JP4344021B2 - InP単結晶の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、化合物半導体単結晶の製造方法に係り、例えばInP等の化合物半導体の原料融液を冷却して垂直方向に単結晶を成長させる垂直グラジェントフリージング(以下、VGF)法や垂直ブリッジマン(以下、VB)法に適用して有用な技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に、例えばGaAsやInP等の化合物半導体単結晶インゴットを工業的に製造するにあたっては、液体封止チョクラルスキー(LEC)法もしくは水平ブリッジマン(HB)法が用いられている。
【0003】
上記LEC法は、大口径で断面形状が円形のウェハを得ることができ、液体封止剤(B23)を使用しているので高純度の結晶を得易い等の長所を有する反面、結晶成長方向の温度勾配が大きいため、結晶中の転移密度(EPD)が高くなるという難点があった。したがって、その結晶を用いてFET(電界効果トランジスタ)等の電子デバイスを作製した場合に、結晶欠陥により電気的特性が劣化してしまうという問題を生じる。
【0004】
一方のHB法は、結晶成長方向の温度勾配が小さいため低転移密度の結晶を得ることができるという長所がある反面、ルツボ(ボート)内で原料融液を固化させるため、大口径化が困難であり、さらにルツボ形状に依存した形状(例えば、かまぼこ形)のウェハしか得られないという短所がある。
【0005】
そこで、HB法およびLEC法のそれぞれの短所を補いつつ、それぞれの長所を併せ持つ単結晶製造方法として、垂直グラジェントフリージング(VGF)法や垂直ブリッジマン(VB)法が開発された。
【0006】
これらの単結晶製造方法によれば、有底円筒形のルツボの使用により円形のウェハを得ることができ、結晶成長方向の温度勾配が小さいため育成結晶の低転位密度化を容易に達成することができる。
【0007】
しかしながら、上記VGF法やVB法は、反応炉内の微小な温度変化の影響、あるいはルツボの内壁の凹凸や付着した異物の影響を受け易く、ルツボにおける結晶育成開始点から直胴部に至るまでの結晶増径部における双晶や多結晶の発生の確率が高く、単結晶製造の単結晶製造の歩留まりを低下させる主な原因となっている。
【0008】
これらの欠点のうち、反応炉内の温度変動の影響については、近年の温度制御技術の進歩によって解消されてきている。また、ルツボの内壁における多結晶の発生についても、結晶育成時に液体封止剤(B23)を使用することにより防止できるようになってきた。
【0009】
しかしながら、結晶育成開始点から直胴部に至るまでの結晶増径部における双晶の発生については未だ有効な防止策は提案されていない。
【0010】
ところで、GaAsやInPのような閃亜鉛鉱型構造の化合物半導体単結晶を種結晶を用いて育成する場合、種結晶から直胴部へ至る増径部の傾斜角度と双晶の発生確率には密接な関係があることが判っている。
【0011】
即ち、(100)方位の結晶を育成する場合、増径部に(111)ファセット面が現れ、このファセット面から双晶が発生する。この事象は、本発明者等の行った実験でも確認されている。本発明者等の実験によれば、双晶の発生した結晶では、全ての双晶がファセット面に沿って発生していた。
【0012】
(111)ファセット面は、(100)方位と54.7°の角度をなすため、一般には、(111)ファセット面が現れるのを防ぐために、ルツボの増径部の傾斜角度を(90°−54.7°)、即ち35.3°以下としている。
【0013】
しかし、増径部の傾斜角度を小さくすると、成長させた結晶の増径部も長くなってしまい、ウェハの収率が低下して生産性が悪化するという問題がある。
【0014】
なお、ルツボの増径部の傾斜角度を40°〜50°にして結晶成長を行うと良いとの報告(半導体研究35巻,P4等)もある。しかし、本発明者等が追試を行ったところ、増径部の傾斜角度が30°〜50°の範囲においては、双晶の発生を十分に抑制することはできないことが判明した。
【0015】
そこで、本出願人((株)ジャパンエナジー)は、VGF法やVB法により化合物半導体単結晶を製造する場合に、ルツボ底面がその中心に向かって徐々に低くなるように垂直方向に対して80°以上90°未満の所定角度をなして傾斜したルツボを用いるようにして双晶の発生を抑制し得るようにした単結晶製造方法を提案した(特願平9-119069号)。
【0016】
この製造方法は、ルツボ底面が略平坦になるため、種結晶から直胴部へ移動する際の増径部が実質的に殆ど存在しない状態となり、双晶が発生し易い増径部での結晶成長時間が極めて短くなり、双晶の発生確率の大幅な低減が期待できるものであった。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、InPについては、GaAsと比較して物性的に双晶が発生し易いため、VGF法やVB法で結晶成長を行うと、上記製造方法によっても増径部における双晶の発生を十分に抑制することができなかった。
【0018】
そのため、InP単結晶の製造について、VGF法やVB法において育成する結晶と同程度の直径を有する種結晶を用いて、種結晶から直胴部への増径部を物理的になくして、双晶が発生しないようにする方法が提案されている。
【0019】
しかしながら、上述の方法では、育成する結晶と同程度の直径の大きな種結晶を必要とするため、種結晶部分の無駄が多く、製造コストが嵩み工業的生産としては実用的でないという問題点があった。
【0020】
本発明は、上述のような問題を解決すべくなされたものであり、結晶の増径部において双晶が発生するのを有効に防止してより高い歩留まりで化合物半導体単結晶、特にInPのように双晶を生じやすい化合物半導体単結晶を製造することのできる化合物半導体単結晶の製造方法を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係るInP単結晶の製造方法は、下端側に逆円錐形の増径部を有し、かつ当該増径部の底部中央に種結晶の設置部を有する有底円筒形のルツボを用い、該ルツボの種結晶設置部内に種結晶を設置し、該ルツボ内にInPの原料および封止剤を投入し、そのルツボを気密容器内に封入した後、該気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料および前記封止剤を加熱手段で加熱溶融し、得られた原料融液を下側から徐冷して前記種結晶から上方に向かって固化させることによりInPの単結晶を成長させる際に、前記ルツボの前記増径部における垂直方向の結晶成長速度を20mm/hr以上とし、温度勾配を1〜10℃/cmとして結晶成長させるようにしたものである。
【0022】
なお、前記ルツボの前記逆円錐形の増径部は、底部中央の法線に対して40°以上90°未満の所定の傾斜角度を有することが好ましく、より望ましくは、60°以上90°未満、特に好ましくは、80°以上90°未満とするとよい。
【0024】
以下に、本発明者等が、本発明に到るまでの考察内容及び研究経過について概説する。
【0025】
まず、本発明者等は、略平坦な底面形状のルツボを用いて結晶成長を行うことにより双晶の発生確率の高い増径部をできるだけ形成することなく結晶を成長させるという上述の提案について、結晶増径部における最適な結晶成長条件について検討を加えた。
【0026】
一般的に結晶成長時の固液界面は、固相が凸状となっている方が単結晶になり易いとされ、そのためには結晶の成長速度はできるだけ遅い方が望ましいとされている。しかしながら、本発明者等が行った実験の結果では、結晶の成長速度を遅くしたとしても、結晶増径部の固液界面の状態は余り改善されず、双晶の発生を効果的に抑制することはできなかった。
【0027】
また、その他に固液界面を改善する方策としては、ルツボの保持材を適宜変更したり、種結晶部を強制的に冷却する方法などが提案されているが、本発明者等の実験によれば何れの方法によっても双晶の発生を確実に抑制することはできなかった。
【0028】
そこで、本発明者等は、VGF法によるGaAs単結晶の育成実験で得られた結果から、ルツボにおいて双晶が発生する位置と結晶増径部で見られる(111)ファセット模様の関係を研究考察し、(111)ファセット模様が双晶の発生に関係していることを見出した。
【0029】
即ち、VGF法で育成したGaAs単結晶のうち、ファセットの模様が正方形に近い場合は、双晶が全く発生しないのに対して、一方向のファセットのみが長くなったような非対称のファセット模様の場合は双晶の発生が見られることが多かった。
【0030】
このような非対称なファセット模様の発生は、増径部での融液の固化が4方向に一様に進むのではなく、ある一方向に速く進んでいることを示している。そして、このようなファセットの成長状態が双晶の発生に影響を与えていることは十分に考えられることである。
【0031】
本発明者等は、上述のような考察に基づくならば、双晶の発生を確実に抑制するためには、対称性よくファセット成長が進行するような結晶成長条件が必要であると考え、研究を重ねた結果、結晶の成長速度を所定値以上に速くすることがファセットを対称性よく成長させるのに有効であるとの確信を得るに到った。
【0032】
従来において、VGF法では固液界面近傍の温度勾配が小さいため、育成する結晶の熱伝導度によって多少異なるが、結晶成長速度は概ね数mm/hrが望ましいとされてきた。
【0033】
本発明者等は、双晶が発生し易い物性を有するInPについて、上述のような結晶成長速度に拘泥することなく、増径部の成長速度を5mm/hr,10mm/hr,20mm/hr,50mm/hrと変化させて結晶育成を試みたところ、増径部の成長速度が5mm/hrでは種結晶から増径部に至る部位で双晶が発生し、増径部の成長速度を50mm/hrとして初めて双晶のないInP単結晶を得ることに成功した。
【0034】
但し、増径部の成長速度を20mm/hrとした場合に現れた双晶も端の僅かな部分であり、結晶の直胴部分の殆どで高品質なInP単結晶を得ることができた。
【0035】
この結果に基づき、工業的にInP等の単結晶を歩留まりよく得るための成長速度条件を策定したところ、少なくとも増径部(肩部)の結晶成長速度は、20mm/hr以上、好ましくは30mm/hr以上、更に好ましくは40mm/hr以上、最も好ましくは50mm/hr以上であることが望ましいとの結論を得るに至り、上記知見に基づいて本発明を完成したものである。
【0036】
本発明に係る化合物半導体単結晶の製造方法によれば、結晶の増径部において双晶が発生するのを有効に防止することができ、高い歩留まりで化合物半導体単結晶を得ることができ、特にInPのように双晶を生じやすい化合物半導体単結晶を効率良くしかも低コストで製造することが可能となる。
【0037】
【発明の実施の形態】
ここで、本発明の実施形態の一例として、本発明に係る化合物半導体単結晶の製造方法を適用してInP単結晶を製造する場合について図1および図2を参照して説明する。
【0038】
図1は、本発明に係る化合物半導体単結晶の製造方法に適用されるルツボおよび周辺器具の一例を示す断面図、図2は、ルツボの増径部を示す概略説明図、図3は、本発明をVGF法に適用した際に適用される結晶成長炉の概略図である。
【0039】
図1において、符号1はPBN製のルツボであり、その底部には有底筒状の種結晶設置部2が形成されている。
【0040】
ルツボ1の底部に相当する増径部Aは逆円錐形の形状を有し、その増径部Aは、底部中央の法線Nに対して角度α(α=40°以上90°未満)の傾斜角を有するように形成されている。
【0041】
そして、ルツボ1の種結晶設置部2にInPの種結晶Sを入れ、ルツボ1の本体内にInPの多結晶原料3と封止剤(B23)4を投入する。次いで、石英製の内容器5の下方側にルツボサセプター6と上記原料3を入れたルツボ1を設置する。なお、ルツボサセプター6の種結晶設置部2近傍位置には、種結晶の温度を測定するための熱電対7が設けられている。続いて、内容器5の上部に石英製の蓋8を嵌合して内容器5を密封する。
【0042】
次いで、上述のようにセッティングされた内容器5は、図3に示すように、縦型加熱炉としての高圧容器10内の筒状多段グラファイトヒータ11の所定位置に下軸12に支持されて設置される。なお、ヒータ11の外側には断熱材で構成されるホットゾーン13とホットゾーン上蓋14が設けられている。
【0043】
高圧容器10内に内容器5の設置が完了すると、所定の圧力を印加しながら筒状多段グラファイトヒータ11による加熱を開始し、InPの多結晶原料3と封止剤(B23)4を融解させる。この際に、多段ヒータ11の各出力を調整して、種結晶S側から原料融液の上方に向かって徐々に高温となるような所定の温度勾配を維持する。そして、ルツボ1内の原料融液を下方から徐々に融点以下の温度に冷却してInPの単結晶を上方に向かって成長させる。
【0044】
ここで、冷却時の温度勾配については、少なくともルツボ1の増径部Aにおける温度勾配、即ち結晶育成開始点の種結晶Sと原料融液との固液界面から結晶の直胴部の育成が開始されるまでの領域における温度勾配は、1℃/cm〜10℃/cmとし、結晶成長速度は20mm/hr以上とすることが望ましい。
【0045】
これにより、InP結晶の増径部における双晶の発生を有効に抑制することがことができる。
【0046】
したがって、高い歩留まりでInPの単結晶を得ることができ、InP単結晶の製造コストを抑えることが可能となる。
【0047】
なお、上記実施形態においてはVGF法でInP単結晶を成長させる場合について説明したが、これに限られるものではなくVB法に適用することも可能であり、またInP以外のGaAs等の化合物半導体を製造する場合にも適用することができる。
【0048】
【実施例】
以下に、本発明に係る化合物半導体単結晶の製造方法の実施例を示して本発明の特徴とするところをより明らかとする。
【0049】
なお、本発明は、以下の各実施例によって何ら限定されるものではない。
【0050】
上記実施形態において、ルツボ1として直径が約4インチで厚さが1mmのPBN製ルツボを用いた。また、図2におけるルツボ1の増径部Aの底部中央の法線Nに対する角度αは、87°とした。
【0051】
そして、ルツボ1の種結晶設置部2にInP単結晶よりなる種結晶Sを入れ、さらにルツボ1内に原料として約5kgのInP多結晶3、封止剤4として適量のB23を入れた。
【0052】
続いて、石英製の内容器5の下部にルツボサセプター6を入れ、その上に上述のように原料を入れたルツボ1を設置し、その後、内容器5の上部を石英製の蓋8を嵌合して内容器5を密封する。なお、ルツボサセプター6の種結晶設置部2近傍位置には、種結晶の温度を測定するための熱電対7が設けられている。
【0053】
次いで、上述のようにセッティングされた内容器5は、図3に示すように、高圧容器10内の筒状多段グラファイトヒータ11の所定位置に下軸12に支持されて設置される。
【0054】
そして、高圧容器10内に内容器5の設置が完了すると、所定の圧力(例えば45atm)を印加しながら筒状多段グラファイトヒータ11による加熱を開始し、種結晶Sの上端と原料3が1080℃〜1062℃の温度となるようにルツボ1を加熱して、InPの多結晶原料3と封止剤(B23)4を融解させた。
【0055】
この際に、多段ヒータ11の各出力を調整して、種結晶S側から原料融液の上方に向かって徐々に高温となるような所定の温度勾配を維持する。そして、ルツボ1内の原料融液を下方から徐々に融点以下の温度に冷却してInPの単結晶を上方に向かって成長させる。
【0056】
ここで、冷却時の温度勾配については、少なくともルツボ1の増径部Aにおける温度勾配、即ち結晶育成開始点の種結晶Sと原料融液との固液界面から結晶の直胴部の育成が開始されるまでの領域における温度勾配は、1℃/cm〜10℃/cmとなるようにした。
【0057】
そして、種付け位置から増径部Aを経て直胴部10mmまでの結晶成長速度を50mm/hr以上、それ以降の成長速度を1mm/hrとなるように高圧容器10内の設定温度を降温して、結晶成長を行った。
【0058】
その後、高圧容器10内の全体を100℃/hの降温速度で冷却し、室温近くまで冷えた時点で、高圧容器10から育成結晶を取り出した。
【0059】
得られた育成結晶は、直径約4インチで全長約12cmのInP単結晶であり、その結晶性を検査したところ、双晶や多結晶は全く発生していなかった。
【0060】
さらに、このInP単結晶を切断して転移密度(EPD)を調べたところ、結晶の何れの位置においても転移密度は10000cm-2以下であった。
【0061】
また、同様にして結晶成長の実験を数回試みた結果、全ての実験において双晶発生の無いInP単結晶を得ることができ、本発明に係る単結晶製造方法が、双晶発生の抑制に極めて効果的であることが確認された。
【0062】
このように本実施例に係る単結晶製造方法によれば、高い歩留まりでInPの単結晶を得ることができ、InP単結晶の製造コストを抑えることが可能となる。
【0063】
なお、上記実施例ではInP単結晶を成長させる場合について説明したが、これに限られるものではなくCdTeなど双晶が発生し易く、単結晶化し難い物性を有する化合物半導体をVGF法やVB法で製造する場合に適用することも可能である。
【0064】
【発明の効果】
本発明によれば、下端側に逆円錐形の増径部を有し、かつ当該増径部の底部中央に種結晶の設置部を有する有底円筒形のルツボを用い、該ルツボの種結晶設置部内に種結晶を設置し、該ルツボ内にInPの原料および封止剤を投入し、そのルツボを気密容器内に封入した後、該気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料および前記封止剤を加熱手段で加熱溶融し、得られた原料融液を下側から徐冷して前記種結晶から上方に向かって固化させることによりInPの単結晶を成長させる際に、前記ルツボの前記増径部における垂直方向の結晶成長速度を20mm/hr以上とし、温度勾配を1〜10℃/cmとして結晶成長させるようにしたので、結晶の増径部において双晶が発生するのを有効に防止することができるという効果があり、高い歩留まりでInP単結晶を得ることができ、双晶を生じやすいInP単結晶を効率良くしかも低コストで製造することが可能となるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る化合物半導体単結晶の製造方法に適用されるルツボおよび周辺器具の一例を示す断面図である。
【図2】ルツボの増径部を示す概略説明図である。
【図3】本発明をVGF法に適用した際に適用される結晶成長炉の概略図である。
【符号の説明】
1 ルツボ
2 種結晶成長部
3 原料(InP多結晶)
4 封止剤(B23
5 内容器
6 ルツボサセプター
7 熱電対
8 蓋
S 種結晶
A 増径部
10 高圧容器
11 筒状多段グラファイトヒータ
12 下軸
13 ホットゾーン
14 ホットゾーン上蓋

Claims (2)

  1. 下端側に逆円錐形の増径部を有し、かつ当該増径部の底部中央に種結晶の設置部を有する有底円筒形のルツボを用い、該ルツボの種結晶設置部内に種結晶を設置し、該ルツボ内にInPの原料および封止剤を投入し、そのルツボを気密容器内に封入した後、該気密容器を縦型の加熱炉内に設置して前記原料および前記封止剤を加熱手段で加熱溶融し、得られた原料融液を下側から徐冷して前記種結晶から上方に向かって固化させることによりInPの単結晶を成長させる際に、前記ルツボの前記増径部における垂直方向の結晶成長速度を20mm/hr以上とし、温度勾配を1〜10℃/cmとして結晶成長させることを特徴とするInP単結晶の製造方法。
  2. 前記ルツボの前記逆円錐形の増径部は、底部中央の法線に対して40°以上90°未満の所定の傾斜角度を有することを特徴とする請求項1記載のInP単結晶の製造方法。
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