JP4665466B2 - 液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッド - Google Patents

液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッド Download PDF

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Description

本発明は、液滴吐出ヘッドの駆動方法及び液滴吐出ヘッドにかかり、特に、圧電素子等のアクチュエータに矩形駆動波形を印加して液滴を吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法及び該液滴吐出ヘッドに関する。
液滴吐出装置として、従来より、圧電素子等によるアクチュエータを利用して、インクが充填された圧力室を体積変化(膨張・収縮)させ、これによる内部の圧力変化によって圧力室に連通して形成されたノズルからインク滴を吐出するインクジェット記録装置が知られている。
近年、上述のようなインクジェット記録装置の性能向上に伴い、ノズルの高密度化・多ノズル化が求められており、これに伴って、インク滴吐出に要する消費電力の増大、波形生成回路の大型化・高コスト化などが懸念される。これらを解決するために、駆動波形の形状を矩形形状とすることが提案されている。
このような矩形駆動波形を圧電素子等の電気機械変換素子に印加した場合には、回路の時定数によって決定される矩形駆動波形の立上げ、立ち下げ時間(電圧変動時間)によって液滴の吐出特性に影響を及ぼす。そこで、電圧変動時間の設定について特許文献1〜6に記載の技術が提案されている。
特許文献1に記載の技術では、液滴吐出を安定させるために、電圧変位時間を圧力波の固有周期の1/2以上に設定することが提案され、特許文献2に記載の技術では、液滴吐出後のメニスカスの残響を小さく押さえるために、電圧変位時間を圧力室内のインクの振動周期Tcに設定することが提案され、特許文献3に記載の技術では、時定数を圧電素子が構成する振動系の固有周期の逆数の整数倍の0.8〜1.2倍とすることが提案され、特許文献4に記載の技術では、同時に駆動する圧電素子の負荷変動を検知して、負荷に応じて波形を補正することで、波形の傾きを一定に抑えることが提案され、特許文献5に記載の技術では、圧電素子毎に印加すべき電圧値を記憶したメモリを持たせて、ノズル毎に電圧立上げ時間やパルス幅等を調整することが提案され、特許文献6に記載の技術では、吐出する液滴を微小化するために、電圧変動時間を圧力波の固有周期の1/2以下に設定することが提案されている。
特開2001−334659号公報 特開平07−144408号公報 特開平11−342602号公報 特開平09−187949号公報 特開2002−205397号公報 特許第3159188号
しかしながら、矩形駆動波形を生成する回路の時定数は、回路を構成する素子の抵抗値のばらつき、配線抵抗のばらつき、温度変化による抵抗値の変動と、圧電素子等の電気機械変換素子の製造ばらつきによる静電容量のばらつき等が掛け合わさってばらつきが発生するため、駆動波形の電圧変動時間にも大きなばらつきが発生することが予想される。
アナログ波形では、DAコンバータ等を用いて波形の傾きを決定し、また、波形のフィードバックを行うことで精度の高い駆動波形を実現していた。また、電圧変動時間を圧力波の固有周期Tcの1/2にすることで、波形のばらつきが吐出特性に与える影響を最小限にすることが可能であった。
また、従来の矩形波駆動においても、素子や電気機械変換素子そのもののばらつきを低減させ、波形の精度を高めたり、電圧変動時間を圧力波の固有周期の1/2することで波形のばらつきが吐出特性に与える影響を最小限にしていた。
アナログ波形では、DAコンバータの精度やコスト、回路の熱損失の面で無駄が多く、矩形駆動においても素子や電気機械変換素子の志度を高めるためには歩留りの低下を免れない。また、RC回路からなる矩形駆動波生成回路においては、電圧変動時間を圧力波の固有周期の1/2にするには、Rの値を必要以上に大きくする必要があり、消費電流の増加や実装面積の増加といった不具合がある。これらの問題は、昨今の印字スピードの向上や、それに伴う印字周波数の増加やノズル数の増加によって、より大きな問題として考慮する必要がある。
本発明は、上記事実を考慮して成されたもので、回路時定数のばらつきに影響を受けにくい矩形駆動波を得ることを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法は、電気機械変換素子に駆動信号を印加して当該電気機械変換素子を変形させることにより圧力室に圧力変化を生じさせ、圧力室内に充填された液体を圧力室と連通するノズルから液滴として吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、前記駆動信号として矩形駆動波を用い、前記液滴吐出ヘッドの固有周期をTc、前記電気機械変換素子の固有周期をTaとしたときに、前記矩形駆動波形の立上げ時間または立ち下げ時間からなる電圧変動時間のうち、少なくとも前記圧力室を収縮させる方向に電圧が変化するときの電圧変動時間tが、Ta/4<t<Tc/4となるように前記駆動信号を生成する回路の時定数を設定することを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、電気機械変換素子に印加する駆動信号として矩形駆動波を用いる。
ここで、矩形駆動波を生成する波形生成回路や電気機械変換素子のばらつきを考えると、矩形駆動波の電圧変動時間は10%程度ばらつくと考えられるが、電圧変動時間を10%変化させたときの滴体積のばらつきを測定した結果、電圧変動時間が短くなるほど滴体積のばらつきが小さくなることが分かった。
また、画質への影響を考えると、電圧変動時間は、液滴吐出ヘッドの固有周期Tcの1/4より小さくする必要があることがわかった。
しかしながら、電圧変動時間が電気機械変換素子の固有周期Taの1/4以下になると極端に滴速が低下する。
そこで、液滴吐出ヘッドの固有周期をTc、電気機械変換素子の固有周期をTaとしたときに、矩形駆動波形の立上げ時間または立ち下げ時間からなる電圧変動時間のうち、少なくとも前記圧力室を収縮させる方向に電圧が変化するときの電圧変動時間が、Ta/4<t<Tc/4となるように駆動信号を生成する回路の時定数を設定することによって、回路時定数のばらつきに影響を受けにくい矩形駆動波を得ることができる。
なお、電圧変動時間は、請求項2に記載の発明のように、好ましくはTa/2<t<Tc/8となるように駆動信号を生成する回路の時定数を設定する方がよい。
また、請求項3に記載の発明のように、電圧変動時間は、電圧変動時間の立上げ時間及び立ち下げ時間がそれぞれTa/4<t<Tc/4になるように設定するようにしてもよい。
また、駆動信号として3値の電圧レベルを有する矩形駆動波を用いる場合には、時定数が一定の時には、最も大きな電位差が生じる部分の電圧変動時間が最も長い時間となり、画質、吐出効率及び電気機械変換素子寿命の全ての面において不利となると共に、最も大きな電位差を生じる部分では、大きな滴径の液滴を吐出する時であるので、記録画像の欠陥を最も認識しやすい。従って、請求項4に記載の発明のように、最も大きな電位差が生じる部分の電圧変動時間を上記範囲になるように、駆動信号を生成する回路の時定数を設定するようにしてもよい。
請求項5に記載の液滴吐出ヘッドは、液滴が充填される圧力室と、前記圧力室と連通するノズルと、駆動信号が印加されると変形して、前記圧力室に圧力波を発生させ、充填された液滴を前記ノズルから液滴として吐出させる電気機械変換素子と、前記電気機械変換素子を請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号を印加する駆動回路と、を含むことを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、圧力室に液滴が充填され、ノズルが圧力室に連通している。また、電気機械変換素子に駆動信号が印加されると電気機械変換素子が変形して、圧力室に圧力波が発生し、圧力室に充填された液体がノズルから液滴として吐出される。
そして、駆動回路では、電気機械変換素子に対して、請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号が印加される。従って、上述したように、回路時定数のばらつきに影響を受けにくい矩形駆動波で液滴吐出ヘッドを駆動することができる。
以上説明したように本発明によれば、駆動信号として矩形駆動波を用いて、液滴吐出ヘッドの固有周期Tc、電気機械変換素子の固有周期Taとしたときに、電圧変動時間tが、Ta/4<t<Tc/4となるように駆動信号を生成する回路の時定数を設定することにより、回路時定数のばらつきに影響を受けにくい矩形駆動波を得ることができる、という効果がある。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。なお、本実施の形態は、本発明をインクジェット記録装置に適用したものである。
図1は、本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置の1ノズルあたりのヘッド構造を示す図である。
ヘッド10は、インクタンク12、供給路14、圧力室16、ノズル18、及び電気機械変換素子としての圧電素子20を有している。
インクタンク12には、インクが充填され、インクタンク12に充填されたインクは、供給路14を介して圧力室16に充填され、圧力室16に連通したノズル18にインクが供給される。
圧力室16の壁面の一部は振動板16Aからなり、該振動板16Aにピエゾ素子等の圧電素子20が設けられており、圧電素子20によって振動板16Aを変形させて振動させることで、圧力室16内に圧力波が発生する。すなわち、圧電素子20の振動によって発生する圧力波によって、圧力室16内に充填されたインクがノズル18から吐出され、圧力室16には供給路14を介してインクタンク12からインクが補充されるようになっている。
ノズル18は、例えば、記録紙幅方向に複数配列した記録ヘッドとすることで、記録紙幅方向の画像を記録し、記録紙と記録ヘッドとを相対的に移動することで記録紙に画像を記録することができる。
図2は、本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置のヘッドを駆動する駆動回路を示す図である。
図2に示すように、駆動回路40は、シフトレジスタ42と、ラッチ回路44と、セレクタ46と、レベルシフタ48と、ドライバ50と、が半導体基板30上に構成されている。
コントローラ22から出力されたクロック信号及び選択信号はシフトレジスタ42に入力され、ラッチ信号はラッチ回路44に入力される。
選択信号は、第一波形又は第二波形を選択するための信号であり、第一波形選択信号42A、第二波形選択信号42Bからなるシリアル信号である。第一波形選択信号42A、第二波形選択信号42Bは、各々「0」又は「1」となる1ビットデータを示す信号である。第一波形選択信号42Aは、第一波形を選択するときに「1」となり、第一波形を選択しない時に「0」となる信号である。また、同様に、第二波形選択信号42Bは、第二波形を選択するときに「1」となり、第二波形を選択しないときには「0」となる信号である。
すなわち、選択信号は、第一波形を選択する場合には「10」、第二波形を選択する場合には、「01」の2ビットシリアルデータとなる。このような選択信号が、各圧電素子20の数だけ連続してシフトレジスタ42に入力される。
なお、以下では、1つの圧電素子20に駆動波形を供給する場合について説明するが、他の圧電素子20についても同様であるので、説明を省略する。
シフトレジスタ42は、入力された2ビットシリアルデータである選択信号を2ビットのパラレルデータに変換してラッチ回路44へ出力する。
ラッチ回路44は、シフトレジスタ42から出力されたパラレルデータをラッチ信号の入力に応じてラッチする。
セレクタ46には、コントローラ22から第一波形及び第二波形が選択対象信号として入力されると共に、ラッチ回路44によってラッチされた選択信号のパラレルデータがセレクト端子に入力される。従って、セレクタ46は、第一波形及び第二波形から選択信号によって選択が指示されたものを選択して出力することになる。
セレクタ46の波形信号の出力端子はレベルシフタ48に接続されており、セレクタ46から出力された波形信号はレベルシフタ48によってレベル変換されて出力される。なお、レベルシフタ48には、図示しない第3電源から所定電圧レベルHVDDの電力が供給されており、レベルシフタ48では、選択信号によって選択された波形信号を、電圧レベルHVDDに応じた電圧レベルまでレベル変換する。
一方、ドライバ50は、第1信号生成回路52と、第2信号生成回路54とが備えられている。本実施の形態に係わる第1信号生成回路52は、PMOS52AとNMOS52Bを直列に接続して構成したインバータ回路として構成されており、同様に、第2信号生成回路54もまた、PMOS54AとNMOS54Bを直列接続して構成したインバータ回路として構成されている。
すなわち、第1信号生成回路52は、PMOS52AとNMOS52Bのドレイン同士が接続されると共に、PMOS52AとNMOS52Bのゲートが接続されている。同様に、第2信号生成回路54も、PMOS54AとNMOS54Bのドレイン同士が接続されると共に、PMOS54AとNMOS54Bのゲートが接続されている。
ここで、第1信号生成回路52におけるPMOS52Aのソースには、図示しない第一電源からの所定電圧レベルHV1とされた電力が供給されると共に、NMOS52Bのソースは接地されてグランドレベルとされている。また、PMOS52A及びNMOS52Bの各ゲートにはレベルシフタ48の一方の出力端子が接続されており、セレクタ46によって選択された一対の波形信号の一方で、かつレベルシフタ48によってレベル変換された波形信号S1が入力される。
従って、第1信号生成回路52では、レベルシフタ48から入力された波形信号S1の信号レベルがハイレベルである場合はPMOS52Aがオフ状態でNMOS52Bがオン状態となるため、出力される電圧の電圧レベルはグランドレベルとなる。これに対して、レベルシフタ48から入力された波形信号S1の信号レベルがローレベルである場合はPMOS52Aがオン状態でNMOS52Bがオフ状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは電圧レベルHV1となる。この結果、第1信号生成回路52から出力される電圧は、波形がレベルシフタ48から入力された波形信号S1の反転波形と同一で、かつ電圧レベルとしてグランドレベル及び電圧レベルHV1の2つを有するものとなる。
一方、第2信号生成回路54におけるPMOS54Aのソースには、図示しない第二電源からの所定電圧レベルHV2とされた電力が供給されると共に、NMOS54Bのソースには、第1信号生成回路52におけるPMOS52A及びNMOS52Bの接続点(ドレイン)が接続されている。従って、NMOS54Bのソースには、第1信号生成回路52のインバータ出力が印加されることになる。更に、PMOS54A及びNMOS54Bの各ゲートにはレベルシフタ48の他方の出力端子が接続されており、セレクタ46によって選択された一対の波形信号の他方で、かつレベルシフタ48によってレベル変換された波形信号S2が入力される。
従って、第2信号生成回路54では、レベルシフタ48から入力された波形信号S2の信号レベルがハイレベルである場合はPMOS54Aがオフ状態でNMOS54Bがオン状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは第1信号生成回路52から出力された電圧と同様のもの(波形がレベルシフタ48から入力されている波形信号の反転波形と同一で、かつ電圧レベルがグランドレベル及び電圧レベルHV1の2つを有するもの)となる。これに対し、レベルシフタ48から入力された波形信号S2の信号レベルがローレベルである場合はPMOS54Aがオン状態でNMOS54Bがオフ状態となるため、出力される電圧の電圧レベルは電圧レベルHV2となる。この結果、第2信号生成回路54から出力される電圧は、レベルシフタ48から入力された一対の波形信号S1、S2に応じて第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54から各々出力される電圧を組み合わせた、電圧レベルとしてグランドレベル、電圧レベルHV1、及び電圧レベルHV2の3値となる。
例えば、駆動波形の電圧レベルを電圧レベルHV2としたい場合は、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルを電圧レベルHV2にするようにする。従って、この場合には、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2をローレベルとすればよい。なお、この場合は第1信号生成回路52の出力は第2信号生成回路54の出力に影響を与えることはないので、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1のレベルは制限されない。
一方、駆動波形の電圧レベルを電圧レベルHV1としたい場合は、第1信号生成回路52からの出力波形の電圧レベルを電圧レベルHV1にすると共に、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルも電圧レベルHV1にする必要がある。従って、この場合には、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1をローレベルにすると共に、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2をハイレベルにする必要がある。
更に、駆動波形の電圧レベルをグランドレベルとしたい場合は、第1信号生成回路52からの出力波形の電圧レベルをグランドレベルにすると共に、第2信号生成回路54からの出力波形の電圧レベルもグランドレベルにする必要がある。従って、この場合には、第1信号生成回路52に入力する波形信号S1をハイレベルにすると共に、第2信号生成回路54に入力する波形信号S2もハイレベルにする必要がある。
表1には、ドライバ50の動作を示す真理値表が示されている。なお、同表におけるS1は第1信号生成回路52に入力される波形信号を示し、S2は第2信号生成回路54に入力される波形信号を示し、OUTは第2信号生成回路54から対応する圧電素子20に供給される駆動波形の電圧レベルを示す。
Figure 0004665466
第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54の各々に入力すべき波形信号S1、S2を生成させる際には、表1に示される真理値表に基づき、最終的に所望の駆動波形が得られるように一対の第一波形及び第二波形を生成し、駆動回路40に供給すればよい。
本実施の形態に係るインクジェット記録装置では、圧電素子20の駆動によって吐出されるインク滴の吐出量の種類として、「大滴」及び「小滴」の2種類が適用されており、コントローラ22では、当該2種類の吐出量の各々に対応する駆動波形を生成することができる2組の波形信号として、第一波形及び第二波形が各々生成され、駆動回路40に入力されるように構成されている。
なお、本実施の形態に係るインクジェット記録装置では、図示しない第3電源から供給される電力の電圧レベルHVDDと第二電源から供給される電力の電圧レベルHV2との関係を(電圧レベルHVDD≧電圧レベルHV2)とし、電圧レベルHV2と図示しない第一電源から供給される電力の電圧レベルHV1との関係を(電圧レベルHV2>電圧レベルHV1)としている。
ところで、このような駆動回路40では、駆動回路40の時定数により、駆動波形の立上げ、立ち下げ時間(電圧変動時間)が決定されるが、駆動回路40や圧電素子20のばらつきによる吐出特性のばらつきが問題となる。そこで、立上げ、立ち下げ時間(電圧変動時間)のばらつきに対してロバスト性の高い駆動波形を設計することが必須となる。
ここで、駆動回路40における最適な時定数を求めるための実験を行った。図3は、電圧変動時間tを10%変化させたときの吐出滴体積のばらつきを示すグラフであり、図4は、電圧変動時間に対する滴速の変化を示すグラフである。なお、図3では、電圧変動時間は、ヘッド10の固有周期Tcを1とした時の電圧変動時間を示し、図4では、電圧変動時間は、圧電素子20の固有周期Ta(ヘッド10にインク充填されていない時の固有周期)を1とした時の電圧変動時間を示す。
波形生成回路(上述の第1信号生成回路52や第2信号生成回路54)のばらつきや圧電素子20のばらつきなどを考慮すると、電圧変動時間tは±10%程度ばらつくと考えられる。電圧変動時間を10%変化させたときには、図3に示すように、電圧変動時間tが短くなるほど滴体積のばらつきが小さくなることが分かる。
普通紙でビジネス文書などを印字する場合には、滴体積のばらつきが4%以内であることが望まれ、光沢紙で写真画質を印字する場合には、滴体積のばらつきが2%以内であることが望まれる。従って、図3に示すように、電圧変動時間がヘッド10の固有周期Tcの1/4より小さいときに、滴体積のばらつきが4%程度になり、普通紙でビジネス文書を印字する場合にはほとんど気になる画質欠陥を生じなくなる。
さらに、電圧変動時間がヘッド10の固有周期Tcの1/8より小さくすると、図3に示すように、滴体積のばらつきが2%程度に収まり、光沢紙で写真画質を出力しても画質に影響を及ぼさなくなる。なお、上記結果を表2に普通紙ビジネス文書と光沢紙写真画質の画質欠陥の有無を示す。表2では、「×」は画質欠陥有りを示し、「○」は画質欠陥無しを示す。
Figure 0004665466
一方、電圧を一定にして電圧変動時間tを短くしていくと、滴速の変化は、図4に示すようになり、圧電素子の固有周期Taに対して、電圧変動時間がTa/4以下になると極端に滴速が低下することが分かる。
また、一般的に、圧力室16内にインクが充填されていない場合は、圧電素子20の固有周期Taの1/2以下の電圧変動時間で波形を印加すると、圧電素子20が励振して壊れやすくなる。従って、吐出効率と圧電素子20の寿命の観点から見ると表3に示すような結果となる。表3では、「×」は問題あり、「○」は問題無しを示す。
Figure 0004665466
以上のように、実験の結果、電圧変動時間が短ければ短いほど、ばらつきが吐出に与える影響が小さくなることが明らかになった。より具体的には、ヘッド10の固有周期Tcの1/4以下にすることが望ましく、さらには写真画質までを考えると、1/8以下であればよいことが分かった。
しかしながら、吐出効率や圧電素子20の寿命の面で考えると、電圧変動時間が短すぎると不具合が生じることが明らかになった。具体的には、圧電素子20の固有周期Taに対して、電圧変動時間を固有周期Taの1/4以下にすると駆動波形に対して圧電素子が追従しきれないため十分な音響が発生せず、吐出不良が発生することが明らかになった。また、電圧変動時間を圧電素子20の固有周期Taの1/2以下にすると、何らかの原因で圧力室16内にインクが充填されていない場合に、圧電素子20が励振して破壊される恐れがある。
従って、電圧変動時間をTa/4<t<Tc/4となるように駆動回路40の時定数を設定することによって、回路時定数のばらつきの影響を受けにくい、最適な矩形駆動波を得ることができる。
また、電圧変動時間をTa/2<t<Tc/8となるように駆動回路40の時定数を設定する方がより好ましい。
なお、電圧変動時間として立上げと立ち下げ時間をそれぞれ異なる時定数を設定することができる場合には、圧力室16を収縮する方向、すなわち吐出する際の電圧変動時間の方が特に吐出特性への影響が大きいため、少なくとも圧力室16を収縮する方向の電圧変動時間を上記の範囲に設定すればよい。
また、3値の電圧レベルを持った矩形駆動波を考えた場合には、時定数が一定の時には、最も大きな電位差が生じる部分の電圧変動時間が最も長い時間となり、画質、吐出効率及び圧電素子寿命の全ての面において不利となると共に、最も大きな電位差を生じる部分では、大きな滴径の液滴を吐出する時であるので、記録画像の欠陥を最も認識しやすい。従って、少なくとも最も大きな電位差が生じる部分の電圧変動時間を上記の範囲に設定すればよい。
詳細には、本実施の形態に係わる駆動回路40における電圧変動時間の上記範囲への設定は、波形の電圧変動時間が回路の時定数によって決定されるので、本実施の形態では、第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54におけるトランジスタ(PMOS52A、NMOS52B、PMOS54A、及びNMOS54B)と圧電素子20の静電容量によって決定される。従って、本実施の形態に係わる駆動回路40における第1信号生成回路52及び第2信号生成回路54のトランジスタサイズを任意に設定することで電圧変動時間を設定することができる。
例えば、電圧変動時間を短くするためには、トランジスタのサイズを大きくしてオン抵抗を小さくし、逆に電圧変動時間を長くするためには、トランジスタのサイズを小さくしてオン抵抗を大きくすることで、電圧変動時間が上述した範囲になるように設定する。
なお、立上げと立ち下げで電圧変動時間を異ならせるためには、PMOS52AとNMOS52B(またはPMOS54AとNMOS54B)のオン抵抗の値を異なる値とすればよい。また、電位差によって電圧変動時間を異ならせるためにはPMOS52AとPMOS54A(またはNMOS52BとNMOS54B)のオン抵抗を異なる値とすればよい。
なお、上記の実施の形態では、大滴と小滴の2種類の滴径変調を行う例を説明したが、3種類以上の滴径変調を行うようにしてもよい。例えば、3種類の滴径変調を行う場合には、コントローラ22で更に第三波形を生成することによって3種類の滴径変調を行うことが可能となる。
本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置の1ノズルあたりのヘッド構造を示す図である。 本発明の実施の形態に係わるインクジェット記録装置のヘッドを駆動する駆動回路を示す図である。 電圧変動時間tを10%変化させたときの吐出滴体積のばらつきを示すグラフである。 電圧変動時間に対する滴速の変化を示すグラフである。
符号の説明
10 ヘッド
16 圧力室
18 ノズル
20 圧電素子
40 駆動回路
52 第1信号生成回路
52A、54A PMOS
52B、54B NMOS
54 第2信号生成回路

Claims (5)

  1. 電気機械変換素子に駆動信号を印加して当該電気機械変換素子を変形させることにより圧力室に圧力変化を生じさせ、圧力室内に充填された液体を圧力室と連通するノズルから液滴として吐出する液滴吐出ヘッドの駆動方法であって、
    前記駆動信号として矩形駆動波を用い、
    前記液滴吐出ヘッドの固有周期をTc、前記電気機械変換素子の固有周期をTaとしたときに、前記矩形駆動波形の立上げ時間または立ち下げ時間からなる電圧変動時間のうち、少なくとも前記圧力室を収縮させる方向に電圧が変化するときの電圧変動時間tが、Ta/4<t<Tc/4となるように前記駆動信号を生成する回路の時定数を設定することを特徴とする液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  2. 前記電圧変動時間tが、Ta/2<t<Tc/8となるように前記駆動信号を生成する回路の時定数を設定することを特徴とする請求項1に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  3. 前記電圧変動時間は、前記電圧変動時間の立上げ時間及び立ち下げ時間がそれぞれTa/4<t<Tc/4になるように設定ることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  4. 前記電圧変動時間は、前記駆動信号として3値の電圧レベルを有する矩形駆動波を用いた場合、最も大きな電位差が生じる部分の電圧変動時間であることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法。
  5. 液滴が充填される圧力室と、
    前記圧力室と連通するノズルと、
    駆動信号が印加されると変形して、前記圧力室に圧力波を発生させ、充填された液滴を前記ノズルから液滴として吐出させる電気機械変換素子と、
    前記電気機械変換素子を請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の液滴吐出ヘッドの駆動方法で駆動信号を印加する駆動回路と、
    を含む液滴吐出ヘッド。
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