JP2011026176A - Iii−v族化合物結晶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】多結晶化を抑制してIII−V族化合物結晶を製造する、III−V族化合物結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】III−V族化合物結晶の製造方法は、以下の工程を備えている。るつぼ6内に、原料9、10と封止剤12とドーパント11とを配置する。原料9、10を溶融して融液を生成し、融液を固化させることにより、III−V族化合物結晶を成長させる。配置する工程では、封止剤12の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤12の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパント11として配置する。
【選択図】図1

Description

本発明は、III−V族化合物結晶の製造方法に関し、たとえばIII族燐化物結晶の製造方法に関する。
従来より、III族燐化物結晶などのIII−V族化合物結晶は、たとえばVB(Vertical Bridgman:垂直ブリッジマン)法、VGF法(Vertical Gradient Freeze:垂直温度傾斜凝固)法などの垂直ボート法により製造されている。
このようなIII−V族化合物結晶の製造方法として、たとえば特開2004−345888号公報(特許文献1)に開示の化合物半導体結晶の製造方法が挙げられる。この特許文献1には、ブロック状の原料に穴をあけてその中にドーパントをチャージすることにより、ドーパントが種結晶部へ落下して種結晶周辺に集まり、ドーパント濃度が高くなって析出を生じ、種結晶部から多結晶化するのを防止する方法が開示されている。
特開2004−345888号公報
しかしながら、上記特許文献1では、原料にあけた穴を貫通してドーパントを含む融液がるつぼと種結晶との隙間に落下して固化して、多結晶化してしまうことを本発明者は鋭意研究の結果見い出した。
したがって本発明の目的は、多結晶化を抑制してIII−V族化合物結晶を製造する、III−V族化合物結晶の製造方法を提供することである。
本発明者は、上記特許文献1で多結晶化する原因について鋭意研究した結果、以下の原因を見い出した。すなわち、融点の低いドーパントや、原料とドーパントとが反応して融点が低下するような材料系では、原料においてドーパントを収容した穴が比較的低い温度で貫通してしまう。この場合、封止剤がるつぼと種結晶との隙間を埋める前に、ドーパントを含む融点の低い融液がるつぼと種結晶との隙間に落下して固化してしまう。この固化した結晶は、種々の方位を有する多結晶、つまり異常凝固となる。この異常凝固に起因して、種結晶とは異なる方位を有する結晶粒が成長して、多結晶化してしまう。
そこで、本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法は、以下の工程を備えている。るつぼ内に、原料と封止剤とドーパントとを配置する。原料を溶融して融液を生成し、融液を固化させることにより、III−V族化合物結晶を成長させる。配置する工程では、封止剤の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパントとして配置する。
本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法によれば、封止剤の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパントとして用いている。このため、成長させる工程では、封止剤がドーパントよりも先に軟化する。これにより、封止剤がるつぼと種結晶との隙間を埋めるように配置される。したがって、ドーパントが融点の低い元素を含んでいても、種結晶とるつぼとの隙間にドーパントが侵入することを抑制することができる。よって、多結晶化を抑制したIII−V族化合物結晶を製造することができる。
上記III−V族化合物結晶の製造方法において好ましくは、上記配置する工程では、原料の融点に対して絶対温度で0.8倍以下の融点を有する化合物をドーパントとして配置する。
これにより、ドーパントを原料に容易に溶解することができる。
上記III−V族化合物結晶の製造方法において好ましくは、配置する工程では、封止剤として酸化ホウ素を配置し、元素が錫(Sn)であり、かつ化合物が燐化錫化合物であるドーパントを配置する。
酸化ホウ素は、原料の融液の分解を抑制するために、融液表面を封止する材料として好適に用いられる。ドーパントとして、この酸化ホウ素の軟化点よりも融点の高い燐化錫化合物を用いることにより、多結晶化を抑制して、酸化ホウ素の軟化点よりも融点の低い錫を含むIII−V族化合物結晶を製造することができる。
上記III−V族化合物結晶の製造方法において好ましくは、燐化錫化合物の融点が500℃以上である。
酸化ホウ素は300℃〜350℃で軟化するため、ドーパントの融点が500℃以上であると、封止剤と種結晶との隙間にドーパントが侵入することをより抑制することができる。
上記III−V族化合物結晶の製造方法において好ましくは、燐化錫化合物が、Sn43、Sn34、およびSnP3からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物を含む。
Sn43、Sn34、およびSnP3は融点が高く、安定した化合物であるので、ドーパントとして好適に用いられる。
上記III−V族化合物結晶の製造方法において好ましくは、成長させる工程では、III−V族化合物結晶として、燐化インジウム(InP)または燐化ガリウム(GaP)を成長させる。
燐化インジウムおよび燐化ガリウムは錫に溶け込みやすい。このため、封止剤と種結晶との隙間にドーパントが侵入することを抑制できる本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法が特に有効である。
以上より、本発明のIII−V族化合物結晶の製造方法によれば、多結晶化を抑制したIII−V族化合物結晶を製造することができる。
本発明の実施の形態におけるIII−V族化合物結晶の製造装置を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態における原料を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態におけるIII−V族化合物結晶を成長している状態を概略的に示す断面図である。 図3における種結晶収容部を概略的に示す拡大断面図である。 比較例におけるIII−V族化合物結晶を成長している状態を概略的に示す断面図である。 図5における種結晶収容部を概略的に示す拡大断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
まず、図1を参照して、本発明の一実施の形態におけるIII−V族化合物結晶の製造に用いられる製造装置の主要な構成について説明する。図1に示すように、製造装置は、チャンバー1と、断熱材2と、ヒータ3と、軸4と、るつぼ台5と、るつぼ6とを主に備えている。
チャンバー1は、耐圧構造を有している。断熱材2は、このチャンバー1内に配置されている。ヒータ3は、断熱材2の内周側で、かつるつぼ6の外周を覆うように配置されている。ヒータ3はるつぼ6の内部を加熱する。
るつぼ6は、ヒータ3の内周側に配置されている。るつぼ6は、種結晶収容部8を有している。種結晶収容部8の下端は閉口している。るつぼ6において種結晶収容部8と対向する領域は開口している。るつぼ6は、たとえばpBN(熱分解窒化ホウ素)製である。
るつぼ台5は、るつぼ6を保持している。軸4はるつぼ台5と接続されており、るつぼ台5に保持されたるつぼ6を下方に移動可能である。
なお、製造装置は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
続いて、図1〜図4を参照して、本発明の一実施の形態におけるIII−V族化合物結晶の製造方法について説明する。本実施の形態では、図1の製造装置を用いてIII−V族化合物結晶を製造している。
まず、るつぼ6の種結晶収容部8に、種結晶7を配置する。そして、るつぼ6内において、種結晶7上に、原料9、10と、ドーパント11と、封止剤12とをこの順に配置する。原料9は、たとえば円柱状である。原料10は、たとえば図2に示すように、中空を有するリング状である。原料9上であって、かつ原料10の中空にドーパント11を配置する。なお、原料9、10の形状は、円柱形やリング状に限定されるものではない。また、ドーパント11の配置は、特に限定されない。原料10は省略されていてもよく、ドーパント11は最上層の原料上に配置されていてもよい。
種結晶7および原料9、10は、成長させるIII−V族化合物結晶と同じ材料である。原料9、10は、たとえば燐化インジウムまたは燐化ガリウムであることが好ましい。
封止剤12は、原料9、10の融液とるつぼ6の壁面との濡れによる多結晶を抑制し、V族元素の解離、蒸発などを抑制する。封止剤12は、たとえば酸化ホウ素を用いることが好ましい。酸化ホウ素は、原料9、10の融液の分解を抑制するために、融液表面を封止する材料として好適に用いられる。
ドーパント11は、封止剤12の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤12の軟化点よりも高い融点を有する化合物である。このようなドーパント11として、封止剤12の軟化点よりも融点の低い元素が錫であり、かつ封止剤12の軟化点よりも高い融点を有する化合物が燐化錫化合物であることが好ましい。特に、封止剤12として酸化ホウ素を用いる場合に、ドーパント11として燐化錫化合物を用いることが好ましい。ドーパント11として、酸化ホウ素の軟化点よりも融点の高い燐化錫化合物を用いることにより、多結晶化を抑制して、酸化ホウ素の軟化点よりも融点の低い錫を含むIII−V族化合物結晶を製造することができる。
ドーパント11としての燐化錫化合物は、Sn43、Sn34、およびSnP3からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物を含んでいることがより好ましい。Sn43、Sn34、およびSnP3は融点が高く、安定した化合物であるので、ドーパントとして好適に用いられる。
また、ドーパント11としての燐化錫化合物の融点は、500℃以上であることが好ましく、540℃以上であることがより好ましい。燐化錫化合物の融点は、封止剤12の軟化点よりも高いほど、種結晶7とるつぼ6との間に燐化錫化合物が侵入することを抑制できるので好ましい。この観点から、封止剤12として軟化点が300〜350℃である酸化ホウ素を用いる場合、燐化錫化合物の融点が500℃以上であることが好ましく、540℃以上であることがより好ましい。また、燐化錫化合物の融点が高すぎると原料9、10に溶解し難くなるため、上限は原料9、10の融点に対して絶対温度で0.8倍以下であることが好ましく、0.7倍以下であることがより好ましい。たとえば燐化インジウムの融点は1335K(1062℃)であるので、燐化錫化合物の融点は1068K(795℃)以下であることが好ましく、935K(662℃)以下であることがより好ましい。
ここで、上記「軟化点(軟化温度)」とは、無定形物質が軟らかくなる温度を言う。たとえば粘性率が1010〜1011(Ns/m2)になる温度で、1〜10s程度の時間のうちに流動性が認められる状態である。また、上記「融点」とは、一定圧力のもとで固相状態の物質が液相と平衡を保つときの温度を言う。
次に、図1〜図4を参照して、原料9、10を溶融して融液を生成し、その原料9、10の融液を固化させることにより、III−V族化合物結晶13を成長させる。本実施の形態では、たとえばVB法を用いてIII−V族化合物結晶13を成長させる。
具体的には、まず、チャンバー1内を加圧するが、それに先立って、チャンバー1内を真空引きすることが好ましい。その後、ヒータ3でるつぼ6を加熱する。このとき、るつぼ6の上方(開口側)がより高温に、下方がより低温になるように温度勾配を形成して、種結晶7の上部が成長させるIII−V族化合物結晶13の融点に相当する温度なるまで温度を上昇させる。
ドーパント11の融点は封止剤12の軟化点よりも高いため、ヒータ3の加熱により、まず、封止剤12が溶融する。これにより、加熱温度の高い上端に位置する、溶融した封止剤12は、るつぼ6の側壁や原料9、10の表面をつたって流れ落ち、るつぼ6の底部に達する。そして、図3および図4に示すように、溶融した封止剤12は、種結晶7とるつぼ6との隙間に入り込み、種結晶7の周囲を覆う。また、図3に示すように、原料9、10の表面を封止剤12が覆う。
その後、ドーパント11が溶融する。ドーパント11は融点の高い化合物であるため、原料9、10と反応して融点が低下することを抑制できる。次いで、原料9、10が溶融する。上記のように温度勾配を形成した状態で、軸4を用いてるつぼ台5上に配置されたるつぼ6を下方に移動する。これにより、種結晶7上にIII−V族化合物結晶13が順次固化される。
このとき、種結晶7とるつぼ6との隙間に封止剤12が入り込んでいるので、この隙間にドーパント11を高濃度に含む融液が入り込むことを抑制できる。また、原料9、10の表面を封止剤12が覆っているので、原料9、10の融液が直接るつぼに触れることを抑制できる。このため、原料9、10の融液が直接るつぼに触れて固化することによる結晶欠陥の発生を抑制できる。したがって、原料9、10およびドーパント11がるつぼ6に接触することを抑制できるので、成長させるIII−V族化合物結晶13の多結晶化を抑制できる。さらに、原料9、10の表面を覆っているので、原料9、10の分解を抑制することができる。
なお、本発明のIII−V族化合物結晶の成長方法は上述した方法に特に限定されず、たとえばるつぼ6を下方に移動させずに、ヒータ3の温度を制御させるVGF法などを採用してもよい。
この工程において、成長させるIII−V族化合物結晶13は特に限定されないが、燐化インジウムまたは燐化ガリウムを成長させることが好ましい。
以上の工程を実施することにより、多結晶化を抑制して、III−V族化合物結晶13を製造することができる。
続いて、本実施の形態におけるIII−V族化合物結晶の製造方法の効果について、図5および図6に示す比較例と対比して説明する。
まず、比較例のIII−V族化合物結晶の製造方法は、上述した本実施の形態のIII−V族化合物結晶の製造方法において、ドーパントとして錫を用いている。たとえば燐化インジウムを製造する場合には、燐化インジウムの融点は1062℃であり、錫の融点は232℃であるので、その差が830℃である。また本発明者が鋭意研究した結果、錫は燐化インジウムを良く融かすことを見出した。この2つの性質が、VB法やVGF法などの縦型ボート法による燐化インジウム結晶の成長で、錫のドーピングを困難にしている。
具体的には、封止剤の軟化点よりも低い融点を有する錫が、封止剤12および原料9、10より先に融けて、錫を多分に含有する融液を作る。この融液は封止剤12および原料9、10より先に融けて、錫を多分に含有する融液を作る。この融液は、るつぼ6の側壁や原料9、10の表面を伝って流れ落ち、種結晶7とるつぼ6との隙間に入り込んで固化する。原料9、10の融液が直接るつぼ6に触れて固化すると、結晶欠陥が発生する。このため、このように固化した部分(以下「異常凝固部」とも言う)は、正常な結晶ではない。るつぼ6と種結晶7との隙間に形成された異常凝固部が起点となって、そのまま種結晶7とは方位の異なる結晶(多結晶)となって成長する。したがって、比較例では、多結晶のIII−V族化合物結晶が製造される。
また、図1に示すように、リング状の原料10の中空にドーパントを配置した場合には、錫は燐化インジウムを良く融かすので、比較的低い温度で原料9にも穴が貫通し、封止剤12がるつぼ6と種結晶7との隙間を埋める前に、ドーパントを含む融点の低い融液がるつぼ6と種結晶7との隙間に落下する。このため、原料10に中空を設けるように工夫した場合であっても、上記と同様に、多結晶を抑制することは難しい。
一方、本実施の形態におけるIII−V族化合物結晶13の製造方法は、封止剤12の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤12の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパント11として用いている。このため、成長させる工程では、封止剤12がドーパント11よりも先に軟化する。これにより、封止剤12がるつぼ6と種結晶7との隙間を埋めるように配置される。したがって、ドーパント11が融点の低い元素を含んでいても、種結晶7とるつぼ6との隙間にドーパント11を高濃度に含む融液が侵入することを抑制することができる。よって、多結晶化を抑制したIII−V族化合物結晶13を製造することができる。
さらに、ドーパント11よりも封止剤12が先に溶融するので、融点の低い元素のドーピングを、原料に穴を設けずに直接収容してもよい。この場合、III−V族化合物結晶13の製造の簡素化を図ることができる。
特に、封止剤12として軟化点が300〜350℃の酸化ホウ素を用い、ドーパント11として融点が500℃以上の燐化錫化合物を用いて、III族燐化化合物結晶を製造することが好ましい。錫は融点が232℃と低く、またIII族燐化化合物結晶は錫に容易に溶け込む。そのため原料にあけた穴に錫を配置した場合でも、錫と原料とが反応し、反応した原料に穴が貫通し、反応した原料の融液が種結晶とるつぼとの間に付着することで、多結晶を発生していた。しかし、本実施の形態のIII−V族化合物結晶13の製造方法によれば、封止剤12の軟化点よりもかなり高い融点を有する化合物をドーパント11として用いているので、多結晶化を抑制して、融点の低い錫を含むIII族燐化化合物結晶を製造することができる。
本実施例では、封止剤の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパントとして配置することによる効果について調べた。
(本発明例1)
本発明例1では、上述した実施の形態におけるIII−V族化合物結晶の製造方法により、錫ドープ燐化インジウム単結晶の成長を行なった。
具体的には、図1に示すように、先端に細い種結晶収容部8を有する、内径約55mmのpBN製のるつぼ6を使用した。原料9として、予め合成を行った約500gの円柱形状に成形した燐化インジウムブロック4個を準備した。原料10として、図2に示すように、リング状に成形した約100gの燐化インジウムブロック1個を準備した。ドーパント11として、Sn34(融点約560℃)6.7gを準備した。封止剤12として、酸化ホウ素(B23)を200g準備した。
図1に示すように、pBN製のるつぼ6の底部に準備した種結晶7を収容し、その上に準備した円柱形の燐化インジウムブロック4個(原料9)とリング状の燐化インジウムブロック(原料10)とを順に収容した。リング状の燐化インジウムブロックの穴部にドーパント11を収容し、最上部に封止剤12を載置した。このるつぼ6を、ステンレス製のチャンバー1内において軸4に保持されたるつぼ台5の上端に設置し、チャンバー1を密閉して窒素ガスを導入した。その後、るつぼ6の周囲に配置されたヒータ3でるつぼ6の内部を加熱して、封止剤12、ドーパント11、原料9、10、および種結晶7の上部を融解させた。
次に、ヒータ3の温度を調整して所望の温度分布を形成し、軸4を降下させてるつぼ6を低温部(チャンバー1下部)に移動させた。これにより、図3および図4に示すように、種結晶7の上部から原料9、10の融液を固化させて、III−V族化合物結晶13としての燐化インジウム単結晶を成長させた。
このようにして、錫ドープ燐化インジウム単結晶の成長を10ラン試みた結果、種結晶収容部8での異常凝固に起因する多結晶は1度も発生せず、10ラン全てが良好な単結晶であった。
(比較例1)
比較例1のIII−V族化合物結晶の製造方法は、基本的には本発明例1のIII−V族化合物結晶の製造方法と同様であったが、ドーパントとして錫を用いた点において異なっていた。
具体的には、図1に示すように、先端に細い種結晶収容部8を有する、内径約55mmのpBN製のるつぼ6を使用した。原料9として、予め合成を行った約500gの円柱形状に成形した燐化インジウムブロック4個を準備し、原料10として、リング状に成形した約100gの燐化インジウムブロック1個を準備した。また、ドーパントとして金属錫(融点約232℃)5gを、封止剤12としてB23を200g準備した。
pBN製のるつぼ6の底部に種結晶7を収容し、さらに円柱形の燐化インジウムブロック4個(原料9)とリング状の燐化インジウムブロック(原料10)とを収容した。ドーパントの金属錫は、リング状の燐化インジウムブロックの穴部に収容し、最上部に封止剤12を載置した。このるつぼ6を、ステンレス製のチャンバー1内において軸4に保持されたるつぼ台5の上端に設置し、チャンバー1を密閉して窒素ガスを導入した。その後、るつぼ6の周囲に配置されたヒータ3で加熱して、封止剤12、ドーパント、原料9、10、および種結晶7の上部を融解させた。
次に、ヒータ3の温度を調整して、本発明例1と同様の所望の温度分布を形成し、軸4を降下させてるつぼ6を低温部(チャンバー1下部)に移動させた。これにより、種結晶7の上部から原料9、10の融液を固化させて、III−V族化合物結晶としての燐化インジウム単結晶を成長させた。
このようにして、錫ドープ燐化インジウム単結晶の成長を10ラン試みた結果、10本中8本の種結晶側壁に図6に示すような異常凝固部15が観察され、その部分から図5および図6に示すような多結晶14が発生していた。10ラン中、単結晶は2本のみであった。
以上より、本実施例によれば、封止剤の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ封止剤の軟化点よりも高い融点を有する化合物をドーパントとして配置することにより、多結晶化を抑制できることが確認できた。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チャンバー、2 断熱材、3 ヒータ、4 軸、5 るつぼ台、6 るつぼ、7 種結晶、8 種結晶収容部、9,10 原料、11 ドーパント、12 封止剤、13 III−V族化合物結晶、14 多結晶、15 異常凝固部。

Claims (6)

  1. るつぼ内に、原料と封止剤とドーパントとを配置する工程と、
    前記原料を溶融して融液を生成し、前記融液を固化させることにより、III−V族化合物結晶を成長させる工程とを備え、
    前記配置する工程では、前記封止剤の軟化点よりも融点の低い元素を含み、かつ前記封止剤の軟化点よりも高い融点を有する化合物を前記ドーパントとして配置する、III−V族化合物結晶の製造方法。
  2. 前記配置する工程では、前記原料の融点に対して絶対温度で0.8倍以下の融点を有する前記化合物を前記ドーパントとして配置する、請求項1に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法。
  3. 前記配置する工程では、前記封止剤として酸化ホウ素を配置し、前記元素が錫であり、かつ前記化合物が燐化錫化合物である前記ドーパントを配置する、請求項1または2に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法。
  4. 前記燐化錫化合物の融点が500℃以上である、請求項3に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法。
  5. 前記燐化錫化合物が、Sn43、Sn34、およびSnP3からなる群より選ばれた少なくとも一種の化合物を含む、請求項3または4に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法。
  6. 前記成長させる工程では、前記III−V族化合物結晶として、燐化インジウムまたは燐化ガリウムを成長させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載のIII−V族化合物結晶の製造方法。
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