JP2003094656A - 液体噴射装置 - Google Patents

液体噴射装置

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JP2003094656A
JP2003094656A JP2001296422A JP2001296422A JP2003094656A JP 2003094656 A JP2003094656 A JP 2003094656A JP 2001296422 A JP2001296422 A JP 2001296422A JP 2001296422 A JP2001296422 A JP 2001296422A JP 2003094656 A JP2003094656 A JP 2003094656A
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droplet
pressure chamber
ejection
drive pulse
liquid
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JP2001296422A
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Tomoaki Takahashi
智明 高橋
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Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 用途に応じた最適な吐出条件で液滴を吐出可
能な液体噴射装置を提供する。 【解決手段】 主制御部19は、吐出対象物の種類や吐
出対象物までの距離に応じて液滴の重量や飛行速度を可
変する。吐出対象物の認識は、噴射ヘッド1の上流側に
設けたCCDカメラからの撮像データに基づいて行い、
吐出対象物までの噴射距離は、噴射ヘッド1の上流側に
設けた距離センサからの測距データに基づいて行う。ま
た、主制御部19による液滴の重量や飛行速度の可変
は、駆動信号発生部18が発生する駆動パルスの波形を
調整することで行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体を液滴として
吐出可能な噴射ヘッドを備えた液体噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】液体状のインク(以下、インク液と称す
る。)を記録ヘッドからインク滴として吐出すること
で、記録紙上に画像や文字等の記録を行うインクジェッ
ト式記録装置がよく知られている。このインクジェット
式記録装置は、例えば、圧力室内のインク液に圧力変動
を生じさせ、圧力室に連通したノズル開口からインク滴
を吐出させる。最近、このインクジェット式記録装置の
応用として、インク液以外の液体を液滴として吐出させ
る液体噴射装置が開発されている。
【0003】この液体噴射装置の一種に、吐出対象物の
表面に文字や記号等を記録するマーキング装置がある。
このマーキング装置は、記号やバーコード等の製品情報
を製品の表面に記録したり、缶詰の表面に製造年月日を
記録したりするものである。また、マーキング装置に
は、ゴルフボールの表面にイニシャル等を記録したり、
包装用箱の表面にロゴ等を印刷したりするものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のイン
クジェット式記録装置では、使用されるインク液の物
性、例えば、粘度や表面張力は予め定められている。ま
た、インク液を吐出する吐出対象物(記録紙等)、及
び、記録ヘッドから吐出対象物までの距離も予め定めら
れている。従って、インク滴を吐出させるための吐出条
件についてはある程度規定でき、吐出条件を大きく変更
する必要はなかった。
【0005】しかし、上記の液体噴射装置には、液滴の
重量を可変したいという要望がある。例えば、材質が異
なる吐出対象物にマーキング装置で記録する場合であ
る。即ち、吐出対象物が、段ボール製の包装用箱、化粧
箱、缶詰めといったように複数種類あった場合、マーキ
ング面の材質によって液体の浸透度合いが相違するの
で、その材質に適した液滴重量を設定することが好まし
い。
【0006】また、液滴の飛行速度を可変したいという
要望もある。例えば、噴射ヘッドから吐出対象物までの
距離を管理できない場合、即ち、ゴルフボールや缶詰を
吐出対象物としてその湾曲表面にマーキング装置で記録
する場合である。この場合、噴射ヘッドから吐出対象物
までの距離を一定に保ちつつ記録を行うことは困難であ
る。このため、噴射ヘッドから吐出対象物までの距離が
多少ばらついても液滴が着弾するように吐出条件を設定
する必要がある。例えば、吐出対象物までの飛行距離が
最も長い場所を基準とし、この場所でも正常に着弾し得
るように液滴の飛行速度を設定する必要がある。そし
て、表面の湾曲度合い等は吐出対象物毎に相違するの
で、その吐出対象物に適した飛行速度を設定することが
好ましい。
【0007】また、液滴の着弾位置および量を高い精度
でコントロールしたいという要望もある。例えば、マー
キング装置によって二次元バーコードを記録する場合で
ある。この場合、バーコードの微細パターンを正確に塗
り分ける必要があり、液滴の重量や着弾位置に高い精度
が要求される。従って、この場合にも、バーコードの記
録に適した量や飛行速度を設定することが好ましい。
【0008】さらに、この液体噴射装置で吐出する液体
は吐出対象物に応じて相違し、その物性も同一とは限ら
ない。このため、液体の物性を考慮して吐出条件を設定
する必要もある。
【0009】このように、インクジェット記録装置の技
術を単に適用しただけでは、液体噴射装置として十分な
性能は得られなかった。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、用途に応じた最適な吐出条件で液滴を吐出
可能な液体噴射装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために提案されたものであり、請求項1に記載の
ものは、ノズル開口に連通した圧力室と該圧力室内の液
体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子とを備え、圧
力発生素子の作動によって圧力室内の液体をノズル開口
から液滴として吐出可能な噴射ヘッドと、上記圧力発生
素子へ供給するための駆動パルスを発生可能な駆動パル
ス発生手段と、該駆動パルスの波形形状を調整可能な波
形調整手段とを有する液体噴射装置において、前記波形
調整手段を、吐出される液滴の飛行速度を一定に保ちつ
つ液滴の量を可変する第1波形調整手段によって構成し
たことを特徴とする液体噴射装置である。
【0012】請求項2に記載のものは、ノズル開口に連
通した圧力室と該圧力室内の液体に圧力変動を生じさせ
得る圧力発生素子とを備え、圧力発生素子の作動によっ
て圧力室内の液体をノズル開口から液滴として吐出可能
な噴射ヘッドと、上記圧力発生素子へ供給するための駆
動パルスを発生可能な駆動パルス発生手段と、該駆動パ
ルスの波形形状を調整可能な波形調整手段とを有する液
体噴射装置において、前記波形調整手段を、吐出される
液滴の量を一定に保ちつつ液滴の飛行速度を可変する第
2波形調整手段によって構成したことを特徴とする液体
噴射装置である。
【0013】請求項3に記載のものは、吐出対象物の種
類を認識可能な対象物認識手段を備え、前記波形調整手
段は、対象物認識手段による認識結果に基づいて駆動パ
ルスの波形形状を調整することを特徴とする請求項1又
は請求項2に記載の液体噴射装置である。
【0014】請求項4に記載のものは、噴射ヘッドから
吐出対象物までの噴射距離を測定可能な噴射距離測定手
段を備え、前記波形調整手段は、噴射距離測定手段によ
る測定結果に基づいて駆動パルスの波形形状を調整する
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴
射装置である。
【0015】請求項5に記載のものは、前記圧力発生素
子は、圧力室の容積を変動可能な電気機械変換素子であ
ることを特徴とする請求項1から請求項4の何れかに記
載の液体噴射装置である。
【0016】請求項6に記載のものは、前記駆動パルス
は、定常容積の圧力室を液滴を吐出させない程度の速度
で膨張させる膨張要素と、圧力室の膨張状態を保持する
膨張ホールド要素と、膨張状態が保持された圧力室を急
激に収縮させることで液滴を吐出させる吐出要素とを含
む第1駆動パルスであり、波形調整手段は、第1駆動パ
ルスにおける最大電位から最低電位までの駆動電圧、及
び、定常容積に対応する中間電位を調整することを特徴
とする請求項5に記載の液体噴射装置である。なお、
「中間電位」とは、定常状態における圧力室の容積(定
常容積)を規定する電位であり、最低電位と最大電位の
間に設定される。
【0017】請求項7に記載のものは、前記駆動パルス
は、定常容積の圧力室を液滴を吐出させない程度の速度
で膨張させる膨張要素と、圧力室の膨張状態を保持する
膨張ホールド要素と、膨張状態が保持された圧力室を急
激に収縮させることで液滴を吐出させる吐出要素とを含
む第1駆動パルスであり、波形調整手段は、第1駆動パ
ルスにおける最大電位から最低電位までの駆動電圧、及
び、膨張ホールド要素の時間幅を調整することを特徴と
する請求項5に記載の液体噴射装置である。
【0018】請求項8に記載のものは、前記駆動パルス
は、定常容積の圧力室を液滴を吐出させない程度の速度
で膨張させる膨張要素と、圧力室の膨張状態を保持する
膨張ホールド要素と、膨張状態が保持された圧力室を急
激に収縮させることで液滴を吐出させる吐出要素とを含
む第1駆動パルスであり、波形調整手段は、第1駆動パ
ルスにおける最大電位から最低電位までの駆動電圧、及
び、膨張要素の時間幅を調整することを特徴とする請求
項5に記載の液体噴射装置である。
【0019】請求項9に記載のものは、前記駆動パルス
は、メニスカスを圧力室側に大きく引き込むべく定常容
積の圧力室を急激に膨張させる第2膨張要素と、圧力室
を収縮させることで第2膨張要素により引き込まれたメ
ニスカスの中心部分を液滴として吐出させる第2吐出要
素とを含む第2駆動パルスであり、波形調整手段は、第
2駆動パルスにおける最大電位から最低電位までの駆動
電圧、及び、定常容積に対応する中間電位を調整するこ
とを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置である。
なお、「メニスカス」とは、ノズル開口で露出している
液体の自由表面のことである。
【0020】請求項10に記載のものは、前記駆動パル
スは、メニスカスを圧力室側に大きく引き込むべく定常
容積の圧力室を急激に膨張させる第2膨張要素と、圧力
室を収縮させることで第2膨張要素により引き込まれた
メニスカスの中心部分を液滴として吐出させる第2吐出
要素とを含む第2駆動パルスであり、波形調整手段は、
第2駆動パルスにおける最大電位から最低電位までの駆
動電圧、及び、第2吐出要素の終端電位を調整すること
を特徴とする請求項5に記載の液体噴射装置である。
【0021】請求項11に記載のものは、前記駆動パル
ス発生手段を、単位周期内に複数の駆動パルスを発生可
能に構成し、単位周期あたりの圧力発生素子への駆動パ
ルスの供給数を可変することにより、液滴の吐出量を調
整可能としたことを特徴とする請求項1から請求項10
の何れかに記載の液体噴射装置である。
【0022】請求項12に記載のものは、前記駆動パル
ス発生手段を、駆動パルスの発生周期を可変可能に構成
し、圧力発生素子への駆動パルスの供給周期を可変する
ことにより、液滴の吐出量を調整可能としたことを特徴
とする請求項1から請求項10の何れかに記載の液体噴
射装置である。
【0023】請求項13に記載のものは、前記電気機械
変換素子が圧電振動子であることを特徴とする請求項5
から請求項12の何れかに記載の液体噴射装置である。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、液
体噴射装置の一種であるマーキング装置を例に挙げて説
明する。まず、図1〜図4に基づいて、マーキング装置
の基本構成について説明する。
【0025】図1に例示したマーキング装置は、液体を
微小な液滴の状態で吐出可能な噴射ヘッド1と、噴射ヘ
ッド1に供給する液体を貯留可能な液体貯留部2と、噴
射ヘッド1を移動させる際の駆動源となるキャリッジモ
ータ3と、噴射ヘッド1から吐出された液滴を捕集して
重量を測定する重量測定部4と、噴射ヘッド1から吐出
された飛行中の液滴を検出位置にて検出可能なレーザー
検出部5と、噴射ヘッド1の作動を電気的に制御する制
御装置6と、制御装置6に対して必要な情報を入力する
ための情報入力部7とを備えている。
【0026】上記の液体貯留部2は、液体を貯留可能で
あれば任意の構成を採り得る。本実施形態の液体貯留部
2は、吐出させる液体を容器内に封入した液体パック8
と、この液体パック8を収納可能な保持ケース9とを備
え、収納された液体パック8と噴射ヘッド1との間を供
給チューブ10で連通している。このため、封入した液
体の種類が異なる複数種類の液体パック8…を適宜選択
して保持ケース9に収納することにより、噴射ヘッド1
へ供給する液体の種類を変えることができる。また、上
記の供給チューブ10としては、噴射ヘッド1に供給す
る液体に適合させて種々のものが使えるが、例えば、シ
リコンチューブ等の可撓性を有する樹脂製チューブが好
適に用いられる。さらに、保持ケース9には、液体パッ
ク8をパックの外側から加圧する加圧機構(図示せず)
を設けてある。この加圧機構を作動させると、液体パッ
ク8に貯留された液体が加圧されるので、液体を噴射ヘ
ッド側に押し出すことができる。これにより、液体を噴
射ヘッド1に確実に供給することができる。
【0027】上記のキャリッジモータ3は、例えば、タ
イミングベルトやプーリー(何れも図示せず)等と共に
噴射ヘッド1の走査機構を構成する。本実施形態のキャ
リッジモータ3はパルスモータによって構成されてお
り、制御装置6から供給されるパルス(移動制御情報,
DRV)に応じて噴射ヘッド1を位置制御しつつ移動さ
せる。なお、このキャリッジモータ3は、噴射ヘッド1
を走査せずに位置を固定して用いる場合には不要とな
る。
【0028】上記の重量測定部4は、飛行特性測定手段
の一部であって、液滴重量測定手段の一部を構成する。
この重量測定部4は、液滴の重量が測定可能であれば任
意の構成を取り得る。本実施形態では、液滴を捕集可能
な捕集部11を備え、この捕集部11に捕集された液滴
の重量を測定する構成である。上記の捕集部11には、
液滴が浸透可能な捕集シート11aを取り付けてあり、
噴射ヘッド1から吐出された液滴を確実に捕集できるよ
うに構成している。そして、液滴の重量を測定する際に
は、この捕集シート11aを噴射ヘッド1のノズルプレ
ート16(図2参照)に対向させて配置する。この場合
において、噴射ヘッド1の表面から捕集シート11a表
面までの距離は、液滴の飛行可能範囲に応じて適宜に設
定できるが、本実施形態では2mmに設定している。
【0029】ところで、上記の噴射ヘッド1から吐出さ
れる液滴は、1滴が数ピコリットル(pL)程度の極く
少量である。このため、1滴の重量も数ナノグラム(n
g)程度であり、1滴毎に重量を測定することは困難で
ある。そこで、重量測定部4で液滴の重量を測定する際
には、複数の液滴をノズル開口から吐出させ、その重量
を測定するようにしている。例えば、1つのノズル列に
属する全てのノズル開口12…(図2参照)から10
0,000発の液滴を吐出させ、全体の重量を測定す
る。
【0030】この重量測定部4は、制御装置6の重量算
出部13と電気的に接続されている。そして、液滴重量
の測定結果は、測定情報(WGT)として重量算出部1
3に送出される。この重量算出部13は、重量測定部4
と共に液滴重量測定手段として機能するものであり、後
述するように、液滴重量の測定情報から液滴の1滴あた
りの重量を算出する。このような方法を採ると、極く少
量の液滴であっても高い精度で重量を測定できる。
【0031】上記のレーザー検出部5は、飛行特性測定
手段の一部であって飛行速度測定手段の一部を構成す
る。このレーザー検出部5は、レーザー光線を発生可能
なレーザー光源14とレーザー光線の受光状態に応じて
所定レベルの検出信号(DTC)を出力可能なレーザー
受光素子15とを含んでいる。このレーザー検出部5
は、検出位置Pにて液滴の飛行軌跡とレーザー光線とが
交差するように配置されている。このため、液滴が検出
位置Pを通過すると、レーザー受光素子15からの検出
信号は、液滴の通過期間に亘ってレベルが変化する。従
って、この検出信号のレベルを監視することで液滴の通
過を認識することができる。そして、レーザー光源14
からのレーザー光線は、直線性に優れ、且つ、光線の径
も極めて細く絞ることができる。このため、極く少量の
液滴を確実に検出することができる。
【0032】本実施形態では、レーザー光源14とレー
ザー受光素子15の組を1組とし、レーザー光線の照射
方向(光軸方向)が、ノズル列の方向とノズルプレート
16の表面方向の双方に平行になるように配設してい
る。また、上記の検出位置Pは、噴射ヘッド1と重量測
定部4との間であって、ノズル開口12(ノズルプレー
ト表面)から所定距離、例えば、1mm離隔した場所に
設定している。
【0033】このレーザー検出部5は、液滴の飛行速度
を測定する際に用いられる。例えば、噴射ヘッド1から
液滴が吐出された時点を起点とし、この液滴が検出位置
Pを通過するまでの経過時間を測定すると、得られた経
過時間は液滴の飛行時間を意味する。この場合におい
て、ノズル開口12から検出位置Pまでの距離は既知で
あるので、飛行時間から液滴の飛行速度を算出できる。
この飛行速度の算出は、後述するように、制御装置6の
飛行速度算出部17によってなされる。即ち、この飛行
速度算出部17は、レーザー検出部5と共に飛行速度測
定手段として機能する。
【0034】上記の情報入力部7は、制御装置6に必要
な情報が入力できればどのような構成であっても良い。
例えば、マーキング対象物(本発明の吐出対象物の一
種)の種類を認識するためのCCDカメラ(本発明の対
象物認識手段の一部,後述する。)や、噴射ヘッド1か
らマーキング対象物までの距離を測定するための距離セ
ンサ(本発明の噴射距離測定手段の一部,後述する。)
によって構成される。また、情報入力部7に、キーボー
ド,マウス,タッチパネル,スイッチ等の情報入力手段
を含ませてもよい。
【0035】上記の制御装置6は、噴射ヘッド1に供給
するための駆動信号を発生する駆動信号発生部18と、
CPU・ROM・RAM等(何れも図示せず)を含んで
構成された主制御部19と、レーザー受光素子15から
の検出信号に基づいて液滴の飛行速度を算出する飛行速
度算出部17と、重量測定部4からの測定情報に基づい
て1滴の液滴重量を算出する重量算出部13とを備えて
いる。
【0036】駆動信号発生部18は、本発明における駆
動パルス発生手段の一種である。この駆動信号発生部1
8が発生する駆動信号は、例えば、図5に示す信号であ
り、所定量の液滴を噴射ヘッド1のノズル開口12から
吐出させるための駆動パルス(PS1〜PS3)を、噴
射周期T内に複数含んでいる。そして、駆動信号発生部
18は、この駆動信号を噴射周期T毎に繰り返し発生す
る。なお、この駆動信号については、後で詳しく説明す
る。
【0037】上記の主制御部19は、このマーキング装
置における制御を行うものであり、例えば、液滴の噴射
制御に関する噴射データ(SI)を生成したり、キャリ
ッジモータ3を制御するための移動制御情報(DRV)
を生成したりする。また、主制御部19は、噴射ヘッド
1の制御用信号(CK,LAT,CH)を生成したり、
駆動信号発生部18へ出力する波形情報(DAT)を生
成したりする。
【0038】上記の噴射データは、液滴を噴射するか否
か、及び噴射する場合の噴射量を示すデータであり、本
実施形態では2ビットのデータで構成される。この噴射
データは、単位領域当たりの噴射状態を4段階に分けて
表す。例えば、液滴を噴射しない非噴射、少量の液滴を
噴射する噴射1、中量の液滴を噴射する噴射2、及び、
多量の液滴を噴射する噴射3の4段階の状態を表す。そ
して、非噴射は噴射データ(00)で表され、噴射1は
噴射データ(01)で表される。また、噴射2は噴射デ
ータ(10)で表され、噴射3は噴射データ(11)で
表される。
【0039】噴射ヘッド1の制御用信号は、例えば、動
作クロックとしてのクロック信号(CK)、噴射データ
のラッチタイミングを規定するラッチ信号(LAT)、
及び、駆動信号内の各駆動パルスの供給開始タイミング
を規定するチャンネル信号(CH)によって構成され
る。従って、主制御部19は、これらのクロック信号,
ラッチ信号,チャンネル信号を噴射ヘッド1に対して適
宜出力する。
【0040】波形情報(DAT)は、駆動信号発生部1
8が発生する駆動信号の波形形状を規定する。即ち、駆
動信号発生部18は、この波形情報で定められた形状の
駆動信号(駆動パルス)を発生する。そして、主制御部
19は、後述するように、重量算出部13からの液滴の
重量情報や飛行速度算出部17からの液滴の飛行速度情
報等に基づいて駆動パルスの波形形状を調整する。即
ち、この主制御部19は、本発明の波形調整手段として
も機能する。
【0041】飛行速度算出部17は、飛行速度測定手段
の一部を構成し、飛行時間計測手段としても機能する。
【0042】本実施形態では、主制御部19からのラッ
チ信号やチャンネル信号をトリガにして計時を開始し、
レーザー検出部5からの検出信号が液滴の検出を示した
場合(レベル変化があった場合)に計時を終了して仮飛
行時間を取得する。そして、取得した仮飛行時間から補
正時間を減算することで飛行時間を算出する。即ち、ラ
ッチ信号やチャンネル信号が供給された時点と実際にノ
ズル開口12から液滴が吐出される時点とには時間差が
あり、この時間差はほぼ一定である。このため、ラッチ
信号等の供給開始時点から液滴吐出までの時間差を補正
時間とし、上記の仮飛行時間から減算することでノズル
開口12から吐出された液滴がレーザー検出部5に検出
されるまでの飛行時間を算出できる。
【0043】次に、飛行速度算出部17は、上記の飛行
時間から飛行速度を算出する。即ち、ノズル開口12か
ら検出位置Pまでの飛行距離を、取得した飛行時間で除
算する。そして、飛行速度算出部17は、算出した飛行
速度を飛行速度情報として主制御部19に送信する。主
制御部19は、受信した飛行速度情報をRAMの記憶領
域(速度情報記憶手段)に記憶する。
【0044】重量算出部13は、上記したように、液滴
重量測定手段の一部を構成し、液滴の1滴あたりの重量
を算出する。
【0045】本実施形態では、まず、液滴吐出前におけ
る吐出前測定情報と、各ノズル開口12から所定回数
(例えば、100,000発)の液滴を吐出させた際の
吐出後測定情報とをそれぞれ取得する。次に、吐出後測
定情報から吐出前測定情報を減算することで吐出総重量
を算出する。この吐出総重量を延べ吐出回数(即ち、ノ
ズル開口数×吐出回数)で除算することにより、1滴の
重量を算出する。例えば、ノズル開口12…の数が50
個,1つのノズル開口当たりの吐出回数が100,00
0回,吐出総重量が75mgであった場合を考える。こ
の場合、1滴の重量は75mg/(50×100,00
0)で算出されるので、15ngとなる。
【0046】そして、重量算出部13は、算出した液滴
重量を重量情報として主制御部19に送信する。主制御
部19は、受信した重量情報をRAMの記憶領域(重量
情報記憶手段)に記憶する。
【0047】次に、上記の噴射ヘッド1について詳細に
説明する。まず、噴射ヘッド1の構造について説明す
る。
【0048】例示した噴射ヘッド1は、例えば、図2に
示すように、複数の圧電振動子21…を櫛歯状に形成し
た振動子群22、この振動子群22が接合される固定板
23、及び、各圧電振動子21…に給電するフレキシブ
ルケーブル24等をユニット化した振動子ユニット25
と、この振動子ユニット25を収納可能なケース26
と、ケース26の先端面に接合される流路ユニット27
とを備えている。
【0049】上記の圧電振動子21は、本発明の圧力発
生素子の一種であって、電気機械変換素子(即ち、電気
エネルギーを運動エネルギーに変換可能な素子)の一種
である。この圧電振動子21は、例えば、30μm〜1
00μm程度の極めて細い幅の櫛歯状に切り分けられて
いる。例示した圧電振動子21は、圧電体と内部電極と
を交互に積層して構成された積層型の圧電振動子であっ
て、電界方向に直交する縦方向に伸縮可能な縦振動モー
ドの圧電振動子21である。そして、各圧電振動子21
…は、基端側部分が固定板23の上に接合されており、
自由端部を固定板23の縁よりも外側に突出させた片持
ち梁の状態で取り付けられている。また、各圧電振動子
21…の先端面は、流路ユニット27の島部28に当接
固定されており、フレキシブルケーブル24は、固定板
23とは反対側となる振動子群22の側面で、各圧電振
動子21…と電気的に接続されている。
【0050】流路ユニット27は、図3に示すように、
流路形成基板31を間に挟んでノズルプレート16を流
路形成基板31の一方の表面に配置し、弾性板32をノ
ズルプレート16とは反対側となる他方の表面に配置し
て積層することで構成されている。
【0051】ノズルプレート16は、ドット形成密度に
対応したピッチで複数のノズル開口12…を列状に開設
したステンレス鋼製の薄いプレートである。本実施形態
では、180dpiのピッチで50個のノズル開口12
…を列設し、これらのノズル開口12…によってノズル
列を構成する。
【0052】流路形成基板31は、ノズルプレート16
の各ノズル開口12…に対応させて圧力室33となる空
部を形成するとともに、液体供給口34および共通液室
35となる空部を形成した板状の部材である。
【0053】圧力室33は、ノズル開口12の列設方向
(ノズル列方向)に対して直交する方向に細長い室であ
り、堰部で区画された偏平な凹室で構成されている。そ
して、この堰部により流路幅の狭い狭窄部の形で、液体
供給口34が形成されている。また、圧力室33内にお
ける共通液室35から最も離れた位置には、ノズル開口
12と圧力室33とを連通するノズル連通口36を板厚
方向に貫通させて設ける。
【0054】弾性板32は、ステンレス製の支持板37
上にPPS(ポリフェニレンサルファイド)等の樹脂フ
ィルム38をラミネート加工した二重構造である。そし
て、圧力室33に対応した部分の支持板37を環状にエ
ッチング加工して島部28を形成し、共通液室35に対
応する部分の支持板37をエッチング加工で除去して樹
脂フィルム38だけにしている。
【0055】上記の構成を有する噴射ヘッド1では、駆
動信号発生部18からの駆動信号を選択的に圧電振動子
21に供給することで圧電振動子21の充放電が行われ
る。そして、圧電振動子21を放電すると、圧電振動子
21が振動子長手方向に伸長し、島部28がノズルプレ
ート16側に押圧される。これにより、ダイヤフラム部
を構成する樹脂フィルム38が変形して圧力室33が収
縮する。一方、圧電振動子21を充電すると、圧電振動
子21は振動子長手方向に収縮し、樹脂フィルム38の
弾性によって圧力室33が膨張する。そして、圧力室3
3の膨張や収縮を制御することで圧力室33内の液体圧
力に変化を与えることができ、ノズル開口12から液滴
を吐出することができる。
【0056】次に、この噴射ヘッド1の電気的構成につ
いて説明する。図4に示すように、この噴射ヘッド1
は、噴射データがセットされるシフトレジスタ41,4
2と、シフトレジスタ41,42にセットされた噴射デ
ータをラッチするラッチ回路43,44と、ラッチ回路
43,44でラッチされた噴射データをパルス選択デー
タに翻訳するデコーダ45と、タイミング信号を出力す
る制御ロジック46と、電圧増幅器として機能するレベ
ルシフタ47と、圧電振動子21に対する駆動信号の供
給を制御するスイッチ回路48と、圧電振動子21とを
備えている。
【0057】シフトレジスタ41,42は、第1シフト
レジスタ41及び第2シフトレジスタ42から構成され
る。そして、第1シフトレジスタ41には、全てのノズ
ル開口12…に関する下位ビット(ビット0)の噴射デ
ータがセットされ、第2シフトレジスタ42には、全て
のノズル開口12…に関する上位ビット(ビット1)の
噴射データがセットされる。
【0058】ラッチ回路43,44は、第1ラッチ回路
43及び第2ラッチ回路44から構成される。そして、
第1ラッチ回路43は第1シフトレジスタ41に電気的
に接続され、第2ラッチ回路44は第2シフトレジスタ
42に電気的に接続されている。従って、これらのラッ
チ回路43,44にラッチ信号が入力されると、第1ラ
ッチ回路43は第1シフトレジスタ41にセットされた
下位ビットの噴射データをラッチし、第2ラッチ回路4
4は第2シフトレジスタ42にセットされた上位ビット
の噴射データをラッチする。
【0059】各ラッチ回路43,44でラッチされた噴
射データはデコーダ45に入力される。このデコーダ4
5は、パルス選択データ生成手段として機能し、2ビッ
トの噴射データを翻訳して複数ビットのパルス選択デー
タを生成する。本実施形態では、図5や図12に示すよ
うに、駆動信号発生部18は、噴射周期T内に3つの駆
動パルス(PS1〜PS3,PS4〜PS6)が含まれ
た駆動信号を生成するので、デコーダ45は3ビットの
パルス選択データを生成する。即ち、液滴を噴射しない
噴射データ(00)を翻訳してパルス選択データ(00
0)を生成し、少量の液滴を噴射する噴射データ(0
1)を翻訳してパルス選択データ(010)を生成す
る。同様に、中量の液滴を噴射する噴射データ(10)
を翻訳してパルス選択データ(101)を生成し、多量
の液滴を噴射する噴射データ(11)を翻訳してパルス
選択データ(111)を生成する。
【0060】制御ロジック46は、主制御部19からの
ラッチ信号(LAT)やチャンネル信号(CH)に基づ
いてタイミング信号を生成し、この生成したタイミング
信号をデコーダ45に供給する。即ち、制御ロジック4
6は、ラッチ信号やチャンネル信号を受信する毎にタイ
ミング信号を生成してデコーダ45に供給する。そし
て、デコーダ45は、このタイミング信号を受信する毎
に、3ビットのパルス選択データを上位ビット側から順
にレベルシフタ47に入力する。
【0061】このレベルシフタ47は、電圧増幅器とし
て機能し、パルス選択データが(1)の場合には、スイ
ッチ回路48を駆動できる電圧、例えば数十ボルト程度
の電圧に昇圧された電気信号を出力する。
【0062】レベルシフタ47で昇圧された(1)のパ
ルス選択データは、スイッチ回路48に供給される。こ
のスイッチ回路48の入力側には、駆動信号発生部18
からの駆動信号(COM)が供給されており、スイッチ
回路48の出力側には圧電振動子21が接続されてい
る。印字データは、スイッチ回路48の作動を制御す
る。例えば、スイッチ回路48に加わるパルス選択デー
タが(1)である期間中は、駆動信号が圧電振動子21
に供給され、この駆動信号に応じて圧電振動子21は変
形する。一方、スイッチ回路48に加わるパルス選択デ
ータが(0)の期間中は、レベルシフタ47からはスイ
ッチ回路48を作動させる電気信号が出力されず、圧電
振動子21へは駆動信号が供給されない。なお、圧電振
動子21はコンデンサの様に振る舞うので、圧電振動子
21の電位は、パルス選択データが(0)の期間中にお
いて遮断直前の電位を保持し続ける。
【0063】次に、このマーキング装置における液滴の
噴射制御について説明する。
【0064】まず、駆動信号発生部18が発生する駆動
信号について説明する。図5に例示した駆動信号は、比
較的多い量の液滴を吐出可能な標準駆動信号である。こ
の標準駆動信号は、噴射周期T内に3つの標準駆動パル
ス(第1標準駆動パルスPS1,第2標準駆動パルスP
S2,第3標準駆動パルスPS3)を含み、これらの各
標準駆動パルスPS1〜PS3を所定間隔毎に発生して
いる。
【0065】これらの標準駆動パルスPS1〜PS3
は、本発明の第1駆動パルスの一種であり、何れも同じ
波形形状のパルス信号によって構成されている。即ち、
図6に示すように、これらの標準駆動パルスPS1〜P
S3は、中間電位VMから最大電位VHまで液滴を吐出
させない程度の一定勾配で電位を上昇させる膨張要素P
1と、最大電位VHを所定時間保持する膨張ホールド要
素P2と、最大電位VHから最低電位VLまで急勾配で
電位を下降させる吐出要素P3と、最低電位VLを所定
時間保持する収縮ホールド要素P4と、最低電位VLか
ら中間電位VMまで電位を上昇させる制振要素P5とを
含んでいる。なお、制振要素P5は第1復帰要素の一種
であり、圧力室33を定常状態に復帰させる。
【0066】これらの標準駆動パルスPS1〜PS3を
圧電振動子21に供給すると、各標準駆動パルスPS1
〜PS3が供給される毎に所定量(例えば15ng)の
液滴がノズル開口12から吐出される。
【0067】即ち、膨張要素P1の供給に伴って圧電振
動子21が大きく収縮し、圧力室33は、中間電位VM
に対応する定常容積から最大電位VHに対応する最大容
積まで膨張する。この膨張に伴って圧力室33内が減圧
され、共通液室の35の液体が液体供給口34を通って
圧力室33内に流入する。この圧力室33の膨張状態は
膨張ホールド要素P2の供給期間に亘って維持される。
続いて、吐出要素P3が供給されて圧電振動子21が大
きく伸長し、圧力室33は最小容積まで急激に収縮す
る。この収縮に伴い、圧力室33内の液体が加圧されて
ノズル開口12から所定量の液滴が吐出される。吐出要
素P3に続いて収縮ホールド要素P4が供給されるの
で、圧力室33の収縮状態が維持される。そして、圧力
室33の収縮状態において、メニスカス(ノズル開口1
2で露出している液体の自由表面)は、液滴の吐出の影
響を受けて大きく振動する。その後、メニスカスの振動
を抑制し得るタイミングで制振要素P5が供給され、圧
力室33が定常容積まで膨張復帰する。即ち、圧力室3
3内の液体圧力を相殺すべく、圧力室33を膨張させて
液体圧力を減圧する。これにより、メニスカスの振動を
短時間で抑制することができ、次の液滴の吐出を安定さ
せることができる。
【0068】そして、1つの噴射周期T内で供給する標
準駆動パルスの数を変えることで、液滴の噴射量を単位
領域毎(噴射周期T毎)に設定することができる。例え
ば、噴射周期T内において第2標準駆動パルスPS2の
みを圧電振動子21に供給することで、単位領域内に例
えば15ngの液滴を吐出させることができる。また、
噴射周期T内において第1標準駆動パルスPS1と第3
標準駆動パルスPS3とを圧電振動子21に供給するこ
とで、単位領域内に例えば30ngの液滴を吐出させる
ことができる。さらに、噴射周期T内において各標準駆
動パルスPS1〜PS3を圧電振動子21に供給するこ
とで、単位領域内に例えば45ngの液滴を吐出させる
ことができる。
【0069】この液滴の噴射制御は、上記のパルス選択
データに基づいて行われる。即ち、パルス選択データが
(000)の場合には、第1標準駆動パルスPS1に対
応する第1発生期間T1、第2標準駆動パルスPS2に
対応する第2発生期間T2、及び、第3標準駆動パルス
PS3に対応する第3発生期間T3の何れにおいてもス
イッチ回路48はOFF状態とされる。このため、圧電
振動子21には各標準駆動パルスPS1〜PS3が供給
されない。そして、パルス選択データが(010)の場
合には、第2発生期間T2においてスイッチ回路48が
ON状態となり、第1発生期間T1、及び、第3発生期
間T3においてはスイッチ回路48がOFF状態とな
る。このため、圧電振動子21には第2標準駆動パルス
PS2のみが供給される。また、パルス選択データが
(101)の場合には、第1発生期間T1、及び、第3
発生期間T3においてスイッチ回路48がON状態とな
り、第2発生期間T2においてはスイッチ回路48がO
FF状態となる。このため、圧電振動子21には第1標
準駆動パルスPS1と第3標準駆動パルスPS3とが供
給される。同様に、パルス選択データが(111)の場
合には、第1発生期間T1〜第3発生期間T3の各期間
においてスイッチ回路48がON状態となり、圧電振動
子21には各標準駆動パルスPS1〜PS3が供給され
る。
【0070】ところで、この種のマーキング装置におい
ては、液滴の最適な吐出条件、例えば、液滴の量や飛行
速度が、マーキング対象物の種類や噴射ヘッド1からマ
ーキング対象物までの距離等によって変わる。
【0071】例えば、段ボール箱と化粧箱と缶詰とで
は、それぞれ材質が異なり、マーキング用のインク液に
対する浸透性も異なる。例えば、段ボール箱の表面は繊
維が露出しておりインク液の浸透性は高く滲みやすい
が、化粧箱の表面はコーティング処理やラミネート処理
等によって艶出し加工されているためインク液の浸透性
は低く滲み難い。一方、缶詰の表面は金属であり、イン
ク液に対する浸透性はない。このため、段ボール箱への
記録時には滲みを考慮してインク滴(液滴)の量を減ら
し、化粧箱への記録時には液滴の量を増やし、何れの場
合にも、所定の大きさのドットを記録できるようにす
る。また、缶詰への記録時には、インク滴の量を少なく
し、インク液がたれてしまう不具合を防止する。
【0072】また、マーキング対象物までの位置ばらつ
きがある場合には、ノズル開口12からマーキング対象
物までの飛行距離に応じて速度を可変する。例えば、設
定基準位置を設定し、マーキング対象物までの距離がこ
の設定基準位置と一致している場合には基準の飛行速度
でインク滴(液滴)を吐出させる。一方、マーキング対
象物までの距離が設定基準位置よりも短かい場合には、
基準の飛行速度よりも遅い飛行速度でインク滴を吐出さ
せ、設定基準位置よりも長い場合には、基準の飛行速度
よりも速い飛行速度でインク滴を吐出させる。これによ
り、マーキング対象物までの位置ばらつきに拘わらず、
インク滴を確実に着弾できるようにする。また、マーキ
ング対象物が設定基準位置よりも近い位置であった場合
には、速度過多によるインクミストの発生を防止する。
【0073】以上の点に着目し、本実施形態では、上記
の主制御部19を本発明の波形調整手段として機能さ
せ、マーキング対象物の種類やマーキング対象物までの
距離等に基づいて各標準駆動パルスPS1〜PS3の波
形形状を調整する。即ち、単位領域内における噴射量の
調整は主に各標準駆動パルスの圧電振動子21への供給
数で行い、液滴の噴射特性の調整や微小な吐出量の調整
は波形形状の設定で行っている。これにより、噴射量の
調整幅を拡げることができると共に噴射量の精度向上が
図れ、さらに噴射特性の最適化も図れる。以下、主制御
部19による波形形状の調整について説明する。
【0074】まず、図7に基づいて、各標準駆動パルス
PS1〜PS3の駆動電圧(最大電位VHから最低電位
VLまでの電位差)と液滴の吐出特性との関係について
説明する。
【0075】ここで、図7は、駆動電圧を調整した場合
の吐出特性の変化であり、(a)は駆動電圧を変化させ
た際の液滴の飛行速度の変化を示し、(b)は駆動電圧
を変化させた際の液滴の重量の変化を示す。なお、駆動
電圧を設定するにあたり、最低電位VLと各波形要素
(P1〜P5)の時間幅は変えず、最大電位VHを変更
した。また、中間電位VMは駆動電圧に対応させて変更
した。また、図7(a)において、黒丸を付した実線が
メイン液滴を示し、白丸を付した点線がサテライト液滴
(メイン液滴に付随して飛行する液滴)を示す。また、
三角を付した一点鎖線が第2サテライト液滴(サテライ
ト液滴に付随して飛行する液滴)を示す。
【0076】この図7から判るように、駆動電圧の大き
さと、液滴の飛行速度及び重量とは、互いに正比例(係
数は正)の関係にあるといえる。即ち、駆動電圧を大き
くすると液滴の飛行速度は速くなり、液滴の重量も増え
る(つまり、液滴の吐出量が増える)。例えば、駆動電
圧が20Vの場合、メインドットの飛行速度は約3m/
sであり、重量は約9ngである。また、駆動電圧が2
9Vの場合、飛行速度は約7m/sであり、重量は約1
5.5ngである。さらに、駆動電圧が35Vの場合、
飛行速度は約10m/sであり、重量は約20.5ng
である。
【0077】これは、駆動電圧の増減により圧力室33
の容積の変化幅が変わったためと考えられる。即ち、駆
動電圧を基準の電圧よりも高めると、膨張時と収縮時と
の容積差が基準時よりも大きくなる。このため、多くの
液体を圧力室33内から排除することができ、吐出重量
が増える。また、吐出要素P3の時間幅は変わらないの
で、液滴吐出時における圧力室33の収縮速度が高ま
り、液滴を高速で吐出できる。反対に、駆動電圧を低く
設定すると、膨張時と収縮時との容積差が基準時よりも
小さくなる。このため、圧力室33内から排除する液体
の量が少なくなって、吐出重量が減る。また、圧力室3
3の収縮速度も低くなるので、液滴の飛行速度も低くな
る。
【0078】なお、図7(a)を見ると、駆動電圧が2
6V以上になると、液滴は、メイン液滴とサテライト液
滴とに分かれて飛行する。さらに、駆動電圧が32V以
上になると、上記のサテライト液滴に加えて第2サテラ
イト液滴が出現する。
【0079】これらのサテライト液滴及び第2サテライ
ト液滴の飛行速度は、図7(a)の測定範囲では、駆動
電圧の大きさにあまり影響を受けない。例えば、サテラ
イト液滴の飛行速度は、駆動電圧を26Vに設定すると
約5m/sであり、駆動電圧を29V,32Vに設定す
ると約4m/sである。さらに、駆動電圧を35Vに設
定すると約6m/sとなる。第2サテライト液滴につい
ては、駆動電圧を32V,35Vに設定した場合におい
て略等しく、何れも約4m/sである。
【0080】以上から、駆動電圧の設定により、吐出す
る液滴の飛行速度と重量を同時に増減できることが判
る。また、サテライト液滴や第2サテライト液滴の発生
を制御できることも判る。
【0081】次に、各標準駆動パルスPS1〜PS3の
中間電位VMと液滴の吐出特性との関係について説明す
る。
【0082】上記したように、この中間電位VMは、圧
力室33の定常容積を規定するものである。そして、上
記の圧電振動子21は、電位の上昇(充電)に伴って収
縮して圧力室33を膨張させ、電位の下降(放電)に伴
って伸長して圧力室33を収縮させるので、基準よりも
中間電位VMを高く設定すると、定常容積は基準容積
(基準の中間電位VMに対応する圧力室33の容積)よ
りも膨張する。一方、基準よりも中間電位VMを低く設
定すると、定常容積は基準容積よりも収縮する。
【0083】ここで、中間電位VMだけを変更した場合
には、最大電位VHは中間電位VMの変更前と変更後と
で同じとなる。このため、中間電位VMを基準よりも高
く設定すると、中間電位VMから最大電位VHまでの電
位差が基準の中間電位VMに設定した場合よりも小さく
なり、圧力室33の膨張代も少なくなる。一方、中間電
位VMを基準よりも低く設定すると、中間電位VMから
最大電位VHまでの電位差が基準の中間電位VMに設定
した場合よりも大きくなり、圧力室33の膨張代も多く
なる。この膨張代は、圧力室33内への液体の流入量を
規定する。即ち、膨張代が基準よりも多いと共通液室3
5から圧力室33内に流入する液体の量が基準の量より
も多くなり、膨張代が基準よりも少ないと共通液室35
から圧力室33内に流入する液体の量が基準量よりも少
なくなる。
【0084】また、中間電位VMだけを変更した場合に
は、膨張要素P1の時間幅(供給時間)も中間電位VM
の変更前後で同じとなる。このため、基準よりも中間電
位VMを高く設定すると、膨張要素P1を圧電振動子2
1に供給した際において、圧力室33の膨張速度が遅く
なる。一方、基準よりも中間電位VMを低く設定する
と、圧力室33の膨張速度は速くなる。
【0085】圧力室33の膨張代は、膨張要素P1の供
給直後における圧力室33内の液体圧力に影響を及ぼ
す。即ち、膨張代が少なければ膨張要素P1の供給直後
において圧力室33内の液体圧力は定常状態の圧力に近
いままであるので、液体の流入量が少なく流入速度も遅
くなり、圧力室33内の液体の圧力振動は小さい。反対
に、膨張代が多ければ、膨張要素P1の供給直後におい
て圧力室33内の液体圧力は大きく低下するので、液体
の流入量が多くなると共に流入速度が速くなり、圧力室
33内の液体の圧力振動が大きくなる。この圧力振動が
正圧になるタイミングに合わせて吐出要素P3を供給し
て圧力室33を収縮させると、吐出要素P3の電位差や
傾きが同じであっても液滴の飛行速度を高くできるし、
液滴の重量を増やすことができる。
【0086】この場合において、飛行速度は、中間電位
VMの変化に対して比較的大きく変化する。一方、液滴
の重量は、中間電位VMの変化に対する変化が比較的小
さい。これは、液滴の重量は、主として駆動電圧(吐出
要素P3の電位差)、即ち、圧力室33の収縮量によっ
て規定されるためと考えられる。従って、上記の駆動電
圧と中間電位VMとを組み合わせて適宜設定すること
で、液滴の飛行速度を一定に保ちつつ、液滴の重量を変
えることができる。
【0087】例えば、液滴の飛行速度を7m/sに設定
すると、駆動電圧及び中間電位VMと液滴の重量との関
係は、図8(a)に示すようになる。この図8(a)よ
り、駆動電圧を31.5Vに中間電位VMを駆動電圧の
20%(つまり、最低電位VLから6.3V高い電位)
にそれぞれ設定すると、約16.5ngの液滴を吐出で
きることが判る。また、駆動電圧を29.7Vに中間電
位VMを駆動電圧の40%にそれぞれ設定すると、約1
5.3ngの液滴を吐出できることが判る。さらに、駆
動電圧を28.0Vに中間電位VMを駆動電圧の60%
にそれぞれ設定すると、約13.6ngの液滴を吐出で
きることが判る。
【0088】また、駆動電圧と中間電位VMとを適宜設
定することにより、液滴の重量を一定に保ちつつ、液滴
の飛行速度を変えることもできる。
【0089】例えば、液滴の重量を15ngに設定する
と、駆動電圧及び中間電位VMと液滴の飛行速度との関
係は、図8(b)に示すようになる。この図8(b)よ
り、駆動電圧を29.2Vに中間電位VMを駆動電圧の
20%(つまり、最低電位VLから5.9V高い電位)
にそれぞれ設定すると、液滴の飛行速度を約6.1m/
sに設定できることが判る。また、駆動電圧を29.0
Vに中間電位VMを駆動電圧の40%にそれぞれ設定す
ると、液滴の飛行速度を約6.8m/sに設定できるこ
とが判る。さらに、駆動電圧を30.6Vに中間電位V
Mを駆動電圧の60%にそれぞれ設定すると、液滴の飛
行速度を約8.1m/sに設定できることが判る。
【0090】次に、各標準駆動パルスPS1〜PS3の
膨張要素P1の時間幅(Pwc1)と液滴の吐出特性と
の関係について説明する。
【0091】この膨張要素P1の時間幅は、圧力室33
の定常容積から最大容積への膨張速度を規定する。そし
て、膨張要素P1の時間幅に拘わらず、膨張要素P1の
始端電位を中間電位VMに終端電位を最大電位VHにそ
れぞれ定めると、基準よりも時間幅を短く設定すること
で膨張要素P1の傾斜が急峻になり、圧力室33の膨張
速度は基準よりも速くなる。一方、基準よりも時間幅を
長く設定すると膨張要素P1の傾斜が緩やかになり、圧
力室33の膨張速度は基準よりも遅くなる。
【0092】この膨張速度の違いは、膨張要素P1の供
給直後における圧力室33内の液体圧力に影響を及ぼ
す。即ち、膨張速度が基準よりも遅ければ、膨張要素P
1の供給直後において液体圧力の変動は小さくなり、液
体の圧力室33内への流入速度も遅くなる。一方、膨張
速度が基準よりも速ければ、膨張要素P1の供給直後に
おいて圧力室33内の液体圧力は大きく低下して圧力振
動が大きくなり、液体の圧力室33内への流入速度も速
くなる。従って、この圧力振動が正圧になるタイミング
に合わせて吐出要素P3を供給して圧力室33を収縮さ
せると、吐出要素P3の電位差や傾きが同じであっても
液滴の飛行速度を高くできるし、液滴の重量を増やすこ
とができる。
【0093】なお、この場合においても中間電位VMの
場合と同様に、飛行速度は膨張要素P1の時間幅の変化
に対して比較的大きく変化するが、液滴の重量は膨張要
素P1の時間幅の変化に対する変化量が比較的小さい。
従って、上記の駆動電圧と膨張要素P1の時間幅とを適
宜設定することにより、液滴の飛行速度を一定に保ちつ
つ、液滴の重量を変えることができる。
【0094】例えば、液滴の飛行速度を7m/sに設定
すると、駆動電圧及び膨張要素P1の時間幅と液滴の重
量との関係は、図9(a)に示すようになる。この図9
(a)より、駆動電圧を27.4Vに膨張要素P1の時
間幅を2.5マイクロ秒(μs)にそれぞれ設定する
と、約15.3ngの液滴を吐出できることが判る。ま
た、駆動電圧を29.5Vに膨張要素P1の時間幅を
3.5μsにそれぞれ設定すると、約16.0ngの液
滴を吐出できることが判る。さらに、駆動電圧を25.
0Vに膨張要素P1の時間幅を6.5μsにそれぞれ設
定すると、約11.8ngの液滴を吐出できることが判
る。
【0095】また、駆動電圧と膨張要素P1の時間幅と
を適宜設定することにより、液滴の重量を一定に保ちつ
つ、液滴の飛行速度を変えることもできる。
【0096】例えば、液滴の重量を15ngに設定する
と、駆動電圧及び膨張要素P1の時間幅と液滴の飛行速
度との関係は、図9(b)に示すようになる。この図9
(b)より、駆動電圧を26.8Vに膨張要素P1の時
間幅を2.5μsにそれぞれ設定すると、液滴の飛行速
度を約6.7m/sに設定できることが判る。また、駆
動電圧を27.8Vに膨張要素P1の時間幅を3.5μ
sにそれぞれ設定すると、液滴の飛行速度を約6.3m
/sに設定できることが判る。さらに、駆動電圧を3
1.7Vに膨張要素P1の時間幅を6.5μsにそれぞ
れ設定すると、液滴の飛行速度を約10.8m/sに設
定できることが判る。
【0097】次に、各標準駆動パルスPS1〜PS3の
膨張ホールド要素P2の時間幅(Pwh1)と液滴の吐
出特性との関係について説明する。
【0098】この膨張ホールド要素P2の時間幅は、吐
出要素P3の供給開始タイミング、つまり、圧力室33
の収縮開始タイミングを規定する。この圧力室33の収
縮開始タイミングの違いもまた、液滴の飛行速度と液滴
の重量に影響を及ぼす。これは、膨張要素P1によって
励起された圧力振動の位相と吐出要素P3によって励起
される圧力振動の位相の差に応じて、合成圧力が変化す
るためと考えられる。
【0099】即ち、膨張要素P1の供給によって圧力室
33が膨張すると、この膨張に伴って圧力室33内には
圧力振動が励起される。そして、圧力室33内の液体圧
力が正圧になるタイミングに合わせて圧力室33の収縮
を開始すると、定常状態で吐出させた場合よりも、液滴
を高速で飛行させることができる。反対に、圧力室33
内の液体圧力が負圧になるタイミングに合わせて圧力室
33の収縮を開始すると、定常状態で吐出させた場合よ
りも液滴を低速で飛行させることができる。また、液滴
の重量に関し、この重量は、膨張ホールド要素P2の時
間幅に対応して変化するが、その変化量は比較的小さ
い。これは、上記の各ケースと同様であり、液滴の重量
は、主に駆動電圧の大きさによって規定されるためと考
えられる。
【0100】このことを、図10に基づいて説明する。
ここで、図10は、膨張ホールド要素P2の時間幅を調
整した場合の吐出特性の変化であり、(a)は時間幅を
変化させた際の液滴の飛行速度の変化を示し、(b)は
時間幅を変化させた際の液滴の重量の変化を示す。な
お、これらの図において、実線は駆動電圧を20Vに設
定した場合の特性であり、一点鎖線は駆動電圧を23V
に設定した場合の特性であり、点線は駆動電圧を26V
に設定した場合の特性である。また、最低電位VLと膨
張ホールド要素P2以外の各波形要素の時間幅は基準値
で一定とし、中間電位VMは駆動電圧に対応させて変更
した。
【0101】図10(a)から判るように、膨張ホール
ド要素P2の時間幅と液滴の飛行速度とは、この測定範
囲において、膨張ホールド要素P2の時間幅が長くなる
程、液滴の飛行速度は遅くなる。例えば、駆動電圧を2
0Vに設定した場合、膨張ホールド要素P2の時間幅を
2μsに設定すると飛行速度は約6.5m/sとなり、
時間幅を3μsに設定すると飛行速度は約4m/sとな
る。また、駆動電圧を高くすると飛行速度は速くなる。
例えば、駆動電圧を23Vに設定した場合には、膨張ホ
ールド要素P2の時間幅を2μsに設定すると飛行速度
は約8.7m/sとなり、時間幅を3μsに設定すると
飛行速度は約5.2m/sとなる。同様に、駆動電圧を
26Vに設定した場合には、膨張ホールド要素P2の時
間幅を2μsに設定すると飛行速度は約10.7m/s
となり、時間幅を3μsに設定すると飛行速度は約7m
/sとなる。
【0102】そして、図10(b)から判るように、膨
張ホールド要素P2の時間幅と液滴の重量もまた、この
測定範囲において、膨張ホールド要素P2の時間幅が長
くなる程、液滴の重量は減少する(つまり、液滴の吐出
量が減少する)。例えば、駆動電圧を20Vに設定した
場合、膨張ホールド要素P2の時間幅を2μsに設定す
ると液滴の重量は約11.5ngとなり、時間幅を3μ
sに設定すると重量は約10.5ngとなる。また、駆
動電圧を高くすると液滴の重量は重くなる(つまり、液
滴の吐出量が増える)。例えば、駆動電圧を23Vに設
定した場合には、膨張ホールド要素P2の時間幅を2μ
sに設定すると液滴の重量は約13.2ngとなり、時
間幅を3μsに設定すると重量は約12.1ngとな
る。同様に、駆動電圧を26Vに設定した場合には、膨
張ホールド要素P2の時間幅を2μsに設定すると飛行
速度は液滴の重量は約15.0ngとなり、時間幅を3
μsに設定すると重量は13.8ngとなる。
【0103】そして、この場合においても、駆動電圧と
膨張ホールド要素P2の時間幅とを適宜設定することに
より、液滴の飛行速度を一定に保ちつつ、液滴の重量を
変えることができる。
【0104】例えば、液滴の飛行速度を7m/sに設定
すると、駆動電圧及び膨張ホールド要素P2の時間幅と
液滴の重量との関係は、図11(a)に示すようにな
る。この図11(a)より、駆動電圧を20.5Vに膨
張ホールド要素P2の時間幅を2.0マイクロ秒(μ
s)にそれぞれ設定すると、約11.8ngの液滴を吐
出できることが判る。また、駆動電圧を26.2Vに膨
張ホールド要素P2の時間幅を3.0μsにそれぞれ設
定すると、約13.8ngの液滴を吐出できることが判
る。さらに、駆動電圧を29.8Vに膨張ホールド要素
P2の時間幅を3.5μsにそれぞれ設定すると、約1
5.9ngの液滴を吐出できることが判る。
【0105】また、駆動電圧と膨張ホールド要素P2の
時間幅とを適宜設定することにより、液滴の重量を一定
に保ちつつ、液滴の飛行速度を変えることもできる。
【0106】例えば、液滴の重量を15ngに設定する
と、駆動電圧及び膨張ホールド要素P2の時間幅と液滴
の飛行速度との関係は、図11(b)に示すようにな
る。この図11(b)より、駆動電圧を26.2Vに膨
張要素P1の時間幅を2.0μsにそれぞれ設定する
と、液滴の飛行速度を約10.8m/sに設定できるこ
とが判る。また、駆動電圧を28.0Vに膨張要素P1
の時間幅を3.0μsにそれぞれ設定すると、液滴の飛
行速度を約8.0m/sに設定できることが判る。さら
に、駆動電圧を28.0Vに膨張要素P1の時間幅を
3.5μsにそれぞれ設定すると、液滴の飛行速度を約
6.3m/sに設定できることが判る。
【0107】このように、各標準駆動パルスPS1〜P
S3に関し、駆動電圧、中間電位VM、膨張要素P1の
時間幅、及び、膨張ホールド要素P2の時間幅を適宜設
定することにより、液滴の飛行速度や重量を制御するこ
とができる。
【0108】そして、主制御部19(波形調整手段)
は、マーキング対象物の種類や噴射ヘッド1からマーキ
ング対象物までの距離に応じて、標準駆動パルスPS1
〜PS3の波形形状を調整し、液滴の飛行速度や重量を
制御する。例えば、主制御部19は、本発明の第1波形
調整手段として機能し、吐出される液滴の飛行速度を一
定に保ちつつ液滴の量を可変する。また、主制御部19
は、本発明の第2波形調整手段として機能し、吐出され
る液滴の量を一定に保ちつつ液滴の飛行速度を可変す
る。
【0109】この場合、主制御部19は、事前の測定に
より、標準駆動パルスPS1〜PS3における駆動電圧
や中間電位等の各パラメータと、液滴の飛行速度及び重
量との関係を取得する。
【0110】例えば、主制御部19は、各パラメータを
段階的に変化させて波形形状が異なる複数種類の標準駆
動パルスを駆動信号発生部から発生させ、これらの標準
駆動パルスを用いて液滴の飛行速度の測定と重量の測定
とを複数回行う。なお、マーキング装置から種々の液体
(インク液)を吐出させる場合には、必要に応じて各液
体の物性をパラメータに加える。
【0111】そして、主制御部19は、飛行速度と重量
の測定結果を各パラメータの設定値と共に、RAMやR
OM等の記憶手段に記憶する。記憶手段への記憶は、任
意の記憶形態を採ることができる。例えば、図8,図
9,図11の様に、特徴的なポイントにおける測定結果
を記憶し、ポイント同士の間については演算で求めても
よい。また、各パラメータの変化幅を細かく設定するこ
とでテーブル情報を取得し、このテーブル情報を記憶手
段に記憶させてもよい。
【0112】記憶手段に飛行速度及び重量の測定結果を
記憶したならば、対象物へのマーキングが行える状態に
なる。そして、主制御部19は、マーキング動作時にお
いて、記憶手段に記憶された測定結果と情報入力部7か
らの情報(マーキング対象物の種類や距離の情報)とに
基づいて標準駆動パルスの各パラメータを設定し、設定
後の標準駆動パルスで対象物へのマーキングを行う。そ
の結果、液滴の量や飛行速度がマーキング対象物の種類
やこの対象物までの距離に応じて最適化され、最適なマ
ーキングが行える。また、この調整は、駆動パルスの波
形形状によるので、装置構成を簡素化することができ、
汎用性にも富む。
【0113】ところで、駆動信号発生部18から発生す
る駆動信号は、上記の標準駆動信号に限定されない。例
えば、上記の標準駆動パルスよりも液滴の重量が少ない
マイクロ駆動パルスを含んだマイクロ駆動信号であって
もよい。以下、このマイクロ駆動信号を用いた制御につ
いて説明する。
【0114】図12は、マイクロ駆動信号を説明する図
である。このマイクロ駆動信号は、噴射周期T内に3つ
のマイクロ駆動パルス(第1マイクロ駆動パルスPS
4,第2マイクロ駆動パルスPS5,第3マイクロ駆動
パルスPS6)を含み、これらの各マイクロ駆動パルス
PS4〜PS6を所定間隔毎に発生している。
【0115】これらのマイクロ駆動パルスPS4〜PS
6は、本発明の第2駆動パルスの一種であり、何れも同
じ波形形状のパルス信号によって構成されている。即
ち、図13に示すように、これらのマイクロ駆動パルス
PS4〜PS6は、中間電位VMから最大電位VHまで
比較的急峻な勾配で電位を上昇させる第2膨張要素P1
1と、最大電位VHを極く短時間保持する第2膨張ホー
ルド要素P12と、最大電位VHから吐出電位VFまで
急勾配で電位を下降させる第2吐出要素P13と、吐出
電位VFを極く短時間に亘って保持する吐出ホールド要
素P14と、吐出電位VFから最低電位VLまで第2吐
出要素P13よりも緩やかな勾配で電位を下降させる収
縮制振要素P15と、最低電位VLを所定時間に亘って
保持する制振ホールド要素P16と、最低電位VLから
中間電位VMまで比較的緩やかな勾配で電位を上昇させ
る膨張制振要素P17とを含んでいる。
【0116】なお、図13に例示したマイクロ駆動パル
スPS4〜PS6において、膨張制振要素P17は第2
復帰要素の一種であり、圧力室33を定常状態に復帰さ
せる。また、中間電位VMは駆動電圧の20%に設定し
てあり、吐出電位VFは駆動電圧の40%に設定してあ
る。従って、定常状態において圧力室33は比較的大き
く収縮する。また、吐出電位VFに対応する吐出容積
(つまり、吐出要素P3の供給終了時点における圧力室
33の容積)は、定常容積よりも多少大きい。
【0117】これらのマイクロ駆動パルスPS4〜PS
6を圧電振動子21に供給すると、各マイクロ駆動パル
スPS4〜PS6が供給される毎に所定量(例えば5.
5ng)の液滴がノズル開口12から吐出される。
【0118】即ち、第2膨張要素P11の供給に伴って
定常容積の圧力室33が急激に膨張し、メニスカスを圧
力室33側に大きく引き込む。そして、第2膨張ホール
ド要素P12が極く短時間に亘って供給されると、引き
込まれたメニスカスの中心部分の移動方向が表面張力に
よって反転する。その後、第2吐出要素P13が供給さ
れて、圧力室33は最大容積から吐出容積まで急激に収
縮する。このとき、吐出方向に向けて柱状に伸長したメ
ニスカスの中心部分がちぎれ、液滴となって吐出され
る。第2吐出要素P13の供給後、吐出ホールド要素P
14と収縮制振要素P15とが順に供給される。収縮制
振要素P15は、吐出容積から最小容積まで圧力室33
を収縮させるが、その収縮速度は液滴吐出後におけるメ
ニスカスの振動を抑制し得る速度に設定される。この収
縮制振要素P15に続いて制振ホールド要素P16が供
給されるので圧力室33の収縮状態は維持され、メニス
カスの振動を打ち消し得るタイミングで膨張制振要素P
17が供給される。これにより、メニスカスの振動を抑
制すべく、圧力室33が定常容積まで膨張復帰する。
【0119】このマイクロ駆動信号においても、1つの
噴射周期T内で供給するマイクロ駆動パルスの数を変え
ることで、液滴の噴射量を単位領域毎に設定することが
できる。例えば、噴射周期T内において第2マイクロ駆
動パルスPS5のみを圧電振動子21に供給すること
で、単位領域内に例えば5.5ngの液滴を吐出させる
ことができる。また、噴射周期T内において第1マイク
ロ駆動パルスPS4と第3マイクロ駆動パルスPS6と
を圧電振動子21に供給することで、単位領域内に例え
ば11ngの液滴を吐出させることができる。さらに、
噴射周期T内において各マイクロ駆動パルスPS4〜P
S6を圧電振動子21に供給することで、単位領域内に
例えば16.5ngの液滴を吐出させることができる。
【0120】この液滴の噴射制御も、上記したパルス選
択データに基づいて行われる。なお、パルス選択データ
に基づく噴射制御は、先に説明した標準駆動信号におけ
る制御と同じであるので、その説明は省略する。
【0121】そして、主制御部19(波形調整手段)
は、液滴の飛行速度や重量をその使用用途にあわせて最
適化すべく、各マイクロ駆動パルスPS4〜PS6につ
いても波形形状を調整する。このマイクロ駆動パルスP
S4〜PS6についての波形形状の調整は、駆動電圧、
中間電位VM、及び、吐出電位VF(つまり、第2吐出
要素P13の終端電位)の3項目について行われる。以
下、主制御部19による波形形状の調整について説明す
る。
【0122】まず、図14に基づいて、各マイクロ駆動
パルスPS4〜PS6の駆動電圧と液滴の吐出特性との
関係について説明する。
【0123】ここで、図14は、駆動電圧を調整した場
合の吐出特性の変化であり、(a)は駆動電圧を変化さ
せた際の液滴の飛行速度の変化を示し、(b)は駆動電
圧を変化させた際の液滴の重量の変化を示す。なお、図
14(a)において、黒丸を付した実線がメイン液滴を
示し、白丸を付した点線がサテライト液滴を示す。ま
た、三角を付した一点鎖線が第2サテライト液滴を示
す。
【0124】この図14から判るように、駆動電圧の大
きさと、液滴の飛行速度及び重量とは、互いに正比例
(係数は正)の関係にあるといえる。即ち、駆動電圧を
大きくすると液滴(メイン液滴)の飛行速度は速くな
り、液滴の重量も増える。例えば、駆動電圧が18Vの
場合、メイン液滴の飛行速度は約4m/sであり、重量
は約4.4ngである。また、駆動電圧が24Vの場
合、飛行速度は約9.0m/sであり、重量は約6.8
ngである。さらに、駆動電圧が33Vの場合、飛行速
度は約16m/sであり、重量は約10.2ngであ
る。
【0125】これは、上記した標準駆動パルスPS1〜
PS3と同じ理由、即ち、駆動電圧の増減によって、圧
力室33についての容積の変化幅が変わったためと考え
られる。
【0126】なお、図14(a)を見ると、駆動電圧が
18Vの状態で液滴は、メイン液滴とサテライト液滴と
に分かれて飛行している。さらに、駆動電圧が24V以
上になると、上記のサテライト液滴に加えて第2サテラ
イト液滴が出現する。このマイクロ駆動パルスPS4〜
PS6において、サテライト液滴は駆動電圧の上昇に伴
って速度を増すが、第2サテライト液滴は駆動電圧上昇
に拘わらず略一定の飛行速度(6〜7m/s)である。
【0127】以上から、このマイクロ駆動パルスにおい
ても、駆動電圧の設定により、吐出する液滴の飛行速度
と重量を同時に増減できることが判る。
【0128】次に、各マイクロ駆動パルスPS4〜PS
6の中間電位VMと液滴の吐出特性との関係について説
明する。
【0129】このマイクロ駆動パルスPS4〜PS6に
おいても中間電位VMは、圧力室33の定常容積を規定
する。従って、中間電位VMの変更により、定常容積か
ら最大容積までの膨張代を設定できる。そして、膨張代
が変更できることで、第2膨張要素P11の供給時にお
けるメニスカスの圧力室33側への引き込み量を設定で
きる。また、第2膨張要素P11の時間幅が一定である
ので、膨張代の変更によってメニスカスの圧力室33側
への引き込み速度も変化する。
【0130】メニスカスの引き込み量と引き込み速度
は、液滴の吐出量に影響を及ぼすと考えられる。即ち、
メニスカスの引き込み量が多いと液滴として吐出される
液体の量が少なくなり、引き込み量が少ないと液滴とし
て吐出される液体の量が多くなる。また、メニスカスの
引き込み速度が高いと、その反動によってメニスカスの
中心部分の移動速度も高くなり、液滴の飛行速度が高く
なる。一方、メニスカスの引き込み速度が低いとその反
動も小さくメニスカスの中心部分の移動速度及び液滴の
飛行速度が低くなる。
【0131】従って、上記の駆動電圧と中間電位VMと
を適宜設定することにより、液滴の飛行速度を一定に保
ちつつ、液滴の重量を変えることができる。
【0132】例えば、液滴の飛行速度を7m/sに設定
すると、駆動電圧及び中間電位VMと液滴の重量との関
係は、図15(a)に示すようになる。この図15
(a)より、駆動電圧を19.5Vに中間電位VMを駆
動電圧の0%(つまり、最低電位VLと同電位)にそれ
ぞれ設定すると、約5.6ngの液滴を吐出できること
が判る。また、駆動電圧を22.5Vに中間電位VMを
駆動電圧の30%にそれぞれ設定すると、約5.9ng
の液滴を吐出できることが判る。さらに、駆動電圧を2
4.5Vに中間電位VMを駆動電圧の50%にそれぞれ
設定すると、約7.5ngの液滴を吐出できることが判
る。
【0133】また、駆動電圧と中間電位VMとを適宜設
定することにより、液滴の重量を一定に保ちつつ、液滴
の飛行速度を変えることもできる。
【0134】例えば、液滴の重量を5.5ngに設定す
ると、駆動電圧及び中間電位VMと液滴の飛行速度との
関係は、図15(b)に示すようになる。この図15
(b)より、駆動電圧を19.0Vに中間電位VMを駆
動電圧の0%にそれぞれ設定すると、液滴の飛行速度を
約6.9m/sに設定できることが判る。また、駆動電
圧を21.5Vに中間電位VMを駆動電圧の30%にそ
れぞれ設定すると、液滴の飛行速度を約6.2m/sに
設定できることが判る。さらに、駆動電圧を20.2V
に中間電位VMを駆動電圧の50%にそれぞれ設定する
と、液滴の飛行速度を約4.5m/sに設定できること
が判る。
【0135】次に、各マイクロ駆動パルスPS4〜PS
6の吐出電位VF(第2吐出要素P13の終端電位)と
液滴の吐出特性との関係について説明する。
【0136】上記の吐出電位VFは、圧力室33の吐出
容積を規定する。従って、吐出電位VFの変更により、
最大容積から吐出容積までの収縮量を設定できる。ま
た、第2吐出要素P13の時間幅が一定であることか
ら、この吐出電位VFの変更により収縮速度も変化す
る。即ち、吐出電位VFを基準よりも低く設定すると収
縮速度が高くなり、基準よりも高く設定すると収縮速度
が低くなる。
【0137】圧力室33の収縮量と収縮速度は、液滴の
吐出量に影響を及ぼすと考えられる。即ち、圧力室33
の収縮量が多いと液滴として吐出される液体の量が多く
なり、収縮量が少ないと液滴として吐出される液体の量
も少なくなる。また、圧力室33の収縮速度が高いと液
滴の飛行速度が高くなり、収縮速度が低いと飛行速度も
低くなる。なお、この場合において、吐出電位VFの変
化に対する飛行速度の変化量と吐出量の変化量は、駆動
電圧を変化させた際の変化量と相違する。従って、上記
の駆動電圧と吐出電位VFとを適宜設定することによ
り、液滴の飛行速度を一定に保ちつつ、液滴の重量を変
えることができる。
【0138】例えば、液滴の飛行速度を7m/sに設定
すると、駆動電圧及び吐出電位VFと液滴の重量との関
係は、図16(a)に示すようになる。この図16
(a)より、駆動電圧を27.0Vに第2吐出要素P1
3の電位差を駆動電圧の50%(つまり、吐出電位VF
が50%で最大電位VHから13.5V低い電位)にそ
れぞれ設定すると、約3.6ngの液滴を吐出できるこ
とが判る。また、駆動電圧を21.3Vに第2吐出要素
P13の電位差を駆動電圧の70%にそれぞれ設定する
と、約5.6ngの液滴を吐出できることが判る。さら
に、駆動電圧を16.6Vに第2吐出要素P13の電位
差を駆動電圧の100%(つまり、吐出電位VFが最低
電位VLと同電位)にそれぞれ設定すると、約7.6n
gの液滴を吐出できることが判る。なお、第2吐出要素
P13の電位差を駆動電圧の100%に設定した場合に
は、収縮制振要素P15は設けない。
【0139】また、駆動電圧と吐出電位VFとを適宜設
定することにより、液滴の重量を一定に保ちつつ、液滴
の飛行速度を変えることもできる。
【0140】例えば、液滴の重量を5.5ngに設定す
ると、駆動電圧及び吐出電位VFと液滴の飛行速度との
関係は、図16(b)に示すようになる。この図16
(b)より、駆動電圧を32.0Vに第2吐出要素P1
3の電位差を駆動電圧の50%にそれぞれ設定すると、
液滴の飛行速度を約11.2m/sに設定できることが
判る。また、駆動電圧を19.5Vに第2吐出要素P1
3の電位差を駆動電圧の70%にそれぞれ設定すると、
液滴の飛行速度を約5.5m/sに設定できることが判
る。さらに、駆動電圧を12.0Vに第2吐出要素P1
3の電位差を駆動電圧の100%にそれぞれ設定する
と、液滴の飛行速度を約3.0m/sに設定できること
が判る。
【0141】このように、各マイクロ駆動パルスPS4
〜PS6については、その駆動電圧、中間電位VM、吐
出電位VFを適宜設定することにより、液滴の飛行速度
や重量を制御することができ、用途に応じた最適な吐出
条件を設定できる。
【0142】次に、上記したマーキング装置の具体例に
ついて説明する。
【0143】図17は、第1の具体例を示し、製造ライ
ンの一部を構成するマーキング装置の一例を説明する図
である。この図17において、(a)は概略構成図、
(b)〜(d)はマーキング対象物を説明する図であ
る。
【0144】例示したマーキング装置は、マーキング対
象物61(61A〜61C)を搬送可能な搬送ベルト6
2と、搬送ベルトにおける幅方向の側縁部に配設された
噴射ヘッド1と、搬送ベルト62における幅方向の側縁
部であって噴射ヘッド1よりも搬送方向の上流側に配設
されたCCDカメラ7Aとを有する。そして、噴射ヘッ
ド1は、供給チューブ10を介して液体貯留部2と連通
されており、液体貯留部2に貯留された液体(即ち、イ
ンク液)が供給される。また、噴射ヘッド1には、制御
装置6´が電気的に接続されており、液滴の噴射が制御
される。
【0145】なお、このマーキング装置において、上記
した重量測定部4及びレーザー検出部5は設けられてい
ない。また、制御装置6´には、上記した主制御部19
及び駆動信号発生部18は備えられているが、重量算出
部13及び飛行速度算出部17は備えられていない。
【0146】そして、このマーキング装置では、事前の
測定によって取得した各駆動パルスPS1〜PS3,P
S4〜PS6の各パラメータと液滴の飛行速度及び重量
との関係を、制御装置6´の主制御部19(RAMやR
OM)に記憶させている。例えば、重量測定部4、レー
ザー検出部5、重量算出部13、及び、飛行速度算出部
17等を有する特性測定用のマーキング装置を用いて各
駆動パルスの各パラメータと液滴の飛行速度及び重量と
の関係を取得し、この関係を記憶したROMを制御装置
6´に取り付ける。
【0147】上記のCCDカメラ7Aは、マーキングが
施されていないマーキング対象物61を撮像し、その撮
像データを制御装置6´に送信する。そして、制御装置
6´の主制御部19は、このCCDカメラ7Aと共に対
象物認識手段として機能し、受信した撮像データに基づ
いてマーキング対象物61の種類を認識する。この具体
例におけるマーキング対象物61は、図17(b)に示
す缶詰61A、図17(c)に示す化粧箱61B、及
び、図17(c)に示す段ボール箱61Cの三種類であ
り、これらの対象物61A〜61Cを日によって切り換
えている。そして、缶詰61Aは円柱状の外観形状であ
る。また、化粧箱61B及び段ボール箱61Cは共に直
方体状の外観形状であるが大きさが異なっている。
【0148】従って、主制御部19は、撮像データから
判定したマーキング対象物61の外観形状からその種類
を認識できる。即ち、マーキング対象物の外観形状が円
柱状であった場合には、缶詰61Aであることを認識す
る。また、マーキング対象物の外観形状が直方体状であ
った場合には、対象物の大きさに基づいて化粧箱61B
であるのか、段ボール箱61Cであるのかを判断する。
【0149】また、主制御部19は、認識したマーキン
グ対象物61の種類に応じて波形情報を生成して駆動信
号発生部18に出力する。この波形情報により、駆動信
号発生部18は、認識したマーキング対象物61に適し
た波形形状の駆動パルスPS1〜PS3,PS4〜PS
6を発生する。本実施形態では、マーキング対象物61
の種類に応じて必要なインク滴(液滴)の重量が相違す
る。このため、主制御部19は、本発明の第1波形調整
手段として機能し、吐出される液滴の飛行速度を一定に
保ちつつ液滴の量を可変する。
【0150】即ち、缶詰61Aの表面は金属でありイン
ク液は浸透しない。このため、主制御部19は、液だれ
を防止すべくインク滴の重量を基準よりも少なく設定す
る。また、段ボール箱61Cの表面はインク液が滲み易
い。このため、主制御部19は、インク滴の重量を基準
よりも少なく設定して所定の大きさのドットを記録でき
るようにする。また、化粧箱61Bの表面は艶出し加工
によってインク液は滲み難い。このため、主制御部19
は、インク滴の重量を基準よりも多く設定して所定の大
きさのドットを記録できるようにする。
【0151】これにより、そのマーキング対象物の種類
に適した液滴の吐出条件でマーキングが行える。その結
果、マーキング対象物に記録した文字や数字等の製品情
報が滲みや液だれによって潰れたり、インク量の不足に
よってかすれたりする不具合が防止でき、記録の確実性
を向上させることができる。また、CCDカメラ7Aか
らの撮像画像に基づく自動認識であるので、作業性の向
上が図れ、無人化への対応も容易である。
【0152】ところで、上記した第1の具体例は、液滴
の飛行速度を一定に保ちつつ液滴の重量を可変するもの
であったが、液滴の重量を一定に保ちつつ液滴の飛行速
度を可変することもできる。以下、このように構成した
第2の具体例について説明する。
【0153】図18は、第2の具体例を説明する概略構
成図であり、製造ラインの一部を構成するマーキング装
置の概略構成図である。例示したマーキング装置は、マ
ーキング対象物としての段ボール箱70(70a,70
b,70c)を搬送可能な搬送ベルト62と、搬送ベル
ト62における幅方向の側縁部に配設された噴射ヘッド
1と、搬送ベルトにおける幅方向の側縁部であって噴射
ヘッド1よりも搬送方向の上流側に配設された距離セン
サ7Bとを有する。そして、噴射ヘッド1は、供給チュ
ーブ10を介して液体貯留部2と連通されており、液体
貯留部2に貯留された液体(即ち、インク液)が供給さ
れる。また、噴射ヘッド1には、制御装置6´が電気的
に接続されており、液滴の噴射噴射が制御される。
【0154】なお、このマーキング装置でも、上記した
重量測定部4及びレーザー検出部5は設けられていな
い。また、制御装置6´には、上記した主制御部19及
び駆動信号発生部18は備えられているが、重量算出部
13及び飛行速度算出部17は備えられていない。この
ため、上記の具体例と同様に、主制御部19には、各駆
動パルスの各パラメータと液滴の飛行速度及び重量との
関係を記憶したROMを取り付けている。
【0155】上記の距離センサ7Bは、マーキングが施
されていない段ボール箱70について、距離センサ7B
からの距離を測定し、測定した距離データを制御装置6
´に送信する。本実施形態における距離センサ7Bは、
測距用レーザー光源71と測距用受光素子72とから構
成されている。この測距用受光素子72は、例えば、C
CDラインセンサによって構成される。そして、測距用
レーザー光源71からのレーザー光線を対象物としての
段ボール箱70の表面に照射し、この表面で反射(散
乱)された光を集光レンズ(図示せず)によって測距用
受光素子72上に集光する。この測距用受光素子72
は、この集光点の位置に応じた検出信号を出力するの
で、制御装置6´の主制御部19は、測距用受光素子7
2からの検出信号に基づいて距離センサ7Bから噴射ヘ
ッド1までの距離を取得する。さらに、主制御部19
は、取得した距離から噴射ヘッド1から段ボール箱70
までの噴射距離を算出する。即ち、距離センサ7Bから
噴射ヘッド1までの距離を補正する。従って、制御装置
6´の主制御部19は、距離センサ7Bと共に噴射距離
測定手段として機能する。
【0156】また、主制御部19は、取得した噴射距離
に応じて波形情報を生成し、駆動信号発生部18に出力
する。この波形情報により、駆動信号発生部18は、取
得した噴射距離に適した波形形状の駆動パルスPS1〜
PS3,PS4〜PS6を発生する。この場合、噴射距
離に応じて必要なインク滴(液滴)の飛行速度が相違す
るので、主制御部19は、本発明の第2波形調整手段と
して機能し、吐出される液滴の量を一定に保ちつつ液滴
の飛行速度を可変する。
【0157】即ち、噴射距離が基準距離の段ボール箱7
0aに対しては、液滴の飛行速度を基準の飛行速度に設
定してインク滴を吐出させる。また、噴射距離が基準距
離よりも所定距離dt1だけ短い段ボール箱70bに対
しては、液滴の飛行速度を基準の飛行速度よりも多少低
速に設定する。一方、噴射距離が基準距離よりも所定距
離dt2だけ長い段ボール箱70cに対しては、液滴の
飛行速度を基準の飛行速度よりも多少高速に設定する。
【0158】これにより、そのマーキング対象物までの
距離に適した飛行速度でインク滴を吐出させることがで
きる。その結果、飛行速度不足に起因するインク滴の着
弾不良や、過度な飛行速度に起因する文字や数字等の潰
れ等の不具合が防止でき、記録の確実性を向上させるこ
とができる。また、距離センサ7Bの測定結果に基づく
自動認識であるので、作業性の向上が図れ、無人化への
対応も容易である。
【0159】ところで、上記した第1及び第2の具体例
は、重量測定部4及びレーザー検出部5が設けられてお
らず、制御装置6´には、重量算出部13及び飛行速度
算出部17は備えられていないが、これらの各部を設け
てもよい。
【0160】図19に示す第3の具体例は、ホームポジ
ションに重量測定部4及びレーザー検出部5を設けてあ
り、制御装置6には、重量算出部13及び飛行速度算出
部17を設けている。そして、キャリッジモータ3から
の駆動力を、タイミングベルト81を介してキャリッジ
82に伝達し、噴射ヘッド1を搬送ベルト62の移動方
向に対して平行に移動させる。
【0161】また、キャリッジ82は、噴射ヘッド1の
取付板82aがヒンジ機構82bにより、垂直側の起立
状態(実線の状態)と水平側の傾倒状態(点線の状態)
とに回動可能である。そして、取付板82aは、マーキ
ング対象物80へのマーキング時において起立状態とさ
れ、噴射ヘッド1はノズルプレート16をマーキング対
象物80へ向けた状態になる。また、取付板82aは、
駆動パルスPS1〜PS6の波形形状を設定する際にお
いて傾倒状態とされ、噴射ヘッド1はノズルプレート1
6を重量測定部4へ向けた状態になる。
【0162】この具体例では、液体貯留部2に貯留され
るインク液(液体)の種類を変えても、そのインク液の
物性にあわせてインク滴(液滴)の吐出条件を最適化す
ることができる。このため、マーキング対象物80の材
質に適したインク液を選択できる。
【0163】ところで、本発明は、例示した実施形態に
限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づ
いて種々の変形が可能である。
【0164】例えば、圧力発生素子に関し、圧電振動子
21に限らず、静電アクチュエータや磁歪素子等を用い
ることができる。即ち、駆動信号の供給に伴って変形す
る電気機械変換素子であればよい。さらに、圧力室33
内に圧力変動を生じさせるものであれば、電気機械変換
素子以外の素子であってもよい。例えば、圧力室33内
の液体を突沸させることで圧力室33内を加圧可能な発
熱素子を用いることもできる。
【0165】そして、本実施形態のように、圧電振動子
21を用いると、上記したように波形の調整によって、
液滴の飛行速度や重量を広い範囲で調整することがで
き、汎用性に富む。また、圧電振動子21は、発熱素子
に比べて発熱量が少ないので、過度な加熱によって変質
してしまう液体の吐出にも適する。
【0166】また、飛行中の液滴を検出位置Pにて検出
する検出手段として、上記の実施形態ではレーザー検出
部5を用いたが、液滴を検出できればレーザー検出部5
に限定されるものではない。従って、飛行速度測定手段
に関してもレーザー検出部5と飛行速度算出部17の組
み合わせに限定されるものではない。例えば、CCDカ
メラとストロボ(極く短時間の光を発生する発光源)と
の組み合わせであってもよい。同様に、液滴重量測定手
段は、捕集した液滴の重量を測定できれば上記の構成に
限定されるものではない。例えば、液体の容積を測定す
るものであってもよい。
【0167】また、上記の実施形態では、噴射周期T内
における噴射量の主な調整を各標準駆動パルスの圧電振
動子21への供給数で行ったが、この構成に限定される
ものではない。例えば、液滴の吐出周期を可変すること
で液滴の噴射量を調整してもよい。この構成では、駆動
パルス発生手段としての駆動信号発生部18に関し、駆
動パルス(PS1〜PS3,PS4〜PS6)の発生周
期を変更可能に構成する。そして、駆動信号発生部18
は液滴の噴射量に応じた周期で駆動パルスを発生し、こ
の発生した駆動パルスを圧電振動子21に供給する。こ
の構成でも、噴射量の調整幅を拡げることができると共
に噴射量の精度向上が図れ、さらに、噴射特性の最適化
も図れる。
【0168】また、上記の実施形態では、液体噴射装置
の一種であるマーキング装置を例に挙げて説明したが、
液体を吐出可能であればマーキング装置以外のものにも
本発明を適用できる。例えば、インク液の開発等に用い
るインクジェット実験装置や、種々の液体を吐出対象物
に塗布する汎用塗布装置にも適用できる。
【0169】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば以
下の効果を奏する。即ち、駆動パルスの波形形状を調整
可能な波形調整手段を、吐出される液滴の飛行速度を一
定に保ちつつ液滴の量を可変する第1波形調整手段によ
って構成したので、飛行速度は一定に保ちつつ、吐出対
象物に応じて液滴の量を可変できる。このため、用途に
応じた最適な吐出条件で液滴を吐出できる。また、波形
形状の変更による調整であるので、装置構成を簡素化す
ることができ、汎用性にも富む。
【0170】また、駆動パルスの波形形状を調整可能な
波形調整手段を、吐出される液滴の量を一定に保ちつつ
液滴の飛行速度を可変する第2波形調整手段によって構
成したので、液滴の量は一定に保ちつつ、吐出対象物に
応じて液滴の飛行速度を可変できる。このため、用途に
応じた最適な吐出条件で液滴を吐出できる。また、波形
形状による調整であるので、装置構成を簡素化すること
ができ、汎用性にも富む。
【0171】また、波形調整手段を、対象物認識手段に
よる認識結果に基づいて駆動パルスの波形形状を調整す
る構成とした場合には、吐出対象物の種類に応じて自動
的に液滴の量や飛行速度を可変できる。このため、作業
性の向上が図れる。
【0172】また、波形調整手段を、噴射距離測定手段
による測定結果に基づいて駆動パルスの波形形状を調整
する構成とした場合には、吐出対象物までの距離に応じ
て自動的に液滴の量や飛行速度を可変できる。このた
め、作業性の向上が図れる。
【0173】また、駆動パルス発生手段を、単位周期内
に複数の駆動パルスを発生可能な構成とし、単位周期あ
たりの圧力発生素子への駆動パルスの供給数を可変する
ことにより、液滴の吐出量を調整可能とした場合には、
噴射量の調整幅を拡げることができると共に噴射量の精
度向上が図れ、さらに、噴射特性の最適化も図れる。
【0174】また、駆動パルス発生手段を、駆動パルス
の発生周期を可変可能な構成とし、圧力発生素子への駆
動パルスの供給周期を可変することにより、液滴の吐出
周期を調整可能とした場合にも、噴射量の調整幅を拡げ
ることができると共に噴射量の精度向上が図れ、さら
に、噴射特性の最適化も図れる。
【0175】また、電気機械変換素子として、圧力室の
容積を変動可能な圧電振動子を用いた場合には、液滴の
飛行速度や重量の調整範囲が広く、汎用性に富む。ま
た、過度な加熱により変質してしまう液体を吐出するこ
ともできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】マーキング装置の基本構成を説明する概略図で
ある。
【図2】噴射ヘッドの断面図である。
【図3】流路ユニットの一部を拡大して示した断面図で
ある。
【図4】噴射ヘッドの電気的構成を説明するブロック図
である。
【図5】駆動信号発生部が発生する標準駆動信号を説明
する図である。
【図6】標準駆動信号に含まれる標準駆動パルスを説明
する図である。
【図7】標準駆動パルスにおいて駆動電圧を調整した場
合の吐出特性の変化を示し、(a)は駆動電圧を変化さ
せた際の液滴の飛行速度の変化を示した図、(b)は駆
動電圧を変化させた際の液滴の重量の変化を示した図で
ある。
【図8】(a)は、標準駆動パルスにおいて液滴の飛行
速度を7m/sに設定した際の駆動電圧及び中間電位V
Mと液滴の重量との関係を示した図、(b)は、液滴の
重量を15ngに設定した際の駆動電圧及び中間電位V
Mと液滴の飛行速度との関係を示した図である。
【図9】(a)は、標準駆動パルスにおいて液滴の飛行
速度を7m/sに設定した際の駆動電圧及び膨張要素の
時間幅と液滴の重量との関係を示した図、(b)は、液
滴の重量を15ngに設定した際の駆動電圧及び膨張要
素の時間幅と液滴の飛行速度との関係を示した図であ
る。
【図10】標準駆動パルスにおいて膨張ホールド要素の
時間幅を調整した場合の吐出特性の変化を示し、(a)
は時間幅を変化させた際の液滴の飛行速度の変化を示し
た図、(b)は時間幅を変化させた際の液滴の重量の変
化を示した図である。
【図11】(a)は、標準駆動パルスにおいて、液滴の
飛行速度を7m/sに設定した際の駆動電圧及び膨張ホ
ールド要素の時間幅と液滴の重量との関係を示した図、
(b)は、液滴の重量を15ngに設定した際の駆動電
圧及び膨張ホールド要素の時間幅と液滴の飛行速度との
関係を示した図である。
【図12】駆動信号発生部が発生するマイクロ駆動信号
を説明する図である。
【図13】マイクロ駆動信号に含まれるマイクロ駆動パ
ルスを説明する図である。
【図14】マイクロ駆動パルスにおいて駆動電圧を調整
した場合の吐出特性の変化であり、(a)は駆動電圧を
変化させた際の液滴の飛行速度の変化を示した図、
(b)は駆動電圧を変化させた際の液滴の重量の変化を
示した図である。
【図15】(a)は、マイクロ駆動パルスにおいて液滴
の飛行速度を7m/sに設定した際の駆動電圧及び中間
電位VMと液滴の重量との関係を示す図、(b)は、液
滴の重量を5.5ngに設定した際の駆動電圧及び中間
電位VMと液滴の飛行速度との関係を示した図である。
【図16】(a)は、マイクロ駆動パルスにおいて液滴
の飛行速度を7m/sに設定した際の駆動電圧及び吐出
電位VFと液滴の重量との関係を示す図、(b)は、液
滴の重量を5.5ngに設定した際の駆動電圧及び吐出
電位VFと液滴の飛行速度との関係を示す図である。
【図17】マーキング装置の第1の具体例を示し、
(a)は概略構成図、(b)〜(d)はマーキング対象
物を説明する図である。
【図18】マーキング装置の第2の具体例を示す概略構
成図である。
【図19】マーキング装置の第3の具体例を示し、
(a)は概略構成図、(b)は噴射ヘッドの傾倒状態を
説明する図である。
【符号の説明】
1 噴射ヘッド 2 液体貯留部 3 キャリッジモータ 4 重量測定部 5 レーザー検出部 6 制御装置 7 情報入力部 7A CCDカメラ 7B 距離センサ 8 液体パック 9 保持ケース 10 供給チューブ 11 捕集部 12 ノズル開口 13 重量算出部 14 レーザー光源 15 レーザー受光素子 16 ノズルプレート 17 飛行速度算出部 18 駆動信号発生部 19 主制御部 21 圧電振動子 22 振動子群 23 固定板 24 フレキシブルケーブル 25 振動子ユニット 26 ケース 27 流路ユニット 28 島部 31 流路形成基板 32 弾性板 33 圧力室 34 液体供給口 35 共通液室 36 ノズル連通口 37 支持板 38 樹脂フィルム 41 第1シフトレジスタ 42 第2シフトレジスタ 43 第1ラッチ回路 44 第2ラッチ回路 45 デコーダ 46 制御ロジック 47 レベルシフタ 48 スイッチ回路 61 マーキング対象物 62 搬送ベルト 70 マーキング対象物 71 測距用レーザー光源 72 測距用受光素子 80 マーキング対象物 81 タイミングベルト 82 キャリッジ

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノズル開口に連通した圧力室と該圧力室
    内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子とを備
    え、圧力発生素子の作動によって圧力室内の液体をノズ
    ル開口から液滴として吐出可能な噴射ヘッドと、上記圧
    力発生素子へ供給するための駆動パルスを発生可能な駆
    動パルス発生手段と、該駆動パルスの波形形状を調整可
    能な波形調整手段とを有する液体噴射装置において、 前記波形調整手段を、吐出される液滴の飛行速度を一定
    に保ちつつ液滴の量を可変する第1波形調整手段によっ
    て構成したことを特徴とする液体噴射装置。
  2. 【請求項2】 ノズル開口に連通した圧力室と該圧力室
    内の液体に圧力変動を生じさせ得る圧力発生素子とを備
    え、圧力発生素子の作動によって圧力室内の液体をノズ
    ル開口から液滴として吐出可能な噴射ヘッドと、上記圧
    力発生素子へ供給するための駆動パルスを発生可能な駆
    動パルス発生手段と、該駆動パルスの波形形状を調整可
    能な波形調整手段とを有する液体噴射装置において、 前記波形調整手段を、吐出される液滴の量を一定に保ち
    つつ液滴の飛行速度を可変する第2波形調整手段によっ
    て構成したことを特徴とする液体噴射装置。
  3. 【請求項3】 吐出対象物の種類を認識可能な対象物認
    識手段を備え、 前記波形調整手段は、対象物認識手段による認識結果に
    基づいて駆動パルスの波形形状を調整することを特徴と
    する請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  4. 【請求項4】 噴射ヘッドから吐出対象物までの噴射距
    離を測定可能な噴射距離測定手段を備え、 前記波形調整手段は、噴射距離測定手段による測定結果
    に基づいて駆動パルスの波形形状を調整することを特徴
    とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射装置。
  5. 【請求項5】 前記圧力発生素子は、圧力室の容積を変
    動可能な電気機械変換素子であることを特徴とする請求
    項1から請求項4の何れかに記載の液体噴射装置。
  6. 【請求項6】 前記駆動パルスは、定常容積の圧力室を
    液滴を吐出させない程度の速度で膨張させる膨張要素
    と、圧力室の膨張状態を保持する膨張ホールド要素と、
    膨張状態が保持された圧力室を急激に収縮させることで
    液滴を吐出させる吐出要素とを含む第1駆動パルスであ
    り、 波形調整手段は、第1駆動パルスにおける最大電位から
    最低電位までの駆動電圧、及び、定常容積に対応する中
    間電位を調整することを特徴とする請求項5に記載の液
    体噴射装置。
  7. 【請求項7】 前記駆動パルスは、定常容積の圧力室を
    液滴を吐出させない程度の速度で膨張させる膨張要素
    と、圧力室の膨張状態を保持する膨張ホールド要素と、
    膨張状態が保持された圧力室を急激に収縮させることで
    液滴を吐出させる吐出要素とを含む第1駆動パルスであ
    り、 波形調整手段は、第1駆動パルスにおける最大電位から
    最低電位までの駆動電圧、及び、膨張ホールド要素の時
    間幅を調整することを特徴とする請求項5に記載の液体
    噴射装置。
  8. 【請求項8】 前記駆動パルスは、定常容積の圧力室を
    液滴を吐出させない程度の速度で膨張させる膨張要素
    と、圧力室の膨張状態を保持する膨張ホールド要素と、
    膨張状態が保持された圧力室を急激に収縮させることで
    液滴を吐出させる吐出要素とを含む第1駆動パルスであ
    り、 波形調整手段は、第1駆動パルスにおける最大電位から
    最低電位までの駆動電圧、及び、膨張要素の時間幅を調
    整することを特徴とする請求項5に記載の液体噴射装
    置。
  9. 【請求項9】 前記駆動パルスは、メニスカスを圧力室
    側に大きく引き込むべく定常容積の圧力室を急激に膨張
    させる第2膨張要素と、圧力室を収縮させることで第2
    膨張要素により引き込まれたメニスカスの中心部分を液
    滴として吐出させる第2吐出要素とを含む第2駆動パル
    スであり、 波形調整手段は、第2駆動パルスにおける最大電位から
    最低電位までの駆動電圧、及び、定常容積に対応する中
    間電位を調整することを特徴とする請求項5に記載の液
    体噴射装置。
  10. 【請求項10】 前記駆動パルスは、メニスカスを圧力
    室側に大きく引き込むべく定常容積の圧力室を急激に膨
    張させる第2膨張要素と、圧力室を収縮させることで第
    2膨張要素により引き込まれたメニスカスの中心部分を
    液滴として吐出させる第2吐出要素とを含む第2駆動パ
    ルスであり、 波形調整手段は、第2駆動パルスにおける最大電位から
    最低電位までの駆動電圧、及び、第2吐出要素の終端電
    位を調整することを特徴とする請求項5に記載の液体噴
    射装置。
  11. 【請求項11】 前記駆動パルス発生手段を、単位周期
    内に複数の駆動パルスを発生可能に構成し、 単位周期あたりの圧力発生素子への駆動パルスの供給数
    を可変することにより、液滴の吐出量を調整可能とした
    ことを特徴とする請求項1から請求項10の何れかに記
    載の液体噴射装置。
  12. 【請求項12】 前記駆動パルス発生手段を、駆動パル
    スの発生周期を可変可能に構成し、 圧力発生素子への駆動パルスの供給周期を可変すること
    により、液滴の吐出量を調整可能としたことを特徴とす
    る請求項1から請求項10の何れかに記載の液体噴射装
    置。
  13. 【請求項13】 前記電気機械変換素子が圧電振動子で
    あることを特徴とする請求項5から請求項12の何れか
    に記載の液体噴射装置。
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