JP3656266B2 - 化合物半導体結晶の製造方法及び製造用るつぼ - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、GaAs、GaP、GaSb、InP、InAs、InSb等の
III-V族化合物半導体結晶、CdTe、CdMnTe、CdZnTe、HgCdTe、ZnSe、ZnSSe等のII-VI 族化合物半導体結晶などの化合物半導体結晶の製造方法及び該化合物半導体結晶製造用るつぼに関する。
【0002】
【従来の技術】
化合物半導体バルク単結晶の代表的な製造方法には、横型ブリッジマン法(Horizontal Bridgman 法)、徐冷法(Gradient Freezing 法)、垂直ブリッジマン法(Vertical Bridgman 法)、垂直徐冷法(Vertical Gradient Freezing法) などがある。これらの方法は、ボート又はるつぼの一端に種結晶を配置し、原料融液を種結晶に接触させ、種結晶側から徐々に温度を降下させて単結晶を成長する方法である。これらの方法では、結晶が容器壁に接触しながら成長するため、原料融液と容器壁との濡れによる結晶欠陥の発生が問題となる。
【0003】
原料融液と容器壁が濡れると、その部分で結晶欠陥が発生し、多結晶化することが知られている。ボート又はるつぼは、一般に石英やPBN(パイロリティックボロンナイトライド)などで作られる。石英の場合は、表面をサンドブラストによって粗くして、濡れ難くすることが知られている。また、PBNるつぼの場合には、原料とともに添加するB2 O3 でるつぼ表面を被覆することによって濡れを防止することが知られている。
【0004】
図5に、垂直ブリッジマン法によるGaAs単結晶成長の1例を示す。ステンレス製チャンバー1の内部には、壁面に沿って断熱材2と、その内側にヒーター3〜12が配置されており、その中央には、下軸13に支持された石英製アンプル14が取り付けられており、As圧制御部15がアンプル14の下端に設けられ、この部分の温度を制御することにより、アンプル14内のAs分圧が制御される。16はAs分圧制御用の固体Asである。るつぼ17は、アンプル14上部に配置され、るつぼ17の下部は逆円錐形に構成されており、下端に種結晶18が取り付けられ、その上にGaAs原料19及びB2 O3 20が充填される。昇温時には、まず、B2 O3 20が軟化してるつぼ内面を被覆する。さらに、温度を上昇させてGaAs原料を溶融し、温度分布を適正化した後、下軸13を降下してアンプル14を低温側へ移動し、種結晶18の側から原料を固化して単結晶を成長する。
【0005】
垂直徐冷法の場合は、図5のアンプルの高さを変化させずに、ヒーター3〜12の出力を変化させて低温部を徐々に上方に移動させ、アンプル14内の原料を種結晶18の側から固化して単結晶を成長する。垂直ブリッジマン法及び垂直徐冷法では、ステンレス製チャンバーを使用せずに大気中で行うこともできる。この場合は、断熱材2やヒーター3〜12などを大気中で使用できるように選択する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記の方法では、原料とB2 O3 を一緒にるつぼに入れてアンプルを封入し、B2 O3 を軟化してるつぼ表面を被覆することになるが、完全に被覆できるとは限らない。そこで、PBN製ボート表面に予め酸化ホウ素粉末又はホウ酸粉末を散布したり(特開昭62−176998号公報参照)、PBN製ボート又はBN製るつぼを予め酸素雰囲気中で加熱して酸化することによって、ボート又はるつぼ表面にB2 O3 皮膜を形成し、次に原料を入れて結晶を成長する方法が提案された(特開昭62−176998号公報、米国特許第4923561号明細書参照)。これらの方法では、るつぼ表面がB2 O3 によって被覆されるため、原料とともにB2 O3 を充填する従来の方法と比較して、濡れによる多結晶化を防止する効果が高いと考えられる。
【0007】
しかし、これらの方法には、以下の問題がある。
(1)BN製ボート、PBN製ボート、BN製るつぼ又はPBN製るつぼ表面に予め酸化ホウ素粉末又はホウ酸粉末を散布する方法の問題点。
▲1▼酸化ホウ素粉末又はホウ酸粉末を散布するだけでは、付着力が得られないので、原料を入れるときに、前記粉末が原料と接触してるつぼ表面から簡単に剥がれ落ちるため、B2 O3 膜を均一に形成することが困難である。
▲2▼酸化ホウ素粉末又はホウ酸粉末は多量の水分を含有している。水分を含有するB2 O3 は、非常に飛散し易いため、原料が融解する前にB2 O3 が飛散して膜が破れ、るつぼ表面を露出する恐れがある。特に、真空下ではB2 O3 の飛散が著しく、均一な膜を得ることは困難である。
【0008】
(2)BN製ボート、PBN製ボート、BN製るつぼ又はPBN製るつぼを酸素雰囲気中で加熱して酸化することによって、ボート又はるつぼ表面に予めB2 O3 皮膜を形成する方法における問題点。
▲1▼濡れによる多結晶化を効果的に防止するためには、通常50μm程度の厚いB2 O3 膜が必要である。結晶の製造に先立ってB2 O3 膜を形成するたびに、るつぼの肉厚が大幅に減少するため、るつぼの寿命が著し短くなる。
▲2▼組織の緻密なPBN製るつぼの内面を酸化するためには、長時間、高温に加熱する必要があり、コストが高く付く。
▲3▼B2 O3 膜厚は、酸素ガスの流れに依存するが、均一なガスの流れを維持することは困難であり、また、B2 O3 の粘度が低下してるつぼの下側に溜まるなどの原因で均一なB2 O3 膜を形成することは難しい。
【0009】
そこで、本発明は、上記の問題点を解消し、ボート又はるつぼに対する原料融液の濡れを完全に防止して、多結晶の発生を抑え、化合物半導体結晶を歩留り良く製造することのできる結晶の製造方法及び製造用るつぼを提供しようとするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(1)予めるつぼ表面にホウ素又はホウ素化合物を含有する層を形成し、該層を熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素層を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填し、これを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より、該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0011】
(2)予めるつぼ表面に、ホウ素、又は、酸素を含有しないホウ素化合物の層を形成し、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理して酸化ホウ素の層を形成した後、原料を投入してこれを溶融し、るつぼの一端から融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0012】
(3)予めるつぼ表面に、スパッタリング又は蒸着で窒化ホウ素を含有する層を形成し、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化させることにより、結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0013】
(4)予めるつぼ表面に、窒化ホウ素を含有する粉末と、水、アルコール、アセトン等の溶剤との混合物を、ブタンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス、空気などのガスとともにスプレー塗布して窒化ホウ素を含有する層を形成し、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0014】
(5)予めるつぼ表面に、窒化ホウ素を含有する粉末と、水、アルコール又はアセトンなどの溶剤との混合物を、手動又は自動噴霧器で吹きつけるか、刷毛塗りすることにより窒化ホウ素を含有する層を形成し、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0015】
(6)窒化ホウ素を含有する粉末と、水、アルコール又はアセトンなどの溶剤との混合液をるつぼに充填し、るつぼ表面に窒化ホウ素を含有する層を形成した後、余った混合液を排出し、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成し、次いで、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化することにより、結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
(7)ホウ素又はホウ素化合物を含有する層を形成する領域を除いて遮蔽材で遮蔽して、酸素又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理することを特徴とする上記(1) 〜(6) のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0016】
(8)熱処理時の雰囲気ガスとして、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、キセノンガス等の不活性ガス、窒素ガス又は二酸化炭素ガスと酸素ガスとの混合ガス、又は、空気を用いることを特徴とする上記(2) 〜(7) のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(9)700〜1800℃、好ましくは800〜1500℃、より好ましくは900〜1300℃の範囲の温度で熱処理することを特徴とする上記(2) 〜(8) のいずれか1つ記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0017】
(10)予めるつぼ表面に酸素含有ホウ素化合物を含有する層を形成し、熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。(11)前記酸素含有ホウ素化合物が、酸化ホウ素、オルトホウ酸、メタホウ酸又は四ホウ酸であることを特徴とする上記(10)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0018】
(12)水、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール、及び/又は、アセトンなどの溶剤に前記酸素含有ホウ素化合物を溶解又は混合し、その溶液をるつぼ表面に塗布又は噴霧した後、熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素を含有する層を形成することを特徴とする上記(11)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(13)前記酸素含有ホウ素化合物の溶液又は混合液をるつぼに充填して酸素含有ホウ素化合物を含有する層を形成した後、前記溶液又は混合液を排出し、熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成することを特徴とする上記(12)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0019】
(14)前記酸素含有ホウ素化合物の固体ソースに対し、アルゴンなどをスパッタリングするか、電子ビームを照射してるつぼの表面に酸素含有ホウ素化合物を含有する層を形成し、熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化することにより結晶を成長することを特徴とする上記(11)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(15)前記酸素含有ホウ素化合物の粉末をるつぼに充填し、加熱してるつぼの表面に酸素含有ホウ素化合物を含有する層を形成した後、余った粉末を除去し、熱処理して酸化ホウ素を含有する層を形成し、次いで、該るつぼに原料を充填してこれを溶融して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化することにより結晶を成長することを特徴とする上記(11)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0020】
(16)300〜1800℃、好ましくは350〜1500℃、より好ましくは400〜1300℃の範囲の温度で熱処理することを特徴とする上記(10)〜(15)のいずれか1つ記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(17)上記(16)記載の熱処理で酸化ホウ素を含有する層を形成した後、さらに、1000〜1800℃に昇温して酸化ホウ素膜中の含有水分の量を0.5wt%以下に調整することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
【0021】
(18)るつぼ表面に形成した層の表面の酸化ホウ素の濃度が30wt%以上、好ましくは40wt%以上、より好ましくは50wt%以上で、100wt%以下であることを特徴とする上記(1) 〜(17)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(19)るつぼ表面に形成した層のるつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度が、70wt%以下、好ましくは60wt%以下、より好ましくは50wt%以下、0wt%以上であることを特徴とする上記(1) 〜(18)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0022】
(20)るつぼ表面に形成した層のるつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度が、該層の表面より低いことを特徴とする上記(1) 〜(19)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(21)るつぼ表面に形成した層の内部に、表面よりも密度の大きな層状部分を含むことを特徴とする上記(1) 〜(20)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0023】
(22)るつぼ表面に形成した層が、III 族元素、IV族元素、V族元素、III 族元素の化合物、IV族元素の化合物及び/又はV族元素の化合物を含有することを特徴とする上記(1) 〜(21)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(23)上記(22)記載のIII 族元素が、Al又はGaであることを特徴とする上記(22)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(24)前記III 元素の化合物が酸化物又は窒化物であることを特徴とする上記(23)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0024】
(25)上記(22)記載のIV族元素が、Siであることを特徴とする上記(22)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(26)上記(22)記載のIV族元素の化合物が、Siの酸化物、窒化物又は炭化物であることを特徴とする上記(22)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0025】
(27)上記(22)記載のV族元素が、砒素(As)又は燐(P)であることを特徴とする上記(22)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(28)前記V族元素の化合物が酸化物、具体的には亜砒酸(As2 O3 )、五酸化燐(P2 O5 )であることを特徴とする上記(25)記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0026】
(29)るつぼ表面に形成した層の表面のIII 族元素、III 族元素の化合物、IV族元素、IV族元素の化合物、V族元素、V族元素の化合物の合計濃度が、該層の内部よりも低いことを特徴とする上記(22)〜(28)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0027】
(30)原料融液と接触するるつぼ表面部分だけに酸化ホウ素を含有する層を形成することを特徴とする上記(1) 〜(29)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
(31)るつぼ内面に酸化ホウ素を含有する層を形成した後、減圧又は乾燥ガス雰囲気で室温まで冷却することを特徴とする上記(1) 〜(30)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0028】
(32)酸化ホウ素を含有する層の水分濃度が0.5wt%以下、好ましくは0〜0.1wt%、より好ましくは0〜0.02wt%の範囲になるように、減圧又は乾燥ガス雰囲気で室温まで冷却することを特徴とする上記(1) 〜(31)のいずれか1つに記載の化合物半導体結晶の製造方法。
【0029】
(33)融液固化法で化合物半導体結晶を製造するためのるつぼにおいて、室温における水分濃度が0.5wt%以下、好ましくは0〜0.1wt%、より好ましくは0〜0.02wt%の範囲の酸化ホウ素を含有する層をるつぼ内面に有することを特徴とする化合物半導体結晶製造用るつぼ。
【0030】
(34)るつぼの材質が、ボロンナイトライド、グラファイト、パイロリティックボロンナイトライド、パイロリティックグラファイト、ガラス化カーボン(又はグラッシーカーボン)、アルミナ、ジルコニア、窒化ケイ素、炭化ケイ素又は石英であることを特徴とする上記(33)記載の化合物半導体結晶製造用るつぼ。
【0031】
上記(8) において、酸素と混合するガスは、酸素と反応し難く、B2 O3 に対する溶解度が小さく、かつ、成長結晶に対して不活性なガスが好ましい。
また、上記(11)において、るつぼ表面に層を形成するホウ素化合物としてオルトホウ酸(H3 BO3 )、メタホウ酸(HBO2 )、四ホウ酸(H2 B4 O7 )、酸化ホウ素(B2 O3 )などの酸素を含むホウ素化合物を用いるときには、熱処理の際に雰囲気ガスに酸素を添加する必要はない。
【0032】
なお、成長後の結晶は、B2 O3 によってるつぼに固着して外れなくなるので、使用するB2 O3 の量はできるだけ少ない方がよい。また、るつぼ表面に形成するB2 O3 層の面積もできるだけ狭くする方が好ましく、結晶を成長する部分に限定してB2 O3 層を形成することが最も好ましい。
【0033】
上記(33)及び(34)において、B2 O3 層の水分濃度が0.5重量%を越えると、高温時に水とともにB2 O3 が飛散し、膜の均一性が失われる。B2 O3 の薄膜は、比表面積が大きいため水分を吸収し易いので、B2 O3 層を形成した後は、減圧又は乾燥ガス雰囲気で室温まで冷却することにより、B2 O3 層の水分の吸収を防止することが好ましい。
【0034】
低水分濃度のB2 O3 膜を得るには、高温で加熱処理する必要があるが、高温になるほどB2 O3 の粘度が低下してるつぼの下方に流れるため、B2 O3 膜厚が不均一になり易い。そこで、ホウ素又はホウ素化合物を熱処理してB2 O3 膜を形成する過程は、比較的低温(1000℃以下)で時間をかけて行い、膜の水分濃度の調整は高温(1000℃以上)で短時間で行うことが均一な膜形成に適している。
【0035】
ホウ素又はホウ素化合物を含有する層を熱処理することにより形成した膜表面の酸化ホウ素の濃度は、30wt%以上であればよく、好ましくは40wt%以上、より好ましくは50wt%以上であれば、結晶とるつぼの濡れを防止することができる。
【0036】
ホウ素又はホウ素化合物を含有する層を熱処理することにより形成した層の、るつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度は低い方が好ましい。B2 O3 は結晶育成後固化してるつぼに固着するため、るつぼ表面にダメージを与える。そして、PBNるつぼでは、表面層が剥離してるつぼの寿命を低下させる。そこで、るつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度を低くすることにより、るつぼへのダメージを減少させることができ、るつぼの寿命を長くすることができる。るつぼへのダメージを減少するためには、るつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度を70wt%以下、好ましくは60wt%以下、より好ましくは50wt%以下にするのがよい。本発明の方法によれば、酸化の度合いや、膜中のホウ素又はホウ素化合物の含有量を調節することによって、膜のB2 O3 の配合率を自由に調整することができる。
【0037】
予めるつぼ表面に形成したホウ素又はホウ素化合物を含有する層を熱処理するときに、その層のるつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度を膜の表面より低くすれば、結晶とるつぼの濡れを防止でき、酸化ホウ素の固着によるるつぼのダメージを低減できるので極めて有効である。
【0038】
このように、膜内のB2 O3 濃度の変化は、酸化する温度や時間を調整することによっても実現できるが、層の内部に表面よりも密度の高い層を含むようにすると、酸化が密度の高い層より内部には進行し難いため、るつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度を膜の表面より小さくすることができる。
【0039】
また、III 族元素、IV族元素、V族元素、III 族元素の化合物、IV族元素の化合物及びV族元素の化合物のうちのいずれか1種類以上を前記ホウ素又はホウ素化合物に混合して、るつぼ表面に層を形成するときに、層内のホウ素又はホウ素化合物の含有率を調整すれば、膜中の酸化ホウ素の含有率を容易に調整することができる。III 族元素及びIII 族元素の化合物としては、Al及びAl化合物、Ga及びGa化合物が好ましい。Al化合物としては、Al酸化物、Al窒化物が好ましい。Ga化合物としては、Ga酸化物、Ga窒化物が好ましい。IV族元素及びIV族元素化合物としてはSi及びSi化合物が好ましく、Si化合物としてはSi酸化物、Si窒化物、Si炭化物が好ましい。V族元素及びV族元素の化合物としては、As、P、As2 O3 、P2 O5 が好ましい。
【0040】
るつぼ表面の層の酸化ホウ素(B2 O3 )濃度を変化させるには、下記の方法が特に優れている。
(1)B2 O3 又はBNに対しSiO2 、Al2 O3 、Ga2 O3 等を添加し、B2 O3 又はBN濃度〔例えば、B2 O3 /(B2 O3 +SiO2 )〕の低いものから多層に分けて塗布又はスプレーにより被膜を形成する方法である。この方法では、SiO2 及びAl2 O3 が最も効果的である。
(2)B2 O3 に窒化ホウ素(BN)粉末を混合し、膜中のB2 O3 濃度〔例えば、B2 O3 /(B2 O3 +BN)〕の低いものから多層に分けて塗布又はスプレーにより被膜を形成する方法である。
なお、BNを含有する層を形成するにあたって、BN粉末の膜方向への充填率を変化させる、例えば、異なる大きさのBN粒子を使用して粒子間にできる隙間を変化させ、酸化過程における酸素の透過し易さを調節し、酸化の程度を膜方向に変化させ、B2 O3 濃度を変化させることができる。
【0041】
【作用】
本発明は、原料と固体B2 O3 をるつぼに充填して結晶成長する従来法とは異なり、B2 O3 膜の不完全な被覆や不均一な被覆が防止され、るつぼ表面に予め均一なB2 O3 膜を形成することができるため、原料融液の容器への濡れを防止し、多結晶の発生を防止できるようになった。
【0042】
以下、図面により本発明を説明する。図1は本発明の方法を実施するための結晶製造装置の概念図であり、図2は図1で使用するるつぼ表面にホウ素又はホウ素化合物を含有する膜を形成した状態を示す拡大図であり、図3はるつぼ表面のホウ素又はホウ素化合物を含有する層を熱処理する状況を説明するための図であり、図4は図3の変形図である。図1は、本発明の方法によりB2 O3 を含有する層を形成したるつぼを使用した点を除くと、図5の従来装置と同じため、説明を省略する。
【0043】
図2に示すように、本発明で使用するるつぼ17の一例は、底部に種結晶保持部23を有し、それに続いてテーパ部22と側壁からなり、少なくとも原料融液と接触する壁面には、ホウ素又はホウ素化合物を含有する膜24が形成されている。図2のるつぼ17は、図3に示す環状炉25中に移され、酸素又は酸素を含有するガスを流しながら熱処理され、るつぼ内面にB2 O3 を含有する膜が形成される。図4は、図3の環状炉25中で熱処理を行うときに、B2 O3 を含有する膜を形成しない、るつぼ17の表面を遮蔽材26で覆うことにより、B2 O3 を含有する膜形成領域を制限しようとするものである。
【0044】
なお、本発明の方法は、横型ブリッジマン法、垂直ブリッジマン法、横型徐冷法及び垂直徐冷法など、るつぼの一端から融液を固化させる化合物半導体結晶の製造方法であればいずれの方法にも適用することができ、図1のような装置に限定されるものではない。また、使用するるつぼの形状も図2のものに限定されるものではなく、上記の化合物半導体結晶の製造に適したものであれば、どのような形状のものも使用することができる。熱処理装置は、図3の環状炉に限定されず、るつぼを目的の温度まで加熱できれば、どのようなものでも使用することができる。
【0045】
本発明では、ホウ素又は酸素を含まないホウ素化合物の膜を形成するときには、酸素を含むガス中で加熱してるつぼ表面にB2 O3 を含有する膜を形成することができる。窒化ホウ素を酸化してB2 O3 を形成するときの化学反応は下記式(1)のとおりである。
4BN+3O2 →2B2 O3 +2N2 (1)
【0046】
本発明において、酸素を含むホウ素化合物の膜を形成するときには、酸素は必ずしも必要でなく、加熱分解によっても、るつぼ表面にB2 O3 を含有する膜を形成することはできる。オルトホウ酸を熱分解してB2 O3 を形成するときの化学反応は下記式(2)のとおりである。
2H3 BO3 →B2 O3 +3H2 O (2)
【0047】
溶剤と混合したホウ素又はホウ素化合物を含有する粉末をるつぼに塗布しただけでは、るつぼへの十分な付着力が得られず、塗布した粉末の膜が剥離する恐れがある。本発明では、上記(1)式又は(2)式の反応によってB2 O3 を含有する膜が生成するが、300℃以上で熱処理するため、B2 O3 は軟化して高い付着力が生ずるので、剥離の恐れはない。
【0048】
【実施例】
(実施例1)
直径約80mm、高さ300mmで下方にテーパ部と種結晶保持部を設けたPBN製るつぼを用い、窒化ホウ素粉末、アルコール及び二酸化炭素ガスを使用し、スプレーでるつぼ内面に窒化ホウ素膜を形成した後、環状炉に移して酸素ガスを1リットル/分で流しながら、1000℃で5時間熱処理を施し、約50μm厚を有するB2 O3 膜を形成した。その後、酸素ガスを流しながら10℃/分で室温まで冷却した。得られたB2 O3 膜の水分濃度は0.02wt%であり、膜厚の均一製は極めて良好で、膜厚のバラツキは±5μm以下であった。
【0049】
このるつぼに、GaAs多結晶原料3kgとドーパントの固体Siを収容し、図1のAs圧制御部を有する縦長の石英アンプル内に真空封入した。そして、るつぼ内の原料を溶融した後、アンプル内のAs圧を制御しながら、種結晶側から徐々に温度を低下させ、Siドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。
【0050】
(実施例2)
メチルアルコールにオルトホウ酸をほぼ飽和濃度になるように溶解した溶液を、実施例1と同じ形状のPBN製るつぼ内面に噴霧器を用いて塗布し、次いで、メチルアルコールを乾燥窒素ガスで素早く乾燥させ、この操作を繰り返して、厚さ約100μmのオルトホウ酸膜を形成した。このるつぼを環状炉中に移して窒素ガスを1リットル/分で流しながら、800℃で2時間熱処理を施し、約50μmの膜厚を有するB2 O3 膜を形成し、次に,1100℃まで昇温して1時間保持し、B2 O3 膜の水分濃度を0.01wt%に調整した後、10℃/分で室温まで冷却した。得られたB2 O3 膜の膜厚のばらつきは、±5μm以下と極めて均一な膜が得られた。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。
【0051】
(実施例3)
実施例1と同じ形状のPBN製るつぼに、成長結晶より15mm高くB2 O3 粉末を充填して縦型加熱炉に入れて約400℃に加熱し、B2 O3 を約100μmの厚さでるつぼ表面に付着させた。
このるつぼを高温加熱炉に入れて乾燥アルゴンガスを流しながら、1100℃で30分加熱し、厚さ50±5μmで水分濃度0.01wt%に調整したB2 O3 膜を作製し、このるつぼを5℃/分の冷却速度で室温まで冷却した。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。
【0052】
(実施例4)
実施例1と同じ形状のPBN製るつぼの開口を下方に向けて蒸着装置内に固定し、直径20mm、厚さ15mmのタブレット状の窒化ホウ素を水冷ホルダーにセットした。そして、蒸着装置を真空にして密閉した後、電子ビームを上記の窒化ホウ素に照射して厚さ約60μmの窒化ホウ素膜をるつぼ表面に付着させた。その後、酸素ガスを流しながら1000℃で10時間熱処理し、厚さ50±5μmのB2 O3 膜を作製した。次に、乾燥窒素ガスを流しながら10℃/分の冷却速度で室温まで冷却した。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。
【0053】
(実施例5)
アセトンと窒化ホウ素粉末の混合液を、実施例1と同じ形状のPBN製るつぼ内面に流し込み、厚さ約25μmの密度の高い窒化ホウ素膜を形成した後、余った混合液を流し出した。さらに、その膜の上に、同じ溶液を噴霧器を用いて塗布し、厚さ約50μmの密度の低い窒化ホウ素膜を形成した。このるつぼを環状炉中で酸素50%及びアルゴン50%の混合ガスを1リットル/分で流しながら、1000℃で約2時間熱処理し、約50μmの膜厚を有するB2 O3 膜を作製した。膜厚のバラツキは±5μm以下と良好であった。このように作製した膜中のB2 O3 含有率は、膜表面で80wt%、膜がるつぼと接触する面では40wt%であった。
【0054】
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。また、B2 O3 を含有する膜の除去が容易であるため、膜除去の際のるつぼダメージが少なく、PBNるつぼの寿命が約2倍になった。
【0055】
(実施例6)
窒化ホウ素粉末とSiO2 粉末を重量比で1:3になるように混合し、アセトンと混合した溶液を、実施例1と同じ形状のPBN製るつぼ内面に噴霧器を用いて塗布し、厚さ約40μmの窒化ホウ素とSiO2 を含有する膜を作製した。さらに、その上から窒化ホウ素粉末とSiO2 粉末を重量比で6:4になるように混合し、アセトンと混合した溶液を噴霧器を用いて塗布し、環状炉中で酸素ガスを1リットル/分で流しながら、1000℃で5時間熱処理し、約50μmの膜厚を有するB2 O3 を含有する膜を作製した。膜厚のバラツキは±5μm以下と良好であった。このように作製した膜中のB2 O3 含有率は、膜表面で70wt%、膜がるつぼと接触する面では30wt%であった。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。また、B2 O3 を含有する膜の除去も容易であり、膜除去の際のダメージが少なくなり、PBNるつぼの寿命が約2倍になった。
【0056】
(実施例7)
酸化ホウ素粉末にAl2 O3 粉末を重量比で2:8になるように混合し、アセトンと混合した溶液を、実施例1と同じ形状のPBN製るつぼ内面に噴霧器を用いて塗布し、厚さ約40μmの酸化ホウ素とAl2 O3 を含有する膜を作製した。また、その上から酸化ホウ素粉末とAl2 O3 粉末を重量比で9:1なるように混合し、さらに、アセトンと混合した溶液を噴霧器を用いて塗布し、このるつぼを環状炉中で酸素ガスを1リットル/分で流しながら、1000℃で5時間熱処理し、約50μmの膜厚を有するB2 O3 膜を作製した。膜厚のバラツキは±5μm以下と良好であった。
【0057】
このように作製したB2 O3 を含有する膜中のB2 O3 含有率は、膜表面で90wt%、膜がるつぼと接触する面では20wt%であった。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープ型GaAs単結晶を成長した。20本の単結晶成長において、濡れによる多結晶の発生は全く認められなかった。また、B2 O3 を含有する膜の除去も容易であり、膜除去におけるダメージが少なくなり、PBNるつぼの寿命が約2倍になった。
【0058】
(比較例1)
実施例1と同じ形状のPBN製るつぼを、環状炉中で酸素ガスを1リットル/分で流しながら、1100℃で50時間熱処理を施すことによりるつぼ表面を酸化してB2 O3 膜を形成した。平均膜厚は50μmであったが、るつぼの下部は相当に厚く、最も厚い部分の膜厚は200μmとなり、上部は極端に薄く、膜厚はほとんど0μmであった。B2 O3 膜形成後、特に乾燥雰囲気に保持せずに、冷却速度2℃/分で室温まで冷却したので、B2 O3 膜の水分濃度は1wt%と高い値を示した。
このるつぼを用いて実施例1と同様にSiドープn型GaAs単結晶を成長したところ、B2 O3 膜の薄いるつぼの上部で濡れによる多結晶が発生し、20本の単結晶成長において、16本に多結晶が発生した。
【0059】
【発明の効果】
本発明は、上記の構成を採用することにより、次の効果を得た。
(1) るつぼ自身を酸化しないので、るつぼの寿命を長くすることができた。
(2) るつぼ表面に付着させたホウ素又はホウ素化合物の層は、組織が粗であるため、短時間で比較的低い温度でB2 O3 膜を形成することが可能になった。
【0060】
(3) るつぼ表面に付着させたホウ素又はホウ素化合物の層は、組織が粗であるため、酸化が内部まで容易に進行し、厚膜のB2 O3 膜の形成が容易になった。
(4) B2 O3 膜の形成が、酸素ガスの流れの状態に左右されることがなく、また、厚膜化のために高温にする必要がないので、均一なB2 O3 膜を容易に形成できるようになった。
(5) 酸素を含むホウ素化合物を用いてB2 O3 を含有する膜を形成する方法は、極めて短時間でかつ低温で膜形成ができる利点がある。
【0061】
(6) B2 O3 を含有する膜の、るつぼに接触する面のB2 O3 濃度を低下させることにより、B2 O3 の固着によるるつぼのダメージを低減でき、るつぼを長寿命化できる。
(7) B2 O3 を含有する膜の水分濃度を低下させることによって、温度上昇時の飛散を抑制し、安定した膜を形成できる。
(8) るつぼの長寿命化と、低温で短時間でB2 O3 膜形成ができるので、低コスト化が可能になった。
(9) 上記の均一なB2 O3 膜を備えたるつぼで化合物半導体単結晶を製造できるので、高い単結晶歩留りが得られるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法を実施するための結晶製造装置の概念図である。
【図2】図1で使用するるつぼ表面にホウ素又はホウ素化合物を含有する膜を形成した状態を示す拡大図である。
【図3】図2のるつぼ表面のホウ素又はホウ素化合物を含有する膜の酸化の状況を説明するための図である。
【図4】るつぼ表面のうち、B2 O3 を含有する膜を形成させない領域を遮蔽材で覆い、その他の表面のホウ素又はホウ素化合物を含有する層を酸化する状況を説明するための図である。
【図5】従来の結晶製造装置の概念図である。
Claims (10)
- 予めるつぼ表面にホウ素又はホウ素化合物を含有する層を形成し、該層を熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
- 予めるつぼ表面に、ホウ素又は酸素を含有しないホウ素化合物を含有する層を形成し、酸素ガス又は酸素含有混合ガス雰囲気下で熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
- 予めるつぼ表面に酸素含有ホウ素化合物を含有する層を形成し、熱処理することにより、少なくとも該層表面に酸化ホウ素を含有する層を形成した後、該るつぼに原料を充填して融液を形成し、該るつぼの一端より該融液を固化して結晶を成長することを特徴とする化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ表面に形成した層の表面の酸化ホウ素の濃度が30wt%以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ表面に形成した層のるつぼに接触する化ホウ素の濃度が70wt%以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ表面に形成した層のるつぼに接触する面の酸化ホウ素の濃度が該層の表面より低いことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ表面に形成した層の内部に、表面よりも密度の大きな層状部分を含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ表面に形成した層が、III 族元素、IV族元素、V族元素、III 族元素の化合物、IV族元素の化合物及び/又はV族元素の化合物を含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- るつぼ内面に前記酸化ホウ素を含有する層を形成した後、減圧又は乾燥ガス雰囲気で室温まで冷却することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の化合物半導体結晶の製造方法。
- 融液固化法で化合物半導体結晶を製造するためのるつぼにおいて、室温における水分濃度が0.5wt%以下の酸化ホウ素含有層をるつぼ内面に有することを特徴とする化合物半導体結晶製造用るつぼ。
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