JP5765617B2 - レンズ鏡胴、撮像装置、情報装置および画像入力装置 - Google Patents
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Description
レンズ鏡胴におけるレンズ駆動機構には種々の形式があり、その一つの形式としてバヨネット式と称される結合方式を採用しているものがある。バヨネット式とは、相対的に移動する円筒状の部材(いわゆる鏡筒)相互を、円筒周面からの突起と、それに対応する凹所からなる軸線方向の案内部および円周方向の周溝部との嵌め合いによって結合する、いわゆるバヨネット嵌合を採用する形式である。このようなバヨネット嵌合を採用したレンズ鏡胴においては、前述の突起が円筒状の部材の機構的に強度の弱い部分に配置されていると、上述したように大きな衝撃が加わったとき、円筒状の部材が変形してバヨネット嵌合が外れてしまい、それ以後、円滑な動作ができなくなったり、あるいは動作そのものが不可能になったりすることがある。
上述した突起を有する部材は、例えば、レンズを保持するレンズ保持枠をズーミング時などに光軸方向、つまり軸線方向、に沿って移動させるためのピンに対する逃げ溝を備えていたり、あるいはカム溝などを円周方向の広い範囲にわたって備えていたりする場合がある。このように、逃げ溝あるいはカム溝などが形成されていると、上述したような筒状の部材の強度が低下する。特に、軸線方向において上述した逃げ溝およびカム溝等が重なっている範囲では強度が不足しがちである。そのため、この部分に上述した突起が設けられていると、衝撃が加わったときに、上述した突起を有する部材は突起周辺が変形し易く、そのため突起が溝から外れ易くなる。すなわちバヨネット嵌合が外れ易くなる。
また、このようなバヨネット嵌合を外れにくくするために、バヨネット嵌合をより深くすることが行われている。このように構成することにより、衝撃によって円筒状の部材がある程度まで変形してもバヨネット嵌合が外れることを回避することができる。あるいは、バヨネット嵌合を外れにくくするための他の方法として、衝撃を受けても円筒状の部材が変形しないように、円筒状の部材を通常用いられる合成樹脂等ではなくアルミニウム合金の棒材から切削加工することによって製作するなどして、当該筒状の部材の機械的な強度を高めることも行われている。このように構成することにより、円筒状の部材の変形自体を比較的少なくすることができる。
円筒状の部材をバヨネット嵌合により連結したレンズ鏡胴の先行技術の一例が、特許文献1(特開2003−322786号)に開示されている。この特許文献1(特開2003−322786号)には、バヨネット式連結の回転角度を増加させて、自重による移動群レンズの倒れを抑え且つ外力に耐えるために強度を向上させようとする技術が記載されている。そのために、径方向に張り出す複数の突起を有する第1環状部材と、前記突起に対応する形状の複数の切り欠きを有する第2環状部材とを備え、前記切り欠きに前記突起を挿入し、第1環状部材と第2環状部材とを相対回転可能に、且つ軸線方向には一体的に動くようにバヨネット嵌合している。そして、前記突起とこの突起が挿入される前記切り欠きとの組み合わせ毎に、突起形状を異ならせている。
また、円筒状の部材をバヨネット嵌合により連結するレンズ鏡胴の他の一例が特許文献2(特開平9−211292号)に開示されている。この特許文献2(特開平9−211292号)には、バヨネット式連結の組み立て位置に関する記述がなされているが、衝撃耐性の向上に関しては、その形状等について具体的に言及されていない。
さらに、円筒状の部材をバヨネット嵌合により連結するレンズ鏡胴において、上述した特許文献1(特開2003−322786号)における難点に対処する技術の一例が特許文献3(特開2009−169388号)に開示されている。この特許文献3(特開2009−169388号)は、回転筒と直進筒を、突起とこの突起が挿入される切り欠きを有する連結構造で連結したレンズ鏡胴において、前記突起を有する部材が、レンズ枠を光軸方向に移動させるためのピンに対する逃げ溝を備え、前記突起を設ける位置を前記逃げ溝との関係において工夫することにより、レンズ鏡胴がどのような繰り出し状態において衝撃が加わっても、前記突起と切り欠きの嵌合を外れにくくしたレンズ鏡胴を示している。
このような回転筒と直進筒を、突起とこの突起が挿入されそれを案内する凹所および該突起に相対回転可能に係合する円周溝との嵌合によるバヨネット式の結合構造で連結するレンズ鏡胴においては、前記突起とそれに対応する円周溝の箇所を被写体寄りの先端側には増加させることなく、それよりも結像面寄りの後方に円周方向の幅、つまり角度幅、の広い突起およびそれに対応する凹所および円周溝を追加し、係合箇所を増加させることにより、落下や他の物体への衝突等の大きな衝撃にもバヨネット嵌合が脱落しないような、耐衝撃性を達成し得ると考えられる。
そこで、本発明は、上述した事情に鑑みてなされたもので、どのような繰り出し状態においてレンズ鏡胴に衝撃が加えられても、突起と凹所および円周溝とのバヨネット式の嵌合が外れることを効果的に防止し得るレンズ鏡胴、そのようなレンズ鏡胴を用いる撮像装置、携帯型情報端末装置等のような情報装置および画像入力装置を提供することを目的としている。
本発明の請求項2の目的は、特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が最繰り出し位置にあるときの固定筒の先端部に対応する箇所として、鏡筒が最繰り出し位置にあってもバヨネット結合の脱落を効果的に防止することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項3の目的は、特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が起動位置にあるときの固定筒の先端部に対応する箇所として、起動中においてもバヨネット結合の脱落を効果的に防止することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項4の目的は、特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が最繰り出し位置および起動位置にあるときの固定筒の先端部にそれぞれ対応する箇所として、最繰り出し位置においても、起動中においてもバヨネット結合の脱落を最大限に防止することを可能とするレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項6の目的は、特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、耐衝撃性を向上し、衝撃によるバヨネット結合の脱落をより効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項7の目的は、特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、衝撃によるバヨネット結合の脱落を一層効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項8の目的は、特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に、前記第1回転筒に対し円周方向については共に回転し軸線方向については相対的に移動する第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、衝撃によるバヨネット結合脱落を効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項9〜請求項11の目的は、特に、直径寸法をいたずらに増大させることなく、バヨネット結合が確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落を効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項13の目的は、特に、バヨネット結合がより一層確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をより一層効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項14の目的は、特に、バヨネット結合がさらに確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をさらに効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項15の目的は、特に、バヨネット結合がさらに一層確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をさらに一層効果的に防止し得るレンズ鏡胴を提供することにある。
本発明の請求項16の目的は、特に、被写体像を結像するための撮像光学系を備えた撮像装置において、前記撮像光学系を構成するレンズ鏡胴における衝撃によるバヨネット結合の脱落を効果的に防止し得る撮像装置を提供することにある。
本発明の請求項18の目的は、特に、結像光学系によって結像される光学像を電気信号に変換して入力する画像入力装置において、前記結像光学系を構成するレンズ鏡胴における衝撃によるバヨネット結合の脱落を効果的に防止し得る情報装置を提供することにある。
固定筒と、
前記固定筒に対し軸線周りに回転可能に設けられている第1回転筒と、
前記第1回転筒の内周側に配置され、軸線方向については前記第1回転筒と一体的に移動し、且つ軸線の周りについては前記第1回転筒に対して相対的に回転する円筒形状の直進筒とを具備し、
前記直進筒は、
被写体側外周面に外方に突出する第1の突起、第2の突起および第3の突起を有し、
前記第1の突起と前記第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記第3の突起は、前記第1の突起と前記第2の突起の間に配置されてなる前側突起群と、
前記直進筒の被写体側外周面における前記前側突起群よりも像面側に少なくとも、前記直進筒の外周面に、外方に突出する後側第1の突起および後側第2の突起を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起の円周方向の幅は、前側突起群が有する前記第1の突起、前記第2の突起および前記第3の突起よりも2倍以上の幅を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記後側第1の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第1の突起と重なり、前記後側第2の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第2の突起と重なるように配置されてなる後側突起群とを備え、
前記第1の突起、前記第2の突起、前記第3の突起、前記後側第1の突起、前記後側第2の突起の前記直進筒から半径方向外側へ突起する寸法は同一であり、
前記第1回転筒は、内周面に、
前記直進筒の前記前側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の周溝部と、
前記直進筒の前記後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の周溝部と、
前記前側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第1の周溝部に連通し、前記前側突起群の各突起に対応して形成される3つ以上の凹所を有する第1の案内部と、
前記後側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第2の周溝部に連通し、前記後側突起群の各突起に対応して形成される2つ以上の凹所を有する第2の案内部とを備えてなり、
前記第1の周溝部に前記前側突起群が導入され、前記第2の周溝部に前記後側突起群が導入されることにより前記第1回転筒と前記直進筒が結合されることを特徴としている。
前記後側突起群は、前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されていることを特徴としている。
請求項3に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、
前記後側突起群は、前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されていることを特徴としている。
請求項4に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1のレンズ鏡胴であって、
前記直進筒の前記後側突起群は、
前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第1の後側突起群と、
前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第2の後側突起群と
を有し、且つ
前記第1回転筒の内周面に形成される前記第2の周溝部は、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第1の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の後側周溝と、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第2の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の後側周溝と
を有することを特徴としている。
前記固定筒の内周側に前記第1回転筒および前記直進筒を沈胴収納して沈胴式とするレンズ鏡胴であって、
前記前側突起群および前記後側突起群を、前記第1回転筒の円周方向に形成した前記第1の周溝部および前記第2の周溝部に導入し且つ前記第1回転筒と前記直進筒とを所定角度相対回転した位置を組み付け位置とすることを特徴としている。
請求項6に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項5のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
外周面に外方に突設されるピンを有して、前記直進筒の内周側に配置される第2回転筒をさらに備え、
前記直進筒は、
前記第2回転筒に突設される前記ピンに対応する貫通孔を有し、且つ
前記前側突起群の3つ以上の突起のうち少なくとも2つの突起は前記貫通孔と軸線方向において重ならない位置に設けられていることを特徴としている。
前記第1回転筒と前記直進筒は、
前記第1回転筒と前記直進筒とを、前記組み付け位置から所定角度相対回転した位置が、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒の内周側に収納された収納位置であり、
前記第1回転筒と前記直進筒とをさらに相対回転させることにより、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒から前方に繰り出した撮影位置となることを特徴としている。
請求項8に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項6または請求項7のレンズ鏡胴であって、
前記第2回転筒に突設されているピンは、前記直進筒に設けられる前記貫通孔を貫通し、前記第1回転筒の内周面に形成される軸線方向に沿う直進溝に係合して、前記第1回転筒の回転を前記第2回転筒に伝達するピンであることを特徴としている。
前記直進筒に設けられる前記前側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴としている。
請求項10に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項9のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記直進筒に設けられる前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴としている。
請求項11に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記直進筒に設けられる前記前側突起群および前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴としている。
請求項12に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項11のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、軸線方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の周溝部は、軸線方向の幅寸法が、前記第1の周溝部よりも広くなっていることを特徴としている。
前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、円周方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の案内部の各凹所は、円周方向の幅寸法が、前記第1の案内部の各凹所よりも広くなっていることを特徴としている。
請求項14に記載した本発明に係るレンズ鏡胴は、請求項1〜請求項13のいずれか1項のレンズ鏡胴であって、
前記第1回転筒と前記直進筒の組み付け位置から収納位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をα、
前記第1回転筒と前記直進筒の収納位置から最も近い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をβ、
前記第1回転筒と前記直進筒の最も近い撮影位置から最も遠い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をγ、
とするとき、前記前側突起群の3つ以上の突起は、
前記前側突起群の第1の突起と、前記前側突起群の第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、
前記前側突起群の前記第1の突起および前記第2の突起よりも円周方向の幅の広い前記前側突起群の第3の突起が、前記第1の突起から前記第1回転筒の回転方向においてα+β未満の角度をずらして配置されていることを特徴としている。
前記前側突起群の前記第1の突起よりも円周方向の幅の狭い第4の突起が、前記第2の突起から前記第1回転筒の回転方向について、α+β+γ以上の角度をずらして配置されていることを特徴としている。
請求項16に記載した本発明に係る撮像装置は、
被写体像を結像するための撮像光学系を備えた撮像装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記撮像光学系を構成してなることを特徴としている。
請求項17に記載した本発明に係る情報装置は、
撮像機能を備えた情報装置において、前記撮像機能を達成すべく被写体像を結像する撮像光学系を、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成してなることを特徴としている。
請求項18に記載した本発明に係る画像入力装置は、
結像光学系によって結像される光学像を電気信号に変換して入力する画像入力装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記結像光学系を構成してなることを特徴としている。
固定筒と、
前記固定筒に対し軸線周りに回転可能に設けられている第1回転筒と、
前記第1回転筒の内周側に配置され、軸線方向については前記第1回転筒と一体的に移動し、且つ軸線の周りについては前記第1回転筒に対して相対的に回転する円筒形状の直進筒とを具備し、
前記直進筒は、
被写体側外周面に外方に突出する第1の突起、第2の突起および第3の突起を有し、
前記第1の突起と前記第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記第3の突起は、前記第1の突起と前記第2の突起の間に配置されてなる前側突起群と、
前記直進筒の被写体側外周面における前記前側突起群よりも像面側に少なくとも、前記直進筒の外周面に、外方に突出する後側第1の突起および後側第2の突起を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起の円周方向の幅は、前側突起群が有する前記第1の突起、前記第2の突起および前記第3の突起よりも2倍以上の幅を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記後側第1の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第1の突起と重なり、前記後側第2の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第2の突起と重なるように配置されてなる後側突起群とを備え、
前記第1の突起、前記第2の突起、前記第3の突起、前記後側第1の突起、前記後側第2の突起の前記直進筒から半径方向外側へ突起する寸法は同一であり、
前記第1回転筒は、内周面に、
前記直進筒の前記前側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の周溝部と、
前記直進筒の前記後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の周溝部と、
前記前側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第1の周溝部に連通し、前記前側突起群の各突起に対応して形成される3つ以上の凹所を有する第1の案内部と、
前記後側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第2の周溝部に連通し、前記後側突起群の各突起に対応して形成される2つ以上の凹所を有する第2の案内部とを備えてなり、
前記第1の周溝部に前記前側突起群が導入され、前記第2の周溝部に前記後側突起群が導入されることにより前記第1回転筒と前記直進筒が結合されることにより、
どのような繰り出し状態においてレンズ鏡胴に対し、落下時などの衝撃が加えられても、充分に強く、安定性の高いバヨネット結合を達成し得るレンズ鏡胴を提供することができる。
前記後側突起群は、前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されていることにより、
特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が最繰り出し位置にあるときの固定筒の先端部に対応する箇所として、鏡筒が最繰り出し位置にあってもバヨネット結合の脱落を効果的に防止することが可能となる。
本発明の請求項3のレンズ鏡胴によれば、請求項1のレンズ鏡胴において、
前記後側突起群は、前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されていることにより、
特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が起動位置にあるときの固定筒の先端部に対応する箇所として、起動中においてもバヨネット結合の脱落を効果的に防止することが可能となる。
前記直進筒の前記後側突起群は、
前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第1の後側突起群と、
前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第2の後側突起群と
を有し、且つ
前記第1回転筒の内周面に形成される前記第2の周溝部は、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第1の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の後側周溝と、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第2の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の後側周溝と
を有することにより、
特に、追加するバヨネット結合の位置を直進筒が最繰り出し位置および起動位置にあるときの固定筒の先端部にそれぞれ対応する箇所として、最繰り出し位置においても、起動中においてもバヨネット結合の脱落を最大限に防止することが可能となる。
前記固定筒の内周側に前記第1回転筒および前記直進筒を沈胴収納して沈胴式とするレンズ鏡胴であって、
前記前側突起群および前記後側突起群を、前記第1回転筒の円周方向に形成した前記第1の周溝部および前記第2の周溝部に導入し且つ前記第1回転筒と前記直進筒とを所定角度相対回転した位置を組み付け位置とすることにより、
特に、組み付け位置において突起と凹所および円周溝とのバヨネット式の嵌合が確実になされた状態として、どのような繰り出し状態におけるレンズ鏡胴への衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をさらに効果的に防止することができる。
外周面に外方に突設されるピンを有して、前記直進筒の内周側に配置される第2回転筒をさらに備え、
前記直進筒は、
前記第2回転筒に突設される前記ピンに対応する貫通孔を有し、且つ
前記前側突起群の3つ以上の突起のうち少なくとも2つの突起は前記貫通孔と軸線方向において重ならない位置に設けられていることにより、
特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、耐衝撃性を向上し、衝撃によるバヨネット結合の脱落をより効果的に防止することができる。
前記第1回転筒と前記直進筒は、
前記第1回転筒と前記直進筒とを、前記組み付け位置から所定角度相対回転した位置が、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒の内周側に収納された収納位置であり、
前記第1回転筒と前記直進筒とをさらに相対回転させることにより、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒から前方に繰り出した撮影位置となることにより、
特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、衝撃によるバヨネット結合の脱落を一層効果的に防止することができる。
本発明の請求項8のレンズ鏡胴によれば、請求項6または請求項7のレンズ鏡胴において、
前記第2回転筒に突設されているピンは、前記直進筒に設けられる前記貫通孔を貫通し、前記第1回転筒の内周面に形成される軸線方向に沿う直進溝に係合して、前記第1回転筒の回転を前記第2回転筒に伝達するピンであることにより、
特に、第1回転筒の内周側に配置される直進筒のさらに内周側に、前記第1回転筒に対し円周方向については共に回転し軸線方向については相対的に移動する第2回転筒が配置されたレンズ鏡胴において、衝撃によるバヨネット結合脱落を効果的に防止することができる。
前記直進筒に設けられる前記前側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことにより、
また、本発明の請求項10のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項9のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記直進筒に設けられる前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことにより、
そして、本発明の請求項11のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項10のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記直進筒に設けられる前記前側突起群および前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことにより、
特に、直径寸法をいたずらに増大させることなく、バヨネット結合が確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落を効果的に防止することができる。
前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、軸線方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の周溝部は、軸線方向の幅寸法が、前記第1の周溝部よりも広くなっていることにより、
特に、バヨネット結合がより確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をより効果的に防止することができる。
本発明の請求項13のレンズ鏡胴によれば、請求項1〜請求項12のいずれか1項のレンズ鏡胴において、
前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、円周方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の案内部の各凹所は、円周方向の幅寸法が、前記第1の案内部の各凹所よりも広くなっていることにより、
特に、バヨネット結合がより一層確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をより一層効果的に防止することができる。
前記第1回転筒と前記直進筒の組み付け位置から収納位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をα、
前記第1回転筒と前記直進筒の収納位置から最も近い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をβ、
前記第1回転筒と前記直進筒の最も近い撮影位置から最も遠い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をγ、
とするとき、前記前側突起群の3つ以上の突起は、
前記前側突起群の第1の突起と、前記前側突起群の第2の突起は円周方向に180°の間隔で配置され、
前記前側突起群の前記第1の突起および前記第2の突起よりも円周方向の幅の広い前記前側突起群の第3の突起が、前記第1の突起から前記第1回転筒の回転方向においてα+β未満の角度をずらして配置されていることにより、
特に、バヨネット結合がさらに確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をさらに効果的に防止することができる。
前記前側突起群の前記第1の突起よりも円周方向の幅の狭い第4の突起が、前記第2の突起から前記第1回転筒の回転方向について、α+β+γ以上の角度をずらして配置されていることにより、
特に、バヨネット結合がさらに一層確実になされ、どのような繰り出し状態における衝撃に対しても、バヨネット結合の脱落をさらに一層効果的に防止することができる。
被写体像を結像するための撮像光学系を備えた撮像装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記撮像光学系を構成してなることにより、
特に、被写体像を結像するための撮像光学系を備えた撮像装置において、前記撮像光学系を構成するレンズ鏡胴における衝撃によるバヨネット結合の脱落を効果的に防止することができる。
撮像機能を備えた情報装置において、前記撮像機能を達成すべく被写体像を結像する撮像光学系を、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成してなることにより、
特に、撮像機能を備えた情報装置において、前記撮像機能を達成すべく被写体像を結像する撮像光学系を構成するレンズ鏡胴における衝撃によるバヨネット結合の脱落を効果的に防止することができる。
本発明の請求項18の画像入力装置によれば、
結像光学系によって結像される光学像を電気信号に変換して入力する画像入力装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記結像光学系を構成してなることにより、
特に、結像光学系によって結像される光学像を電気信号に変換して入力する画像入力装置において、前記結像光学系を構成するレンズ鏡胴における衝撃によるバヨネット結合の脱落を効果的に防止することができる。
以下、本発明に係る実施の形態に基づき、図面を参照して本発明のレンズ鏡胴を詳細に説明する。
図1〜図14は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を示している。図1〜図3は、本発明の第1〜第3の各実施の形態に共通の構成を示しており、図1は、本発明の実施の形態に係るレンズ鏡胴の各鏡筒が収納位置にある状態での要部の外観構成を模式的に示す斜視図、図2は、レンズ鏡胴の各鏡筒が撮影開始時の起動位置にある状態での要部の外観構成を模式的に示す斜視図、そして図3は、レンズ鏡胴の各鏡筒が撮影時の最繰り出し位置にある状態での要部の外観構成を模式的に示す斜視図である。図4〜図9は、本発明の第1の実施の形態に特有の構成を示している。図4は、本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の各鏡筒が図1に相当する収納位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、図5は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図2に相当する撮影開始時の起動位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、そして図6は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図3に相当する撮影時の最繰り出し位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図である。また、図7は、この第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す分解斜視図である。さらに、図8は、この第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴における直進筒の外周面の形態を模式的に示す展開図、そして図9は、レンズ鏡胴における第1回転筒の内周面の形態を模式的に示す展開図である。
第1回転筒2の後端部(結像面側端部:図4〜図6における図示右端側端部)の外周には、ヘリコイド26を円周方向に囲むようにしてラック27が形成されている。このラック27には、図示していないモータによって回転駆動される図示していないピニオンが噛合している。
直進筒3は、後端部(結像面側端部:図4〜図6における図示右端側端部)の外周に、外側に向かって半径方向に突出する複数個の突起33を有していて、これらの突起33は固定筒1の直進溝12に係合している。したがって、直進筒3は直進溝12にガイドされて軸線に沿う方向に直進移動し、軸線の周りに回転することはできない。
すなわち、この第1の実施の形態においては、図7および図9、さらには、図10〜図14、に示すように、後端側から光軸と平行に延びる第1の凹所21−1、第2の凹所21−2、第3の凹所21−3および第4の凹所21−4からなる4つの凹所を形成して、第1の案内部21を構成している。第1の案内部21を構成するこれらの第1〜第4の凹所21−1〜21−4は、その前端部において第1回転筒2の円周方向に形成されている第1の周溝部24に連通している。第1の周溝部24は、第1回転筒2の前端部近傍に配置されている。
つまり、第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4のうちの第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2の円周方向の幅位置は、第2の案内部22を構成する第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の円周方向の幅内に設定されており、第1回転筒2の内周面に後端から前方に向かって第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2が延び、その前端に第2の周溝部25が形成されるとともに、これら第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の各前端縁の一部からさらに前方に向かって、それぞれ第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2が延び、それらの前端に第1の周溝部24が形成されている。
さらに、第1回転筒2の内周面には、後に詳述する第2回転筒4のピン42が係合する2本の直進溝23が、上述した各凹所の位置を避けて光軸と平行に形成されている。
図7および図8、さらには、図10〜図14、に示すように、直進筒3の前端部外周面には、第1の案内部21の第1の凹所21−1、第2の凹所21−2、第3の凹所21−3および第4の凹所21−4にそれぞれ対応し且つ第1の周溝部24に対応する第1の突起31−1、第2の突起31−2、第3の突起31−3および第4の突起31−4からなる前側突起群31が形成されている。すなわち、これら前側突起群31を構成する第1〜第4の突起31−1〜31−4は、各々第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4の円周方向の幅に応じた円周方向の幅を有し且つ第1の周溝部24の光軸方向の幅に応じた光軸方向の幅を有しており、第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4および第1の周溝部24に収まりそれらによって案内されるように形成されている。
ここで、前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2と区別するために、後側突起群32の第1の突起32−1を、「後側第1の突起」と称し、第2の突起32−2を「後側第2の突起」と読み替える場合がある。
なお、直進筒3の前記後側突起群32の各突起32−1、32−2は、軸線方向の幅寸法(厚さ寸法が)が、例えば、図8、図19等に見られるように、前側突起群31の各突起31−1〜31−4よりも広く(厚く)、且つ第1回転筒2の第2の周溝部25は、軸線方向の幅寸法が、例えば、図4、図5、図9、図20等に見られるように、明らかに第1の周溝部24よりも広くなっている。
図10〜図14に示すように、前側突起群31を構成する第1〜第4の突起31−1〜31−4および後側突起群32を構成する第1の突起32−1および第2の突起32−2の高さ、すなわち直進筒3の本体から半径方向外側への突出寸法は同一となっている。これらの突起群の突起は、それぞれの突起に対応して設けられた案内部の凹所に沿って光軸方向に挿入されたあと、第1回転筒2と直進筒3が光軸周りに相対回転されることにより、各突起が各凹所の前端に続く円周方向の周溝部に導入される。
第1回転筒2の内周側には、第2回転筒4が嵌挿されている。図7に示すように、第2回転筒4の後端部外周面には、雄型のヘリコイド41が形成され、このヘリコイド41が形成された部分の一部に適宜数の円柱状のピン42が突設されている。図5および図6に示すように、ヘリコイド41は、直進筒3のヘリコイド34に係合し、ピン42は、直進筒3の周壁に形成された逃げ溝としての貫通溝35を貫通して第1回転筒2の直進溝23(図9参照)に係合している。この直進溝23は、第1回転筒2の回転を、ピン42を介して第2回転筒4に伝達するとともに、第1回転筒2に対する第2回転筒4の光軸方向への相対移動を許容するように作用している。
第2回転筒4の内周面には、図示していないが、適宜個数のカム溝が形成されている。第2回転筒4の内周側には、レンズ保持筒が組み込まれ、レンズ保持筒のさらに内周側には直進筒3に類似する筒状の第2の直進筒が組み込まれている。前記レンズ保持筒は、例えば第1レンズ群を保持していて、第2回転筒4の回転により第1レンズ群と共に光軸方向に移動する。前記第2の直進筒の内周側には、例えば第2レンズ群を保持するレンズ保持枠が組み込まれ、第2レンズ群は、第2直進筒の光軸方向への移動に伴い、適宜なるカム溝に案内されて光軸方向に移動するようになっている。但し、本発明は、レンズ枠の移動機構を要旨とするものではないから、その詳細な説明は省略する。
上述したようなモータの駆動によって、第1回転筒2が回転駆動されると、第1回転筒2は、そのヘリコイド26が固定筒1のヘリコイド11に案内されて光軸方向に移動する。第1回転筒2の内周側に嵌挿されている直進筒3は、その突起33が固定筒1の直進溝12に係合し、また、前側突起群31の4つの突起31−1〜31−4が、第1回転筒2の円周方向の第1の周溝部24に係合し、後側突起群32の2つの突起32−1および32−2が第1回転筒2の円周方向の第2の周溝部25に係合しているため、光軸周りに回転することなく、第1回転筒2の光軸方向への移動に伴って光軸方向に移動する。第1回転筒2の内周面に形成されている直進溝23に、第2回転筒4に突設され且つ直進筒3の貫通溝35を貫通しているピン42が係合しているため、第1回転筒2が回転することにより、この回転が第2回転筒4に伝達され、第2回転筒4も光軸周りに回転する。第2回転筒4が回転すると、そのヘリコイド41と直進筒3のヘリコイド34との係合により第2回転筒4は光軸方向に進退する。
図3および図6は、第1回転筒2および直進筒3が固定筒1からさらに繰り出され、さらに直進筒3から第2回転筒4が繰り出されて、収納位置から最も遠い撮影位置(例えば望遠端)、すなわち最繰り出し位置に至った状態を示している。
本発明に係るレンズ鏡胴の構成における主たる特徴は、上述したように構成されたレンズ鏡胴において、回転筒と、光軸方向には回転筒と一体的に移動し、光軸周りには回転筒と相対回転する直進筒との結合構造にある。以下、この結合構造について具体的に説明する。
図10に示すように、直進筒3の前側突起群31において、第1の突起31−1と第2の突起31−2は、直進筒3の中心軸線つまり光軸を挟んで対向配置されている。そして、第3の突起31−3は、第1の突起31−1の位置に対して時計方向に90°未満の、例えば39°程度の回転角度位置に配置されている。直進筒3の中心軸線に対する第1の突起31−1と第3の突起31−3との開き角度をAとする。第4の突起31−4は、第1の突起31−1の配置位置に対して反時計方向に90°未満で且つ角度Aよりも大きい角度で回転した位置に配置されている。直進筒3の中心軸線に対する第2の突起31−2と第4の突起31−4の開き角度をBとすると、角度Bは角度Aよりも大きく129°程度になっている。
そこで、本発明においては、まず、直進筒3に配置する2個一対の第1の突起31−1と第2の突起31−2を例えば169°間隔、で形成して、落下時などの衝撃に対する強度を確保している。これに加えて、第3の突起31−3および第4の突起31−4を設け、第3の突起31−3を第1の突起31−1から90°よりも小さい角度A(例えば、39°)だけ離れた位置に配置し、第4の突起31−4を第1の突起31−1から第3の突起31−3とは反対向きに角度Aよりも大きく且つ90°よりも小さい角度だけ離れた位置、すなわち第2の突起31−2から90°よりも大きい角度B(例えば129°)だけ離れた位置、に配置している。
これら前側突起群31の各突起31−1〜31−4および後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2によって、落下時などの衝撃に対しても充分に強く、安定性も高いバヨネット結合を達成する。このとき、第1回転筒2と直進筒3の相対回転により、前側突起群31の第3の突起31−3および第4の突起31−4のうちの一つが第1の突起31−1および第2の突起31−2に対応する第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2のうちの一つに対向しても、前側突起群31の第3の突起31−3および第4の突起31−4の他の一つは、第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2のいずれにも対向することはないから、係合が脱離することはなく、このバヨネット結合が常時安定に保持される。
直進筒3の前側突起群31の第1〜第4の突起31−1〜31−4、並びに後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2を、それぞれ第1回転筒2の円周方向の第1の周溝部24並びに円周方向の第2の周溝部25に導き入れてバヨネット結合する。この図11に示す位置が組み付けの最終位置であり、且つ各構成部材が固定筒1内に沈胴収納された収納位置である。
図12は、図11に示す沈胴収納位置から撮影位置とするために、第1回転筒2を図示時計方向に回転させて各構成部材を固定筒1から繰り出す途中の状態を示している。第1回転筒2の回転角度は、図10に示す組み付け位置に対して角度A(例えば、39°)であり、前側突起群31の第3の突起31−3が、第1の案内部21の第1の凹所21−1に対向している。
第1回転筒2をさらに図示時計方向に回転させると、図13に示すように、沈胴収納位置から最も近い撮影位置である起動位置に至る。収納位置から起動位置(収納位置から最も近い撮影位置)までの、第1回転筒2と直進筒3の相対回転角度をβとすると、図10に示す組み付け位置からの第1回転筒2の回転角度は、α+βである。この起動位置、すなわち収納位置から最も近い撮影位置は、例えば通常の場合広角端である。回転角度α+βと上述した角度Aとは、
(α+β)>A
なる関係にある。
(α+β+γ)<B
なる関係にある。
図11に示す組み付け完了状態で且つ沈胴状態である収納位置から、図14に示す最も遠い撮影位置である最繰り出し位置に至るまでに、直進筒3の前側突起群31の第1〜第4の各突起31−1〜31−4のうちのいずれか1つが第1回転筒2の第1の案内部21の各凹所21−1〜21−4のうちのいずれか1つと対向することがあり得るが、前側突起群31における他の突起が凹所21−1〜21−4と対向することはなく、後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2のうちのいずれか1つが、第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2のうちのいずれか1つと対向することもないから、このバヨネット結合は安定に保持される。
これに対して、上述した本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴においては、直進筒3の最繰り出し位置に対応する前方被写体側端部近傍に、前側突起群31の4つの突起31−1〜31−4を設け、これら前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2の後方の収納位置に対応する結像面側端部近傍に後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2を設けて、バヨネット結合の位置を最繰出位置と収納位置に対応させることによって、鏡筒がどの位置にあってもバヨネット結合の脱落を防止することができる。
なお、上述した実施の形態においては、直進筒3の前側突起群31には、第1の突起31−1および第2の突起31−2の他に、第3の突起31−3および第4の突起31−4を配置して、合計4つの突起を配置し、これらに対応して第1回転筒2の第1の案内部21には、第1〜第4の凹所21−1〜21−4を配置しており、さらに直進筒3には、前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2の後方に後側突起群32として第1の突起32−1および第2の突起32−2を配置し、これらに対応して第1回転筒2に第2の案内部22として第1の凹所22−1および第2の凹所22−2を配置している。
直進筒3の前側突起群31の第1〜第4の突起31−1〜31−4、並びに後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2の各突起の高さは、互いに異なっていても差し支えないが、図10〜図14に示されているように、これら複数の突起の高さを全て同一とすれば、これらの突起が挿入される第1回転筒2の第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4、並びに第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の各凹所の深さを均一にすることができるため、第1回転筒2の肉厚を薄くすることができ、結果としてレンズ鏡胴全体の径方向の寸法を小さくすることができる。
図15〜図20は、本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を示している。なお、本発明の第1の実施の形態において言及した図1〜図3および図10〜図14に示された構成については、本発明の第2の実施の形態においても実質的にほぼ同様である。図15〜図20は、本発明の第2の実施の形態に特有の構成を示している。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の各鏡筒が図1に相当する収納位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、図16は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図2に相当する撮影開始時の起動位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、そして図17は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図3に相当する撮影時の最繰り出し位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図である。また、図18は、この第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す分解斜視図である。さらに、図19は、この第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴における直進筒の外周面の形態を模式的に示す展開図、そして図20は、レンズ鏡胴における第1回転筒の内周面の形態を模式的に示す展開図である。
すなわち、この第2の実施の形態においては、図18および図20、さらには、図10〜図14、に示すように、後端側から光軸と平行に延びる第1の凹所21−1、第2の凹所21−2、第3の凹所21−3および第4の凹所21−4からなる4つの凹所を形成して、第1の案内部21を構成している。第1の案内部21を構成するこれらの第1〜第4の凹所21−1〜21−4は、第1回転筒2の前端部において円周方向に形成された第1の周溝部24に連通している。
また、第1の案内部21の後方には、後端側から光軸と平行に延びる第1の凹所22−1および第2の凹所22−2からなる2つの凹所を形成して、第2の案内部22を構成している。この場合、第2の案内部22を構成する第1の凹所22−1および第2の凹所22−2は、第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4よりも円周方向に充分に広い幅を有し、それぞれの幅内において第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2に連通している。
つまり、この第2の実施の形態においても、第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4のうちの第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2の円周方向の幅位置は、第2の案内部22を構成する第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の円周方向の幅内に設定されており、第1回転筒2の内周面に後端から前方に向かって第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2が延び、その前端に第2の周溝部25が形成されるとともに、これら第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の各前端縁の一部からさらに前方に向かって、それぞれ第1の案内部21の第1の凹所21−1および第2の凹所21−2が延び、それらの前端に第1の周溝部24が形成されている。また、第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4のうちの第1の案内部21の第3の凹所21−3および第4の凹所21−4は、第1回転筒2の内周面に後端から前方に向かって延び、それらの前端に第1の周溝部24が形成されている。
そして、直進筒3の中間部のやや前寄りの外周面には、この場合、前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2の後方に、第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2にそれぞれ対応し且つ第2の周溝部25に対応する第1の突起32−1および第2の突起32−2からなる後側突起群32が形成されている。
したがって、本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴は、第1の実施の形態では、直進筒3の後端部に配置されていた後側突起群32を構成する第1の突起32−1および第2の突起32−2を、直進筒3の中間部のやや前寄りに配置し、それに対応して
第1の実施の形態では第1回転筒2の後端部に配置されていた第2の周溝部25も第1回転筒2の第1の周溝部24の後方のやや前寄りの中間部近傍に配置し、それに伴って第1回転筒2の第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2を光軸方向に延長している。
以上が本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の特徴であり、この第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の特徴点以外の構成および動作については、先に述べた本発明の第1の実施の形態と実質的に同様であるので、ここでは、詳細な説明は省略する。
これに対して、上述した本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴においては、直進筒3の最繰り出し位置に対応する前方被写体側端部近傍に、前側突起群31の4つの突起31−1〜31−4を設け、これら前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2の後方の起動位置に対応する直進筒3の中間部のやや前寄りの部分近傍に後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2を設けて、バヨネット結合の位置を衝撃による衝撃力が最も強く作用すると考えられる最繰り出し位置と最も衝撃を受け易いと考えられる起動位置に対応させることによって、鏡筒がどの位置にあってもバヨネット結合の脱落を防止することができる。
直進筒3の前側突起群31の第1〜第4の突起31−1〜31−4、並びに後側突起群32の第1の突起32−1および第2の突起32−2の各突起の高さは、互いに異なっていても差し支えないが、図10〜図14に示されているように、これら複数の突起の高さを全て同一とすれば、これらの突起が挿入される第1回転筒2の第1の案内部21の第1〜第4の凹所21−1〜21−4、並びに第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2の各凹所の深さを均一にすることができるため、第1回転筒2の肉厚を薄くすることができ、結果としてレンズ鏡胴全体の径方向の寸法を小さくすることができる。
図21〜図26は、本発明の第3の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を示している。なお、本発明の第1の実施の形態において言及した図1〜図3および図10〜図14に示された構成については、本発明の第3の実施の形態においても実質的にほぼ同様である。図21〜図26は、本発明の第3の実施の形態に特有の構成を示している。
図21は、本発明の第3の実施の形態に係るレンズ鏡胴の各鏡筒が図1に相当する収納位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、図22は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図2に相当する撮影開始時の起動位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図、そして図23は、レンズ鏡胴の各鏡筒が図3に相当する撮影時の最繰り出し位置にある状態での要部の構成を模式的に示す縦断面図である。また、図24は、この第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の要部の構成を模式的に示す分解斜視図である。さらに、図25は、この第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴における直進筒の外周面の形態を模式的に示す展開図、そして図26は、レンズ鏡胴における第1回転筒の内周面の形態を模式的に示す展開図である。
図21〜図26に示す本発明の第3の実施の形態に係るレンズ鏡胴は、おおむね図4〜図9に示した本発明の第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成と同様であるが、さらに図15〜図20に示した本発明の第2の実施の形態に係るレンズ鏡胴の構成を組み合わせたものであり、以下の点において第1の実施の形態に係るレンズ鏡胴とは異なっている。
すなわち、この第3の実施の形態においては、図24および図26、さらには、図10〜図14、に示すように、後端側から光軸と平行に延びる第1の凹所21−1、第2の凹所21−2、第3の凹所21−3および第4の凹所21−4からなる4つの凹所を形成して、第1の案内部21を構成している。第1の案内部21を構成するこれらの第1〜第4の凹所21−1〜21−4は、第1回転筒2の前端部において円周方向に形成された第1の周溝部24に連通している。
そして、直進筒3の中間部のやや前寄りの外周面には、この場合、前側突起群31の第1の突起31−1および第2の突起31−2、の後方に、第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2にそれぞれ対応し且つ第2の周溝部25の第1の後側周溝25′に対応する第1の突起32′−1および第2の突起32′−2からなる第1の後側突起群32′が形成され、さらにそれらの後方に第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2にそれぞれ対応し且つ第2の周溝部25の第2の後側周溝25″に対応する第1の突起32″−1および第2の突起32″−2からなる第2の後側突起群32″が形成されている。
したがって、本発明の第3の実施の形態に係るレンズ鏡胴は、直進筒3の中間部のやや前寄りに、後側突起群32の第1の後側突起群32′を構成する第1の突起32′−1および第2の突起32′−2を配置し、且つ直進筒3の後端部に、後側突起群32の第1の後側突起群32″を構成する第1の突起32″−1および第2の突起32″−2を配置し、それらに対応して、第2の周溝部25の第1の後側周溝25′を第1回転筒2の後端部に配置し、且つ第2の周溝部25の第2の後側周溝部25″を第1回転筒2の第1の周溝部24の後方のやや前寄りの中間部近傍に配置し、それらに対応して第1回転筒2の第2の案内部22の第1の凹所22−1および第2の凹所22−2を形成している。
先に述べたように、特許文献3(特開2009−169388号)等に開示されたレンズ鏡胴においても直進筒の突起は3つ以上設けられていたため、バヨネット結合された状態で第1回転筒と直進筒は相対回転動作を安定に行うことができた。これらの突起は、直進筒の光軸方向で1箇所のみに形成されていたため、例えば鏡筒が最繰出位置近傍にあるような場合では、直進筒における突起の位置の半径方向内側に第2回転筒のヘリコイド部等が位置するために、落下衝撃等を受けても直進筒の半径方向の変形が押えられ、バヨネット結合は外れにくい。しかしながら、鏡筒が起動位置近傍にある状態では、突起の半径方向内側には空間があり、落下衝撃等を受けたときに直進筒の半径方向の変形が比較的起こり易く、バヨネット結合は外れやすい状態となる。
本発明に係るレンズ鏡胴は、ディジタルカメラ等の撮像装置、携帯電話機に代表される携帯型情報端末装置等の情報装置および画像入力装置などに適用することができる。
ディジタルカメラ等の撮像装置は、撮像光学系としての撮像レンズを備えており、この撮影レンズの鏡胴として、上述した本発明に係るレンズ鏡胴を適用することができる。このような撮像装置とすれば、大きな衝撃が加わっても故障しにくいという利点が得られる。
撮像光学系としての撮像レンズを備え、撮像レンズによって結像された画像を電気信号からなる画像情報に変換して入力する画像入力装置がある。この種の画像入力装置の撮像レンズのレンズ鏡胴としても、上述したようなレンズ鏡胴を適用することができる。このような画像入力装置においても、大きな衝撃が加わっても故障しにくいという利点が得られる。
2 第1回転筒
3 直進筒
4 第2回転筒
11 ヘリコイド
12 直進溝
21 第1の案内部
21−1〜21−4 第1〜第4の凹所
22 第2の案内部
22−1,22−2 第1〜第2の凹所
23 直進溝部(直進溝)
24 第1の周溝部
25 第2の周溝部
25′ 第1の後側周溝
25″ 第2の後側周溝
26 ヘリコイド
27 ラック
31 前側突起群
31−1〜31−4 第1〜第4の突起
32 後側突起群
32−1,32−2 第1〜第2の突起
32′ 第1の後側突起群
32′−1,32′−2 第1〜第2の突起
32″ 第2の後側突起群
32″−1,32″−2 第1〜第2の突起
33 突起
34 ヘリコイド
35 貫通溝
41 ヘリコイド
42 ピン
Claims (18)
- 固定筒と、
前記固定筒に対し軸線周りに回転可能に設けられている第1回転筒と、
前記第1回転筒の内周側に配置され、軸線方向については前記第1回転筒と一体的に移動し、且つ軸線の周りについては前記第1回転筒に対して相対的に回転する円筒形状の直進筒とを具備し、
前記直進筒は、
被写体側外周面に外方に突出する第1の突起、第2の突起および第3の突起を有し、
前記第1の突起と前記第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記第3の突起は、前記第1の突起と前記第2の突起の間に配置されてなる前側突起群と、
前記直進筒の被写体側外周面における前記前側突起群よりも像面側に少なくとも、前記直進筒の外周面に、外方に突出する後側第1の突起および後側第2の突起を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起の円周方向の幅は、前側突起群が有する前記第1の突起、前記第2の突起および前記第3の突起よりも2倍以上の幅を有し、
前記後側第1の突起と前記後側第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、前記後側第1の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第1の突起と重なり、前記後側第2の突起は、前記直進筒の前方から見た場合に前記第2の突起と重なるように配置されてなる後側突起群とを備え、
前記第1の突起、前記第2の突起、前記第3の突起、前記後側第1の突起、前記後側第2の突起の前記直進筒から半径方向外側へ突起する寸法は同一であり、
前記第1回転筒は、内周面に、
前記直進筒の前記前側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の周溝部と、
前記直進筒の前記後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の周溝部と、
前記前側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第1の周溝部に連通し、前記前側突起群の各突起に対応して形成される3つ以上の凹所を有する第1の案内部と、
前記後側突起群を挿入するために、後方より軸線と平行に延びて前記第2の周溝部に連通し、前記後側突起群の各突起に対応して形成される2つ以上の凹所を有する第2の案内部とを備えてなり、
前記第1の周溝部に前記前側突起群が導入され、前記第2の周溝部に前記後側突起群が導入されることにより前記第1回転筒と前記直進筒が結合されることを特徴とするレンズ鏡胴。 - 前記後側突起群は、前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 前記後側突起群は、前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。
- 前記直進筒の前記後側突起群は、
前記直進筒の前記前側突起群に比較的近い軸線方向中間部の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第1の後側突起群と、
前記直進筒の像面側端部近傍の同一円周上に配置されている2つ以上の突起を有する第2の後側突起群と
を有し、且つ
前記第1回転筒の内周面に形成される前記第2の周溝部は、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第1の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第1の後側周溝と、
前記直進筒の前記後側突起群の前記第2の後側突起群の光軸方向位置に対応して円周方向に形成される第2の後側周溝と
を有することを特徴とする請求項1に記載のレンズ鏡胴。 - 前記固定筒の内周側に前記第1回転筒および前記直進筒を沈胴収納して沈胴式とするレンズ鏡胴であって、
前記前側突起群および前記後側突起群を、前記第1回転筒の円周方向に形成した前記第1の周溝部および前記第2の周溝部に導入し且つ前記第1回転筒と前記直進筒とを所定角度相対回転した位置を組み付け位置とすることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。 - 外周面に外方に突設されるピンを有して、前記直進筒の内周側に配置される第2回転筒をさらに備え、
前記直進筒は、
前記第2回転筒に突設される前記ピンに対応する貫通孔を有し、且つ
前記前側突起群の3つ以上の突起のうち少なくとも2つの突起は前記貫通孔と軸線方向において重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。 - 前記第1回転筒と前記直進筒は、
前記第1回転筒と前記直進筒とを、前記組み付け位置から所定角度相対回転した位置が、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒の内周側に収納された収納位置であり、
前記第1回転筒と前記直進筒とをさらに相対回転させることにより、前記第1回転筒、前記直進筒および前記第2回転筒が前記固定筒から前方に繰り出した撮影位置となることを特徴とする請求項6に記載のレンズ鏡胴。 - 前記第2回転筒に突設されているピンは、前記直進筒に設けられる前記貫通孔を貫通し、前記第1回転筒の内周面に形成される軸線方向に沿う直進溝に係合して、前記第1回転筒の回転を前記第2回転筒に伝達するピンであることを特徴とする請求項6または請求項7に記載のレンズ鏡胴。
- 前記直進筒に設けられる前記前側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記直進筒に設けられる前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記直進筒に設けられる前記前側突起群および前記後側突起群の各突起は、半径方向の高さ寸法が互いに等しいことを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。
- 前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、軸線方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の周溝部は、軸線方向の幅寸法が、前記第1の周溝部よりも広くなっていることを特徴とする請求項1〜請求項11のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。 - 前記直進筒の前記後側突起群の各突起は、円周方向の幅寸法が、前記前側突起群の各突起よりも広く、且つ
前記第1回転筒の前記第2の案内部の各凹所は、円周方向の幅寸法が、前記第1の案内部の各凹所よりも広くなっていることを特徴とする請求項1〜請求項12のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。 - 前記第1回転筒と前記直進筒の組み付け位置から収納位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をα、
前記第1回転筒と前記直進筒の収納位置から最も近い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をβ、
前記第1回転筒と前記直進筒の最も近い撮影位置から最も遠い撮影位置までの前記第1回転筒と前記直進筒の相対回転角度をγ、
とするとき、前記前側突起群の3つ以上の突起は、
前記前側突起群の第1の突起と、前記前側突起群の第2の突起は、前記直進筒の中心軸線を挟んで対向配置され、
前記前側突起群の前記第1の突起および前記第2の突起よりも円周方向の幅の広い前記前側突起群の第3の突起が、前記第1の突起から前記第1回転筒の回転方向においてα+β未満の角度をずらして配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載のレンズ鏡胴。 - 前記前側突起群の前記第1の突起よりも円周方向の幅の狭い第4の突起が、前記第2の突起から前記第1回転筒の回転方向について、α+β+γ以上の角度をずらして配置されていることを特徴とする請求項14に記載のレンズ鏡胴。
- 被写体像を結像するための撮像光学系を備えた撮像装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記撮像光学系を構成してなることを特徴とする撮像装置。
- 撮像機能を備えた情報装置において、前記撮像機能を達成すべく被写体像を結像する撮像光学系を、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて構成してなることを特徴とする情報装置。
- 結像光学系によって結像される光学像を電気信号に変換して入力する画像入力装置において、請求項1〜請求項15のいずれか1項のレンズ鏡胴を用いて前記結像光学系を構成してなることを特徴とする画像入力装置。
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