JP5344874B2 - ポリエステル樹脂水性分散体の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において、ポリエステル樹脂水性分散体とは、前記したポリエステル樹脂が、水性媒体中に分散されてなる液状物である。ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体であり、有機溶剤や塩基性化合物を含んでいてもよい。
ここでいう剪断速度(sec-1)とは、攪拌翼先端の回転速度v(m/sec)、攪拌翼先端と反応槽内壁面との距離h(m)とから、v/hとして算出される値である。
なお、評価、測定方法は下記の通りである。
1H−NMR分析(バリアン社製、300MHz)より求めた。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
ポリエステル樹脂0.5gを精秤し、50mlの水/ジオキサン=1/9(体積比)に溶解して、クレゾールレッドを指示薬として0.1モル/Lの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定をおこない、中和に消費されたKOHのmg数を、ポリエステル樹脂のg数で割った値を酸価とした。
ポリエステル樹脂水性分散体を約1g秤量(X1gとする)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物(固形分)の質量を秤量し(Y1gとする)、次式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y1/X1)×100
ポリエステル樹脂水性分散体を、水で0.1%に希釈し、日機装製 MICROTRAC UPA(モデル9340−UPA)を用いて測定した。
分散工程後の水性分散体を1000メッシュのステンレスフィルター(濾過精度15μm、綾織)で、加圧濾過(空気圧0.2MPa)し、ステンレスフィルター上に残った残存物を十分に水洗、乾燥し、質量を秤量した(X2g)。原料として用いたポリエステル樹脂の質量をY2gとして次式により、濾過残渣を求めた。
ポリエステル樹脂水性分散体製造後の濾過残渣(質量%)=(X2/Y2)×100
50mlのガラス製サンプル瓶に、水性分散体30mlを入れて、25℃で6か月間保存した後の外観変化を目視にて観察し、保存安定性を評価した。
○:外観に変化がなく、沈殿や堆積物が現れていない。
△:底部にやや堆積物が見られる。
×:底部に多量の堆積物(沈殿含む)がある、または、外観に変化が見られる。
酸成分として、テレフタル酸(TPA)4153g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)398g、1,2−プロピレングリコール(PG)2568gをオートクレーブ中に仕込んで、240℃で4時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込み原料比率はTPA/EG/PG=100/25/135(モル比)であった。ついで、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを3.6g添加した後、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに4時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、230℃になったところで無水トリメリット酸146gを添加し、230℃で2時間攪拌して解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出し、室温で放冷後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂P−1を得た。
酸成分として、テレフタル酸(TPA)4153g、アルコール成分としてエチレングリコール(EG)885g、1,2−プロピレングリコール(PG)1959gをオートクレーブ中に仕込んで、240℃で4時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込み原料比率はTPA/EG/PG=100/57/103(モル比)であった。ついで、触媒としてテトラ−n−ブチルチタネートを3.6g添加した後、系の圧力を徐々に減じて1時間後に13Paとした。この条件下でさらに4時間縮重合反応を続け、系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、230℃になったところで無水トリメリット酸146gを添加し、230℃で2時間攪拌して解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておいてシート状に樹脂を払い出し、室温で放冷後、クラッシャーで粉砕し、篩を用いて目開き1〜6mmの分画を採取し、粒状のポリエステル樹脂P−2を得た。
ジャケット付きの、密閉が可能なガラス容器(内容量2L)と、攪拌機(東京理科器械社製、MAZELA NZ−1200)を用いて、ポリエステル樹脂P−1を300g、イソプロピルアルコールを220g、トリエチルアミンを12.4g、蒸留水を467.6gそれぞれガラス容器内に仕込み、攪拌翼(3枚プロペラ)の回転速度を300rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して加熱した。このとき、回転軸から攪拌翼先端までの距離は3.5cm、攪拌翼先端から反応容器内壁までの距離は1cmであった。計算される剪断速度は110sec-1であった。
実施例1と略同様の方法で分散工程までをおこなった後、2Lフラスコに得られた水性分散体を仕込み、蒸留水407gを仕込んで、常圧下で蒸留をおこなうことで水性媒体を脱溶剤した。脱溶剤工程は留去量が約407gになったところで終了し、25℃まで冷却した。脱溶剤した水性分散体を、1000メッシュのステンレス製フィルターで濾過し、固形分濃度30.6質量%のポリエステル樹脂水性分散体を990g得た。
ポリエステル樹脂P−2を300g、イソプロピルアルコールを220g、トリエチルアミンを11.4g、蒸留水を468.6gを仕込み、それ以外は実施例1と同様の操作を行って、固形分濃度29.8質量%のポリエステル樹脂水性分散体を950g得た。
ジャケット付きガラス容器(内容量2L)と、攪拌機(東京理科器械社製、MAZELA NZ−1200)を用いて、にポリエステル樹脂P−1を400gとメチルエチルケトン600gをガラス容器内に仕込み、ジャケットに60℃の温水を通して加熱しながら、攪拌翼(羽根付き攪拌棒)の回転速度を100rpmに保って攪拌することにより、完全にポリエステル樹脂を溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂溶液1000gを得た。つぎに、ジャケットに冷水を通して系内温度を13℃に保ち、攪拌翼の回転速度を100rpmに保ったまま、塩基性化合物としてトリエチルアミン16.6gを添加し、続いて100g/minの速度で13℃の蒸留水を1113.7g添加して分散工程をおこなった。ついで、得られた水性分散体のうち、1600gを2lのフラスコに入れ、常圧下で蒸留をおこなうことで水性媒体を脱溶剤した。脱溶剤工程は留去量が約600gになったところで終了し、室温まで冷却後、ポリエステル樹脂水性分散体を攪拌しながら、蒸留水を33g添加して固形分濃度を30質量%に調整した。その後、1000メッシュのステンレス製フィルターで濾過し、固形分濃度29.8質量%のポリエステル樹脂水性分散体を990g得た。
トリエチルアミンを添加しないように変更した以外は、実施例1と略同様の方法で、分散工程をおこなったが、ポリエステル樹脂が水性媒体中に分散せずに、均一なポリエステル樹脂水性分散体を得ることができなかった。
ジャケット付きの、密閉が可能なガラス容器(内容量2L)と、超高速攪拌機(特殊機化工業株式会社製、T.K.ロボミックス)を用いて、ポリエステル樹脂P−1を300g、イソプロピルアルコール220g、トリエチルアミン12.4g、蒸留水467.6gをガラス容器内に仕込み、攪拌翼(ホモディスパー)の回転速度を7000rpmに保って攪拌しながら、ジャケット内に熱水を通して加熱した。このとき、回転軸から攪拌翼先端までの距離は2cm、攪拌翼先端から反応容器内壁までの距離は2.5cmであった。計算される剪断速度は586sec-1であった。
ポリエステル樹脂P−2を300g、イソプロピルアルコール220g、トリエチルアミン11.4g、蒸留水を468.6gを仕込み、それ以外は参考例1と同様の操作を行って、固形分濃度30.0質量%のポリエステル樹脂水性分散体を990g得た。
Claims (5)
- 酸価が2〜40mgKOH/gであり、かつアルコール成分として1,2−プロパンジオールを70モル%以上含有しているポリエステル樹脂を有機溶剤および塩基性化合物とともに水性媒体に分散させる分散工程を含む自己乳化型の水性分散体の製造方法であって、前記工程において反応槽の攪拌の回転速度を500rpm以下とすること特徴とするポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
- 塩基性化合物が、沸点が150℃以下の有機アミンおよび/またはアンモニアであることを特徴とする請求項1記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
- 分散工程後に、有機溶剤および/または塩基性化合物の脱溶剤工程を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
- 分散工程後に、濾過工程を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
- 濾過工程における濾過残渣が、原料ポリエステル樹脂質量の0.1質量%以下であることを特徴とする請求項4に記載のポリエステル樹脂水性分散体の製造方法。
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