JP2000154089A - るつぼ壁面被覆用b2o3材料及びその製造方法並びに、それを用いた単結晶製造方法及びその方法により製造された単結晶 - Google Patents

るつぼ壁面被覆用b2o3材料及びその製造方法並びに、それを用いた単結晶製造方法及びその方法により製造された単結晶

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JP2000154089A
JP2000154089A JP10327063A JP32706398A JP2000154089A JP 2000154089 A JP2000154089 A JP 2000154089A JP 10327063 A JP10327063 A JP 10327063A JP 32706398 A JP32706398 A JP 32706398A JP 2000154089 A JP2000154089 A JP 2000154089A
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Hideo Fujisawa
英夫 藤澤
Chiku Katano
築 片野
Osamu Yamamoto
治 山本
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Mitsubishi Chemical Corp
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Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】縦型ボート法による化合物半導体の結晶製造に
おいて、るつぼの側面を完全にB23融液で被覆するこ
とができ、低転位の単結晶を高歩留まりで得る。 【解決手段】縦型ボート法により、るつぼ内に充填され
た多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固して単結晶を製造
する際、前記多結晶原料の充填時に前記るつぼの底部に
配置され、加熱により溶融されて該るつぼの壁面を被覆
するB23材料であって、中空円錐型部分を有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、縦型ボート法(V
GF法、VB法、LE−VB法等)によるII-VI,III-V
化合物半導体単結晶の製造に適した、るつぼ壁面被覆用
23材料及びその製造方法並びに、それを用いた単結
晶製造方法及びその方法により製造された単結晶に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】III-V、II-VI化合物半導体として、例え
ば、砒化ガリウム(GaAs)、リン化ガリウム(Ga
P)、リン化インジウム(InP)、テルル化カドミウ
ム(CdTe)等が挙げられる。
【0003】これらの化合物半導体の単結晶は、化合物
半導体レーザー、LED、トランジスタなどに幅広く用
いられている。従来、これらの化合物半導体の単結晶
は、水平ブリッジマン法(HB法)、水平温度勾配凝固
法(GF法)、液体封止引き上げ法(LEC法)、垂直
ブリッジマン法(VB法)、垂直温度勾配凝固法(VG
F法)等様々な方法で製造されている。
【0004】このうちLEC法は高い温度勾配環境下で
育成するため結晶中の転位密度が高く、更に成長中に直
径制御が必要であるという欠点を有する。またHB法、
GF法は育成中の温度勾配が小さいために、得られる結
晶中の転位密度が低いが、円形断面のウエハーを得るに
は結晶を円形に加工する必要があり歩留まりが悪いとい
う欠点を有する。
【0005】これに対してVB法、VGF法等の縦型ボ
ート法は、るつぼの下端に種結晶を配置し、原料融液を
種結晶に接触させ、種結晶側から除々に温度を降下させ
て単結晶を成長する方法である。転位密度が低く、結晶
を円形に加工する必要がないという両方の利点を併せ持
ち、したがって、低転位でかつ円形断面の結晶が得られ
るために注目されている。しかし、これらVB法または
VGF法等の縦型ボート法では、結晶が容器壁に接触す
るため、原料融液と容器壁との濡れによる結晶欠陥の発
生(スティッキング)が問題となる。
【0006】るつぼは一般的に石英やPBN(熱分解性
窒化ホウ素)が使用される。石英の場合は、表面をサン
ドブラストなどによって粗くして融液を濡れにくくする
ことが知られている。また、PBNるつぼの場合には、
原料とともに添加するB23(酸化ホウ素)でるつぼ壁
面を被覆することによって濡れを防止することが知られ
ている。
【0007】図5に縦型ボート法の一例としてVGF法
によるGaAs単結晶の成長方法の例を示す。るつぼ1
全体が、石英アンプル2内に真空封入されている。石英
アンプル2は、周囲を囲むヒータ6を有する成長炉内の
受け台7に配置される。
【0008】るつぼ1の下部は、テーパ部10を有して
逆円錐形に構成されている。テーパ部10の下方に種結
晶3が配置され、テーパ部10の上方にGaAs多結晶
4及び、B23(酸化ホウ素)5が充填される。
【0009】加熱ヒータ6による昇温時には、まずB2
3(酸化ホウ素)5が軟化してるつぼ内面を被覆す
る。さらに温度を上昇させてGaAs多結晶4及び種結
晶3の一部を溶融した後、ヒーター6の温度を除々に冷
却しながら種結晶側から融液を固化して単結晶を成長す
る。
【0010】VB法の場合は、るつぼ1とヒータ6との
相対位置を変化させることで、低温部を上方に移動させ
ながら種結晶側から融液を固化して単結晶を成長する。
またこれら以外にも縦型ボート法にはVB法とVGF法
を組み合わせたVBG法や石英アンプルを使用せずにチ
ャンバー内でAs圧を印加しながら成長させるLE−V
B法等もある。
【0011】しかし、上記のいずれの方法によっても、
23が軟化して、るつぼ表面を被覆することになるが
完全に被覆できるとは限らない。るつぼの壁面がB23
によって完全に被覆されないとB23未被覆部において
融液と、るつぼのスティッキングが起こり、結晶中の転
位密度の増化や多結晶化を招くという問題があった。
【0012】特にこの傾向は、結晶の重量負荷の大きい
るつぼの、図5に示した増径部分となるテーパ部10に
おいて顕著である。このため高品質な結晶を歩留まり良
く得るためには、再現性良くるつぼ壁面、特にテーパ部
10をB23で完全に被覆する必要があった。かかる問
題を解決する方法として円錐台型のB23をるつぼ壁面
被覆用原料として使用する方法が提案されてきた。しか
し、この方法でもしばしばB23未被覆部が発生し、再
現性良くるつぼ側面をB23で完全に被覆するのは困難
であった。
【0013】また上記問題を解決する手段としてB23
を多量に充填して確実にるつぼ側面を被覆するという手
法が考えられた。しかし、この方法では例えばSiドー
プのN型GaAs単結晶を成長する際にドーパントのS
iがB23で還元されロスが生じるという問題があっ
た。
【0014】ドーパントSiのロス分を補うために多量
のSiを添加するとスカムと称する異物が発生し、単結
晶化を著しく阻害するという問題もあった。このため多
量のB23を使用する方法は高いキャリア濃度のGaA
s単結晶を製造するのに不利であった。またB23を多
量に使用する結晶成長方法は製造コストが高くなるとい
う問題もあった。
【0015】さらにかかる問題を解決する手段の一例と
して、ホウ素を含有する化合物をるつぼ側面に塗布して
焼成し、るつぼ側面に予めB23を形成したるつぼを使
用して結晶を成長する方法(特開平7−30038
5)、あるいは、るつぼ内面を希薄酸素雰囲気下で焼成
し、るつぼ側面に予めB23を形成したるつぼを使用し
て結晶を成長する方法(特開昭62−176998)等
が報告されている。
【0016】しかし、これらいずれの方法でも操作が煩
雑で結晶の量産には不向きであるという問題点を有して
いる。
【発明が解決しようとする課題】
【0017】したがって、本発明の目的は、上記の従来
の技術を解決する化合物半導体単結晶の製造において使
用するるつぼ壁面被覆用B23材料、その製造方法及び
それを用いた単結晶の製造方法、さらにその方法により
製造される単結晶を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、か
かる課題を解決すべく鋭意検討した。その結果、るつぼ
形状と略同一形状で少なくとも中空円錐型部を含むB2
3の形状物を使用することが有利であることを見いだ
した。
【0019】このようにすると、るつぼ1のテーパ部1
0がB23材料と広面積において接触するため、B23
が溶融する際、るつぼ1のテーパ部10が確実にB23
で被覆されることを見いだした。
【0020】このため増径部分の被覆不良の発生が大幅
に低減し、単結晶が高歩留まりで得られることを見いだ
し本発明に至った。
【0021】すなわち、本発明の第1の要旨は、縦型ボ
ート法により、るつぼ内に充填された多結晶原料を加熱
溶融し、冷却凝固して単結晶を製造する際、前記多結晶
原料の充填時に前記るつぼの底部に配置され、加熱によ
り溶融されて該るつぼの壁面を被覆するB23材料であ
って、中空円錐型部分を有することを特徴とするるつぼ
壁面被覆用B23材料にある。
【0022】本発明の第2の要旨は、縦型ボート法によ
り、るつぼ内に充填された多結晶原料を加熱溶融し、冷
却凝固して単結晶を製造する際、前記多結晶原料の充填
時に前記るつぼの底部に配置され、加熱により溶融され
てるつぼの壁面を被覆するB23材料の製造方法におい
て、内面が円錐型部分を含む形状である雌型に加熱溶融
したB23を流し込み、次いで、外面が円錐台型部を含
む形状である雄型で型取りし、冷却し、次いで、前記雌
型及び、雄型をはずし、取り出されることを特徴とする
るつぼ壁面被覆用B23材料の製造方法にある。
【0023】本発明の第3の要旨は、縦型ボート法によ
り、るつぼ内に充填された多結晶原料を加熱溶融し、冷
却凝固して単結晶を製造する方法において、前記るつぼ
の底部に中空円錐型部分を含む形状のB23材料を配置
し、前記B23材料に多結晶原料を充填し、昇温してB
23材料を溶融し、次いで、前記るつぼ壁面を溶融した
23材料で被覆した状態で、前記多結晶原料を加熱溶
融し、冷却凝固することにより単結晶を成長させること
を特徴とする単結晶の製造方法にある。
【0024】本発明の第4の要旨は、るつぼの底部に中
空円錐型部分を含む形状のB23材料を配置し、このB
23材料に多結晶原料を充填し、昇温してB23材料を
溶融し、次いで、前記るつぼ壁面を該溶融したB23
料で被覆した状態で、前記多結晶原料を加熱溶融し、冷
却凝固することにより成長させたことを特徴とする単結
晶にある。
【0025】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を説明す
る。なお、図の説明において、同一又は、類似の部分に
は、同一の参照数字又は、参照記号を付して説明する。
【0026】図1及び、図2に本発明におけるB23
料5の形状例を示す。
【0027】B23材料5の形状は、るつぼ1の内面形
状に対応し、略同一である。図1に示す形状では、るつ
ぼ1のテーパ部10に対応して中空円錐型部11を有す
る。さらに、図2の例では、中空円錐型部11の上部
に、るつぼ1の内面円筒形状に対応する円筒型部12を
有する形状である。このB23材料5は、るつぼ1の底
部に充填され、充填時は固形である。
【0028】図3に示すように、結晶成長に使用するる
つぼ1のテーパ部10の増径角度(テーパ)をb°、そ
の稜線の長さをdとして考える。B23材料5の形状に
おける中空円錐型部11の増径角度(テーパ)をa°と
する時、|a°−b°|<10°、好ましくは|a°−
b°|<5°、さらに好ましくは|a°−b°|<2°
の関係にあることが望ましい。
【0029】この範囲であれば、B23材料5をるつぼ
1の底部に充填する際に割れたり、B23が溶融する際
に、B23被覆不良部を発生したりといった問題が発生
し難く好ましい。
【0030】さらに、図1の実施例において、B23
料5の中空円錐型部11の稜線の長さcは、るつぼ1の
テーパ部10の稜線の長さdに対し、c<dを満たせば
良いが、より確実にB23の被覆を行うためには d/
2<c<dを満たすことが好ましい。(2d/3)<c
<dを満たせばさらに好ましい。
【0031】中空円錐型部11の先端部13は、B23
で塞がっていても、塞がっていなくても構わないが、る
つぼ1のテーパ部10に配置した際、B23種結晶3と
接触しないように平坦になっている方が好ましい。
【0032】なお、B23材料5の先端部13が塞がっ
ていても、GaAs等の成長すべき単結晶材料の方が比
重が大きいので、種付けの際、単結晶材料と種結晶との
必要な接触に対して阻害は生じない。
【0033】また、B23材料5の中空部分の形態につ
いては、図1に示すように中空円錐型部11の円錐中空
部分に多結晶原料が設置でききる程度の空間があれば構
わない。しかし、B23材料5の肉厚が均等になるよう
に円錐型になっている方が、B23材料5が溶融した際
にるつぼ1の壁面を均等に被覆できて好ましい。
【0034】さらに、図2の実施例のように、中空円錐
型部11に円筒型部12を組み合わせた形状である場合
は、より好ましい。B23材料5の重量Wgについては
成長しようとする結晶サイズ及び、品種により異なる
が、例えば成長しようとする結晶の半径をXインチとし
たとき次の関係を満たすのが好ましい。
【0035】X2×6 ≦ W この関係式によると直径が2インチ結晶の場合では6g
以上、3インチ結晶では13.5g以上、4インチ結晶
では24g以上が好ましいことになる。
【0036】ただし,Siドープのように還元性のドー
パントを使用する場合にはB23材料5とドーパントと
の酸化還元反応によるドーパントのロスを生じる。この
ために多量のB23を使用するのは好ましくない。
【0037】したがって、るつぼ1にB23材料5を充
填する多結晶原料の重量をYgとした時、以下の関係を
満たすことが好ましい。
【0038】X2×6 ≦ W ≦ Y/50 この関係式によると直径3インチの結晶を成長させるた
めのるつぼ1に4,000gの多結晶原料を充填する際
の、B23材料5の好ましい重量は、13.5g以上8
0g以下となる。
【0039】B23材料5の製造方法としては、目的と
する形状の鋳型に加熱溶融したB23を流し込んで冷却
固化する。その後、型を分解してB23材料5を取り出
すような方法が可能である。
【0040】また、雌型に加熱溶融したB23を流し込
み、雄型で型どりし、冷却し、B23が固化した後、型
を外してB23材料5を取り出す方法がより簡便であ
る。また、この方法では、製造の際にB23材料5中に
気泡が取り込まれにくいため、より高純度のB23が得
られて好ましい。
【0041】この製造方法における雌型、雄型の材質と
しては、B23材料5中に不純物が混入しにくい材料が
好ましく、例えば、ステンレス(SUS)、モリブデ
ン、グラファイト、BN(窒化ホウ素)などがよい。
【0042】また、B23材料5の外壁、内壁は平坦で
あることが好ましいが、型から取り出しやすくするため
に突起を設けたり、筋を設けたりしてもよい。
【0043】またB23材料5は、一体ものである必要
はなく複数の断片を組み合わせてるつぼ内に充填しても
よい。
【0044】本発明において、PBN(熱分解製窒化ホ
ウ素)は石英、グラファイト等るつぼ1の材質によらず
適用可能である。なお、石英るつぼ1の場合は、B23
材料5を使用しなくとも、内面をサンドブラスト等によ
り荒らすだけで、スティツキングが生じず使用可能であ
る。
【0045】また、グラファイトるつぼ1では、結晶中
へのカーボン(C)の混入が問題になる場合がある。そ
の意味で本発明は、PBN製るつぼ1と組み合わせて用
いるのが好ましい。
【0046】本発明による結晶原料の充填方法の一例を
図4に示す。中空円錐型のB23材料5は、るつぼ1の
下部のテーパ部10に密着させるように配置する。また
23材料5が溶融する際に、るつぼ1のテーパ部10
をB23で確実に被覆させるために、その上に多結晶原
料4を配置する際、円錐中空部には多結晶原料4を密に
充填するのが好ましい。
【0047】最も好ましいのは、円錐台形の多結晶原料
4をB23材料5の円錐中空部に設置する形態である。
【0048】結晶成長の方法としては縦型ボート法であ
ればよく一定の温度勾配を保ったまま、るつぼ1と炉体
の相対位置を変化させて結晶を固化するVB法、るつぼ
1と炉体を固定した状態でヒーター温度を制御して結晶
を固化させるVGF法、VB法とVGF法を組み合わせ
たVBG法あるいは、液体封止剤を使用しAs圧を印加
した状態で成長を行うLE−VB法の何れでも構わな
い。
【0049】また結晶材料4としてはGaAsの他にG
aP、InP、ZnSeなどであってもよい。
【0050】
【実施例】実施例1 BN製の雌型に加熱溶融したB23を流し込み、雄型で
型どりし冷却し、B23が固化した後、型を外してB2
3材料5を取り出す。B23材料5の円錐部11の角
度a°が45°、稜線の長さdが3.5cm、重量が3
0gの中空円錐型のB2O3材料5を製造した。
【0051】次に、円筒部の直径が3インチでテーパ部
10の角度b°が45°のPBN製るつぼ1の底に上記
の方法で製造した中空円錐型のB23材料5を配置し、
その上に4,000gのGaAs多結晶4を充填し、全
体を石英アンプル2中に真空封入した。
【0052】次にこの石英アンプル2を図5に示した成
長炉に設置し、ヒーター6を加熱し、GaAs多結晶4
と種結晶3の一部を溶融してシーディングを行う。3〜
5℃/cmの温度勾配を保ったまま除冷して、GaAs
結晶を育成した。
【0053】得られた結晶は、単結晶であり結晶側面の
光沢より成長中は結晶と接触するるつぼ1の側面はすべ
てB23で被覆されていたことが確認された。
【0054】得られた単結晶から(100)面の3イン
チGaAs基板を切り出し、400℃で30分間溶融K
OHエッチングを実施して転位密度を測定した。その測
定結果は、平均転位密度は2,300cm-2であった。
また転位密度の密集部分は観測されなかった。
【0055】同じ条件で10回結晶成長を実施したとこ
ろ、すべて単結晶が得られた。
【0056】実施例2 BN製の雌型に加熱溶融したB23を流し込み、雄型で
型どりし冷却し、B23が固化した後、型を外してB2
3材料5を取り出す。これにより、円錐部11の角度
a°が45°、稜線の長さdが3.5cm、重量が30
gの中空円錐型のB23材料5を製造した。
【0057】次に,直胴部の直径が3インチでテーパ部
10の角度が45°のPBN製るつぼ1の底に上記の方
法で製造した中空円錐型のB23材料5を配置し、その
上に4,000gのGaAs多結晶を充填し、さらにド
ーパントとしてSiを1.0g添加し、全体を石英アン
プル2中に真空封入した。
【0058】次に、この石英アンプル2を図5に示す成
長炉に設置し、ヒーター6で加熱し、GaAs多結晶4
と種結晶3の一部を溶融してシーディングを行い、3〜
5℃/cmの温度勾配を保ったまま除冷して、GaAs
結晶を育成した。
【0059】得られた結晶は単結晶であり、結晶側面の
光沢より成長中は結晶と接触するるつぼ1の側面はすべ
てB23で被覆されていたことが確認された。
【0060】得られた単結晶から(100)面の3イン
チGaAs基板を切り出し、400℃で30分間溶融K
OHエッチングを実施して転位密度を測定した結果、平
均転位密度は200cm-2であった。また転位密度の密
集部分は観測されなかった。キャリア濃度は、シード側
で1×1018であった。
【0061】同じ条件で10回結晶成長を実施したとこ
ろすべて単結晶が得られた。比較例1 使用するB23材料5の形状を円錐部11の角度a°が
45°、稜線の長さdを2cmの中空ではない円錐台型
とする以外は,実施例1と同じとしてGaAs結晶を育
成した。
【0062】得られた結晶は、多結晶であり結晶側面の
光沢より成長中は結晶と接触するるつぼ1の側面にB2
3の被覆不良部が発生していたことが確認された。多
結晶化はこのB23未被覆部より発生していた。
【0063】同じ条件で10回結晶成長を実施したとこ
ろ、7本が単結晶で残り3本はB23未被覆部より多結
晶していた。また得られた単結晶のうち2本でB23
被覆領域が観測された。
【0064】B23未被覆領域が観測された単結晶から
(100)面の3インチGaAs基板を切り出し、40
0℃で30分間溶融KOHエッチングを実施して転位密
度を測定した結果、転位密度の密集部分が観測された。
このため平均転位密度は5800cm-2であった。比較例2 使用するB23の重量が60gで、直径50mmのペレ
ットとする以外は実施例2と同じにして結晶を成長し
た。
【0065】得られた結晶は単結晶であり、結晶側面の
光沢より成長中は結晶と接触するるつぼ1の側面はすべ
てB23で被覆されていたことが確認された。
【0066】ところが、結晶のキャリア濃度はシード側
で4×1017であり、ドーパントSiのロスによりキャ
リア濃度が低下していた。
【0067】このためSiのドーピング量を増やしたと
ころシード側のキャリア濃度は10×1018となった
が、スカムと称する異物が多量に発生し、結晶は多結晶
であった。
【0068】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
り、縦型ボート法による化合物半導体の結晶製造におい
て、中空円錐型のB23材料を使用することで、るつぼ
1の側面を完全にB23融液で被覆することができる。
このためB23の被覆不良が発生せず、低転位の単結晶
を高歩留まりで得ることが出来る。
【0069】また、この方法によれば、B23の使用量
を少なくしても高歩留まりで単結晶が得られるため、製
造コストの低減が可能である。
【0070】さらに、本発明により、例えばSiドープ
のN型GaAs単結晶を成長する際に、ドーパントのS
iがB23で還元されてロスが生じないという利点も併
せ持つことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるB23材料の形状例であり、中
空円錐形状を成す例である。
【図2】本発明におけるB23材料の形状例であり、図
1の形状に対し、さらに円筒部を有する例である。
【図3】図1、図2のB23材料の中空円錐形状と、る
つぼのテーパ部形状との関係を説明する図である。
【図4】本発明による結晶原料の充填方法の一例を示す
図である。
【図5】VGF法によるGaAs単結晶製造方法の概略
を示す図である。
【符号の説明】
1 るつぼ 10 るつぼのテーパ部 2 石英アンプル 3 種結晶 4 GaAs多結晶 5 B23材料 6 ヒーター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 治 茨城県牛久市東猯穴町1000番地 三菱化学 株式会社筑波事業所内 Fターム(参考) 4G077 CD02 CD04 EG02 MB04 MB08 NC01 NC02 PD02 PD05 5F053 AA09 AA11 BB04 BB06 BB09 BB12 BB13 BB15 DD03 DD07 DD11 DD14 FF04 GG01 JJ03 KK01 LL01 LL02 LL03 RR03 RR04

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】縦型ボート法により、るつぼ内に充填され
    た多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固して単結晶を製造
    する際、前記多結晶原料の充填時に前記るつぼの底部に
    配置され、加熱により溶融されて該るつぼの壁面を被覆
    するB23材料であって、中空円錐型部分を有すること
    を特徴とするるつぼ壁面被覆用B23材料。
  2. 【請求項2】請求項1において、 前記中空円錐型部分は、前記るつぼ底部のテーパ部に対
    応する形状を有することを特徴とするるつぼ壁面被覆用
    23材料。
  3. 【請求項3】請求項2において、 前記中空円錐型部分の前記るつぼ底部のテーパ部に対応
    する形状における増径角度をb°とし、該るつぼ底部の
    テーパ部の増径角度をa°とする時、 |a°−b°|<10°の関係を満すことを特徴とする
    るつぼ壁面被覆用B23材料。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかにおいて、 前記B23材料の重量Wg、成長しようとする結晶の半
    径Xインチ及び、前記るつぼに充填する多結晶原料の重
    量Ygが、 X2×6≦ W ≦ Y/50の関係を満すことを特徴
    とするるつぼ壁面被覆用B2O3材料。
  5. 【請求項5】請求項1〜6のいずれかにおいて、 さらに、中空円錐型部分の上部に前記るつぼの円筒内径
    に対応する形状の円筒型部分を有することを特徴とする
    るつぼ壁面被覆用B23材料。
  6. 【請求項6】縦型ボート法により、るつぼ内に充填され
    た多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固して単結晶を製造
    する際、前記多結晶原料の充填時に前記るつぼの底部に
    配置され、加熱により溶融されて該るつぼの壁面を被覆
    するB23材料の製造方法において、 内面が円錐型部分を含む形状である雌型に加熱溶融した
    23を流し込み、 次いで、外面が円錐型部を含む形状である雄型で型取り
    し、冷却し、 次いで、該雌型及び、雄型をはずし、取り出されること
    を特徴とするるつぼ壁面被覆用B23材料の製造方法。
  7. 【請求項7】請求項6において、 前記雌型内面の円錐型部分が、前記るつぼ底部のテーパ
    部に対応する形状を有することを特徴とするるつぼ壁面
    被覆用B23材料の製造方法。
  8. 【請求項8】縦型ボート法により、るつぼ内に充填され
    た多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固して単結晶を製造
    する方法において、 前記るつぼの底部に中空円錐型部分を含む形状のB23
    材料を配置し、 該B23材料に多結晶原料を充填し、昇温して該B23
    材料を溶融し、 次いで、前記るつぼ壁面を該溶融したB23材料で被覆
    した状態で、前記多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固す
    ることにより単結晶を成長させることを特徴とする単結
    晶の製造方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、 前記B23材料の中空円錐型部分の外面が、前記るつぼ
    底部のテーパ部に対応する形状であることを特徴とする
    単結晶の製造方法。
  10. 【請求項10】るつぼの底部に中空円錐型部分を含む形
    状のB23材料を配置し、 該B23材料に多結晶原料を充填し、昇温して該B23
    材料を溶融し、 次いで、前記るつぼ壁面を該溶融したB23材料で被覆
    した状態で、前記多結晶原料を加熱溶融し、冷却凝固す
    ることにより成長させたことを特徴とする単結晶。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002121100A (ja) * 2000-10-10 2002-04-23 Dowa Mining Co Ltd 半導体単結晶の製造方法
JP2008247706A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Jfe Mineral Co Ltd コランダム単結晶の育成方法、コランダム単結晶およびコランダム単結晶ウェーハ

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