JP5881499B2 - ポリエステル樹脂水性分散体、およびそれから得られるポリエステル樹脂被膜 - Google Patents
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すなわち本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)ポリエステル樹脂を水性媒体に分散してなるポリエステル樹脂水性分散体であって、前記ポリエステル樹脂を構成する酸成分およびアルコール成分が、下記(i)および(ii)を同時に満たすことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体。
(i)酸成分が、芳香族多塩基酸(a1)を50〜65モル%、炭素数が4〜12である脂肪族多塩基酸(a2)を35〜50モル%を含有する。
(ii)アルコール成分が、炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)50〜80モル%、および炭素数が3〜6である側鎖を有するグリコール(b2)20〜50モル%のみからなり、前記炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)が直鎖脂肪族グリコールおよび/または直鎖エーテル結合含有グリコールである。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体(以下、単に「水性分散体」と称する場合がある)は、ポリエステル樹脂を水性媒体に分散してなるポリエステル樹脂水性分散体であって、前記ポリエステル樹脂を構成する酸成分およびアルコール成分が、下記(i)および(ii)を同時に満たすことを特徴とする。
(i)酸成分が、芳香族多塩基酸(a1)を50〜65モル%、炭素数が4〜12である脂肪族多塩基酸(a2)を35〜50モル%を含有する。
(ii)アルコール成分が、炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)50〜80モル%、および炭素数が3〜6である側鎖を有するグリコール(b2)20〜50モル%のみからなり、前記炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)が直鎖脂肪族グリコールおよび/または直鎖エーテル結合含有グリコールである。
本発明におけるポリエステル樹脂は、上述の原料モノマーを組み合わせて、公知の方法で製造することができる。製造方法の具体例としては、原料モノマー成分および/またはその低重合体を、不活性雰囲気下で反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて重縮合触媒の存在下および減圧下で、所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めることにより、ポリエステル樹脂を得る方法などを挙げることができる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、ポリエステル樹脂が、水性媒体中に分散されてなるものである。該水性分散体は乳液状物であってもよい。
本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体は、例えば、上記のポリエステル樹脂のカルボキシル基を、塩基性化合物を用いて、少なくとも一部または全部を中和することで、水性媒体に分散させる方法により製造される。カルボキシル基を中和することで、カルボキシルアニオンが生成され、このアニオン間の電気反発力によって分散しているポリエステル樹脂は凝集しにくくなる、その結果、ポリエステル樹脂が水性分散体中に安定に存在することができる。
(a)ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させ(溶解工程)、このポリエステル樹脂溶液に塩基性化合物及び水を添加して有機溶剤を含有したポリエステル樹脂水性分散体を得る(転相乳化工程)方法。
(b)ポリエステル樹脂、塩基性化合物、有機溶剤および水を一括で仕込み、系内を攪拌しながら加熱することで、有機溶剤を含有したポリエステル樹脂水性分散体を得る方法(自己乳化工程)。
(1)ポリエステル樹脂の構成
高分解能核磁気共鳴装置(日本電子社製、「ECA500 NMR」)を用いて1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた。条件としては、溶媒として重水素化トリフルオロ酢酸を用い、分解能を500MHz、温度を25℃とした。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
ポリエステル樹脂0.5gを、水と1,4−ジオキサンの混合溶媒[(水)/(1,4−ジオキサン)=1/9、体積比]50mlに室温で溶解して、溶解液とした。この溶解液を、クレゾールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、中和に消費された共重合ポリエステル樹脂1gあたりの水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)を酸価とした。
ポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、「Diamond DSC」、検出範囲:−50℃〜200℃)を用い、昇温速度10℃/分の条件で測定をおこなった。そして、得られた昇温曲線中の、低温側ベースラインを高温側に延長した直線と、ガラス転移の階段状変化部分の曲線の勾配が最大となるような点で引いた接線との交点における温度を求め、ガラス転移温度とした。
20℃、60RH%の状態で一週間静置したポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、入力補償型示差走査熱量測定装置(パーキンエルマー社製、「Diamond DSC」、検出範囲:−50℃〜200℃)を用いて、窒素気流中、−50℃から昇温速度20℃/分で、280℃まで昇温し、昇温時の融解温度のピークをポリエステル樹脂の融点とした。なお、融解温度のピークが発現しなかったものは、融点「なし」とした。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用い、以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量、重量平均分子量を測定した。
[送液ユニット]:島津製作所社製LC−10ADvp
[紫外−可視分光光度計]:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
[カラム]:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
[溶媒]:テトラヒドロフラン
[測定温度]:40℃
ポリエステル樹脂水性分散体を約1g秤量(X1gとする。)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Y1gとする。)した。そして、以下の式(イ)により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y1/X1)×100 (イ)
pHメーター(堀場製作所社製、「F−21」)を用い、pH7およびpH9の標準緩衝液(ナカライテスク社製)により校正した後、測定温度25℃でポリエステル樹脂水性分散体のpHを測定した。
ポリエステル樹脂水性分散体中のポリエステル樹脂の濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置[日機装社製、「MICROTRAC UPA」(モデル9340−UPA)]を用い、体積平均粒径、および数平均粒径を測定した。なお、ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cm3に設定した。
水性分散体30gを50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、25℃で60日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、以下の式(ロ)により、沈殿したポリエステル樹脂の割合を計算し、以下の基準で評価した。
沈殿したポリエステル樹脂の割合(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)} (ロ)
◎:固形分濃度が0.1質量%未満である。
○:固形分濃度が0.1質量%以上0.5質量%未満である。
△:固形分濃度が0.5質量%以上1.0質量%未満である。
×:固形分濃度が1.0質量%以上である。
水性分散体を、二軸延伸PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(ユニチカ社製、厚さ38μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータNo.542−AB型、バーコータ装着)を用いてコーティングした。その後、120℃に設定された熱風乾燥機中で1分間乾燥させることにより、膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した。樹脂被膜を目視にて観察し、以下の基準で評価し、造膜性を評価した。なお、被膜の膜厚は、厚み計(ユニオンツール社製、「MICROFINE」)を用い、フィルムの厚みを予め測定しておき、水性分散体を用いてフィルム上に樹脂被膜を形成した後、この樹脂被膜を有する基材の厚みを同様の方法で測定し、その差を求めることにより算出した。
○:クラック、ブツおよび白化のいずれもが見られない。
×:クラック、ブツおよび白化のいずれかが見られる。
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に2μmの樹脂被膜を形成した。その後、樹脂被膜の表面に、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅18mm)を、端部を残して貼りつけ、その上から消しゴムでこすって両者を十分に接着させた。次いで、粘着テープの端部をPETフィルムに対して直角としてから、瞬間的に剥離させた。この剥離させた粘着テープ面を、表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製、「SYSTEM2000」、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)を用い、粘着テープ面に、被膜を形成していたポリエステル樹脂が付着しているか否かを分析し、以下の基準で評価した。
○:粘着テープ面に樹脂に由来するピークが認められない。
×:粘着テープ面に樹脂に由来するピークが認められる。
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成した後、50mm×50mmのサイズで切り出して試験片とした。この試験片に対して、濁度計(日本電色工業社製、「NDH2000」)を用い、JIS K7105にしたがった方法で拡散透過率(Td)、および、全光線透過率(Tt)を測定した。下記式(ハ)によりHz(ヘイズ)を算出した。なお、基材のPETフィルムのみのHzは4.2(%)であった。
Hz(%)=Td/Tt×100 (ハ)
(12)と同様に作製した試験片を、20℃、60RH%の環境下に90日静置した。90日静置後、(12)と同様の方法でHzを算出した。
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が1μmの樹脂被膜を形成してサンプルとした。このサンプルを25℃の蒸留水に浸漬させ、24時間後に静かに引き上げた。次いで、風乾させた後の樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:樹脂被膜において外観変化が全くなかった。
×:表面状態が変化(表面が白く曇る、樹脂被膜が溶解、膨潤などの変化)した。
前記(10)と同様にして、PETフィルム上に膜厚が2μmの樹脂被膜を形成した。このような樹脂被膜が形成されたPETフィルムを2枚準備し、樹脂被膜同士が接触するように重ねて、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで10秒間)にて80℃でプレスしてサンプルとした。このサンプルを25mm幅で切り出し、1日静置後、引張試験機(インテスコ社製、「インテスコ精密万能材料試験機2020型」)を用い、引張速度50mm/分、引張角度180度での条件で、樹脂被膜の剥離強度を測定した。本発明においては、剥離強度3.5N/25mm以上であれば有機溶剤溶解型の接着剤に匹敵する程度の接着性を有するものであると判断した。なお、剥離強度は5.0N/25mm以上が好ましく、7.0N/25mm以上がさらに好ましい。
[ポリエステル樹脂A]
テレフタル酸(TPA)1163g、イソフタル酸(IPA)1412g、セバシン酸(SEA)1920g、ネオペンチルグリコール(NPG)937g、1,4−ブタンジオール(1,4−BD)1938gからなる混合物をオートクレーブ中で、235℃で6時間加熱してエステル化反応をおこなった。仕込時の樹脂組成は、TPA/IPA/SEA/NPG/1,4−BD=28/34/38/36/86(モル比)であった。
原料モノマーの種類、解重合剤の種類およびそれらの仕込組成を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にして、ポリエステル樹脂B〜Oを得た。
TPA:テレフタル酸[芳香族多塩基酸(a1)]
IPA:イソフタル酸[芳香族多塩基酸(a1)]
ADA:アジピン酸[脂肪族多塩基酸(a2)]
SEA:セバシン酸[脂肪族多塩基酸(a2)]
1,4−CHDA:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸[脂肪族多塩基酸(a2)]
1,4−BD:1,4−ブタンジオール[炭素数が3〜6である側鎖を有しない直鎖脂肪族グリコール(b1)]
NPG:ネオペンチルグリコール[炭素数が3〜6である側鎖を有するグリコール(b2)]
DEG:ジエチレングリコール[炭素数が3〜6である側鎖を有しない直鎖エーテル結合含有グリコール(b1)]
MPD:2−メチル−1,3−プロパンジオール(炭素数が3〜6である側鎖を有するグリコール)
EG:エチレングリコール
TMA:トリメリット酸(3官能以上の芳香族カルボン酸)
TMAA:無水トリメリット酸(3官能以上の芳香族カルボン酸、解重合反応の際に添加)
2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Aを400gとメチルエチルケトンを600g投入し、系内温度が50℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。次いで、ガラス容器(内容量:2L)に、前記溶液を500g仕込み、系内温度を17℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン64.9g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量)を添加した。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Bを用い、および、仕込量として、トリエチルアミンを43.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して12倍当量のアミンに相当)、蒸留水を522gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Cを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを56.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して12倍当量のアミンに相当)、蒸留水を509gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例1で得られたポリエステル樹脂水性分散体100gを、225mlのマヨネーズ瓶に取り、マグネチックスターラーを用いて攪拌しながら、オキサゾリン系含有ポリマーを含んだ水溶液(日本触媒社製、「エポクロス WS−700」、不揮発分25質量%)を10g、添加した。さらに常温で30分攪拌を続けて、実施例4のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Kを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを75.7g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を489gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Lを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを70.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を495gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例6のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Mを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを51.9g(ポリエステル樹脂の酸価に対して12倍当量のアミンに相当)、蒸留水を513gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例7のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Oを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを70.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を495gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例8のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Fを用いた以外は、実施例1同様の方法で、実施例9のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Eを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを37.9g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を527gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Gを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを54.1g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を511gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Hを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを64.9g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を500gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Iを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを54.1g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を511gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例4のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Jを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを70.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15倍当量のアミンに相当)、蒸留水を495gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例5のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Nを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを56.3g(ポリエステル樹脂の酸価に対して12倍当量のアミンに相当)、蒸留水を509gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例6のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂Aに代えて、ポリエステル樹脂Dを用い、および、仕込量としてトリエチルアミンを34.6g(ポリエステル樹脂の酸価に対して12倍当量のアミンに相当)、蒸留水を531gに変更した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例7のポリエステル樹脂水性分散体を得た。
Claims (7)
- ポリエステル樹脂を水性媒体に分散してなるポリエステル樹脂水性分散体であって、前記ポリエステル樹脂を構成する酸成分およびアルコール成分が、下記(i)および(ii)を同時に満たすことを特徴とするポリエステル樹脂水性分散体。
(i)酸成分が、芳香族多塩基酸(a1)を50〜65モル%、炭素数が4〜12である脂肪族多塩基酸(a2)を35〜50モル%を含有する。
(ii)アルコール成分が、炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)50〜80モル%、および炭素数が3〜6である側鎖を有するグリコール(b2)20〜50モル%のみからなり、前記炭素数が3〜6である側鎖を有しないグリコール(b1)が直鎖脂肪族グリコールおよび/または直鎖エーテル結合含有グリコールである。 - 上記(i)における酸成分がテレフタル酸およびイソフタル酸を含有し、テレフタル酸およびイソフタル酸の比率が、モル比で、(テレフタル酸)/(イソフタル酸)=49/51〜25/75であることを特徴とする請求項1に記載のポリエステル樹脂水性分散体。
- 上記(i)における酸成分が、3官能以上の芳香族多塩基酸を0.01モル%以上2モル%以下の割合で含有することを特徴とする請求項1または2に記載のポリエステル樹脂水性分散体。
- 上記(i)における酸成分が、スルホン酸塩基を有する芳香族ジカルボン酸を含有しないことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂水性分散体。
- ポリエステル樹脂が、その酸価が4〜10mgKOH/g、ガラス転移温度が30℃以下および数平均分子量が13,000〜30,000であり、かつ融点を有しないものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂水性分散体。
- 水性分散体中のポリエステル樹脂の体積平均粒子径が10nm以上400nm以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂水性分散体。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のポリエステル樹脂水性分散体から得られるポリエステル樹脂被膜。
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