JPH039173B2 - - Google Patents

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JPH039173B2
JPH039173B2 JP62083038A JP8303887A JPH039173B2 JP H039173 B2 JPH039173 B2 JP H039173B2 JP 62083038 A JP62083038 A JP 62083038A JP 8303887 A JP8303887 A JP 8303887A JP H039173 B2 JPH039173 B2 JP H039173B2
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indium
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purification
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Inventor
Hitoshi Habuka
Takehiko Futaki
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Handotai Co Ltd
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【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、例えば半導体光素子用の材料として
好適なインジウムリン(InP)、インジウムガリ
ウム砒素(InGaAs)、インジウムガリウム砒素
リン(InGaAsP)等の−族化合物半導体の
原料となるべき、インジウムの純化方法に係り、
特に複数の温度域で前記金属を加熱処理する事に
より該金属中に混入及び溶解している酸化物や不
純物等を効率よく除去する方法に関する。
「従来の技術」 近年、光伝送システムの長波長化に伴ない、
0.9〜1.6μm帯にバンドギヤツプを有するInP、
InGaAs、InGaAsP等の−族化合物半導体の
薄膜単結晶が注目されているが、この種の半導体
を用いて薄膜光素子を形成する場合、該薄膜層の
キヤリア密度を低下させる必要があり、その為に
は前記化合物半導体を構成するインジウム中に存
在する、インジウム酸化物や、イオウ及び珪素等
の残留不純物金属を極力除去して高純度化した
後、前記半導体を製造しなければならない。
又極めて抵抗値の高い半絶縁性のInP、
InGaAs、InGaAsP等のIn系薄膜は素子の基板材
料あるいは素子間を電気的に分離する素子分離用
薄膜として重要であり、この種の薄膜を高抵抗化
するには、鉄やニツケル等の遷移金属を薄膜中に
添加し、これら遷移金属の形成する深い準位を利
用する事が知られているが、この種の薄膜中に前
記酸化物や残留不純物金属が存在すると、前記薄
膜の高抵抗化を妨げ、所望の特性を得る事が出来
ない。
従つて前記のような−族化合物を製造する
場合には、その原料となるべきインジウムを高純
度に精製する技術を確立する事が極めて重要であ
る事は論を持たず、このような精製技術として、
従来においてはJ.A.Adamskiら(Journal of
Crystal Growth、64巻、1頁、1983年)等によ
り公知なように、前記不純物を含む金属インジウ
ムを、真空雰囲気中で800℃以上に加熱し、その
加熱温度を数時間以上一定に保持する事により前
記残留不純物の除去を行つていた。
「発明が解決しようとする問題点」 さて、精製前の市販の金属インジウム塊の表面
は空気中の酸素により酸化されて生じたインジウ
ム酸化物で覆われており、又金属インジウム塊中
には金属インジウム製造中にインジウム酸化物が
生成又は混入しており、このような酸化物は一般
に前記精製工程前において、塩酸、硝酸等の酸を
用いて洗浄する事により除去しているが、完全に
は取りきれず、また例え完全に取切れた場合でも
洗浄後前記精製を行なうまでの間に金属インジウ
ム塊表面が酸化されてしまうことが多く、この為
前記金属インジウム塊中に混入している酸化物に
ついては精製工程中に除去する事が必要とされ
る。
しかしながら前述の製製方法により精製された
金属インジウムは、精製後の金属インジウムの質
量分析により、或いは精製後の金属インジウムを
原料として製造された化合物半導体の電気特性よ
り、インジウム酸化物以外のイオウ及び珪素等の
残留不純物金属の除去に効果を有することが確認
されているが、前記金属インジウムの加熱溶解に
より該金属インジウム融液上に浮遊しているイン
ジウム酸化物量の減少はほとんどみられなかつ
た。
この為前記金属インジウム塊を、水素ガス等の
還元ガス雰囲気下で、800℃以上の温度に保持し
て精製を行う事により、インジウム酸化物の還元
除去とともに、残留不純物金属を除去せんとした
技術が提案されているが、かかる方法において
も、加熱溶解した金属インジウム融液面に上に多
量に存在するインジウム酸化物を完全に除去する
のは困難であるとともに、前記インジウム融液の
容器として用いられる石英るつぼが前記還元ガス
雰囲気下で反応し、該反応により容器より遊離し
たSi、SiOが金属インジウム融液中に混入してし
まうため残留不純物金属の除去効果が逆に低下す
るという問題を生じる。この為前記容器にカーボ
ン容器を用いようとする試みもなされているが、
尚金属インジウム融液面上に多量に存在するイン
ジウム酸化物の除去には効果がなかつた。
この為従来技術においては、インジウム酸化物
の残存を或る程度許容しつつ、該インジウム酸化
物の混入した金属インジウムを用いて化合物半導
体多結晶を製造し液体封止引き上げ法等により結
晶成長を行なつているが、前記インジウム酸化物
は不溶である為に、化合物半導体多結晶中にイン
ジウム酸化物が存在すると、該半導体の単結晶化
率が小さくなり、単結晶の大口径化に対応出来な
いという問題点があつた。
本発明は、かかる従来技術の欠点に鑑み、イオ
ウや珪素のような残留不純物金属とともにインジ
ウム酸化物を効率よく除去し得るインジウムの純
化方法を提供する事を目的とする。
「問題点を解決する為の手段」 先ず本発明に至つた解決手順を次に説明する。
インジウム酸化物は通常正3価の酸化インジウ
ム(In2O3)として存在し、このようなIn2O3は、
温度850℃以上で昇華するが、昇華の速度は小さ
く、更に本発明者の実験によれば、800℃付近よ
り高温ではIn2O3に一種の状態変化が生じ、昇華
の速度は極めて小さくなる事が判明した。
従つて「発明が解決しようとする問題点」の項
で説明した通り、残留不純物金属が除去可能な
850℃前後の温度では、前記金属インジウムから
たとえ長時間保持した場合でも前記In2O3をほと
んど除去し得ない。
一方、正1価の酸化インジウムIn2Oにおいて
は、正3価の酸化インジウム(In2O3)に比較し
て融点が低く且つ揮発性が富む事が知られてお
り、本発明者の実験によればIn2Oは真空中560〜
700℃の温度で昇華する事が確認されている。
尚、酸化インジウムには正2価の酸化インジウ
ム(InO)も考えられるが、これは分解して正1
価又は正3価の酸化物となる為に無視してよい。
そこで本発明は、第1の加熱温度域で、前記イ
ンジウム中に存在する正3価の前記インジウムの
酸化物を還元反応により正1価の酸化物に変成し
該酸化物を昇華或いは蒸発せしめた後、第2の加
熱温度域で、前記インジウム中に存在する残留不
純物元素を除去するようにした純化方法を提案す
る。
この場合前記第1の加熱温度域と第2の加熱温
度域での加熱温度は必ずしも一定である必要はな
く、変動させもよい。
又前記第1の温度域から第2の温度への移行は
必ずしも速やかに移行させる必要はなく、例えば
前記第1の温度域から第2の温度域に昇温させる
間に、第3の加熱温度域を設け、該温度域を短時
間保持させる事により、前記第1の温度域で除去
しきれなかつた微量酸化物を除去するようにして
もよく、又前記第1の加熱温度域で加熱溶融状態
にある前記インジウムを一旦冷却凝固させた後、
第2の加熱温度域まで昇温させるようにしてもよ
い。
又、前記第1及び第2の温度域での純化工程
は、真空雰囲気、不活性ガス雰囲気、又は前記各
温度域毎に夫々異なる雰囲気下で行うよう構成し
てもよいが、前記インジウム融液の貯溜容器に石
英ガラス製容器を用いた場合に、還元ガス雰囲気
で純化を行うと、前記容器が還元ガス雰囲気下で
反応し、該反応により容器より遊離したSi、SiO
が金属インジウム融液中に混入してしまうため残
留不純物金属の除去効果が低減する為に好ましく
はない。
尚、通常反応管として石英管が使用されるが、
かかる石英管を用いて還元ガス雰囲気で純化を行
つても、インジウム融液と接触する貯溜容器の場
合と異なり、インジウム融液中へのSi、SiOの混
入は軽微であり、実用上問題はない。
「作用」 本発明の作用をインジウムを例に採つて説明す
る。
金属インジウム塊中に存在する正3価の酸化イ
ンジウムは前述したように800℃付近より高温で
は一種の状態変化が生じる。
又本発明者の実験によれば、減圧下においてIn
とIn2O3の混合物から還元反応によりIn2Oが生成
−昇華することが確認され、その際の加熱温度の
範囲は、真空化においては565〜700℃の加熱温度
で昇華する。
そこで、本発明は、前記第1の温度域を真空中
700℃以下、そして下限温度域を真空下において
昇華の始まる400℃付近の温度に設定する。
尚、環元反応によりIn2Oが生成させる温度域
と昇華させる温度域はほとんど重複する為に、前
記還元反応と昇華工程は同時進行にて行われる。
かかる温度域での酸化インジウム除去効果は、
実験によれば、真空下において600℃において最
も効率がよく、肉眼では検出できないまでに、酸
化物を除去できる。尚、前記除去効果は、貯溜容
器中のインジウム融液の量にもよるが、昇温後少
なくとも1時間程度は保持する必要がある。
又長時間加熱した場合には400℃付近の温度か
ら効果が認められるが、400℃未満ではIn2Oはほ
とんど昇華しない事が確認された。
又700℃〜800℃温度域では、インジウム酸化物
が減少するも長時間加熱してもインジウム酸化物
が残存する。これは、上記の反応に並行して正3
価のインジウム酸化物の状態変化が生じるためと
考えられる。
従つて前記第1の温度域が700℃以上では、も
はやインジウム酸化物の除去効果は低減し、本発
明の目的を円滑に達成する事が出来ない。
又、温度700℃以下での十分な加熱の後に、700
℃以上の加熱温度、例えば700℃〜800℃(第3の
温度域)に昇温して10分間以上加熱する事によ
り、In2O3から生じたIn2Oのうち、金属インジウ
ム中に溶解していた微量のIn2Oを蒸発させるこ
とが出来一層効果的に前記酸化物の除去が可能と
なる。これは一旦生成したIn2Oは化学的に安定
で、In2O3からIn2Oの変成を完了すれば、更に高
温領域でインジウムの酸化物を効率よく昇華させ
る事が可能となる事を意味する。
又前記第1の温度域(及び第3の温度域)で酸
化物を除去した後、前記第2の温度域を700℃、
好ましくは800℃以上に設定する事により公知の
ようにインジウム酸化物以外のイオウ珪素等の残
留不純物金属を除去することができる。
但し、前記温度域が1100℃を越えると、金属イ
ンジウムの蒸発が顕著になり、損失が大きいので
現実的でない。尚、前記第2の温度域においても
金属インジウム中に溶解している微量のIn2Oの
蒸発が継続して行われる。
第1及び第2の温度域が共に同一の雰囲気で行
われる場合には、第1の温度領域に連続して第2
の温度領域へ直接移行させて特に第3の温度領域
を設ける必要はないが、特別に第1の温度領域で
還元性雰囲気を用い、第2の温度領域で不活性雰
囲気を用いる場合(この場合Siの汚染を防ぐ事が
出来る。)、或いはその他の理由で第2の温度領域
での処理の前にインジウム酸化物の除去を完全に
行う事が要請される場合、第1の温度領域に続い
て第1温度域と第2の温度域の間に位置する第3
の温度領域を設定し、インジウム精製処理の前工
程を行う事も合理的である。
「実施例」 第1図及び第2図は本発明の実施例に係る、金
属インジウム純化方法に使用される加熱炉で、か
かる加熱炉の装置構成を簡単に説明する。
第1図は真空雰囲気下で加熱を行う縦型加熱炉
で、金属インジウム貯溜用のるつぼ4を収納する
石英アンプル2を垂直に延設し、上端部に該アン
プル2内を排気するための真空引き口1を設ける
とともに、前記るつぼ4収容位置と対応するアン
プル2外周囲に電気炉3を囲繞して構成する。
一方、第2図は不活性ガス雰囲気下で加熱を行
う横型加熱炉で、外周囲に電気炉3を囲繞し、前
記るつぼ4を収納する石英管7は水平方向に延設
しており、該石英管7の一方の側からアルゴンガ
ス等の不活性ガスを流し、不活性ガス雰囲気下で
るつぼ4内に貯溜された金属インジウムを純化可
能に構成されている。
尚、るつぼ4としては石英ガラスや黒鉛製るつ
ぼに加えて、pBN、AINなどを材質とするるつ
ぼを使用することができる。
次にかかる加熱炉を用いた本発明の実施例を詳
細に説明する。
第1実施例 第1実施例は、第1図に示す縦型加熱炉を用い
て真空雰囲気下で金属インジウムの純化を行う実
施例で、先ず市販の金属インジウムの塊200gを
塩酸により洗浄した後、石英製のるつぼ4の中に
入れ、るつぼ4を石英アンプル2内に収納し、真
空引き口1に取り付け1×10-4Paの真空状態に
排気した後、電気炉3により金属インジウムを
200℃に昇温し融解させたころ、金属インジウム
融液5の液面に直径1〜1.5cmに灰白色のインジ
ウム酸化物6が集まり浮遊した。
次に、電気炉3を600℃に昇温して1時間加熱
したところ、インジウム酸化物6は、観察されな
くなつた。この間、石英アンプル2のうち真空引
き口1と電気炉3の部分に黒色のIn2Oの付着が
認められた。これは、金属インジウム融液面に浮
遊していたインジウム酸化物6が、除去されて石
英アンプル2に付着したことを示す。
次に、800℃に昇温したところ電気炉の温度が
800℃に到達して10分後から約30分間にわたり石
英アンプル2のうち真空引き口1と電気炉3の間
の部分に付着する黒色のIn2Oの量は急増したこ
とが認められた。これは、金属インジウム融液に
溶解していたインジウム酸化物が除去されたこと
を示す。
そして前記800℃の加熱温度を更に5時間保持
し、前記酸化物を除く残留不純物金属の除去を行
つた。
第2実施例 第2実施例は、第2図に示す横型加熱炉を用い
て不活性ガス下で金属インジウムの純化を行う実
施例で、前記実施例と同様に塩酸洗浄した金属イ
ンジウムの塊を入れたるつぼ4を石英管7内に収
納して、石英管7の一方より不活性ガスとしてア
ルゴンガスを流しながら、電気炉3により金属イ
ンジウムを200℃に常温し溶融させたところ、金
属インジウム融液5の液面に直径1.5〜2cmに灰
白色のインジウム酸化物6が集まり浮遊した。
次に、電気炉3を600℃に昇温して1時間加熱
したところ、インジウム酸化物6は、直径約0.5
cmに小さくなり、更に1時間加熱したところ、イ
ンジウム酸化物6は、観察されなくなつた。この
間、石英管7のうちアルゴンガスの下流側に黒色
のIn2Oの付着が認められた。In2Oが金属インジ
ウム融液面から気化し、アルゴンガスによつてガ
スの下流側に運ばれたと考えられる。
次に、800℃に昇温したところ電気炉の温度が
800℃に到達して10分後から約30分間にわたり石
英管7のうちアルゴンガスの下流側の部分の黒色
のIn2Oの付着量は急増したことが認められた。
これは、金属インジウム融液に溶解していたイ
ンジウム酸化物が除去されたことを示す。
そして前記実施例と同様に800℃の加熱温度を
更に5時間保持し、前記酸化物を除く残留不純物
金属の除去を行つた。
第3実施例 第3実施例は、第1の純化工程を前記縦型加熱
炉で、第2の純化工程を横型加熱炉を用いて金属
インジウムの純化を行う実施例で、前記実施例と
同様に塩酸洗浄した金属インジウムの塊を入れた
るつぼ4を石英アンプル2内に収納して、真空引
き口1に取り付け1×10-4Paの真空状態に排気
した後、電気炉3により金属インジウムを200℃
に昇温し溶融させたところ、金属インジウム溶液
5の液面に直径1〜1.5cmに灰白色のインジウム
酸化物6が集まり浮遊した。
次に、電気炉3を600℃に昇温して1時間加熱
したところ、インジウム酸化物6は、直径0.3〜
0.5cmに小さくなり、更に1時間加熱したところ、
インジウム酸化物6は、観察されなくなつた。こ
の間、前記第1実施例と同様に石英管2のうち真
空引き口1と電気炉3の間の部分に黒色のIn2O
の付着が認められた。
ここで、金属インジウムが凝固するまで冷却
し、るつぼ4を石英管7内に移し、石英管7の一
方より不活性ガスとしてアルゴンガスを流しなが
ら、電気炉3により金属インジウム800℃に昇
温したところ電気炉の温度800℃に到達して10分
後から約30分間にわたり前記第2実施例と同様に
石英管7のうちアルゴンガスの下流側の部分の黒
色のIn2Oの付着が観察された。そして前記800℃
の加熱温度を更に5時間保持し、前記酸化物を除
く残留不純物金属の除去を行つた。
第4実施例 第4実施例は、第1の純化工程を前記横型加熱
炉で、第2の純化工程を縦型加熱炉を用いて金属
インジウムの純化を行う実施例で、前記実施例と
同様に塩酸洗浄した金属インジウムの塊を入れた
るつぼ4を石英管7内に収納して、石英管7の一
方より不活性ガスとしてアルゴンガスを流しなが
ら、電気炉3により金属インジウムを200℃に昇
温し溶融させたところ、金属インジウム融液5の
液面に直径約2cmに灰白色のインジウム酸化物6
が集まり浮遊した。
次に、電気炉3を600℃に昇温して1時間加熱
したところ、インジウム酸化物6は、直径約0.5
cmに小さくなり、更に1時間加熱したところ、イ
ンジウム酸化物6は、観察されなくなつた。この
間前記第2実施例と同様に、石英管7のうちアル
ゴンガスの下流側に黒色のIn2Oの付着が認めら
れた。
ここで金属インジウムを凝固するまで冷却し、
るつぼ4を石英アンプル2内に移し、真空引き口
1に取り付け1×10-4Paの真空状態に排気した。
電気炉3により金属インジウムを800℃に昇温し
たところ、前記第1実施例と同様に電気炉の温度
が800℃に到達して10分後から約30分間にわたり、
石英アンプル2のうち真空引き口1と電気炉3の
間の部分に黒色のIn2Oの付着が観察された。そ
して前記800℃の加熱温度を更に5時間保持し、
前記酸化物を除く残留不純物金属の除去を行つ
た。
以上の各実施例により精製された金属インジウ
ムを発光分光分析法により分析したところイオ
ウ、珪素は検出されなかつた。また、前述した通
り、金属インジウム塊表面に付着及び内部に混入
していたインジウム酸化物も金属インジウム中か
ら除去されている。
尚、前記400℃以上700℃未満の第1の加熱温度
域、及び700℃以上1100℃以下の第2の加熱温度
域での加熱温度はいずれも一定である必要はな
く、例えば400℃以上700℃未満の温度範囲内で1
時間以上の時間にわたり徐々に昇温し続けること
等が可能である。同様に、700℃以上1100℃以下
の温度範囲内で例えば10分間以上の時間にわたり
昇温し続けること等が可能である。
第1比較例 尚、前記第1の温度域での効果を確認する為
に、第1実施例と同一条件下で、電気炉3により
金属インジウムを200℃に昇温融解させ、金属イ
ンジウム融液5の液面にインジウム酸化物6を浮
遊させた後、電気炉3を400℃に昇温して2時間
加熱したところ、インジウム酸化物6の減少変化
及び石英アンプル2のいずれの部分にも黒色の
In2Oの付着が認められず、そこで更に前記加熱
時間を6時間に延長しても同様に、金属インジウ
ム融液面に浮遊しているインジウム酸化物6に変
化が認められなかつた。
第2比較例 次に前記第2の温度域での効果を確認する為
に、第1実施例と同一条件下で、電気炉3により
金属インジウムを200℃に昇温融解させ、金属イ
ンジウム融液5の液面にインジウム酸化物6を浮
遊させた後、電気炉3を600℃に昇温して1時間
加熱し、金属インジウム融液面に浮遊していたイ
ンジウム酸化物6を除去し、次に、電気炉3を
1100℃に徐々に昇温したところ電気炉の温度が
1100℃に到達後、約10分経過したところでInの蒸
発が顕著になつたので、そこで加熱を打切つた。
「発明の効果」 以上記載の如く、請求項1に記載した発明によ
れば、イオウや珪素のような残留不純物金属とと
もに原料金属塊の表面に付着及び内部に混入して
いるインジウム酸化物を効率よく除去する事が出
来、この結果化合物半導体の単結晶化率の向上と
ともに、かかる半導体を用いて形成した薄膜光素
子のキヤリア密度の低下の阻害要因を排除出来る
とともに、鉄やニツケル等の遷移金属を薄膜中に
添加する事により形成される半絶縁性薄膜素子の
高抵抗化に寄与し得る。
又請求項5に記載の発明においては前記第1の
温度域から第2の温度域に昇温させる間に、第3
の加熱温度域を設け、該温度域を短時間保持させ
た為に、前記第1の温度域で除去しきれなかつた
微量酸化物を除去する事が容易になる。
特に本発明は第1の温度領域で還元性雰囲気を
用い、第2の温度領域で不活性雰囲気を用いる場
合、又第2の温度領域での処理の前にインジウム
酸化物の除去を完全に行う事が要請される場合、
第1の温度領域に続いて第3の温度領域を設定
し、インジウム精製処理の前工程を行う事により
請求項1記載に記載した発明の効果を一層円滑に
達成し得る。
等の種々の著効を有す。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図はいずれも本発明の実施例に
係る金属インジウム純化方法に用いられる装置の
概略断面図で、第1図は真空中で精製を行う場
合、第2図は不活性ガス中で精製を行う場合の装
置構成を示す。 1:真空引き、2:石英アンプル、3:電気
炉、4:るつぼ、5:金属インジウム融液、6:
インジウム酸化物、7:石英管、8:アルゴンガ
ス。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 化合物半導体等の原料となるべき、インジウ
    ムの純化方法において、略400℃から700℃の間で
    任意に設定した加熱温度域で所定時間保持する第
    1の加熱処理工程と、略700℃から1100℃の間で
    任意に設定した第2の加熱温度域で所定時間保持
    する第2の加熱処理工程とを有し、前記第1の処
    理工程でインジウム中に存在する正3価の前記イ
    ンジウムの酸化物を還元反応により正1価の酸化
    物に変成し該酸化物を昇華或いは蒸発せしめた後
    第2の処理工程に移行し、該第2の処理工程で前
    記インジウム中に存在する残留不純物元素を除去
    するようにした事を特徴とするインジウムの純化
    方法。 2 前記インジウム融液の貯溜容器に石英ガラス
    製容器を用いた場合に、前記純化が真空雰囲気又
    は不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とす
    る特許請求の範囲第1項記載のインジウムの純化
    方法。 3 前記インジウム融液の貯溜容器にカーボン系
    容器を用いた場合に、前記純化が真空雰囲気、不
    活性ガス雰囲気、又は還元ガス雰囲気中で行われ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第1項記載の
    インジウムの純化方法。 4 前記第1の温度域と第2の温度域下での前記
    純化工程が、夫々異なる雰囲気下で行われる特許
    請求の範囲第1項記載のインジウムの純化方法。 5 略400℃から700℃の間で任意に設定した加熱
    温度域で所定時間保持する第1の加熱処理工程
    と、略800℃から1100℃の間で任意に設定した第
    2の加熱温度域で所定時間保持する第2の加熱処
    理工程との間に、略700℃から800℃の間で任意に
    設定した第3の加熱温度域で所定時間保持する第
    3の加熱処理工程を設け、前記第1の処理工程で
    インジウム中に存在する正3価の前記インジウム
    の酸化物を還元反応により正1価の酸化物に変成
    し該酸化物を昇華或いは蒸発せしめ、次に第3の
    処理工程で前記第1の温度域で除去しきれなかつ
    た微量酸化物を除去するようにした後、第2の処
    理工程に移行し、該第2の処理工程で前記インジ
    ウム中に存在する残留不純物元素を除去するよう
    にした事を特徴とするインジウムの純化方法。 6 前記インジウム融液の貯溜容器に石英ガラス
    製容器を用いた場合に、前記純化が真空雰囲気又
    は不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とす
    る特許請求の範囲第5項記載のインジウムの純化
    方法。 7 前記インジウム融液の貯溜容器にカーボン系
    容器を用いた場合に、前記純化が真空雰囲気、不
    活性ガス雰囲気、又は還元ガス雰囲気中で行われ
    ることを特徴とする特許請求の範囲第5項記載の
    インジウムの純化方法。 8 前記第1の温度域と第2の温度域下での前記
    純化工程が、夫々異なる雰囲気下で行われる特許
    請求の範囲第5項記載のインジウムの純化方法。
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