合が多いポリエステル共重合体を用いたため、造膜性に改善の余地を残すものとなった。
実施例11においては、自己乳化法ではなく転相乳化法で、水性分散体を得た。得られた水性分散体は表面張力が非常に大きいものとなってしまい、基材上ではじかれて造膜性に劣るものであった。
実施例12にて得られた水性分散体は、高沸点の有機溶剤が用いられたため、該水性分散体から得られる被膜の耐水性がやや劣るものとなった。また、接着性も劣る結果となった。
実施例13にて得られた水性分散体は、高沸点の塩基性化合物が用いたため、該水性分散体から得られる被膜の耐水性がやや劣る結果となった。
実施例20にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体の数平均重合度が50未満であったため、該水性分散体から得られた被膜は、接着性に改善の余地を残すものであった。
実施例21にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体の分子量分布の分散度が10を超えていたため、該水性分散体から得られた被膜は、造膜性に改善の余地を残すものであった。また、接着性に改善の余地を残すものであった。
比較例1にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体の酸価が15mgKOH/g未満であったため、長期の保存安定性を有さなかった。したがって、被膜特性の評価は行わなかった。
比較例2にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体を構成する酸成分のうち、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分が1モル%以上であった。そのため、該水性分散体から得られた被膜は耐水性に乏しいものであった。
比較例3にて得られた水性分散体は、界面活性剤を実質的に含有するものであったため、該水性分散体から得られた被膜は耐水性に乏しいものであった。
比較例4にて得られた水性分散体は、用いられたポリエステル共重合体の数平均分子量が90000を超えるものであったため、得られた水性分散体は保存安定性に乏しいものとなり、また、該水性分散体から得られた被膜は造膜性にやや乏しいものであった。

Claims (8)

  1. 酸成分とアルコール成分とを含むポリエステルポリマーを主鎖とするポリエステル共重合体であり、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が末端に導入されたポリエステル共重合体が水性媒体中に分散した水性分散体であって、
    該ポリエステル共重合体の酸価が15〜50mgKOH/g、かつ数平均分子量が7000〜90000であり、
    ポリエステル共重合体におけるスルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸成分の共重合割合が1モル%未満であり、
    界面活性剤含有量が、ポリエステル共重合体成分100質量部に対して、0.1質量部未満であることを特徴とする水性分散体。
  2. ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物の共重合割合が、ポリエステル共重合体に含まれる酸成分の全量に対して1〜18mol%であることを特徴とする請求項1に記載の水性分散体。
  3. ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が、2個の酸無水物基を有する化合物において1個の酸無水物基が開環したものであることを特徴とする請求項1または2に記載の水性分散体。
  4. ポリエステル共重合体におけるカルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が、ピロメリット酸二無水物の1個の酸無水物基が開環したものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の水性分散体。
  5. 25℃における表面張力が10〜50mN/mであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の水性分散体。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性分散体を製造する方法であって、酸成分およびアルコール成分を重合してポリエステル樹脂を得た後、該ポリエステル樹脂の末端水酸基量を基準として1.0〜3.0当量の2個の酸無水物基を有する化合物を添加し、該化合物の2個の酸無水物基のうちの1個の酸無水物基を、ポリエステル樹脂のヒドロキシル末端に付加反応させることによって、カルボキシル基を1個と酸無水物基を1個有する化合物が導入されたポリエステル共重合体を得た後、該ポリエステル共重合体を、塩基性化合物を用いた自己乳化法によって、水性媒体中に分散させることを特徴とする水性分散体の製造方法。
  7. 2個の酸無水物基を有する化合物としてピロメリット酸二無水物を用いることを特徴とする請求項6に記載の水性分散体の製造方法。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載の水性分散体を含有する被膜。
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