JP2006069100A - 液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッド Download PDF

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Abstract

【課題】 矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うと共に、画質劣化のない記録を可能にすることを目的とする。
【解決手段】 圧電素子に印加する駆動信号として電圧波形の電圧レベルが3値かつ時定数が一定の駆動波形を用いて、3値の電圧レベル中の第1電位差で小滴を吐出して、第2電位差で大滴を吐出する。この時、小滴を吐出する際のパルス幅をヘッドの固有周期Tcの1/2付近に設定し、大滴を吐出する際のパルス幅を、小滴の滴速と等しくなるように、ヘッドの固有周期Tcの1/2付近からずらして設定する。例えば、大滴を吐出する際のパルス幅をヘッドの固有周期Tcの0.63〜0.72倍、または0.88〜1.05倍に設定する。好ましくは、ヘッドの固有周期Tcの0.66〜0.69倍、または0.93〜0.98倍に設定する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッドにかかり、特に、圧電素子等のアクチュエータに矩形駆動波形を印加して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法及び該液滴吐出ヘッドに関する。
液滴吐出装置として、従来より、圧電素子等によるアクチュエータを利用して、インクが充填された圧力室を体積変化(膨張・収縮)させ、これによる内部の圧力変化によって圧力室に連通して形成されたノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録装置が知られている。
近年、上述のようなインクジェット記録装置の性能向上に伴い、ノズルの高密度化・多ノズル化が求められており、これに伴って、インク滴吐出に要する消費電力の増大、波形生成回路の大型化・高コスト化などが懸念される。これらを解決するために、駆動波形の形状を矩形形状とすることが提案されている。
矩形駆動波形の決定方法としては、例えば、特許文献1〜3に記載の技術などが提案されている。
特許文献1に記載の技術では、ノズル間の滴速のばらつきによる着弾位置ずれを補正するために、ノズル毎にパルス幅を微調整することが提案されており、特許文献2に記載の技術では、オリフィスの高さと、インクタンクの液面との高さ(水頭差)の影響をうけにくいパルス幅を実験的に求めることが提案されており、特許文献3に記載の技術では、高周波駆動を可能とするためにパルス幅を調整することが提案されている。
特開2000−79684号公報 特開2003−127364号公報 特開2001−315330号公報
しかしながら、矩形波形は、従来のアナログ波形に比べて消費電力や回路構成の面で利点があるものの、波形の自由度が大幅に減少するという決定がある。具体的には、出願人が想定している回路構成では、3値の電圧レベルを用いて、回路時定数が一定という制約がある。
また、一つのパルスでの動作が圧力室の「膨張→収縮」の場合について考えると、この制約の元で、単発吐出にて滴径変調を行う場合、図10に示すように、電位差V01(V0−V1)を用いて小滴吐出、電位差V02(V0−V2)を用いて大滴吐出を行うことが考えられるが、電位差V01、立上げ時間Tzをもって、最適な吐出状態が得られるように電位差V01、立上げ時間Tzを設定した場合、電位差V01よりも大きな電位差V02、立上げ時間Tzで構成される大滴の吐出状態は、エネルギーが過剰な状態となり、小滴との滴速差が大きくなってしまい、これによって着弾位置ずれが発生し、画質を大きく低下させてしまう、という問題がある。
また、大滴と小滴の滴速差が大きくなることにより、不要なサテライトやミスト等が発生して、画質の低下を招いたり、紙面に到達できないサテライトやミスト等が装置内部を汚す原因となる。
本発明は、上記問題を解決すべく成されたもので、矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うと共に、画質劣化のない記録を可能にすることを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、電気機械変換素子に駆動信号を印加して当該電気機械変換素子を変形させることにより圧力室に圧力変化を生じさせ、圧力室内に充填された液体を圧力室と連通するノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記駆動信号として電圧波形の電圧レベルが3値かつ時定数が一定の矩形駆動波を用いて、3値の電圧レベル中の第1電位差V1で第1液滴を吐出し、第2電位差V2で前記第1液滴よりも大きい滴径の第2液滴を吐出する際に、前記第1液滴を吐出する際のパルス幅を前記液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近に設定し、前記第2液滴を吐出する際のパルス幅を、前記第1液滴の滴速と等しくなるように、前記液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近からずらして設定することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、電気機械変換素子に印加する駆動信号として電圧波形の電圧レベルが3値かつ時定数が一定の矩形駆動波を用いる。そして、3値の電圧レベル中の第1電位差V1で第1液滴を吐出し、3値の電圧レベル中の第2電位差V2で第1液滴より大きな滴径第2液滴を吐出する。すなわち、第1電位差V1で小滴を吐出して、第2電位差V2で大滴を吐出するので、2種類の滴径変調を行うことができる。
なお、第1電位差V11及び第2電位差V2は、請求項2に記載の発明のように、第1電位差V1が3値の電圧レベルのうち最低電圧と中間電圧の電位差を適用し、第2電位差V2が3値の電圧レベルのうち最低電圧と最高電圧の電位差を適用することで、第1液滴及び第2液滴、すなわち、大小の2種類の滴径で液滴を吐出することができる。
また、第1液滴を吐出する際のパルス幅を液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近に設定し、第2液滴を吐出する際のパルス幅を第1液滴の滴速と等しくなるように、液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近からずらして設定する。すなわち、液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近にパルス幅を設定して圧電素子に印加することで、圧電素子による圧力室の膨張時の圧力波と収縮時の圧力波の合成波により省電力で効率的に第1液滴を吐出することができる。そして、第1液滴の滴速にあうように、液滴吐出ヘッドの半周期付近からずらして第2液滴を吐出するパルス幅を設定することで、第1液滴及び第2液滴のそれぞれの滴速を合わせることができ、着弾位置ずれを防止することができる。
従って、矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うと共に、着弾位置ずれによる画質劣化のない記録が可能となる。
なお、第2液滴を吐出する際のパルス幅は、請求項3に記載の発明のように、液滴吐出ヘッドの固有周期の0.63〜0.72倍、または0.88〜1.05倍に設定することで、第1液滴と第2液滴の滴速を合わせつつ、着弾位置ずれを防止することが可能となる。
好ましくは、請求項4に記載の発明のように、第2液滴を吐出する際のパルス幅を液滴吐出ヘッドの固有周期の0.66〜0.69倍、または0.93〜0.98倍に設定することで、第1液滴と第2液滴の滴速を合わせつつ、着弾位置ずれを更に防止することが可能となる。
請求項5に記載の液滴吐出ヘッドは、液体が充填される圧力室と、前記圧力室と連通するノズルと、駆動信号が印加されると変形して、前記圧力室に圧力波を発生させ、充填された液体を前記ノズルから液滴として吐出させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子を請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号を印加する駆動回路と、を含むことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、圧力室に液滴が充填され、ノズルが圧力室に連通している。また、電気機械変換素子に駆動信号が印加されると電気機械変換素子が変形して、圧力室に圧力波が発生し、圧力室に充填された液体がノズルから液滴として吐出される。
そして、駆動回路では、電気機械変換素子に対して、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号が印加される。従って、上述したように、矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うと共に、着弾位置ずれによる画質劣化のない記録が可能となる。
以上説明したように本発明によれば、電気機械変換素子に印加する駆動信号として電圧レベルが3値かつ時定数が一定の矩形駆動波を用いて、3値の電圧レベル中の第1電位差V1で第1液滴を吐出し、第2電位差V2で第1液滴より大きい滴径の第2液滴を吐出する際に、第1液滴を吐出する際のパルス幅を液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近に設定し、第2液滴を吐出する際のパルス幅を、第1液滴の滴速と等しくなるように、液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近からずらして設定することによって、矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うと共に、画質劣化のない記録が可能となる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明をインクジェット記録装置に適用したものである。
図1は、本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置の1ノズルあたりのヘッド構造を示す図である。
ヘッド10は、インクタンク12、供給路14、圧力室16、ノズル18、及び電気機械変換素子としての圧電素子20を有している。
インクタンク12には、インクが充填され、インクタンク12に充填されたインクは、供給路14を介して圧力室16に充填され、圧力室16に連通したノズル18にインクが供給される。
圧力室16の壁面の一部は振動板16Aからなり、該振動板16Aにピエゾ素子等の圧電素子20が設けられており、圧電素子20によって振動板16Aを変形させて振動させることで、圧力室16内に圧力波が発生する。すなわち、圧電素子20の振動によって発生する圧力波によって、圧力室16内に充填されたインクがノズル18から吐出され、圧力室16には供給路14を介してインクタンク12からインクが補充されるようになっている。
ノズル18は、例えば、記録紙幅方向に複数配列した記録ヘッドとすることで、記録紙幅方向の画像を記録し、記録紙と記録ヘッドとを相対的に移動することで記録紙に画像を記録することができる。
図2は、本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置のヘッドを駆動する駆動回路を示す図である。
図2に示すように、駆動回路40は、シフトレジスタ42と、ラッチ回路44と、セレクタ46と、レベルシフタ48と、ドライバ50と、が半導体基板30上に構成されている。
コントローラ22から出力されたクロック信号及び選択信号はシフトレジスタ42に入力され、ラッチ信号はラッチ回路44に入力される。
選択信号は、第一波形又は第二波形を選択するための信号であり、第一波形選択信号42A、第二波形選択信号42Bからなるシリアル信号である。第一波形選択信号42A、第二波形選択信号42Bは、各々「0」又は「1」となる1ビットデータを示す信号である。第一波形選択信号42Aは、第一波形を選択するときに「1」となり、第一波形を選択しない時に「0」となる信号である。また、同様に、第二波形選択信号42Bは、第二波形を選択するときに「1」となり、第二波形を選択しないときには「0」となる信号である。
すなわち、選択信号は、第一波形を選択する場合には「10」、第二波形を選択する場合には、「01」の2ビットシリアルデータとなる。このような選択信号が、各圧電素子20の数だけ連続してシフトレジスタ42に入力される。
なお、以下では、1つの圧電素子20に駆動波形を供給する場合について説明するが、他の圧電素子20についても同様であるので、説明を省略する。
シフトレジスタ42は、入力された2ビットシリアルデータである選択信号を2ビットのパラレルデータに変換してラッチ回路44へ出力する。
ラッチ回路44は、シフトレジスタ42から出力されたパラレルデータをラッチ信号の入力に応じてラッチする。
セレクタ46には、コントローラ22から第一波形及び第二波形が選択対象信号として入力されると共に、ラッチ回路44によってラッチされた選択信号のパラレルデータがセレクト端子に入力される。従って、セレクタ46は、第一波形及び第二波形から選択信号によって選択が指示されたものを選択して出力することになる。
セレクタ46の波形信号の出力端子はレベルシフタ48に接続されており、セレクタ46から出力された波形信号はレベルシフタ48によってレベル変換されて出力される。なお、レベルシフタ48には、図示しない第3電源から所定電圧レベルHVDDの電力が供給されており、レベルシフタ48では、選択信号によって選択された波形信号を、電圧レベルHVDDに応じた電圧レベルまでレベル変換する。
一方、ドライバ50は、第1信号生成回路52と、第2信号生成回路とが備えられている。本実施の形態に係わる第1信号生成回路52は、PMOS52AとNMOS52Bを直列に接続して構成したインバータ回路として構成されており、同様に、第2信号生成回路54もまた、PMOS54AとNMOS54Bを直列接続して構成したインバータ回路として構成されている。
すなわち、第1信号生成回路52は、PMOS52AとNMOS52Bのドレイン同士が接続されると共に、PMOS52AとNMOS52Bのゲートが接続されている。同様に、第2信号生成回路54も、PMOS54AとNMOS54Bのドレイン同士が接続されると共に、PMOS54AとNMOS54Bのゲートが接続されている。
ここで、第1信号生成回路52におけるPMOS52Aのソースには、図示しない第一電源からの所定電圧レベルHV1とされた電力が供給されると共に、NMOS52Bのソースは接地されてグランドレベルとされている。また、PMOS52A及びNMOS52Bの各ゲートにはレベルシフタ48の一方の出力端子が接続されており、セレクタ46によって選択された一対の波形信号の一方で、かつレベルシフタ48によってレベル変換された波形信号S1が入力される。
従って、第1信号生成回路52では、レベルシフタ48から入力された波形信号S1の信号レベルがハイレベルである場合はPMOS52Aがオフ状態でNMOS52Bがオン状態となるため、出力される電圧の電圧レベルはグランドレベルとなる。これに対して、レベルシフタ48から入力された波形信号S1の信号レベルがローレベルである場合はPMOS52Aがオン状態でNMOS52Bがオフ状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは電圧レベルHV1となる。この結果、第1信号生成回路52から出力される電圧は、波形がレベルシフタ48から入力された波形信号S1の反転波形と同一で、かつ電圧レベルとしてグランドレベル及び電圧レベルHV1の2つを有するものとなる。
一方、第2信号生成回路54におけるPMOS54Aのソースには、図示しない第二電源からの所定電圧レベルHV2とされた電力が供給されると共に、NMOS54Bのソースには、第1信号生成回路52におけるPMOS52A及びNMOS52Bの接続点(ドレイン)が接続されている。従って、NMOS54Bのソースには、第1信号生成回路52のインバータ出力が印加されることになる。更に、PMOS54A及びNMOS54Bの各ゲートにはレベルシフタ48の他方の出力端子が接続されており、セレクタ46によって選択された一対の波形信号の他方で、かつレベルシフタ48によってレベル変換された波形信号S2が入力される。
従って、第2信号生成回路54では、レベルシフタ48から入力された波形信号S2の信号レベルがハイレベルである場合はPMOS54Aがオフ状態でNMOS54Bがオン状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは第1信号生成回路52から出力された電圧と同様のもの(波形がレベルシフタ48から入力されている波形信号の反転波形と同一で、かつ電圧レベルがグランドレベル及び電圧レベルHV1の2つを有するもの)となる。これに対し、レベルシフタ48から入力された波形信号S2の信号レベルがローレベルである場合はPMOS54Aがオン状態でNMOS54Bがオフ状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは電圧レベルHV2となる。この結果、第2信号生成回路54から出力される電圧は、レベルシフタ48から入力された一対の波形信号S1、S2に応じて第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54から各々出力される電圧を組み合わせた、電圧レベルとしてグランドレベル、電圧レベルHV1、及び電圧レベルHV2の3値となる。
例えば、駆動波形の電圧レベルを電圧レベルHV2としたい場合は、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルを電圧レベルHV2にするようにする。従って、この場合には、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2をローレベルとすればよい。なお、この場合は第1信号生成回路52の出力は第2信号生成回路54の出力に影響を与えることはないので、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1のレベルは制限されない。
一方、駆動波形の電圧レベルを電圧レベルHV1としたい場合は、第1信号生成回路52からの出力波形の電圧レベルを電圧レベルHV1にすると共に、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルも電圧レベルHV1にする必要がある。従って、この場合には、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1をローレベルにすると共に、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2をハイレベルにする必要がある。
更に、駆動波形の電圧レベルをグランドレベルとしたい場合は、第1信号生成回路52からの出力波形の電圧レベルをグランドレベルにすると共に、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルもグランドレベルにする必要がある。従って、この場合には、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1をハイレベルにすると共に、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2もハイレベルにする必要がある。
表1には、ドライバ50の動作を示す真理値表が示されている。なお、同表におけるS1は第1信号生成回路52に入力される波形信号を示し、S2は第2信号生成回路54に入力される波形信号を示し、OUTは第2信号生成回路54から対応する圧電素子20に供給される駆動波形の電圧レベルを示す。
第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54の各々に入力すべき波形信号S1、S2を生成させる際には、表1に示される真理値表に基づき、最終的に所望の駆動波形が得られるように一対の第一波形及び第二波形を生成し、駆動回路40に供給すればよい。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置では、圧電素子20の駆動によって吐出されるインク滴の吐出量の種類として、「大滴」及び「小滴」の2種類が適用されており、コントローラ22では、当該2種類の吐出量の各々に対応する駆動波形を生成することができる2組の波形信号として、第一波形及び第二波形が各々生成され、駆動回路40に入力されるように構成されている。
なお、本実施の形態に係るインクジェット記録装置では、図示しない第3電源から供給される電力の電圧レベルHVDDと第二電源から供給される電力の電圧レベルHV2との関係を(電圧レベルHVDD≧電圧レベルHV2)とし、電圧レベルHV2と図示しない第一電源から供給される電力の電圧レベルHV1との関係を(電圧レベルHV2>電圧レベルHV1)としている。
ところで、本実施の形態に係わるインクジェット記録装置のヘッド10は、圧電素子20を用いてインクの吐出を行うが、圧電素子20を用いたインク吐出では、圧電素子20に1つのパルスを印加することによって、パルスの立ち上がりで圧力室16が膨張され、パルスの立ち下がりで圧力室16が収縮される。この時、パルスの立ち上がりで圧力波Waが発生し、パルスの立ち下がりで圧力波Waに対して位相が180度ずれた圧力波Wbが発生する。そして、圧力波Wbが発生する時点で残響として圧力波Waが残っているので、双方の合成波Wによって吐出のエネルギーが決定されることになる。
すなわち、圧力波Waと圧力波Wbの発生タイミングは、圧電素子20に印加するパルス幅によって制御される。また、圧力波Waと圧力波Wbとは共に、圧力室16の容積や剛性などで決定される固有周期Tcの振動波であるので、圧電素子20に印加するパルス幅を制御することで吐出エネルギーを制御することができる。
例えば、パルス幅Twが固有周期Tcの1/2であるとすると、図3に示すように、圧力波Waと圧力波Wbの位相が等しくなるため合成波Wは大きくなり、吐出エネルギーが大きくなる。一方、パルス幅Twが固有周期Tcに等しい場合には、図4に示すように、圧力波Waと圧力波Wbの位相は逆になるため合成波Wは打ち消され、吐出エネルギーが小さくなる。
従って、回路のコストや消費電力の観点から、低い電位差で大きな吐出エネルギーを得られるように、パルス幅TwをTc/2に設定することが望ましい。
しかしながら、3値の電圧レベル及び時定数一定という制約下では、小滴用の駆動信号のパルス幅をTc/2に設定すると、大滴吐出と小滴吐出の両立を考えた場合には、上述したように大滴を吐出する際に吐出エネルギーが過剰となって滴速差が大きくなってしまうので、大滴用の波形においてはパルス幅をTc/2からずらして吐出エネルギーが過大とならないようにコントロールする必要がある。
そこで、本出願人は、最適なパルス幅を決定するための実験を行った。図5は、大滴のパルス幅を変化させた場合の滴体積を測定した結果を示すグラフであり、図6は、大滴のパルス幅を変化させた場合の大滴と小滴の滴速比を測定した結果を示すグラフである。
図5に示すように、大滴のパルス幅を変化させた場合に、大滴の滴体積は、13.8〜14.2pl程度の変化であり、さほど大きな変化がないことが分かる。従って、大滴を吐出する際のパルス幅を固有周期Tcの1/2からずらしても滴体積には問題がないことが分かる。
一方、滴速については、図6に示すように、パルス幅の変化によって大きく変化することが分かる。大滴の滴速と小滴の滴速に大きな差が生じると、着弾位置がずれてしまい、記録画像の品質を大きく低下させてしまう。
そこで、着弾位置ずれが画質に影響を与えないレベルのパルス幅を設定する必要がある。具体的には、図6に示す滴速差が最も少ない(大滴と小滴の滴速比が1付近)パルス幅において、パルス幅を固有周期Tcの0.63〜0.72倍、或いは固有周期Tcの0.88〜1.05倍とすると、着弾位置ずれが0.5画素以下となり、普通紙記録において画像劣化として認識できないレベルとなる。
また、パルス幅を固有周期Tcの0.66〜0.69倍、或いは固有周期Tcの0.93〜0.98倍とすると、着弾位置ずれが0.2画素以下となり、写真画質の記録においても画像劣化として認識できないレベルとなる。
従って、本実施の形態に係わる駆動回路において、大滴のパルス幅をヘッド10の固有周期Tcの0.63〜0.72倍、或いは0.88〜1.05倍に設定することで、大滴のパルス幅を設定することによって、矩形駆動波形を用いて最適な滴速で滴径変調を行うことができると共に、画質劣化のない記録ができる。なお、好ましくは、大滴のパルス幅をヘッド10の固有周期Tcの0.66〜0.69倍、或いは0.93〜0.98倍に設定する方がより画質劣化の少ない記録が可能となる。
詳細には、本実施の形態に係わる駆動回路40の出力が上述のパルス幅となるように、コントローラ22に第一波形及び第二波形を設定すればよい。
例えば、一対の第一波形を大滴吐出用の波形、一対の第二波形を小滴吐出用の波形とすると、一対の第一波形は、図7(A)に示すようなパルス波形(例えば、「1」をハイ、「0」をローとした場合に、一対のパルス波形が共に「0111111100」)とすることによって、セレクタ46が第一波形を選択したときに、レベルシフタ48によって電圧レベルが変換されて、形状としては図7(A)と同一で電圧レベルが変換されたパルスがS1、S2としてレベルシフタ48から出力される。従って、S1とS2が共にロー「0」の時に、電位差HV2となり、S1とS2が共にハイ「1」の時に、電位差がグランドとなり、大滴吐出用の駆動波形は、図7(B)に示すような駆動波形となる。
一方、一対の第二波形は、図8(A)に示すようなパルス波形(例えば、「1」をハイ、「0」をローとした場合に、一対のパルス波形の一方が「0111100000」、他方が「0000000000」)とすることによって、セレクタ46が第二波形を選択したときに、レベルシフタ48によって電圧レベルが変換されて、形状としては図8(A)と同一で電圧レベルが変換されたパルスがS1、S2としてレベルシフタ48から出力される。この時、S1としては、「0111100000」のパルス波形を適用し、S2としては、「0000000000」のパルス波形を適用する。従って、S1とS2が共にロー「0」の時に、電位差HV2となり、S1がハイ「1」でS2がロー「0」の時に、電位差がHV1となり、小滴吐出用の駆動波形は、図8(B)に示すような駆動波形となる。
従って、本実施の形態に係わる駆動回路40では、出力される駆動信号のパルス幅がヘッド10の固有周期Tcの1/2付近となるように、コントローラ22に記憶する一対の第二波形(S1、S2)を設定し、出力される駆動信号のパルス幅がヘッド10の固有周期Tcの0.63〜0.72倍、或いは0.88〜1.05倍となるように、コントローラ22に記憶する一対の第一波形(S1、S2)を設定することで、最適な滴速で滴径変調を行うことが可能となると共に、画質劣化のない記録が可能となる。なお、好ましくは、第1波形のパルス幅がヘッド10の固有周期Tcの0.66〜0.69倍、或いは0.93〜0.98倍となるように、コントローラ22に記憶する一対の第一波形を設定することで、写真画像でも画質劣化がない記録が可能となる。
なお、上記の実施の形態では、大滴と小滴の2種類の滴径変調を行う例を説明したが、3種類以上の滴径変調を行うようにしてもよい。例えば、3種類の滴径変調を行う場合には、コントローラ22図9(A)に示すような一対の第三波形を記憶することによって、図9(B)に示すような3値の電圧レベルを組み合わせた駆動波形を生成することが可能となる。
本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置の1ノズルあたりのヘッド構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置のヘッドを駆動する駆動回路を示す図である。 圧力室膨張時の圧力波と収縮時の圧力波が合成されたそれぞれの圧力波よりも大きな合成波ができる場合を説明するための図である。 圧力室膨張時の圧力波と収縮時の圧力波が合成されてそれぞれが打ち消し合ってそれぞれの圧力波よりも小さな合成波ができる場合を説明するための図である。 大滴のパルス幅を変化させた場合の滴体積を測定した結果を示すグラフである。 大滴のパルス幅を変化させた場合の大滴と小滴の滴速比を測定した結果を示すグラフである。 第一波形及び大滴吐出用の駆動波形の一例を示す図である。 第二波形及び小滴吐出用の駆動波形の一例を示す図である。 第三波形を設けてその他の駆動波形を生成した一例を示す図である。 大滴波形と小滴波形の一例を示す図である。
符号の説明
10 ヘッド
20 圧電素子
22 コントローラ
30 半導体基板
40 駆動回路
42 シフタレジスタ
44 ラッチ回路
46 セレクタ
48 レベルシフタ
50 ドライバ
52 第1信号生成回路
54 第2信号生成回路

Claims (5)

  1. 電気機械変換素子に駆動信号を印加して当該電気機械変換素子を変形させることにより圧力室に圧力変化を生じさせ、圧力室内に充填された液体を圧力室と連通するノズルから液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記駆動信号として電圧波形の電圧レベルが3値かつ時定数が一定の矩形駆動波を用いて、3値の電圧レベル中の第1電位差V1で第1液滴を吐出し、第2電位差V2で前記第1液滴よりも大きい滴径の第2液滴を吐出する際に、
    前記第1液滴を吐出する際のパルス幅を前記液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近に設定し、前記第2液滴を吐出する際のパルス幅を、前記第1液滴の滴速と等しくなるように、前記液滴吐出ヘッドの固有周期の半周期付近からずらして設定することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 前記第1電位差V1は、3値の電圧レベルのうち最低電圧と中間電圧の電位差からなり、前記第2電位差は、最低電圧と最高電圧の電位差からなることを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  3. 前記第2液滴を吐出する際のパルス幅を前記液滴吐出ヘッドの固有周期の0.63〜0.72倍、または0.88〜1.05倍に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 前記第2液滴を吐出する際のパルス幅を前記液滴吐出ヘッドの固有周期の0.66〜0.69倍、または0.93〜0.98倍に設定することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  5. 液体が充填される圧力室と、
    前記圧力室と連通するノズルと、
    駆動信号が印加されると変形して、前記圧力室に圧力波を発生させ、充填された液体を前記ノズルから液滴として吐出させる電気機械変換素子と、
    前記電気機械変換素子を請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号を印加する駆動回路と、
    を含む液滴吐出ヘッド。
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