JP5768809B2 - 半導体単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体単結晶の製造方法に関し、特に、半導体単結晶における欠陥の発生を抑制する半導体単結晶の製造方法に関する。
従来から、GaAs、GaP、GaSb、InP、InAs、InSbなどのIII−V族化合物半導体単結晶、およびCdTe、CdMnTe、CdZnTe、HgCdTe、ZnSe、ZnSSeなどのII−VI族化合物半導体単結晶などの半導体単結晶の育成方法として、種々の育成方法が提案されている。
代表的な半導体単結晶の育成方法としては、チョクラルスキ法、水平ブリッジマン法、縦型ブリッジマン法(VB法)や縦型温度勾配凝固法(VGF法)といった縦型ボート法などがある。これらの半導体単結晶の育成方法では、坩堝内に種結晶と原料融液を収容し、種結晶側から原料融液を凝固させることによって半導体単結晶が育成される。
上述の半導体単結晶の製造方法において、育成中の半導体単結晶から揮発成分であるV族およびVI族が抜けるのを防ぐために、一般的に封止剤が用いられる。たとえば、特許文献1(特開平6−219900号公報)に記載されるように、封止剤として酸化ホウ素(B23)が知られている。しかし、ドープ型の半導体単結晶、たとえばドーパントとしてケイ素(Si)を含む半導体単結晶を育成する場合、封止剤としてB23を用いると、B23がSiを取り込んでしまい、半導体単結晶中のSi濃度が不均一になるという欠点があった。また、封止剤としてB23を用いると、B23がSiに還元されることによって砒化ホウ素(B13As2)などのスカムが発生する傾向にある。この場合、発生したスカムが育成中の半導体単結晶に付着してしまい、結果として、製造された結晶において、双晶の発生、結晶の多結晶化といった欠陥が生じるという欠点があった。
これに対応して、たとえば、特許文献2(特開平3−57079号公報)および特許文献3(特開平8−151290号公報)には、封止剤として二酸化ケイ素(SiO2)を含むB23(以下、「SiO2−B23」という。)を用いる技術が提案されている。封止剤としてSiO2−B23を用いることによって、Siの取り込み、およびスカムの発生を抑制することができる。
また、SiO2−B23は、封止剤としての機能以外に、坩堝の内表面を被覆することによって、坩堝と原料融液とのぬれを効果的に防ぐという特徴があることが知られている。坩堝と原料融液とのぬれを防ぐことにより、半導体単結晶での双晶の発生、多結晶化といった欠陥の発生を効果的に防ぐことができる。たとえば、特許文献4(特開平8−133882号公報)には、いわゆるゾルゲル法を用いて、パイロリティックボロンナイトライド(PBN)製の坩堝の内壁にSiO2−B23膜を形成する方法が開示されている。
特開平6−219900号公報 特開平3−57079号公報 特開平8−151290号公報 特開平8−133882号公報
しかしながら、SiO2−B23の融液は粘度が高いため、該融液を直接的に用いて坩堝内に薄くかつ均一にSiO2−B23膜を形成することは困難である。また、ゾルゲル法を用いてSiO2−B23膜を形成する場合、コーティング原料と坩堝のぬれ性が低いためにSiO2−B23膜を均一に形成することが難しい。さらには、ゾルゲル法の場合、SiO2−B23膜形成時の膜の収縮率が高いため、形成されたSiO2−B23膜が剥がれ易いという問題がある。このように、SiO2−B23膜を坩堝内に均一に形成することは達成できておらず、結果として半導体単結晶に欠陥が生じてしまうという問題は未だ解決されていない。
本発明の目的は、上述の問題点を踏まえ、半導体単結晶における欠陥の発生を抑制する半導体単結晶の製造方法を提供する。
本発明は、底部および該底部と連続する胴部を有する成長容器の内壁に酸化ホウ素膜を形成する工程と、酸化ホウ素膜に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を接触させて、成長容器の内壁に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜を形成する工程と、成長容器内であって底部に配置された種結晶上に、原料融液を配置する工程と、原料融液を種結晶側から凝固させて半導体単結晶を成長させる工程と、を備える半導体単結晶の製造方法である。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜を形成する工程は、成長容器内に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を配置する工程と、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を成長容器の内壁に形成されている酸化ホウ素膜に接触させた状態を、所定温度で所定時間維持する工程と、を備えることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液は、成長容器を加熱して、成長容器内に配置された酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体を融解させることによって成長容器内に配置されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体に含まれる酸化ケイ素が、二酸化ケイ素であることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体における二酸化ケイ素の濃度が1mol%以上12mol%以下であることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、成長容器が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、パイロリティックグラファイト、グラファイト、ガラス化カーボン、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、または石英からなることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、種結晶は、酸化ホウ素膜が形成される前の成長容器内に配置されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、種結晶は、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜が形成される前であって、酸化ホウ素膜が形成された成長容器内に配置されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ホウ素膜を形成する工程は、成長容器の内壁に、窒化ホウ素を含む膜を形成し、酸素ガス雰囲気下または酸素ガスを含む混合ガス雰囲気下で窒化ホウ素を含む膜を熱処理することによって、成長容器の内壁に酸化ホウ素膜を形成することが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、窒化ホウ素を含む膜は、スパッタリングまたは蒸着によって成長容器の内壁に形成されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、窒化ホウ素を含む膜は、窒化ホウ素の粉末と溶媒とを混合した混合液を成長容器の内壁に噴霧または塗布することによって形成されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ホウ素膜を形成する工程は、成長容器の内壁に、酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜を形成し、該酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜を熱処理することによって、成長容器の内壁に酸化ホウ素膜を形成することが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜は、スパッタリングまたは蒸着によって成長容器の内壁に形成されることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜は、酸化ホウ素またはホウ酸の粉末と溶媒とを混合した混合液を成長容器の内壁に噴霧または塗布することによって形成することが好ましい。
上記半導体結晶製造方法において、成長容器が窒化ホウ素または熱分解窒化ホウ素からなり、酸化ホウ素膜を形成する工程は、成長容器の内壁を酸化処理することによって、成長容器の内壁に酸化ホウ素膜を形成することが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、原料融液は、固体の原料が融解することによって種結晶上に配置され、固体の原料は、半導体単結晶を構成する化合物半導体および半導体単結晶にドープされるドーパントを含むことが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、所定温度は600℃以上かつ、半導体結晶を構成する半導体の融点未満であることが好ましい。
上記半導体結晶の製造方法において、所定時間は1時間以上であることが好ましい。
本発明によれば、半導体単結晶における欠陥の発生を抑制する、半導体単結晶の製造方法を提供することができる。
第1の実施形態で用いられる製造装置の概略的な断面図である。 第1の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 第2の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 第3の実施形態で用いられる製造装置の概略的な断面図である。 第3の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 実施例1に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 成長容器に対して与えられる温度勾配を概略的に示す図である。 実施例10に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 実施例13に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。 比較例1における半導体単結晶の製造方法を説明するための図である。 比較例2および比較例3における半導体結晶の製造方法を説明するための図である。
本発明の実施形態について、図を参照して詳細に説明する。なお、以下に示す実施形態においては、同一または対応する部分について同一の符号を付し、その説明は繰り返さない。
<第1の実施形態>
≪製造装置の構成≫
図1は、第1の実施形態で用いられる製造装置の概略的な断面図である。まず、図1を用いて本実施形態において用いられる製造装置の構成について説明する。
図1において、半導体単結晶の製造装置100は、成長容器としての縦型の坩堝10と、アンプル11と、坩堝台14と、支軸15と、ヒータ16と、断熱材17と、気密容器18とを備える。
坩堝10は、種結晶20を収容する底部と、底部に連続しかつ先端部よりも大きな径を有する胴部とからなる。底部は坩堝10の閉じられた一端を、胴部は、坩堝10の側面と、坩堝10の開口端を構成している。坩堝10の材質としては、窒化ホウ素(BN)、熱分解窒化ホウ素(PBN)、パイロリティックグラファイト、グラファイト、ガラス化カーボン、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、および石英などがある。
坩堝10において、種結晶20が配置される底部近傍の胴部には、固体の酸化ホウ素21が収容され、酸化ホウ素21の上方には、原料の固体としての化合物原料22およびドーパント24が配置される。また、酸化ケイ素を含む酸化ホウ素23(以下、「酸化ケイ素−酸化ホウ素」という。)が化合物原料22上に配置される。
酸化ホウ素21、化合物原料22、酸化ケイ素−酸化ホウ素23およびドーパント24の配置は図1のような配置に限られず、少なくとも、坩堝10内において、酸化ホウ素21と酸化ケイ素−酸化ホウ素23とを別々の温度条件下にできるような配置であれば良い。また、図1のように酸化ケイ素−酸化ホウ素23とドーパント24との間に化合物原料22を配置した場合、化合物原料22の融点が酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点よりも高いために、各物質の間に配置された化合物原料22は、ドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液とが接触するのを防ぐことができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液の不要な反応を防ぐことができる。
化合物原料22としては、GaAs、InAs、InP、GaP、GaSbおよびInSbなどのIII−V族化合物原料、CdTeおよびZnSeなどのII−VI族化合物原料があり、たとえば、これらの原料からなる多結晶を用いることができる。ドーパント24としては、Si、Teなどがある。
酸化ケイ素−酸化ホウ素23は、酸化ホウ素に酸化ケイ素がドープされた組成を有する。酸化ケイ素−酸化ホウ素23の作製方法としては、たとえば、ホウ酸(H3BO3)の粉末と二酸化ケイ素(SiO2)の粉末を共存させた後に加熱することによって、SiO2がドープされた酸化ホウ素を作製する方法がある。また、他の作製方法としては、B23の粉末または固まりとSiO2の粉末または固まりを共存させた後に加熱することによって、SiO2がドープされた酸化ホウ素を作製する方法がある。
上述の各物質を収容する坩堝10は、アンプル11の収容体12に、胴部が構成する開口端を上向きにして収容される。アンプル11は、坩堝10を収容する収容体12の開口する端部上に蓋体13を配置することによって、坩堝10を密封することができる。
坩堝10を収容するアンプル11は、坩堝台14上に載置されており、坩堝台14は、支軸15によって支持される。支軸15は、不図示の駆動手段によって図中上下方向に昇降自在である。また、支軸15は図中上下方向を中心軸として、回転自在であってもよい。
また、アンプル11の周囲はヒータ16によって取り囲まれる。ヒータ16は、不図示の制御手段に制御されることによって、アンプル11に対して図中上下方向に温度勾配を与えることができる。上述のように、アンプル11は図中上下方向に昇降自在な支軸15に支持されているため、支軸15の昇降動作に伴ってアンプル11に与えられる温度勾配、換言すれば、坩堝10内に与えられる温度勾配が変化することになる。
さらに、ヒータ16の周囲は断熱材17によって取り囲まれており、アンプル11、ヒータ16および断熱材17は、気密容器18内に収容される。気密容器18はその内部を気密に保つことができ、また、気密容器18は、その内部の気圧を調製するための気圧調製部を備えていても良い。
≪半導体単結晶の製造方法≫
次に、図1および図2を用いて、本実施形態における半導体単結晶の製造方法について説明する。図2は、第1の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。
1.酸化ホウ素膜形成工程
まず、酸化ホウ素膜形成工程として、底部および該底部と連続する胴部を有する坩堝10の内壁に酸化ホウ素膜31を形成する。
本工程において、図2(a)に示されるように、酸化ホウ素膜が形成される前の坩堝10内の底部に種結晶20が収容され、底部と連続する胴部のうち、種結晶20の上方近傍には、固体の酸化ホウ素21が収容され、酸化ホウ素21の上方近傍には、円柱形状の固体の化合物原料22が収容されている。また、円柱形状の化合物原料22上の中央付近に固体のドーパント24が配置されており、ドーパント24の周囲を囲むように不定形の固体の化合物原料22が配置されている。さらに、不定形の固体の化合物原料22を介してドーパント24と分離された状態で、円柱形状の化合物原料22上に、固体の酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されている。
酸化ホウ素21、化合物原料22、酸化ケイ素−酸化ホウ素23およびドーパント24の配置は図1のような配置に限られず、少なくとも、坩堝10内において、酸化ホウ素21と酸化ケイ素−酸化ホウ素23とを別々の温度条件下にできるような配置であれば良い。また、化合物原料22の形状も、当然に上記の形状に限られない。
各物質が配置された坩堝10に対し、ヒータ16が、図2(a)の領域Aが酸化ホウ素21の融点以上化合物原料22の融点未満の温度となるように坩堝10を加熱する。このような温度で領域Aを加熱することにより酸化ホウ素21が融解し、図2(b)に示すように、種結晶20上に酸化ホウ素融液30が配置される。そして、引き続き領域Aを酸化ホウ素21の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に維持することによって、酸化ホウ素膜31が領域Aの坩堝10の内壁に形成される。なお、領域Aは、後述する半導体単結晶を成長させるための領域であり、製造する半導体単結晶の大きさにより適宜変更される。
本工程において、領域Aを高温に加熱することにより、酸化ホウ素膜31の素早い形成が可能となる。したがって、領域Aをできるだけ高温にすることが好ましいが、領域Aを化合物原料22の融点以上の温度にすると、酸化ホウ素21だけでなく化合物原料22が融解してしまい、酸化ホウ素膜31の効率的な形成が困難となる。したがって、本工程において、ヒータ16は化合物原料22の融点未満であってより高い温度で領域Aを加熱することが好ましく、少なくとも600℃以上に加熱することが好ましい。
また、本工程において、領域Aを1時間以上酸化ホウ素21の融点以上化合物原料22の融点未満の温度で維持することが好ましい。また、本工程において、支軸15を回転させることにより、坩堝10を回転させてもよい。これにより、酸化ホウ素融液30が領域Aの上端にまで確実に均一に到達することができ、もって、均一な酸化ホウ素膜31を形成することができる。
また、酸化ホウ素21の不純物濃度が低く、その純度が高いことにより、酸化ホウ素膜31の坩堝10に対する被覆性が高くなる。したがって、酸化ホウ素21は不純物が無添加であることが好ましく、その純度が99atm%以上であることが好ましい。また、酸化ホウ素21の含有水分濃度が60ppm以上である場合に、さらに、酸化ホウ素膜31の坩堝10に対する被覆性を高めることができる。また、酸化ホウ素21の含有水分濃度が80ppm以上であることがより好ましく、100ppm以上であることがさらに好ましい。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
次に、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程として、酸化ホウ素膜31に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を接触させて、坩堝10の内壁に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32を形成する。
本工程において、ヒータ16が、図2(b)の領域Aおよび酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されている領域を含む坩堝10全体が酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度となるように坩堝10を加熱する。なお、坩堝10全体とは、領域Aおよび酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されている領域を含めば足りる。たとえば、坩堝10が長く、酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されている領域よりも上に坩堝10の胴部が延在している場合、該延在する部分は加熱される坩堝10全体の領域に含まれなくてもよい。
酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度で坩堝10全体を加熱することによって酸化ケイ素−酸化ホウ素23が融解し、該融液は、坩堝10の内壁を伝いながら坩堝10の底部に向けて移動する。酸化ホウ素膜31上を伝う酸化ケイ素−酸化ホウ素融液は、酸化ホウ素膜31上に付着していき、これにより、酸化ホウ素膜31上に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜が形成される。そして、酸化ホウ素膜31上に付着しなかった残りの酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が坩堝10の底部に到達することにより、図2(c)に示すように、坩堝10内に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が配置される。なお、この酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33は、酸化ホウ素融液30と酸化ケイ素−酸化ホウ素23が融解することによって生成された酸化ケイ素−酸化ホウ素融液とが混在したものである。
このとき、図2(b)に示すように、酸化ケイ素−酸化ホウ素23は領域Aの上端と同等あるいはそれより高い位置に配置されることが好ましい。酸化ケイ素−酸化ホウ素23がこのような位置に配置される場合、酸化ケイ素−酸化ホウ素23から形成される酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が領域Aの酸化ホウ素膜31上を均一に上から下に伝っていくことができる。
そして、引き続き坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間維持することによって、酸化ホウ素膜31上に形成された酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜31中に十分に拡散され、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
坩堝10の内壁に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成されたかどうかは、坩堝10の内壁に形成された物質をサンプルとして採取して、このサンプルを、たとえば化学分析に供することによって確認することができる。また、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32の均一性については、坩堝10の内壁の複数箇所から同サンプルを採取して同分析に供することによって確認することができる。
本工程において、坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間、たとえば1時間以上、より好ましくは3時間以上維持することによって酸化ケイ素を酸化ホウ素膜31中に効率的に均一に拡散させることができる。酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液は粘度が高く、その膜を坩堝10中に均一に形成することは困難であるが、本工程によれば、酸化ケイ素が酸化ホウ素膜31中に拡散するため、結果的に、均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成されることになる。
本工程において、領域Aを高温に加熱することにより、酸化ホウ素膜31中への酸化ケイ素の素早い拡散が可能となる。したがって、領域Aをできるだけ高温にすることが好ましいが、領域Aを化合物原料22の融点以上の温度にすると、酸化ケイ素−酸化ホウ素23だけでなく化合物原料22が融解してしまい、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32の効率的な形成が困難となる。したがって、本工程において、ヒータ16は化合物原料22の融点未満であってより高い温度で領域Aを加熱することが好ましく、少なくとも600℃以上に加熱することが好ましい。
また、本工程において、酸化ケイ素−酸化ホウ素23に含まれる酸化ケイ素が、SiO2であることが好ましい。この場合、SiO2−B23膜をより効率的に坩堝10の内壁に形成することができる。また、酸化ケイ素−酸化ホウ素23に含まれるSiO2の濃度は、SiO2を十分に拡散させる観点から、1mol%以上であることが好ましく、酸化ケイ素−酸化ホウ素融液の粘度を調節して酸化ホウ素膜31上を十分に伝わり易くする観点から、12mol%以下であることが好ましい。
また、本工程において、図2に示すように、化合物原料22を介してドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23とが分離されて配置されている場合、ドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液とが接触するのを防ぐことができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液の不要な反応を防ぐことができる。
また、本工程において、支軸15を回転させることにより、坩堝10を回転させてもよい。坩堝10が回転することにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23から形成される酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が、坩堝10の内壁の酸化ホウ素膜31上を均一に広がりながら上から下に伝っていくことができる。さらに、酸化ホウ素膜31と酸化ケイ素−酸化ホウ素融液とを効率的に接触させることができるため、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜を均一に形成することができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜中に拡散されやすくなり、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
3.原料融液形成工程
次に、原料融液形成工程として、坩堝10の底部に配置された種結晶20上に原料融液を配置する。
本工程において、ヒータ16が、図2(c)の領域Aならびに化合物原料22およびドーパント24が配置されている領域を含む坩堝10全体が化合物原料22の融点以上の温度となるように坩堝10を加熱する。このような温度で坩堝10を加熱することによって化合物原料22が融解し、図2(d)に示すように、種結晶20上にドーパント24を含んだ原料融液34が配置される。
また、本工程において、原料融液34の体積(生成量)が増加するにつれて、原料融液34の液面が坩堝10の下方から上方に向けて上昇していき、この液面の上昇に伴って、酸化ケイ素−酸化ホウ融液33は、図2(c)の位置から図2(d)の位置に押し上げられていく。酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が坩堝の下方から上方に向けて押し上げられていくことにより、坩堝10の内表面は、酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33によってさらに確実に被覆される。なお、この原料融液34は、化合物原料22が融解することによって生成された化合物原料融液中にドーパント24が溶解したものであり、酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33は、原料融液34の封止剤となる。
4.半導体単結晶成長工程
次に、半導体単結晶成長工程として、原料融液34を種結晶20側から凝固させることにより、半導体単結晶を成長させる。
本工程において、公知の半導体単結晶の成長方法に従い、ヒータ16によって坩堝10の上下方向に与えられた温度勾配に対し、坩堝10が図1中の下方向に移動する。これにより、原料融液34が種結晶20側から凝固して、ドーパントを含む化合物半導体単結晶が成長する。
本実施形態によれば、酸化ホウ素膜形成工程および酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程を経ることによって、坩堝10の内壁の少なくとも半導体単結晶が成長するための領域Aに、均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。これにより、半導体単結晶成長工程において、坩堝10の内壁と化合物原料34のぬれを抑制することができ、かつ、従来のように、原料融液中に溶解しているドーパントと坩堝内壁の酸化ホウ素膜とが反応することがないため、成長させる半導体単結晶に双晶の発生、結晶の多結晶化といった欠陥が生じるのを抑制することができる。したがって、半導体単結晶の製造の歩留まりを向上させることができる。また、封止剤として酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が用いられるため、砒化ホウ素などのスカムの発生を抑制することができる。
<第2の実施形態>
≪製造装置の構成≫
本実施の形態に用いる製造装置の構成は、図1の製造装置と同じ構成であるため、その説明は繰り返さない。
≪半導体単結晶の製造方法≫
図1および図3を用いて、本実施形態における半導体単結晶の製造方法について説明する。図3は、第2の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。
1.酸化ホウ素膜形成工程
まず、酸化ホウ素膜形成工程として、底部および該底部と連続する胴部を有する坩堝10の内壁に酸化ホウ素膜31を形成する。
本工程において、図3(a)に示されるように、種結晶20などの各物質が配置される前の空の坩堝10の内壁に酸化ホウ素膜31を形成する。酸化ホウ素膜31の形成方法として、第1の実施形態と同様に、固体の酸化ホウ素を坩堝10内で融解させて加熱する方法を用いても良い。また、坩堝10がBN製またはPBN製の場合、坩堝10を酸素雰囲気下で加熱して酸化処理することによって、酸化ホウ素膜31を形成してもよい。
また、坩堝10の内壁にスパッタリングまたは蒸着によって窒化ホウ素を含む膜を形成し、酸素ガス雰囲気下または酸素ガスを含む混合ガス雰囲気下で窒化ホウ素を含む膜を熱処理することによって酸化ホウ素膜31を形成してもよい。また、窒化ホウ素の粉末を水、アルコール、アセトンなどの溶媒と混合し、該混合液を坩堝10の内壁に噴霧または塗布した後、酸素ガス雰囲気下または酸素ガスを含む混合ガス雰囲気下で窒化ホウ素を含む膜を熱処理することによって酸化ホウ素膜31を形成してもよい。
また、スパッタリング、蒸着によって坩堝10の内壁に酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜を形成した後に熱処理することによって酸化ホウ素膜31を形成してもよく、酸化ホウ素またはホウ酸の粉末を水、アルコール、アセトンなどの溶媒と混合し、該混合液を坩堝10の内壁に噴霧または塗布した後に熱処理することによって酸化ホウ素膜31を形成してもよい。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
次に、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程として、酸化ホウ素膜31に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33を接触させて、坩堝10の内壁に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32を形成する。
本工程において、まず、種結晶20、化合物原料22、酸化ケイ素−酸化ホウ素23、ドーパント24を、酸化ホウ素膜31が形成された坩堝10内に収容する。各物質の配置は特に制限されないが、図3(b)に示すように、酸化ケイ素−酸化ホウ素23は領域Aの上端と同等あるいはそれより高い位置に配置されることが好ましい。酸化ケイ素−酸化ホウ素23がこのような位置に配置される場合、酸化ケイ素−酸化ホウ素23から生成される酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が領域Aの酸化ホウ素膜31上を均一に上から下に伝っていくことができる。また、図3(b)に示すように、ドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23とが分離されて配置されていることが好ましい。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液の不要な反応を防ぐことができる。
そして、ヒータ16が、図3(b)の領域Aおよび酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されている領域を含む坩堝10全体が酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度となるように坩堝10を加熱する。このような温度で坩堝10を加熱することによって酸化ケイ素−酸化ホウ素23が融解し、該融液は、坩堝10の内壁を伝いながら坩堝10の底部に向けて移動する。酸化ホウ素膜31上を伝う酸化ケイ素−酸化ホウ素融液は、酸化ホウ素膜31上に付着していき、これにより、酸化ホウ素膜31上に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜が形成される。そして、酸化ホウ素膜31上に付着しなかった残りの酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が坩堝10の底部に到達することにより、図3(c)に示すように、坩堝10内に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が配置される。
そして、引き続き坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間維持することによって、酸化ホウ素膜31上に形成された酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜31中に十分に拡散され、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
本工程において、坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間、たとえば1時間以上、より好ましくは3時間以上維持することによって酸化ケイ素を酸化ホウ素膜31中に効率的に均一に拡散させることができる。また、領域Aを高温に、少なくとも600℃以上に加熱することにより、酸化ホウ素膜31中への酸化ケイ素の素早い拡散が可能となる。
また、本工程において、図3(b)に示すように、化合物原料22を介してドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23とが分離されて配置されている場合、ドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液とが接触するのを防ぐことができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液の不要な反応を防ぐことができる。
また、本工程において、支軸15を回転させることにより、坩堝10を回転させてもよい。坩堝10が回転することにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23から生成される酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が、坩堝10の内壁の酸化ホウ素膜31上を均一に広がりながら上から下に伝っていくことができる。さらに、酸化ホウ素膜31に効率的に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液を接触させることができるため、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜を均一に形成することができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜中に拡散されやすくなり、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
3.原料融液形成工程
本工程は、第1の実施形態の原料融液形成工程と同様であるので、その説明は繰り返さない(図3d参照)。
4.半導体単結晶成長工程
本工程は、第1の実施形態の半導体単結晶成長工程と同様であるので、その説明は繰り返さない。
本実施形態によれば、酸化ホウ素膜形成工程および酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程を経ることによって、坩堝10の内壁の少なくとも半導体単結晶が成長するための領域Aに、均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。これにより、半導体単結晶成長工程において、坩堝10の内壁と化合物原料34のぬれを抑制することができ、かつ、従来のように、原料融液中に溶解しているドーパントと坩堝内壁の酸化ホウ素膜とが反応することがないため、成長させる半導体単結晶に双晶の発生、結晶の多結晶化といった欠陥が生じるのを抑制することができる。したがって、半導体単結晶の製造の歩留まりを向上させることができる。また、封止剤として酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が用いられるため、砒化ホウ素などのスカムの発生を防ぐことができる。
<第3の実施形態>
≪製造装置の構成≫
図4は、第3の実施形態で用いられる製造装置の概略的な断面図である。まず、図4を用いて本実施形態において用いられる製造装置の構成について説明する。なお、図1の製造装置と異なる構成についてのみ説明する。
図4において、製造装置200は、化合物原料22およびドーパント24を収容するリザーバ40と、該リザーバ40を保持する支持体41とを備える。リザーバ40は、上部と下部の一部とが開口しており、その内部に化合物原料22およびドーパント24を収容する。なお、化合物原料22およびドーパント24の配置は、図4に示すものに限られない。
支持体41は、リザーバ40を内包する収容部41aと、収容部41aと連結して収容部41aを坩堝10の上方から坩堝10内に向けて釣支する支持部41bとを備える。支持体41は、不図示の駆動手段によって図中上下方向に昇降自在である。また、支持体41の収容部41aの端部側面と坩堝10の内壁の間には、固体の酸化ケイ素−酸化ホウ素23が配置されており、製造装置200が図4に示す状態の場合には、半導体単結晶を製造する前の坩堝10の内壁には酸化ホウ素膜31が予め形成されている。
≪半導体結晶の製造方法≫
次に、図4および図5を用いて、本実施形態における半導体単結晶の製造方法について説明する。図5は、第3の実施形態に係る製造方法の各工程における成長容器内の状態を示す図である。
1.酸化ホウ素膜形成工程
本工程は、第2の実施形態の酸化ホウ素膜形成工程と同様であるので、その説明は繰り返さない。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程として、図5(a)に示す酸化ホウ素膜31に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33を接触させて、坩堝10の内壁に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32を形成する。
本工程において、図5(b)に示す状態となるように、まず、坩堝10内において、種結晶20を坩堝10の底部に収容し、その上方近傍に化合物原料22を配置する。次に、化合物原料22およびドーパント24を収容するリザーバ40を支持体41に内包させ、該支持体41を坩堝10の上方から坩堝10の内側に向けて釣支することによって、支持体41の収容部41aの開放された端部を坩堝10内に挿入する。次に、収容部41aの端部側面と酸化ホウ素膜31が形成された坩堝10の内壁との隙間に、酸化ケイ素−酸化ホウ素23を配置する。これにより、各材料および各部が図5(b)に示す状態となるように配置される。
そして、ヒータ16が、少なくとも半導体単結晶を成長させるための領域である領域Aが酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度となるように坩堝10を加熱する。これにより、領域A内に配置された酸化ケイ素−酸化ホウ素23が融解し、該融液は、坩堝10の内壁を伝いながら坩堝10の底部に向けて移動する。酸化ホウ素膜31上を伝う酸化ケイ素−酸化ホウ素融液は、酸化ホウ素膜31上に付着していき、これにより、酸化ホウ素膜31上に酸化ケイ素−酸化ホウ素膜が形成される。そして、酸化ホウ素膜31上に付着しなかった残りの酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が坩堝10の底部に到達することにより、図5(c)に示すように、坩堝10内に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が配置される。
このとき、収容部41aの端部側面と酸化ホウ素膜31が形成された坩堝10の内壁との隙間を狭くすることによって、表面張力を利用して酸化ケイ素−酸化ホウ融液を均一に酸化ホウ素膜31上に付着させることができ、もって、より均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32を形成することができる。
そして、引き続き坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間維持することによって、酸化ホウ素膜31上に形成された酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜31中に十分に拡散され、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
本工程において、坩堝10全体を酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融点以上化合物原料22の融点未満の温度に所定時間、たとえば1時間以上、より好ましくは3時間以上維持することによって酸化ケイ素を酸化ホウ素膜31中に効率的に均一に拡散させることができる。また、領域Aを高温に、少なくとも600℃以上に加熱することにより、酸化ホウ素膜31中への酸化ケイ素の素早い拡散が可能となる。
また、本工程において、図5(b)に示すように、ドーパント24を、化合物原料22とともに、支持体41に内包されたリザーバ40に収容する場合、ドーパント24と酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液とが接触するのを防ぐことができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23の融液の不要な反応を防ぐことができる。
また、本工程において、支軸15を回転させることにより、坩堝10を回転させてもよい。坩堝10が回転することにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素23から形成される酸化ケイ素−酸化ホウ素融液が、坩堝10の内壁の酸化ホウ素膜31上を均一に広がりながら上から下に伝っていくことができる。さらに、酸化ホウ素膜31に効率的に酸化ケイ素−酸化ホウ素融液を接触させることができるため、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜を均一に形成することができる。これにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜中の酸化ケイ素が酸化ホウ素膜中に拡散されやすくなり、結果として、領域Aの坩堝10の内壁に均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。
3.原料融液形成工程
次に、原料融液形成工程として、坩堝10の底部に配置された種結晶20上に原料融液を形成する。
本工程において、ヒータ16が、図5(c)の領域Aおよびリザーバ40内に収容された化合物原料22およびドーパント24が存在する領域を含む坩堝10全体が化合物原料22の融点以上の温度となるように坩堝10を加熱する。また、リザーバ40内に収容される化合物原料22およびドーパント24が坩堝10の上方にある場合には、ヒータ16は坩堝10全体だけでなく、リザーバ40全体をも同温度となるように加熱すればよい。ヒータ16は、少なくとも領域Aおよびリザーバ40内に収容される化合物原料22が存在する位置の下端を加熱すれば足りる。
このような温度で坩堝10を加熱することによって坩堝10内の化合物原料22およびリザーバ40内の化合物原料22が融解し、さらに、リザーバ40内の化合物原料22の融液およびドーパント24が、リザーバ40の下部の開口部から下方の種結晶20上に滴下される。このとき、支持体41が図5(c)の位置に配置されていることにより、坩堝10内を密閉することができるため、化合物原料22の融液が揮発するのを防ぐことができる。そして、図5(d)に示されるように、リザーバ40内の化合物原料22の融液およびドーパント24のすべてが坩堝10内に滴下された後、支持体41を図中上方に引上げる。図5(d)において、原料融液34は、化合物原料22が融解することによって生成された化合物原料融液中にドーパント24が溶解したものである。なお、リザーバ40を引上げるタイミングはこれに限られず、たとえば、原料融液34の液面の上昇に伴ってリザーバ40を徐々に引上げてもよい。
また、本工程において、原料融液34の体積(生成量)が増加するにつれて、原料融液34の液面が坩堝10の下方から上方に向けて上昇していき、この液面の上昇に伴って、酸化ケイ素−酸化ホウ融液33は、図5(c)の位置から図5(d)の位置に押し上げられていく。酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が坩堝の下方から上方に向けて押し上げられていくことにより、坩堝10の内表面は、酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33によってさらに確実に被覆される。なお、酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33は、原料融液34の封止剤となる。
4.半導体単結晶成長工程
本工程は、第1の実施形態の半導体単結晶成長工程と同様であるので、その説明は繰り返さない。
本実施形態によれば、酸化ホウ素膜形成工程および酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程を経ることによって、坩堝10の内壁の少なくとも半導体単結晶が成長するための領域Aに、均一な酸化ケイ素−酸化ホウ素膜32が形成される。これにより、半導体単結晶成長工程において、坩堝10の内壁と化合物原料34のぬれを抑制することができ、かつ、従来のように、原料融液中に溶解しているドーパントと坩堝内壁の酸化ホウ素膜とが反応することがないため、成長させる半導体単結晶に双晶の発生、結晶の多結晶化といった欠陥が生じるのを抑制することができる。したがって、半導体単結晶の製造の歩留まりを向上させることができる。また、封止剤として酸化ケイ素−酸化ホウ素融液33が用いられるため、砒化ホウ素などのスカムの発生を防ぐことができる。
<実施例1>
図1の製造装置100を用いて、以下の製造方法により、ドーパントとしてSiを含有するGaAs単結晶(以下、「Si−GaAs単結晶」という。)を製造した。坩堝10として内径が105mm(4インチ)のPBN製の坩堝を用い、アンプル11として石英製アンプルを用いた。なお、理解を容易とするために、本実施例について図6を参照しながら説明する。
≪製造方法≫
1.酸化ホウ素膜形成工程
まず、坩堝10内に、図6(a)に示す配置となるように、種結晶としてのGaAs単結晶60、100gのB2361、総重量5000gのGaAs多結晶62、100gのSiO2−B2363および1400mgのSi64を収容させた。また、Si64とともに、内圧調整用の2000mgのAsを配置した。なお、B2361の含有水分濃度は60ppmであり、不純物無添加であってその純度は99atm%以上であった。
GaAs多結晶62は、B2361の近傍に配置される円柱形状のGaAs多結晶と、円柱形状のGaAs多結晶上に載置されるリング状のGaAs多結晶とを用いた。また、SiO2−B2363としては、SiO2が12mol%ドープされたB23を用いた。
上記各物質を、図6(a)に示される配置となるように坩堝10内に収容した後、当該坩堝10をアンプル11の収容体12である石英アンプルに収容し、さらに石英アンプル内を真空にして蓋体13である石英キャップを嵌めることにより、坩堝10をアンプル11内に真空封入した。
そして、図6(a)の領域Aが600℃になるようにヒータ16によってアンプル11を加熱してB2361を融解させてB23融液70を坩堝10内に配置させた。そして、1時間領域Aを600℃の温度に維持し、図6(b)に示すように、坩堝10内の領域Aの部分にB23膜71を形成した。なお本工程において、領域Aを600℃に加熱する一方で、SiO2−B2363が配置される領域の温度が過剰に上昇しないように、SiO2−B2363が配置される領域の温度を300℃に維持した。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
次に、坩堝10全体が600℃になるようにヒータ16によってアンプル11を加熱してSiO2−B2363を融解させて、図6(c)に示すようにSiO2−B23融液73を坩堝10内に配置させた。このSiO2−B23融液73はB23融液70とSiO2−B2363の融液が混在したものである。そして、3時間坩堝10全体を600℃の温度に維持し、坩堝10内にSiO2−B23膜72を形成した。
3.原料融液形成工程
次に、ヒータ16によって、GaAs単結晶60が配置された部分を除く坩堝10全体の温度が1240℃となるようにアンプル11を加熱し、GaAs多結晶62を融解させて、図6(d)に示すように坩堝10内にSiが混在するGaAs融液74(以下、「Si−GaAs融液」という。)を坩堝10内に配置させた。
4.半導体単結晶成長工程
次に、Si−GaAs融液74のGaAs単結晶60へのシーディングを行った後、ヒータ16を制御することによって、アンプル11の上下方向に対して、図7に示す温度勾配を与えた。なお、図7において縦軸はアンプル11の上下方向を、横軸は温度を示しており、図7におけるGaAs融点の温度以下の領域は、図6(d)のGaAs単結晶60が配置されている領域に該当する。
そして、支軸15を5mm/hの速度で下降させることにより、アンプル11を図7の温度勾配に対して5mm/hの速度で下方向に移動させた。この移動に伴い、Si−GaAs融液74に与えられる温度が、GaAs単結晶60側から20℃/cmの速度で低下し、これにより、Si−GaAs融液74をGaAs単結晶60側から凝固させてSi−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶を坩堝10から取り出し、取り出したSi−GaAs結晶のうち、直径105mmおよび長さ100mmの円柱形状部分について、表面および該結晶を等間隔で輪切りにしたときに露出する該結晶の内部の様子を観察した。Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が6箇所で観察された。
<実施例2>
GaAs多結晶62として、Siを4×10-5mol%ドープしたGaAsを用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が7箇所観察された。
<実施例3>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程における坩堝10全体の加熱温度を900℃とした以外は、実施例1と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出も観察されなかった。
<実施例4>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程における坩堝10全体の加熱温度を1200℃とした以外は、実施例1と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出も観察されなかった。
<実施例5>
SiO2−B2363として、SiO2が1mol%ドープされたB23を100g用いた以外は、実施例1と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が12箇所で観察された。
<実施例6>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程における坩堝10全体の加熱温度を900℃とした以外は、実施例5と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が3箇所で観察された。
<実施例7>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、SiO2−B23融液73を坩堝10内に配置させた後、1時間坩堝10全体を600℃の温度に維持した以外は、実施例5と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が16箇所で観察された。
<実施例8>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、SiO2−B23融液73を坩堝10内に配置させた後、5時間坩堝10全体を600℃の温度に維持した以外は、実施例5と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出は5箇所で観察された。
<実施例9>
酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、坩堝10を10rpmで回転させた以外は、実施例7と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出も観察されなかった。
<実施例10>
図1の製造装置100を用いて、以下の製造方法により、Si−GaAs単結晶を製造した。坩堝10として内径が105mm(4インチ)のPBN製の坩堝を用い、アンプル11として石英製アンプルを用いた。なお、理解を容易とするために、本実施例について図8を参照しながら説明する。
≪製造方法≫
1.酸化ホウ素膜形成工程
まず、GaAs単結晶60などの各物質が配置される前の空の坩堝10の内壁に、メチルアルコールにオルトホウ酸を飽和濃度になるように融解した溶液を噴霧した。なお、噴霧には噴霧器を用いた。次に、噴霧によって溶液が塗布された坩堝10の内壁に向けて乾燥窒素ガスを流してメチルアルコールを素早く乾燥させた。この噴霧および乾燥の操作を繰り返して坩堝10の内壁に厚さ約100μmのオルトホウ酸膜を形成した。
オルトホウ酸膜が形成された坩堝10を炉に移し、該炉内に窒素ガスを1リットル/分で流しながら坩堝10を800℃で2時間加熱して、図8(a)に示すように、坩堝10の内壁に厚さ約50μmのB23膜71を形成した。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
次に、B23膜71が形成された坩堝10をアンプル11内に収容し、この坩堝10内に、図8(b)に示す配置となるように、種結晶としてのGaAs単結晶60、総重量5000gのGaAs多結晶62、150gのSiO2−B2363および1400mgのSi64を収容させた。また、Si64とともに、内圧調整用の2000mgのAsを配置した。SiO2−B23としては、実施例1と同様に、SiO2が12mol%ドープされたB23を用いた。
上記各物質を、図8(b)に示される配置となるように坩堝10内に収容した後、当該坩堝10をアンプル11の収容体12である石英アンプルに収容し、さらに石英アンプル内を真空にして蓋体13である石英キャップを嵌めることにより、坩堝10をアンプル11内に真空封入した。
そして、坩堝10全体が600℃になるようにヒータ16によってアンプル11を加熱してSiO2−B2363を融解させて、図8(c)に示すように、SiO2−B23融液73を坩堝10内に配置させた。そして、3時間坩堝10全体を600℃の温度に維持し、坩堝10内にSiO2−B23膜72を形成した。
さらに、実施例1の原料融液形成工程と同様の工程を行うことにより、図8(d)に示すようなSi−GaAs融液74を形成し、実施例1の半導体結晶成長工程と同様の工程を行うことにより、Si−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出が8箇所で観察された。
<実施例11>
石英製の坩堝10を有する製造装置100を用い、さらに、酸化ホウ素膜形成工程において、蒸着法によりB23膜71を形成した以外は、実施例10と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。蒸着法は、以下の手順に従った。
まず、空の坩堝10を蒸着装置内に固定し、固体の窒化ホウ素を蒸着装置内のホルダーに配置した。そして、蒸着装置内を真空にして密閉した後、電子ビームを窒化ホウ素に照射することにより、坩堝10の内壁に窒化ホウ素膜を形成した。次に、窒化ホウ素膜が形成された坩堝10を炉に移し、酸素ガス雰囲気下で坩堝10を1000℃で10時間加熱して、坩堝10の内壁に厚さ約50μmのB23膜71を形成した。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出は9箇所で観察された。
<実施例12>
酸化ホウ素膜形成工程において、PBN製の坩堝10の内壁を酸化処理してB23膜71を形成した以外は、実施例10と同様の方法によって、Si−GaAs単結晶を成長させた。酸化処理は、以下の手順に従った。
まず、PBN製の坩堝10を炉に入れ、該炉内において、坩堝10の内側に向けて酸素ガスを1リットル/分で流しながら坩堝10を1100℃で50時間加熱することにより、坩堝10の内壁に厚さ約60μmのB23膜71を形成した。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出は7箇所で観察された。
<実施例13>
図4の製造装置200を用いて、以下の製造方法によりSi−GaAs単結晶を製造した。坩堝10として内径が105mm(4インチ)のPBN製の坩堝を用い、石英製のリザーバ40および石英製の支持体41を用いた。支持体41の収容部41aの外径は80mmであった。なお、理解を容易とするために、本実施例について図9を参照しながら説明する。
≪製造方法≫
1.酸化ホウ素膜形成工程
まず、実施例12と同様の方法により、図9(a)に示すように、坩堝10の内壁に厚さ60μmのB23膜71を形成した。
2.酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程
次に、B23膜71が形成された坩堝10を坩堝台14上に載置し、この坩堝10内に、図9(b)に示す配置となるように、まず、種結晶としてのGaAs単結晶60を坩堝10の底部に配置し、その上方近傍に500gのGaAs多結晶62を配置した。一方、リザーバ40内に、総重量4500gの不定形のGaAs多結晶62を収容し、該GaAs多結晶62上に1400mgのSi64を載置した。また、Si64とともに、内圧調整用のAsを2000mg配置した。
そして、上述のように各物質を収容したリザーバ40を支持体41内に内包させ、該支持体41をGaAs単結晶60を収容する坩堝10内に挿入した。さらに、支持体41と坩堝10の内壁との隙間に、150gのSiO2−B2363を配置した。SiO2−B23としては、実施例1と同様に、H3BO3の粉末とSiO2の粉末を共存させた後に加熱することによって形成された、SiO2が12mol%ドープされたB23を用いた。
次に、図9(b)の領域Aが600℃になるようにヒータ16によって坩堝10を加熱して、SiO2−B2363を融解させて、図9(c)に示すようにSiO2−B23融液73を坩堝10内に配置させた。そして、3時間坩堝10全体を600℃の温度に維持し、坩堝10内にSiO2−B23膜72を形成した。
3.原料融液形成工程
次に、ヒータ16によって、GaAs単結晶60が配置された部分を除く坩堝10全体およびリザーバ40全体の温度が1240℃となるようにそれぞれを加熱して、坩堝10内のGaAs多結晶62を融解させ、さらに、リザーバ40内のGaAs多結晶62を融解させてSi64と共にリザーバ40の下方の坩堝10内に滴下した。全ての融液が坩堝10内に滴下することによって、Si−GaAs融液74を坩堝10内のGaAs単結晶60上に配置させた。
4.半導体単結晶成長工程
次に、図9(d)に示すように、支持体41の下端が半導体単結晶を成長させるための領域である領域Aから外れるように支持体41を上昇させ、その後、実施例1の半導体単結晶成長工程と同様の方法に従って、Si−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生や多結晶化は観察されなかった。また、結晶の表面における砒化ホウ素の析出は6箇所で観察された。
<比較例1>
実施例1と同様の製造装置を用いて、以下の方法によってSi−GaAs単結晶を製造した。
まず、坩堝10内に、図10に示す配置となるように、種結晶としてのGaAs単結晶60、150gのB2361、5000gのGaAs多結晶62および1400mgのSi64を収容させた。また、Si64とともに、内圧調整用の2000mgのAsを配置した。なお、B2361の含有水分濃度は40ppmであり、不純物無添加であってその純度は99atm%以上であった。
上記各物質を、図10に示される配置となるように坩堝10内に収容した後、当該坩堝10をアンプル11の収容体12である石英アンプルに収容し、さらに石英アンプル内を真空にして蓋体13である石英キャップを嵌めることにより、坩堝10をアンプル11内に真空封入した。
次に、ヒータ16によって、GaAs単結晶60が配置された部分を除く坩堝10全体の温度が1240℃となるようにアンプル11を加熱し、GaAs多結晶62を融解させて、GaAs単結晶60上にSi−GaAs融液74を配置させた。そして、実施例1の半導体単結晶成長工程と同様の方法により、Si−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生が観察された。また、双晶の発生部位および結晶の表面において砒化ホウ素の析出が82箇所で観察された。
<比較例2>
図11に示すように、坩堝10内にB2361を配置せず、SiO2−B2363としてSiO2が12mol%ドープされたB23を150g配置し、酸化ホウ素膜形成工程を行わず、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において坩堝10全体を600℃の温度で1時間維持した以外は、実施例1と同様の方法によってSi−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生が観察された。また、双晶の発生部位および結晶の表面において砒化ホウ素の析出は26箇所で観察された。
<比較例3>
図11に示すように、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、SiO2−B2363としてSiO2が15mol%ドープされたB23を用い、坩堝10全体を600℃の温度で3時間維持した以外は、比較例2と同様の方法によってSi−GaAs単結晶を成長させた。
成長させたSi−GaAs単結晶の結晶の様子を実施例1と同様の方法で観察したところ、Si−GaAs単結晶の表面および内部において、双晶の発生が観察された。また、双晶の発生部位および結晶の表面において砒化ホウ素の析出は24箇所で観察された。
以上の実施例1〜13および比較例1〜3の対比が容易となるように、各実施例および各比較例で用いたそれぞれの物質の相違点を表1に、各実施例および各比較例での工程の違いおよびSi−GaAs単結晶の結晶の様子を表2にまとめた。
Figure 0005768809
Figure 0005768809
実施例1の結果より、12mol%のSiO2がドープされたSiO2−B23を用いた場合、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、600℃で3時間加熱することによって、結晶欠陥のないSi−GaAs単結晶が製造できることが分かった。また、実施例1〜4の結果より、加熱温度がGaAsの融点未満の温度でありつつ、高い温度であるほうが、結晶欠陥が発生しないだけでなく砒化ホウ素の析出が抑制されることが分かった。
また、実施例5〜9の結果より、1mol%のSiO2がドープされたSiO2−B23を用いた場合にも、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程において、600℃で1時間加熱することによって、結晶欠陥のないSi−GaAs単結晶が製造できることが分かった。しかし、実施例1と実施例5とを比較すると、SiO2−B23のSiO2濃度が低い場合、砒化ホウ素の析出が増えることがわかった。この砒化ホウ素の析出については、実施例5〜9をそれぞれ比較することにより、酸化ケイ素−酸化ホウ素膜形成工程における加熱温度を高くする、加熱時間を長くする、または坩堝を回転させながら加熱することにより解消されることがわかった。
また、実施例10〜13の結果より、坩堝にB23膜を予め形成した場合にも、結晶欠陥のないSi−GaAs単結晶が製造できることが分かった。
実施例1〜13に対し、比較例1では、製造されたSi−GaAs単結晶に双晶が発生していた。これは、坩堝の内壁にSiO2−B23膜が形成されないためと考えられる。また、比較例2および3においても製造されたSi−GaAs単結晶に双晶が発生していたが、これは、SiO2−B23の粘度が高く、この融液だけでは、坩堝の内壁に一様に膜を形成するのが難しいためと考えられる。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、欠陥のない半導体単結晶を製造することができるので、本発明は、たとえば発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)用の基板の製造に好適に用いられる。
10 坩堝、 11 アンプル、12 収容体、13 蓋体、14 坩堝台、15 支軸、16 ヒータ、17 断熱材、18 気密容器、20 種結晶、21 酸化ホウ素、22,25 化合物原料、23 酸化ケイ素を含む酸化ホウ素、24 ドーパント、30 酸化ホウ素融液、31 酸化ホウ素膜、32 酸化ケイ素−酸化ホウ素膜、33 酸化ケイ素−酸化ホウ素融液、34 原料融液、40 リザーバ、41 支持体、41a 収容部、41b 支持部。

Claims (18)

  1. 底部および該底部と連続する胴部を有する成長容器の内壁に酸化ホウ素膜を形成する工程と、
    前記酸化ホウ素膜に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を接触させて、前記成長容器の内壁に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜を形成する工程と、
    前記成長容器内であって前記底部に配置された種結晶上に、原料融液を配置する工程と、
    前記原料融液を前記種結晶側から凝固させて半導体単結晶を成長させる工程と、を備える半導体単結晶の製造方法。
  2. 前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜を形成する工程は、
    前記成長容器内に酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を配置する工程と、
    前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液を前記成長容器の内壁に形成されている前記酸化ホウ素膜に接触させた状態を、所定温度で所定時間維持する工程と、を備える請求項1に記載の半導体単結晶の製造方法。
  3. 前記所定温度は600℃以上、かつ前記半導体結晶を構成する半導体の融点未満である、請求項2に記載の半導体単結晶の製造方法。
  4. 前記所定時間は1時間以上である、請求項2に記載の半導体単結晶の製造方法。
  5. 前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素融液は、前記成長容器を加熱して、前記成長容器内に配置された酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体を融解させることによって前記成長容器内に配置される、請求項1〜4のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
  6. 前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体に含まれる酸化ケイ素が、二酸化ケイ素である、請求項5に記載の半導体単結晶の製造方法。
  7. 前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素の固体における前記二酸化ケイ素の濃度が1mol%以上12mol%以下である、請求項6に記載の半導体単結晶の製造方法。
  8. 前記成長容器が、窒化ホウ素、熱分解窒化ホウ素、パイロリティックグラファイト、グラファイト、ガラス化カーボン、炭化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、または石英からなる、請求項1〜7のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
  9. 前記種結晶は、前記酸化ホウ素膜が形成される前の前記成長容器内に配置される、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
  10. 前記種結晶は、前記酸化ケイ素を含む酸化ホウ素膜が形成される前であって、前記酸化ホウ素膜が形成された前記成長容器内に配置される、請求項1〜8のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
  11. 前記酸化ホウ素膜を形成する工程において、前記成長容器の内壁に窒化ホウ素を含む膜を形成し、酸素ガス雰囲気下または酸素ガスを含む混合ガス雰囲気下で前記窒化ホウ素を含む膜を熱処理することによって、前記成長容器の内壁に前記酸化ホウ素膜を形成する、請求項10に記載の半導体単結晶の製造方法。
  12. 前記窒化ホウ素を含む膜は、スパッタリングまたは蒸着によって前記成長容器の内壁に形成される、請求項11に記載の半導体単結晶の製造方法。
  13. 前記窒化ホウ素を含む膜は、窒化ホウ素の粉末と溶媒とを混合した混合液を前記成長容器の内壁に噴霧または塗布することによって形成される、請求項11に記載の半導体単結晶の製造方法。
  14. 前記酸化ホウ素膜を形成する工程において、前記成長容器の内壁に酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜を形成し、前記酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜を熱処理することによって、前記成長容器の内壁に前記酸化ホウ素膜を形成する、請求項10に記載の半導体単結晶の製造方法。
  15. 前記酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜は、スパッタリングまたは蒸着によって前記成長容器の内壁に形成される、請求項14に記載の半導体単結晶の製造方法。
  16. 前記酸化ホウ素またはホウ酸を含む膜は、酸化ホウ素またはホウ酸の粉末と溶媒とを混合した混合液を前記成長容器の内壁に噴霧または塗布することによって形成される、請求項14に記載の半導体単結晶の製造方法。
  17. 前記成長容器が窒化ホウ素または熱分解窒化ホウ素からなり、前記酸化ホウ素膜を形成する工程は、前記成長容器の内壁を酸化処理することによって、前記成長容器の内壁に前記酸化ホウ素膜を形成する、請求項10に記載の半導体単結晶の製造方法。
  18. 前記原料融液は、固体の原料が融解することによって前記種結晶上に配置され、前記固体の原料は、前記半導体単結晶を構成する化合物半導体および前記半導体単結晶にドープされるドーパントを含む、請求項1〜17のいずれかに記載の半導体単結晶の製造方法。
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