JP5621870B2 - Iii族窒化物結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、III族窒化物結晶の製造方法に関するものである。
現在、紫〜青〜緑色光源として用いられているInGaAlN系(III族窒化物)デバイスは、そのほとんどがサファイアあるいはSiC基板上にMO−CVD法(有機金属化学気相成長法)やMBE法(分子線結晶成長法)等を用いた結晶成長により作製されている。サファイアやSiCを基板として用いる場合には、III族窒化物との熱膨張係数差や格子定数差が大きいことに起因する結晶欠陥が多くなる。このために、デバイス特性が悪く、例えば発光デバイスの寿命を長くすることが困難であったり、動作電力が大きくなったりするという問題がある。
さらに、サファイア基板の場合には絶縁性であるために、従来の発光デバイスのように基板側からの電極取り出しが不可能であり、結晶成長した窒化物半導体表面側からの電極取り出しが必要となる。その結果、デバイス面積が大きくなり、高コストにつながるという問題がある。また、サファイア基板上に作製したIII族窒化物半導体デバイスは劈開によるチップ分離が困難であり、レーザダイオード(LD)で必要とされる共振器端面を劈開で得ることが容易ではない。このため、現在はドライエッチングによる共振器端面形成や、あるいはサファイア基板を100μm以下の厚さまで研磨した後に、劈開に近い形での共振器端面形成を行なっている。この場合にも、従来のLDのような共振器端面とチップ分離を単一工程で、容易に行なうことが不可能であり、工程の複雑化ひいてはコスト高につながる。
この問題を解決するために、サファイア基板上にIII族窒化物半導体膜を選択横方向成長やその他の工夫を行なうことで、結晶欠陥を低減させることが提案されている。
例えば非特許文献1(以下、第1の従来技術と称す)には、図9に示すようなレーザダイオード(LD)が示されている。図9のレーザダイオードは、MO−VPE(有機金属気相成長)装置にてサファイア基板1上にGaN低温バッファ層2とGaN層3を順次成長した後に、選択成長用のSiOマスク4を形成する。このSiOマスク4は、別のCVD(化学気相堆積)装置にてSiO膜を堆積した後に、フォトリソグラフィー,エッチング工程を経て形成される。次に、このSiOマスク4上に再度、MO−VPE装置にて20μmの厚さのGaN膜3’を成長することで、横方向にGaNが選択成長し、選択横方向成長を行なわない場合に比較して結晶欠陥を低減させている。さらに、その上層に形成されている変調ドープ歪み超格子層(MD−SLS)5を導入することで、活性層6へ結晶欠陥が延びることを防いでいる。この結果、選択横方向成長および変調ドープ歪み超格子層を用いない場合に比較して、デバイス寿命を長くすることが可能となる。
この第1の従来技術の場合には、サファイア基板上にGaN膜を選択横方向成長しない場合に比べて、結晶欠陥を低減させることが可能となるが、サファイア基板を用いることによる、絶縁性と劈開に関する前述の問題は依然として残っている。さらには、SiOマスク形成工程を挟んで、MO−VPE装置による結晶成長が2回必要となり、工程が複雑化するという問題が新たに生じる。
また、別の方法として、例えば、非特許文献2 (以下、第2の従来技術と称す)には、GaN厚膜基板を応用することが提案されている。この第2の従来技術では、前述の第1の従来技術の20μmの選択横方向成長後に、H−VPE(ハイドライド気相成長)装置にて200μmのGaN厚膜を成長し、その後に、この厚膜成長したGaN膜を150μmの厚さになるように、サファイア基板側から研磨することにより、GaN基板を作製する。このGaN基板上にMO−VPE装置を用いて、LDデバイスとして必要な結晶成長を順次行ない、LDデバイスを作製する。この結果、結晶欠陥の問題に加えて、サファイア基板を用いることによる絶縁性と劈開に関する前述の問題点を解決することが可能となる。
しかしながら、第2の従来技術は、第1の従来技術よりもさらに工程が複雑になっており、より一層のコスト高となる。また、第2の従来技術の方法で200μmものGaN厚膜を成長させる場合には、基板であるサファイアとの格子定数差および熱膨張係数差に伴う応力が大きくなり、基板の反りやクラックが生じるという問題が新たに発生する。
この問題を回避するために、特許文献1では、厚膜成長する元の基板(サファイアとスピネル)の厚さを1mm以上とすることが提案されている。このように、厚さ1mm以上の基板を用いることにより、200μmの厚膜のGaN膜を成長させても、基板の反りやクラックを生じさせないようにしている。しかしながら、このように厚い基板は、基板自体のコストが高く、また研磨に多くの時間を費やす必要があり、研磨工程のコストアップにつながる。すなわち、厚い基板を用いる場合には、薄い基板を用いる場合に比べて、コストが高くなる。また、厚い基板を用いる場合には、厚膜のGaN膜を成長した後には基板の反りやクラックが生じないが、研磨の工程で応力緩和し、研磨途中で反りやクラックが発生する。このため、厚い基板を用いても容易に、結晶品質の高いGaN基板を大面積化で作製することはできない。
一方、非特許文献3 (以下、第3の従来技術と称す)には、GaNのバルク結晶を成長させ、それをホモエピタキシャル基板として用いることが提案されている。この技術は、1400〜1700℃の高温、および数10kbarもの超高圧の窒素圧力中で、液体GaからGaNを結晶成長させる手法となっている。この場合には、このバルク成長したGaN基板を用いて、デバイスに必要なIII族窒化物半導体膜を成長することが可能となる。従って、第1および第2の従来技術のように工程を複雑化させることなく、GaN基板を提供できる。
しかしながら、第3の従来技術では、高温,高圧中での結晶成長が必要となり、それに耐えうる反応容器が極めて高価になるという問題がある。加えて、このような成長方法をもってしても、得られる結晶の大きさは高々1cm程度であり、デバイスを実用化するには小さ過ぎるという問題がある。
この高温,高圧中でのGaN結晶成長の問題点を解決する手法として、非特許文献4 (以下、第4の従来技術と称す)には、Naをフラックスとして用いたGaN結晶成長方法が提案されている。この方法は、フラックスとしてのアジ化ナトリウム(NaN)と金属Gaとを原料として、ステンレス製の反応容器(容器内寸法;内径=7.5mm、長さ=100mm)に窒素雰囲気で封入し、その反応容器を600〜800℃の温度で24〜100時間保持することにより、GaN結晶を成長させるものである。この第4の従来技術の場合には、600〜800℃程度の比較的低温での結晶成長が可能であり、容器内圧力も高々100kg/cm程度と第3の従来技術に比較して圧力を低くできる点が特徴である。しかし、この方法の問題点としては、得られる結晶の大きさが1mmに満たない程度に小さい点である。この程度の大きさではデバイスを実用化するには第3の従来技術の場合と同様に小さすぎる。
本発明は、第1や第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させることなく、第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、かつ第3や第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、高性能の発光ダイオードやLD等のデバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶の製造方法を提供することを目的としている。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかるIII族窒化物結晶の製造方法は、大気圧よりも高い圧力を有する反応容器内で、少なくともIII族金属を含む融液とフラックスと窒素原料からIII族窒化物結晶を製造する製造方法において、前記III族窒化物の種結晶を前記反応容器内に配置する工程と、結晶成長中、前記窒素原料を前記反応容器の外部から供給する工程と、前記種結晶の中心から外側に向けてIII族窒化物結晶を成長させる工程と、を含む。
本発明によれば、従来技術よりも高品質かつ大きなサイズを有するIII族窒化物結晶を製造することができる。
本発明の一実施例に用いられる結晶成長装置を示す断面図である。 本発明の他の実施例に用いられる結晶成長装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に用いられるGaN結晶成長装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に用いられるGaN結晶成長装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に用いられるGaN結晶成長装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に用いられるGaN結晶成長装置の断面図である。 本発明の更に他の実施例に用いられるGaN結晶成長装置の断面図である。 図1、図2、図4、図5、図6、図7の結晶成長装置に用いられる種結晶および種結晶ホルダーの一例を示す図である。 従来のレーザダイオードを示す断面図である。
本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
本発明は、反応容器内で、少なくともIII族金属(例えば、Ga(ガリウム))を含む融液とフラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物(アジ化ナトリウムなど))と窒素原料とが接する領域から、種結晶(例えば、GaN結晶)を用いてIII族窒化物結晶(例えば、GaN結晶)を成長させることを特徴としている。
なお、ここで、フラックスは、III族金属を含む融液に予め溶け込ませておいても良いし、あるいは、気体の状態で結晶成長領域に供給しても良い。また、本発明において、窒素原料とは、窒素分子、原子状窒素、あるいは窒素を含む化合物から生成された窒素分子や原子状窒素のことである。
また、III族窒化物結晶を用いたデバイスは、光ディスク用青色光源や青色発光ダイオード、高温動作の高周波電子デバイス等に応用可能である。
図1は本発明に係る結晶成長装置の構成例を示す図である。図1を参照すると、反応容器101内には、少なくともIII族金属(例えば、Ga)を含む融液、より具体的には、例えば、III族金属(例えば、Ga(ガリウム))とフラックス(例えば、金属NaあるいはNaを含む化合物(アジ化ナトリウムなど))との混合融液102が収容されている。また、反応容器101には、結晶成長可能な温度に制御可能な加熱装置105が具備されている。
また、反応容器101内の気体と融液102との境界領域である気液界面113に接するように、種結晶(例えば、GaN結晶)103が種結晶保持手段としての種結晶ホルダー104により保持されている。この種結晶ホルダー104は、反応容器101の外部につながっており、外部から位置を変更できるようになっている。すなわち、種結晶ホルダー104は、種結晶103及び成長したIII族窒化物結晶を引き上げることが可能なように、外部からその位置を変更可能に構成されている。
また、図1において、反応容器101外には、フラックスの蒸気圧を制御するために、フラックス容器106及び加熱装置108が設けられている。フラックス容器106の内部には、フラックス(例えば、Na)107が収容されており、フラックス容器106と反応容器101との間は連結管110により接続されている。フラックス容器106内のフラックス107は、加熱装置108により所望のフラックス蒸気圧(Na圧力)に制御可能となっている。換言すれば、フラックスとしてNaを用いる場合に、このNaの蒸気圧を制御可能となっている。
すなわち、図1の結晶成長装置では、反応容器101内に存在しているNaとフラックス容器106から供給されるNaとにより、その蒸気圧が制御可能なように構成されている。核発生の制御性を向上させるために、フラックス容器106からのNa蒸気圧が支配的になるようにする場合も、この発明の適用範囲である。
一方、窒素原料(例えば窒素(N))は、窒素供給管111を通して、反応容器101外から反応容器101内に供給可能となっている。この際、反応容器101内の窒素圧力を調整するために、圧力調整機構112が設けられている。この圧力調整機構112は、例えば、圧力センサー及び圧力調整弁などにより構成されている。
すなわち、図1の結晶成長装置は、基本的に、反応容器101内で、少なくともIII族金属を含む融液102と、フラックスと、窒素原料とから、III族窒化物結晶を成長させるものであって、III族窒化物の種結晶103を保持する種結晶保持手段104と、フラックス蒸気圧を制御可能にフラックスを供給するフラックス供給手段(106,108,110)と、窒素圧力を制御可能に窒素原料を供給する窒素供給手段(111,112)とを具備しており、種結晶保持手段104を移動させることで、種結晶103と融液102と窒素原料とが接することができる領域を移動可能となっている。
このような構成の結晶成長装置では、結晶成長可能な成長温度,窒素圧力,Na圧力の条件下において、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶(例えばGaN結晶)が成長する。すなわち、反応容器101内において、少なくともIII族金属を含む融液102とフラックスとに種結晶103が接しており、融液102と窒素原料が反応し種結晶103を核にしてIII族窒化物が結晶成長する。ここで、種結晶ホルダー104を移動することで、種結晶103及びその周辺に成長したIII族窒化物結晶が移動し、更に大きなIII族窒化物結晶を成長させることが可能となる。すなわち、種結晶103と融液102及び窒素原料が接する領域が移動することで、結晶成長領域が移動し、III族窒化物結晶が成長し、大型化する。この時、III族窒化物結晶の成長は、気液界面113で主に起こる。
すなわち、III族金属であるGaが十分ある状態で、フラックスであるNaの蒸気圧と窒素原料である窒素(N)の蒸気圧が制御できることで、継続的なIII族窒化物結晶(GaN結晶)の成長が可能となり、III族窒化物結晶(GaN結晶)を所望の大きさに成長させることが可能となる。
図2は、図1の結晶成長装置の変形例を示す図である。なお、図2において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図2の結晶成長装置では、図1の結晶成長装置において、種結晶103と融液102とフラックスと窒素原料とが接する領域を限定する限定手段(例えば、カバー)114が設けられている。すなわち、図2の例では、反応容器101内の気体と融液102との境界領域である気液界面113は、種結晶103がある領域に限定されており、それ以外の領域は、限定手段としてのカバー114により、融液102と気体とが、接しないように空間的に分離されている。換言すれば、カバー114には、所定の大きさに制御可能な開口部115が設けられており、この開口部115だけを通して融液102が種結晶103と接することができるように構成されている。
すなわち、限定手段(カバー)114は、所定の大きさに制御可能な開口部115を有しており、限定手段114の開口部115は、種結晶103や種結晶から成長させた結晶に接しており、それ以外の領域は融液102を覆っている。この限定手段114の開口部115の大きさは、III族窒化物結晶が当接することで、その結晶が通ることが可能なように任意の形状に変化させることができる。
図3(a),(b)は、図2の結晶成長装置における限定手段(カバー)114の一例を示す図(上面図)である。なお、図3(a)は限定手段114の開口部115が閉じた状態を示す図である。限定手段114は、例えば、小さな扇形のセルで形成されており、結晶成長が進むに伴い外側(矢印Qの方向)に限定手段114の開口部115が適切な大きさに開くことが可能なように、セルが外側に移動する構造となっている。また、図3(b)はある大きさのIII族窒化物結晶(GaN結晶)150が得られた状態を示す図である。このように時間経過と共に結晶150のサイズが大きくなり、それに伴ない、限定手段114のセルが移動し、III族窒化物(GaN)結晶150のサイズに合わせた形状に限定手段114の開口部115が開く。この結果、III族窒化物結晶(GaN結晶)と、融液102と、III族原料である窒素とが接する領域は、III族窒化物結晶(GaN結晶)付近に限定され、この領域以外の不要な核発生や結晶成長を生じさせることなく、効率的に所望のIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させることが可能となる。
このように、図2の構成では、融液(例えば、III族金属とフラックスの混合融液)102と窒素原料(窒素)との接する領域が、カバー114により開口部115の部分の気液界面113に限定される。この際、カバー114の開口部115は、これを適切な大きさと材質のものとすることにより、図2に示すように、融液102を種結晶103の高さまで持ち上げることが可能となる。これにより、気液界面113を種結晶103の付近に限定することができ、この種結晶103の領域付近のみで成長させる結晶成長条件のマージンを大きくすることが可能となる。すなわち、その限定した領域以外での核発生や結晶成長を抑制し易くなる。
すなわち、図2の結晶成長装置では、限定手段(カバー)114は、種結晶103と融液102とフラックスと窒素原料とが接する領域を限定し、その領域以外では種結晶103と融液102とフラックスと窒素原料が接することができないようになっている。換言すれば、種結晶103と融液102とフラックスと窒素原料との全てが接する領域は、限定手段114の開口部115のみに限定されており、この領域付近のみでIII族窒化物の結晶成長が進む。それ以外の領域は、少なくともIII族金属を含む融液102と、フラックス及び窒素原料とは接しておらず、結晶成長は起こり難い。
図4は、図1の結晶成長装置の他の変形例を示す図である。なお、図4において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図4の結晶成長装置では、フラックス容器106と反応容器101との間を接続する連結管110は、種結晶ホルダー104の外側を覆うような形で反応容器101内に導入されており、連結管110の先端部117からフラックスが供給できるような形状になっている。すなわち、図4の結晶成長装置は、III族窒化物の種結晶103を保持している周辺からフラックスを供給する機能を有している。
このような構成の結晶成長装置では、フラックスが連結管110の先端部117のみから供給されることで、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶はこの領域で優先的に結晶成長が可能となる。すなわち、フラックスは種結晶103を保持している周辺から供給されるため、種結晶103とフラックス、融液102及び窒素原料が接する領域はここのみに限定される。この環境下で、種結晶ホルダー104を上方向に移動することで(種結晶ホルダー104を引き上げることで)、種結晶103が引き上げられ、種結晶103及びその周辺に成長したIII族窒化物結晶が上方向に移動し、更に大きなIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長することが可能となる。この時、III族窒化物結晶の成長は気液界面113で主に起こる。
このように、フラックスが連結管110の先端部117のみから供給されることで、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶はこの領域で優先的に結晶成長し、他の領域での核発生及び結晶成長を抑制することが可能となり、III族窒化物結晶(GaN結晶基板)の大型化のために結晶成長条件のマージンを大きくすることが可能となる。
また、図5は、図1の結晶成長装置の他の変形例を示す図である。なお、図5において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。図5の結晶成長装置では、反応容器101の内壁のうち、少なくともIII族金属を含む融液(例えば、III族金属とフラックスを含む混合融液)102が接する領域が、窒化物で形成されている。
すなわち、図5の結晶成長装置では、反応容器101の内部に、第2の反応容器120が設けられており、この第2の反応容器120が窒化物,例えばBN(窒化硼素)で形成されている。そして、この第2の反応容器120内には、少なくともIII族金属を含む融液(例えば、III族金属とフラックスを含む混合融液)102が収容されており、この融液102が接する領域は全て、第2の反応容器120のみである。第2の反応容器120の材質は、窒化物,例えばBNであるため、融液102への窒素以外の不純物混入が無く、高純度なIII族窒化物結晶(GaN結晶)を成長させることが可能となる。なお、この時も、III族窒化物結晶(GaN結晶)の成長は気液界面113で主に起こる。
なお、上述の例では、第2の反応容器120の材質をBNとしたが、これ以外にも、分解し難いSiNやTiN等の窒化物を用いることができる。また、図5の例は、図1の結晶成長装置に適用した場合となっているが、図2あるいは図4の結晶成長装置においても、反応容器101の内部に、窒化物,例えばBN(窒化硼素)で形成されている第2の反応容器120を設け、融液102が接する領域を全て、第2の反応容器120のみにすることができる。
また、図6は図1の結晶成長装置の他の変形例を示す図である。なお、図6において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
図6の結晶成長装置も、図1と同様に、反応容器101内の気体と融液102との境界領域である気液界面113に接するように、種結晶103が種結晶ホルダー104により保持されており、ここで、種結晶ホルダー104は、反応容器101の外部に位置する種結晶引き上げ機130に接続され、種結晶引き上げ機130によって外部から位置を変更できるようになっている。
このような構成の結晶成長装置では、結晶成長可能な成長温度,窒素圧力,Na圧力の条件下において、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶(GaN結晶)が成長する。ここで、種結晶ホルダー104を種結晶引き上げ機130により上方向に(矢印Rの方向に)移動させることで(種結晶103を融液102がある側とは反対の側である上方に移動させることで)、種結晶103の下方向にIII族窒化物結晶(GaN結晶)140を成長させることが可能となり(融液と窒素原料が接する領域にIII族窒化物140を結晶成長させることが可能となり)、結晶方位を制御した大型のIII族窒化物結晶基板(GaN基板)の成長が可能となる。
また、図7は図1の結晶成長装置の他の変形例を示す図である。なお、図7において図1と同様の箇所には同じ符号を付している。
図7の結晶成長装置も、反応容器101内の気体と融液102の境界領域である気液界面113に接するように、種結晶103が種結晶ホルダー104により保持されているが、ここで、種結晶ホルダー104は反応容器101の外部に位置する種結晶引き下げ機131に接続され、外部から位置を変更できるようになっている。
このような構成の結晶成長装置では、結晶成長可能な成長温度,窒素圧力,Na圧力の条件下において、種結晶103を核としてIII族窒化物結晶(GaN結晶)が成長する。ここで、種結晶ホルダー104を種結晶引き下げ機131により下方向(矢印Pの方向)に移動させることで(種結晶103をが融液102中に沈む方向に移動させることで)、種結晶103の上方向にIII族窒化物結晶(GaN結晶)141を成長させることが可能となり、結晶方位を制御した大型のIII族窒化物結晶基板(GaN基板)の成長が可能となる。この時、結晶成長が生じる気液界面113の上方向には、種結晶103やそれから派生したIII族窒化物結晶あるいは種結晶ホルダー104等が無い。従って、窒素やフラックス蒸気等の気体が気液界面113に接触することを遮るものが、気液界面113の上方向には無いために、気液界面113での結晶成長がスムーズに進み、結晶品質の高い、大型結晶が成長可能となる。
なお、上述例では、種結晶引き下げ機131を用いて種結晶103や種結晶ホルダー104を下方向に下げるようにしているが、これのかわりに、気液界面113を上げることで、種結晶113を相対的に下方向に移動させても良い。
また、図8は、図1,図2,図4,図5,図6,図7の結晶成長装置に用いられる種結晶103および種結晶ホルダー104の一例を示す図である。図8の例では、種結晶103は、板状のものとなっており、種結晶ホルダー104に保持されている。より詳細に、図8の例では、種結晶103は厚さdよりも、長さlや幅wの方が大きくなっている。このような形状の種結晶103を融液102中に浸らせた後に、結晶成長可能な条件で種結晶103を移動させることで、少なくとも種結晶103の幅wの大きさのIII族窒化物結晶を成長させることが可能となる。
すなわち、このような形状の種結晶103を用いて成長させたIII族窒化物結晶は、幅wが広い領域が多く、それを適切な大きさにカットすることで、結晶成長用基板として容易に応用が可能となる。図8の例では、板状の結晶を種結晶として用いているが、それ以外にも、その断面が矩形である棒状のもの等、幅方向に長く、結晶成長時に気液界面113に接することが可能なものであれば良い。
換言すれば、種結晶103の形状としては、気液界面113と概ね平行な面の一辺が長く、かつ結晶成長初期において、気液界面113と概ね平行な面が気液界面113に接しているか、もしくは種結晶103が融液102中に浸っている形状であれば良い。
以上のような結晶成長装置によってIII族窒化物結晶を成長させることができる。結晶成長方法の具体例として、III族金属としてGa、窒素原料として窒素ガス、フラックスとしてNaを用い、反応容器101及びフラックス容器106の温度を750℃とし、窒素圧力を100kg/cmGに一定にする。このような条件下で、GaN結晶が成長可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
この発明は、第1や第2の従来技術の問題点である工程を複雑化させることなく、第3の従来技術の問題点である高価な反応容器を用いることなく、かつ第3や第4の従来技術の問題点である結晶の大きさが小さくなることなく、光ディスク用光源や、高性能の発光ダイオードや、高温動作の高周波電子デバイス等のデバイスを作製するための実用的な大きさのIII族窒化物結晶またはIII族窒化物結晶基板に適用される。
101 反応容器、102 融液、103 種結晶、104 種結晶ホルダー、105 加熱装置、106 フラックス容器、107 フラックス、108 加熱装置、110 連結管、111 窒素供給管、112 圧力調整機構、113 気液界面、114 限定手段(カバー)、115 開口部、117 連結管の先端部、120 第2の反応容器、130 種結晶引き上げ機、140 III族窒化物結晶、131 種結晶引き下げ機、141 III族窒化物結晶、150 III族窒化物結晶
特開平10−256662号公報
Japanese Journal of Applied Physics Vol.36 (1997) Part 2, No.12A, L1568-1571. Applied Physics Letters, Vol.73,No.6, P832-834 (1998). Journal of Crystal Growth, Vol.189/190, p.153-158 (1998). Chemistry of Materials Vol.9 (1997) p.413-416.

Claims (3)

  1. 大気圧よりも高い圧力を有する反応容器内で、少なくともIII族金属を含む融液とフラックスと窒素原料からIII族窒化物結晶を製造するIII族窒化物結晶の製造方法において、
    前記III族窒化物の種結晶を前記反応容器内に配置する工程と、
    結晶成長中、前記窒素原料を前記反応容器の外部から供給する工程と、
    前記種結晶の中心から外側に向けてIII族窒化物結晶を成長させる工程と、
    を含むIII族窒化物結晶の製造方法。
  2. 前記種結晶の中心から外側に向けてIII族窒化物結晶を成長させる工程では、前記III族窒化物結晶は、少なくとも気液界面と概ね平行な方向に成長する、
    請求項1に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
  3. 前記種結晶は棒形状である、
    請求項1または2に記載のIII族窒化物結晶の製造方法。
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