JP3731225B2 - Ii−vi族またはiii−v族化合物単結晶の製造方法およびその製造用るつぼ - Google Patents

Ii−vi族またはiii−v族化合物単結晶の製造方法およびその製造用るつぼ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法に関するものであり、特に、発光ダイオード(LED)、レーザダイオード等の光電子分野や、トランジスタ等の電子分野に利用される、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
III−V族およびII−VI族化合物半導体単結晶としては、たとえば、ヒ化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム(InP)およびテルル化カドミウム(CdTe)等が挙げられる。
【0003】
これらの化合物半導体単結晶は、従来、水平ブリッジマン法(HB法)、液体封止引上げ法(LEC法)、垂直ブリッジマン法(VB法)および垂直温度勾配法(VGF法)等様々な工業的方法により製造されることが知られている。
【0004】
これらの方法のうち、たとえば、VB法による化合物半導体単結晶の製造は、以下のように行なわれる。
【0005】
一般に、VB法は、1以上の高温域および1以上の低温域を有する垂直炉を使用する。これらの領域は、約5〜20℃/cmの温度勾配を有する遷移域によって分けられた温度の比較的均一な高温域と、温度の比較的均一な低温域からなる炉の温度プロファイルを提供するように設計される。
【0006】
まず、II−VI族またはIII−V族化合物を含有するのに適した、垂直に配置したるつぼ(通常、pBNで構成される)が、密閉されたアンプル中に配置される。単結晶の成長は、るつぼ−アンプル集合体を不動に保持しながら、炉をゆっくりと上昇させることによって進行される。
【0007】
VB法による化合物半導体の製造は、るつぼの底部に単結晶の種結晶を配置するステップと、多結晶の物質をるつぼ中に入れるステップと、るつぼをアンプル中に配置した後アンプルを密封し、このるつぼ−アンプル集合体を上述の垂直に配置された炉の内側の台座に配置するステップと、多結晶の物質および単結晶の種結晶の上部をその融点以上に加熱するステップと、多結晶物質の溶融によって得られた融液の長さだけ炉を上方に動かして、固体の単結晶物質を生成するステップとを備えている。
【0008】
このように製造されたII−VI族またはIII−V族化合物半導体単結晶のインゴットは、次にるつぼから取出され、種々の電子または光電子用途のためのウエハへとスライスされる。
【0009】
このように構成されるVB法は、他の方法に比べて欠陥密度の低い良質の結晶を低コストで製造できる方法として、有望視されている。しかしながら、このVB法によっても、結晶欠陥の発生の問題は完全には解決されたとは言えない。
【0010】
すなわち、るつぼ等の容器と結晶との間の熱膨張率差などにより、接触部に熱応力が発生する結果、転位が生じ、この転位が集中することによって多結晶化が生じるという問題があった。
【0011】
この多結晶化を防止するためには、容器と結晶の相互作用を小さくするために、容器と結晶との接触面での摩擦係数を小さくすることが有効である。具体的には、容器と原料融液とを濡れにくくすること、または、潤滑剤を使用することが考えられる。
【0012】
従来、容器と原料融液との濡れ性を改善する方法としては、たとえば、容器の材質として石英を用いることが検討されている。この方法によれば、ボロンの汚染がなくなるという長所を有しているが、石英からなる容器の大型化が困難なことから、工業的製造に適さないという欠点を有していた。
【0013】
一方、潤滑剤を使用する方法としては、たとえば、液体の酸化ホウ素(B23 )を使用する方法が検討されている。なお、このB23 の使用は、溶融または結晶化したGaAs等の化合物から砒素(As)等の揮発性成分の分解および揮発を防止する作用も兼ね備えている。この方法によれば、容器と結晶との潤滑性が改善され、多結晶化の防止に効果がある。しかしながら、室温ではB23 が固体となるため、結晶とるつぼが固着し、パイロリティック・ボロン・ナイトライド(pBN)製るつぼの場合には、pBNが剥離してるつぼの寿命が低下してしまうという問題があった。
【0014】
また、たとえば、シリコン(Si)ドープGaAs単結晶の成長においては、GaAs融液とB23 の界面において、ドーパントのSiとB23 中のホウ素(B)との置換反応が起こるため、Siドープ量のばらつきが大きくなるとともに、B濃度が高くなってしまうという問題があった。
【0015】
そこで、特開平3−122097号公報(以下「先行技術」という)には、このような従来の多結晶化防止方法を改善する方法が開示されている。
【0016】
この先行技術は、B23 の代わりにるつぼの内側の面を粉末固体でコートすることを特徴とし、具体的には、固体の窒化ボロン(BN)を使用することを特徴としている。
【0017】
この先行技術によれば、液体のB23 を使用した場合のように結晶とるつぼとが固着することがないため、るつぼの長寿命化に効果がある。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、先行技術に開示された条件のみでは、BN粉末のるつぼへの付着力は十分なものではなく、BN粉末をるつぼ内面に均一に付着させることができないという問題があった。
【0019】
すなわち、この先行技術によれば、BN粉末の施与の方法として、たとえば粉末を乾燥した形でるつぼ内側表面に振りかける方法、または、たとえば水とアルコールとの混合物等からなるキャリア液体と粉末固体とのスラリーをるつぼの内側に施与した後、キャリア液体を蒸発させる方法がとられている。そのため、BN粉末のるつぼへの付着力が小さく、施与したBN粉末がるつぼから脱落してしまうという問題があった。
【0020】
図14は、先行技術によるGaAs単結晶の製造における、るつぼとGaAs融液との界面の状態を模式的に示す図である。
【0021】
図14を参照して、先行技術によれば、pBNるつぼ1表面にBN粉末3が施与されているが、一部においてBN粉末脱落部分Aが存在している。このような粉末脱落部分Aにおいては、るつぼ1とGaAs融液2との濡れが生じ、摩擦力が発生することにより多結晶化による結晶欠陥が発生するという問題があった。
【0022】
また、BN粒子3の粒径が大きい場合にも、GaAs融液2とBN粒子3との濡れが生じ、同様に結晶欠陥が発生してしまうという問題があった。
【0023】
この発明の目的は、上述の問題点を解決し、多結晶化を有効に防止することにより、結晶欠陥の少ないII−VI族またはIII−V族化合物単結晶を工業的に製造することができる方法を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、るつぼの内側の面を、多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップと、被覆されたるつぼ内に多結晶の化合物を配置するステップと、多結晶の化合物がその中に配置された被覆されたるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、加熱手段中に配置されたるつぼを加熱手段により加熱して、るつぼ中で多結晶の化合物を溶融するステップと、るつぼと溶融した化合物とを冷却して、単結晶の化合物を成長させるステップとを備えている。
【0025】
請求項2の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、垂直に配置したるつぼ中で多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、るつぼの内側の面を、多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップと、単結晶の化合物からなる種結晶をるつぼの底部に配置するステップと、るつぼの残部に多結晶の化合物を配置するステップと、種結晶と多結晶の化合物がその中に配置されたるつぼを、上部の高温域と下部の低温域とを作ることができる垂直に配置した炉の中に配置するステップと、炉の位置および上部の高温域の温度を調節することにより、るつぼ中で種結晶の一部を固体の状態に保ちながら多結晶の化合物を溶融するステップと、下部の低温域の温度を単結晶の化合物の融点未満に設定し、かつ、上部の高温域の温度を融点よりも高く設定することにより、固−液界面を作るステップと、下部の低温域および上部の高温域における温度設定を実質的に保持しながら、炉および固−液界面を上方に垂直に移動させることにより、単結晶の化合物を成長させるステップとを備えている。
【0026】
請求項3の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1または請求項2の発明において、るつぼの内側の面を粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップは、るつぼの内側の面に粉末固体とシラノール化合物とを含む混合液を施与するステップと、混合液が施与されたるつぼを真空加熱することにより、るつぼの内側の面上に粉末固体と酸化シリコンからなるガラス状物質とを含む被膜を形成するステップとを含んでいる。
【0027】
なお、るつぼの内側の面に粉末固体とシラノール化合物とを含む混合液を施与する方法としては、たとえば、るつぼ内面に混合液を液状態で塗付けしてもよいし、または、るつぼ内面に混合液を噴霧してもよい。
【0028】
また、るつぼの内側の面への混合液の施与は、二度以上の重ね塗付けにより行なわれることが好ましい。一度塗付けにより厚い被膜を形成しようとすると、膜にクラックが入ったり、膜がるつぼから剥離しやすくなってしまうからである。なお、重ね塗りの際には、1層目について一旦焼付けを行なってから、次の層を形成する必要がある。
【0029】
さらに、るつぼへの混合液施与後の真空加熱処理は、500℃以上の温度で1時間以上、より好ましくは、1000℃前後の温度で2〜3時間行なうことが好ましい。
【0030】
なお、真空加熱処理により、塗付けられた混合液中のシラノールは、加熱重合反応により酸化シリコン(SiO2 )に変化する。
【0031】
請求項4の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1または請求項2の発明において、ガラス状物質は、多結晶の化合物の融点よりも低い軟化点を有することを特徴としている。
【0032】
請求項5の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項4の発明において、ガラス状物質は三酸化二ホウ素(B23 )を含んでいる。
【0033】
請求項6の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項4の発明において、ガラス状物質は三酸化二ホウ素(B23 )と二酸化硅素(SiO2 )との混合物を含んでいる。
【0034】
請求項7の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜請求項6のいずれかの発明において、粉末固体は窒化ボロンを含んでいる。
【0035】
なお、この発明において、粉末固体としては、窒化ボロンの他にグラファイト等の潤滑性を有する物質を用いることもできる。
【0036】
請求項8の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項7の発明において、窒化ボロンの粒径は、平均粒径として0.05μm以上、10μm以下である。
【0037】
平均粒径が10μmより大きいと、濡れやすくなり、結晶欠陥が発生しやすくなるからである。
【0038】
なお、この明細書において、窒化ボロンの粒径は、図16に示すように、たとえば窒化ボロン(BN)の1次粒子10が集合して2次粒子20のようになっている場合であっても、1次粒子10の粒径として定義する。
【0039】
請求項9の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜請求項8のいずれかの発明において、被覆される前のるつぼの内側の面は、最大高さR max が10〜150μmであり、中心線平均粗さR a が3〜15μmである、表面粗さを有している。
【0041】
ここで、「最大高さRmax 」とは、断面曲線からその平均線の方向に評価長さLmの部分を抜取り、平均線に平行な2直線でその断面曲線を挟んだとき、この2直線の間隔を縦倍率の方向に測定した値をいう。
【0042】
なお、「断面曲線」とは、測定面の平均表面に直角な平面で測定面を切断したとき、その切り口に現れる輪郭をいう。また、「平均線」とは、断面曲線の抜取り部分において、被測定面の幾何学的形状を持つ直線で、かつその線から断面曲線までの偏差の自乗和が最小になるように設定した線をいう。
【0043】
また、「中心線平均粗さRa 」とは、粗さ曲線からその中心線の方向に、評価長さLmを抜取り、この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸とし、粗さ曲線をY(x)で表わしたとき、以下の式によって求められる値をいう。
【0044】
【数1】
Figure 0003731225
【0045】
なお、「粗さ曲線」とは、断面曲線から低周波成分を除去するような特性を持つ測定方法で求められた曲線をいう。また、「中心線」とは、粗さ曲線の平均線に平行な直線を引いたとき、この直線と粗さ曲線で囲まれる面積が、この直線の両側で等しくなる直線をいう。
【0046】
以上の表面粗さの指標は、いずれもJIS B0601−1976にしたがっている。
【0047】
このようなるつぼ内表面粗さを有することにより、被膜のるつぼへの付着力が向上する。
【0048】
請求項10の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項2の発明において、るつぼの底部に配置する前に、種結晶の外表面を粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップをさらに備えている。
【0049】
なお、被覆する方法は、るつぼ内面に被膜を形成する場合と同様に、粉末固体とシラノール化合物とを含む混合液を種結晶外表面に施与した後、真空加熱するとよい。ただし、真空加熱の際には、種結晶の分解劣化を防ぐため、500〜600℃程度の温度で行なうことが好ましい。このように種結晶外表面に被膜を形成することにより、種結晶をるつぼ底部に配置した際、るつぼと種結晶との間に隙間ができないため、隙間に浸入した原料融液がるつぼ壁面から固化して多結晶化するのが防止される。
【0050】
請求項11の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項10の発明において、るつぼの底部に種結晶を配置した後、るつぼと種結晶との隙間を、粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップをさらに備えている。
【0051】
なお、被覆する方法は、るつぼ内面に被膜を形成する場合と同様に、粉末固体とシラノール化合物とを含む混合液をるつぼと種結晶との隙間に施与した後、真空加熱するとよい。ただし、真空加熱の際には、種結晶の分解劣化を防ぐため、500〜600℃程度の温度で行なうことが好ましい。このように、るつぼと種結晶との隙間に被膜を形成することにより、種結晶をるつぼ底部に配置した際、るつぼと種結晶との間の隙間が完全に塞がれるため、隙間に浸入した原料融液が固化して多結晶化するのが防止される。
【0052】
請求項12の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜請求項11のいずれかの発明において、II−VI族またはIII−V族化合物は、ヒ化ガリウムを含んでいる。
【0053】
なお、本発明における化合物としては、ヒ化ガリウム(GaAs)の他、たとえばInP、GaP等のIII−V族化合物や、ZnSe、CdTe等のII−VI族化合物等も挙げられる。
【0054】
請求項13の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法は、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、るつぼの内側の面を、ガラス状物質からなるバインダを介して、多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体で被覆するステップと、被覆されたるつぼ内に多結晶の化合物を配置するステップと、多結晶の化合物がその中に配置された前記被覆されたるつぼを加熱手段中に配置するステップと、加熱手段中に配置されたるつぼを前記加熱手段により加熱して、るつぼ中で多結晶の化合物を溶融するステップと、るつぼと溶融した化合物とを冷却して単結晶の化合物を成長させるステップとを備えている。
【0055】
この発明によれば、るつぼの内側の面が、粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆されている。すなわち、請求項14の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造用るつぼは、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造するためのるつぼであって、そのるつぼの内側の面に被膜が形成されており、その被膜は、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる。また、請求項15の発明によるII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造用るつぼは、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造するためのるつぼであって、そのるつぼの内側の面に被膜が形成されており、その被膜は、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質のバインダとからなる。
【0056】
図13は、粉末固体3とガラス状物質13とからなる被膜により内面が被覆されたるつぼ1と、原料融液2との界面の状態を模式的に示す図である。
【0057】
図13を参照して、本発明によれば、各粉末固体3間に位置するガラス状物質13aおよび粉末固体3とるつぼ1との間に位置するガラス状物質13bが、バインダとして作用するため、被膜のるつぼへの高い付着力が得られる。そのため、従来のように、被膜がるつぼから剥離する恐れがない。その結果、粉末固体3は、潤滑剤としての効果を十分に発揮することができる。
【0058】
また、本発明によれば、粉末固体3は、その表面がガラス状物質13cにより被覆されている。SiO2 等のガラス状物質13は、BN等の粉末固体3よりGaAs融液等の原料融液2と濡れにくい。そのため、濡れによる結晶欠陥の発生を有効に防止することができる。
【0059】
【実施例】
図1は、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造工程の一例を示す図である。
【0060】
以下、図1に示す各工程についてそれぞれ説明する。
(1) 原料前処理工程
まず、ボート法で合成したGaAs多結晶からなる原料の面取りを行なった。これは、原料のエッジによってるつぼ内面に形成された被膜が剥離されるのを防止するためである。
【0061】
一方、GaAs単結晶からなる種結晶(シード)についても、多結晶原料と同様に面取りを行なった。これは、シードをるつぼ底部に挿入する際、るつぼ内面に形成された被膜が剥離されるのを防止するためのである。
【0062】
続いて、上述の処理を行なった多結晶原料およびシードについて、その表面の不純物を除去するためにエッチングを行なった。なお、エッチング条件は、以下に示すように通常の条件を用いた。
【0063】
▲1▼ エッチング条件例1(硫酸系エッチング液使用の場合)
エッチング液組成;硫酸:過酸化水素:水=3:1:1
エッチング液の温度;60℃
エッチング時間;多結晶原料については20分前後、シードについては1〜2分
▲2▼ エッチング条件例2(王水使用の場合)
エッチング液組成;硝酸:塩酸=1:3
エッチング液の温度;室温
エッチング時間;多結晶原料については20分前後、シードについては8分前後
(2) るつぼ前処理工程
(例1)
図2は、るつぼ前処理工程の一例を示す図である。
【0064】
以下、図2を参照して、るつぼ前処理工程について説明する。
(a) 混合液の作製
BN粉末として、平均粒径10μm以下のものを使用した。また、この粒子の酸素濃度は3%以下であった。なお、粒子の酸素濃度は、低い方がドーパントと反応しにくいためより好ましい。
【0065】
シラノール化合物としては、東京応化製OCDを用いた。このOCDは、シラノール化合物と溶剤とからなる液体である。
【0066】
今回の実験においては、無機系Type2(Si(OH)4 :5.9wt%含有,溶剤:酢酸エチル)と、有機系Type7(RnSi(OH)4-n ;Rはアルキル基を示す。:12wt%含有,溶剤:メタノール)の2種を使用した。Type2、Type7ともに、20wt%の濃度のものまで使用可能であった。
【0067】
このようなBN粒子およびシラノール化合物を用いて、以下のように混合液を混合した。
【0068】
▲1▼ 混合液を液状態で使用(液塗付け)する場合
【0069】
【表1】
Figure 0003731225
【0070】
▲2▼ 混合液を噴霧して使用(スプレー)する場合
【0071】
【表2】
Figure 0003731225
【0072】
表2に示すように、スプレーにより混合液を施与する場合には、アセトンを混合することが好ましい。
【0073】
このようにアセトンを混合する第1の理由は、スプレー塗付性の向上にある。OCDの溶剤である酢酸エチルまたはメタノールは揮発性が低いため、連続して塗付けすると液状になり、乾燥後割れたりまだらになりやすい。また、OCDは粘度が高いため、スプレー粒子が細かい霧になりにくく、均一な膜を形成することが難しい。そこで、このようにアセトンを混合することにより、揮発性がよく、液状になりにくいという効果が得られる。また、細かい霧状になるため、均一な膜が得られるという効果も得られる。
【0074】
さらに、アセトンを混合する第2の理由は、膜の内部歪み低減にある。
OCD比率が高いと、GaAs融液には濡れにくいが、膜が硬くなり、内部歪みが大きくなる。内部歪みの大きい膜は、割れたり、クラックが入ったりして剥離しやすい。そこで、このようにアセトンを混合することにより、OCD濃度が低くなるため、膜の内部歪みが小さくなり、クラックや剥離が起こりにくくなるという効果が得られる。
【0075】
なお、混合液において、BN粉末の粒子径およびアセトン混合比について検討を行なった結果を、以下の表3および表4に併せて示す。表3および表4において「欠陥」とは、転位または多結晶等の発生をいう。
【0076】
【表3】
Figure 0003731225
【0077】
【表4】
Figure 0003731225
【0078】
(b) るつぼへの混合液の施与
るつぼへの混合液の施与は、るつぼ内面に混合液を液状態で塗付け(液塗付け)するか、または、混合液を噴霧(スプレー)する方法により行なうことができる。
【0079】
図3は、混合液をスプレーしてるつぼに施与する状態を示す図である。
図3を参照して、pBNるつぼ1に噴霧器6を用いて混合液5をスプレー塗付けする際には、ハンドヒータ4により、るつぼを50〜150℃に加熱しながら行なうとよい。スプレー塗付けした混合液中の溶剤を早く乾燥させて、混合液が垂れ落ちるのを防ぐことができるからである。
【0080】
また、スプレー塗付けの際に、るつぼ上方の開口部1aからスプレーすると、噴霧液がるつぼ壁ではね返されるため、るつぼ下部のシード設置部1cおよびテーパ部1bに混合液5が付着しにくい。そこで、シード設置部1c側から吸引を行なうことにより、テーパ部1bおよびシード設置部1cへの混合液5の付着が改善される。
【0081】
図5は、本発明に用いられるるつぼの一例を示す断面図である。
図5を参照して、このるつぼ1は、その内部表面に細かい凹凸が形成されている。このようなるつぼを用いることにより、るつぼの内側の面に形成された被膜が剥離しにくくなるという効果が得られる。なお、表面凹凸の大きさとしては、たとえば、最大高さRmax が10〜150μmであり、中心線平均粗さRa が3〜15μmのものが用いられるとよい。
【0082】
さらに、るつぼ内面に混合液を施与する際には、一度に厚く塗付けると、被膜にクラックが入ったり、被膜が剥離しやすくなる。そこで、るつぼへの混合液の塗付けは、二度以上に分けて行なうことが好ましい。
【0083】
たとえば、一度の塗付けで好ましい膜の厚さは、液塗付けの場合は50〜500μmであり、一方、スプレーの場合は50〜1000μmである。したがって、二度塗付けを行なう際には、たとえば、表5に示すような4種類の塗付け方法が考えられる。
【0084】
【表5】
Figure 0003731225
【0085】
なお、二度以上の重ね塗付けを行なう際には、二度目の塗付けを行なう前に、一度目の塗付けによる膜に対して一旦1000℃程度の加熱処理を行なうことが好ましい。この加熱処理により、一度目の塗付けによる膜の強度が高くなり、その後に重ね塗付けをした際にも膜が割れることがないからである。
【0086】
(c) シードへの混合液の施与
シードへの混合液の施与は、シードを混合液中に浸漬(液付け)するか、または、混合液をシード外表面に噴霧(スプレー)する方法により行なうことができる。
【0087】
なお、液付けの場合は、たとえば表1に示す混合液混合例1の混合液の使用が好ましく、一方、スプレーの場合は、たとえば表2に示す混合液混合例2の使用が好ましい。
【0088】
このようにシードに被膜を形成するのは、以下のような理由による。
すなわち、シードとるつぼとの間にGaAs融液が浸入すると、シード側からではなく、るつぼ壁面側から融液が固化し、多結晶化する恐れがある。そこで、このようにシードに被膜を形成することにより、シードとるつぼとの間に隙間が生じるのを防ぎ、GaAs融液の浸入を防止することができるからである。
【0089】
図6は、シードを混合液中に浸漬してシードに混合液を施与する状態を示す図である。
【0090】
図6を参照して、シード7のうち、先端部7aを除く部分を混合液5中に浸漬し、るつぼ底部に設置する際には、この先端部7aから挿入するとよい。
【0091】
(d) るつぼおよびシードの真空加熱
無機系OCDは、真空中で加熱することにより、加熱重合反応により、Si(OH)4 から水が除去されて、SiO2 (石英ガラス)になる。
【0092】
一方、有機系OCDを真空中で加熱した場合には、SiO2 以外に、微量ながらグラファイトが残存する。このグラファイトはGaAs融液と濡れやすいため、濡れによる結晶欠陥(転位)の発生を引き起こす可能性がある。
【0093】
以下、表6に、るつぼおよびシードの好ましい真空加熱条件を示す。
【0094】
【表6】
Figure 0003731225
【0095】
なお、加熱温度は、500℃以上であればSiO2 の生成に問題はない。ただし、pBNるつぼは、たとえば1500℃程度の高温での加熱も可能であるが、GaAsシードは、GaAsの分解劣化を防ぐために、500〜600℃での加熱が適当であると考えられる。
【0096】
また、真空度については、SiO2 の生成に特に影響を及ぼすものではなく、水を除去することさえできれば、たとえば窒素(N2 )、アルゴン(Ar)等のガス気流中でもよいと考えられる。
【0097】
図4は、混合液を施与したるつぼを真空加熱する状態を示す図である。
図4を参照して、混合液5を施与したるつぼ1を石英容器8内に配置し、真空ポンプで石英容器8内を真空状態にしながら、外部からヒータ14により加熱を行なう。
【0098】
また、図7は、混合液を施与したシードを真空加熱する状態を示す図である。図7を参照して、混合液5を施与したシード7を、真空中でヒータ24により加熱処理する。
【0099】
このような真空加熱処理により、るつぼ内面とシード外表面には、BN粉末とSiO2 とからなる被膜が形成される。
【0100】
(e) シード取付け
上述のようにして外表面に被膜を形成したシードを、内面に被膜が形成されたるつぼ内に挿入し、るつぼ底部に配置する。
【0101】
このとき、シード先端部にエッジがあると、るつぼの内面に形成された被膜を剥離してしまうので、シードは面取りをした側からるつぼ内へ挿入することが好ましい。
【0102】
また、シード取付け後は、るつぼからシードが落ちないように、るつぼの底部にBNまたはpBN製のキャップまたは栓31を取付けるのが好ましい。
【0103】
(f) るつぼとシードの隙間充填
上述のようにシードをるつぼ底部に取付けた際には、るつぼとシードとの間に隙間ができることがある。この隙間にGaAs融液が浸入すると、その部分から固化が始まり、多結晶化する恐れがある。
【0104】
そこで、以下のように、るつぼとシードとの隙間を充填することが好ましい。まず、るつぼとシードとの隙間に、混合液を施与する。混合液の施与は、隙間に混合液をスポイトで滴下して充填するか、または、混合液を隙間に噴霧(スプレー)する方法により行なうことができる。スプレーによる場合は、施与後にシード上端面に付着した混合液を拭取ることが必要である。また、スプレー前に予め、混合液が付着しないようにシード上端面をマスキングしておいてもよい。
【0105】
なお、滴下充填の場合は、たとえば表1に示す混合液混合例1の混合液の使用が好ましく、一方、スプレーの場合は、たとえば表2に示す混合液混合例2の使用が好ましい。
【0106】
図8は、るつぼとシードとの隙間が充填された状態を示す断面図であり、図9は、図8のIX部分の部分拡大断面図である。
【0107】
図8および図9を参照して、被膜15がその内面に形成されたるつぼ1と、被膜75がその外表面に形成されたシード7との隙間9に、混合液5が充填されている。
【0108】
(g) 真空加熱
次に、充填した混合液を加熱重合させるため、真空加熱処理を行なう。真空加熱条件の一例としては、シードにダメージを与えない温度である500〜600℃の温度で2〜3時間の加熱を、真空度10-6〜10-8Torrの雰囲気下で行なうとよい。
【0109】
このような真空加熱処理により、るつぼとシードとの隙間には、BN粉末とSiO2 とからなる被膜が形成される。
【0110】
(例2)
上述の例1においては、るつぼ内面およびシード外表面を被覆する被膜が、粉末固体としてのBNと、ガラス状物質としてのSiO2 のみとからなる場合について説明したが、ガラス状物質としてSiO2 のみを使用した場合には、GaAsの融点において軟化しない。
【0111】
しかしながら、たとえば、ガラス状物質として、▲1▼B23 または▲2▼B23 とSiO2 との混合物を使用した場合には、GaAsの融点において軟化が生じる。その結果、バインダとしてのガラス状物質が潤滑剤としてのBN粒子の動きを阻害することがないため、本発明におけるBN粉末粒子の潤滑剤としての効果を、さらに高めることができる。
【0112】
そこで、以下、ガラス状物質として▲1▼B23 または▲2▼B23 とSiO2 との混合物を使用した場合について、被膜の形成方法およびその効果について説明する。
【0113】
▲1▼ ガラス状物質としてB23 を使用した場合
(a) 被膜の形成方法
(方法1)
まず、るつぼの内側の面に、BN粉末を施与する。次に、このようにBN粉末が施与されたるつぼを、酸素(O2 )ガス、またはO2 混合ガス雰囲気下で、900℃〜1200℃の温度で加熱する。すると、BN粉末の表面が、下記に示す式(1)の反応に従い酸化される。
【0114】
4BN+3O2 →2B23 +2N2 … (1)
その結果、るつぼの内側の面に、BN粉末とB23 とからなる被膜が形成される。
【0115】
(方法2)
まず、BN粉末とホウ酸(H3 BO3 )粉末とを混合した後、さらに、水またはアルコール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面またはシードの外表面に塗布する。続いて、このように混合液が塗布されたるつぼを、窒素(N2 )ガス、アルゴン(Ar)ガスまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が塗布されたシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
【0116】
その結果、るつぼの内側の面またはシードの外表面に、BN粉末粒子とB23 とからなる被膜が形成される。
【0117】
(方法3)
まず、BN粉末と酸化ホウ素(B23 )粉末とを混合した後、さらに、水またはアルコール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。なお、混合液作製の際には、B23 粉末を予め水またはアルコール等の溶媒に溶かした後、さらにBN粉末と混合してもよい。
【0118】
次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面またはシードの外表面に塗布する。続いて、このように混合液が塗布されたるつぼを、N2 ガス、ArガスまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が塗布されたシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
【0119】
その結果、るつぼの内側の面またはシードの外表面に、BN粉末粒子とB23 とからなる被膜が形成される。
【0120】
(b) 効果
ガラス状物質としてSiO2 を使用する場合と比較して、Siが原料融液中へ混入する恐れが全くないため、特に、半絶縁性結晶の製造において有効である。
【0121】
▲2▼ ガラス状物質としてB23 とSiO2 との混合物を使用した場合
(a) 被膜の形成方法
(方法1)
まず、BN粉末とシラノール化合物とを混合して、混合液を作製する。シラノール化合物としては、たとえば、前述のOCDを用いることができる。次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面に施与する。続いて、混合液が施与されたるつぼに、酸化処理を施す。この酸化処理により、混合液中のBN粉末が酸化されて、一部がB23 に変化し、また、シラノールは酸化シリコン(SiO2 )に変化する。
【0122】
その結果、るつぼの内側の面に、BN粒子と、B23 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形成される。
【0123】
(方法2)
まず、BN粉末とB23 粉末とシラノール化合物とを混合して、混合液を作製する。シラノール化合物としては、たとえば、前述のOCDを用いることができる。また、B23 粉末の代わりに、ホウ酸(H3 BO3 )粉末を用いてもよい。
【0124】
次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面またはシードの外表面に施与する。続いて、混合液が施与されたるつぼを、窒素(N2 )ガス、アルゴン(Ar)ガスまたは酸素(O2 )ガス雰囲気下で、300℃〜1200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が施与されたシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
【0125】
その結果、るつぼの内側の面またはシードの外表面に、BN粒子と、B23 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形成される。
【0126】
(方法3)
まず、BN粉末とSiO2 粉末とB23 粉末とを混合した後、さらに、水、アルコール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。なお、B23 粉末の代わりに、ホウ酸(H3 BO3 )粉末を用いてもよい。
【0127】
次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面またはシードの外表面に塗布する。続いて、混合液が塗布されたるつぼを、N2 ガス、ArガスまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が塗布されたシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
【0128】
その結果、るつぼの内側の面またはシードの外表面に、BN粒子と、B23 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形成される。
【0129】
(方法4)
まず、BN粉末とSiO2 粉末とを混合した後、さらに、水、アルコール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。次に、このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面に塗布する。続いて、混合液が塗布されたるつぼに、酸化処理を施す。
【0130】
その結果、るつぼの内側の面に、BN粒子と、B23 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形成される。
【0131】
(b) 効果
被膜中のガラス状物質としては、B23 のみを用いても、十分にバインダとしての効果が得られるが、B23 は、以下に示すような吸湿による影響を受けやすい物質である。
【0132】
すなわち、B23 は、吸湿によってホウ酸(H3 BO3 )に変化し、このH3 BO3 は、粘着力がなく、加熱により飛散してしまうという性質を有する。
【0133】
したがって、B23 がH3 BO3 に変化してしまった場合には、被膜の付着力が低下し、原料融解までの加熱により飛散してしまうために、被膜中のバインダとしてのガラス状物質が欠乏するとともに、被膜が剥離してしまう。その結果、ツインまたはマイクロツインの発生、もしくは多結晶化といった、結晶欠陥が発生する恐れがある。
【0134】
そこで、ガラス状物質として、B23 にSiO2 を添加した混合物を用いることにより、上述した懸念がなくなる。
【0135】
たとえば、GaAs単結晶の製造においては、添加するSiO2 濃度は、0.1mol%〜80mol%が好ましい。B23 の軟化点は300℃〜350℃であり、SiO2 の軟化点は1500℃前後であることから、SiO2 濃度が80mol%より大きくなると、B23 とSiO2 との混合物の軟化点がGaAsの軟化点以上となってしまうからである。一方、SiO2 の濃度が0.1mol%より小さいと、B23 が吸湿による影響を受けてしまうからである。
【0136】
また、添加するSiO2 濃度は、好ましくは1mol%〜70mol%、さらに好ましくは5mol%〜60mol%であるとよい。
【0137】
また、GaAsより融点の高いGaP単結晶の製造においては、添加するSiO2 濃度は、0.1mol%〜90mol%、好ましくは1mol%〜80mol%、さらに好ましくは5mol%〜70mol%であるとよい。
【0138】
さらに、GaAsより融点の低いInP単結晶の製造においては、添加するSiO2 濃度は、0.1mol%〜65mol%、好ましくは1mol%〜55mol%、さらに好ましくは5mol%〜45mol%であるとよい。
【0139】
以下、ガラス状物質として、B23 とSiO2 との混合物を用いるメリットについて、SiO2 濃度が低い場合と高い場合に分けて説明する。
【0140】
23 とSiO2 との混合物において、SiO2 濃度が低いとき、すなわち、B23 濃度が高いときには、Siによる汚染が少ないため、半絶縁性結晶の製造の際に適用するのが好ましい。
【0141】
一方、B23 とSiO2 との混合物において、SiO2 濃度が高いとき、すなわち、B23 濃度が低いときには、ドーパントのSiとB23 中のホウ素(B)との置換反応が起こりにくいため、ドーパントのSiの濃度低下や、ホウ素(B)による汚染が少ない。そのため、Siドープ結晶の製造の際に適用するのが好ましい。また、SiO2 濃度が高くなると、B23 の吸湿によるホウ酸(H3 BO3 )への変化がより効果的に防止されるため、バインダとしての効果が十分に発揮されて被膜の付着力が向上するとともに、加熱時にH3 BO3 が飛散して被膜中のバインダとしてのガラス状物質が欠乏してしまうこともなくなる。
【0142】
(3) 原料チャージ
上述の前処理を行なったpBN製るつぼ内に、ボート法(HB法)で合成したGaAs多結晶原料5kgをチャージした。また、ドーパントとしては、高純度シリコン(Si)ウエハ110mgを使用した。
【0143】
なお、石英アンプル内を平衡蒸気圧(1atm)に保つため、GaAs多結晶原料とともに、高純度砒素(As)1gをるつぼ内に添加することが好ましい。
【0144】
(4) 真空封入
図10は、石英アンプル封入の状態を示す断面図である。
【0145】
上述のように多結晶原料12をチャージしたるつぼ1を石英アンプル50内に配置し、石英キャップ51をして、真空に引きながらバーナ52を用いて真空封入した。
【0146】
なお、るつぼ1内には、GaAs多結晶原料12と、多結晶原料12で作った窪みに収容されたドーパントとしてのSiウエハ22とがチャージされている。
【0147】
(5) 結晶成長
GaAs結晶成長は、通常の条件により行なった。
【0148】
なお、VB法は、ヒータの上昇またはアンプルの降下により、種結晶側から温度を低下させて単結晶を成長させる方法である。一方、VGF法は、ヒータとアンプルの位置関係は固定し、ヒータの温度プロファイルを変化させることにより種結晶側から温度を低下させて単結晶を成長させる方法である。
【0149】
以下に、VB法による成長条件の一例について説明する。
なお、使用したるつぼおよび石英アンプルのサイズは、それぞれ図11および図12に示すとおりであった。
【0150】
まず、昇温速度3〜5℃/分でヒータ温度を上昇またはアンプルを高温側へ移動し、多結晶原料を融解した。続いて、ヒータ温度を昇温速度5〜10℃/時で上昇させて、種結晶の一部を融解してシーディングを行なった。
【0151】
次に、以下のような条件でVB成長を行なった。
高温度帯の温度:1245〜1265℃
低温度帯の温度:1000〜1150℃
温度勾配:5〜10℃/cm
ヒータ移動速度:2〜7mm/時
ヒータ移動距離:300mm前後
VB成長後、ヒータの移動を停止した後、5〜180℃/時で冷却を行なった。
【0152】
冷却は、たとえば成長終了時の温度から室温まで180℃/時の速度で行なうことができる。また、結晶欠陥の発生を抑制するために、成長終了時の温度から1000℃まで10℃/時の速度で、1000℃から800℃まで30℃/時の速度で、800℃から600℃まで50℃/時の速度で、さらに600℃から室温まで100℃/時の速度で、冷却を行なうこともできる。
【0153】
なお、このようにして成長した結晶の特性を、表7に示す。
【0154】
【表7】
Figure 0003731225
【0155】
なお、表7中における肩部、ミドル部およびテール部は、図15に示すとおりである。
【0156】
(6) アンプル割出し
結晶成長後、アンプルを割り、GaAs単結晶を取出した。
【0157】
以上説明した本願発明の実施例による効果について、従来技術と比較した結果を、表8に示す。なお、表8において、従来例とは液体の酸化ホウ素(B23 )を使用した場合を示し、先行技術とは固体の窒化ボロン(BN)を使用した場合を示している。
【0158】
【表8】
Figure 0003731225
【0159】
【発明の効果】
以上説明したように、本願発明によれば、被膜の付着力の向上および濡れ性の改善により、多結晶化が有効に防止され、結晶欠陥の少ないII−VI族またはIII−V族化合物単結晶を製造することができる。
【0160】
また、SiドープGaAs単結晶の成長においても、ドーパントのSiとBNまたはBN中に含有されるB23 との置換反応がほとんど起こらないため、Siドープ量のばらつきが小さくなるとともに、B濃度も低くなるという効果が得られる。
【0161】
また、本発明によれば、るつぼの内側の面に形成された被膜にガラス状物質が含まれており、被膜がるつぼから剥離することがないため、均一な被膜を形成することができる。そのため、大型化への対応も容易となり、工業的規模での製造の際に特に効果的である。
【0162】
さらに、本発明によれば、被膜の形成によってもるつぼ内面を傷つけることがないため、るつぼ寿命が低下するという問題もない。その結果、低コストでの製造が可能となるという効果も得られる。
【0163】
【図面の簡単な説明】
【図1】II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造工程の一例を示す図である。
【図2】本発明によるるつぼ前処理工程の一例を示す図である。
【図3】本発明により混合液をスプレーしてるつぼに施与する状態を示す図である。
【図4】本発明により混合液を施与したるつぼを真空加熱する状態を示す図である。
【図5】本発明に用いられるるつぼの一例を示す断面図である。
【図6】本発明によりシードを混合液中に浸漬してシードに混合液を施与する状態を示す図である。
【図7】本発明により混合液を施与したシードを真空加熱する状態を示す図である。
【図8】本発明によりるつぼとシードとの隙間が充填された状態を示す断面図である。
【図9】図8のIX部分の部分拡大断面図である。
【図10】石英アンプル封入の状態を示す断面図である。
【図11】本発明の実施例において使用したるつぼのサイズを示す図である。
【図12】本発明の実施例において使用した石英アンプルのサイズを示す図である。
【図13】本発明により粉末固体とガラス状物質とからなる被膜により内面が被覆されたるつぼと原料融液との界面の状態を模式的に示す図である。
【図14】先行技術によるGaAs単結晶の製造における、るつぼとGaAs融液との界面の状態を模式的に示す図である。
【図15】本発明の実施例により成長した結晶を示す断面図である。
【図16】BN粒子の粒子径を説明するための図である。
【符号の説明】
1 pBNるつぼ
1a 開口部
1b テーパ部
1c シード設置部
2 GaAs融液
3 BN粉末
5 混合液
6 噴霧器
7 シード
8 石英容器
9 隙間
12 GaAs多結晶原料
13,13a,13b,13c ガラス状物質
15,75 被膜
50 石英アンプル
51 石英キャップ
なお、各図中、同一符号は同一または相当部分を示す。

Claims (15)

  1. 多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、
    るつぼの内側の面を、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップと、
    前記被覆されたるつぼ内に、前記多結晶の化合物を配置するステップと、
    前記多結晶の化合物がその中に配置された前記被覆されたるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、
    前記加熱手段中に配置されたるつぼを前記加熱手段により加熱して、前記るつぼ中で前記多結晶の化合物を溶融するステップと、
    前記るつぼと前記溶融した化合物とを冷却して、単結晶の化合物を成長させるステップとを備える、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  2. 垂直に配置したるつぼ中で、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、
    前記るつぼの内側の面を、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップと、
    単結晶の前記化合物からなる種結晶を、前記るつぼの底部に配置するステップと、
    前記るつぼの残部に、多結晶の前記化合物を配置するステップと、
    前記種結晶と前記多結晶の化合物がその中に配置されたるつぼを、上部の高温域と下部の低温域とを作ることができる垂直に配置した炉の中に配置するステップと、
    前記炉の位置および前記上部の高温域の温度を調節することにより、前記るつぼ中で前記種結晶の一部を固体の状態に保ちながら前記多結晶の化合物を溶融するステップと、
    前記下部の低温域の温度を単結晶の前記化合物の融点未満に設定し、かつ、前記上部の高温域の温度を前記融点よりも高く設定することにより、固−液界面を作るステップと、
    前記下部の低温域および前記上部の高温域における前記温度設定を実質的に保持しながら、前記炉および前記固−液界面を上方に垂直に移動させることにより、単結晶の前記化合物を成長させるステップとを備える、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  3. 前記るつぼの内側の面を粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップは、
    前記るつぼの内側の面に、前記粉末固体とシラノール化合物とを含む混合液を施与するステップと、
    前記混合液が施与されたるつぼを真空加熱することにより、前記るつぼの内側の面上に前記粉末固体と酸化シリコンからなるガラス状物質とを含む被膜を形成するステップとを備える、請求項1または請求項2記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  4. 前記ガラス状物質は、前記多結晶の化合物の融点よりも低い軟化点を有することを特徴とする、請求項1または請求項2記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  5. 前記ガラス状物質は、Bを含む、請求項4記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  6. 前記ガラス状物質は、BとSiOとの混合物を含む、請求項4記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  7. 前記粉末固体は、窒化ボロンを含む、請求項1〜請求項6のいずれかに記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  8. 前記窒化ボロンの粒径は、平均粒径として0.05μm以上、10μm以下である、請求項7記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  9. 前記被覆される前の前記るつぼの内側の面は、最大高さR max が10〜150μmであり、中心線平均粗さR が3〜15μmである、表面粗さを有している、請求項1〜請求項8のいずれかに記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  10. 前記るつぼの底部に配置する前に、前記種結晶の外表面を粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップをさらに備える、請求項2記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  11. 前記るつぼの底部に前記種結晶を配置した後、前記るつぼと前記種結晶との隙間を、粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップをさらに備える、請求項10記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  12. 前記II−VI族またはIII−V族化合物は、ヒ化ガリウムを含む、請求項1〜請求項11のいずれかに記載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  13. 多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であって、
    るつぼの内側の面を、ガラス状物質からなるバインダを介して、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体で被覆するステップと、
    前記被覆されたるつぼ内に、前記多結晶の化合物を配置するステップと、
    前記多結晶の化合物がその中に配置された前記被覆されたるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、
    前記加熱手段中に配置されたるつぼを前記加熱手段により加熱して、前記るつぼ中で前記多結晶の化合物を溶融するステップと、
    前記るつぼと前記溶融した化合物とを冷却して、単結晶の化合物を成長させるステップとを備える、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
  14. 多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造するためのるつぼであって、
    前記るつぼは、その内側の面に被膜が形成されており、
    前記被膜は、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造用るつぼ。
  15. 多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を製造するためのるつぼであって、
    前記るつぼは、その内側の面に被膜が形成されており、
    前記被膜は、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質のバインダとからなる、II−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造用るつぼ。
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