JP5754949B2 - ズームレンズ鏡筒およびデジタルカメラ - Google Patents

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Description

本発明は、ズームレンズ鏡筒およびデジタルカメラに関する。
近年、カメラ等の光学機器に装着されるズームレンズ鏡筒においては、小型化と共に光学倍率の高倍率化の要求が高まっている。ズームレンズ鏡筒の光軸方向への小型化は、カム筒の光軸方向の長さを短くすることで達成可能となる。しかしながら、カム筒の長さを短くすると、レンズの移動量を確保することができず、高倍率化の要求に応えられないという問題がある。かかる問題を解決する手段として特許文献1の発明が開示されている。
特許文献1の発明の構成は、内周面にカム溝が形成された第1カム筒の内周側に、同じく内周面にカム溝が形成された第2カム筒を配置している。そして、該構成は、ワイド側では、レンズ保持枠を第1カム筒にカム係合させ、テレ側では、第1カム筒の前方(物体側)に配置される第2カム筒にレンズ保持枠をカム係合させ、ズーム動作に併せて、レンズ保持枠を第1カム筒と第2カム筒とに受け渡す構成とされている。かかる構成によれば、第1カム筒に第2カム筒を収容することでズームレンズ鏡筒の小型を図りながら、テレ側にレンズ保持枠を繰り出す際には、レンズ保持枠がカム係合する第2カム筒を第1カム筒の前方に移動させることで、繰り出し量を大きくし光学倍率の高倍率化を図ることができる。
特開2009−271191号公報
しかしながら、かかるズームレンズ鏡筒においては、第1カム筒の内側に第2カム筒が配置されているため、ズームレンズ鏡筒の径方向の小型化を図り難く、また、レンズ保持部材を第1カム筒に係合させる構成と第2カム筒に係合させる構成が別の部材とされているため構造が複雑であるという問題がある。
そこで、本発明は、小型化と構造の簡略化を図ることができるズームレンズ鏡筒およびデジタルカメラを提供することを課題とする。
上述の課題を解決するため、本発明のズームレンズ鏡筒は、レンズを保持するレンズ保持部材と、レンズ保持部材に備えられる第1カムフォロワをガイドする第1カム溝を有し、レンズ保持部材を光軸方向に沿って移動させることができる第1カム筒と、第1カム筒の光軸方向に配置され、第1カムフォロワをガイドする第2カム溝を有し、レンズ保持部材を光軸方向に沿って移動させることができる第2カム筒と、第2カム筒を第1カム筒に対して光軸方向に相対的に移動することができるカム筒移動手段とを有し、第1カム筒、第2カム筒およびカム筒移動手段は、第1カム筒および第2カム筒が光軸方向の所定位置に配置されたときに、第1カム溝と第2カム溝とが連続し、第1カムフォロワが第1カム溝と第2カム溝との間を移動することができるように構成され、第2カム筒の内周面には、凹面部と第2カム溝が形成される凸面部とが形成され、第1カム筒には、凸面部と光軸方向において互いに嵌合することができる凹部が形成され、第1カム筒と第2カム筒とは、第2カム筒の凹面部の内側に第1カム筒の外周面が配置されるように、第1カム筒を第2カム筒内に収容可能であることとする。
上記発明に加えて、本発明のズームレンズ鏡筒は、第1カム溝と第2カム溝との互いが連続する端部において、第1カムフォロワをガイドする部分の溝幅よりも拡幅されていることとする。
上記発明に加えて、本発明のズームレンズ鏡筒においては、レンズ保持部材は、第1カムフォロワに対して光軸方向にずれた位置に配置される第2カムフォロワを有し、第1カム筒または第2カム筒には、第1カムフォロワが第1カム溝によるガイドを外れた後に、第2カムフォロワをガイドする第3カム部が設けられていることとする。
上記発明に加えて、本発明のズームレンズ鏡筒においては、第1カム筒と第2カム筒は、光軸方向において互いに嵌合することができる凹凸形状を有することとする。
デジタルカメラにおいて、上記発明に係るズームレンズ鏡筒を備えることとする。
本発明の第1の実施の形態に係るズームレンズ鏡筒の光軸に沿う面における断面の概略形状を示す断面図であって、ズームレンズ鏡筒の撮影状態がワイド状態にあるときを示している。 図1に示すズームレンズ鏡筒が収納状態にあるときの断面の概略形状を示す断面図である。 図1に示すズームレンズ鏡筒に備えられる固定筒の内周面を展開したときのヘリコイド溝の形状と配置を示す図である。 図1に示すズームレンズ鏡筒に備えられる第1筒の内周面を展開したときのカム溝の形状と配置を示す図である。 図1に示すズームレンズ鏡筒に備えられる第2カム筒の外周面を展開したときのヘリコイド溝の形状と配置を示す図である。 図1に示すズームレンズ鏡筒に備えられる第2カム筒の内周面の展開図である。 図1に示すズームレンズ鏡筒に備えられる第1カム筒の内周面の展開図である。 ズームレンズ鏡筒の収納状態からテレ状態までの動作状態を示す図である。 ズームレンズ鏡筒の収納状態からテレ状態までの動作状態の変化に対応して変化する第1カム筒と第2カム筒の位置関係を示す図である。 ズームレンズ鏡筒の収納状態からテレ状態までの動作状態の変化に対応して変化する第1カム筒と第2カム筒の位置関係を示す図である。 上段(A)は、仮に、第2カム筒を用いることなく、第1カム筒を前方に延長した構成とし、この延長された第1カム筒のみで2群レンズ保持枠の移動を行うこととしたときのカムフォロワの移動軌跡を示す図である。下段(B)は、仮に、第1カム筒を用いることなく、2群レンズ保持枠の移動を、第2カム筒のみで行う構成としたときのカムフォロワの移動軌跡を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態に係るズームレンズ鏡筒1の構成について、図面を参照しながら説明をする。ズームレンズ鏡筒1は、デジタルカメラに備えられるものであり、デジタルカメラの未使用時には、デジタルカメラの結像部の側に短縮させた収納状態(繰り込まれた状態)に変形することができ、また、使用時(撮影時)には、物体側に伸長させた使用状態(繰り出し状態)に変形することができるように構成されている。さらに、ズームレンズ鏡筒1は、使用状態における光学像の撮影倍率をワイド状態(広角の撮影状態)としたり、テレ状態(望遠の撮影状態)とすることができるように、レンズの配置を変えることができるように構成されている。
図1は、ズームレンズ鏡筒1の光軸Xに沿う面における断面の概略形状を示す断面図であって、ズームレンズ鏡筒1の撮影状態がワイド状態にあるときを示している。図2は、ズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるときの断面の概略形状を示す断面図である。
本実施の形態の説明では、図1,2に示す、矢印X1方向を被写体が位置する方向である前方(前側)、矢印X2方向を結像部が配置される方向である後方(後側)とし、また、光軸Xから離れる方向を外周方向(外周側)、光軸Xに近づく方向を内周方向(内周側)として説明を行うこととする。また、光軸Xと直交する面に沿うと共に、光軸Xを中心とする円周に沿う方向を円周方向として説明を行うこととする。
なお、上述のように、本実施の形態に係るズームレンズ鏡筒1は、デジタルカメラに備えられるものとして構成されているが、本発明の構成は、デジタルカメラに使用されるズームレンズ鏡筒に限らず、フィルムカメラ、あるいは投射プロジェクタに使用されるズームレンズ鏡筒にも用いることができる。
(ズームレンズ鏡筒1の全体構成)
ズームレンズ鏡筒1は、固定筒2、第1筒3、第2筒4、第3筒5、第1カム筒6、第2カム筒7、2群レンズ保持枠8,1群レンズ9、2群レンズ10、3群レンズ11、および撮像素子12等を有している。ズームレンズ鏡筒1は、ズームレンズ鏡筒1の光軸Xに、1群レンズ9、2群レンズ10、3群レンズ11、および撮像素子12の光軸が一致するように、第1筒3、第2筒4、第3筒5、第1カム筒6、第2カム筒7、および2群レンズ保持枠8等が、固定筒2内に保持されている。
(固定筒2)
固定筒2は、略円筒状に形成され、ズームレンズ鏡筒1の外周部を構成し、図示を省略するデジタルカメラの筐体内に収容される。第1筒3等は、図1,2に示すように、デジタルカメラの未使用時・使用時に応じてデジタルカメラの筐体に対する前後方向の位置が変わるのに対し、固定筒2は、デジタルカメラの未使用時・使用時に拘わらず、デジタルカメラの筐体に対して固定された位置に配置されている。
固定筒2の内周面には、ヘリコイド溝13、直進ガイド溝14および直進ガイド溝15が形成されている。図3は、固定筒2の内周面を展開したときのヘリコイド溝13の形状と配置を示す図である。図3に示すように、ヘリコイド溝13は、固定筒2の内周面に円周方向に等間隔で3箇所に形成され、光軸Xに対して傾斜する方向に形成される傾斜部13Aと、円周方向に形成される外周部13Bとを有している。図3においては、直進ガイド溝14および直進ガイド溝15の図示を省略しているが、直進ガイド溝14および直進ガイド溝15は、それぞれ、光軸Xと平行に、円周方向に等間隔で3箇所に配置されている。
(第1筒3)
固定筒2の内周側には、第1筒3が配置されている。第1筒3の内周面には、カム溝16、直進ガイド溝17および円周ガイド溝18が形成されている。図4は、第1筒3の内周面を展開したときのカム溝16の形状と配置を示す図である。図4に示すように、カム溝16は、第1筒3の円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。図4においては、直進ガイド溝17および円周ガイド溝18の図示を省略しているが、直進ガイド溝17は、光軸Xと平行に、円周方向に等間隔で3箇所に配置されている。また、円周ガイド溝18は、第1筒3の内周面の後端部に全周に亘って形成されている。
第1筒3の外周面には、固定筒2に形成される直進ガイド溝15に係合する直進ガイド突起19が設けられている。直進ガイド突起19は、3つの直進ガイド溝15にそれぞれ対応して、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。
(第2筒4)
第1筒3の内周側には、第2筒4が配置されている。第2筒4の外周面の後端部には、第1筒3の内周面に形成される直進ガイド溝17に係合する直進ガイド突起20が設けられている。直進ガイド突起20は、3つの直進ガイド溝17にそれぞれ対応して、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。第2筒4の内周面には、直進ガイド溝21および円周ガイド突起22が形成されている。直進ガイド溝21は、光軸Xと平行に、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。円周ガイド突起22は、第2筒4の内周面の後端部に全周に亘って形成されている。
(第3筒5)
第2筒4の内周側には、第3筒5が配置されている。第3筒5の外周面の後端部には、第2筒4の内周面に形成された直進ガイド溝21に係合する直進ガイド突起23が設けられている。直進ガイド突起23は、3つの直進ガイド溝21にそれぞれ対応して、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。第3筒5の内周面の後端部には、ヘリコイド突起24が形成されている。ヘリコイド突起24は、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。また、第3筒5の内周には、1群レンズ9が保持されている。
(第2カム筒7)
第3筒5の内周側には、第2カム筒7が配置されている。第2カム筒7の外周面の後端部には、第1筒3の内周面に形成されたカム溝16に係合するカムフォロワ25が設けられている。このカムフォロワ25は、3つのカム溝16にそれぞれ対応して、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。また、第2カム筒7の外周面には、円周ガイド突起22の前面に係合する円周ガイド突起26が、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。円周ガイド突起26は、カムフォロワ25との間に円周ガイド突起22を円周方向にガイドすることができるようにカムフォロワ25の前方に配置されている。
さらに、第2カム筒7の外周面には、第3筒5のヘリコイド突起24が係合するヘリコイド溝27が形成されている。図5は、第2カム筒7の外周面を展開したときのヘリコイド溝27の形状と配置を示す図である。図5に示すように、ヘリコイド溝27は、第2カム筒7の円周方向に等間隔で3箇所に形成され、光軸Xに対して傾斜する方向に形成される傾斜部27Aと、円周方向に形成される外周部27Bおよび外周部27Cを有している。外周部27Bは外周部27Cよりも後方側に配置されている。なお、図5においては、カムフォロワ25および円周ガイド突起26の図示を省略している。
第2カム筒7の内周面には、カム溝28,29(図6参照)および直進ガイド突起30が設けられている。第2カム筒7の内周面の展開図である図6に示すように、カム溝28は、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。また、カム溝29も、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。また、直進ガイド突起30は、第2カム筒7の前端部から後端部に亘って、光軸Xと平行に、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。
第2カム筒7の内周面には、凹面部31と凸面部32とが形成されている。凸面部32は、第2カム筒7の前端部から後方に向かって形成され、光軸Xと直交する方向から見た形状が略矩形を呈し、カム溝28,29に対応して、円周方向に等間隔に形成されている。凸面部32は、凹面部31よりも内側に向かって第2カム筒7が肉厚となるように形成されている。カム溝28,29は、凹面部31に比べて第2カム筒7の肉厚が厚く形成された部分である凸面部32に形成されている。直進ガイド突起30は、凹面部31に形成され、凹面部31からの光軸X方向への突出量は、凸面部32よりも少ない。すなわち、第2カム筒7の直進ガイド突起30の部分の肉厚は、凸面部32の肉厚に比べて薄い。
カム溝28は、ガイド部28Aとその後端側の開口部において溝幅が拡幅する拡幅部28Bとを有している。拡幅部28Bは、ガイド部28Aの側から後方の開口部に向かって徐々に溝幅が広くなっている。カム溝29も、ガイド部29Aとその後端側の開口部において溝幅が拡幅する拡幅部29Bとを有している。拡幅部29Bも、ガイド部29Aの側から後方の開口部に向かって徐々に溝幅が広くなっている。
(第1カム筒6)
第2カム筒7の後方には、第1カム筒6が配置されている。第1カム筒6の内周面には、カム溝33,34(図7参照)が形成されている。第1カム筒6の内周面の展開図である図7に示すように、カム溝33は、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。また、カム溝34も、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。カム溝33は、ガイド部33Aとその前端側の開口部において溝幅が拡幅する拡幅部33Bとを有している。拡幅部33Bは、ガイド部33Aの側から前方の開口部に向かって徐々に溝幅が広くなっている。
第1カム筒6の外周面には、第2カム筒7に形成される直進ガイド突起30が係合する直進ガイド溝43が形成されている。直進ガイド溝43は、光軸Xと平行に形成され、3つの直進ガイド突起30にそれぞれ対応して設けられている。また、第1カム筒6の外周面には、第1筒3の円周ガイド溝18に係合する円周ガイド突起35(図1参照)が設けられている。円周ガイド突起35は、円周方向に等間隔で3箇所に形成されている。
さらに、第1カム筒6の後端部には、固定筒2の内周面に形成されたヘリコイド溝13に係合するヘリコイド突起36が形成されている。ヘリコイド突起36は、3つのヘリコイド溝13にそれぞれ対応して円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。
第1カム筒6には、前端部から後方に向かって略矩形に凹む凹部37(図7参照)が形成されている。凹部37は、第2カム筒7の内周面に形成される凸面部32が丁度嵌合することができるように形成されている。第1カム筒6と第2カム筒7とは、第1カム筒6の凹部37に第2カム筒7の凸面部32を嵌合させた状態で、第2カム筒7内に第1カム筒6を収容可能な構成となっている。また、第1カム筒6内に第2カム筒7が収納され、第1カム筒6の凹部37に第2カム筒7の凸面部32を嵌合した状態で、第2カム筒7の凹面部31の内側に第1カム筒6の外周面が配置される構成となっている。第1カム筒6の肉厚と、凸面部32が凹面部31から内周側に突出する量とは同一であり、凹面部31に凸面部32が嵌合した状態で、第1カム筒6の内周面と凸面部32とは段差のない面一な状態となる。
(2群レンズ保持枠8)
第1カム筒6および第2カム筒7の内周側には、2群レンズ10を保持する2群レンズ保持枠8が配置されている。2群レンズ保持枠8の外周面には、カムフォロワ38,39が設けられている。カムフォロワ38は、カム溝28およびカム溝33に係合することができるカムフォロワである。また、カムフォロワ39は、カム溝29およびカム溝34に係合することができるカムフォロワである。円周方向にそれぞれ3箇所に配置されているカム溝28,33に対応してカムフォロワ38も、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。また、カムフォロワ39も、円周方向にそれぞれ3箇所に配置されているカム溝29,34に対応して、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。
なお、2群レンズ保持枠8には、シャッタユニット40が取り付けられ、2群レンズ10の前方でシャッタ(図示省略)を開閉することができる。また、2群レンズ10は、図示を省略する退避機構により、ズームレンズ鏡筒1の収納状態において、図2に示すように、光軸Xから外周側に外れた位置に退避することができるように構成されている。図2に示すように2群レンズ10を光軸Xから外れた位置に退避させ、2群レンズ10が退避されたスペースに3群レンズ11を配置することで、ズームレンズ鏡筒1の収納状態時における前後方向の長さを短くすることができる。
2群レンズ保持枠8には、直進ガイド環41の直進ガイド板41Aが通される貫通孔8Aが形成されている。貫通孔8Aは、光軸Xと平行に、円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。直進ガイド環41は、円周方向に形成される円環部41Bと、この円環部41Bから前方に光軸Xと平行に延設される直進ガイド板41Aと、固定筒2の直進ガイド溝14に係合する係合片41Cとを有している。直進ガイド板41Aは、貫通孔8Aに対応して円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。また、係合片41Cも、直進ガイド溝14に対応して円周方向に等間隔で3箇所に設けられている。
(3群レンズ11、撮像素子12)
2群レンズの後方には、3群レンズ11が配置されている。この3群レンズ11は、いわゆるフォーカシングレンズである。3群レンズ11は、3群レンズ保持枠42に保持されている。3群レンズ保持枠42は、図示を省略するフォーカス制御部により駆動される図示を省略するフォーカスモータにより前後方向に移動可能とされている。撮像素子12は、たとえば、CCD(Charge
Coupled Device Image Sensor)を使用することができるが、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)を用いることもできる。
(ズームレンズ鏡筒1の動作の概略)
次に、上述の構成を有するズームレンズ鏡筒1の動作の概略を説明する。第1カム筒6の外周には図示を省略するギア部が形成され、図示を省略する駆動モータにより回転させられるピニオンギアと噛み合っている。つまり、第1カム筒6は、ズームレンズ鏡筒1を駆動する駆動環として機能するものであり、第1カム筒6が、駆動モータの回転を受けて回転することで、ズームレンズ鏡筒1を繰り出し状態や繰り込み状態に変形させることができる。
ズームレンズ鏡筒1は、未使用時には、図2に示す収納状態となっている。この状態から、駆動モータ(図示省略)を駆動して第1カム筒6を後方から見て反時計方向に回転させると、第1カム筒6は、第1カム筒6に設けられるヘリコイド突起36と固定筒2に形成されるヘリコイド溝13との作用により前方に移動する。第1カム筒6の円周ガイド突起35は、第1筒3に形成される円周ガイド溝18に係合し、第1カム筒6と第1筒3は、前後方向について互いに連結している。つまり、第1カム筒6は、第1筒3に対して、円周方向については回転が許容されるが、前後方向については、円周ガイド溝18と円周ガイド突起35との係合により移動が規制される。
第1筒3は、直進ガイド突起19が直進ガイド溝15に係合している。つまり、第1筒3は、前後方向については移動が許容されているが、円周方向に対しては回転が規制されている。
したがって、第1カム筒6が回転し、ヘリコイド突起36とヘリコイド溝13との作用により、第1カム筒6が前後方向に移動すると、第1カム筒6の円周ガイド突起35に円周ガイド溝18が係合している第1筒3は、第1カム筒6と共に前後方向に移動する。
2群レンズ保持枠8の貫通孔8Aには、直進ガイド板41Aが通されている。直進ガイド板41Aが設けられる直進ガイド環41は、係合片41Cが固定筒2に形成される直進ガイド溝14に係合していることで円周方向への回転が規制されている。つまり、2群レンズ保持枠8は、直進ガイド環41により円周方向への回転が規制されている。したがって、2群レンズ保持枠8は、第1カム筒6の回転により、カムフォロワ38,39と第1カム筒6に形成されるカム溝33,34との作用により、カム溝33,34の形状に応じて前後方向に移動することができる。
第2カム筒7は、直進ガイド突起30が第1カム筒6の直進ガイド溝43に係合している。つまり、第2カム筒7は、第1カム筒6に対して、円周方向については回転が規制される一方で、前後方向については移動が許容される。したがって、第1カム筒6が回転すると、第2カム筒7は、第1カム筒6と共に円周方向に回転する。第2カム筒7の外周面に設けられるカムフォロワ25は、第1筒3の内周面に形成されるカム溝16に係合している。第1筒3は、直進ガイド突起19が直進ガイド溝15に係合することで円周方向への回転が規制されると共に、円周ガイド溝18に第1カム筒6の円周ガイド突起35が係合することで第1カム筒6に対する前後方向への移動が規制されている。そのため、第2カム筒7が第1カム筒6と共に円周方向に回転すると、カムフォロワ25とカム溝16の作用により、第2カム筒7は、カム溝16の形状に応じて前後方向に移動することができる。
第2筒4は、直進ガイド突起20が第1筒3に形成される直進ガイド溝17に係合することで円周方向への回転が規制されると共に、円周ガイド突起22が第2カム筒7に形成される円周ガイド突起26に係合することで第2カム筒7に対する前後方向への移動が規制されている。したがって、第2筒4は、第2カム筒7と共に前後方向に移動する。
第3筒5は、直進ガイド突起23が第2筒4に形成される直進ガイド溝21に係合すると共に、ヘリコイド突起24が第2カム筒7の外周面に形成されるヘリコイド溝27に係合している。第3筒5は、直進ガイド突起23が直進ガイド溝21に係合することで、前後方向への移動が許容される一方で、円周方向への回転が規制されている。したがって、第2カム筒7が回転すると、第3筒5は、ヘリコイド突起24とヘリコイド溝27の作用により、ヘリコイド溝27に従って、前後方向に移動する。
(ズームレンズ鏡筒1の動作の詳細)
次に、図3から図5、図8、図9および図10を参照しながら、ズームレンズ鏡筒1の動作の詳細を説明する。
図8は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、収納状態S、ワイド状態W、そしてワイド状態から中間段階(Pos2〜5)を経てテレ状態Tに変化するまでのズームレンズ鏡筒1の構成部材(第1筒3、第2筒4等)の位置変化を説明するための図であり、ズームレンズ鏡筒1の断面図が示されている。図8(A)は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、収納状態Sにあるときを示し、図8(B)は、ワイド状態Wにあるときを示している。図8(C)(D)(E)(F)は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、図8(B)に示すワイド状態Wから図8(G)に示すテレ状態Tに変化するまでの動作状態である中間段階Pos2〜5をそれぞれ示している。
図3は、第1カム筒6が駆動モータ(図示省略)により回転させられたときに、固定筒2に形成されるヘリコイド溝13にリードされて移動する第1カム筒6のヘリコイド突起36の移動状態を示す図である。図3に示す、ヘリコイド突起36の収納位置SA、ワイド位置WA、Pos2A,3A,4A,5A、テレ位置TAは、順に、図8の(A)から(G)に示す第1カム筒6の位置に対応している。
つまり、ヘリコイド突起36が収納位置SAに位置しているとき、第1カム筒6は、図8(A)に示す位置に配置され、ヘリコイド突起36がワイド位置WAに位置しているとき、第1カム筒6は、図8(B)に示す位置に配置される。そして、ヘリコイド突起36がPos2Aに位置しているとき、第1カム筒6は図8(C)に示す位置に配置され、ヘリコイド突起36がPos3Aに位置しているとき、第1カム筒6は図8(D)に示す位置に配置され、ヘリコイド突起36がPos4Aに位置しているとき、第1カム筒6は図8(E)に示す位置に配置され、ヘリコイド突起36がPos5Aに位置しているとき、第1カム筒6は図8(F)に示す位置に配置される。さらに、ヘリコイド突起36がテレ位置TAに位置しているとき、第1カム筒6は図8(G)に示す位置に配置される。なお、第1筒3は、第1カム筒6の円周ガイド突起35に円周ガイド溝18が係合しているため、第1カム筒6と共に前後方向に移動する。
図4は、第2カム筒7が回転させられたときに、第1筒3に形成されるカム溝16にリードされて移動する第2カム筒7のカムフォロワ25の移動状態を示す図である。図4に示すカムフォロワ25の収納位置SB、ワイド位置WB、Pos2B,3B,4B,5B、テレ位置TBは、順に、図8の(A)から(G)に示す第2カム筒7の位置に対応している。
第2カム筒7は、直進ガイド突起30が第1カム筒6の直進ガイド溝43に係合している。したがって、第2カム筒7は、第1カム筒6と共に回転する。一方、第1筒3は、直進ガイド突起19が固定筒2の直進ガイド溝15に係合し円周方向への回転が規制された状態で第1カム筒6と共に前後方向に移動する。したがって、第1カム筒6と共に回転する第2カム筒7は、第1筒3に形成されるカム溝16にカムフォロワ25がリードされることで、カム溝16に従って前後方向に移動する。つまり、カムフォロワ25とカム溝16を有するカム機構は、第2カム筒7を第1カム筒6に対して相対的に光軸X方向に沿って移動することができるカム筒移動手段として構成される。なお、第2筒4は、第2カム筒7の円周ガイド突起26に円周ガイド突起22が係合しているため、第2カム筒7と共に前後方向に移動する。
図5は、第2カム筒7が回転させられたときに、第2カム筒7の外周面に形成されるヘリコイド溝27にリードされて移動する第3筒5のヘリコイド突起24の移動状態を示す図である。図5に示すヘリコイド突起24の収納位置SC、ワイド位置WC、Pos2C,3C,4C,5C、テレ位置TCは、順に、図8の(A)から(G)に示す第3筒5の位置に対応している。第2筒4は、円周ガイド突起22が第1筒3の直進ガイド溝17に係合し円周方向への回転が規制された状態で第2カム筒7と共に前後方向に移動する。したがって、第2カム筒7が回転することで、ヘリコイド突起24がカム溝28のヘリコイド溝27にリードされ、第3筒5が前後方向に移動する。
図4、図8に示すように、第2カム筒7は、第1筒3のカム溝16とカムフォロワ25との作用により、第1筒3に対して前後方向に移動する。一方、第1筒3は第1カム筒6と共に前後方向に移動する。したがって、第2カム筒7は、第1カム筒6に対して、カム溝16の形状にしたがって前後に移動することになる。
図9(A)は、ズームレンズ鏡筒1が図8(A)に示す収納状態Sにあるときの第1カム筒6と第2カム筒7との位置関係を示し、図9(B)は、ズームレンズ鏡筒1が図8(B)に示すワイド状態Wにあるときの第1カム筒6と第2カム筒7との位置関係を示す。図9(C)から図10(D)(E)(F)は、それぞれ順に、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、図8(C)(D)(E)(F)に示す中間段階Pos2〜5の状態にあるときの第1カム筒6と第2カム筒7との位置関係を示す。そして、図10(G)は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、図8(G)に示すテレ状態Tにあるときの第1カム筒6と第2カム筒7との位置関係を示す。
なお、図9(A)〜(C)、図10(D)〜(G)に示す第2カム筒7の位置は、図4に示すカムフォロワ25の位置(収納位置SB、ワイド位置WB、Pos2B,3B,4B,5B、テレ位置TB)に対応している。
2群レンズ保持枠8は、図8(A)(B)に示すように、ズームレンズ鏡筒1が収納状態Sおよびワイド状態Wにあるときは、第1カム筒6に保持されている。そして、ズームレンズ鏡筒1がワイド状態Wからテレ状態Tに動作状態が変化するに従って、2群レンズ保持枠8は、図8(C)〜(F)に示すように、第2カム筒7の側に移動し、テレ状態Tにおいては図8(G)に示すように、第2カム筒7に保持される。
ズームレンズ鏡筒1が収納状態Sにあるときは、2群レンズ保持枠8のカムフォロワ38,39は、図9(A)に示すように、カム溝33,34の右端となる収納位置SDに配置されている。この状態から、駆動環である第1カム筒6が反時計方向(後方から見て)に回転すると、カム溝33,34に導かれて、2群レンズ保持枠8のカムフォロワ38,39は、図9(B)に示すワイド位置WDに移動する。そして、さらに第1カム筒6が回転すると、2群レンズ保持枠8のカムフォロワ38,39は、カム溝33,34に導かれ、次いで、カム溝28,29に導かれて、図9(C)から図10(D)(E)(F)に示すように、順にPos2D〜5Dに移動する。
ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、中間段階Pos3,4の状態にあるときは、図10(D)(E)に示すように、第2カム筒7は、第1カム筒6に対して、第2カム筒7のカム溝28と第1カム筒6のカム溝33とが連続する位置に配置される。そして、カム溝28とカム溝33とが連続している状態で、第1カム筒6および第2カム筒7が回転すると、2群レンズ保持枠8のカムフォロワ38は、カム溝33からカム溝28に乗り換えることができる。カムフォロワ38がカム溝33からカム溝28に乗り換えた後は、第2カム筒7の反時計方向への回転に従って、カムフォロワ38,39は、カム溝28,29に従って、図10(G)に示すテレ位置TDまで移動する。
つまり、第1カム筒6、第2カム筒7、第1筒3等は、ズームレンズ鏡筒1がワイド状態Wからテレ状態Tに変化する間に、第1カム筒6および第2カム筒7が所定の位置、たとえば、図10(D)(E)に示す中間段階Pos3,4の位置で、カム溝28の後端部とカム溝33の前端部とが連続し、カムフォロワ38が、カム溝33からカム溝28に移動することができるように、カム溝16の形状、凸面部32の形状、凹部37の形状等が設定される。なお、該所定の位置は、カム溝28、カム溝33、カム溝26等の形状や、第1カム筒6および第2カム筒7の前後方向の長さ等により設定される。
上述の図8、図9、図10等に示すように、ズームレンズ鏡筒1は、2群レンズ保持枠8の移動範囲の前後で、2群レンズ保持枠8の移動を行うカム筒を、第1カム筒6と第2カム筒7とに分け、第2カム筒7を第1カム筒6に対して前後方向に移動することができるように構成されている。そのため、第2カム筒7により移動される2群レンズ保持枠8の移動量は、第2カム筒7のカム溝28,29によって移動される移動量と、第2カム筒7が第1カム筒6に対して移動する移動量との合計となる。したがって、2群レンズ保持枠8を1つのカム筒により移動する場合に必要なカム筒の前後方向の長さに比べて、第1カム筒6の前後方向の長さと、第2カム筒7の前後方向の長さとの合計を、第2カム筒7が第1カム筒6に対して移動する移動量に応じて短くすることができる。
つまり、ズームレンズ鏡筒1の収納状態における前後方向の長さは、たとえば、ズームレンズ鏡筒1を、1つのカム筒で2群レンズ保持枠8を収納位置からテレ位置まで移動することができるように構成した場合に比べて、本実施の形態に示すズームレンズ鏡筒1のように、カム筒を第1カム筒6と第2カム筒7とに分け、収納状態において2つのカム筒を前後方向に隣接させた状態とする方が短くすることができる。
特に、本実施の形態におけるズームレンズ鏡筒1は、収納状態において、第2カム筒7のカム溝28,29が形成される凸面部32が、第1カム筒6の凹部37に嵌合する構成となっている。そのため、第1カム筒6と第2カム筒7とを前後方向に隣接させただけの構成に比べて、収納状態における第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離を短くすることができ、ズームレンズ鏡筒1の収納状態における前後方向の長さをより短くすることができる。
(本実施の形態の主な効果)
ズームレンズ鏡筒1は、2群レンズ10を保持するレンズ保持部材としての2群レンズ保持枠8と、2群レンズ保持枠8に備えられる第1カムフォロワとしてのカムフォロワ38をガイドする第1カム溝としてのカム溝33を有し、2群レンズ保持枠8を光軸Xの方向に沿って移動させることができる第1カム筒としての第1カム筒6と、第1カム筒6の光軸X方向に配置され、カムフォロワ38をガイドする第2カム溝としてのカム溝28を有し、2群レンズ保持枠8を光軸X方向に沿って移動させることができる第2カム筒としての第2カム筒7と、第2カム筒7を第1カム筒6に対して光軸X方向に移動することができるカムフォロワ25とカム溝16を有して構成されるカム筒移動手段とを有し、第1カム筒6、第2カム筒7、およびカムフォロワ25とカム溝16は、第1カム筒6および第2カム筒7が光軸X方向の所定位置に配置されたときに、カム溝28とカム溝33とが連続し、カムフォロワ38がカム溝28とカム溝33との間を移動することができるように構成されている。
このようにズームレンズ鏡筒1が構成されることで、第2カム筒7を第1カム筒6に対して相対的に前後方向に移動することができる。そのため、第2カム筒7により移動される2群レンズ保持枠8の移動量は、第2カム筒7によって移動される移動量と、第2カム筒7が第1カム筒6に対して移動する移動量との合計とすることができる。したがって、2群レンズ保持枠8を1つのカム筒により移動する場合に必要なカム筒の前後方向の長さに比べて、第1カム筒6前後方向の長さと第2カム筒7の前後方向の長さとの合計を、第2カム筒7が第1カム筒6に対して移動する移動量分だけ短くすることができる。そのため、たとえば、ズームレンズ鏡筒1の未使用時に第1カム筒6と第2カム筒7とを前後方向に隣接させる状態でズームレンズ鏡筒1の収納状態とする場合でも、1つのカム筒で2群レンズ保持枠8を移動する構成とする場合に比べて、ズームレンズ鏡筒1の未使用時における前後方向の長さを短くすることができる。
ズームレンズ鏡筒1においては、収納状態において、図9(A)に示すように、第2カム筒7のカム溝28,29が形成される凸面部32が、第1カム筒6の凹部37に嵌合する。そのため、収納状態における第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離を短くすることができ、ズームレンズ鏡筒1の収納状態における前後方向の長さを短くすることができる。
また、2群レンズ保持枠8が、第1カム筒6と第2カム筒7に係合する構成である。そのため、特許文献1のように、レンズ保持部材を第1カム筒に係合させる構成と、第2カム筒に係合させる構成とを別の部材とする場合に比べて、構造の簡略化を図ることができる。
ズームレンズ鏡筒1においては、第2カム筒7が第1カム筒6と共に円周方向に回転すると、カムフォロワ25とカム溝16の作用により、第2カム筒7は、カム溝16の形状に応じて第1カム筒6に対して前後方向に移動する構成となっている。
このようにズームレンズ鏡筒1が構成されることで、たとえば、第1カム筒6のみで、ズームレンズ鏡筒1がテレ状態となる位置まで2群レンズ10を移動する場合に比べて、テレ状態T側(本実施の形態では、Pos3,4よりもテレ状態T側)におけるカム溝28,29の傾斜を緩やかにすることができる。これにより、たとえば、第2カム筒7の回転駆動力を小さくすることができる。
図11の上段(A)は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が収納状態Sからテレ状態Tまで変化するときの2群レンズ保持枠8の移動を、仮に、第2カム筒7を用いることなく、第1カム筒6を前方に延長部6Aを設け延長した構成とし、この延長された第1カム筒6のみで2群レンズ保持枠8の移動を行うこととしたときのカムフォロワ38,39の移動軌跡R1,R2を示す図である。
これに対し、図11の下段(B)は、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が収納状態Sからテレ状態Tまで変化するときの2群レンズ保持枠8の移動を、仮に、第1カム筒6を用いることなく、第2カム筒7のみで行う構成としたときのカムフォロワ38,39の移動軌跡R3,R4を示す図である。図11(B)に示す第2カム筒7は、図9(A)から(G)に示すように光軸X方向について、第1カム筒6に対して移動可能であるものとする。
図11の上段(A)と下段(B)とを比較すると、カムフォロワ38,39の位置Kよりも収納位置SD側においては、カムフォロワ38,39の移動を第2カム筒7により行うよりも第1カム筒6により行う方が、2群レンズ保持枠8の移動軌跡を緩やかにすることができる。一方、カムフォロワ38,39の位置Kよりもテレ位置TD側においては、第2カム筒7を第1カム筒6に対して移動可能とすることで、カムフォロワ38,39の移動を第1カム筒6により行うよりも第2カム筒7により行う方が、2群レンズ保持枠8の移動軌跡を緩やかにすることができる。なお、位置Kは、カム溝33とカム溝28とが連続する所定位置に対応し、2群レンズ保持枠8の移動量や、第2カム筒7の移動量等により変わる。つまり、カムフォロワ38,39が第1カム筒6から第2カム筒7にあるいは第2カム筒7から第1カム筒6に移動する位置Kは、2群レンズ保持枠8の移動量や、第2カム筒7の移動量等により適宜に設定する。
カム溝28とカム溝33とは、拡幅部28Bと拡幅部33Bとにおいて互いに連続することができる。拡幅部28Bは、ガイド部28Aよりも溝幅が広く、また拡幅部33Bも、ガイド部33Aよりも溝幅が広い。そのため、カム溝28とカム溝33とが互いに連続した状態で、カムフォロワ38がカム溝28からカム溝33に、あるいはカム溝33からカム溝28に乗り換える際に、乗り換え先のカム溝にカムフォロワ38が確実に進入することができる。
つまり、カムフォロワ38の位置精度を高くするため、カム溝33との間で前後方向へのガタつきが少なくなるように、カム溝33のガイド部33Aの溝幅は、カムフォロワ38の直径にできるだけ近くなるように設定される。また、同様に、カム溝28のガイド部28Aの溝幅もカムフォロワ38の直径にできるだけ近くなるように設定される。そのため、カム溝28とカム溝33が連続する部分の開口部の溝幅が、ガイド部28Aおよびガイド部33Aの溝幅に対応した幅の場合には、カムフォロワ38が、開口部の縁に衝突し、乗り換え先のカム溝にカムフォロワ38が進入できない虞がある。しかしながら、拡幅部28Bと拡幅部33Bを設けることで、カムフォロワ38がカム溝28からカム溝33に、あるいはカム溝33からカム溝28に乗り換える際に、乗り換え先のカム溝にカムフォロワ38が確実に進入することができる。
2群レンズ保持枠8は、第1カムフォロワとしてのカムフォロワ38に対して光軸X方向にずれた位置に配置される第2カムフォロワとしてのカムフォロワ39を有し、第2カム筒7には、カムフォロワ38が第2カム筒7によるガイドを外れた後に、カムフォロワ39をガイドする第3カム部としてのカム溝29が設けられている。
ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、図8(E)〜図8(F)に示すように中間段階Pos4〜5の状態にあるとき、2群レンズ保持枠8は、図10(E)〜図10(F)に示すようにカムフォロワ38がカム溝28のガイドを受けて移動する。しかしながら、ズームレンズ鏡筒1の動作状態が、図8(F)に示す中間位置Pos5〜図8(G)のテレ状態Tにあるとき、2群レンズ保持枠8は、図10(G)に示すようにカムフォロワ39がカ
ム溝29のガイドを受けて移動する。つまり、カムフォロワ38がカム溝28のガイドを外れた後は、カムフォロワ39がカム溝29のガイドを受ける。仮に、カムフォロワ39とカム溝29を有しない構成で、2群レンズ保持枠8の移動量を本実施の形態における移動量と同量とするためには、カムフォロワ38の移動範囲までカム溝28を延長する必量があり、第2カム筒7の前後方向の長さが長くなる。
しかしながら、本実施の形態では、カムフォロワ38の後方にカムフォロワ39を設け、カムフォロワ38がカム溝28のガイドを外れた後、カムフォロワ39がカム溝29に係合する構成であるため、第2カム筒7の全長の長さを抑えながら、2群レンズ保持枠8の移動量を確保することができる。
なお、カム溝28によるカムフォロワ38のガイドと、カム溝29によるカムフォロワ39のガイドとが同時に行われる構成とすると、一方のガイドが他方のガイドに影響を与える虞があり好ましくない。そこで、カム溝28によるカムフォロワ38のガイドと、カム溝29によるカムフォロワ39のガイドとが同時に行われないように、カム溝28、カム溝29、カムフォロワ38、およびカムフォロワ39は配置されている。
なお、カム溝33のガイド部33Aの溝幅は、カムフォロワ38とカム溝33との間の前後方向へのガタつきが少なくなるように、カムフォロワ38の直径にできるだけ近くなるように設定される。これに対し、カム溝34の溝幅は、カム溝29の溝幅よりも広く設定されている。カム溝34をこのように構成することで、カム溝33によるカムフォロワ38のガイドに加えて、カム溝34によるカムフォロワ39のガイドが行われないようになっている。
ズームレンズ鏡筒において、第1カム筒6と第2カム筒7は、光軸X方向において互いに嵌合することができる凹凸形状として、凸面部32と凹部37とを有している。図8(A)および図9(A)に示すようにズームレンズ鏡筒1が収納状態にあるとき、凹部37に凸面部32を嵌合させた状態で、第1カム筒6と第2カム筒7が前後方向に隣接させた状態となる。
そのため、ズームレンズ鏡筒1を収納状態としたとき、たとえば、第1カム筒6と第2カム筒7とを互いに嵌合させることなく、前後方向に隣接するだけの構成とする場合に比べて、収納状態における第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離を短くすることができる。これにより、ズームレンズ鏡筒1の収納状態における前後方向の長さをより短くすることが可能となる。
第2カム筒7において、円周方向に配置される凸面部32は、凹面部31により連結されている。凹面部31は、凸面部32を第1カム筒6の凹部37に嵌合させたときに、第1カム筒6の外周側に配置されるように形成されている。これにより、収納状態における第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離が長くなることを抑えながら、凸面部32と凹部37の光軸X方向における嵌合量(長)を長く確保することができる。
たとえば、凸面部32を連結する部分を第1カム筒6の外周の直径よりも小さく構成した場合には、凸面部32を凹部37に嵌合させるときに、該連結部が第1カム筒6と干渉してしまう。そのため、凸面部32と凹部37の光軸X方向における嵌合量(長)は、該連結部により制限されてしまう。これに対し、凸面部32を第1カム筒6の凹部37に嵌合させたときに、凹面部31が第1カム筒6の外周側に配置されるように形成することで、収納状態における第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離が長くならないようにしつつ、凸面部32と凹部37の光軸X方向における嵌合量(長)を長く確保することができる。
つまり、ズームレンズ鏡筒1の収納状態において、第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離を短くすることができる。特に、本実施の形態のズームレンズ鏡筒1においては、ズームレンズ鏡筒1の収納状態において、凹面部31の全体が第1カム筒6の外周側に配置されるように形成されている。これにより、第2カム筒7の前端が第1カム筒6の前端から突出しないようにすることができ、ズームレンズ鏡筒1の収納状態において、第1カム筒6の後端と第2カム筒7の前端との距離をより短くすることができる。
上述の実施の形態では、2群レンズを2つのカム筒(第1カム筒6、第2カム筒7)との間で受け渡す構成としているが、1群レンズを2つのカム筒により受け渡す構成とすることも可能である。また、レンズ構成が3群以外のズームレンズ鏡筒においても、2群レンズに限らず他の群レンズについて、2つのカム筒により受け渡す構成とすることができる。
X … 光軸
1 … ズームレンズ鏡筒
6 … 第1カム筒
7 … 第2カム筒
8 … 2群レンズ保持枠(レンズ保持部材)
10 … 2群レンズ
16 … カム溝(カム筒移動手段の一部)
25 … カムフォロワ(カム筒移動手段の一部)
28 … カム溝(第2カム溝)
32 … 凸面部(凹凸形状の一部)
33 … カム溝(第1カム溝)
37 … 凹部(凹凸形状の一部)
38 … カムフォロワ(第1カムフォロワ)
39 … 第2カムフォロワ

Claims (4)

  1. ズームレンズ鏡筒において、
    レンズを保持するレンズ保持部材と、
    前記レンズ保持部材に備えられる第1カムフォロワをガイドする第1カム溝を有し、前記レンズ保持部材を光軸方向に沿って移動させることができる第1カム筒と、
    前記第1カム筒の光軸方向に配置され、前記第1カムフォロワをガイドする第2カム溝を有し、前記レンズ保持部材を光軸方向に沿って移動させることができる第2カム筒と、
    前記第2カム筒を前記第1カム筒に対して光軸方向に相対的に移動することができるカム筒移動手段と、
    を有し、
    前記第1カム筒、前記第2カム筒および前記カム筒移動手段は、前記第1カム筒および前記第2カム筒が光軸方向の所定位置に配置されたときに、前記第1カム溝と前記第2カム溝とが連続し、前記第1カムフォロワが前記第1カム溝と前記第2カム溝との間を移動することができるように構成され、
    前記第2カム筒の内周面には、凹面部と前記第2カム溝が形成される凸面部とが形成され、
    前記第1カム筒には、前記凸面部と光軸方向において互いに嵌合することができる凹部が形成され、
    前記第1カム筒と前記第2カム筒とは、前記第2カム筒の前記凹面部の内側に前記第1カム筒の外周面が配置されるように、前記第1カム筒を前記第2カム筒内に収容可能である
    ことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  2. 請求項1に記載のズームレンズ鏡筒において、
    前記第1カム溝および前記第2カム溝は、互いが連続する端部において、前記第1カムフォロワをガイドする部分の溝幅よりも拡幅されている、
    ことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  3. 請求項1または2に記載のズームレンズ鏡筒において、
    前記レンズ保持部材は、前記第1カムフォロワに対して光軸方向にずれた位置に配置される第2カムフォロワを有し、
    前記第1カム筒または前記第2カム筒には、前記第1カムフォロワが前記第1カム溝によるガイドを外れた後に、前記第2カムフォロワをガイドする第3カム部が設けられている、
    ことを特徴とするズームレンズ鏡筒。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のズームレンズ鏡筒を備えることを特徴とするデジタルカメラ。
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