JP2010260747A - 半導体結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】半導体融液を凝固させる過程での急激な温度変化を抑制して、双晶や多結晶の発生を抑止し、単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できる半導体結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】外周にヒータ5が配置されたサセプタ3内にルツボ2を収容し、ルツボ2の底面13に種結晶10を配置すると共にルツボ2内に半導体融液14を収容し、半導体融液14を種結晶10と接触させた状態で、ヒータ5とルツボ2を相対的に移動させるか或いはヒータ5に上下方向の温度勾配を持たせると共にその温度勾配を維持したままヒータ5の温度を下降させて、種結晶10側から上方に向けて徐冷して徐々に固化させる半導体結晶の製造方法において、サセプタ3側に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設ける方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体融液をルツボ内で下方から上方に向けて徐々に固化させて結晶を成長させる半導体結晶の製造方法に係り、特に、双晶や多結晶の発生を抑止し、単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できる半導体結晶の製造方法に関するものである。
従来、III−V族化合物半導体結晶などの結晶製造方法として、半導体融液をルツボ内で下方から上方に向けて徐々に固化させることにより単結晶の半導体結晶を製造する垂直ブリッジマン(Vertical Bridgman:VB)法、及び垂直温度勾配凝固(Vertical Gradient Freeze:VGF)法が知られている。
従来のVB法では、図2に示すように、pBN製のルツボ21の底部に種結晶22を配置し、さらにルツボ21内にIII−V族化合物半導体の多結晶原料を収容する。そして、このルツボ21を、ルツボ収容容器(以下、サセプタという)23内に収容して、チャンバ24内のサセプタ支持部材25上に載置する。サセプタ23の外周部には、複数の加熱用のヒータ26が設置されており、これらヒータ26の温度は、下方が上方よりも低温となるような温度勾配を持つように調整されている。
結晶成長は、先ずヒータ26でルツボ21内の多結晶原料を加熱して融解させ、III−V族化合物半導体の半導体融液27を作製し、その後、サセプタ支持部材25を下降させてサセプタ23を徐々に下降させることにより、ルツボ21内で種結晶22と同じ方位を持ったIII−V族化合物半導体の単結晶を、下方から上方に向けて凝固成長させていくことにより行われる。
以上はVB法による半導体結晶の製造方法の例であるが、VGF法においては、上記と同様に下方が上方よりも低温となるような温度勾配を持つチャンバ24内で、この温度勾配を維持したまま、ヒータ26の温度を徐々に下降させることにより、結晶成長が行われる。
これらVB法或いはVGF法などでは、比較的大口径で、かつ結晶中の転位密度の低い単結晶を成長させることができることから、半導体結晶、特に、III−V族化合物半導体結晶の製造方法として広く用いられている。
特許第2585415号公報 特許第2664085号公報 特許第2850581号公報 特許第3391503号公報
W.A.Gault、「A Novel Application of the Vertical Gradient Freeze Method to the Growth of High Quality III−V Crystals」、Journal of Crystal Growth、1986、Vol.74、p.491 干川圭吾、日本結晶成長学会誌、1993年、20−1、p49 干川圭吾著、「バルク結晶成長技術」、培風館、1994年5月20日
半導体結晶の結晶成長において、単結晶を得るためには、種結晶と接触する半導体融液から成長を開始させ、半導体融液を下方から上方にゆっくりと凝固させ、結晶成長を安定に進行させる必要がある。そのためには、半導体融液を凝固させる過程での急激な温度変化を抑制する必要がある。これができないと、双晶や多結晶が高確率で発生してしまう。
従来の半導体結晶の製造方法では、ルツボ内の半導体融液の上下方向に温度勾配を設けるために、円筒状の複数のヒータを多段に設け、個々の設定温度を変えてチャンバ内の温度勾配を制御するのが一般的であるが、そうすると、ヒータの継ぎ目に非発熱帯ができてしまう。
従って、ルツボ外壁部、強いてはルツボ内の上下方向の温度分布は、ヒータとの相対的な位置関係によって大きく異なってしまい、連続的に安定した凝固を行うことが困難であった。
また、単結晶を成長させるには、半導体融液を凝固させる際の熱流の向きが重要である。具体的には、ルツボ内の上方から下方への熱流において、サセプタ側面側ではなく、種結晶側へ熱流の向きを制御しなければならない。
この熱流を制御する方法として、多段に設置したヒータのうち、種結晶より下方に配置したヒータの設定温度を低くすることが一般的であるが、この方法だと、熱流の向きの制御は十分できず、加えて、チャンバ内の熱環境までも変化させてしまうため、再現性が乏しい。
以上の観点から、従来の半導体結晶の製造方法では、単結晶の半導体結晶の製造に際して安定した歩留りを得ることが困難であった。
そこで、本発明の目的は、半導体融液を凝固させる過程での急激な温度変化を抑制して、双晶や多結晶の発生を抑止し、単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できる半導体結晶の製造方法を提供することにある。
本発明は上記目的を達成するために創案されたものであり、請求項1の発明は、外周にヒータが配置されたサセプタ内にルツボを収容し、該ルツボの底部に種結晶を配置すると共に前記ルツボ内に半導体融液を収容し、前記半導体融液を前記種結晶と接触させた状態で、前記ヒータと前記ルツボを相対的に移動させるか或いは前記ヒータに上下方向の温度勾配を持たせると共にその温度勾配を維持したまま前記ヒータの温度を下降させて、前記種結晶側から上方に向けて徐冷して徐々に固化させる半導体結晶の製造方法において、前記サセプタ側に、前記半導体融液の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材を設ける半導体結晶の製造方法である。
請求項2の発明は、前記ルツボの側壁外周部に、前記熱流制御部材を設ける請求項1に記載の半導体結晶の製造方法である。
請求項3の発明は、前記サセプタの内部底面に、前記熱流制御部材を設ける請求項2に記載の半導体結晶の製造方法である。
請求項4の発明は、前記熱流制御部材は、アルミナからなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体結晶の製造方法である。
本発明によれば、半導体融液を凝固させる過程での急激な温度変化を抑制して、双晶や多結晶の発生を抑止し、単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できる。
本発明の半導体結晶の製造方法で用いる結晶成長炉の構成を示す断面模式図である。 従来の半導体結晶の製造方法で用いていた結晶成長炉の構成を示す断面模式図である。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面にしたがって説明する。
先ず、本発明の半導体結晶の製造方法で用いる結晶成長炉を説明する。
図1は、本発明の半導体結晶の製造方法で用いる結晶成長炉の構成を示す断面模式図である。
図1に示すように、結晶成長炉1は、成長させる半導体結晶の原料を収容するルツボ2と、ルツボ2を収容するサセプタ3と、サセプタ3を保持するサセプタ支持部材4と、サセプタ3の外周に配置され、ルツボ2を側面から加熱する複数のヒータ(外周加熱ヒータ)5とを備える。ヒータ5は、図示例では、結晶成長炉1内に上方から下方へ順次配置された4つのヒータ5a,5b,5c,5dから構成されている。
さらに、結晶成長炉1は、ヒータ5が発する熱の結晶成長炉1の外部への伝熱を防止する複数の断熱材6aと、上部のヒータ5a,5bと下部のヒータ5c,5dとの間に設けられる断熱材6bと、これら断熱材6a,6bなどを覆うチャンバ7とを備える。
ルツボ2は、円筒体状の直胴部8と、直胴部8の下端に連続して設けられ、下方に向かって漸次縮径して形成された円錐筒体状の傾斜部9と、傾斜部9に連続して設けられ、半導体結晶の種結晶10を収容する種結晶配置部としての有底円筒体状の細径部11とからなる。
すなわち、ルツボ2は、細径部11を底部に有すると共に、直胴部8の上端にルツボ開口部を有する。ルツボ2の直胴部8は、一例として、直径160mm、高さ300mmの円筒である。ルツボ2は、熱分解窒化硼素(Pyrolytic Boron Nitride:pBN)からなる。
ルツボ2の細径部11には、種結晶10が収容される。また、ルツボ2には、ルツボ開口部から導入される半導体結晶の原料と、必要に応じてp型用又はn型用の所定のドーパントとが所定量ずつ収容される。半導体結晶の原料には、成長させる半導体結晶の多結晶を用いる。また、ルツボ2には、B23などの液体封止剤をさらに収容してもよい。
ルツボ2を保持して収容するサセプタ3は、サセプタ3の下面がサセプタ支持部材4に接触するように、サセプタ支持部材4の上に搭載される。サセプタ3を搭載するサセプタ支持部材4は、結晶成長炉1内で昇降及び回転ができるように設けられている。これにより、結晶成長中にルツボ2を回転させて、ルツボ2内の温度分布を緩やかに、かつ、一定に保つことができる。
本発明においては、サセプタ3側、具体的にはルツボ2の側壁外周部12とサセプタ3の内部底面13とに、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設ける。熱流制御部材15としては、例えば、GaAsの単結晶を成長させる際には、GaAsの熱伝導率は55W/m・K程度であるので、これよりも熱伝導率が低いアルミナ(Al23、熱伝導率:25W/m・K程度)を用いるとよい。
結晶成長炉1の上部から下部へ向かう方向に沿って配置される複数のヒータ5(5a,5b,5c,5d)は、サセプタ3の周囲を囲むように結晶成長炉1の内部の所定の高さの位置にそれぞれ配置される。複数のヒータ5の設定温度は、結晶成長炉1の上部から下部へ向かう方向に沿って順次、低下するように設定される。つまり、ヒータ5aの温度が最も高く、ヒータ5dの温度が最も低く設定される。
ヒータ5は、一例として、グラファイトなどの材料から形成される抵抗加熱ヒータで構成される。また、ヒータ5は、炭化ケイ素(SiC)ヒータ、赤外線加熱ヒータ、RFコイルで加熱した発熱体を2次ヒータとして用いるヒータなどで構成することもできる。
断熱材6aは、複数のヒータ5の外側を包囲して設けられる。断熱材6aを設けることにより、複数のヒータ5が発した熱を、ルツボ2に効率的に伝熱させることができる。一方、断熱材6bは、上部のヒータ5a,5bと下部のヒータ5c,5dとの間に所定の温度差を確保するために配置されるが、設置が必ず必要というわけではない。
断熱材6a,6bは、一例として、グラファイトの成型材から構成される。また、断熱材6a,6bは、アルミナ材、グラスウール、耐火レンガなどで構成することもできる。
チャンバ7は、ルツボ2と、ルツボ2を収容するサセプタ3と、サセプタ3を保持するサセプタ支持部材4と、複数のヒータ5と、断熱材6a及び断熱材6bとを密閉する。結晶成長炉1は、チャンバ7内の雰囲気を所定のガス雰囲気に設定する機構と、チャンバ7内の圧力を一定値に保つガス圧制御機構とを有する。
結晶成長炉1は、VB法で単結晶の半導体結晶を成長させるものである。結晶成長炉1で成長させる半導体結晶は、一例として、III−V族化合物半導体であるGaAsやInPの単結晶である。
この結晶成長炉1を用いて半導体結晶を製造する際には、ヒータ5の加熱により、ルツボ2内に収容したドーパントを含む半導体結晶の原料を所定の温度で融解した半導体融液14を、ルツボ2の底部に設置された種結晶10と接触させた状態で、種結晶10側のルツボ2の下端を、ルツボ2の上端(ルツボ開口部側)よりも低温に保持しつつ、サセプタ3を保持するサセプタ支持部材4を回転させながら徐々に下降させる。
ルツボ2内では融解した半導体結晶の原料の半導体融液14が細径部11の種結晶10と接触して単結晶の成長を開始し、種結晶10側から結晶成長炉1の上方に向かって半導体融液14が徐々に固化し、単結晶の半導体結晶が成長されていく。
このとき、結晶成長炉1は、サセプタ3側に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設けているため、半導体融液14の急激な温度変化を抑制し、かつ熱流を制御することができる。
具体的には、ルツボ2の側壁外周部12に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設けているため、ルツボ2の外周部での熱の授受を鈍らせ、サセプタ3の外部で生じる温度分布の変化、すなわち、サセプタ3の周囲を囲むそれぞれのヒータ5a,5b,5c,5dの継ぎ目に生じる非発熱帯による温度分布の変化によって、半導体融液14に急激な温度変化を生じさせるのを防止できる。
また、サセプタ3の内部底面13に、熱流制御部材15を設けているため、半導体融液14を凝固させる際のルツボ2の上方から下方への熱流において、ルツボ2の上方からルツボ2の側壁外周部12側(ルツボ2の傾斜部9側)ではなく、種結晶10側(ルツボ2の中心側)へ熱流を制御することができる。種結晶10側へ熱流を制御すると良い理由を以下に述べる。
従来の結晶成長炉では、単結晶の半導体結晶を成長させる過程において、熱歪みに起因する結晶格子のズレにより、転位が発生していた。転位が発生すると多結晶化し、良質な単結晶が得られない。
この転位は、固液界面(半導体融液14が凝固した半導体結晶と、半導体融液14との界面)に対して垂直に伝播していくため、転位が固液界面の複数箇所で発生しても単結晶の中心に集積せず結晶外へ出ていくように固液界面の形状を半導体融液14側に凸形状となるように半導体融液14を凝固させる必要がある。
しかし、半導体融液14は、低温な部分ほど速く凝固するため、熱が逃げやすいルツボ2の側壁外周部12側の方がルツボ2の中心側に比べて速く凝固する。そのため、固液界面の形状が半導体融液14側に凹形状となってしまう。
これを防止するためには、熱をルツボ2の側壁外周部12側ではなく、種結晶10側に逃がす(ルツボ2の側壁外周部12側よりも種結晶10側を低温にする)必要がある。
そのため、本発明においては、サセプタ3の内部底面13に熱流制御部材15を設けて種結晶10側へ熱流を制御するようにしている。
以上要するに、本発明の半導体結晶の製造方法によれば、サセプタ3側に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設けているため、半導体融液14の急激な温度変化を抑制でき、かつ熱流を制御でき、双晶や多結晶の発生を抑止し、単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できる。
具体的には、ルツボ2の側壁外周部12に熱流制御部材15を設けているため、非発熱帯の近傍であっても半導体融液14の急激な温度変化を抑制することができ、結晶成長を安定に進行させることができる。
また、サセプタ3の内部底面13に、熱流制御部材15を設けているため、固液界面の形状を半導体融液14側に凸形状となるように半導体融液14を凝固させることができ、結晶成長を安定に進行させることができる。
また、半導体結晶の半導体融液14が大気圧以上の解離圧を有する場合、チャンバ7に圧力容器を用いるようにしてもよい。チャンバ7に圧力容器を用いることにより、半導体結晶の半導体融液14が大気圧以上の解離圧を有する場合であっても、液体封止剤を用いると同時に、チャンバ内を解離圧以上の圧力に設定することにより、半導体融液14の解離を防止して単結晶の半導体結晶を成長させることができる。
また、ルツボ2の全体を石英などから形成されたアンプルに封入するようにしてもよい。この場合、ルツボ2を封入したアンプルを結晶成長炉1内の所定の位置に設置して、単結晶の半導体結晶を成長させる。
上記の実施の形態では、サセプタ支持部材4を回転させながら徐々に降下させることにより単結晶を成長させているが、半導体結晶の製造方法はこれに限られない。例えば、複数のヒータ5の設定温度を、温度勾配を維持したまま所定の速度で徐々に低下させて、ルツボ2内の温度を低下させ、ルツボ2内の半導体融液14から単結晶を成長させる、所謂VGF法により半導体結晶を製造するようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、GaAsやInPの単結晶だけではなく、他のIII−V族化合物半導体結晶を成長させることもできる。例えば、本発明を用いて、InAs、GaSb、又はInSbなどの半導体結晶の単結晶を成長させることができる。また、本発明を用いてAlGaAsやInGaPなどのIII−V族化合物半導体結晶の三元混晶結晶の成長にも応用が可能である。
さらに、III−V族化合物半導体結晶以外にも、ZnSeやCdTeなどのII−VI族化合物半導体結晶、SiやGeなどのIV族化合物半導体結晶の成長にも応用が可能である。また、各種の金属結晶や酸化物結晶、フッ化物結晶といった半導体結晶以外の材料の結晶成長にも同様の効果が期待できる。
上記の実施の形態では、熱流制御部材15を、ルツボ2の側壁外周部12とサセプタ3の内部底面13に設けたが、熱流制御部材15の配置箇所はこれに限るものではなく、例えば、サセプタ3の側壁外周やサセプタ3の外部底面などに設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、サセプタ3側に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15、具体的にはアルミナを設けたが、GaAsの融点以上の温度で液体である三酸化硼素(B23)を容器に収容して熱流制御部材15としても本発明と同様の効果を期待できる。これは、一般に固体→液体→気体と変化するにつれて熱伝導率が大きく低下するため、半導体結晶の融点以上で液体であるB23ならば結晶成長時に半導体融液14よりも熱伝導率が小さくなり好適だからである。B23以外でも熱伝導率が半導体融液14より低い物質であれば同様に用いることができる。
本発明は、VB法、VGF法の他に、VB法の変形例であるブリッジマン−ストックバーガー(Bridgman−Stockbargar)法や、ルツボに対して炉体を移動させることで結晶成長を行う垂直炉体移動(Vertical Traveling Furnace:VTF)法に適用することができる。
(実施例1)
本実施例では、図1に示した結晶成長炉1を用いてGaAsの結晶成長を行った例を説明する。
直胴部8の直径160mm、直胴部8の高さ300mmのpBN製のルツボ2の下部の細径部11に、種結晶10を収容した後、原料として別工程で合成した塊状のGaAs多結晶を24,000g充填し、さらにドーパントとして7.2gのSiと、液体封止剤としてB23を400g収容した。
このルツボ2をグラファイト製のサセプタ3に収容し、さらにサセプタ3を、結晶成長炉1内で昇降並びに回転自在なサセプタ支持部材4の上に載置した。そのサセプタ3の側壁内周部、すなわちルツボ2の側壁外周部12にアルミナからなる円筒状の熱流制御部材15を、サセプタ3の内部底面13にアルミナからなるドーナツ状の熱流制御部材15を設けた。
その後、結晶成長炉1を密閉して炉内を窒素ガス雰囲気にガス置換し、次に各ヒータ5を通電加熱することにより、GaAs多結晶を融解して、GaAsの半導体融液14とした。原料の融解を開始するにあたり、ルツボ2を2rpmの速度で回転させた。
このルツボ回転は、結晶成長が終了するまで続けた。ヒータ5を加熱する過程で、炉内の雰囲気ガスは体積膨張するが、炉内の圧力が0.8MPaを超えないように、圧力の自動制御を行った。このガス圧制御は、結晶成長中も常に0.8MPaの圧力が保持されるように、連続的に行った。
ルツボ2内に一緒に収容したB23は、GaAs多結晶が融解するよりも早く軟化し、透明な水飴状になって融液の表面を覆った。これにより、GaAsの分解によるAsの揮発を抑えることができた。
GaAs多結晶が完全に融解した後、サセプタ3の外周に配置した4台のヒータ5の設定温度を上から順にそれぞれ1280℃、1250℃、1100℃、1000℃にして、融液温度が安定するまで6h保持した。このとき、ヒータ5に対するルツボ2の位置は、予め熱電対を炉内に挿入して計測した温度分布を元に、GaAsの融点である1238℃の等温線が、丁度種結晶10の上部にかかるようにし、種結晶10が全て融解してしまわないようにした。
炉内の温度が安定したところで、ルツボ2を4mm/hの速度で回転させながら、ゆっくりと降下させた。その後、約2.5日かけて、ルツボ2を240mm降下させたところで降下を止め、その後各ヒータ5の温度が950℃になるように24hかけて徐冷した後、400℃まで各ヒータ5の温度を−20℃/hの速度で冷却、さらにヒータ5の電源を落として室温まで冷却した。
冷却後、炉内から取り出した結晶を観察したところ、全長に亘って単結晶となっていることが確認できた。
また、上記と同じ結晶成長条件にて、連続して20回の結晶成長を行い、全ての結晶がその全長に亘って単結晶となっていることを確認した。
(実施例2)
図1に示した結晶成長炉1において、ルツボ2の側壁外周部12にのみアルミナからなる円筒状の熱流制御部材15を設けた結晶成長炉を用いてGaAsの結晶成長を行った。ルツボ2の側壁外周部12にのみアルミナからなる円筒状の熱流制御部材15を設けた以外は、実施例1と全く同じ条件で結晶成長を行った。
最初の成長では、冷却後、炉内から取り出した結晶を観察したところ、結晶の傾斜部(肩部)から直胴部に移行する過程で多結晶が発生してしまい、単結晶を得ることができなかった。
また、2回目の成長では、全長に亘って単結晶を得ることができた。同様に計10回の成長を行ったところ、7本の結晶は全長に亘って単結晶を得られたが、3本の結晶は直胴部途中から多結晶の発生が見られた。
(実施例3)
図1に示した結晶成長炉1において、サセプタ3の内部底面13にのみアルミナからなるドーナツ状の熱流制御部材15を設けた結晶成長炉を用いてGaAsの結晶成長を行った。サセプタ3の内部底面13にのみアルミナからなるドーナツ状の熱流制御部材15を設けた以外は、実施例1と全く同じ条件で結晶成長を行った。
最初の成長では、冷却後、炉内から取り出した結晶を観察したところ、肩口から双晶の発生が見られた。
また、2,3,4回目の成長では、全長に亘って単結晶を得ることができたが、5回目の成長で、結晶の傾斜部から直胴部に移行する過程で、多結晶が発生してしまった。
同様に計10回の成長を行ったところ、6本の結晶は全長に亘って単結晶が得られたが、2本の結晶は直胴部の途中から多結晶の発生が見られ、残りの2本の結晶は、肩口から双晶の発生が見られた。
(比較例1)
図2に示した従来の結晶成長炉を用いてGaAsの結晶成長を行った。結晶成長炉を変えた以外は、実施例1と全く同じ条件で結晶成長を3回行った。
最初の成長では、冷却後、炉内から取り出した結晶を観察したところ、結晶の傾斜部(肩部)から直胴部に移行する過程で双晶が発生してしまい、単結晶を得ることができなかった。
また、2回目の成長では、結晶の傾斜部から直胴部に移行する過程で、多結晶が発生してしまい、単結晶を得ることができなかった。
3回目の成長は、直胴部の途中で多結晶が発生してしまい、全長に亘って単結晶を得ることができなかった。全3回の成長で単結晶を得ることができなかった。
以上より、サセプタ3側に、半導体融液14の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材15を設けることで、半導体融液14を凝固させる過程での急激な温度変化を抑制して、双晶や多結晶の発生を抑止し、従来に比べて単結晶の半導体結晶を歩留り良く製造できることが分かる。
さらに、ルツボ2の側壁外周部12とサセプタ3の内部底面13とに熱流制御部材15を設けることで、単結晶の半導体結晶をより歩留り良く製造できることが分かる。
2 ルツボ
3 サセプタ
5 ヒータ
10 種結晶
13 底部
14 半導体融液
15 熱流制御部材

Claims (4)

  1. 外周にヒータが配置されたサセプタ内にルツボを収容し、該ルツボの底部に種結晶を配置すると共に前記ルツボ内に半導体融液を収容し、前記半導体融液を前記種結晶と接触させた状態で、前記ヒータと前記ルツボを相対的に移動させるか或いは前記ヒータに上下方向の温度勾配を持たせると共にその温度勾配を維持したまま前記ヒータの温度を下降させて、前記種結晶側から上方に向けて徐冷して徐々に固化させる半導体結晶の製造方法において、
    前記サセプタ側に、前記半導体融液の熱伝導率よりも小さい熱伝導率を有する熱流制御部材を設けることを特徴とする半導体結晶の製造方法。
  2. 前記ルツボの側壁外周部に、前記熱流制御部材を設ける請求項1に記載の半導体結晶の製造方法。
  3. 前記サセプタの内部底面に、前記熱流制御部材を設ける請求項2に記載の半導体結晶の製造方法。
  4. 前記熱流制御部材は、アルミナからなる請求項1〜3のいずれかに記載の半導体結晶の製造方法。
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