JP2012144411A - 半導体結晶の製造方法 - Google Patents

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智博 川瀬
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Abstract

【課題】転位を低減した半導体結晶を製造する、半導体結晶の製造方法を提供する。
【解決手段】半導体結晶の製造方法は、先端部6aと胴部6bとを有する縦型容器の先端部6aに種結晶7を配置する工程と、縦型容器の胴部6bに固体の原料9、10を配置する。原料9、10を加熱することにより原料9、10を溶融して、種結晶7上に原料融液を形成する工程と、原料融液を種結晶7側から凝固することにより、半導体結晶を成長する工程とを備え、原料融液を形成する工程では、種結晶7と接触する原料融液の温度と、原料9、10と対向する側の種結晶7の端部8の温度との差を30℃以下にする。半導体結晶の製造方法は、種結晶7の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料9、10を加熱することにより原料9、10を溶融して、種結晶7上に原料融液を形成する工程を備えていてもよい。
【選択図】図2

Description

本発明は半導体結晶の製造方法に関し、より特定的にはIII−V族化合物半導体結晶やIV族半導体結晶の製造方法に関する。
従来より、III−V族化合物半導体結晶やIV族半導体結晶などの半導体結晶は、たとえばVB(Vertical Bridgman:垂直ブリッジマン)法、VGF法(Vertical Gradient Freeze:垂直温度傾斜凝固)法などの垂直ボート法により製造されている。
このような半導体結晶の製造方法として、たとえば特開平6−298588号公報(特許文献1)、特開2004−345887号公報(特許文献2)、特開2004−99390号公報(特許文献3)、特開2006−104033号公報(特許文献4)などが挙げられる。
特許文献1には、VB法やVGF法による砒化ガリウム(GaAs)単結晶の成長において、蛇行した連通細管を有する挿入部品を、ボート下部の種結晶における原料融液との種付界面上に載置しておき、この挿入部品における連通細管で、種結晶からの転位の伝播や、種付時に発生する転位の育成結晶中への伝播を排除して、無転位もしくは極低転位密度の化合物半導体単結晶を製造することが開示されている。
特許文献2には、VB法やVGF法での化合物半導体単結晶の成長において、種付部近傍より育成結晶中に伝播する転位の多くは、種結晶を融解する時の熱ショック転位であり、種結晶の融解速度を0.5mm/h以上3.0mm/h以下となるように炉内温度を昇温させてから種付けを行なうことにより、種結晶融解時の熱ショック転位を抑制して、種付部近傍に発生する転位を低減することが開示されている。
特許文献3には、VB法におけるGaAs単結晶の成長において、種結晶としてシリコン(Si)およびホウ素(B)濃度が共に1.0×1017〜1.0×1019cm-3の範囲内で、シーディング位置に対応する箇所の固化率が種結晶成長時の(種結晶採取用結晶の)固化率換算において0.85以下である種結晶を用いることによって、種結晶から伝搬するウエハ中心付近の転位の少ない低転位の結晶成長を可能にすることが開示されている。
特許文献4には、VB法およびVGF法による化合物半導体単結晶の成長装置において、熱伝導率λ(W/m・K)と厚さt(m)を1.0×10-3≦t/λ≦1.0×10-2の関係を満たす、種結晶載置部の側面を覆う覆い部材を設置することにより、種結晶からの放熱不足をなくし、固液界面が融液に対して凹にならないようにして、種付部近傍から発生し伝播する転位を少なくすることが開示されている。
特開平6−298588号公報 特開2004−345887号公報 特開2004−99390号公報 特開2006−104033号公報
本発明者が鋭意研究した結果、上記特許文献1〜4では、原料融液に種結晶が接触したときに、種結晶に転位が発生し、それに起因して、種結晶上に成長する半導体結晶にも転位が発生してしまうことを見出した。
したがって本発明の目的は、転位を低減した半導体結晶を製造する、半導体結晶の製造方法を提供することである。
上述したように、本発明者は、製造する半導体結晶に転位が発生するのは、原料融液に種結晶が接触したときに、種結晶に転位が発生することに起因することを見出した。そこで、本発明者は、転位の発生を低減するために、原料融液と種結晶とが接触するときの状態を改善することに着目し、鋭意研究した結果、本発明を完成させた。
本発明の一の局面における半導体結晶の製造方法は、以下の工程を備えている。先端部と、この先端部と接続され、かつ先端部の径よりも大きい径、または同じ径を有する胴部とを有する縦型容器の先端部に種結晶を配置する。縦型容器の胴部に固体の原料を配置する。原料を加熱することにより原料を溶融して、種結晶上に原料融液を形成する。原料融液を種結晶側から凝固することにより、半導体結晶を成長する。原料融液を形成する工程では、種結晶と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶の端部の温度との差を30℃以下にする。
本発明の一の局面における半導体結晶の製造方法によれば、原料融液を形成する工程では、種結晶と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶の端部の温度との差を30℃以下にしている。原料溶融と、この原料融液と接触する種結晶との温度の差をこのように小さくすることで、種結晶に発生する熱応力を低減できる。このため、種結晶に転位が発生することを抑制できる。したがって、成長する結晶中に、種結晶に起因した転位が発生することを低減することができる。
上記一の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、上記原料融液を形成する工程では、原料と対向する側の種結晶の端部の温度は、原料の融点より15℃低い温度以上である。
これにより、種結晶における原料融液と接触する端部の温度と、原料の融点との差を低減できるので、種結晶に原料融液が接触したときに種結晶に発生する熱応力をより低減できる。このため、転位をより低減した半導体結晶を製造することができる。
本発明の他の局面における半導体結晶の製造方法は、以下の工程を備えている。先端部と、この先端部と接続され、かつこの先端部の径よりも大きい径、または同じ径を有する胴部とを有する縦型容器の先端部に種結晶を配置する。縦型容器の胴部に固体の原料を配置する。種結晶の少なくとも一部を溶融する。種結晶の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料を加熱することにより原料を溶融して、種結晶上に原料融液を形成する。原料融液を種結晶側から凝固することにより、半導体結晶を成長する。
本発明の他の局面における半導体結晶の製造方法によれば、種結晶の少なくとも一部を溶融することで、種結晶の端部の融液部分がバッファとなって、原料融液が接触した際の熱的影響を緩和することができるため、溶融した原料が接触した際に、種結晶に発生する熱応力を低減できる。したがって、成長する半導体結晶中に、種結晶に起因した転位が発生することを低減することができる。
上記他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、種結晶の少なくとも一部を溶融する工程では、種結晶の体積の5%以上50%以下を溶融する。
5%以上の場合、種結晶の端部の融液の熱容量が充分大きいため(融液の量が充分多いため)、溶融した原料が種結晶の端部の融液と接触した際に、温度差の影響をより小さくすることができる。また50%以下の場合、充分な長さの種結晶の残部が存在するため、種付け位置の再現性を高めることができる。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、原料融液を形成する工程では、種結晶の長さ方向の温度勾配を1.0℃/cm以上9.0℃/cm以下にする。
種結晶の長さ方向の温度勾配が1.0℃/cm以上の場合、種結晶による放熱が充分に得られるので、種結晶において原料融液の接触による影響を小さくすることができるとともに、半導体結晶をより安定して成長することができる。種結晶の長さ方向の温度勾配が9.0℃/cm以下の場合、種結晶の内部に生じる熱応力を充分小さくすることができる。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、胴部は、内部で半導体結晶を成長する部分であって、実質的に一定の断面積を有する直胴部を有し、種結晶を配置する工程では、種結晶の断面積が、0.2cm2以上、直胴部の断面積以下である。
種結晶の断面積が大きいほど原料融液の接触による影響を低減することができるが、種結晶の断面積が0.2cm2以上の場合、原料融液の接触による影響をより効果的に低減することができる。なお、直胴部の断面積以下の先端部に種結晶を配置するので、種結晶の断面積は直胴部の断面積以下になる。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、原料融液を形成する工程では、種結晶と接触する原料融液の温度は、原料と対向する側の種結晶の端部の温度よりも高い。
原料と対向する側の種結晶の端部の温度よりも温度の低い原料融液が種結晶の端部に接触すると、瞬間に種結晶の温度が低下すると同時に、融液が固化して(種結晶から結晶の成長が起こって)潜熱が発生する。そのため、種結晶内部に急峻な温度勾配が発生して転位が増加し、成長する単結晶の転位を増加させる。種結晶と接触する原料融液の温度を、原料と対向する側の種結晶の端部の温度よりも高くすることによって、原料融液の接触による種結晶の温度低下と固化潜熱の発生を抑制することができ、転位の低減された単結晶を成長できることを見出した。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、原料融液を形成する工程では、種結晶と接触する原料融液の温度が原料の融点よりも高い。
原料融液の温度が融点より低い過冷却融液が種結晶の端部に接触すると、種結晶の温度が著しく低下すると同時に、瞬時に融液が固化して(種結晶から結晶の成長が起こって)潜熱が発生する。そのため、種結晶内部に著しく急峻な温度勾配が発生して転位が大幅に増加し、成長する単結晶の転位を著しく増加させる。種結晶と接触する原料融液の温度を融点よりも高くすることによって、原料融液の接触による種結晶の温度低下と固化潜熱の発生を大幅に抑制することができ、転位のより低減された単結晶を成長できることを見出した。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、縦型容器の長手方向の異なる複数の位置の温度を測定する工程をさらに備え、原料融液を形成する工程では、測定する工程で測定された温度に基づいて、種結晶および原料の温度を制御する。
測定する工程により、原料と対向する側の種結晶の端部の温度、原料の温度を推定することができる。この温度に基づいて種結晶および原料の温度を所望の温度に制御できるので、成長する半導体結晶の結晶性をより向上することができる。
上記一および他の局面における半導体結晶の製造方法において好ましくは、測定する工程で測定された複数の位置の温度と、シミュレーションにより求められた温度分布とを比較する工程をさらに備え、種結晶および原料の温度を制御する工程では、比較する工程に基づいて、種結晶の温度および原料の温度を推定することで、種結晶および原料の温度を制御する。
これにより、種結晶および原料の温度を所望の温度により容易に制御できる。このため、結晶性をさらに向上した半導体結晶を製造することが可能となる。
以上により、本発明の半導体結晶の製造によれば、転位を低減した半導体結晶を製造することができる。
本発明の実施の形態1における半導体結晶を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1における半導体結晶の製造装置を概略的に示す断面図である。 本発明の実施の形態1におけるリング状原料を概略的に示す斜視図である。 本発明の実施の形態1における半導体結晶の別の製造装置を概略的に示す断面図である。
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には、同一の参照符号を付し、その説明は繰り返さない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体結晶20を概略的に示す断面図である。まず、図1を参照して、本実施の形態の半導体結晶20について説明する。
半導体結晶20は、細径部21と、細径部21と接続され、かつ細径部21の径よりも大きい径または同じ径を有する胴部22とを備える。細径部21は、略円柱状である。細径部21の少なくとも一部(図1における相対的に下方に位置する部分23)は種結晶であることが好ましい。この場合、細径部21において相対的に上方に位置する部分24は、種結晶が溶融して固化した部分である。胴部22は、細径部21の上方に連なる増径部22aと、増径部22aの上方に連なる直胴部22bとを有する。増径部22aは、細径部21から直胴部22bに向けて徐々に径が大きくなるテーパ状である。直胴部22bは、径がほぼ一定である。
半導体結晶20において転位が低減されており、細径部21の上端20aの転位密度はたとえば24cm-2以下であり、直胴部22b下方の肩部20bの転位密度はたとえば67cm-2以下であり、直胴部22b上方の尾部20cの転位密度はたとえば13cm-2以下である。
半導体結晶20は、GaAs、GaP(リン化ガリウム)、InAs(砒化インジウム)、InP(リン化インジウム)などのIII−V族化合物半導体、あるいは、Ge(ゲルマニウム)、Si、GeSi(ゲルマニウムシリコン)などのIV族半導体であることが好ましい。
図2は、本発明の実施の形態1における製造装置を概略的に示す断面図である。続いて、図2を参照して、本発明の一実施の形態における半導体結晶20の製造装置の主要な構成について説明する。
図2に示すように、製造装置は、チャンバ1と、断熱材2と、ヒータ3と、軸4と、坩堝台5と、縦型容器としての坩堝6と、熱電対13〜15とを主に備えている。
チャンバ1は、たとえばステンレス製であり、耐圧構造を有している。断熱材2は、このチャンバ1内に配置されている。
ヒータ3は、断熱材2の内周側で、かつ坩堝6の外周を覆うように配置されている。ヒータ3は坩堝6の内部を加熱する。ヒータ3は、坩堝6の長手方向(図2における上下方向)に温度勾配を容易に形成するために、たとえば、坩堝6の先端部6a、増径部6b1、直胴部6b2、および軸4のそれぞれに対向する位置に、分離して配置されている。
坩堝6は、ヒータ3の内周側に配置されている。坩堝6は、先端部6aと、胴部6bとを有している。胴部6bは、先端部6aと接続され、かつ先端部6aの径よりも大きい径、または同じ径を有する。本実施の形態の胴部6bは、先端部6aと接続される部分に、先端部6aと反対側(図2における上方)に向けて径が増加する増径部6b1と、径がほぼ一定である直胴部6b2とを有している。先端部6aは、種結晶収容部である。先端部6aの下端は閉口している。坩堝6において先端部6aと反対側(胴部6b)は開口している。坩堝6は、たとえばpBN(熱分解窒化ホウ素)製である。
坩堝台5は、坩堝6を保持している。軸4は、坩堝台5と接続されており、坩堝台5に保持された坩堝6を下方に移動可能である。
熱電対13〜15は、坩堝台5に取り付けられている。熱電対13〜15のそれぞれは、先端部6aの下端領域、先端部6aと増径部6b1との接続領域、および坩堝6の増径部6b1と直胴部6b2との接続領域を測定する。なお、熱電対は省略されてもよく、配置される数は1本でもよいが、種結晶の長さ方向の温度勾配を測定可能にするため、複数配置されることが好ましい。種結晶の長さ方向の温度勾配を測定可能にする観点からは、熱電対が2本以上配置される場合には、少なくとも種結晶7(先端部6a)において高さ方向に異なる位置に配置されることが好ましい。
なお、製造装置は、上記以外の様々な要素を含んでいてもよいが、説明の便宜上、これらの要素の図示および説明は省略する。
図3は、本発明の実施の形態1における原料10を概略的に示す斜視図である。続いて、図1〜図3を参照して、本発明の一実施の形態における半導体結晶20の製造方法について説明する。本実施の形態では、図2の製造装置を用いて、VB法により、半導体結晶20を製造している。
まず、坩堝6の先端部6aに、種結晶7を配置する。ここで、種結晶7の断面積は、0.2cm2以上、直胴部6b2の断面積以下であることが好ましい。種結晶7の断面積が大きいほど、後述する原料融液を形成する工程において、原料融液の種結晶7への接触による影響を低減することができるが、種結晶7の断面積が0.2cm2以上の場合、原料融液の接触による影響をより効果的に低減することができる。なお、直胴部6b2の断面積以下の先端部6aに種結晶7を配置するので、種結晶7の断面積は直胴部6b2の断面積以下になる。
また、坩堝6内において、種結晶7上であって、かつ胴部6bに、原料9、10と、ドーパント11と、封止剤12とを配置する。原料9は固体であり、たとえば円柱状である。原料10は、たとえば図3に示すように、中空を有するリング状(ドーナツ状)である。原料9上であって、かつ原料10の中空にドーパント11を配置する。なお、原料9、10の形状は、円柱形やリング状に限定されるものではない。また、ドーパント11の配置は、特に限定されない。原料10は省略されていてもよく、ドーパント11は最上層の原料上に配置されていてもよい。
種結晶7および原料9、10は、成長させる半導体結晶と同じ材料である。原料9、10は、GaAs、GaP、InAs、InPなどのIII−V族化合物半導体、あるいは、Ge、Si、GeSiなどのIV族半導体であることが好ましい。
封止剤12は、原料9、10の融液と坩堝6の壁面との濡れによる多結晶を抑制し、III−V族化合物半導体結晶を製造する場合には、V族元素の解離、蒸発などを抑制する。封止剤12は、たとえば酸化ホウ素(B23)を用いることが好ましい。酸化ホウ素は、原料9、10の融液の分解を抑制するために、融液表面を封止する材料として好適に用いられる。
ドーパント11は、原料10の中空に配置される。ドーパントとしては、Si、Ge、C、Zn、Fe、S、Te、Sn、Ga、In、B、As、P、Sbなどを用いることができる。また、封止剤12として酸化ホウ素を用いる場合には、ドーパント11として酸化ホウ素の軟化点よりも融点の高い化合物を用いることができる。酸化ホウ素の軟化点よりも融点の高い化合物として、たとえば、砒化インジウム、燐化錫などを用いることができる。酸化ホウ素の軟化点よりも融点の高い化合物を用いることにより、多結晶化を抑制して、酸化ホウ素の軟化点よりも融点の低いドーパントを含む半導体結晶20を製造することができる。また、アンドープの半導体結晶を製造する場合には、ドーパント11は省略される。
次に、原料9、10を加熱することにより原料9、10を溶融して、種結晶7上に原料融液を形成する。この工程では、たとえば以下のように行なう。
具体的には、まず、チャンバ1内を真空引きした後、チャンバ1内に窒素ガスまたはアルゴンガスを導入する。その後、ヒータ3で坩堝6を加熱する。このとき、坩堝6の上方(開口側)がより高温に、下方がより低温になるように温度勾配を形成して、種結晶7の上部が成長させる半導体結晶20の融点に相当する温度になるまで温度を上昇させる。
ヒータ3の加熱により、まず、封止剤12が溶融する。これにより、加熱温度の高い上端に位置する、溶融した封止剤12は、坩堝6の側壁や原料9、10の表面をつたって流れ落ち、坩堝6の底部に達する。そして、溶融した封止剤12は、種結晶7と坩堝6との隙間に入り込み、種結晶7の周囲を覆うとともに、原料9、10の表面を覆う。
その後、ドーパント11および原料9、10が溶融する。この原料融液は、坩堝6の底部に向かって流れ落ちる。その際、種結晶7と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶7の端部8(種結晶7の上端部)の温度との差を30℃以下にする。この温度の差は、好ましくは25℃以下であり、より好ましくは20℃以下である。このような温度制御は、所定の位置に分離して配置したヒータ3により行なうことができる。
原料溶融と、原料融液と接触する種結晶7の端部8との温度の差をこのように小さくすることで、種結晶7に発生する熱応力を低減できる。このため、種結晶に転位が発生することを抑制できる。したがって、後述する半導体結晶を成長する工程において、半導体結晶を成長させると、種結晶7に起因した転位が発生することを低減することができる。原料溶融と、種結晶7の端部8との温度差が30℃以下の場合、この効果を発現させることができ、25℃以下の場合、この効果を顕著に発現させることができ、20℃以下の場合、この効果をより顕著に発現させることができる。
この原料融液を形成する工程では、原料と対向する側の種結晶7の端部8(種結晶7における原料と対向する端部8)の温度は、原料9、10の融点より15℃低い温度以上であることが好ましい。たとえば原料9、10がGaAsである場合、GaAsの融点が1238℃であるので、原料9、10の融点より15℃低い温度以上とは、1223℃(=1238℃−15℃)以上である。この場合、原料と対向する側の種結晶7の端部8の温度と、原料9、10の融点との差を低減できるので、原料融液が種結晶7に接触したときに種結晶7に発生する熱応力をより低減できる。
この原料融液を形成する工程では、種結晶7の長さ方向の温度勾配を1.0℃/cm以上9.0℃/cm以下にする。種結晶7の原料融液と対向する端部8の温度を高く、端部8と反対側の端部の温度が低く、かつ温度勾配を上記のようにつけるように、ヒータ3で温度を制御する。種結晶7の長さ方向の温度勾配が1.0℃/cm以上の場合、種結晶7による放熱が充分に得られるので、半導体結晶20をより安定して成長することができる。種結晶7の長さ方向の温度勾配が9.0℃/cm以下の場合、種結晶7の内部に生じる熱応力を充分小さくすることができる。
この原料融液を形成する工程では、種結晶7と接触する原料融液の温度は、原料9、10と対向する側の種結晶7の端部8の温度よりも高いことが好ましい。種結晶7の端部8の温度よりも温度の低い原料融液が種結晶7の端部8に接触すると、瞬間に種結晶7の温度が低下すると同時に、融液が固化して(種結晶7から結晶の成長が起こって)潜熱が発生する。そのため、種結晶7内部に急峻な温度勾配が発生して転位が増加し、成長する単結晶の転位を増加させる。種結晶7と接触する原料融液の温度を、種結晶7の端部8の温度よりも高くすることによって、原料融液の接触による種結晶7の温度低下と固化潜熱の発生を抑制することができ、転位の低減された単結晶を成長できることを見出した。
この原料融液を形成する工程では、種結晶7と接触する原料融液の温度が原料9、10の融点よりも高いことが好ましい。原料融液の温度が融点より低い過冷却融液が種結晶7の端部8に接触すると、種結晶7の温度が著しく低下すると同時に、瞬時に融液が固化して(種結晶7から結晶の成長が起こって)潜熱が発生する。そのため、種結晶7内部に著しく急峻な温度勾配が発生して転位が大幅に増加し、成長する単結晶の転位を著しく増加させる。種結晶7と接触する原料融液の温度を融点よりも高くすることによって、原料融液の接触による種結晶7の温度低下と固化潜熱の発生を大幅に抑制することができ、転位のより低減された単結晶を成長できることを見出した。
このように原料融液と、種結晶7の端部8との温度を制御するために、坩堝6の長手方向の異なる複数の位置の温度を測定し、測定された温度に基づいて、種結晶7および原料9、10の温度を制御することが好ましい。さらに、測定された複数の位置の温度と、シミュレーションにより求められた温度分布とを比較して、種結晶7の温度および原料9、10の温度を推定することで、種結晶7および原料9、10の温度を制御することが好ましい。本実施の形態では、坩堝6の増径部6b1、先端部6aの上端および下端の三箇所に、熱電対15〜13を配置している。熱電対13〜15のそれぞれにより測定された温度T1〜T3に基づいて、種結晶7、原料9、10の温度を予測することで、上記のような所望の温度制御が可能となる。
次に、原料融液を種結晶7側から凝固することにより、半導体結晶20を成長する。本実施の形態では、上記のように温度勾配を形成した状態で、軸4を用いて坩堝台5上に配置された坩堝6を下方に移動する。これにより、種結晶7上に半導体結晶20が順次固化される。
以上の工程を実施することにより、図1に示す半導体結晶20を製造することができる。
なお、本発明の半導体結晶の成長方法は上述した方法に特に限定されず、たとえば坩堝6を下方に移動させずに、ヒータ3の温度を制御させるVGF法などを採用してもよい。
また、本実施の形態では図2に示す結晶製造装置を用いて半導体結晶20を製造したが、図4に示すように、種結晶7および原料9、10の温度を制御するための熱電対が1つ(図4における熱電対16のみ)である結晶製造装置を用いてもよい。ただし、図2の結晶製造装置は、坩堝6の増径部6b1、先端部6aの上端および下端の温度(T3〜T1)を測定できるので、信頼性を向上することができる。
また、製造する半導体結晶20は特に限定されないが、半導体結晶20は、GaAs、GaP、InAs、InPなどのIII−V族化合物半導体、あるいは、Ge、Si、GeSiなどのIV族半導体を製造することが好ましい。
以上説明したように、本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、種結晶7と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶7の端部8の温度との差が30℃以下であったため、種結晶に発生する熱応力を低減することで、種結晶7に転位が発生することを抑制できる。このため、成長した半導体結晶20に、種結晶7に起因した転位が発生することを抑制できる。
また、本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、上記特許文献1のように複雑な形状の挿入部品を用いないため、種結晶7から成長した半導体結晶20が連通細管に出入りするところで異常成長を起こしたり、転位が増加するなどの問題がない。また、部品の不具合によってトラブルが発生する恐れがなく、再現性の点で優れている。
また、本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、上記特許文献2のように種結晶をゆっくり融かし込む必要がないため(つまり、種結晶の融かし込みは通常の速度で行なうことができるため)、生産性を向上できる。
また、本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、上記特許文献3のように種結晶を採取できる位置や添加元素濃度の制約がないため、種結晶の作製においてコストを低減することができる。
また、本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、上記特許文献4のように種結晶の周囲に用いる部材の材質と形状が制約を受けることがないため、増径部や直胴部を成長する際の温度分布を適正に制御することができ、半導体結晶20全体の転位密度を低減することができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2における半導体結晶は、実施の形態1の図1に示す半導体結晶20と基本的には同様であるので、その説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態2における半導体結晶の製造装置は、図2に示す製造装置と同様である。このため、本実施の形態における半導体結晶20およびその製造装置についての説明は繰り返さない。
本発明の実施の形態2における半導体結晶20の製造方法は、基本的には実施の形態1と同様であるが、原料融液を形成する工程に先立って、種結晶7の少なくとも一部を溶融する工程を備える点において異なる。
具体的には、先端部6aと、先端部6aと接続され、かつ先端部6aの径よりも大きい径、または同じ径を有する胴部6bとを有する坩堝6の先端部6aに種結晶7を配置する。次に、坩堝6の胴部6bに固体の原料9、10を配置する。これらの工程は実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
次に、種結晶7の少なくとも一部を溶融する。つまり、種結晶7において、原料9、10と対向する端部8を少なくとも溶融する。
この工程では、種結晶7の体積の5%以上50%以下を溶融することが好ましい。5%以上の場合、種結晶7の端部8の融液の熱容量が充分大きいため(融液の量が充分多いため)、溶融した原料が種結晶7の端部8の融液と接触した際に、温度差の影響をより小さくすることができる。また50%以下の場合、充分な長さの種結晶7の残部が存在するため、種付け位置の再現性を高めることができる。
なお、種結晶7の少なくとも一部を溶融させるためには、たとえば、ヒータ3の種結晶7の加熱温度に勾配を形成する。
次に、種結晶7の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料9、10を加熱することにより原料9、10を溶融して、種結晶7上に原料融液を形成する。この工程では、種結晶7と接触する原料融液の温度と、種結晶7における原料と対向する端部8の温度との差を30℃以下にする工程を省略してもよい。
次に、原料融液を種結晶7側から凝固することにより、半導体結晶20を成長する。この工程は、実施の形態1と同様であるので、その説明は繰り返さない。
以上の工程を実施することにより、図1に示す半導体結晶20を製造することができる。
本実施の形態における半導体結晶20の製造方法によれば、種結晶7の少なくとも一部を溶融することで、種結晶7の端部8の融液部分がバッファとなって、原料融液が接触した際の熱的影響を緩和することができるため、溶融した原料9、10が接触した際に、種結晶7に発生する熱応力を低減できる。したがって、成長する半導体結晶20中に、種結晶7に起因した転位が発生することを低減することができる。
本実施例では、原料融液を形成する工程において、種結晶と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶の端部の温度との差を30℃以下にすることの効果、および、種結晶の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料を溶融して、種結晶上に原料融液を形成する工程を備えることの効果について調べた。
(本発明例1〜3、6〜9)
Figure 2012144411
本発明例1〜3、6〜9は、上述した実施の形態1における半導体結晶の製造方法において、上記表1の温度条件で、SiドープGaAs単結晶の成長を行なった。
具体的には、図2に示すように、先端に種結晶収容部(先端部6a)を有するとともに、内径約80mmの直胴部6b2を有するpBN製の坩堝6を使用した。原料9として、予め合成を行なった約1kgの円柱形状に成形したGaAsブロック5個を準備した。原料10として、図3に示すように、リング状に成形した約500gのGaAsブロック1個を準備した。ドーパント11として、1.0gのSiウエハ片を準備した。封止剤12として、B23を300g準備した。
種結晶7として、SiドープGaAs結晶の無転位部分から採取した、上記表1に記載の断面積の円形断面を有し、長さが6cmで、長さ方向に<100>方位を有する結晶を準備した。図2に示すように、pBN製の坩堝6の底部に準備した種結晶7を収容し、その上に準備した円柱形のGaAsブロック5個(原料9)とリング状のGaAsブロック(原料10)とを順に収容した。リング状のGaAsブロックの穴部にSi片(ドーパント11)を収容し、最上部にB23(封止剤12)を載置した。
この坩堝6を、ステンレス製のチャンバ1を貫通して設けられた軸4上端に保持された坩堝台5に載置し、チャンバ1を密閉して窒素ガスを導入した。その後、坩堝6の周囲に配置されたヒータ3で坩堝6の内部を加熱して、まず軟化点の低いB23を溶融させ、さらにグラファイト製の坩堝台5に挿入した3本の熱電対13〜15が所定の温度になるように、ヒータ3の温度を上昇させた。この3本の熱電対13〜15は、縦方向と半径方向との温度勾配を算出できるよう、高さあるいは半径方向の位置が異なるように配置した。
また、原料と対向する側の種結晶7の端部8の温度T2’、および種結晶7と接触する原料融液の温度T3’を、以下のように、熱電対を埋め込んだセラミックス製のダミー結晶を用いた疑似成長実験と計算機シミュレーションによって求めた。具体的には、ヒータ3の制御熱電対温度、坩堝台5に装着した熱電対13〜15(図2参照)の温度、およびダミー結晶に埋め込んだ熱電対の温度を測定し、原料9、10、種結晶7などをセラミックス製のダミー結晶に置き換えた状態について計算機シミュレーションを行ない、計算結果が計測された熱電対の温度に合うように、計算機シミュレーションで用いる各種パラメータの調整を行なった。次に、図2に示す実際の成長系についてシミュレーション計算を行ない、熱電対13〜15の温度(T1〜T3)と種結晶7の端部8の温度T2’、それと接触する原料融液の温度T3’を推定した。このようにして、熱電対13〜15が何度の時にT2’、T3’が何度になるかを求めた。
そして、本発明例1〜3、6〜9の半導体結晶においては、坩堝台5における最上部の熱電対15の温度T3、中間部の熱電対14の温度T2、最下部の熱電対13の温度T1が表1に記載の温度になるように、ヒータ3の温度を調整した。種結晶7の長さ方向の温度勾配は、シミュレーション計算により求めた。
熱電対13〜15の温度が安定したところで、GaAsブロックの周囲に配置したヒータ3の温度を上昇させ、GaAsブロックとドーパントであるSiとを融解させた。Siを含むGaAs融液は、坩堝6の側壁を伝って液体の状態を保ったまま下降して種結晶7の上端(端部8)に接触した。この状況は、工程の途中でヒータ3の温度を下げて融液を固化させ、アンプルを開放して観察することにより確認した。
GaAs原料を全て融解させたのち、ヒータ3の温度を調整して単結晶の成長に適した温度分布を形成した。種結晶7の上部を融解させてGaAs原料融液となじませたのち、軸4を降下させて坩堝6を低温部(チャンバ1下部)に移動させた。これにより、種結晶7の上部から原料9、10の融液を固化させて、図1に示す半導体結晶20としてのGaAs単結晶を成長させた。このようにして、長さ方向に<100>方位を有する直径3インチのSiドープGaAs単結晶を成長させた。
このように成長した本発明例1〜3および6〜9についてキャリア濃度を測定したところ、肩部20bのキャリア濃度は1×1018cm-3であり、尾部20cのキャリア濃度は3×1018cm-3であった。
(本発明例4および5)
本発明例4および5は、上述した実施の形態2における半導体結晶20の製造方法により、SiドープGaAs単結晶の成長を行なった。
具体的には、本発明例1〜3、6〜9と同様に、原料9、10、ドーパント11、封止剤12を準備し、図2に示す結晶製造装置に配置した。
次に、ヒータ3により、種結晶7において、原料9、10と対向する端部8側から種結晶7の一部を溶融した。種結晶7のうち溶融部分の体積の割合を上記の表1に記載する。
次に、本発明例1〜3、6〜9と同様に、原料9、10を加熱することにより原料9、10を溶融して、種結晶7上に原料融液を形成した。次に、本発明例1〜3、6〜9と同様に、原料融液を種結晶7側から凝固することにより、半導体結晶20を成長した。これにより、図1に示す半導体結晶20を製造した。
このように成長した本発明例4および5の半導体結晶20についてキャリア濃度を測定したところ、肩部20bのキャリア濃度は1×1018cm-3であり、尾部20cのキャリア濃度は3×1018cm-3であった。
(比較例1および2)
比較例1および2の半導体結晶は、基本的には本発明例1〜3、6〜9と同様に製造したが、種結晶7と接触する原料融液の温度と、原料9、10と対向する側の種結晶7の端部8(上端)の温度とのそれぞれの差を37℃および33℃とした点において異なっていた。本発明例1〜3、6〜9と同様に測定した所定の位置の温度を上記の表1に記載する。
(評価方法)
本発明例1〜9、比較例1および2において製造された半導体結晶から、図1に示すように、細径部21の上端20a、胴部22における肩部20b、胴部22の尾部20cの3箇所で長さ方向に垂直な断面で評価用ウエハを採取して、KOH(水酸化カリウム)エッチングにより転位密度を評価した。肩部20bおよび尾部20cのウエハについては、ウエハ周縁から内側へ3mmまでの領域を除くウエハ全面において5mmピッチで1mm角エリア内のエッチピット数を計測し、単位面積当たりの個数に換算して、その平均値を平均転位密度とした。その結果を上記の表1に示す。
(評価結果)
表1に示すように、種結晶と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶の端部の温度との差を30℃以下にした本発明例1〜3、6〜9、および、種結晶の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料を加熱することにより原料を溶融して、種結晶上に原料融液を形成した本発明例4および5は、いずれの条件も満たさない比較例1および2に比べて転位密度を大幅に低減できた。
また、本発明例1〜9の肩部20bでは、外周にスリップ状の転位がわずかに観察されたが、ウエハ中央部には転位が観察されなかった。本発明例1〜9の直胴部22bの中央および尾部20cでは、広い無転位領域が見られた。肩部20bから尾部20cのウエハ面内の平均の転位密度は0〜67個/cm2で、主な用途であるレーザ用基板として充分低い値であった。
以上より、本実施例によれば、原料融液を形成する工程では、種結晶と接触する原料融液の温度と、原料と対向する側の種結晶の端部の温度との差を30℃以下にすることにより、または、種結晶の少なくとも一部を溶融する工程後に、原料を溶融して、種結晶上に原料融液を形成する工程を備えることにより、転位を低減した半導体結晶を製造できることを確認した。
以上のように本発明の実施の形態および実施例について説明を行なったが、各実施の形態および実施例の特徴を適宜組み合わせることも当初から予定している。また、今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した実施の形態および実施例ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 チャンバ、2 断熱材、3 ヒータ、4 軸、5 坩堝台、6 坩堝、6a 先端部、6b,22 胴部、6b1,22a 増径部、6b2,22b 直胴部、7 種結晶、8 端部、9,10 原料、11 ドーパント、12 封止剤、13〜16 熱電対、20 半導体結晶、20a 上端、20b 肩部、20c 尾部、21 細径部、23,24 部分。

Claims (10)

  1. 先端部と、前記先端部と接続され、かつ前記先端部の径よりも大きい径、または同じ径を有する胴部とを有する縦型容器の前記先端部に種結晶を配置する工程と、
    前記縦型容器の前記胴部に固体の原料を配置する工程と、
    前記原料を加熱することにより前記原料を溶融して、前記種結晶上に原料融液を形成する工程と、
    前記原料融液を前記種結晶側から凝固することにより、半導体結晶を成長する工程とを備え、
    前記原料融液を形成する工程では、前記種結晶と接触する前記原料融液の温度と、前記原料と対向する側の前記種結晶の端部の温度との差を30℃以下にする、半導体結晶の製造方法。
  2. 前記原料融液を形成する工程では、前記原料と対向する側の前記種結晶の前記端部の温度は、前記原料の融点より15℃低い温度以上である、請求項1に記載の半導体結晶の製造方法。
  3. 先端部と、前記先端部と接続され、かつ前記先端部の径よりも大きい径、または同じ径を有する胴部とを有する縦型容器の前記先端部に種結晶を配置する工程と、
    前記縦型容器の前記胴部に固体の原料を配置する工程と、
    前記種結晶の少なくとも一部を溶融する工程と、
    前記種結晶の少なくとも一部を溶融する工程後に、前記原料を加熱することにより前記原料を溶融して、前記種結晶上に原料融液を形成する工程と、
    前記原料融液を前記種結晶側から凝固することにより、半導体結晶を成長する工程とを備えた、半導体結晶の製造方法。
  4. 前記種結晶の少なくとも一部を溶融する工程では、前記種結晶の体積の5%以上50%以下を溶融する、請求項3に記載の半導体結晶の製造方法。
  5. 前記原料融液を形成する工程では、前記種結晶の長さ方向の温度勾配を1.0℃/cm以上9.0℃/cm以下にする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  6. 前記胴部は、内部で前記半導体結晶を成長する部分であって、実質的に一定の断面積を有する直胴部を有し、
    前記種結晶を配置する工程では、前記種結晶の断面積が、0.2cm2以上、前記直胴部の断面積以下である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  7. 前記原料融液を形成する工程では、前記種結晶と接触する前記原料融液の温度は、前記原料と対向する側の前記種結晶の前記端部の温度よりも高い、請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  8. 前記原料融液を形成する工程では、前記種結晶と接触する前記原料融液の温度が前記原料の融点よりも高い、請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  9. 前記縦型容器の長手方向の異なる複数の位置の温度を測定する工程をさらに備え、
    前記原料融液を形成する工程では、前記測定する工程で測定された温度に基づいて、前記種結晶および前記原料の温度を制御する、請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体結晶の製造方法。
  10. 前記測定する工程で測定された前記複数の位置の温度と、シミュレーションにより求められた温度分布とを比較する工程をさらに備え、
    前記種結晶および前記原料の温度を制御する工程では、前記比較する工程に基づいて、前記種結晶の温度および前記原料の温度を推定することで、前記種結晶および前記原料の温度を制御する、請求項9に記載の半導体結晶の製造方法。
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