JP2012041408A - ポリエステル樹脂水性分散体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。
【選択図】なし
Description
(1)融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。ここで、d50、d90は、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径、90%径をそれぞれ意味する。
(2)(1)記載のポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されており、ジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%であるポリエステル樹脂水性分散体。
まず、本発明のポリエステル樹脂水性分散体に用いるポリエステル樹脂について説明する。
3官能以上のヒドロキシカルボン酸とは、水酸基とカルボキシル基を1つ以上もち、水酸基とカルボキシル基の合計が3以上のものを指し、リンゴ酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
3官能以上のアルコール、3官能以上のヒドロキシカルボン酸を共重合する場合、共重合量は、それぞれ、全アルコール成分、全カルボン酸成分中において、3モル%以下とすることが好ましい。
転相乳化工程:ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を、塩基性化合物とともに水性媒体に分散させ、ポリエステル樹脂分散体を得る工程
脱溶剤工程:ポリエステル樹脂分散体から、有機溶剤および/または塩基性化合物を除去してポリエステル樹脂水性分散体を得る工程
また、適宜、未分散物や凝集物をろ過して取り除くためのろ過工程を設けてもよい。
高分解能核磁気共鳴装置(バリアン社製Varian GEMINI2000/300 NMR)を用いて、1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた(周波数:300MHz、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸、温度:25℃)。また、1H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
(2)ポリエステル樹脂の融点および結晶融解熱量
一週間20℃に調湿したポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示唆走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて、窒素気流中、−50℃から昇温速度20℃/分で、280℃まで昇温し、昇温時の融解温度のピークをポリエステル樹脂の融点とし、その時の融解ピーク面積をポリエステルの結晶融解熱量とした。
ポリエステル樹脂0.5gを水/1,4−ジオキサン=1/9(体積比)50mlに室温で溶解し、クレゾールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、中和に消費されたポリエステル樹脂1gあたりの水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)を酸価とした。
(4)ポリエステル樹脂の数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
送液ユニット:島津製作所社製LC−10ADvp
紫外−可視分光光度計:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
カラム:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
ポリエステル樹脂水性分散体を約1g秤量(X1gとする。)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Y1gとする。)し、以下の式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y1/X1)×100
(6)ポリエステル樹脂水性分散体のpH
pHメーター(堀場製作所社製F−21)を用いて、pH7およびpH9の標準緩衝液(ナカライテスク社製)により校正した後、測定温度25℃でポリエステル樹脂水性分散体のpHを測定した。
ポリエステル樹脂水性分散体中のポリエステル樹脂の濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置(日機装社製、MICROTRAC UPA(モデル9340−UPA))を用いて、粒度分布を測定した(ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cm3と設定した)。小粒径側から累積した体積平均粒度分布において50%径および90%径を読み取った。
(8)ポリエステル樹脂水性分散体の保存安定性
水性分散体30gを50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、(1)25℃で60日保存、(2)25℃で180日保存、(3)40℃で60日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、以下の式により、沈殿したポリエステル樹脂の割合を計算し、以下の基準で評価した。
沈殿したポリエステル樹脂の割合(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)}
◎:0.1質量%未満
○:0.5質量%未満
□:1.0質量%未満
×:1.0質量%以上
二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ38μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータNo.542−AB型、バーコータ装着)を用いてポリエステル樹脂水性分散体をコーティングした後、120℃に設定された熱風乾燥機中で1分間乾燥し、膜厚が2μmのポリエステル樹脂被膜を有する積層フィルムを作製した。
その後、積層フィルムのポリエステル樹脂被膜に、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅18mm)を、端部を残して貼りつけ、その上から消しゴムでこすって十分に接着させ、粘着テープの端部をPETフィルムに対して直角としてから、瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を、表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製、SYSTEM2000、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)を用いて分析し、粘着テープ面にポリエステル樹脂被膜が付着しているか否かを、以下の基準で評価した。
○:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められない。
×:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められる。
(9)において作製した積層フィルムを1枚準備した。25℃の酢酸エチルに浸漬させ、10分後に静かに引き上げ、風乾させた後、樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:外観変化がなかった。
△:表面状態は変化したが(表面が白く曇る等)、樹脂被膜は溶解しなかった。
×:樹脂被膜が溶解し、基材面が露出した。
(9)において作製した積層フィルムを2枚準備し、ポリエステル樹脂被膜面同士が接触するように重ねて、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで10秒間)を用いて80℃でプレスし積層体を作製した。
その後、積層体を20℃、40%RHの雰囲気下で1日放置した後、25mm巾に切断し、引張試験機(インテスコ社製インテスコ精密万能試験機2020型)を用いて、20℃で引張速度50mm/分で180度剥離試験をおこない、剥離強度を測定した。
なお、剥離強度が0.5N/25mm以下の場合は、80℃でプレスして積層体を作製し剥離強度を測定した場合と同様に、120℃でプレスして積層体を作製し剥離強度を測定した。
実用的には、80℃または120℃でプレスした積層体のいずれかの剥離強度が、3.5N/25mm以上であることが好ましく、5.0N/25mm以上であることがより好ましく、7.0N/mm以上であることがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂A
テレフタル酸1163g、イソフタル酸1412g、セバシン酸1920g、1,4−ブタンジオール2740gからなる混合物をオートクレーブ中で、220℃で4時間加熱してエステル化反応をおこなった。(テレフタル酸:イソフタル酸:セバシン酸:1,4−ブタンジオール=28.0:34.0:38.0:122.0(モル比))次いで、触媒としてテトラブチルチタネート2.6gを添加した後(全カルボン酸成分の合計1モルあたり3×10−4モル)、系の温度を230℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、4時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、220℃になったところでトリメリット酸47g(全カルボン酸成分の合計1モルあたり0.006モル)を添加し、220℃で2時間攪拌して解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておきシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状のポリエステル樹脂Aを得た。
ポリエステル樹脂の仕込組成を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にして、ポリエステル樹脂B〜Jを得た。
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Aを400gとメチルエチルケトンを600g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に、前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を22℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン38g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15当量)を添加した。続いて40g/分の速度で22℃の蒸留水462gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は22±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は20質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から2時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を284g留去した。その後、室温まで冷却し、さらにポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]ポリエステル樹脂とメチルエチルケトンの攪拌の際の温度を室温とした以外は、実施例1と同様に溶解工程をおこない、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったポリエチレン製容器を加熱して、50℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]実施例1と同様に転相乳化工程をおこなった。
[脱溶剤工程]実施例1と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]ジャケット付ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Bを150gとシクロヘキサノンを350g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をシクロヘキサノンに完全に溶解させ、固形分濃度30質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を加熱して、100℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を22℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水37g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で22℃の蒸留水1000gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は22±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は10質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を542g留去した。その後、室温まで冷却し、さらにポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Bを200gとシクロヘキサノンを300g投入すること以外は、実施例3と同様に溶解工程をおこない、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を加熱して、100℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を28℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水50g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水1020gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は12質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]実施例3と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Cを200gとシクロヘキサノンを300g投入すること以外は、実施例3と同様に溶解工程をおこない、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を、加熱して、110℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を28℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水50g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水1020gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は12質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]実施例3と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例1と同様に、溶解工程と転相乳化工程を実施した。その後、脱溶剤工程として、得られたポリエステル樹脂分散体800gを100mmHgの減圧下で脱溶剤をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
溶解工程において、ポリエステル樹脂を表2の通りとした以外は、実施例1と同様の操作をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Aを400gとメチルエチルケトンを600g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を18℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン38g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15当量)を添加し、続いて40g/分の速度で18℃の蒸留水462gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は18±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は20質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から2時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を284g留去した。室温まで冷却後、ポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Bを300gとメチルエチルケトンを700g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度30質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を28℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物として28質量%のアンモニア水37g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加し、続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水463gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は15質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から3時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を387g留去した。室温まで冷却後、ポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
溶解工程において、ポリエステル樹脂を表2の通りとした以外は、実施例3と同様の操作をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
用いるポリエステル樹脂のジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%の実施例1〜6のポリエステル樹脂水性分散体は、耐溶剤性も特に良好であった。
比較例2、3は、d90/d50が大きかったため、保存安定性が低かった。
比較例4は、用いたポリエステル樹脂の融点が高かったので、接着性が低かった。
比較例5は、用いたポリエステル樹脂の結晶融解熱量が大きかったので、水性分散体を製造後すぐに沈殿が生じ、保存安定性が低かった。
比較例6は、用いたポリエステル樹脂の結晶融解熱量が小さかったので、接着性が低かった。
比較例7は、用いたポリエステル樹脂の酸価が低かったので、転相乳化工程において蒸留水を添加している際に、ポリエステル樹脂が攪拌羽根に絡まり水性分散体が得られなかった。
比較例8は、用いたポリエステル樹脂の数平均分子量が低かったため、密着性が低く、さらに接着性も低かった。
比較例9は、用いたポリエステル樹脂の数平均分子量が高かったため、保存安定性が低かった。
Claims (2)
- 融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。ここで、d50、d90は、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径、90%径をそれぞれ意味する。
- 請求項1記載のポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されており、ジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%であるポリエステル樹脂水性分散体。
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