JPH0948691A - Ii−vi族またはiii−v族化合物単結晶の製造方法 - Google Patents
Ii−vi族またはiii−v族化合物単結晶の製造方法Info
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- JPH0948691A JPH0948691A JP23304795A JP23304795A JPH0948691A JP H0948691 A JPH0948691 A JP H0948691A JP 23304795 A JP23304795 A JP 23304795A JP 23304795 A JP23304795 A JP 23304795A JP H0948691 A JPH0948691 A JP H0948691A
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Abstract
陥の少ないII−VI族またはIII−V族化合物単結
晶を工業的に製造することができる方法を提供する。 【解決手段】 多結晶のII−VI族またはIII−V
族化合物から単結晶のII−VI族またはIII−V族
化合物を製造する方法であって、るつぼの内側の面を粉
末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステッ
プと、被覆されたるつぼ内に多結晶の化合物を配置する
ステップと、多結晶の化合物がその中に配置された被覆
されたるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、加
熱手段中に配置されたるつぼを加熱手段により加熱し
て、るつぼ中で多結晶の化合物を溶融するステップと、
るつぼと溶融した化合物とを冷却して、単結晶の化合物
を成長させるステップとを備える。
Description
たはIII−V族化合物単結晶の製造方法に関するもの
であり、特に、発光ダイオード(LED)、レーザダイ
オード等の光電子分野や、トランジスタ等の電子分野に
利用される、II−VI族またはIII−V族化合物単
結晶の製造方法に関するものである。
半導体単結晶としては、たとえば、ヒ化ガリウム(Ga
As)、リン化ガリウム(GaP)、リン化インジウム
(InP)およびテルル化カドミウム(CdTe)等が
挙げられる。
平ブリッジマン法(HB法)、液体封止引上げ法(LE
C法)、垂直ブリッジマン法(VB法)および垂直温度
勾配法(VGF法)等様々な工業的方法により製造され
ることが知られている。
よる化合物半導体単結晶の製造は、以下のように行なわ
れる。
1以上の低温域を有する垂直炉を使用する。これらの領
域は、約5〜20℃/cmの温度勾配を有する遷移域に
よって分けられた温度の比較的均一な高温域と、温度の
比較的均一な低温域からなる炉の温度プロファイルを提
供するように設計される。
合物を含有するのに適した、垂直に配置したるつぼ(通
常、pBNで構成される)が、密閉されたアンプル中に
配置される。単結晶の成長は、るつぼ−アンプル集合体
を不動に保持しながら、炉をゆっくりと上昇させること
によって進行される。
ぼの底部に単結晶の種結晶を配置するステップと、多結
晶の物質をるつぼ中に入れるステップと、るつぼをアン
プル中に配置した後アンプルを密封し、このるつぼ−ア
ンプル集合体を上述の垂直に配置された炉の内側の台座
に配置するステップと、多結晶の物質および単結晶の種
結晶の上部をその融点以上に加熱するステップと、多結
晶物質の溶融によって得られた融液の長さだけ炉を上方
に動かして、固体の単結晶物質を生成するステップとを
備えている。
III−V族化合物半導体単結晶のインゴットは、次に
るつぼから取出され、種々の電子または光電子用途のた
めのウエハへとスライスされる。
に比べて欠陥密度の低い良質の結晶を低コストで製造で
きる方法として、有望視されている。しかしながら、こ
のVB法によっても、結晶欠陥の発生の問題は完全には
解決されたとは言えない。
熱膨張率差などにより、接触部に熱応力が発生する結
果、転位が生じ、この転位が集中することによって多結
晶化が生じるという問題があった。
結晶の相互作用を小さくするために、容器と結晶との接
触面での摩擦係数を小さくすることが有効である。具体
的には、容器と原料融液とを濡れにくくすること、また
は、潤滑剤を使用することが考えられる。
る方法としては、たとえば、容器の材質として石英を用
いることが検討されている。この方法によれば、ボロン
の汚染がなくなるという長所を有しているが、石英から
なる容器の大型化が困難なことから、工業的製造に適さ
ないという欠点を有していた。
とえば、液体の酸化ホウ素(B2 O 3 )を使用する方法
が検討されている。なお、このB2 O3 の使用は、溶融
または結晶化したGaAs等の化合物から砒素(As)
等の揮発性成分の分解および揮発を防止する作用も兼ね
備えている。この方法によれば、容器と結晶との潤滑性
が改善され、多結晶化の防止に効果がある。しかしなが
ら、室温ではB2 O3が固体となるため、結晶とるつぼ
が固着し、パイロリティック・ボロン・ナイトライド
(pBN)製るつぼの場合には、pBNが剥離してるつ
ぼの寿命が低下してしまうという問題があった。
GaAs単結晶の成長においては、GaAs融液とB2
O3 の界面において、ドーパントのSiとB2 O3 中の
ホウ素(B)との置換反応が起こるため、Siドープ量
のばらつきが大きくなるとともに、B濃度が高くなって
しまうという問題があった。
(以下「先行技術」という)には、このような従来の多
結晶化防止方法を改善する方法が開示されている。
ぼの内側の面を粉末固体でコートすることを特徴とし、
具体的には、固体の窒化ボロン(BN)を使用すること
を特徴としている。
使用した場合のように結晶とるつぼとが固着することが
ないため、るつぼの長寿命化に効果がある。
術に開示された条件のみでは、BN粉末のるつぼへの付
着力は十分なものではなく、BN粉末をるつぼ内面に均
一に付着させることができないという問題があった。
末の施与の方法として、たとえば粉末を乾燥した形でる
つぼ内側表面に振りかける方法、または、たとえば水と
アルコールとの混合物等からなるキャリア液体と粉末固
体とのスラリーをるつぼの内側に施与した後、キャリア
液体を蒸発させる方法がとられている。そのため、BN
粉末のるつぼへの付着力が小さく、施与したBN粉末が
るつぼから脱落してしまうという問題があった。
の製造における、るつぼとGaAs融液との界面の状態
を模式的に示す図である。
BNるつぼ1表面にBN粉末3が施与されているが、一
部においてBN粉末脱落部分Aが存在している。このよ
うな粉末脱落部分Aにおいては、るつぼ1とGaAs融
液2との濡れが生じ、摩擦力が発生することにより多結
晶化による結晶欠陥が発生するという問題があった。
も、GaAs融液2とBN粒子3との濡れが生じ、同様
に結晶欠陥が発生してしまうという問題があった。
し、多結晶化を有効に防止することにより、結晶欠陥の
少ないII−VI族またはIII−V族化合物単結晶を
工業的に製造することができる方法を提供することにあ
る。
I−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法
は、多結晶のII−VI族またはIII−V族化合物か
ら、単結晶のII−VI族またはIII−V族化合物を
製造する方法であって、るつぼの内側の面を、多結晶の
化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体と、ガラ
ス状物質とからなる被膜で被覆するステップと、被覆さ
れたるつぼ内に多結晶の化合物を配置するステップと、
多結晶の化合物がその中に配置された被覆されたるつぼ
を、加熱手段中に配置するステップと、加熱手段中に配
置されたるつぼを加熱手段により加熱して、るつぼ中で
多結晶の化合物を溶融するステップと、るつぼと溶融し
た化合物とを冷却して、単結晶の化合物を成長させるス
テップとを備えている。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、垂直に配置し
たるつぼ中で多結晶のII−VI族またはIII−V族
化合物から単結晶のII−VI族またはIII−V族化
合物を製造する方法であって、るつぼの内側の面を、多
結晶の化合物の融点よりも高い融点を有する粉末固体
と、ガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップ
と、単結晶の化合物からなる種結晶をるつぼの底部に配
置するステップと、るつぼの残部に多結晶の化合物を配
置するステップと、種結晶と多結晶の化合物がその中に
配置されたるつぼを、上部の高温域と下部の低温域とを
作ることができる垂直に配置した炉の中に配置するステ
ップと、炉の位置および上部の高温域の温度を調節する
ことにより、るつぼ中で種結晶の一部を固体の状態に保
ちながら多結晶の化合物を溶融するステップと、下部の
低温域の温度を単結晶の化合物の融点未満に設定し、か
つ、上部の高温域の温度を融点よりも高く設定すること
により、固−液界面を作るステップと、下部の低温域お
よび上部の高温域における温度設定を実質的に保持しな
がら、炉および固−液界面を上方に垂直に移動させるこ
とにより、単結晶の化合物を成長させるステップとを備
えている。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1また
は請求項2の発明において、るつぼの内側の面を粉末固
体とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップ
は、るつぼの内側の面に粉末固体とシラノール化合物と
を含む混合液を施与するステップと、混合液が施与され
たるつぼを真空加熱することにより、るつぼの内側の面
上に粉末固体と酸化シリコンからなるガラス状物質とを
含む被膜を形成するステップとを含んでいる。
ノール化合物とを含む混合液を施与する方法としては、
たとえば、るつぼ内面に混合液を液状態で塗付けしても
よいし、または、るつぼ内面に混合液を噴霧してもよ
い。
は、二度以上の重ね塗付けにより行なわれることが好ま
しい。一度塗付けにより厚い被膜を形成しようとする
と、膜にクラックが入ったり、膜がるつぼから剥離しや
すくなってしまうからである。なお、重ね塗りの際に
は、1層目について一旦焼付けを行なってから、次の層
を形成する必要がある。
熱処理は、500℃以上の温度で1時間以上、より好ま
しくは、1000℃前後の温度で2〜3時間行なうこと
が好ましい。
混合液中のシラノールは、加熱重合反応により酸化シリ
コン(SiO2 )に変化する。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1また
は請求項2の発明において、ガラス状物質は、多結晶の
化合物の融点よりも低い軟化点を有することを特徴とし
ている。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項4の発
明において、ガラス状物質は三酸化二ホウ素(B2 O
3 )を含んでいる。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項4の発
明において、ガラス状物質は三酸化二ホウ素(B2 O
3 )と二酸化硅素(SiO2 )との混合物を含んでい
る。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜請
求項6のいずれかの発明において、粉末固体は窒化ボロ
ンを含んでいる。
は、窒化ボロンの他にグラファイト等の潤滑性を有する
物質を用いることもできる。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項7の発
明において、窒化ボロンの粒径は、平均粒径として0.
05μm以上、10μm以下である。
すくなり、結晶欠陥が発生しやすくなるからである。
粒径は、図16に示すように、たとえば窒化ボロン(B
N)の1次粒子10が集合して2次粒子20のようにな
っている場合であっても、1次粒子10の粒径として定
義する。
III−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜請
求項8のいずれかの発明において、被覆される前のるつ
ぼの内側の面は、所定の表面粗さを有している。
はIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項9の
発明において、所定の表面粗さは、最大高さRmax が1
0〜150μmであり、中心線平均粗さRa が3〜15
μmである。
線からその平均線の方向に評価長さLmの部分を抜取
り、平均線に平行な2直線でその断面曲線を挟んだと
き、この2直線の間隔を縦倍率の方向に測定した値をい
う。
面に直角な平面で測定面を切断したとき、その切り口に
現れる輪郭をいう。また、「平均線」とは、断面曲線の
抜取り部分において、被測定面の幾何学的形状を持つ直
線で、かつその線から断面曲線までの偏差の自乗和が最
小になるように設定した線をいう。
曲線からその中心線の方向に、評価長さLmを抜取り、
この抜取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY軸と
し、粗さ曲線をY(x)で表わしたとき、以下の式によ
って求められる値をいう。
周波成分を除去するような特性を持つ測定方法で求めら
れた曲線をいう。また、「中心線」とは、粗さ曲線の平
均線に平行な直線を引いたとき、この直線と粗さ曲線で
囲まれる面積が、この直線の両側で等しくなる直線をい
う。
B0601−1976にしたがっている。
により、被膜のるつぼへの付着力が向上する。
はIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項2の
発明において、るつぼの底部に配置する前に、種結晶の
外表面を粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆
するステップをさらに備えている。
を形成する場合と同様に、粉末固体とシラノール化合物
とを含む混合液を種結晶外表面に施与した後、真空加熱
するとよい。ただし、真空加熱の際には、種結晶の分解
劣化を防ぐため、500〜600℃程度の温度で行なう
ことが好ましい。このように種結晶外表面に被膜を形成
することにより、種結晶をるつぼ底部に配置した際、る
つぼと種結晶との間に隙間ができないため、隙間に浸入
した原料融液がるつぼ壁面から固化して多結晶化するの
が防止される。
はIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項11
の発明において、るつぼの底部に種結晶を配置した後、
るつぼと種結晶との隙間を、粉末固体とガラス状物質と
からなる被膜で被覆するステップをさらに備えている。
を形成する場合と同様に、粉末固体とシラノール化合物
とを含む混合液をるつぼと種結晶との隙間に施与した
後、真空加熱するとよい。ただし、真空加熱の際には、
種結晶の分解劣化を防ぐため、500〜600℃程度の
温度で行なうことが好ましい。このように、るつぼと種
結晶との隙間に被膜を形成することにより、種結晶をる
つぼ底部に配置した際、るつぼと種結晶との間の隙間が
完全に塞がれるため、隙間に浸入した原料融液が固化し
て多結晶化するのが防止される。
はIII−V族化合物単結晶の製造方法は、請求項1〜
請求項12のいずれかの発明において、II−VI族ま
たはIII−V族化合物は、ヒ化ガリウムを含んでい
る。
化ガリウム(GaAs)の他、たとえばInP、GaP
等のIII−V族化合物や、ZnSe、CdTe等のI
I−VI族化合物等も挙げられる。
はIII−V族化合物単結晶の製造方法は、多結晶のI
I−VI族またはIII−V族化合物から、単結晶のI
I−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法で
あって、るつぼの内側の面を、ガラス状物質からなるバ
インダを介して、多結晶の化合物の融点よりも高い融点
を有する粉末固体で被覆するステップと、被覆されたる
つぼ内に多結晶の化合物を配置するステップと、多結晶
の化合物がその中に配置された前記被覆されたるつぼを
加熱手段中に配置するステップと、加熱手段中に配置さ
れたるつぼを前記加熱手段により加熱して、るつぼ中で
多結晶の化合物を溶融するステップと、るつぼと溶融し
た化合物とを冷却して単結晶の化合物を成長させるステ
ップとを備えている。
粉末固体とガラス状物質とからなる被膜で被覆されてい
る。
とからなる被膜により内面が被覆されたるつぼ1と、原
料融液2との界面の状態を模式的に示す図である。
末固体3間に位置するガラス状物質13aおよび粉末固
体3とるつぼ1との間に位置するガラス状物質13b
が、バインダとして作用するため、被膜のるつぼへの高
い付着力が得られる。そのため、従来のように、被膜が
るつぼから剥離する恐れがない。その結果、粉末固体3
は、潤滑剤としての効果を十分に発揮することができ
る。
の表面がガラス状物質13cにより被覆されている。S
iO2 等のガラス状物質13は、BN等の粉末固体3よ
りGaAs融液等の原料融液2と濡れにくい。そのた
め、濡れによる結晶欠陥の発生を有効に防止することが
できる。
合物単結晶の製造工程の一例を示す図である。
説明する。 (1) 原料前処理工程 まず、ボート法で合成したGaAs多結晶からなる原料
の面取りを行なった。これは、原料のエッジによってる
つぼ内面に形成された被膜が剥離されるのを防止するた
めである。
ード)についても、多結晶原料と同様に面取りを行なっ
た。これは、シードをるつぼ底部に挿入する際、るつぼ
内面に形成された被膜が剥離されるのを防止するための
である。
およびシードについて、その表面の不純物を除去するた
めにエッチングを行なった。なお、エッチング条件は、
以下に示すように通常の条件を用いた。
グ液使用の場合) エッチング液組成;硫酸:過酸化水素:水=3:1:1 エッチング液の温度;60℃ エッチング時間;多結晶原料については20分前後、シ
ードについては1〜2分 エッチング条件例2(王水使用の場合) エッチング液組成;硝酸:塩酸=1:3 エッチング液の温度;室温 エッチング時間;多結晶原料については20分前後、シ
ードについては8分前後 (2) るつぼ前処理工程 (例1)図2は、るつぼ前処理工程の一例を示す図であ
る。
について説明する。 (a) 混合液の作製 BN粉末として、平均粒径10μm以下のものを使用し
た。また、この粒子の酸素濃度は3%以下であった。な
お、粒子の酸素濃度は、低い方がドーパントと反応しに
くいためより好ましい。
CDを用いた。このOCDは、シラノール化合物と溶剤
とからなる液体である。
(Si(OH)4 :5.9wt%含有,溶剤:酢酸エチ
ル)と、有機系Type7(RnSi(OH)4-n ;R
はアルキル基を示す。:12wt%含有,溶剤:メタノ
ール)の2種を使用した。Type2、Type7とも
に、20wt%の濃度のものまで使用可能であった。
物を用いて、以下のように混合液を混合した。
る場合
る場合
を施与する場合には、アセトンを混合することが好まし
い。
は、スプレー塗付性の向上にある。OCDの溶剤である
酢酸エチルまたはメタノールは揮発性が低いため、連続
して塗付けすると液状になり、乾燥後割れたりまだらに
なりやすい。また、OCDは粘度が高いため、スプレー
粒子が細かい霧になりにくく、均一な膜を形成すること
が難しい。そこで、このようにアセトンを混合すること
により、揮発性がよく、液状になりにくいという効果が
得られる。また、細かい霧状になるため、均一な膜が得
られるという効果も得られる。
は、膜の内部歪み低減にある。OCD比率が高いと、G
aAs融液には濡れにくいが、膜が硬くなり、内部歪み
が大きくなる。内部歪みの大きい膜は、割れたり、クラ
ックが入ったりして剥離しやすい。そこで、このように
アセトンを混合することにより、OCD濃度が低くなる
ため、膜の内部歪みが小さくなり、クラックや剥離が起
こりにくくなるという効果が得られる。
およびアセトン混合比について検討を行なった結果を、
以下の表3および表4に併せて示す。表3および表4に
おいて「欠陥」とは、転位または多結晶等の発生をい
う。
態で塗付け(液塗付け)するか、または、混合液を噴霧
(スプレー)する方法により行なうことができる。
与する状態を示す図である。図3を参照して、pBNる
つぼ1に噴霧器6を用いて混合液5をスプレー塗付けす
る際には、ハンドヒータ4により、るつぼを50〜15
0℃に加熱しながら行なうとよい。スプレー塗付けした
混合液中の溶剤を早く乾燥させて、混合液が垂れ落ちる
のを防ぐことができるからである。
の開口部1aからスプレーすると、噴霧液がるつぼ壁で
はね返されるため、るつぼ下部のシード設置部1cおよ
びテーパ部1bに混合液5が付着しにくい。そこで、シ
ード設置部1c側から吸引を行なうことにより、テーパ
部1bおよびシード設置部1cへの混合液5の付着が改
善される。
を示す断面図である。図5を参照して、このるつぼ1
は、その内部表面に細かい凹凸が形成されている。この
ようなるつぼを用いることにより、るつぼの内側の面に
形成された被膜が剥離しにくくなるという効果が得られ
る。なお、表面凹凸の大きさとしては、たとえば、最大
高さRmax が10〜150μmであり、中心線平均粗さ
Ra が3〜15μmのものが用いられるとよい。
には、一度に厚く塗付けると、被膜にクラックが入った
り、被膜が剥離しやすくなる。そこで、るつぼへの混合
液の塗付けは、二度以上に分けて行なうことが好まし
い。
さは、液塗付けの場合は50〜500μmであり、一
方、スプレーの場合は50〜1000μmである。した
がって、二度塗付けを行なう際には、たとえば、表5に
示すような4種類の塗付け方法が考えられる。
は、二度目の塗付けを行なう前に、一度目の塗付けによ
る膜に対して一旦1000℃程度の加熱処理を行なうこ
とが好ましい。この加熱処理により、一度目の塗付けに
よる膜の強度が高くなり、その後に重ね塗付けをした際
にも膜が割れることがないからである。
(液付け)するか、または、混合液をシード外表面に噴
霧(スプレー)する方法により行なうことができる。
す混合液混合例1の混合液の使用が好ましく、一方、ス
プレーの場合は、たとえば表2に示す混合液混合例2の
使用が好ましい。
以下のような理由による。すなわち、シードとるつぼと
の間にGaAs融液が浸入すると、シード側からではな
く、るつぼ壁面側から融液が固化し、多結晶化する恐れ
がある。そこで、このようにシードに被膜を形成するこ
とにより、シードとるつぼとの間に隙間が生じるのを防
ぎ、GaAs融液の浸入を防止することができるからで
ある。
ドに混合液を施与する状態を示す図である。
7aを除く部分を混合液5中に浸漬し、るつぼ底部に設
置する際には、この先端部7aから挿入するとよい。
合反応により、Si(OH)4 から水が除去されて、S
iO2 (石英ガラス)になる。
合には、SiO2 以外に、微量ながらグラファイトが残
存する。このグラファイトはGaAs融液と濡れやすい
ため、濡れによる結晶欠陥(転位)の発生を引き起こす
可能性がある。
しい真空加熱条件を示す。
SiO2 の生成に問題はない。ただし、pBNるつぼ
は、たとえば1500℃程度の高温での加熱も可能であ
るが、GaAsシードは、GaAsの分解劣化を防ぐた
めに、500〜600℃での加熱が適当であると考えら
れる。
に特に影響を及ぼすものではなく、水を除去することさ
えできれば、たとえば窒素(N2 )、アルゴン(Ar)
等のガス気流中でもよいと考えられる。
熱する状態を示す図である。図4を参照して、混合液5
を施与したるつぼ1を石英容器8内に配置し、真空ポン
プで石英容器8内を真空状態にしながら、外部からヒー
タ14により加熱を行なう。
真空加熱する状態を示す図である。図7を参照して、混
合液5を施与したシード7を、真空中でヒータ24によ
り加熱処理する。
面とシード外表面には、BN粉末とSiO2 とからなる
被膜が形成される。
面に被膜が形成されたるつぼ内に挿入し、るつぼ底部に
配置する。
と、るつぼの内面に形成された被膜を剥離してしまうの
で、シードは面取りをした側からるつぼ内へ挿入するこ
とが好ましい。
ドが落ちないように、るつぼの底部にBNまたはpBN
製のキャップまたは栓31を取付けるのが好ましい。
つぼとシードとの間に隙間ができることがある。この隙
間にGaAs融液が浸入すると、その部分から固化が始
まり、多結晶化する恐れがある。
の隙間を充填することが好ましい。まず、るつぼとシー
ドとの隙間に、混合液を施与する。混合液の施与は、隙
間に混合液をスポイトで滴下して充填するか、または、
混合液を隙間に噴霧(スプレー)する方法により行なう
ことができる。スプレーによる場合は、施与後にシード
上端面に付着した混合液を拭取ることが必要である。ま
た、スプレー前に予め、混合液が付着しないようにシー
ド上端面をマスキングしておいてもよい。
示す混合液混合例1の混合液の使用が好ましく、一方、
スプレーの場合は、たとえば表2に示す混合液混合例2
の使用が好ましい。
れた状態を示す断面図であり、図9は、図8のIX部分
の部分拡大断面図である。
の内面に形成されたるつぼ1と、被膜75がその外表面
に形成されたシード7との隙間9に、混合液5が充填さ
れている。
処理を行なう。真空加熱条件の一例としては、シードに
ダメージを与えない温度である500〜600℃の温度
で2〜3時間の加熱を、真空度10-6〜10-8Torr
の雰囲気下で行なうとよい。
シードとの隙間には、BN粉末とSiO2 とからなる被
膜が形成される。
面およびシード外表面を被覆する被膜が、粉末固体とし
てのBNと、ガラス状物質としてのSiO2 のみとから
なる場合について説明したが、ガラス状物質としてSi
O2 のみを使用した場合には、GaAsの融点において
軟化しない。
して、B2 O3 またはB2 O3とSiO2 との混合
物を使用した場合には、GaAsの融点において軟化が
生じる。その結果、バインダとしてのガラス状物質が潤
滑剤としてのBN粒子の動きを阻害することがないた
め、本発明におけるBN粉末粒子の潤滑剤としての効果
を、さらに高めることができる。
O3 またはB2 O3 とSiO2 との混合物を使用した
場合について、被膜の形成方法およびその効果について
説明する。
た場合 (a) 被膜の形成方法 (方法1)まず、るつぼの内側の面に、BN粉末を施与
する。次に、このようにBN粉末が施与されたるつぼ
を、酸素(O2 )ガス、またはO2 混合ガス雰囲気下
で、900℃〜1200℃の温度で加熱する。すると、
BN粉末の表面が、下記に示す式(1)の反応に従い酸
化される。
からなる被膜が形成される。
BO3 )粉末とを混合した後、さらに、水またはアルコ
ール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。次に、こ
のようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面また
はシードの外表面に塗布する。続いて、このように混合
液が塗布されたるつぼを、窒素(N2 )ガス、アルゴン
(Ar)ガスまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1
200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が塗布され
たシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下
で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
の外表面に、BN粉末粒子とB2 O 3 とからなる被膜が
形成される。
(B2 O3 )粉末とを混合した後、さらに、水またはア
ルコール等の溶媒と混合して、混合液を作製する。な
お、混合液作製の際には、B2 O3 粉末を予め水または
アルコール等の溶媒に溶かした後、さらにBN粉末と混
合してもよい。
るつぼの内側の面またはシードの外表面に塗布する。続
いて、このように混合液が塗布されたるつぼを、N2 ガ
ス、ArガスまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1
200℃の温度で熱処理する。一方、混合液が塗布され
たシードについては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下
で、300℃〜600℃の温度で熱処理する。
の外表面に、BN粉末粒子とB2 O 3 とからなる被膜が
形成される。
て、Siが原料融液中へ混入する恐れが全くないため、
特に、半絶縁性結晶の製造において有効である。
2 との混合物を使用した場合 (a) 被膜の形成方法 (方法1)まず、BN粉末とシラノール化合物とを混合
して、混合液を作製する。シラノール化合物としては、
たとえば、前述のOCDを用いることができる。次に、
このようにして作製した混合液を、るつぼの内側の面に
施与する。続いて、混合液が施与されたるつぼに、酸化
処理を施す。この酸化処理により、混合液中のBN粉末
が酸化されて、一部がB2 O3 に変化し、また、シラノ
ールは酸化シリコン(SiO2 )に変化する。
と、B2 O3 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形
成される。
とシラノール化合物とを混合して、混合液を作製する。
シラノール化合物としては、たとえば、前述のOCDを
用いることができる。また、B2 O3 粉末の代わりに、
ホウ酸(H3 BO3 )粉末を用いてもよい。
るつぼの内側の面またはシードの外表面に施与する。続
いて、混合液が施与されたるつぼを、窒素(N2 )ガ
ス、アルゴン(Ar)ガスまたは酸素(O2 )ガス雰囲
気下で、300℃〜1200℃の温度で熱処理する。一
方、混合液が施与されたシードについては、N2 ガスま
たはArガス雰囲気下で、300℃〜600℃の温度で
熱処理する。
の外表面に、BN粒子と、B2 O3とSiO2 との混合
物とからなる被膜が形成される。
とB2 O3 粉末とを混合した後、さらに、水、アルコー
ル等の溶媒と混合して、混合液を作製する。なお、B2
O3 粉末の代わりに、ホウ酸(H3 BO3 )粉末を用い
てもよい。
るつぼの内側の面またはシードの外表面に塗布する。続
いて、混合液が塗布されたるつぼを、N2 ガス、Arガ
スまたはO2 ガス雰囲気下で、300℃〜1200℃の
温度で熱処理する。一方、混合液が塗布されたシードに
ついては、N2 ガスまたはArガス雰囲気下で、300
℃〜600℃の温度で熱処理する。
の外表面に、BN粒子と、B2 O3とSiO2 との混合
物とからなる被膜が形成される。
とを混合した後、さらに、水、アルコール等の溶媒と混
合して、混合液を作製する。次に、このようにして作製
した混合液を、るつぼの内側の面に塗布する。続いて、
混合液が塗布されたるつぼに、酸化処理を施す。
と、B2 O3 とSiO2 との混合物とからなる被膜が形
成される。
も、十分にバインダとしての効果が得られるが、B2 O
3 は、以下に示すような吸湿による影響を受けやすい物
質である。
酸(H3 BO3 )に変化し、このH 3 BO3 は、粘着力
がなく、加熱により飛散してしまうという性質を有す
る。
してしまった場合には、被膜の付着力が低下し、原料融
解までの加熱により飛散してしまうために、被膜中のバ
インダとしてのガラス状物質が欠乏するとともに、被膜
が剥離してしまう。その結果、ツインまたはマイクロツ
インの発生、もしくは多結晶化といった、結晶欠陥が発
生する恐れがある。
SiO2 を添加した混合物を用いることにより、上述し
た懸念がなくなる。
は、添加するSiO2 濃度は、0.1mol%〜80m
ol%が好ましい。B2 O3 の軟化点は300℃〜35
0℃であり、SiO2 の軟化点は1500℃前後である
ことから、SiO2 濃度が80mol%より大きくなる
と、B2 O3 とSiO2 との混合物の軟化点がGaAs
の軟化点以上となってしまうからである。一方、SiO
2 の濃度が0.1mol%より小さいと、B2 O3 が吸
湿による影響を受けてしまうからである。
は1mol%〜70mol%、さらに好ましくは5mo
l%〜60mol%であるとよい。
晶の製造においては、添加するSiO2 濃度は、0.1
mol%〜90mol%、好ましくは1mol%〜80
mol%、さらに好ましくは5mol%〜70mol%
であるとよい。
結晶の製造においては、添加するSiO2 濃度は、0.
1mol%〜65mol%、好ましくは1mol%〜5
5mol%、さらに好ましくは5mol%〜45mol
%であるとよい。
iO2 との混合物を用いるメリットについて、SiO2
濃度が低い場合と高い場合に分けて説明する。
SiO2 濃度が低いとき、すなわち、B2 O3 濃度が高
いときには、Siによる汚染が少ないため、半絶縁性結
晶の製造の際に適用するのが好ましい。
いて、SiO2 濃度が高いとき、すなわち、B2 O3 濃
度が低いときには、ドーパントのSiとB2 O3 中のホ
ウ素(B)との置換反応が起こりにくいため、ドーパン
トのSiの濃度低下や、ホウ素(B)による汚染が少な
い。そのため、Siドープ結晶の製造の際に適用するの
が好ましい。また、SiO2 濃度が高くなると、B2 O
3 の吸湿によるホウ酸(H3 BO3 )への変化がより効
果的に防止されるため、バインダとしての効果が十分に
発揮されて被膜の付着力が向上するとともに、加熱時に
H3 BO3 が飛散して被膜中のバインダとしてのガラス
状物質が欠乏してしまうこともなくなる。
(HB法)で合成したGaAs多結晶原料5kgをチャ
ージした。また、ドーパントとしては、高純度シリコン
(Si)ウエハ110mgを使用した。
tm)に保つため、GaAs多結晶原料とともに、高純
度砒素(As)1gをるつぼ内に添加することが好まし
い。
る。
たるつぼ1を石英アンプル50内に配置し、石英キャッ
プ51をして、真空に引きながらバーナ52を用いて真
空封入した。
料12と、多結晶原料12で作った窪みに収容されたド
ーパントとしてのSiウエハ22とがチャージされてい
る。
プルの降下により、種結晶側から温度を低下させて単結
晶を成長させる方法である。一方、VGF法は、ヒータ
とアンプルの位置関係は固定し、ヒータの温度プロファ
イルを変化させることにより種結晶側から温度を低下さ
せて単結晶を成長させる方法である。
いて説明する。なお、使用したるつぼおよび石英アンプ
ルのサイズは、それぞれ図11および図12に示すとお
りであった。
を上昇またはアンプルを高温側へ移動し、多結晶原料を
融解した。続いて、ヒータ温度を昇温速度5〜10℃/
時で上昇させて、種結晶の一部を融解してシーディング
を行なった。
った。 高温度帯の温度:1245〜1265℃ 低温度帯の温度:1000〜1150℃ 温度勾配:5〜10℃/cm ヒータ移動速度:2〜7mm/時 ヒータ移動距離:300mm前後 VB成長後、ヒータの移動を停止した後、5〜180℃
/時で冷却を行なった。
温まで180℃/時の速度で行なうことができる。ま
た、結晶欠陥の発生を抑制するために、成長終了時の温
度から1000℃まで10℃/時の速度で、1000℃
から800℃まで30℃/時の速度で、800℃から6
00℃まで50℃/時の速度で、さらに600℃から室
温まで100℃/時の速度で、冷却を行なうこともでき
る。
を、表7に示す。
びテール部は、図15に示すとおりである。
た。
について、従来技術と比較した結果を、表8に示す。な
お、表8において、従来例とは液体の酸化ホウ素(B2
O3)を使用した場合を示し、先行技術とは固体の窒化
ボロン(BN)を使用した場合を示している。
ば、被膜の付着力の向上および濡れ性の改善により、多
結晶化が有効に防止され、結晶欠陥の少ないII−VI
族またはIII−V族化合物単結晶を製造することがで
きる。
おいても、ドーパントのSiとBNまたはBN中に含有
されるB2 O3 との置換反応がほとんど起こらないた
め、Siドープ量のばらつきが小さくなるとともに、B
濃度も低くなるという効果が得られる。
に形成された被膜にガラス状物質が含まれており、被膜
がるつぼから剥離することがないため、均一な被膜を形
成することができる。そのため、大型化への対応も容易
となり、工業的規模での製造の際に特に効果的である。
ってもるつぼ内面を傷つけることがないため、るつぼ寿
命が低下するという問題もない。その結果、低コストで
の製造が可能となるという効果も得られる。
の製造工程の一例を示す図である。
である。
与する状態を示す図である。
熱する状態を示す図である。
である。
ドに混合液を施与する状態を示す図である。
熱する状態を示す図である。
れた状態を示す断面図である。
る。
イズを示す図である。
ルのサイズを示す図である。
なる被膜により内面が被覆されたるつぼと原料融液との
界面の状態を模式的に示す図である。
る、るつぼとGaAs融液との界面の状態を模式的に示
す図である。
面図である。
る。
Claims (14)
- 【請求項1】 多結晶のII−VI族またはIII−V
族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−V
族化合物を製造する方法であって、 るつぼの内側の面を、前記多結晶の化合物の融点よりも
高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とからなる
被膜で被覆するステップと、 前記被覆されたるつぼ内に、前記多結晶の化合物を配置
するステップと、 前記多結晶の化合物がその中に配置された前記被覆され
たるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、 前記加熱手段中に配置されたるつぼを前記加熱手段によ
り加熱して、前記るつぼ中で前記多結晶の化合物を溶融
するステップと、 前記るつぼと前記溶融した化合物とを冷却して、単結晶
の化合物を成長させるステップとを備える、II−VI
族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項2】 垂直に配置したるつぼ中で、多結晶のI
I−VI族またはIII−V族化合物から単結晶のII
−VI族またはIII−V族化合物を製造する方法であ
って、 前記るつぼの内側の面を、前記多結晶の化合物の融点よ
りも高い融点を有する粉末固体と、ガラス状物質とから
なる被膜で被覆するステップと、 単結晶の前記化合物からなる種結晶を、前記るつぼの底
部に配置するステップと、 前記るつぼの残部に、多結晶の前記化合物を配置するス
テップと、 前記種結晶と前記多結晶の化合物がその中に配置された
るつぼを、上部の高温域と下部の低温域とを作ることが
できる垂直に配置した炉の中に配置するステップと、 前記炉の位置および前記上部の高温域の温度を調節する
ことにより、前記るつぼ中で前記種結晶の一部を固体の
状態に保ちながら前記多結晶の化合物を溶融するステッ
プと、 前記下部の低温域の温度を単結晶の前記化合物の融点未
満に設定し、かつ、前記上部の高温域の温度を前記融点
よりも高く設定することにより、固−液界面を作るステ
ップと、 前記下部の低温域および前記上部の高温域における前記
温度設定を実質的に保持しながら、前記炉および前記固
−液界面を上方に垂直に移動させることにより、単結晶
の前記化合物を成長させるステップとを備える、II−
VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項3】 前記るつぼの内側の面を粉末固体とガラ
ス状物質とからなる被膜で被覆するステップは、 前記るつぼの内側の面に、前記粉末固体とシラノール化
合物とを含む混合液を施与するステップと、 前記混合液が施与されたるつぼを真空加熱することによ
り、前記るつぼの内側の面上に前記粉末固体と酸化シリ
コンからなるガラス状物質とを含む被膜を形成するステ
ップとを備える、請求項1または請求項2記載のII−
VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項4】 前記ガラス状物質は、前記多結晶の化合
物の融点よりも低い軟化点を有することを特徴とする、
請求項1または請求項2記載のII−VI族またはII
I−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項5】 前記ガラス状物質は、B2 O3 を含む、
請求項4記載のII−VI族またはIII−V族化合物
単結晶の製造方法。 - 【請求項6】 前記ガラス状物質は、B2 O3 とSiO
2 との混合物を含む、請求項4記載のII−VI族また
はIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項7】 前記粉末固体は、窒化ボロンを含む、請
求項1〜請求項6のいずれかに記載のII−VI族また
はIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項8】 前記窒化ボロンの粒径は、平均粒径とし
て0.05μm以上、10μm以下である、請求項7記
載のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製
造方法。 - 【請求項9】 前記被覆される前の前記るつぼの内側の
面は、所定の表面粗さを有している、請求項1〜請求項
8のいずれかに記載のII−VI族またはIII−V族
化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項10】 前記所定の表面粗さは、最大高さR
max が10〜150μmであり、中心線平均粗さRa が
3〜15μmである、請求項9記載のII−VI族また
はIII−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項11】 前記るつぼの底部に配置する前に、前
記種結晶の外表面を粉末固体とガラス状物質とからなる
被膜で被覆するステップをさらに備える、請求項2記載
のII−VI族またはIII−V族化合物単結晶の製造
方法。 - 【請求項12】 前記るつぼの底部に前記種結晶を配置
した後、前記るつぼと前記種結晶との隙間を、粉末固体
とガラス状物質とからなる被膜で被覆するステップをさ
らに備える、請求項11記載のII−VI族またはII
I−V族化合物単結晶の製造方法。 - 【請求項13】 前記II−VI族またはIII−V族
化合物は、ヒ化ガリウムを含む、請求項1〜請求項12
のいずれかに記載のII−VI族またはIII−V族化
合物単結晶の製造方法。 - 【請求項14】 多結晶のII−VI族またはIII−
V族化合物から、単結晶のII−VI族またはIII−
V族化合物を製造する方法であって、 るつぼの内側の面を、ガラス状物質からなるバインダを
介して、前記多結晶の化合物の融点よりも高い融点を有
する粉末固体で被覆するステップと、 前記被覆されたるつぼ内に、前記多結晶の化合物を配置
するステップと、 前記多結晶の化合物がその中に配置された前記被覆され
たるつぼを、加熱手段中に配置するステップと、 前記加熱手段中に配置されたるつぼを前記加熱手段によ
り加熱して、前記るつぼ中で前記多結晶の化合物を溶融
するステップと、 前記るつぼと前記溶融した化合物とを冷却して、単結晶
の化合物を成長させるステップとを備える、II−VI
族またはIII−V族化合物単結晶の製造方法。
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-
1995
- 1995-09-11 JP JP23304795A patent/JP3731225B2/ja not_active Expired - Fee Related
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