JPH11245407A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JPH11245407A
JPH11245407A JP5035998A JP5035998A JPH11245407A JP H11245407 A JPH11245407 A JP H11245407A JP 5035998 A JP5035998 A JP 5035998A JP 5035998 A JP5035998 A JP 5035998A JP H11245407 A JPH11245407 A JP H11245407A
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JP
Japan
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ink
pulse voltage
pulse
piezoelectric element
waveform
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JP5035998A
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English (en)
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Hideo Yasutomi
英雄 保富
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Minolta Co Ltd
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Minolta Co Ltd
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ダイナミックレンジを拡大しつつ画像品質を
向上させることのできるインクジェット記録装置を提供
する。 【解決手段】 圧電素子に、パルス電圧を印加して、イ
ンクチャンネルの体積を変化させて、インクドロップを
吐出させる。パルス電圧の波形は、圧電素子に印加する
電圧のパルス振幅が大きくなるほど、立ち上がり速度お
よび立ち下がり速度は小さくなっている。なお、立ち上
がり速度とは、パルス電圧の波形の立ち上がりでの時間
の増分に対する電圧の増分を意味し、立ち下がり速度と
は、パルス電圧の波形の立ち下がりでの、時間の増分に
対する電圧の減分を意味する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に関し、特に、圧電素子にパルス電圧を印加する
電圧印加部を含み、前記圧電素子にパルス電圧を印加す
ることによりインクチャンネル容積を変化させ前記イン
クチャンネル内のインクをヘッドから吐出させて記録を
行なうインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、インクジェット記録装置のヘ
ッドに圧電素子を用いるものが知られている。このよう
なインクジェット記録装置のヘッドでは、圧電素子に画
像情報に応じたパルス電圧が印加され、このパルス電圧
の印加によって生じる圧電素子のひずみにより、所定の
容器(インクチャンネル)内のインクが加圧され、イン
クチャンネルに設けられたノズルから記録用紙に向かっ
てインクドロップが吐出される。このようなインクドロ
ップの吐出によって、記録用紙上に画像が記録される。
【0003】近年、ネットワーク環境の整備・ディジタ
ルカメラの普及等によって、記録装置のフルカラー対応
への要求が高まっている。このような要求に対して、上
述のようなインクジェット記録装置でも、印字される画
像を高画質化する技術が発展しつつある。インクジェッ
ト記録装置により高画質な画像を出力させるためには、
いかにして画像の階調数を増大させるかが課題となる。
【0004】インクジェット記録装置で階調を再現する
方法として、単一のインクドロップの着弾ドットの径を
変化させる方法が知られている。この方法では、ヘッド
内の圧電素子のひずみの量を制御することによって、す
なわち、圧電素子に印加するパルス電圧の振幅を変化さ
せることによって、同一のインクチャンネル、ノズルか
ら異なる体積を有するインクドロップを吐出させること
ができる。そして、この方法では、ノズルから吐出させ
るインクドロップの体積を変化させることにより、着弾
ドットの径を変化させている。なお、同一のノズルにお
ける着弾ドットの径の変化幅は、一般にダイナミックレ
ンジと呼ばれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
インクジェット記録装置では、上述のようなパルス電圧
を変化させる方法を採用しながら、ダイナミックレンジ
を大きくとり画像品質を向上させることは非常に困難で
あった。これは、インクの飛翔特性が、その質量、粘度
等の物性やノズルの径、インクチャンネルの構成等によ
って制限を受けるためである。
【0006】つまり、従来のインクジェット記録装置に
おいて、ダイナミックレンジを大きくとると、吐出させ
るインクドロップの体積が大きい場合、つまり、パルス
電圧の振幅が大きく着弾ドットの径が大きい場合には、
着弾ドットの径が小さい場合と同等またはそれ以上に急
峻な、立ち上がり速度の大きい電圧が圧電素子に印加さ
れていたため、飛翔するインクドロップの液速度が大き
すぎ、飛翔するインクドロップに割れが生じて、サテラ
イト化やカーブ等により着弾位置がずれ、画像ノイズを
引き起こすという問題を生じていた。
【0007】また、従来のインクジェット記録装置にお
いて、上記のような場合、着弾ドットの径が小さい場合
と同等またはそれ以上に急峻な、立ち下がり速度の大き
い電圧が圧電素子に印加されていたため、ノズルから空
気を吸い込み易くなるという問題があった。つまり、イ
ンク加圧室に気泡が生じ、当該気泡がインクドロップを
吐出するためにインク加圧室に加圧された際のダンパー
として作用するため、インクの吐出が正常に行なわれな
いという問題があった。
【0008】その一方で、圧電素子に印加する電圧の立
上がり速度および立ち下がり速度を一律に小さくしたの
では、パルス電圧の振幅が小さく着弾ドットの径が小さ
い場合には、インクドロップが飛翔するために必要な液
速度が得られ難くなり、また、インク吐出後のノズルに
おけるインクの吸い込みが不十分であるという問題があ
った。
【0009】本発明は、かかる実情に鑑み考え出された
ものであり、その目的は、ダイナミックレンジを拡大し
つつ画像品質を向上させることのできるインクジェット
記録装置を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェット記録装置は、圧電素子にパルス電圧を印加する
電圧印加部を含み、前記圧電素子にパルス電圧を印加す
ることによりインクチャンネル容積を変化させ前記イン
クチャンネル内のインクをヘッドから吐出させて記録を
行なうインクジェット記録装置であって、前記パルス電
圧のパルス振幅が大きいほど、前記パルス電圧の立ち下
がり速度および立上がり速度を小さくするように制御す
ることを特徴とする。
【0011】請求項1に記載の発明によると、圧電素子
に印加されるパルス電圧のパルス振幅が大きいほど、パ
ルス電圧の立ち下がり速度および立ち上がり速度が小さ
くなるように制御される。
【0012】これにより、インクジェット記録装置にお
いて、パルス電圧の振幅に応じてすなわち着弾ドットの
径に応じて、適切な立ち下がり速度および立ち上がり速
度のパルス電圧を圧電素子に与えられるため、ダイナミ
ックレンジを拡大しつつ画像品質を向上させることがで
きる。
【0013】請求項2に記載のインクジェット記録装置
は、請求項1に記載のインクジェット記録装置の構成に
加えて、前記電圧印加部は、前記圧電素子に、前記イン
クの吐出に対応したパルス電圧を印加する毎に、前記イ
ンクの吐出に対応せず、前記インクの吐出に対応したパ
ルス電圧の波形に相似しかつ当該波形を縮小させた波形
のパルス電圧を印加することを特徴とする。
【0014】請求項2に記載の発明によると、請求項1
に記載の発明による作用に加えて、インクの吐出後に、
インクチャンネルの特にインク吐出口で発生するインク
の波を緩和することができる。
【0015】これにより、請求項1に記載の発明による
効果に加えて、インク吐出後のインクチャンネルが、次
回のインクの吐出に十分に対応でき、より、正確な位置
にインクを吐出できる。したがって、より画像品質を向
上させることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照しつつ、本発明
の実施の形態であるインクジェットプリンタについて説
明する。図1は、本発明における実施の形態であるイン
クジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。
【0017】インクジェットプリンタ1は、用紙やOH
Pシートなどの記録媒体である記録シート2に印字を行
ない、インクジェット方式のプリントヘッドであるヘッ
ド3と、ヘッド3を保持するキャリッジ4と、キャリッ
ジ4を記録シート2の記録面に平行に往復移動させるた
めの揺動軸5、6と、キャリッジ4を揺動軸5、6に沿
って往復駆動する駆動モータ7と、駆動モータ7の回転
をキャリッジ4の往復運動に変えるためのアイドルプー
リ8、タイミングベルト9とを含んでいる。
【0018】また、インクジェットプリンタ1は、記録
シート2を搬送経路に沿って案内するガイド板を兼ねる
プラテン10と、プラテン10との間の記録シート2を
押さえ浮きを防止する紙押さえ板11と、記録シート2
を排出するための排出ローラ12、拍車ローラ13と、
ヘッド3のインクを吐出するノズル面を洗浄しインク吐
出の不良な状態から良好な状態に回復させる回復系14
と、記録シート2を手動で搬送するための紙送りノブ1
5とを含んでいる。
【0019】記録シート2は、手差しあるいはカットシ
ートフィーダ等の給紙装置によって、ヘッド3とプラテ
ン10とが対向する記録部へ送り込まれる。この際、図
示しない紙送りローラの回転量が制御され、記録部への
搬送が制御される。
【0020】ヘッド3には、圧電素子が用いられる。圧
電素子には電圧が印加され、ひずみが生じる。このひず
みは、インクで満たされたチャンネルの容積を変化させ
る。この容積の変化により、チャンネルに設けられたノ
ズルからインクが吐出され、記録シート2への記録が行
なわれる。
【0021】キャリッジ4は、駆動モータ7、アイドル
プーリ8、タイミングベルト9により、記録シート2に
対して横方向に主走査し、キャリッジ4に取り付けられ
たヘッド3は1ライン分の画像を記録する。1ラインの
記録が終わるごとに、記録シート2は縦方向に送られ副
走査され、次のラインが記録される。
【0022】図2〜図4は、ヘッド3の構成を説明する
ための図である。図2はヘッド3のノズルを有する面の
平面図であり、図3は図2のIII−III線断面図で
あり、図4は図3のIV−IV線断面図である。
【0023】ヘッド3は、ノズルプレート301、隔壁
302、振動板303、基板304を一体に重ねた構成
となっている。ノズルプレート301は、金属、セラミ
ック、ガラス、樹脂などからなり、ノズル307を有
し、表面318には撥インク層を有する。隔壁302に
は、薄肉フィルムが使用されており、ノズルプレート3
01と隔壁302との間に固定されている。
【0024】また、ノズルプレート301と隔壁302
との間には、インク305を収容する複数のインクチャ
ンネル306と、各インクチャンネル306をインク供
給室308に連結するインクインレット309とが形成
されている。インク供給室308は図示しないインクタ
ンクに接続されており、インク供給室308内のインク
305はインクチャンネル306へと供給される。
【0025】振動板303には、各インクチャンネル3
06に対応した複数の圧電素子313が含まれる。振動
板303の加工は、まず、振動板303が配線部317
を有する基板304に絶縁接着剤で固定され、その後、
ダイシングによりセパレート溝315、316が形成さ
れ振動板303が分断されることにより行なわれる。ま
た、この分断によって各インクチャンネル306に対応
する圧電素子313と、隣接する圧電素子313との間
に位置する圧電素子柱部314と、これらを囲む周囲壁
310とが分離される。
【0026】基板304上の配線部317は、アースに
接続されヘッド3内のすべての圧電素子313に共通に
接続される共通電極側配線部311と、ヘッド3内の各
圧電素子313に個別に接続される個別電極側配線部3
12とを有する。この基板304上の共通電極側配線部
311は圧電素子313内の共通電極に接続され、個別
電極側配線部312は圧電素子313内の個別電極に接
続される。
【0027】これらのような構成のヘッド3の動作は、
インクジェットプリンタ1の制御部によってコントロー
ルされる。制御部のヘッド吐出駆動部105(図5参
照)からは、圧電素子313内部に設けられた共通電極
と個別電極との間に印字信号である所定のパルス電圧が
印加され、圧電素子313は隔壁302を押す方向に変
形する。圧電素子313の変形は隔壁302に伝えら
れ、これによりインクチャンネル306内のインク30
5が加圧される。そして、加圧されたインク305は、
ノズル307を介しインクドロップとして記録シート2
(図1参照)に向かって飛翔する。
【0028】図5は、インクジェットプリンタ1の制御
部の構成を説明するための図である。
【0029】全体を制御するCPU101は、必要に応
じて画像データを格納するRAM102を用い、ROM
103に記憶されているプログラムを実行する。データ
受信部104は、ホストコンピュータ等に接続され記録
すべき画像データを受信する。そして、ROM103に
記憶されるプログラムには、データ受信部104から読
み込まれる画像データに基づいて記録シート2上に画像
を記録するための部分と、必要な際にヘッド3のノズル
面を良好な状態に回復させるための部分とが主に含まれ
る。なお、記録シート2上へ画像が記録される際には、
データ受信部104から読み込まれる画像データに基づ
いて、ヘッド吐出駆動部105、ヘッド移動駆動部10
6、紙送りモータ駆動部107および各種センサ部10
9がCPU101により制御される。また、ヘッド3の
ノズル面を良好な状態に回復させる際には、回復系モー
タ駆動部108および各種センサ部109がCPU10
1により制御される。詳しくは、CPU101の制御に
基づいて、ヘッド吐出駆動部105は画像データに対応
するパルス電圧を印加することによりヘッド3の圧電素
子313を駆動し、ヘッド移動駆動部106はヘッド3
を保持するキャリッジ4を移動させる駆動モータ7を駆
動し、紙送りモータ駆動部107は紙送りローラを駆動
する。また、CPU101の制御に基づいて、回復系モ
ータ駆動部108は、ヘッド3のノズル面を良好な状態
に回復させるために必要なモータ等を駆動する。
【0030】図6は、ヘッド吐出駆動部105内部での
制御の概要を説明するための図である。
【0031】ヘッド吐出駆動部105では、CPU10
1からの指示に従って参照される画像データに対応し
て、パルス電圧の別を示す波形番号が波形番号選択部1
057によって選択され、ROM103のデータが参照
されつつ、波形番号に対応するパルス電圧の波形が波形
作成部1052によって作成される。この作成された波
形を有するパルス電圧は、ヘッド3内の圧電素子313
に印加される。
【0032】次に、インクジェットプリンタ1におけ
る、圧電素子313に印加した電圧の波形と、ノズル3
07から吐出され記録シート2上に着弾するインクドロ
ップの形状との関係について説明する。図7、図8は、
それぞれ、圧電素子313に印加されるパルス電圧の波
形の組、波形A、波形Bを示す図である。図7、図8で
は、パルス電圧の波形を、それぞれ縦軸を電圧、横軸を
電圧印加開始からの時間とする座標上に電圧印加開始時
間をそろえて表示し、パルス振幅が小さなものから順に
1〜8の数字をアルファベットAまたはBの後に付して
いる。
【0033】図7、図8における各波形は、それぞれ形
状が台形であり、圧電素子313に印加した電圧のパル
ス振幅によって、その立ち上がり速度および立ち下がり
速度がを変化させている。表1、表2に、図7、図8に
おける各波形のパルス振幅と、立ち上がり速度(Vr)
および立ち下がり速度(Vf)を示す。なお、立ち上が
り速度とは、パルス電圧の波形の立ち上がりでの時間の
増分に対する電圧の増分を意味し、立ち下がり速度と
は、パルス電圧の波形の立ち下がりでの、時間の増分に
対する電圧の減分を意味する。
【0034】
【表1】
【0035】
【表2】
【0036】表1および表2を参照して、本実施の形態
では、波形Aおよび波形Bのいずれにおいても、圧電素
子313に印加した電圧のパルス振幅が大きくなるほ
ど、VrおよびVfを小さくしている。また、波形Aの
方と波形Bでは、パルス振幅の変化に対するVrおよび
Vfの変化の割合を異ならせている。また、波形Aにつ
いてのVrおよびVfは、波形Bの同じパルス振幅につ
いてのVrおよびVfよりも、小さくしている。
【0037】図9に、図7および図8の各場合において
ノズル307から吐出され記録シート2上に着弾したイ
ンクのドット着弾径を、パルス振幅に対応させて示す。
なお、図9においては、図7の波形Aについてのデータ
は「○」で、図8の波形Bのついてのデータは「●」で
示している。また、図9の各データは、表3に示す条件
で測定されたものである。
【0038】
【表3】
【0039】図9を参照すると、波形A、波形Bのいず
れにおいても、パルス振幅が大きくなると、ドット着弾
径が大きくなっている。
【0040】なお、ここで、本発明の比較として、波形
Aおよび波形Bとは異なる特徴を有する波形のパルス電
圧を圧電素子313に印加した。図10、図11は、そ
れぞれ、比較として圧電素子に印加されるパルス電圧の
波形の組、波形C、波形Dを示す図である。なお、図1
0および図11においても、パルス電圧の波形を、それ
ぞれ縦軸を電圧、横軸を電圧印加開始からの時間とする
座標上に電圧印加開始時間をそろえて表示し、パルス振
幅が小さなものから順に1〜8の数字をアルファベット
CまたはDの後に付している。図10の波形Cにおいて
は、パルス振幅を変化させても、VrおよびVfを変化
させていない。また、図11の波形Dにおいては、パル
ス振幅によって、その立ち上がり速度および立ち下がり
速度を変化させている。表4、表5に、図10、図11
における各派系のパルス振幅と、VrおよびVfを示
す。
【0041】
【表4】
【0042】
【表5】
【0043】表5を参照して、波形Dでは、圧電素子3
13に印加した電圧のパルス振幅が大きくなるほど、V
rおよびVfを大きくしている。つまり、波形Cおよび
波形Dは、前述の波形Aおよび波形Bのように、圧電素
子313に印加した電圧のパルス振幅が大きくなるほ
ど、VrおよびVfが小さくなるものではない。
【0044】ここで、波形A、波形Bに基づいて着弾す
るインクドットと、波形C、波形Dに基づいて着弾する
インクのドットを比較するために、表3の条件に従っ
て、それぞれの波形に基づくインクのドット着弾径を1
00回測定した。図12は、波形Aおよび波形Bの、ま
た図13は、波形Cおよび波形Dの、それぞれについて
の径のばらつきを、パルス振幅に対応させて示す。な
お、図12において、波形Aについてのデータは「○」
で、波形Bについてのデータは「●」で示している。ま
た、図13において、波形Cについてのデータは「○」
で、波形Dについてのデータは「●」で示している。
【0045】図12および図13を参照して、測定を行
なったパルス振幅域では、全体的に、本発明に従った波
形Aおよび波形Bに基づいたドットは、比較例である波
形Cおよび波形Dに基づいたドットよりも、着弾径のば
らつきが小さくなっている。これは、本発明に従った波
形Aおよび波形Bに基づいた場合、電圧のパルスが大き
くなるほど飛翔するインクドロップの液速度が小さくな
るため、インクドロップが大きい場合でも、途中で割れ
てサテライト化やカーブ等を生じることがなくなったた
めであると考えられる。
【0046】なお、波形Aおよび波形Bに基づいたドッ
トは、比較例である波形Cおよび波形Dに基づいたドッ
トよりも、特にパルス振幅が20V以下の領域で、着弾
径のばらつきが小さくなっている。このように、パルス
振幅が比較的低い領域で、波形Aおよび波形Bと波形C
および波形Dとの間に着弾径のばらつきに差が生じるの
は、電圧パルスのパルス振幅が小さくなるほど飛翔する
インクドロップの液速度が大きくなる、すなわちインク
ドロップの大きさに応じてインクドロップの飛翔におけ
る適切な液速度が与えられるためである。つまり、従来
のように、インクドロップが小さくなっても、大きい場
合と同様またはそれ以下の液速度が与えられたために、
飛翔に十分な液速度が与えられず、インクドロップがカ
ーブ等を生じるという事態を回避できるためである。
【0047】つまり、本発明に従うと、インクジェット
プリンタ1におけるダイナミックレンジの全域につい
て、従来と比較して、記録シート2上のより正確な位置
にインクドットを着弾することができる。したがって、
本発明に従うと、ダイナミックレンジを拡大しつつ画像
品質を向上させることのできるインクジェット記録装置
を提供することができる。
【0048】なお、インクジェットプリンタ1のノズル
307付近では、圧電素子313の変形によりインク3
05を吐出した後、インクの波が起こる。このノズル3
07付近で起こる波が次回のインクの吐出までに消えな
い場合、次回に吐出するインクの体積が変動し、ドット
の着弾径の変動の原因となる場合がある。そこで、イン
クジェットプリンタ1では、この波をより早期に消滅さ
せるために、圧電素子313に、インクの吐出に対応し
たパルス電圧の直後であって、次回のインクの吐出に対
応したパルスの前に、波緩和用のパルス電圧を印加する
ことが好ましい。なお、この波緩和用のパルス電圧は、
ヘッド吐出駆動部105における処理を複雑にしないた
めにも、インクの吐出に対応したパルスと相似形である
ことが好ましい。
【0049】図14に、圧電素子313に印加されるパ
ルス電圧の波形であって、インクの吐出に対応したパル
ス波形と、波緩和用のパルス波形との一例をあわせて示
す。ここで、波緩和用のパルスの振幅は、大きすぎては
余計な波を生じさせてしまい、小さすぎては波を緩和す
る効果が発揮できない。そこで、波緩和用のパルスの振
幅は、およそ、インク吐出に対応したパルスの振幅の1
/5〜2/5であることが好ましい。
【0050】また、波緩和用パルス電圧の印加のタイミ
ングは、インク吐出に対応したパルス電圧の印加直後で
あってもよいし、印加後所定時間経過前に印加されても
よい。この所定時間とは、図14中のインク吐出に対応
したパルスの立ち上がりから立ち下がりまでの時間をT
とすると、おおよそ1.5×Tとすることができ、1×
Tであることが好ましい。なお、Tは、図14のパルス
電圧の立ち上がり,立ち下がりにおけるパルス振幅の1
/10の電圧を示す点を、Pu,Pdとした場合の、P
uからPdまでの時間である。
【0051】つまり、本実施の形態において、波緩和用
パルス電圧は、インク吐出に対応したパルス電圧の印加
直後から1.5×Tまで、好ましくは印加直後から1×
Tまでに印加される。そして、ここで波緩和用パルス電
圧の印加のタイミングを特定するのは、波緩和用パルス
電圧の印加が遅れると、ノズル307付近で発生した波
がインクチャンネル306からインク供給室308にま
で広がってしまうため、波緩和用パルス電圧を印加する
効果が無くなるためである。
【0052】今回開示された実施の形態は、すべての点
で例示であって制限的なものではないと考えられるべき
である。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許
請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意
味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における第1の実施の形態であるインク
ジェットプリンタ1の概略構成を示す斜視図である。
【図2】ヘッド3のノズルを有する面の平面図である。
【図3】図2のIII−III線断面図である。
【図4】図3のIV−IV線断面図である。
【図5】インクジェットプリンタ1の制御部の構成を説
明するための図である。
【図6】ヘッド吐出駆動部内部での制御の概要を説明す
るための図である。
【図7】本発明に従ったインクジェットプリンタにおい
て、圧電素子に印加される電圧パルスの波形の組、波形
Aを示す図である。
【図8】本発明に従ったインクジェットプリンタにおい
て、圧電素子に印加される電圧パルスの波形の組、波形
Bを示す図である。
【図9】本発明に従ったインクジェットプリンタにおい
て、ノズルから吐出され記録シート上に着弾したインク
のドット着弾径を、パルス振幅に対応させて示す図であ
る。
【図10】比較例に従ったインクジェットプリンタにお
いて、圧電素子に印加される電圧パルスの波形の組、波
形Cを示す図である。
【図11】比較例に従ったインクジェットプリンタにお
いて、圧電素子に印加される電圧パルスの波形の組、波
形Dを示す図である。
【図12】圧電素子に波形Aおよび波形Bのパルス電圧
を印加した場合のドット着弾径の100回測定時のばら
つきを、パルス振幅に対応させて示す図である。
【図13】圧電素子に波形Cおよび波形Dのパルス電圧
を印加した場合のドット着弾径の100回測定時のばら
つきを、パルス振幅に対応させて示す図である。
【図14】圧電素子に印加される、インクの吐出に対応
したパルス電圧の波形と、波緩和用のパルス波形を示す
図である。
【符号の説明】
1 インクジェットプリンタ 2 記録シート 3 ヘッド 101 CPU 106 ヘッド吐出駆動部 307 ノズル 313 圧電素子

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電素子にパルス電圧を印加する電圧印
    加部を含み、前記圧電素子にパルス電圧を印加すること
    によりインクチャンネル容積を変化させ前記インクチャ
    ンネル内のインクをヘッドから吐出させて記録を行なう
    インクジェット記録装置であって、 前記パルス電圧のパルス振幅が大きいほど、前記パルス
    電圧の立ち下がり速度および立上がり速度を小さくする
    ように制御する、インクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記電圧印加部は、前記圧電素子に、前
    記インクの吐出に対応したパルス電圧を印加する毎に、
    前記インクの吐出に対応せず、前記インクの吐出に対応
    したパルス電圧の波形に相似しかつ当該波形を縮小させ
    た波形のパルス電圧を印加する、請求項1に記載のイン
    クジェット記録装置。
JP5035998A 1997-01-13 1998-03-03 インクジェット記録装置 Pending JPH11245407A (ja)

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