JP5724355B2 - インクジェット記録装置及び駆動波形信号生成方法 - Google Patents

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本発明は、インクジェット記録装置及び駆動波形信号生成方法に関する。
昨今、インク滴を吐出する記録ヘッドを備えたインクジェット記録装置では、印刷速度が1m/s且つ印字解像度が1200dpiを実現するために、駆動周波数が100kHz(画素周期が10us)で且つ1画素周期内にインク滴を0又は1滴吐出する100kHzバイナリ駆動方式で記録ヘッドを駆動する。
当該100kHzバイナリ駆動方式では、インク滴を1滴吐出するための吐出パルスと、当該吐出パルスにより圧力室内に生ずる圧力波への残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を1画素周期内に含んだ駆動波形信号に応じて記録ヘッドが駆動させる。
ここで、引き打ち方式でインク滴を吐出させる場合の、100kHzバイナリ駆動方式に係る駆動波形信号を図15(i)に、駆動波形信号に応じてインクを加圧する圧電素子に連接された圧力室内の圧力波形を図15(ii)に示す。なお、電圧V0は引き打ち方式に係る待機電圧を示す。また、図15(ii)において、インク滴を吐出させるための吐出パルスP1及びP2印加後の時刻T1及びT2はインク滴が吐出される時刻(正圧が最大となる時刻)を表し、実線はキャンセルパルスC1を印加した場合、破線はキャンセルパルスC1を印加しなかった場合の圧力波形をそれぞれ表す。つまり、図15(ii)に示すように、キャンセルパルスC1が印加されることで、吐出パルスP1による残響振動の影響が緩和されて、時刻T2における正圧が時刻T1と同程度にまで抑えられるため、吐出パルスP2に基づくインク滴の吐出速度を、吐出パルスP1に基づくインク滴の吐出速度と同じにすることができる。
ところで、この場合の画素周期は、図15(i)に示すように、吐出パルスP1及びキャンセルパルスC1のパルス幅をAL(AL:Acoustic Length,圧力室の固有振動周期の半周期)、吐出パルスP1の終了時点よりAL後にキャンセルパルスC1を印加、キャンセルパルスC1を印加した後に次の画素周期の吐出パルスP2を印加するまでの間隔をAL、とすると最短でも4AL必要となる。そのため、100kHzバイナリ駆動方式(駆動周波数が100kHz)を実現するためには、圧力室の固有振動周期が5us以下(固有振動周波数が200kHz以上)でなくてはならない。
そこで、駆動周波数が50kHz(画素周期が20us)で且つ1画素周期内にインク滴を0〜2滴吐出する50kHz2dpd駆動方式で記録ヘッドを駆動させる手法がある。
例えば、2dpd駆動方式を用いたインクジェット記録装置としては、各吐出パルスのパルス幅を圧力室の固有振動周期に同期させることで、効率よく且つ安定的で高速にインクを吐出可能にしたものが知られている(特許文献1参照)。
特開昭61−22959号公報
しかしながら、特許文献1記載のインクジェット記録装置によると、吐出パルスを圧力室の固有振動周期に同期させているため、吐出パルスが単純に繰り返し印加されていくと、1画素周期内にインク滴を2滴吐出する際、同一画素周期内の後の吐出パルスに基づくインク滴は、先の吐出パルスの影響によって吐出速度が増大するという問題がある。
さらに、特許文献1記載のインクジェット記録装置によると、図15(ii)の破線に示したとおり、ある画素周期内の吐出パルスに基づく残響振動が次の画素周期におけるインク滴の吐出速度に影響をもたらす。そして、当該残響振動の影響は、上記キャンセルパルスの印加により抑制することは可能であるが、図15(i)に示す通り、従来のキャンセルパルスは、待機電圧V0に対して電圧が吐出パルスと逆極性であるように印加されるため、駆動波形信号全体で使用される電圧幅が広くなるという問題がある。
そこで、本発明の課題は、1画素周期内にインク滴を0〜2滴吐出する際、1画素周期内の各インク滴及び各画素周期間のインク滴を同じ吐出速度で吐出可能で、且つ使用する電圧幅を極力広げないインクジェット記録装置及び駆動波形信号生成方法を提供することである。
以上の課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備え、前記駆動波形信号生成手段は、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALよりもtだけ短い吐出パルスと、前記吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記吐出パルスと同極性であるキャンセルパルスと、を含む駆動波形信号を生成することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合に、前記駆動波形信号を生成することを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備え、前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成することを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備え、前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと一致せず電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成することを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、インクジェット記録装置であって、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備え、前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しい第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しい第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しい第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短い第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性である第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成し、各吐出パルスの電圧V1と前記第2のキャンセルパルスの電圧V2と前記第1のキャンセルパルスの電圧V3とが、V1>V2>V3の関係を満たすことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項3〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、複数の圧電素子ごとに設けられる個別電極と、前記複数の圧電素子に共通して使用されるコモン電極と、を備え、それぞれの圧電素子は、前記個別電極と前記コモン電極の間に配置され、各吐出パルスの電圧V1が当該個別電極とコモン電極の間に印加されることで前記ノズルよりインク滴を吐出するための圧力を前記インクに加え、前記コモン電極の電圧VCOMは、VCOM≧V1の関係を満たすことを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALよりもtだけ短い吐出パルスと、前記吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記吐出パルスと同極性であるキャンセルパルスと、を含む駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、請求項に記載の駆動波形信号生成方法において、
前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合に、前記駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする。
また、請求項に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする。
また、請求項10に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと一致せず電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする。
また、請求項11に記載の発明は、ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV3からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV3より大きくV1より小さいV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする。
したがって、本発明は、1画素周期内にインク滴を0〜2滴吐出する際、1画素周期内の各インク滴及び各画素周期間のインク滴を同じ吐出速度で吐出可能で、且つ使用する電圧幅を極力広げないインクジェット記録装置及び駆動波形信号生成方法を提供できる。
本実施形態に係るインクジェット記録装置の構成を示す概略図である。 図1のインクジェット記録装置に備わるヘッドの断面図である。 図1のインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 図3の駆動回路部の構成を模式的に示す図である。 図4に示す2つの選択信号のレベルと個別電極に加わる電圧との対応関係を示す図である。 本実施形態に係る駆動波形信号を例示する図であり、(i)が第1の駆動波形信号、(ii)が第2の駆動波形信号をそれぞれ表す。 本実施形態に係る第1の駆動波形信号に基づいてヘッドが駆動した場合の圧力室の圧力波の波形を例示する図である。 本実施形態に係る第2の駆動波形信号に基づいてヘッドが駆動した場合の圧力室の圧力波の波形を例示する図である。 3つの異なる電圧を個別電極に加えるための駆動回路の従来構成と、当該駆動回路における選択信号のレベルと個別電極に加わる電圧との対応関係と、を示す図である。 図6に示す駆動波形信号の変形例1を例示する図であり、(i)が第1の駆動波形信号、(ii)が第2の駆動波形信号をそれぞれ表す。 図6に示す駆動波形信号の変形例2を例示する図であり、(i)が第1の駆動波形信号、(ii)が第2の駆動波形信号をそれぞれ表す。 図11に示す駆動波形信号を実現する駆動回路部の構成を模式的に示す図である。 図12に示す3つの選択信号のレベルと個別電極に加わる電圧との対応関係を示す図である。 4つの異なる電圧を個別電極に加えるための駆動回路の従来構成と、当該駆動回路における選択信号のレベルと個別電極に加わる電圧との対応関係と、を示す図である。 従来の駆動波形信号と、当該駆動波形信号に基づいてヘッドが駆動した場合の圧力室の圧力波を例示する図であり、(i)が駆動波形信号を、(ii)が圧力波の波形をそれぞれ表す。
以下、本発明に係るインクジェット記録装置の実施形態1について、図1〜図8を参照して説明する。
インクジェット記録装置1は、いわゆるラインヘッド方式のインクジェット記録装置である。当該インクジェット記録装置1は、図1に示すように、周面に巻回された長尺状の記録媒体10を巻き出す巻き出しロール10Aと、巻き出しロール10Aより巻き出される記録媒体10を巻き取る巻き取りロール10Bと、巻き出しロール10Aと巻き取りロール10Bとの間に配設されたバックロール20と、インクを記録媒体10に向けて吐出するためのインクジェットヘッド部30と、インクジェットヘッド部30にインクを供給する中間タンク40と、送液ポンプ60で中間タンク40へと供給されるインクを貯留する貯留タンク50と、記録媒体10に吐出されたインクを当該記録媒体10に定着させる定着機構70と、を含んで構成される。
巻き出しロール10A,巻き取りロール10B,バックロール20は、軸回りに回転可能な円柱形状からなる部材である。
巻き出しロール10Aは、周面に記録媒体10を幾重にも亘って巻回する。当該巻き出しロール10Aは、モータ等の図示しない駆動手段によって回転することで、記録媒体10を図1に示すXの方向へ繰り出して搬送する。巻き取りロール10Bは、巻き出しロール10Aより巻き出される記録媒体10を周面に巻き取る。
バックロール20は、巻き出しロール10Aにより搬送される記録媒体10を周面の一部に巻き付けて支持するとともに、当該記録媒体10を巻き取りロール10Bへ向けて搬送する。
インクジェットヘッド部30は、バックロール20近傍に配設され、記録媒体10に向けてインクを吐出して画像データに基づく画像形成を行う。当該インクジェットヘッド部30は、インク滴を吐出する記録ヘッド31を有する。ここで、インクジェットヘッド部30は、一の記録ヘッド31で吐出できる吐出幅が記録ヘッド31の外形寸法よりも狭いので、隙間なく吐出するために複数の記録ヘッド31を記録媒体10の上面に対して千鳥配置している。
各記録ヘッド31は、図2に示すように、中間タンク40より供給されるインクを内部に貯留するインク室32と、インク室32内のインクを下方へ搬送する孔部33と、孔部33と連通され当該孔部33を介してインクが供給される圧力室34と、圧力室34の上面を覆う振動板35と、振動板35の上部に配設された圧電素子36と、圧電素子36の上面及び下面に位置する2つの電極37,38と、圧力室34の下面と連通され当該圧力室34内のインクをインク滴として吐出するノズル39と、を含んで構成される。ここで、孔部33〜電極38は、複数のノズル39に応じて各々設けられる。
インク室32は、後述するインクチューブ43を介して中間タンク40より供給されるインクを貯留する。孔部33は、インク室32の下面と圧力室34の側面とを連接する孔であり、インク室32内のインクを圧力室34へと搬送する。
圧力室34は、孔部33を介して供給されるインクを内部に貯留する。当該圧力室34は、上面が振動板35に覆われ且つ下面がノズル39と連接される。そして、圧力室34は、振動板35の振動に応じて内部に貯留するインクに圧力を付与して、当該インクをノズル39へと押し出す。振動板35は、圧電素子36(電極38)と圧力室34との間に配設され、圧力室34の上面に接合されている。当該振動板35は、圧電素子36の変形に応じて振動し、圧力室34内に圧力波を伝播させる。
圧電素子36は、PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる。当該圧電素子36は、上下を電極37,38に挟まれた位置に配設され、電極37,38間の電位差に応じて変形し、振動板32を振動させる(圧力室34に圧力を加える)ためのアクチュエータである。ここで、電極37,38のうち、電極37は、後述する記録ヘッド31ごとに(各記録ヘッド31に備わる圧電素子36ごとに)設けられた駆動回路部200に備わる個別電極であり、電極38は、各記録ヘッド31について共通して使用されるコモン電極である。
ノズル39は、圧力室34により押し出されたインクをインク滴として吐出させる。
中間タンク40は、貯留タンク50より供給されるインクを一時的に貯留する。当該中間タンク40は、複数のインクチューブ43と接続され、記録ヘッド31におけるインクの背圧を調整して、各記録ヘッド31へとインクを供給する。
貯留タンク50は、供給管51を介して中間タンク40へ供給するインクを貯留する。そして、当該インクは、供給管51の途中に配設された送液ポンプ60によって汲み上げられる。
定着機構70は、インクジェットヘッド部30により吐出されたインクを記録媒体10に定着させる。当該定着機構70は、吐出されたインクを記録媒体10に加熱定着するためのヒータや、吐出されたインクにUV(紫外線)を照射することによりインクを硬化させるためのUVランプ等で構成される。
次いで、インクジェット記録装置1の制御構成を、図3に示すブロック図を用いて説明する。
インクジェット記録装置1は、図3に示すように、制御部100と、当該制御部100に接続された、定着機構70と、通信インターフェース部80と、モータドライバ90と、モータMと、駆動回路部200と、駆動回路部200に接続された記録ヘッド31と、を含んで構成される。ここで、定着機構70と記録ヘッド31については、先に述べた通りであるので、説明を省略する。
通信インターフェース部80は、LAN(Local Area Network)等を介して制御部100がホストコンピュータと通信を行うためのインターフェースである。
通信インターフェース部80は、例えば、ホストコンピュータから送信される画像データを受信して、制御部100へと当該画像データを送信する。
モータドライバ90は、モータMを駆動制御するためのドライバである。ここで、モータMは、例えば、記録ヘッド31を主走査方向に沿って移動させるためのモータである。
制御部100は、システムコントローラ110と、ヘッド制御基板120(駆動波形信号生成手段)と、エンコーダ130と、を含んで構成される。
システムコントローラ110は、CPU、RAM、ROM、画像メモリ、等から構成され、ROM中のプログラムを実行することでインクジェット記録装置1の動作全般を統括制御する。具体的には、システムコントローラ110は、ホストコンピュータとの間の通信制御、画像メモリの読み書き制御、モータドライバ90を介したモータMの駆動制御、定着機構70に対する定着動作の動作制御等を行う。
ヘッド制御基板120は、ホストコンピュータから受信した画像データを記憶するためのページメモリ、記録媒体10に記録する際に副走査方向に一列に並べて記録される各画素の画像データを記憶するラインメモリ、記録ヘッド31を駆動させるための駆動波形信号を生成するための駆動波形信号生成回路等を含んで構成される。当該ヘッド制御基板120は、システムコントローラ110から出力される指示信号の下、駆動波形信号生成回路を用いて記録ヘッド31の駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段として機能する。ここで、ヘッド制御基板120が生成する駆動波形信号は、後述する記録ヘッド31を2dpd(drop per dot)駆動方式で駆動させるための信号であり、図6(i)に示す1画素周期内に1滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させるための第1の駆動波形信号と、図6(ii)に示す1画素周期内に2滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させるための第2の駆動波形信号と、がある。そして、ヘッド制御基板120は、第1の駆動波形信号と第2の駆動波形信号のうち、何れかの駆動波形信号を駆動回路部200へ選択的に出力する。なお、第1の駆動波形信号と第2の駆動波形信号の詳細な説明は後述する。
エンコーダ130は、モータMの駆動制御用のロータリエンコーダ等であり、カウントしたパルス数をヘッド制御基板120に出力する。
駆動回路部200は、ヘッド制御基板120により生成される駆動波形信号に基づいて各記録ヘッド31を駆動させるための回路である。具体的には、駆動回路部200は、図4に示すように、シフトレジスタ210と、ラッチ回路220と、セレクタ230と、レベルシフタ240(入力部)と、駆動回路250と、を含んで構成される。
シフトレジスタ210は、ヘッド制御基板120より入力されるビットシリアルデータをパラレルデータに変換してラッチ回路220に出力する。ラッチ回路220は、シフトレジスタ210から出力されたパラレルデータをラッチ信号の入力に応じてラッチする。セレクタ230には、ヘッド制御基板120より、第1の駆動波形信号と第2の駆動波形信号との何れかが選択対象としての駆動波形信号として入力される。また、セレクタ230は、ラッチ回路220によってラッチされたパラレルデータがセレクト端子に入力される。そのため、セレクタ230は、第1の駆動波形信号と第2の駆動波形信号のうち、ヘッド制御基板120が指示した駆動波形信号をレベル変換して出力する。レベルシフタ240は、セレクタ230から出力された駆動波形信号の信号レベル(電圧のレベル)に応じて、2つの選択信号D1,D2(一組の第1選択信号と第2選択信号)を駆動回路250に入力する。当該2つの選択信号D1,D2は、ローレベル又はハイレベルの何れかの信号レベルからなり、後述する駆動回路250の第1のP型FET261,第2のP型FET262のゲートへ入力されるとともに、論理積回路271の入力側へと入力される。
駆動回路250は、第1の電源251と、第2の電源252と、共通電源255と、第1のP型FET261と、第2のP型FET262と、第1のN型FET263と、論理積回路271と、電極37,38と、を含んで構成される。そして、駆動回路250は、レベルシフタ240より出力される選択信号D1,D2に基づいて、電極37,38間に発生させる電位差によって圧電素子36を変形させることで、記録ヘッド31を駆動する(圧力室34に圧力を加える)。
第1の電源251,第2の電源252,共通電源255は、それぞれ、V1,V2,V0の電圧を発生させるための電源である。ここで、共通電源255は、各駆動回路部200で共有される電極38(コモン電極)に接続された電源であり、それぞれの電極38に電圧V0を発生させる。
第1のP型FET261,第2のP型FET262は、各々第1の電源251,第2の電源252と接続されたP型の電界効果トランジスタである。そして、第1のP型FET261,第2のP型FET262は、それぞれ、ゲートに対してレベルシフタ240よりローレベル(選択レベル)の選択信号D1,D2が入力されるとドレイン−ソース間に電流を流し、ゲートに対してハイレベル(非選択レベル)の選択信号D1,D2が入力されるとドレイン−ソース間に電流が流れないように制御する。
論理積回路271は、レベルシフタ240より出力される選択信号D1,D2の2つの入力値に対して、論理積(AND)の出力値を出力する論理回路である。第1のN型FET263は、一端がグラウンドに接地(電圧:GND)されたN型の電界効果トランジスタである。当該第1のN型FET263は、ゲートが論理積回路271の出力側に接続されており、論理積回路271よりハイレベル(選択レベル)の信号が入力されるとドレイン−ソース間に電流を流し、ローレベル(非選択レベル)の選択信号D1,D2が入力されるとドレイン−ソース間に電流が流れないように制御する。
そのため、例えば、レベルシフタ240より出力される選択信号D1がローレベル,D2がハイレベルとした場合、第1のP型FET261には電流が流れる一方、第2のP型FET262には電流が流れない。そして、第1のN型FET263のゲートには、論理積回路271へ入力される2つの選択信号(ローレベルとハイレベル)の論理積により、ローレベルの信号が入力されるため、第1のN型FET263には電流が流れない。すると、電極37には第1の電源251の電圧V1が加わる。
同様にして、選択信号D1がハイレベル,D2がローレベルとした場合、第1のP型FET261には電流が流れず、第2のP型FET262には電流が流れ、第1のN型FET263には電流が流れない。その結果、電極37には第2の電源252の電圧V2が加わる。
また、選択信号D1がハイレベル,D2がハイレベルとした場合、第1のP型FET261及び第2のP型FET262には電流が流れず、第1のN型FET263には電流が流れるため、電極37には電圧GNDが加わる。
その結果、選択信号D1,D2の信号レベルと、出力(電極37に加わる電圧)と、は図5に示すように対応付けられる。なお、圧電素子36や駆動回路250に備わる各回路素子への負荷を考慮して、選択信号D1をローレベル,D2をローレベルとする制御は実行されない。
したがって、駆動回路250は、圧電素子36に対して、V0―V1,V0−V2,V0−GND、からなる3つの異なる電位差を与えることが出来る。ここで、当該3つの異なる電位差は、電極37を基準電位と定めた場合の電極38の電位を表す。また、電圧V0と電圧V1と電圧V2とは、V0≧V1>V2の関係を満たす。
(駆動波形信号について)
次いで、ヘッド制御基板120が記録ヘッド31を駆動させるために生成する駆動波形信号について説明する。ここで、ヘッド制御基板120は、1画素周期内に0〜2滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させる2dpd(drop per dot)駆動方式で記録ヘッド31を駆動させるための駆動波形信号(第1の駆動波形信号、第2の駆動波形信号)を生成する。そして、第1の駆動波形信号は、1画素周期内に1滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させる場合に生成される駆動波形信号であり、第2の駆動波形信号は、1画素周期内に2滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させる場合に生成される駆動波形信号である。なお、図6は、ヘッド制御基板120の生成する駆動波形信号を説明するための図であり、図6(i)は第1の駆動波形信号を、図6(ii)は第2の駆動波形信号を、それぞれ表す。また、図6(i)(ii)に示す第1の駆動波形信号及び第2の駆動波形信号は、圧電素子36の待機状態を形成するための電圧を表す待機電圧V0を基準として、引き打ち方式にてインク滴を吐出させるための駆動波形信号である。
第1の駆動波形信号は、図6(i)に示すように、1画素周期内に、電圧V1(電位V0―V1)からなる吐出パルスP1(第1の吐出パルス)と、電圧V1よりも小さい電圧V2(電位V0―V2)からなるキャンセルパルスC1(第1のキャンセルパルス)と、を含む。ここで、1画素周期は、吐出パルスP1の開始時点から吐出パルスP2の開始時点までの区間を指し、4AL+S1(AL:圧力室34の固有振動周期の半周期)の時間長からなる。
吐出パルスP1は、記録ヘッド31に安定した吐出特性でインク滴を吐出させるため、パルス幅が圧力室34の固有振動周期に基づいてALと等しくなるように設定された記録ヘッド31の駆動パルスである。そして、図6(i)及び図7に示すように、吐出パルスP1が記録ヘッド31(圧電素子36)に印加された場合、電位がV0よりV0−V1へと低下する過程で、圧電素子36によって圧力室34には負圧の圧力波が作用してインクが圧力室34内に引き込まれる。その後、電位がV0−V1からV0へと上昇すると、圧力室34には正圧の圧力波が作用してインクが圧力室34より押し出される。その結果、圧力室34内のインクは、図7に示す時刻T1の時点で、1滴のインク滴として圧力室34の下面に連通されたノズル39より吐出される。
キャンセルパルスC1は、吐出パルスP1によって圧力室34内に発生する圧力波の残響振動の影響を抑制するために記録ヘッド31に印加されるパルスであり、パルス幅はALに設定される。当該キャンセルパルスC1は、図6(i)に示すように、吐出パルスP1の終了時点より2AL後に印加される。
ここで、第1の駆動波形信号に基づいて記録ヘッド31が駆動する際、吐出パルスP1が記録ヘッド31に印加された場合、上述の通り、圧力室34には負圧の圧力波が作用した後正圧の圧力波が作用し、時刻T1でインク滴が吐出される。そして、仮にキャンセルパルスC1が印加されない場合、図7の破線で示すように、吐出パルスP1の印加に基づく残響振動の影響により、次の画素周期の時刻T2で吐出パルスP2によって吐出されるインク滴の吐出速度は、時刻T1で吐出されるインク滴の吐出速度よりも小さくなる。
そこで、例えば、図15で示したように、吐出パルスP1の終了時点よりAL後にキャンセルパルスC1を印加する場合、圧力室34内には負圧の圧力波が作用するので、残響振動の影響を抑制するためには、キャンセルパルスC1の電圧V2を、吐出パルスP1の電圧V1と逆極性にする必要がある。このような場合、第1の駆動波形信号全体における電圧幅が広くなってしまう。
そのため、上述の通り、キャンセルパルスC1を吐出パルスP1の終了時点より2AL後に印加することで、圧力室34内に正圧の圧力波が作用する時間にキャンセルパルスC1を印加することになり、電圧V2を吐出パルスP1の電圧V1と同極性にできるので、第1の駆動波形信号全体における電圧幅を狭くできる。
そして、図7の実線に示すように、当該キャンセルパルスC1が記録ヘッド31に印加されると、時刻T1及びT2における、各画素周期でのインク滴の吐出速度(圧力)は、残響振動の影響が抑制されて概ね等しいものとなる。
第2の駆動波形信号は、図6(ii)に示すように、1画素周期内に、電圧V1からなる吐出パルスP11,P12(第2の吐出パルス,第3の吐出パルス)と、電圧V2からなるキャンセルパルスC11(第2のキャンセルパルス)と、を含む。ここで、1画素周期は、吐出パルスP11の開始時点から吐出パルスP21(第2の吐出パルス)の開始時点までの区間を指し、第1の駆動波形信号と同じく4AL+S2(=S1)の時間長からなる。
吐出パルスP11,P12は、それぞれ、1滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させるための駆動パルスであり、吐出パルスP11のパルス幅がAL、吐出パルスP12のパルス幅がAL−tに設定される。ここで、tは、圧電素子36の共振周波数をf(1M〜2MHz程度)とした場合に、1/f(圧電素子36の共振周期,500ns〜1000ns程度)以下の時間である。そして、第2の駆動波形信号では、1画素周期内において、吐出パルスP11の終了時点よりAL後に吐出パルスP12が印加される。なお、当該吐出パルスP11により吐出されるインク滴と吐出パルスP12により吐出されるインク滴とは、各々が記録ヘッド31より吐出された後に一体となり、同じ画素に対する1つのインク滴として記録媒体10上に着弾する。
キャンセルパルスC11は、圧力室34内に発生する圧力波の残響振動の影響を抑制するために記録ヘッド31に印加されるパルスであり、パルス幅はALに設定される。また、キャンセルパルスC11の電圧V2は、電圧V1と同極性である。当該キャンセルパルスC11は、図6(ii)に示すように、吐出パルスP12の終了時点よりtが経過した後に印加される。したがって、キャンセルパルスC11が印加されるタイミングは、キャンセルパルスC1が印加されるタイミングと等しくなる。
ここで、仮に時刻T12にて吐出パルスP12が記録ヘッド31に印加された後キャンセルパルスC11が印加されないとした場合、図8の破線に示すように、吐出パルスP12の印加に基づく残響振動の影響により、次の画素周期の時刻T21で吐出パルスP21によって吐出されるインク滴の吐出速度は、時刻T12で吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度よりも小さくなる。しかし、上述の通り、第2の駆動波形信号では、吐出パルスP12の終了後にキャンセルパルスC11が印加されるため、上記残響振動の影響が抑制される。そのため、図8の実線に示すように、吐出パルスP21によって吐出されるインク滴の吐出速度は、時刻T12で吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度と等しく保たれる。さらに、当該キャンセルパルスC11の電圧V2は、吐出パルスP12の電圧V1と同極性であるため、第2の駆動波形信号において使用される電圧の幅が狭くなる。
また、キャンセルパルスC11が印加されなかった場合、吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度は、図8の破線で示すように、吐出パルスP11の印加に基づく残響振動の影響により、吐出パルスP11によって吐出されるインク滴の吐出速度よりも大きくなる。
そこで、仮にキャンセルパルスC11が吐出パルスP12の終了直後より間断無く印加されるとした場合(つまり、図6(ii)において、時間tの間隔を置かずにキャンセルパルスC11を印加した場合)、圧電素子36に印加される電圧は、V1からV2へと変化する。図8から把握されるとおり、この場合の電位変化量(V1−V2)は、吐出パルスP11が印加された時点の電位V0−V1から、吐出パルスP11によるインク滴が吐出される時点の電位V0までの電位変化量(V1)よりも小さくなる。これによって、図8の実線で示すように、吐出パルスP12が印加された後に作用する正圧の圧力波を破線よりも小さくできるので、インクが圧力室34より押し出される際の圧力は弱まる。その結果、吐出パルスP12によるインク滴が吐出される時点での吐出パルスP11の印加に基づく残響振動の影響が抑えられ、吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度は、吐出パルスP11によって吐出されるインク滴の吐出速度と略等しくなる。
ただし、この場合、上述の駆動回路250において、電極37に加える電圧をV1から直接V2へと切換える(つまり、V1−V2の電位差を生じさせる)ための回路構成が必要となる。具体的には、図9に示すように、各々のゲートに同じ選択信号(の同じ信号レベル)が入力されるP型のFETとN型のFETを組として、当該組を2つ連接した計4つのFETを用いる駆動回路250が必要となる。
一方、上述の通り、キャンセルパルスC11が吐出パルスP12の終了後時間tを隔てて印加される場合、図4で示したように計3つのFETからなる駆動回路250によって、吐出パルスP11の印加に基づく吐出パルスP12への残響振動の影響を抑えられる。
つまり、吐出パルスP12の終了より間隔をおいて(待機電圧V0に戻して)キャンセルパルスC11を印加する場合、駆動回路部200では、電極37に加える電圧を、吐出パルスP12の電圧V1から待機電圧V0、待機電圧V0からキャンセルパルスC11の電圧V2へと切換える動作が行われる。そのため、各FETでは、電極37の電圧をV1、V0、V2へと順次切換えるための、選択信号の信号レベルの変化に対する応答動作が生じる。
ここで、一般に各FETの応答動作に対する応答時間は、使用する電圧が高くなるほど短くなる。そのため、例えば、当該応答時間が2000ns〜100ns程度で動作可能な各FETと、fが1MHz(1/fが1000ns)の圧電素子36と、を用いる場合、使用する電圧を適宜調整することで、各FETの応答動作に対する応答時間を1/f以下とすることができる。
そこで、上述の通り、吐出パルスP12とキャンセルパルスC11間の時間間隔を、1/f以下の(圧電素子36の応答時間よりも短い)時間tとすることで、吐出パルスP12の終了時点より各FETが短絡しない時間内にキャンセルパルスC11が印加されることとなる。そのため、圧電素子36は、実際に印加される電圧がV1、V0、V2へと変化しているにも関わらず、待機電圧V0への変化に対する応答が完了する前にV2へと切換えられるため、印加される電圧があたかもV1から直接V2へと変化したようになる。
その結果、図6(ii)及び図8に示すように、キャンセルパルスC11を印加した場合の、吐出パルスP12が印加された時点から時刻T12までの(見かけ上の)電位の変化量(V1−V2)は、吐出パルスP11が印加された時点から時刻T11までの電位の変化量(V0−V1)よりも小さくなる。これによって、図8の実線に示すように、時刻T12にて作用する正圧の圧力波は破線より小さくなるので、インクが圧力室34より押し出される際の圧力は弱まる。そのため、図9に示した様な、圧電素子36に印加する電圧をV1から直接V2へと切換えるためのFETを駆動回路250に設けなくとも、時刻T12における吐出パルスP11の印加に基づく残響振動の影響が抑えられ、吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度は、吐出パルスP11によって吐出されるインク滴の吐出速度と略等しくなる。また、この際、駆動回路250において、図5で示した通り、選択信号D1,D2をローレベルとする制御は実行されないため、第1のP型FET261及び第2のP型FET262が同時に電流の流れる状態になることは無いので、瞬間電流や貫通電流の抑制に繋がる。
さらに、この場合の吐出パルスP12のパルス幅は、吐出パルスP11のパルス幅ALよりも時間tの分短くなっているため、吐出パルスP12により吐出されるインク滴の、吐出パルスP11の印加に基づく運動エネルギーの増大を好適に抑えることが可能となる。
(記録ヘッドの2dpd駆動時の動作について)
次いで、ヘッド制御基板120が記録ヘッド31を2dpd駆動方式にて駆動させる動作について述べる。
まず、ヘッド制御基板120は、各画素周期内に1滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させる場合、図6(i)に示す第1の駆動波形信号を生成して駆動回路部200へと入力する。
すると、駆動回路部200の駆動回路250は、レベルシフタ240より出力されるローレベルの選択信号D1及びハイレベルの選択信号D2に基づいて各FETを切換え、吐出パルスP1の電圧V1を電極37(圧電素子36)に印加する。
次いで、当該印加時点よりALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、ハイレベルの選択信号D1及びD2に基づいて各FETを切換え、待機電圧V0を圧電素子36に印加する。この際、図7の時刻T1に示す、圧力波の正圧が最大となる時点で、1滴のインク滴が記録ヘッド31から吐出される。
さらに、吐出パルスP1の終了時点より2ALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、ハイレベルの選択信号D1及びローレベルの選択信号D2に基づいて各FETを切換え、キャンセルパルスC1の電圧V2を圧電素子36に印加する。当該キャンセルパルスC1の印加により、ある画素に対して記録ヘッド31が吐出パルスP1に基づきインク滴を吐出した後、次の画素に対して吐出パルスP2に基づきインク滴を吐出する際の吐出速度は一定に保たれる。
そして、当該キャンセルパルスC1の印加時点よりALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、待機電圧V0を圧電素子36に印加する。ヘッド制御基板120は、上記1画素周期内の各タイミングにおける、圧電素子36に印加する電圧の切換えを順次実行することで、各画素周期内に1滴のインク滴を同じ吐出速度で吐出させることができる。
次いで、ヘッド制御基板120は、各画素周期内に2滴のインク滴を記録ヘッド31に吐出させる場合、図6(ii)に示す第2の駆動波形信号を生成する。
すると、駆動回路部200の駆動回路250は、吐出パルスP11の電圧V1を圧電素子36に印加する。そして、当該印加時点よりALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、待機電圧V0を圧電素子36に印加する。この際、図8の時刻T11に示す、圧力波の正圧が最大となる時点で、1滴のインク滴が記録ヘッド31から吐出される。
さらに、吐出パルスP11の終了時点よりALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、吐出パルスP12の電圧V1を圧電素子36に印加する。ここで、電圧V1を印加する時間(吐出パルスP12のパルス幅)は、AL−tに設定されるので、吐出パルスP12により吐出されるインク滴に対する、吐出パルスP11の印加に基づく運動エネルギーの増大が抑えられる。
次いで、吐出パルスP12の終了時点から1/f以下の時間長である時間tの間、駆動回路250は、待機電圧V0を圧電素子36に印加する。そして、当該時間tが経過すると(各FETが短絡しない時間内に)、駆動回路250は、ハイレベルの選択信号D1及びローレベルの選択信号D2に基づいて各FETを切換え、キャンセルパルスC11の電圧V2を圧電素子36に印加する。この際、図8に示す時刻T12において吐出パルスP12に基づきインク滴が吐出されると、当該インク滴と吐出パルスP11に基づき吐出されるインク滴と、が一体となって1つのインク滴として記録媒体10上に着弾する。そして、上記時間tが経過した直後のキャンセルパルスC11の印加により、圧電素子36はあたかも印加される電圧がV1から直接V2へと変化したように振舞うため、同じ画素周期内において吐出パルスP11、P12に基づきインク滴を吐出する際のそれぞれの吐出速度、及び、次の画素周期において吐出パルスP21に基づきインク滴を吐出する際の吐出速度が等しくなる。
そして、当該キャンセルパルスC11の印加時点よりALの時間が経過した時点で、駆動回路250は、待機電圧V0を圧電素子36に印加する。ヘッド制御基板120は、上記1画素周期内の各タイミングにおける、圧電素子36に印加する電圧の切換えを順次実行することで、各画素周期内に2滴のインク滴を同じ吐出速度で吐出させることができる。
ここで、記録ヘッド31における流路形状やインクの種類などに基づいて公知の式から一意に算出される圧力室34の固有振動周波数を125(kHz)として、図6に示すS1(=S2)をAL(画素周期:5AL)に設定した場合、印刷速度:1m/s且つ印字解像度が1200dpiで、画素周波数:50kHzが実現できる。なお、S1(=S2)はAL又はALの倍数(2ALや3ALなど)であることが好ましい。
以上のように、本実施形態に係るインクジェット記録装置1によれば、第2の駆動波形信号に、パルス幅がAL−tからなる吐出パルスP12と、当該吐出パルスP12の終了時点よりtが経過した後に吐出パルスP12と同極性であるキャンセルパルスC11と、が含まれる。
つまり、吐出パルスP12の終了後にキャンセルパルスC11が印加されるため、吐出パルスP12による残響振動の影響が抑制されて、次の画素周期における吐出パルスP21によって吐出されるインク滴の吐出速度は、時刻T12で吐出パルスP12によって吐出されるインク滴の吐出速度と等しくなる。また、当該キャンセルパルスC11の電圧V2は、吐出パルスP12の電圧V1と同極性であるため、第2の駆動波形信号において使用される電圧の幅を狭くすることができる。
さらに、吐出パルスP12とキャンセルパルスC11間の時間間隔が、1/f以下の(圧電素子36の応答時間よりも短い)時間tなので、圧電素子36は、印加される電圧があたかも吐出パルスP12の電圧V1から直接キャンセルパルスC11の電圧V2へと変化したように振舞う。その結果、吐出パルスP12によって吐出されるインク滴に対する、同一周期内の他の吐出パルス(吐出パルスP11)の印加に基づく残響振動の影響が抑えられるので、当該インク滴の吐出速度は、他の吐出パルスによって吐出されるインク滴の吐出速度と等しくなる。加えて、駆動回路250は、図9に示した従来の回路構成(圧電素子36に印加する電圧をV1から直接V2へと切換えることが可能な回路構成)に比べて、合計で使用するFETの個数が少なくて済む。つまり、駆動回路250を圧電素子36の個数に応じて複数備えた記録ヘッド31全体からすると、使用するFETの総数が従来の回路構成よりも十分に少なくて済むため、記録ヘッド31の小型化・製造コスト低減などを図ることが出来る。
さらに、吐出パルスP12のパルス幅は、ALよりも時間tの分短くなっているため、吐出パルスP12により吐出されるインク滴の、他の吐出パルスの印加に基づく運動エネルギーの増大を好適に抑えることが可能となる。
したがって、本発明は、1画素周期内にインク滴を0〜2滴吐出する際、1画素周期内の各インク滴及び各画素周期間のインク滴を同じ吐出速度で吐出可能で、且つ使用する電圧幅を極力広げないインクジェット記録装置及び駆動波形信号生成方法といえる。
また、インクジェット記録装置1によれば、第1の駆動波形信号において、キャンセルパルスC1が印加される。そのため、各画素周期におけるインク滴の吐出速度は、残響振動の影響が抑制されて等しくなる。さらに、キャンセルパルスC1は、吐出パルスP1の終了時点より2AL後に印加されるため、残響振動によって正圧の圧力波が作用する際に負圧を齎すように作用するので、キャンセルパルスC1の電圧V2を、負圧の圧力波を作用させる吐出パルスP1の電圧V1と同極性にできる。そのため、1画素周期内にインク滴を1滴吐出する際の各画素周期間のインク滴を同じ吐出速度に保つことができ、且つ使用する電圧幅を狭めることができる。
また、インクジェット記録装置1において、コモン電極である電極38の電圧V0(VCOM)は、V0≧V1を満たすように設定できる。
また、レベルシフタ240は、電圧V1のレベルに応じて選択信号D1の信号レベルをローレベルとし、電圧V2のレベルに応じて選択信号D2の信号レベルをローレベルとし、待機電圧V0のレベルに応じて選択信号D1,D2の信号レベルをローレベルとした選択信号を生成する。つまり、当該レベルシフタ240が駆動回路250へ入力する信号レベルを切換えるだけで、容易に3つの異なる電圧レベルに応じた電圧を圧電素子36に印加することができる。
「変形例1」
上記実施形態1において、図6(i)で示したとおり、第1の駆動波形信号に係るキャンセルパルスC1のパルス幅はALと等しいものとした。しかしながら、必ずしもキャンセルパルスC1のパルス幅はALである必要は無く、例えば、図10(i)に示すように、ALと一致しないパルス幅T1としてもよい。つまり、キャンセルパルスC1のパルス幅を圧力室34の固有振動周期に一致させないことで、電圧V2の電圧値をより柔軟に設定することができる。なお、この場合、図10(i)(ii)に示すS1及びS2は、第1の駆動波形信号の画素周期と第2の駆動波形信号の画素周期とが一致するように、各々適宜の時間に設定される。
「変形例2」
上記実施形態1では、図6(i)(ii)で示したとおり、第1の駆動波形信号に係るキャンセルパルスC1の電圧と第2の駆動波形信号に係るキャンセルパルスC11の電圧とは等しいもの(電圧V2)とした。しかしながら、例えば、図11(i)(ii)に示すように、第1の駆動波形信号に係るキャンセルパルスC1の電圧をV3、第2の駆動波形信号に係るキャンセルパルスC11の電圧をV3と異なる電圧V2としてもよい。ここで、電圧V1と電圧V2とV3は、V1>V2>V3の関係を満たすものとする。
本変形例2に係る駆動波形信号に基づく記録ヘッド31の駆動を実現するための駆動回路部200aを図12に示す。なお、図12において、図4に示す駆動回路部200と同一の構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
駆動回路部200aは、図12に示すように、シフトレジスタ210と、ラッチ回路220と、セレクタ230と、レベルシフタ240aと、駆動回路250aと、を含んで構成される。
レベルシフタ240aは、セレクタ230から出力された駆動波形信号の信号レベル(電圧のレベル)に応じて、3つの選択信号D1,D2,D3(一組の第1選択信号と第2選択信号と第3選択信号)を駆動回路250に入力する。当該3つの選択信号D1,D2,D3は、ローレベル又はハイレベルの何れかの信号レベルからなり、駆動回路250aの第1のP型FET261,第2のP型FET262,後述する第3のP型FET264aのゲートへ入力される。また、選択信号D1,D2,D3は、論理積回路271の入力側へと入力される。
駆動回路250aは、第1の電源251と、第2の電源252と、第3の電源254aと、共通電源255と、第1のP型FET261と、第2のP型FET262と、第3のP型FET264aと、第1のN型FET263と、論理積回路271と、電極37,38と、を含んで構成される。そして、駆動回路250は、レベルシフタ240より出力される選択信号D1,D2,D3に基づいて、電極37,38間に発生させる電位差によって圧電素子36を変形させることで、記録ヘッド31を駆動する(圧力室34に圧力を加える)。
第3の電源254aは、V3の電圧を発生させるための電源である。
第3のP型FET264aは、第3の電源254aと接続されたP型の電界効果トランジスタである。そして、第3のP型FET264aは、それぞれ、ゲートに対してレベルシフタ240よりローレベル(選択レベル)の選択信号D3が入力されるとドレイン−ソース間に電流を流し、ゲートに対してハイレベル(非選択レベル)の選択信号D3が入力されるとドレイン−ソース間に電流が流れないように制御する。
そのため、例えば、レベルシフタ240より出力される選択信号D1がローレベル(選択レベル),D2及びD3がハイレベルとした場合、第1のP型FET261には電流が流れる一方、第2のP型FET262及び第3のP型FET264aには電流が流れない。そして、第1のN型FET263のゲートには、論理積回路271へ入力される3つの選択信号の論理積により、ローレベルの信号が入力されるため、第1のN型FET263には電流が流れない。その結果、電極37には第1の電源251の電圧V1が加わる。
同様にして、選択信号D1がハイレベル,D2がローレベル(選択レベル),D3がハイレベルとした場合、第1のP型FET261及び第3のP型FET264aには電流が流れず、第2のP型FET262には電流が流れ、第1のN型FET263には電流が流れない。その結果、電極37には第2の電源252の電圧V2が加わる。
また、選択信号D1及びD2がハイレベル,D3がローレベル(選択レベル)とした場合、第1のP型FET261及び第2のP型FET262には電流が流れず、第3のP型FET264aには電流が流れ、第1のN型FET263には電流が流れないため、電極37には電圧V3が加わる。
さらに、選択信号D1,D2,D3がハイレベル(選択レベル)とした場合、第1のP型FET261〜第3のP型FET264aには電流が流れず、第1のN型FET263には電流が流れるため、電極37には電圧GNDが加わる。
その結果、選択信号D1,D2,D3の信号レベルと、出力(電極37に加わる電圧)と、は図13に示すように対応付けられる。なお、圧電素子36や駆動回路250に備わる各回路素子への負荷を考慮して、選択信号D1,D2,D3を図13に示す組み合わせ以外のもの(その他の組み合わせ)とする制御は実行されない。
したがって、駆動回路250aは、圧電素子36に対して、V0―V1,V0−V2,V0−V3,V0−GND、からなる4つの異なる電位差を与えることが出来る。ここで、当該4つの異なる電位差は、電極37を基準電位と定めた場合の電極38の電位を表す。また、電圧V0と電圧V1と電圧V2と電圧V3とは、V0≧V1>V2>V3の関係を満たす。
ところで、図9に示したような従来の回路構成によって、圧電素子36に4つの異なる電位差を与えるためには、図14に示すように、新たに2つのFETを増設する必要がある。つまり、図14に示す従来の回路構成によると、各々のゲートに同じ選択信号(の同じ信号レベル)が入力されるP型のFETとN型のFETを組として、当該組を3つ連接した計6つのFETを用いる必要がある。一方、本変形例2に係る駆動回路250aでは、上述の通り、計4つのFETによって圧電素子36に4つの異なる電位差を与えることが可能である。
(駆動波形信号について)
次いで、ヘッド制御基板120が記録ヘッド31を駆動させるために生成する駆動波形信号について、図8及び図11を用いて説明する。
第1の駆動波形信号は、図11(i)に示すように、1画素周期内に、電圧V1(電位V0―V1)からなる吐出パルスP1と、電圧V3(電位V0―V3)からなるキャンセルパルスC1と、を含む。当該第1の駆動波形信号によると、実施形態1で述べたとおり、キャンセルパルスC1が印加されることで、吐出パルスP1による次の画素周期に対する残響振動の影響が抑制され、各画素周期でのインク滴の吐出速度は、概ね等しいものとなる。
第2の駆動波形信号は、図11(ii)に示すように、1画素周期内に、電圧V1からなる吐出パルスP11,P12と、キャンセルパルスC1の電圧V3よりも大きな電圧V2からなるキャンセルパルスC11と、を含む。キャンセルパルスC11は、図11(ii)に示すように、吐出パルスP12の終了時点よりtが経過した後に印加される。
ここで、図7及び図8で示されるとおり、第1の駆動波形信号に係る時刻T1〜時刻T2までの時間間隔よりも、第2の駆動波形信号に係る時刻T12〜時刻T21までの時間間隔の方が短い。そのため、実施形態1で述べた吐出パルスP21によって吐出されるインク滴への吐出パルスP12の印加に基づく残響振動の影響は、吐出パルスP2によって吐出されるインク滴への吐出パルスP1の印加に基づく残響振動の影響よりも強くなる。しかしながら、上述の通り、キャンセルパルスC11の電圧V2がキャンセルパルスC1の電圧V3よりも大きく設定されているため、吐出パルスP21によって吐出されるインク滴への残響振動の影響は十分に抑制される。
以上により、変形例2によれば、実施形態1に係るインクジェット記録装置1と同様の効果が得られることは勿論、キャンセルパルスC11の電圧V2をキャンセルパルスC1の電圧V3よりも大きくしているため、吐出パルスP21によって吐出されるインク滴への残響振動の影響をより精度よく抑制することができる。また、駆動回路250aは、図14に示した従来の回路構成に比べて、合計で使用するFETの個数が少なくて済む。つまり、駆動回路250aを圧電素子36の個数に応じて複数備えた記録ヘッド31全体からすると、使用するFETの総数が従来の回路構成よりも十分に少なくて済むため、記録ヘッド31の小型化・製造コスト低減などを図ることが出来る。
なお、以上の実施形態における記述は、本発明に係る好適なインクジェット記録装置及び駆動波形生成方法の一例であり、これに限定されるものではない。
また、以上の実施形態におけるインクジェット記録装置を構成する各部の細部構成及び細部動作に関して本発明の趣旨を逸脱することのない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上記実施形態では、第2の駆動波形信号に、パルス幅がAL−tからなる吐出パルスP12と、当該吐出パルスP12の終了時点よりtが経過した後に吐出パルスP12と同極性であるキャンセルパルスC11と、が含まれる場合を例示したが、第1の駆動波形信号に、パルス幅がAL−tの吐出パルスP1と、当該吐出パルスP1の終了時点よりtが経過した後に吐出パルスP1と同極性であるキャンセルパルスC1と、が含まれるように構成しても上記実施形態と同様の効果が得られる。
1 インクジェット記録装置
30 インクジェットヘッド部
31 記録ヘッド
34 圧力室
36 圧電素子
37 電極(個別電極)
38 電極(コモン電極)
39 ノズル
100 制御部
120 ヘッド制御基板
200 駆動回路部
240 レベルシフタ(入力部)
250 駆動回路
P1 吐出パルス(第1の吐出パルス)
P11 吐出パルス(第2の吐出パルス)
P12 吐出パルス(第3の吐出パルス)
C1 キャンセルパルス(第1のキャンセルパルス)
C11 キャンセルパルス(第2のキャンセルパルス)
200a 駆動回路部
240a レベルシフタ(入力部)
250a 駆動回路

Claims (11)

  1. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、
    を備え、
    前記駆動波形信号生成手段は、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALよりもtだけ短い吐出パルスと、前記吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記吐出パルスと同極性であるキャンセルパルスと、を含む駆動波形信号を生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 請求項1に記載のインクジェット記録装置において、
    前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合に、前記駆動波形信号を生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  3. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、
    を備え、
    前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  4. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、
    を備え、
    前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと一致せず電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成することを特徴とするインクジェット記録装置。
  5. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、
    1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、
    を備え、
    前記駆動波形信号生成手段は、前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しい第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しい第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を生成し、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しい第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短い第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性である第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を生成し、
    各吐出パルスの電圧V1と前記第2のキャンセルパルスの電圧V2と前記第1のキャンセルパルスの電圧V3とが、V1>V2>V3の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
  6. 請求項3〜5の何れか1項に記載のインクジェット記録装置において、
    複数の圧電素子ごとに設けられる個別電極と、
    前記複数の圧電素子に共通して使用されるコモン電極と、
    を備え、
    それぞれの圧電素子は、前記個別電極と前記コモン電極の間に配置され、各吐出パルスの電圧V1が当該個別電極とコモン電極の間に印加されることで前記ノズルよりインク滴を吐出するための圧力を前記インクに加え、
    前記コモン電極の電圧VCOMは、VCOM≧V1の関係を満たすことを特徴とするインクジェット記録装置。
  7. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、
    1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALよりもtだけ短い吐出パルスと、前記吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記吐出パルスと同極性であるキャンセルパルスと、を含む駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする駆動波形信号生成方法。
  8. 請求項に記載の駆動波形信号生成方法において、
    前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合に、前記駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする駆動波形信号生成方法。
  9. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、
    前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする駆動波形信号生成方法。
  10. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、
    前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと一致せず電圧がV1より小さなV2からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする駆動波形信号生成方法。
  11. ノズルと、前記ノズルと連通された圧力室と、共振周波数がfからなり前記圧力室内のインクに圧力を加えるための圧電素子と、を有し、付与される駆動波形信号に応じて前記圧電素子がインクに圧力を加えて前記ノズルよりインク滴を吐出する記録ヘッドと、1滴のインク滴を吐出するための吐出パルスと、前記吐出パルスによる残響振動の影響を抑制するためのキャンセルパルスと、を含み、前記記録ヘッドに1画素に対して0〜2滴のインク滴を吐出させるための前記駆動波形信号を生成する駆動波形信号生成手段と、を備えたインクジェット記録装置による駆動波形信号生成方法であって、
    前記記録ヘッドに1画素に対して1滴のインク滴を吐出させる場合、1画素周期内に、パルス幅が前記圧力室の固有振動周期の半周期を表すALと等しく電圧がV1からなる第1の吐出パルスと、前記第1の吐出パルスの終了時点より2AL後に印加され前記第1の吐出パルスと同極性であり且つパルス幅がALと等しく電圧がV1より小さなV3からなる第1のキャンセルパルスと、を含む第1の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させ、前記記録ヘッドに1画素に対して2滴のインク滴を吐出させる場合、1/f以下の時間長からなる所定時間をtとすると、1画素周期内に、パルス幅がALと等しく電圧がV1からなる第2の吐出パルスと、前記第2の吐出パルスの終了時点よりAL後に印加されパルス幅がALよりもtだけ短く電圧がV1からなる第3の吐出パルスと、前記第3の吐出パルスの終了時点よりtが経過した後に印加され前記第3の吐出パルスと同極性であり電圧がV3より大きくV1より小さいV2からなる第2のキャンセルパルスと、を含む第2の駆動波形信号を前記駆動波形信号生成手段に生成させることを特徴とする駆動波形信号生成方法。
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