JP5094063B2 - ポリエステル樹脂水性分散体 - Google Patents
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Description
本発明で用いられるポリエステル樹脂は、多塩基酸成分と、多価アルコール成分とから構成されるが、全アルコール成分にしめる1,2−プロパンジオール成分の割合が70モル%以上であることが必要であり、75モル%以上であることがさらに好ましい。全アルコール成分にしめる1,2−プロパンジオール成分の割合が70モル%未満では、本発明の課題であるオリゴマーの発生を抑制することが困難になる。一方、全アルコール成分にしめる1,2−プロパンジオール成分の割合には特に上限はなく、アルコール成分が1,2−プロパンジオールのみであってもかまわない。
グリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さらにはビスフェノール類の2つのフェノール性水酸基にエチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドをそれぞれ1〜数モル付加して得られるグリコール類、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン等が挙げられる。しかし、エーテル構造は被膜形成物の耐水性、耐候性を低下させることから、ポリエステル樹脂を構成する多価アルコール成分としてのエーテル結合含有グリコールの使用量は、全多価アルコール成分の10質量%以下、更には5質量%以下にとどめることが好ましい。なお、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールも必要に応じて使用することができる。
バリアン社製の分析装置を用いて、1H−NMR分析(300MHz)より求めた。なお、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中において230℃で8時間メタノール分解を行った後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析を行った。
ポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示差走査熱量測定)装置(パーキン エルマー社製 DSC7)を用いて、昇温速度10℃/分の条件で測定を行い、得られた昇温曲線中のガラス転移に由来する2つの折曲点の温度の中間値を求め、これをガラス転移温度とした。
GPC分析(島津製作所社製の送液ユニットLC−10ADvp型及び紫外−可視分光光度計SPD−6AV型を使用、検出波長:254nm、溶媒:テトラヒドロフラン、ポリスチレン換算)により求めた。
ポリエステル樹脂1gを50mlのジオキサン/水=9/1(容積比)混合溶媒に完全に溶解し、フェノールフタレインを指示薬としてKOHで滴定を行い、中和に消費されたKOHのmg数を酸価として求めた。
島津製作所社製、ガスクロマトグラフGC−8A[FID検出器使用、キャリアーガス:窒素、カラム充填物質(ジーエルサイエンス社製):PEG−HT(5%)−Uniport HP(60/80メッシュ)、カラムサイズ:直径3mm×3m、試料投入温度(インジェクション温度):150℃、カラム温度:60℃、内部標準物質:n-ブタノール]を用い、水性分散体または水性分散体を水で希釈したものを直接装置内に投入して、有機溶剤の含有率を求めた。検出限界は0.01質量%であった。
水性分散体を適量秤量し、これを150℃で残存物(固形分)の質量が恒量に達するまで加熱し、固形分濃度を求めた。
日機装社製、マイクロトラック粒度分布計UPA150(MODEL No.9340、動的光散乱法)を用い、数平均粒子径を求めた。ここで、粒子径算出に用いる樹脂の屈折率は1.57とした。
水性分散体のポットライフを次の2つの条件下で観測して、それぞれの外観を以下の3段階で評価した。
ポットライフ1
調製した水性分散体を5℃の条件下で半年静置した。
ポットライフ2
調製した水性分散体を水で100倍希釈したものを5℃の条件下で半年静置した。
△:かすかに凝集や沈殿物の発生が見られる。
×:凝集や沈殿物の発生が顕著に見られる。
ポリエステル樹脂を構成する酸成分としてテレフタル酸1661gを用意し、アルコール成分として1,2−プロパンジオール1026gとエチレングリコール155gとを用意し、これらの混合物をオートクレーブ中で240℃で3時間加熱してエステル化反応を行った。続いて230℃に降温後、テトラブチルチタネートを触媒として1.36g添加し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件で重縮合反応を行い、2時間後に無水トリメリット酸60gを投入し1時間撹拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしてシート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂P−1を得た。同様の方法で、アルコール成分の構成が下記表1に示される条件となるようにして、ポリエステル樹脂P−2〜P−6を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表1に示す。
ポリエステル樹脂を構成する酸成分としてテレフタル酸1163gとイソフタル酸498gとを用意し、アルコール成分としてエチレングリコール435gとネオペンチルグリコール625gとを用意し、これらの混合物をオートクレーブ中で260℃で4時間加熱してエステル化反応を行った。次いで触媒としての三酸化アンチモンを1質量%含有するエチレングリコール溶液を73g添加し、系の温度を280℃に昇温し、その後に系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、2時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、270℃になったところで無水トリメリット酸35gを加え、250℃で1時間撹拌して解重合反応を行った。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしてシート状に払い出した。そしてこれを室温まで十分に冷却した後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂P−7を得た。得られたポリエステル樹脂の物性を表1に示す。
ジャケット付きの密閉できる2リットル容ガラス容器を備えた撹拌機(特殊機化工業社製、T.K.ロボミックス)を用いて、300gのポリエステル樹脂P−1と、水性化を促進させるための成分としての220gのイソプロピルアルコールと、水性化の際に用いる塩基性化合物としての11.4gのトリエチルアミンと、468.6gの蒸留水とをガラス容器内に仕込み、撹拌翼(ホモディスパー)の回転速度を7000rpmとして撹拌したところ、容器底部には樹脂粒状物の沈澱は認められず、完全浮遊状態となっていることが確認された。そこでこの状態を保ちつつ、10分後にジャケットに熱水を通して加熱した。そして系内温度を73〜75℃に保ってさらに1時間撹拌した。その後、ジャケット内に冷水を流し、回転速度を4000rpmに下げて撹拌しつつ室温(約25℃)まで冷却した。さらに、300メッシュのステンレス製フィルター(線径0.035mm、平織)で加圧濾過(空気圧 196kPa(2kg/cm2))し、均一なポリエステル樹脂水性分散体Z−1を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−2を用いるとともに、水性化の際に用いる塩基性化合物としての11.9gのトリエチルアミンと、468.1gの蒸留水とを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体Z−2を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−3を用いるとともに、水性化の際に用いる塩基性化合物としての12.4gのトリエチルアミン及び467.6gの蒸留水を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体Z−3を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−4を用いるとともに、水性化の際に用いる塩基性化合物としての11.4gのトリエチルアミンと、468.6gの蒸留水とを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体Z−4を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−5を用いるとともに、水性化の際に用いる塩基性化合物としての11.4gのトリエチルアミンと、468.6gの蒸留水とを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体H−1を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−6を用いるとともに、水性化の際に用いる塩基性化合物としての10.8gのトリエチルアミン及び469.2gの蒸留水を用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体H−2を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
ポリエステル樹脂P−7を用いるとともに、水性化を促進させるための成分としての180gのイソプロピルアルコールと、水性化の際に用いる塩基性化合物としての11.0gのトリエチルアミンと、509.0gの蒸留水とを用いた。そして、それ以外は実施例1と同様にして、均一なポリエステル樹脂水性分散体H−3を得た。濾過後のフィルター上には樹脂はほとんど残存していなかった。得られた水性分散体の各種特性を表2に示す。
Claims (1)
- 多塩基酸成分と多価アルコール成分とから構成されたポリエステル樹脂を含有する水性分散体であって、前記ポリエステル樹脂の組成は、全アルコール成分にしめる1,2−プロパンジオール成分の割合を70モル%以上とするものであり、前記水性分散体の全量に対して5〜50質量%の有機溶剤を含有することを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体。
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