JP2012041408A - ポリエステル樹脂水性分散体 - Google Patents

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Abstract

【課題】常温(25℃)で180日以上、40℃で60日以上安定して保存可能な、結晶性のポリエステル樹脂を用いた水性分散体を提供する。
【解決手段】融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。
【選択図】なし

Description

本発明は各種基材に塗布でき、被膜性能に優れた樹脂被膜を形成し得ることが可能で、保存安定性が良好なポリエステル樹脂水性分散体に関するものである。
ポリエステル樹脂は、さまざまな基材への密着性、加工性、耐候性に優れていることから、有機溶剤に溶解させ、塗料、インキ、接着剤、コーティング剤等のバインダー成分として大量に用いられている。
しかしながら、近年、環境保護、消防法による危険物規制、職場環境の改善等の観点から、有機溶剤の使用は抑制される傾向にあり、上記の用途に使用できるポリエステル樹脂系バインダーとして、ポリエステル樹脂を水性媒体に分散させたポリエステル樹脂水性分散体の開発が盛んにおこなわれている。中でも、結晶性を有したポリエステル樹脂の水性分散体は、耐熱性や耐溶剤性が高いことから、その開発が盛んである。
例えば、特許文献1には、融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が5000以上のポリエステル樹脂の水性分散体が提案されており、かかる水性分散体を用いると加工性、耐水性、耐溶剤性等の性能に優れたポリエステル樹脂被膜を形成できることが記載されている。しかしながら、上記のような特定の熱的性質を有するポリエステル樹脂を用いた水性分散体は、25℃で60日程度の保存安定性は有するものの、さらに長時間の保存安定性や40℃での保存安定性は必ずしも良好でないという問題があった。
国際公開第2007/086266号パンフレット
本発明は、かかる従来技術に鑑み、より厳しい条件下においても非常に保存安定性が良好な結晶性ポリエステル樹脂の水性分散体を提供することを目的とする。
本発明者らは、このような課題を解決するために鋭意検討の結果、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径および90%径を特定の値に制御すれば、上記の目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。ここで、d50、d90は、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径、90%径をそれぞれ意味する。
(2)(1)記載のポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されており、ジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%であるポリエステル樹脂水性分散体。
本発明によれば、常温(25℃)で180日以上、40℃で60日以上安定して保存可能な水性分散体を提供することができる。この水性分散体を各種基材に塗布して乾燥することで、密着性、耐溶剤性、接着性に優れたポリエステル樹脂被膜を形成することができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のポリエステル樹脂水性分散体に用いるポリエステル樹脂について説明する。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分およびグリコール成分を主成分として構成される。
ジカルボン酸成分としては、芳香族ジカルボン酸を共重合することが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、3−tert−ブチルイソフタル酸、ジフェン酸等が挙げられる。これらは無水物や誘導体であってもよい。全ジカルボン酸成分中における芳香族ジカルボン酸の共重合量は、30〜70モル%とすることが好ましく、35〜65モル%とすることがより好ましい。
中でも、工業的に多量に生産されており、入手しやすく、得られるポリエステル樹脂被膜の耐溶剤性を向上させることから、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸を共重合することが好ましい。全ジカルボン酸成分中におけるテレフタル酸の共重合量は、15〜50モル%とすることが好ましく、18〜45モル%とすることがより好ましい。
また、芳香族ジカルボン酸としてイソフタル酸を共重合することが好ましい。全ジカルボン酸成分中におけるイソフタル酸の共重合量は、5〜49モル%とすることが好ましい。イソフタル酸の共重合量をこの範囲とすることで、得られる樹脂被膜の耐溶剤性を保ちつつも、転相乳化工程においてポリエステル樹脂の溶解性を高めることができる。
芳香族ジカルボン酸として、得られるポリエステル樹脂被膜の耐溶剤性とポリエステル樹脂の溶解性を両立させることができることから、テレフタル酸とイソフタル酸を併用することが好ましい。テレフタル酸とイソフタル酸の合計の共重合量は、全ジカルボン酸成分において30〜70モル%が好ましく、40〜65モル%がより好ましい。また、テレフタル酸とイソフタル酸との共重合比率は、テレフタル酸/イソフタル酸=30/70〜100/0(モル比)とすることが好ましく、40/60〜70/30(モル比)とすることがより好ましい。
ただし、5−ナトリウムスルホイソフタル酸等、カルボキシル基や水酸基以外に親水基を有するジカルボン酸を用いた場合は、得られるポリエステル樹脂被膜の耐水性が低下する場合があるため、ジカルボン酸としては好ましくない。
ジカルボン酸成分を構成する他のジカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンニ酸、水添ダイマー酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、シトラコン酸、ダイマー酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、1,4-シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、2,5−ノルボルネンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸が挙げられる。
グリコール成分としては、脂肪族グリコールを共重合することが好ましい。脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,9−ノナンジオール、2−エチル−2−ブチルプロパンジオール等が挙げられる。全グリコール成分中における脂肪族グリコールの共重合量は、85〜100モル%とすることが好ましく、90〜100モル%とすることがより好ましく、100モル%とすることがさらに好ましい。
中でも、結晶性が向上し耐溶剤性が高くなることから、1,4−ブタンジオールを共重合することが好ましい。全グリコール成分中における1,4−ブタンジオールの共重合量は、70〜100モル%とすることが好ましく、80〜100モル%とすることがより好ましい。共重合量が70モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶融解熱量が2J/gよりも小さくなり、耐溶剤性が低下する場合がある。
グリコール成分を構成する他のグリコールとしては、例えば、1,4−シクロヘキサンジメタノール等の脂環族グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のエーテル結合含有グリコール、2,2−ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパン(ビスフェノールA)のアルキレンオキシド付加体、ビス[4−(ヒドロキシエトキシ)フェニル]スルホン(ビスフェノールS)のアルキレンオキシド付加体が挙げられる。
ポリエステル樹脂には、必要に応じて、脂肪族ラクトンやヒドロキシカルボン酸等を共重合してもよい。脂肪族ラクトンとしては、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。ヒドロキシカルボン酸としては、乳酸、β−ヒドロキシ酪酸、p−ヒドロキシ安息香酸、4−ヒドロキシフェニルステアリン酸のエチレンオキシド付加体等が挙げられる。ポリエステル樹脂の全構成成分中における脂肪族ラクトンやヒドロキシカルボン酸の共重合量は、40モル%以下とすることが好ましい。
ポリエステル樹脂には、少量であれば、モノカルボン酸、モノアルコール、3官能以上のカルボン酸、3官能以上のアルコール、3官能以上のヒドロキシカルボン酸を共重合してもよい。
モノカルボン酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、安息香酸、p−tert−ブチル安息香酸、シクロヘキサン酸等が挙げられる。モノアルコールとしては、ステアリルアルコール、2−フェノキシエタノール等が挙げられる。モノカルボン酸、モノアルコールを共重合する場合、共重合量は、それぞれ、全カルボン酸成分、全アルコール成分中において、1モル%未満とすることが好ましく、0.1モル%未満とすることがより好ましい。共重合量が1モル%以上では、重合時に分子鎖の延長を阻害し、重縮合が進まずに、必要な分子量が得られない場合がある。
3官能以上のカルボン酸として、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)、1,2,3,4-ブタンテトラカルボン酸等を用いることができる。3官能以上のカルボン酸は、解重合剤として用いることが好ましい。3官能以上のカルボン酸を解重合剤とすることで、ポリエステル樹脂の分子量低下を抑制しながら、所望の酸価を付与することができる。解重合剤としての使用量は、全カルボン酸成分中に対して5モル%以下とすることが好ましく、3モル%以下とすることがより好ましい。
3官能以上のアルコール成分としては、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
3官能以上のヒドロキシカルボン酸とは、水酸基とカルボキシル基を1つ以上もち、水酸基とカルボキシル基の合計が3以上のものを指し、リンゴ酸、グリセリン酸、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
3官能以上のアルコール、3官能以上のヒドロキシカルボン酸を共重合する場合、共重合量は、それぞれ、全アルコール成分、全カルボン酸成分中において、3モル%以下とすることが好ましい。
ポリエステル樹脂を製造する方法としては、前記のモノマーを組み合わせて、公知の方法で製造することができる。例えば、全モノマー成分および/またはその低重合体を不活性雰囲気下で180〜260℃、2.5〜10時間反応させてエステル化反応をおこない、引き続いて重縮合触媒の存在下、130Pa以下の減圧下、220〜280℃の温度で、所望の分子量に達するまで重縮合反応を進めて、ポリエステル樹脂を得る方法が挙げられる。
重縮合触媒としては、特に限定されず、テトラブチルチタネートや三酸化アンチモン等の公知の化合物を用いることができる。
上記の重縮合反応に引き続き、酸成分を添加し、不活性雰囲気下、解重合反応をおこなうことができる。解重合することで、ポリエステル樹脂に所望の酸価を付与することができる。
ポリエステル樹脂の融点は100℃以下であることが必要であり、40〜95℃であることが好ましく、42〜90℃であることがより好ましい。融点が100℃を超えると、ポリエステル樹脂水性分散体を塗布乾燥させても十分に造膜できず、密着性や接着性が低下するので好ましくない。
ポリエステル樹脂の結晶融解熱量は2〜12J/gであることが必要であり、3〜11J/gであることが好ましく、4〜10J/gであることがより好ましい。上記範囲内の結晶融解熱量を有するポリエステル樹脂を用いることにより、基材への密着性が向上する。結晶融解熱量が2J/g未満では、密着性や接着性が低下するので好ましくない。一方、結晶融解熱量が12J/gを超えると、有機溶剤に対する溶解性が乏しくなり、転相乳化によるポリエステル樹脂水性分散体の製造が困難となったり、また、水性分散体が得られたとしても保存安定性が低下するので好ましくない。
ポリエステル樹脂の融点や結晶融解熱量は、共重合するモノマーを適宜選択することにより、上記範囲に制御することができる。
ポリエステル樹脂の酸価は、2〜30mgKOH/gであることが必要であり、3〜25mgKOH/gであることが好ましく、接着性が向上することから、4〜20mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が2mgKOH/g未満であると、ポリエステル樹脂水性分散体を得られなくなるので好ましくない。一方、酸価が30mgKOH/gを超えると、密着性や接着性が低下するので好ましくない。
ポリエステル樹脂の数平均分子量は9,000〜25,000であることが必要であり、10,000〜25,000であることが好ましい。数平均分子量が9,000未満であると、密着性、接着性、耐溶剤性等が低下するので好ましくない。一方、数平均分子量が25,000を超えると、ポリエステル樹脂水性分散体の保存安定性が低下するので好ましくない。
次に、本発明のポリエステル樹脂水性分散体について説明する。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体とは、ポリエステル樹脂を水性媒体中に分散されてなる乳液状物である。ここで、水性媒体とは、水を含む液体からなる媒体であり、有機溶剤や塩基性化合物を含んでいてもよい。
水性媒体として用いる水は特に限定されず、蒸留水、イオン交換水、市水、工業用水等が挙げられる。中でも、不純物混入を防止する観点から、蒸留水やイオン交換水を用いることが好ましい。
本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体は、上記のポリエステル樹脂のカルボキシル基を、塩基性化合物を用いて、少なくとも一部、または、全部中和することで、水性媒体に分散させる方法により製造される。カルボキシル基を中和することで、カルボキシルアニオンが生成され、このアニオン間の電気反発力によって、分散しているポリエステル樹脂は凝集しにくくなり、安定に存在することができる。
上記のような製造方法以外にも、ポリエステル樹脂としてスルホン酸塩基を有するものを用いる方法、界面活性剤等の分散剤を用いる方法等、塩基性化合物を用いずに水性分散体を製造できる方法等が知られている。しかしながら、そのような水性分散体を用いて得られたポリエステル樹脂被膜は、耐水性が低くなるので好ましくない。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、数平均分子量9,000以上のポリエステル樹脂を用いるため、転相乳化法で製造することが好ましい。
ここでいう「転相乳化」とは、ポリエステル樹脂の有機溶剤液に、この溶液に含まれる有機溶剤量を超える量の水を添加して、有機溶剤液の系を、有機溶剤相からO/Wエマルション分散系に変化させることである。
一般に転相乳化法は、以下の3工程から構成される。
溶解工程:ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させ、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得る工程
転相乳化工程:ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を、塩基性化合物とともに水性媒体に分散させ、ポリエステル樹脂分散体を得る工程
脱溶剤工程:ポリエステル樹脂分散体から、有機溶剤および/または塩基性化合物を除去してポリエステル樹脂水性分散体を得る工程
さらに、必要に応じて、溶解工程と転相乳化工程の間に、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を昇温するための昇温工程を設けてもよい。
また、適宜、未分散物や凝集物をろ過して取り除くためのろ過工程を設けてもよい。
溶解工程では、ポリエステル樹脂を有機溶剤に溶解させ、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得る。ポリエステル樹脂が溶解しにくい場合には、加熱して溶解してもよい。
ポリエステル樹脂を溶解させる有機溶剤としては、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、2−ブトキシエタノールが挙げられる。
中でも、沸点が180℃以下のものを用いることが好ましく、150℃以下のものがより好ましい。有機溶剤の沸点が180℃を超えると、脱溶剤工程において有機溶剤を完全に除去することが困難になり、ポリエステル樹脂水性分散体中に有機溶剤が残るため、保存安定性が低下する場合がある。
さらに、有機溶剤は、20℃における水への溶解度が5g/L以上であることが好ましい。有機溶剤の水への溶解性が5g/L未満であると、ポリエステル樹脂水性分散体を得ることができない場合がある。
このような有機溶剤としては、メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、シクロヘキサノン、2−ブトキシエタノール等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。なお、メチルエチルケトンの沸点は80℃、水への溶解性は約290g/L(20℃)、テトラヒドロフランの沸点は65℃(20℃)、水への溶解性は無限大(20℃)、1,4−ジオキサンの沸点は101℃(20℃)、水への溶解性は無限大(20℃)、シクロヘキサノンの沸点は156℃、水への溶解性は約110g/L(20℃)、2−ブトキシエタノールの沸点は170℃、水への溶解性は無限大(20℃)である。
ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液の固形分濃度としては、10〜70質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましく、30〜50質量%がさらにより好ましい。固形分濃度が10質量%未満であると、ポリエステル樹脂水性分散体を塗布乾燥する際、乾燥時間が長くなるので好ましくない。固形分濃度が70質量%を超えると、後述する転相乳化工程において、水と混合した時の粘度の上昇が大きくなり、装置に過度な負担がかかる場合がある。また、たとえ水性分散体が得られたとしても、水性分散体の体積平均粒径が非常に大きくなり保存安定性が低下する場合がある。
溶解工程の際に用いる装置としては、液体を投入できる槽を備え、適度な攪拌ができるものであればよい。そのような装置としては、固/液撹拌装置や乳化機(例えばホモミキサー)として知られている装置が挙げられる。
昇温工程では、溶解工程で得られたポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を昇温する。
なお、昇温工程は、溶解工程にてポリエステル樹脂の融点以上に加熱している場合は、独立した工程として設けなくてもよい。
昇温工程では、ポリエステル樹脂溶液を、ポリエステル樹脂の融点以上に昇温させることが好ましく、(融点+5℃)以上に昇温させることがより好ましく、(融点+10℃)以上に昇温させることがさらに好ましい。昇温工程を設けることによって、ポリエステル樹脂を溶融状態にすることができ、続く転相乳化工程において、ポリエステル樹脂を、水性媒体に分散させ易くなる。昇温工程を設けない場合、または、溶解工程においてポリエステル樹脂の融点未満までしか昇温しない場合、ポリエステル樹脂の一部または全部が結晶状態のまま維持されるため、系内に不均一な部分が発生し、水性分散体の体積平均粒子径が本発明の範囲を外れる場合がある。
転相乳化工程では、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を、塩基性化合物とともに水性媒体に分散させポリエステル樹脂分散体を得る。転相乳化は、常圧、減圧、加圧下のいずれの条件でおこなってもよい。
ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を、塩基性化合物とともに水性媒体に分散させる方法としては、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液中に塩基性化合物を添加しておき、これに水性媒体を徐々に投入する方法、また、水性媒体中に塩基性化合物を添加しておき、これをポリエステル樹脂の有機溶剤溶液に徐々に投入する方法等が挙げられる。中でも、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液と塩基性化合物の混合が不均一になることを防止する観点から、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液に塩基性化合物を添加しておき、これに水性媒体を徐々に投入して転相乳化をおこなう方法が好ましい。
転相乳化工程に用いる塩基性化合物は、カルボキシル基を中和することができるものであれば特に限定されない。塩基性化合物としては、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等の金属水酸化物や、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、イミノビスプロピルアミン、3−エトキシプロピルアミン、3−ジエチルアミノプロピルアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、アミノエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン等の有機アミン等が挙げられる。
中でも、ポリエステル樹脂被膜から塩基性化合物を揮散させやすいという観点から、塩基性化合物は、沸点が150℃以下のものを用いることが好ましい。このような塩基性化合物としては、アンモニア、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、イソプロピルアミン等が挙げられる。
塩基性化合物は、用いるポリエステル樹脂の酸価に対して、0.5〜30倍当量添加することが好ましく、1〜20倍当量添加することがより好ましい。この範囲の塩基性化合物を添加することで、保存安定性が良好な水性分散体が得られる利点がある。
転相乳化工程の反応温度は、20〜40℃とすることが好ましく、20〜30℃とすることがさらに好ましい。反応温度が40℃を超えると、得られる内容物の粘度が高くなり水性分散体が得られないか、得られたとしても保存安定性が劣るものとなる。反応温度が20℃未満であると、ポリエステル樹脂の一部または全部が結晶状態のまま維持されるため、系内に不均一な部分が発生し、水性分散体の体積平均粒子径が本発明の範囲を外れる場合がある。
転相乳化工程は、既述の溶解工程終了から7時間以内に完了することが好ましく、5時間以内に完了することがより好ましく、4時間以内に完了することがさらに好ましい。なお、溶解工程と転相乳化工程の間に昇温工程を設ける場合は、昇温工程完了から7時間以内に転相乳化を完了することが好ましい。溶解工程終了から転相乳化の完了までの時間が7時間を超えると、ポリエステル樹脂の一部または全部が結晶状態のまま維持されるため、系内に不均一な部分が発生し、水性分散体の体積平均粒子径が本発明の範囲を外れる場合がある。
転相乳化工程における水性媒体の投入速度は、ポリエステル樹脂溶液と塩基性化合物との合計1000質量部に対して、25〜100質量部/分とすることが好ましい。投入速度が100質量部/分より速いと、ポリエステル樹脂の塊が形成され、この塊は水性媒体に分散できないため、系内に不均一な部分が発生し、水性分散体の体積平均粒子径が本発明の範囲を外れる場合がある。一方、投入速度が25質量部/分より遅いと、必要量の水性媒体を添加し終えるのに、多くの時間を費やしてしまうため、経済的に不利である。
転相乳化後のポリエステル樹脂分散体の固形分濃度としては、5〜60質量%が好ましい。固形分濃度をこの範囲とすることで、続く脱溶剤工程において、ポリエステル樹脂の凝集を抑制することができる。
脱溶剤工程では、ポリエステル樹脂分散体を加熱し、有機溶剤および/または塩基性化合物を除去してポリエステル樹脂水性分散体を得る。脱溶剤は、常圧、減圧下いずれでおこなってもよい。
転相乳化工程、脱溶剤工程に用いる装置としては液体を投入できる槽を備え、既述の範囲内の温度に制御が可能であり、適度な攪拌ができるものであればよい。
水性分散体のpHは6以上であることが好ましく、7以上であることがより好ましく、8以上であることがさらに好ましい。脱溶剤後の水性分散体のpHをこの範囲とすることで、分散しているポリエステル樹脂が凝集しにくくなり、脱溶剤後の水性分散体の保存安定性が良好になる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体中の、ポリエステル樹脂の含有量は、5〜50質量%が好ましく、15〜40質量%であることがより好ましい。ポリエステル樹脂の含有量が50質量%を超えると、分散していたポリエステル樹脂が凝集しやすくなり、保存安定性が低下する場合がある。ポリエステル樹脂の含有量が5質量%未満では、十分な膜厚の樹脂被膜を形成するために必要なポリエステル樹脂水性分散体の量が非常に多くなる。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体において、粒子径は水性分散体の保存安定性に大きく関係する。以下、d50、d90は、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径、90%径をそれぞれ意味する。
本発明におけるポリエステル樹脂水性分散体のd50は、0.1μm〜1μmである必要がある。50%径が0.1μm未満では、ポリエステル樹脂の粒子が沈降し長期的な保存安定性が低下するので好ましくない。一方、50%径が1μmを超えても、水性分散体の長期的な保存安定性が低下するので好ましくない。
また、ポリエステル樹脂水性分散体の(d90/d50)は、1<(d90/d50)≦1.5である必要がある。(d90/d50)が1以下になることはない。一方、(d90/d50)が1.5を超えると、粒子径が大きなポリエステル樹脂が析出し水性分散体の長期的な保存安定性が低下するので好ましくない。
一般に、水性分散体の粒子径を評価するパラメーターとして「体積平均粒子径」もしばしば用いられる。体積平均粒子径とは粒子全体の平均粒子径を表すものである。これに対して、本発明におけるd50は小粒径側から累積した体積平均粒度分布において50%となる点の粒子径を表すものであり、異なるパラメーターである。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、公知の成膜方法により各種基材にコーティングし、加熱することで、ポリエステル樹脂被膜を形成することができる。コーティング方法としては、グラビアコート法、マイヤーバーコート法、ディッピング法、はけ塗り法、スプレーコート法、カーテンフローコート法等が挙げられる。また、加熱装置としては、通常の熱風循環型のオーブンや、赤外線ヒータ等が挙げられる。加熱温度や加熱時間は、被コーティング物である基材の種類等により適宜選択される。加熱温度としては、60〜120℃が好ましく、80〜100℃がより好ましい。加熱時間としては、1秒〜30分が好ましく、5秒〜20分がより好ましく、10秒〜10分がさらに好ましい。
ポリエステル樹脂被膜の厚さは、その目的や用途によって適宜選択されるが、0.01〜40μmが好ましく、0.1〜30μmがより好ましく、0.5〜20μmがさらに好ましい。
本発明のポリエステル樹脂水性分散体は、極めて保存安定性に優れており、常温(25℃)で180日以上、40℃で60日以上安定に保存することができる。また、得られるポリエステル樹脂被膜は密着性、耐溶剤性、接着性等に非常に優れており、高温で処理することができない包装フィルムのヒートシール剤やプライマー層として非常に有用である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、各種物性測定は以下の方法によりおこなった。
(1)ポリエステル樹脂の組成分析
高分解能核磁気共鳴装置(バリアン社製Varian GEMINI2000/300 NMR)を用いて、1H−NMR分析することにより、それぞれの共重合成分のピーク強度から樹脂組成を求めた(周波数:300MHz、溶媒:重水素化トリフルオロ酢酸、温度:25℃)。また、H−NMRスペクトル上に帰属・定量可能なピークが認められない構成モノマーを含む樹脂については、封管中230℃で3時間メタノール分解をおこなった後に、ガスクロマトグラム分析に供し、定量分析をおこなった。
(2)ポリエステル樹脂の融点および結晶融解熱量
一週間20℃に調湿したポリエステル樹脂10mgをサンプルとし、DSC(示唆走査熱量測定)装置(パーキンエルマー社製、DSC7)を用いて、窒素気流中、−50℃から昇温速度20℃/分で、280℃まで昇温し、昇温時の融解温度のピークをポリエステル樹脂の融点とし、その時の融解ピーク面積をポリエステルの結晶融解熱量とした。
(3)ポリエステル樹脂の酸価
ポリエステル樹脂0.5gを水/1,4−ジオキサン=1/9(体積比)50mlに室温で溶解し、クレゾールレッドを指示薬として0.1Nの水酸化カリウムメタノール溶液で滴定し、中和に消費されたポリエステル樹脂1gあたりの水酸化カリウムのmg数(mgKOH/g)を酸価とした。
(4)ポリエステル樹脂の数平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて以下の条件でポリスチレン換算の数平均分子量を測定した。
送液ユニット:島津製作所社製LC−10ADvp
紫外−可視分光光度計:島津製作所社製SPD−6AV、検出波長:254nm
カラム:Shodex社製KF−803 1本、Shodex社製KF−804 2本を直列に接続して使用
溶媒:テトラヒドロフラン
測定温度:40℃
(5)ポリエステル樹脂水性分散体の固形分濃度
ポリエステル樹脂水性分散体を約1g秤量(Xgとする。)し、これを150℃で2時間乾燥した後の残存物の質量を秤量(Ygとする。)し、以下の式により固形分濃度を求めた。
固形分濃度(質量%)=(Y/X)×100
(6)ポリエステル樹脂水性分散体のpH
pHメーター(堀場製作所社製F−21)を用いて、pH7およびpH9の標準緩衝液(ナカライテスク社製)により校正した後、測定温度25℃でポリエステル樹脂水性分散体のpHを測定した。
(7)ポリエステル樹脂水性分散体の50%径および90%径
ポリエステル樹脂水性分散体中のポリエステル樹脂の濃度が0.1質量%になるように水で希釈し、レーザー回折式粒径測定装置(日機装社製、MICROTRAC UPA(モデル9340−UPA))を用いて、粒度分布を測定した(ポリエステル樹脂の屈折率は1.57、ポリエステル樹脂の密度は1.21g/cmと設定した)。小粒径側から累積した体積平均粒度分布において50%径および90%径を読み取った。
(8)ポリエステル樹脂水性分散体の保存安定性
水性分散体30gを50mLのガラス製サンプル瓶に密封し、(1)25℃で60日保存、(2)25℃で180日保存、(3)40℃で60日保存した。保存後、サンプル瓶から上澄み液を採取し、固形分濃度を測定し、以下の式により、沈殿したポリエステル樹脂の割合を計算し、以下の基準で評価した。
沈殿したポリエステル樹脂の割合(質量%)={保存前の固形分濃度(質量%)−保存後の固形分濃度(質量%)}/{保存前の固形分濃度(質量%)}
◎:0.1質量%未満
○:0.5質量%未満
□:1.0質量%未満
×:1.0質量%以上
(9)密着性
二軸延伸PETフィルム(ユニチカ社製、厚さ38μm)のコロナ処理面に、卓上型コーティング装置(安田精機社製、フィルムアプリケータNo.542−AB型、バーコータ装着)を用いてポリエステル樹脂水性分散体をコーティングした後、120℃に設定された熱風乾燥機中で1分間乾燥し、膜厚が2μmのポリエステル樹脂被膜を有する積層フィルムを作製した。
その後、積層フィルムのポリエステル樹脂被膜に、JIS Z1522に規定された粘着テープ(幅18mm)を、端部を残して貼りつけ、その上から消しゴムでこすって十分に接着させ、粘着テープの端部をPETフィルムに対して直角としてから、瞬間的に引き剥がした。この引き剥がした粘着テープ面を、表面赤外分光装置(パーキンエルマー社製、SYSTEM2000、Ge60°50×20×2mmプリズムを使用)を用いて分析し、粘着テープ面にポリエステル樹脂被膜が付着しているか否かを、以下の基準で評価した。
○:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められない。
×:粘着テープ面に樹脂被膜に由来するピークが認められる。
(10)耐溶剤性
(9)において作製した積層フィルムを1枚準備した。25℃の酢酸エチルに浸漬させ、10分後に静かに引き上げ、風乾させた後、樹脂被膜の外観を目視にて観察し、以下の基準で評価した。
○:外観変化がなかった。
△:表面状態は変化したが(表面が白く曇る等)、樹脂被膜は溶解しなかった。
×:樹脂被膜が溶解し、基材面が露出した。
(11)接着性
(9)において作製した積層フィルムを2枚準備し、ポリエステル樹脂被膜面同士が接触するように重ねて、ヒートプレス機(シール圧0.2MPaで10秒間)を用いて80℃でプレスし積層体を作製した。
その後、積層体を20℃、40%RHの雰囲気下で1日放置した後、25mm巾に切断し、引張試験機(インテスコ社製インテスコ精密万能試験機2020型)を用いて、20℃で引張速度50mm/分で180度剥離試験をおこない、剥離強度を測定した。
なお、剥離強度が0.5N/25mm以下の場合は、80℃でプレスして積層体を作製し剥離強度を測定した場合と同様に、120℃でプレスして積層体を作製し剥離強度を測定した。
実用的には、80℃または120℃でプレスした積層体のいずれかの剥離強度が、3.5N/25mm以上であることが好ましく、5.0N/25mm以上であることがより好ましく、7.0N/mm以上であることがさらに好ましい。
実施例および比較例で用いたポリエステル樹脂は、以下のようにして得られた。
ポリエステル樹脂A
テレフタル酸1163g、イソフタル酸1412g、セバシン酸1920g、1,4−ブタンジオール2740gからなる混合物をオートクレーブ中で、220℃で4時間加熱してエステル化反応をおこなった。(テレフタル酸:イソフタル酸:セバシン酸:1,4−ブタンジオール=28.0:34.0:38.0:122.0(モル比))次いで、触媒としてテトラブチルチタネート2.6gを添加した後(全カルボン酸成分の合計1モルあたり3×10−4モル)、系の温度を230℃に昇温し、系の圧力を徐々に減じて1.5時間後に13Paとした。この条件下でさらに重縮合反応を続け、4時間後に系を窒素ガスで常圧にし、系の温度を下げ、220℃になったところでトリメリット酸47g(全カルボン酸成分の合計1モルあたり0.006モル)を添加し、220℃で2時間攪拌して解重合反応をおこなった。その後、系を窒素ガスで加圧状態にしておきシート状に樹脂を払い出した。これを室温まで冷却し、シート状のポリエステル樹脂Aを得た。
ポリエステル樹脂B〜J
ポリエステル樹脂の仕込組成を、表1のように変更した以外は、ポリエステル樹脂Aと同様にして、ポリエステル樹脂B〜Jを得た。
ポリエステル樹脂A〜Jの特性値を表1に示す。
実施例1
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Aを400gとメチルエチルケトンを600g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に、前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を22℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン38g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15当量)を添加した。続いて40g/分の速度で22℃の蒸留水462gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は22±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は20質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から2時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を284g留去した。その後、室温まで冷却し、さらにポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例2
[溶解工程]ポリエステル樹脂とメチルエチルケトンの攪拌の際の温度を室温とした以外は、実施例1と同様に溶解工程をおこない、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったポリエチレン製容器を加熱して、50℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]実施例1と同様に転相乳化工程をおこなった。
[脱溶剤工程]実施例1と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例3
[溶解工程]ジャケット付ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Bを150gとシクロヘキサノンを350g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をシクロヘキサノンに完全に溶解させ、固形分濃度30質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を加熱して、100℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を22℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水37g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で22℃の蒸留水1000gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は22±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は10質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を542g留去した。その後、室温まで冷却し、さらにポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例4
[溶解工程]ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Bを200gとシクロヘキサノンを300g投入すること以外は、実施例3と同様に溶解工程をおこない、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を加熱して、100℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を28℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水50g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水1020gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は12質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]実施例3と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例5
[溶解工程]ガラス容器(内容量2L)にポリエステル樹脂Cを200gとシクロヘキサノンを300g投入すること以外は、実施例3と同様に溶解工程をおこない、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[昇温工程]溶解工程に続いて、ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器を、加熱して、110℃で30分間攪拌した。
[転相乳化工程]ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液が入ったガラス容器の系内温度を28℃に冷却し、攪拌しながら塩基性化合物として28質量%のアンモニア水50g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加した。続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水1020gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は12質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から4時間経過後であった。
[脱溶剤工程]実施例3と同様に脱溶剤工程をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例6
実施例1と同様に、溶解工程と転相乳化工程を実施した。その後、脱溶剤工程として、得られたポリエステル樹脂分散体800gを100mmHgの減圧下で脱溶剤をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
実施例7、比較例3、6〜9
溶解工程において、ポリエステル樹脂を表2の通りとした以外は、実施例1と同様の操作をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
比較例1
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Aを400gとメチルエチルケトンを600g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度40質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を18℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物としてトリエチルアミン38g(ポリエステル樹脂の酸価に対して15当量)を添加し、続いて40g/分の速度で18℃の蒸留水462gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は18±1℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は20質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から2時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を284g留去した。室温まで冷却後、ポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
比較例2
[溶解工程]2Lのポリエチレン製容器にポリエステル樹脂Bを300gとメチルエチルケトンを700g投入し、系内温度が70℃になるように加熱攪拌し、ポリエステル樹脂をメチルエチルケトンに完全に溶解させ、固形分濃度30質量%のポリエステル樹脂の有機溶剤溶液を得た。
[転相乳化工程]ガラス容器(内容量2L)に前記ポリエステル樹脂の有機溶剤溶液500gを仕込み、系内温度を28℃に保ちながら攪拌し、塩基性化合物として28質量%のアンモニア水37g(ポリエステル樹脂の酸価に対して10当量)を添加し、続いて30g/分の速度で25℃の蒸留水463gを添加し、その後、攪拌を30分間続けた。蒸留水を全量添加する間の系内温度は27±2℃、蒸留水添加終了後の固形分濃度は15質量%、転相乳化工程の完了は溶解工程終了から3時間経過後であった。
[脱溶剤工程]得られたポリエステル樹脂分散体800gを丸底フラスコに仕込み、メカニカルスターラーとリービッヒ冷却器を設置し、フラスコをオイルバスで加熱し、常圧で水性媒体を387g留去した。室温まで冷却後、ポリエステル樹脂分散体を攪拌しながら、28質量%アンモニア水0.9gを添加し、続いて固形分濃度が30質量%となるように蒸留水を加えて、フラスコ内の液状物を600メッシュ(綾たたみ織り)のステンレスフィルターでろ過し、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
比較例4、5
溶解工程において、ポリエステル樹脂を表2の通りとした以外は、実施例3と同様の操作をおこない、ポリエステル樹脂水性分散体を得た。
ポリエステル樹脂水性分散体の製造条件を表2に、ポリエステル樹脂水性分散体の特性値を表3に示す。
実施例1〜7のポリエステル樹脂水性分散体の保存安定性は、25℃および40℃いずれの温度で保存しても、沈殿したポリエステル樹脂の割合が1質量%未満で、いずれも良好であった。また、それらを用いて得られた樹脂被膜は、密着性、耐溶剤性、接着性に優れていた。
用いるポリエステル樹脂のジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%の実施例1〜6のポリエステル樹脂水性分散体は、耐溶剤性も特に良好であった。
比較例1は、50%径が小さく、d90/d50が大きかったため、保存安定性が低かった。
比較例2、3は、d90/d50が大きかったため、保存安定性が低かった。
比較例4は、用いたポリエステル樹脂の融点が高かったので、接着性が低かった。
比較例5は、用いたポリエステル樹脂の結晶融解熱量が大きかったので、水性分散体を製造後すぐに沈殿が生じ、保存安定性が低かった。
比較例6は、用いたポリエステル樹脂の結晶融解熱量が小さかったので、接着性が低かった。
比較例7は、用いたポリエステル樹脂の酸価が低かったので、転相乳化工程において蒸留水を添加している際に、ポリエステル樹脂が攪拌羽根に絡まり水性分散体が得られなかった。
比較例8は、用いたポリエステル樹脂の数平均分子量が低かったため、密着性が低く、さらに接着性も低かった。
比較例9は、用いたポリエステル樹脂の数平均分子量が高かったため、保存安定性が低かった。

Claims (2)

  1. 融点が100℃以下、結晶融解熱量が2〜12J/g、酸価が2〜30mgKOH/g、数平均分子量が9,000〜25,000であるポリエステル樹脂を含有するポリエステル樹脂水性分散体であって、d50が0.1μm〜1μmであり、かつ、1<(d90/d50)≦1.5であるポリエステル樹脂水性分散体。ここで、d50、d90は、小粒径側から累積した体積平均粒度分布における50%径、90%径をそれぞれ意味する。
  2. 請求項1記載のポリエステル樹脂が、ジカルボン酸成分とグリコール成分から構成されており、ジカルボン酸成分のうち、芳香族ジカルボン酸が30〜70モル%であるポリエステル樹脂水性分散体。
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