JP5710063B2 - 宅内機器、ホームシステム、制御方法、および、プログラム - Google Patents

宅内機器、ホームシステム、制御方法、および、プログラム Download PDF

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Description

本発明は、遠隔操作が不能となった場合でも、安全性を確保しつつ、宅内機器を適切に制御するための技術に関する。
近年、一般家庭において、宅内に配置した種々の電気機器や住設機器(以下、まとめて宅内機器と記す)を所定の通信規格で接続したホームシステム(一例として、エネルギーマネジメントシステム等)が普及している。このホームシステムでは、例えば、エアコン,照明機器,炊飯器,IH調理器,除湿機,換気扇,給湯器といった種々の宅内機器が通信可能に接続され、各宅内機器の管理(モニタリングや制御)が適切に行えるようになっている。
最近では、スマートフォン等の通信端末を用いて、このようなホームシステムに宅外からアクセスし、外出先等のユーザが、宅内機器を遠隔操作することも可能となっている。
それでも、現実には、通信端末周辺における通信環境の悪化や、通信端末のバッテリの消耗等を要因として通信が途絶し、遠隔操作が不能となってしまうことも起こり得る。その際、宅内機器は、遠隔操作時の最終指示に基づいた動作を継続するのが一般的であるが、指示系統が無くなってしまっていることを考慮すると、そのような動作の継続は、安全上の問題となり得るとして懸念されていた。
このようなホームシステムの先行技術として、例えば、特許文献1には、異常検知を可能としたHA(ホームオートメーション)遠隔操作システムが開示されている。
特開2006−163669号公報
しかしながら、上述した特許文献1では、HA端子系統に故障(断線や短絡)が生じた場合に、その故障を管理センタ等にて検出する技術の開示にとどまっており、遠隔操作が不能となった宅内機器(特許文献1の場合、HAコンロ)の制御については何ら開示されていなかった。
なお、遠隔操作が不能となった際に、例えば、無条件に宅内機器を停止させることも考えられるが、遠隔操作の効果が阻害され、利便性を大きく低下させてしまうと予想される。
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、遠隔操作が不能となった場合でも、安全性を確保しつつ、適正な制御を行うことのできる宅内機器、ホームシステム、制御方法、および、プログラムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る宅内機器は、
宅内に配置され、所定の主機能を動作させる宅内機器であって、
通信端末と通信を行い、宅外からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
宅内からの操作を受け付ける操作受付手段と、
前記遠隔操作受付手段が受け付けた遠隔操作、又は、前記操作受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記主機能の動作を制御する主機能制御手段と、
前記遠隔操作の実行中に、前記遠隔操作受付手段における前記通信端末との通信を監視する通信監視手段と、
前記通信監視手段が前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作が不能となった旨を宅内に報知する報知手段と、
を備える。
本発明によれば、遠隔操作が不能となった場合でも、安全性を確保しつつ、適正な制御を行うことができる。
本発明の第1の実施形態に係るホームシステムの全体構成の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係る宅内機器の構成の一例を示すブロック図である。 宅内機器の遠隔操作異常時遷移定義記憶部に記憶される遷移定義の一例を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態に係るコントローラの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る監視制御処理の一例を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施形態に係るホームシステムの全体構成の一例を示す模式図である。 本発明の第2の実施形態に係る宅内機器の構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係るコントローラの構成の一例を示すブロック図である。 本発明の第2の実施形態に係る監視制御処理の一例を示すフローチャートである。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付す。
図1は、本発明の第1の実施形態に係るホームシステム1の全体構成の一例を示す模式図である。このホームシステム1は、外出先等から、ユーザが通信端末40を操作して、住宅H内に配置されている宅内機器10を遠隔操作可能なシステムである。
図示するように、ホームシステム1は、宅内機器10と、コントローラ20と、通信端末40と、サーバ50とを備えている。なお、宅内機器10とコントローラ20とは、宅内ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。また、サーバ50とコントローラ20とは、宅外ネットワーク60を介して通信可能に接続されている。
宅内機器10は、住宅H内に配置される家電機器や住設機器であり、例えば、エアコン,照明機器,炊飯器,IH調理器,除湿機,換気扇,給湯器等である。なお、給湯器などは、一部が住宅H外にも配置され得るが、宅内機器10に含めて説明する。
この宅内機器10の構成の一例について、以下、図2のブロック図を参照して説明する。
図2に示すように、宅内機器10は、遠隔操作受付部111と、遠隔操作監視部112と、パス113と、報知部114(表示部115,音声出力部116)と、遠隔操作ログ記憶部117と、機器状態監視部118と、手動操作受付部121と、リモコン操作受付部122と、入力排他処理部123と、遠隔操作異常処理部124と、タイマ125と、主機能制御部126と、遠隔操作異常時遷移定義記憶部127と、機器制御データベース128と、を備える。
なお、遠隔操作受付部111〜機器状態監視部118は、Aユニット110として構成され、また、手動操作受付部121〜機器制御データベース128は、Bユニット120として構成されている。つまり、Aユニット110の各構成とBユニット120の各構成とは、互いに独立しており、例えば、一方のユニットで障害等が発生した場合でも、他方のユニットには影響を与えない構造となっている。
また、遠隔操作監視部112、機器状態監視部118、遠隔操作異常処理部124、及び、主機能制御部126は、例えば、CPU(Central Processing Unit),ROM(Read Only Memory),RAM(Random Access Memory)等(何れも図示せず)によって実現される。より詳細には、CPUが、RAMをワークメモリとして用い、ROMに記憶されている各種プログラムを適宜実行することにより、以下に説明するような遠隔操作監視部112、機器状態監視部118、遠隔操作異常処理部124、及び、主機能制御部126がそれぞれ実現される。
なお、Aユニット110の遠隔操作監視部112及び機器状態監視部118と、Bユニット120の遠隔操作異常処理部124及び主機能制御部126とは、別々のCPUによって、実現されるようにしてもよい。
遠隔操作受付部111は、例えば、通信ユニット等からなり、通信端末40との間で通信を行い、住宅H外からの遠隔操作等を受け付ける。
例えば、遠隔操作受付部111は、コントローラ20とサーバ50との間で通信接続が確立している状態で、サーバ50を介して通信端末40から送られる遠隔操作のための通信フレーム(より詳細には、遠隔操作フレーム)を受信する。
この他にも、遠隔操作受付部111は、通信端末40から送られる機器状態を要求する通信フレーム(より詳細には、状態取得要求フレーム)を受信する。この状態取得要求フレームは、遠隔操作の実行中において、通信端末40から一定時間毎に順次送信されるようになっている。
また、この状態取得要求フレームに応答し、遠隔操作受付部111は、後述するように、主機能制御部126が取得した現在の機器状態を、通信端末40に送信する。
遠隔操作受付部111は、受信した通信フレームの情報を、入力排他処理部123に供給する(後述するように、パス113が導通している場合)。
遠隔操作監視部112は、遠隔操作の実行中に、遠隔操作受付部111における通信端末40との通信状況を監視する。
例えば、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111が、上述した状態取得要求フレーム、つまり、一定時間毎に通信端末40から送信されるはずの通信フレームを、所定時間内に通信端末40から受信したかどうかにより、通信端末40との通信状況を監視する。
一例として、遠隔操作受付部111が状態取得要求フレームを、一定時間内に受信した場合に、遠隔操作監視部112は、通信端末40との通信が維持されている(遠隔操作が可能である)と判別する。一方、一定時間を大きく経過(例えば、2回送信分の時間を経過)しても遠隔操作受付部111が状態取得要求フレームを受信しなかった場合に、遠隔操作監視部112は、通信端末40との通信が途絶した(遠隔操作が不能となった)と判別する。
遠隔操作監視部112は、遠隔操作が不能となったことを判別すると、報知部114を制御して、住宅H内のユーザ(居住者がいる場合、その居住者)にその旨等(詳細は、後述する)を報知する。またその際、遠隔操作監視部112は、機器状態監視部118に、機器状態の監視を要求すると共に、以下に説明するパス113を遮断する。
パス113は、例えば、制御スイッチ等からなり、遠隔操作受付部111と入力排他処理部123とを結ぶ伝達経路を開閉(遮断/導通)する。パス113は、遠隔操作監視部112に制御され、例えば、遠隔操作の実行中にだけ導通するように制御される。なお、遠隔操作の実行中であっても、上述したように、遠隔操作が不能となった(通信途絶が検出された)際に、パス113は、伝達経路を遮断するように制御される。
報知部114は、遠隔操作の実行中に、遠隔操作が不能となった(通信端末40との通信途絶が検出された)際に、住宅H内にいるユーザ(居住者)に向けて、遠隔操作が不能となった旨や、手動操作受付部121への操作を促すための案内を報知する。
具体的に報知部114は、表示部115と音声出力部116とを備えており、表示及び音声(若しくは、何れか一方)にて、以下のような案内を報知する。
表示部115は、例えば、液晶ディスプレイ等からなり、遠隔操作が不能となった旨や、手動操作受付部121への操作を促すための文字メッセージを表示する。なお、表示部115は、報知内容を規定したLEDを発光させるインジケータ等であってもよい。
また、音声出力部116は、例えば、音声案内ユニット等からなり、遠隔操作が不能となった旨や、手動操作受付部121への操作を促すための音声メッセージを出力する。なお、音声出力部116は、報知内容を規定したアラーム音を出力するブザー等であってもよい。
遠隔操作ログ記憶部117は、遠隔操作受付部111が受け付けた遠隔操作のログを蓄積して記憶する。
機器状態監視部118は、遠隔操作が不能となった際に、宅内機器10の機器状態を監視する。
例えば、機器状態監視部118は、遠隔操作の実行中に、遠隔操作監視部112により通信端末40との通信途絶が検出されると、機器状態の監視を開始する。具体的に機器状態監視部118は、通信端末40から収集されるはずだった機器状態を、通信端末40に代わって収集し、機器側に異常が生じていないかどうかを監視する。
一例として、収集する機器状態に温度や電圧の情報が含まれているものとすると、機器状態監視部118は、収集した温度が所定の上限温度(下限温度でもよい)を超えている場合や、収集した電圧が所定の上限電圧(下限電圧でもよい)を超えている場合に、機器側に異常が生じたと判別する。そのように機器側の異常を判別すると、機器状態監視部118は、後述する遠隔操作異常処理部124に、機器異常を通知する。
手動操作受付部121は、例えば、スイッチパネル等からなり、住宅H内にいるユーザ(居住者)からの手動操作を受け付ける。
手動操作受付部121は、受け付けた操作内容を示す情報(信号等)を、入力排他処理部123や上述した遠隔操作監視部112に供給する。
リモコン操作受付部122は、例えば、赤外線受信ユニット等からなり、同様に、住宅H内にいるユーザからのリモコン操作を受け付ける。つまり、リモコン操作受付部122は、宅内機器10のリモコンが操作された際に送られる赤外線信号等を受信し、復号等して得られるリモコン操作を受け付ける。
リモコン操作受付部122は、受け付けた操作内容を示す情報(信号等)を、入力排他処理部123に供給する。
入力排他処理部123は、遠隔操作、手動操作、及び、リモコン操作のうちから1つの操作を排他的に処理する。
例えば、入力排他処理部123は、遠隔操作、手動操作、及び、リモコン操作の同時入力による矛盾処理や、優先度に応じた処理等により、1回の操作で遠隔操作、手動操作、及び、リモコン操作のうちから1つの操作を選定し、その操作内容を主機能制御部126や遠隔操作異常処理部124に供給する。
遠隔操作異常処理部124は、遠隔操作の実行中に通信途絶が生じ、遠隔操作が不能となった際に、通信端末40に代わって主機能制御部126を制御しつつ、最終的に、予め定められた機器の安全動作に遷移させる。
この安全動作とは、宅内機器10(機器の種類等)に応じて定められている安全上に適した動作であり、後述する遠隔操作異常時遷移定義記憶部127に定義されて記憶されている。なお、機器によっては、安全動作が複数定義されているものもある。
具体例を挙げて説明すると、宅内機器10がエアコンであれば、安全動作として、送風と停止が定義されている。また、宅内機器10が給湯器であれば、安全動作として、停止が定義されている。また、宅内機器10が換気扇であれば、安全動作として、低消費運転が定義されている。この他にも、宅内機器10が炊飯器であれば、安全動作として、保温(機器異常時には停止)が定義されている。
なお、このような安全動作は一例であり、現実の宅内機器10に応じて適宜変更可能である。
遠隔操作異常処理部124は、遠隔操作が不能となった際に、このような安全動作に遷移させるまでの猶予時間を、機器側の動作状況に応じて設定し、その猶予時間が経過した後に、主機能制御部126を制御して安全動作に遷移させる。
例えば、宅内機器10が給湯器であって、お湯の生成が進んでおり、生成完了までの時間が所定時間内であれば、遠隔操作異常処理部124は、猶予時間として、生成完了までに要する残り時間を設定する。そして、この猶予時間が経過後に、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して安全動作(この場合、停止)に遷移させる。一例として、遠隔操作異常処理部124は、猶予時間を停止タイマ(後述するタイマ125)にセットして、タイマ動作させてもよい。
この他にも、例えば、宅内機器10が炊飯器であり、炊飯動作が開始されている状況であれば、遠隔操作異常処理部124は、猶予時間として、炊飯完了までに要する残り時間を設定する。そして、この猶予時間が経過後に、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して安全動作(この場合、保温)に遷移させる。
なお、このような猶予時間の設定手法は一例であり、宅内機器10の種類やより詳細な動作状況等に応じて適宜変更可能である。
タイマ125は、所定の計時ユニット等からなり、上述した猶予時間等を計時する。また、タイマ125は、タイマ動作(例えば、起動タイマや停止タイマ)にも使用される。
主機能制御部126は、宅内機器10の主機能(例えば、エアコンであれば空調機能、給湯器であれば給湯機能、炊飯器であれば炊飯機能等)の動作を制御する。例えば、主機能制御部126は、遠隔操作や手動操作等にて指示された動作を、後述する機器制御データベース128に記憶されたシーケンス等を基に制御する。
また、主機能制御部126は、現在の機器状態を逐次取得し、機器制御データベース128にて状態情報として管理する。
遠隔操作異常時遷移定義記憶部127は、遠隔操作異常時(つまり、遠隔操作が不能となった際)に、上述した安全動作を含む遷移すべき動作についての定義情報を記憶する。
一例として、遠隔操作異常時遷移定義記憶部127は、図3に示すような遷移定義を記憶する。なお図3は、遷移の様子を分かり易く表した模式図であり、実際の遷移定義は、コード値や数値等によって規定されている。
この図3では、遠隔操作異常時における宅内機器10(主機能)の動作状況A〜Dに応じて、遷移すべき安全動作等が定められている。なお、この図では、複数の安全動作(安全動作A,B等)が定義されている場合を示している。
具体的にこの図3では、例えば、遠隔操作異常時に宅内機器10が動作状況A又は動作状況Bであった場合に、猶予時間T1経過後に安全動作Aに遷移し、その後、猶予時間T2経過後に安全動作Bに遷移すべきことが定義されている。また、遠隔操作異常時に宅内機器10が動作状況Cであった場合に、猶予時間T1経過後に動作状況C監視(モニタ)に遷移し、その後、猶予時間T2経過後に安全動作Bに遷移すべきことが定義されている。この他にも、遠隔操作異常時に宅内機器10が動作状況Dであった場合に、猶予時間T3経過後に安全動作Bに遷移すべきことが定義されている。
なお、これら猶予時間T1〜T3は、固定値ではなく、上述したように、遠隔操作異常処理部124によって、実際の動作状況等に応じて設定される。
図2に戻って、機器制御データベース128は、例えば、主機能の動作を制御するための種々のシーケンス等が記憶されている。また、機器制御データベース128は、現在の機器状態等も主機能制御部126によって逐次更新されて記憶される。
図1に戻って、コントローラ20は、住宅H内に配置され、宅内ネットワーク30を介して宅内機器10と通信し、宅内機器10を管理する。
また、コントローラ20は、HGW(Home Gateway)機能も有しており、宅外ネットワーク60と宅内機器10との間の通信を中継する。例えば、コントローラ20は、サーバ50との通信接続を確立した状態で、通信端末40から送られた通信フレーム(上述した遠隔操作フレームや状態取得要求フレーム等)を、宅内機器10に送信する。一方、コントローラ20は、宅内機器10から送られた情報(機器状態等のデータ)を通信端末40に送信する。
このコントローラ20の構成の一例について、以下、図4のブロック図を参照して説明する。
図4に示すように、コントローラ20は、宅内通信部201と、宅外通信部202と、制御部203と、データ記憶部204と、を備える。
宅内通信部201は、例えば、有線LAN(Local Area Network)や無線LANの通信ユニット等からなり、制御部203に制御され、宅内ネットワーク30を介して、宅内機器10と通信する。
一例として、宅内通信部201は、宅内機器10から送られた情報(機器状態等のデータ)を受信する。
宅外通信部202は、例えば、通信ユニット等からなり、制御部203に制御され、宅外ネットワーク60を介して、通信端末40と通信する。
一例として、宅外通信部202は、通信端末40から送られた通信フレーム(上述した遠隔操作フレームや状態取得要求フレーム等)を受信する。
制御部203は、例えば、CPU,ROM,RAM等(何れも図示せず)を備え、コントローラ20全体を制御する。
一例として、制御部203は、宅外通信部202が通信端末40から送られた通信フレーム(上述した遠隔操作フレームや状態取得要求フレーム等)を受信すると、宅内通信部201を制御して、その通信フレームを宅内機器10に送信する。
また、制御部203は、宅内通信部201が宅内機器10から送られた機器状態等のデータを受信すると、宅外通信部202を制御して、そのデータを通信端末40に送信する。
データ記憶部204は、いわゆる二次記憶装置(補助記憶装置)としての役割を担い、例えば、フラッシュメモリ等の読み書き可能な不揮発性の半導体メモリ等で構成される。データ記憶部204は、宅内機器10を管理するための種々の情報を記憶する。
図1に戻って、通信端末40は、例えば、スマートフォン等の携帯型通信端末であり、外出先など、住宅H外でユーザによって使用される。通信端末40は、宅外ネットワーク60に接続可能な通信インタフェース等を備えており、サーバ50等を通じて宅内機器10と通信を行う。
例えば、通信端末40は、宅外ネットワーク60上のサーバ50にアクセスし、所定の認証処理を行った後に、サーバ50とコントローラ20との通信接続を確立させる。この状態で、通信端末40は、サーバ50及びコントローラ20を通じて、宅内機器10との通信を行う。つまり、通信端末40は、このように住宅H外から宅内機器10の遠隔操作を可能とする。
サーバ50は、宅外ネットワーク60を介して、通信端末40やコントローラ20と通信可能なサーバである。サーバ50は、例えば、契約しているユーザを識別するための種々の情報(一例として、登録ユーザ名、登録パスワード、通信端末40の識別情報、コントローラ20の識別情報など)を記憶する。そして、サーバ50は、通信端末40との間で所定の認証処理を行った後に、設定される接続情報等に基づいて、コントローラ20との通信接続を確立する。その状態で、サーバ50は、通信端末40から送られた情報(遠隔操作フレームや状態取得要求フレーム等)をコントローラ20を通じて宅内機器10に送信し、また、宅内機器10から送られた情報(機器状態等のデータ)を通信端末40に送信する。
以下、このような構成のホームシステム1における宅内機器10の動作について説明する。より詳細には、遠隔操作の実行中における宅内機器10の動作について、図5を参照して説明する。図5は、本発明の第1の実施形態に係る宅内機器10の監視制御処理の一例を示すフローチャートである。この監視制御処理は、宅内機器10が通信端末40によって遠隔操作が実行されている間、その遠隔操作の監視として実行される。
まず、宅内機器10は、通信端末40との通信が途絶したか否かを判別する(ステップS11)。すなわち、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111における通信端末40との通信状況を監視し、通信が途絶したかどうかを判別する。
具体的に遠隔操作監視部112は、一定時間毎に通信端末40から送信されるはずの状態取得要求フレームを、一定時間を大きく経過(例えば、2回送信分の時間を経過)しても遠隔操作受付部111が受信しなかった場合に、通信端末40との通信が途絶したと判別する。
宅内機器10は、通信端末40との通信が途絶していないと判別すると(ステップS11;No)、再び、通信途絶の有無を判別する。つまり、宅内機器10は、遠隔操作が実行中であれば、通信端末40との通信状況を監視し続ける。
一方、通信端末40との通信が途絶したと判別した場合(ステップS11;Yes)に、宅内機器10は、遠隔操作不能等を報知する(ステップS12)。
すなわち、遠隔操作監視部112が通信途絶を検出すると、報知部114は、住宅H内のユーザ(居住者がいる場合、その居住者)に向けて、遠隔操作が不能となった旨や、手動操作受付部121からの操作を促すための案内を報知する。
例えば、報知部114は、表示部115からの表示及び音声出力部116からの音声出力(若しくは、何れか一方)によって、遠隔操作が不能となった旨や、手動操作受付部121への操作を促すためのメッセージを報知する。
宅内機器10は、パス113を遮断する(ステップS13)。
すなわち、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111と入力排他処理部123とを結ぶ伝達経路のパス113を遮断する。
宅内機器10は、手動操作があったか否かを判別する(ステップS14)。
すなわち、遠隔操作監視部112は、報知部114からの報知に応えて、住宅H内にいるユーザ(居住者)が、手動操作受付部121から操作を行ったかどうかを判別する。
宅内機器10は、手動操作がないと判別すると(ステップS14;No)、所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS15)。そして、所定時間が経過していないと判別すると(ステップS15;No)、上述したステップS14に処理を戻す。
つまり、宅内機器10は、所定時間が経過するまでの間、住宅H内にいるユーザ(居住者)からの手動操作を待機する。
上述したステップS14にて、手動操作があったと判別すると(ステップS14;Yes)、宅内機器10は、遠隔操作から通常操作(居住者による手動操作)へ移行する(ステップS16)。
すなわち、主機能制御部126は、手動操作受付部121からの手動操作に応じて、主機能の動作を制御する。
つまり、遠隔操作が不能となっても、住宅H内のユーザ(居住者)によって、引き続き宅内機器10が操作されることになる。なお、通常操作への移行に伴い、宅内機器10は、監視制御処理を終了する。
一方、このような手動操作がないまま、上述したステップS15にて、所定時間が経過したと判別すると(ステップS15;Yes)、宅内機器10は、遷移すべき安全動作と、それまでの猶予時間を決定する(ステップS17)。
すなわち、遠隔操作異常処理部124は、遠隔操作異常時遷移定義記憶部127を参照して遷移すべき安全動作を選定すると共に、その安全動作に遷移させるまでの猶予時間を機器の動作状況等に応じて設定する。
例えば、宅内機器10が給湯器であれば、上述したように、遷移すべき安全動作として、停止が定義されており、遠隔操作異常処理部124は、その安全動作(停止)を決定すると共に、給湯器の動作状況に応じて、猶予時間を決定する。一例として、給湯器におけるお湯の生成が進んでおり、生成完了までの時間が所定時間内であれば、遠隔操作異常処理部124は、猶予時間として、生成完了までに要する残り時間を設定する。
この他にも、例えば、宅内機器10が炊飯器であれば、上述したように、遷移すべき安全動作として、保温(機器異常時には停止)が定義されており、遠隔操作異常処理部124は、炊飯器の動作状況に応じて、安全動作と猶予時間を決定する。一例として、炊飯動作が開始されている状況であれば、遠隔操作異常処理部124は、安全動作として保温を選定し、猶予時間として、炊飯完了までに要する残り時間を設定する。
宅内機器10は、機器状態を監視する(ステップS18)。
すなわち、機器状態監視部118は、遠隔操作が継続していれば通信端末40から収集されるはずだった機器状態を、通信端末40に代わって収集し、機器側に異常が生じていないかどうかを監視する。
宅内機器10は、機器異常が生じているか否かを判別する(ステップS19)。
すなわち、機器状態監視部118は、通信端末40に代わって収集した機器状態から、機器側に異常が生じているかどうかを判別する。
一例として、収集する機器状態に温度や電圧の情報が含まれているものとすると、機器状態監視部118は、収集した温度が所定の上限温度を超えている場合や、収集した電圧が所定の上限電圧を超えている場合に、機器側に異常が生じたと判別する。
宅内機器10は、機器異常が生じていないと判別すると(ステップS19;No)、猶予時間が経過したか否かを判別する(ステップS20)。そして、猶予時間が経過していないと判別すると(ステップS20;No)、宅内機器10は、上述したステップS18に処理を戻す。
つまり、宅内機器10は、猶予時間が経過するまで、自ら機器状態を監視しながら、異常が生じていないかどうかを判別する。
上述したステップS19にて、機器異常が生じたと判別すると(ステップS19;Yes)、宅内機器10は、猶予時間の経過を待つことなく、以下に説明するステップS21に処理を進める。
一方、このような機器異常が生じることなく、上述したステップS20にて、猶予時間が経過したと判別すると(ステップS20;Yes)、宅内機器10は、安全動作へ遷移させる(ステップS21)。
すなわち、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して安全動作に遷移させる。
例えば、宅内機器10が給湯器であり、上述したステップS17にて、遷移すべき安全動作として停止が決定されている場合、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して主機能の動作を停止に遷移させる。
この他にも、例えば、宅内機器10が炊飯器であり、上述したステップS17にて、遷移すべき安全動作として保温が決定されている場合、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して主機能の動作を保温に遷移させる。なお、上述したステップS19にて、機器異常が生じていると判別された場合には、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して主機能の動作を停止に遷移させる。
宅内機器10は、安全動作への遷移を終えると、監視制御処理を終了する。なお、上述したように、安全動作が複数定義されている場合もある。その場合、宅内機器10は、上述したステップS17に処理を戻し、次に遷移すべき安全動作と猶予時間を決定し、ステップS18〜S21を繰り返し実行する。そして、次に遷移すべき安全動作がなくなると、宅内機器10は、監視制御処理を終了する。
このような監視制御処理により、遠隔操作が不能となった場合でも、住宅H内に居住者がいる場合は、その居住者への報知により、宅内機器10の継続操作が可能となる。また、そのような居住者がいない場合でも、必要な猶予時間が経過した後に、安全動作に遷移させるため、それまでの遠隔操作が無駄とはならず、利便性を維持することができる。また、遠隔操作が不能となった状況において、宅内機器10が自ら機器状態を監視することで、遠隔操作時と同等の安全管理を行うことができる。
この結果、遠隔操作が不能となった場合でも、安全性を確保しつつ、適正な制御を行うことができる。
上記の第1の実施形態では、宅内機器(宅内機器10)がユーザインタフェース(手動操作受付部121や報知部114等)を備え、単独で報知等を行える場合について説明した。
しかしながら、宅内機器側が、このようなユーザインタフェースを有していない場合もあり得る。そのような場合、コントローラ(コントローラ20)側がユーザインタフェースを有していれば、宅内機器は、コントローラと連携して報知等を行うようにしてもよい。
以下、宅内機器とコントローラとが連携して報知等を行うことを特徴とした本発明の第2の実施形態に係るホームシステムについて説明する。
図6は、本発明の第2の実施形態に係るホームシステム2の全体構成の一例を示す模式図である。このホームシステム2も、外出先等から、ユーザが通信端末40を操作して、住宅H内に配置されている宅内機器70を遠隔操作可能なシステムである。
なお、図6において、上述した図1のホームシステム1と同一の構成については、同一の参照符号を示すと共に適宜説明を簡略化する。
図6に示すように、ホームシステム2は、宅内機器70と、コントローラ80と、通信端末40と、サーバ50とを備えている。なお、宅内機器70とコントローラ80とは、宅内ネットワーク30を介して通信可能に接続されている。また、サーバ50とコントローラ80とは、宅外ネットワーク60を介して通信可能に接続されている。
この宅内機器70は、第1の実施形態に係る宅内機器10と同様に、住宅H内に配置される家電機器や住設機器であり、例えば、エアコン,照明機器,炊飯器,IH調理器,除湿機,換気扇,給湯器等である。
この宅内機器70の構成の一例について、以下、図7のブロック図を参照して説明する。
図7に示すように、宅内機器70は、遠隔操作受付部111と、遠隔操作監視部112と、パス113と、報知依頼部714と、遠隔操作ログ記憶部117と、機器状態監視部118と、宅内操作受付部721と、入力排他処理部723と、遠隔操作異常処理部124と、タイマ125と、主機能制御部126と、遠隔操作異常時遷移定義記憶部127と、機器制御データベース128と、を備える。
なお、図7において、上述した図2の宅内機器10と同一の構成については、同一の参照符号を示すと共に適宜説明を簡略化する。
この宅内機器70は、図2の宅内機器10から報知部114(表示部115,音声出力部116)を削除し、代わりに報知依頼部714を追加している。また、図2の宅内機器10から手動操作受付部121とリモコン操作受付部122とを削除し、代わりに宅内操作受付部721を追加している。また、入力排他処理部123を入力排他処理部723に改めている。
宅内機器70における他の構成、すなわち、遠隔操作受付部111、遠隔操作監視部112、遠隔操作ログ記憶部117、機器状態監視部118、遠隔操作異常処理部124、タイマ125、主機能制御部126、遠隔操作異常時遷移定義記憶部127、及び、機器制御データベース128は、図2の宅内機器10と同様の構成である。
また同様に、Aユニット710の各構成とBユニット720の各構成とは、互いに独立しており、例えば、一方のユニットで障害等が発生した場合でも、他方のユニットには影響を与えない構造となっている。
報知依頼部714は、遠隔操作監視部112に制御され、宅内ネットワーク30を介して、コントローラ80に所定内容の報知を依頼する。
すなわち、報知依頼部714は、遠隔操作の実行中に、遠隔操作が不能となった(通信端末40との通信途絶が検出された)際に、後述するように報知部806を有するコントローラ80に、遠隔操作が不能となった旨等の報知を依頼する。
宅内操作受付部721は、例えば、通信ユニット等からなり、コントローラ80が手動操作された際に、その内容を示すデータ(宅内操作)をコントローラ80から受け付ける。
つまり、宅内操作受付部721は、コントローラ80から送られる宅内操作のデータを受信する。
入力排他処理部723は、遠隔操作、及び、宅内操作のうちから1つの操作を排他的に処理する。
例えば、入力排他処理部723は、遠隔操作、及び、宅内操作の同時入力による矛盾処理や、優先度に応じた処理等により、1回の操作で遠隔操作、及び、宅内操作のうちから1つの操作を選定し、その操作内容を主機能制御部126や遠隔操作異常処理部124に供給する。
図6に戻って、コントローラ80は、第1の実施形態に係るコントローラ20と同様に、住宅H内に配置され、宅内ネットワーク30を介して宅内機器70と通信し、宅内機器70を管理する。
また、コントローラ80は、HGW機能も有しており、宅外ネットワーク60と宅内機器70との間の通信を中継する。
このコントローラ80の構成の一例について、以下、図8のブロック図を参照して説明する。
図8に示すように、コントローラ80は、宅内通信部201と、宅外通信部202と、制御部203と、データ記憶部204と、操作パネル805と、報知部806と、を備える。
なお、図8において、上述した図4のコントローラ20と同一の構成については、同一の参照符号を示すと共に適宜説明を簡略化する。
このコントローラ80は、図4のコントローラ20の構成に、操作パネル805と、報知部806とを更に加えている。そのため、宅内通信部201〜データ記憶部204は、図4のコントローラ20と同様の構成である。
操作パネル805は、例えば、パネルスイッチ等からなり、住宅H内のユーザ(居住者がいる場合、その居住者)によって操作される。
報知部806は、表示部807と音声出力部808とを備えており、制御部203に制御され、表示及び音声(若しくは、何れか一方)にて、以下のような案内を報知する。
表示部807は、例えば、液晶ディスプレイ等からなり、宅内機器70の遠隔操作が不能となった旨や、操作パネル805への操作を促すための文字メッセージを表示する。なお、表示部807は、報知内容を規定したLEDを発光させるインジケータ等であってもよい。
また、音声出力部808は、例えば、音声案内ユニット等からなり、宅内機器70の遠隔操作が不能となった旨や、操作パネル805への操作を促すための音声メッセージを出力する。なお、音声出力部808は、報知内容を規定したアラーム音を出力するブザー等であってもよい。
なお、制御部203は、宅内通信部201が宅内機器70から送られた報知依頼を受信すると、報知部806を制御して、住宅H内にいるユーザ(居住者)に向けて、宅内機器70の遠隔操作が不能となった旨や操作パネル805への操作を促すための案内を報知する。
また、制御部203は、操作パネル805から宅内機器70に向けた操作がなされると、その内容を宅内操作として、宅内通信部201から宅内機器70へ送信させる。
図6に戻って、通信端末40は、第1の実施形態と同様に、スマートフォン等の携帯型通信端末であり、外出先など、住宅H外でユーザによって使用される。
また、サーバ50も、第1の実施形態と同様に、宅外ネットワーク60を介して、通信端末40やコントローラ80と通信可能なサーバである。
以下、このようなホームシステム2における宅内機器70の動作について説明する。より詳細には、遠隔操作の実行中における宅内機器70の動作について、図9を参照して説明する。図9は、本発明の第2の実施形態に係る宅内機器70の監視制御処理の一例を示すフローチャートである。なお、図9において、上述した図5のフローチャートと同一の処理については、同一の参照符号を示すと共に適宜説明を簡略化する。
この監視制御処理も、第1の実施形態と同様に、宅内機器70が通信端末40によって遠隔操作が実行されている間、その遠隔操作の監視として実行される。
まず、宅内機器70は、通信端末40との通信が途絶したか否かを判別する(ステップS11)。すなわち、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111における通信端末40との通信状況を監視し、通信が途絶したかどうかを判別する。
宅内機器70は、通信端末40との通信が途絶していないと判別すると(ステップS11;No)、再び、通信途絶の有無を判別する。つまり、宅内機器70は、遠隔操作が実行中であれば、通信端末40との通信状況を監視し続ける。
一方、通信端末40との通信が途絶したと判別した場合(ステップS11;Yes)に、宅内機器70は、コントローラ80に、遠隔操作不能等の報知を依頼する(ステップS72)。
すなわち、遠隔操作監視部112が通信途絶を検出すると、報知依頼部714は、遠隔操作が不能となった旨等の報知をコントローラ80に依頼する。
宅内機器70は、パス113を遮断する(ステップS13)。
すなわち、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111と入力排他処理部123とを結ぶ伝達経路のパス113を遮断する。
宅内機器70は、宅内操作を受信したか否かを判別する(ステップS74)。
すなわち、遠隔操作監視部112は、コントローラ80の報知部806(表示部807,音声出力部808)からの報知に応えて、住宅H内にいるユーザ(居住者)が、操作パネル805へ操作を行い、その宅内操作を宅内操作受付部721にて受け付けたかどうかを判別する。
宅内機器70は、宅内操作がないと判別すると(ステップS74;No)、所定時間が経過したか否かを判別する(ステップS15)。そして、所定時間が経過していないと判別すると(ステップS15;No)、上述したステップS74に処理を戻す。
つまり、宅内機器70は、所定時間が経過するまでの間、住宅H内にいるユーザ(居住者)からのコントローラ80を通じた宅内操作を待機する。
上述したステップS74にて、宅内操作があったと判別すると(ステップS74;Yes)、宅内機器70は、遠隔操作から宅内操作(居住者によるコントローラ80の操作パネル805の操作)へ移行する(ステップS76)。
すなわち、主機能制御部126は、宅内操作受付部721にて受け付けた宅内操作に応じて、主機能の動作を制御する。
つまり、宅内機器70の遠隔操作が不能となっても、住宅H内のユーザ(居住者)によるコントローラ80を通じた宅内操作が、引き続き行われることになる。なお、宅内操作への移行に伴い、宅内機器70は、監視制御処理を終了する。
一方、このような宅内操作がないまま、上述したステップS15にて、所定時間が経過したと判別すると(ステップS15;Yes)、宅内機器70は、遷移すべき安全動作と、それまでの猶予時間を決定する(ステップS17)。
宅内機器70は、機器状態を監視する(ステップS18)。
すなわち、機器状態監視部118は、遠隔操作が継続していれば通信端末40から収集されるはずだった機器状態を、通信端末40に代わって収集し、機器側に異常が生じていないかどうかを監視する。
宅内機器70は、機器異常が生じているか否かを判別する(ステップS19)。
すなわち、機器状態監視部118は、通信端末40に代わって収集した機器状態から、機器側に異常が生じているかどうかを判別する。
宅内機器70は、機器異常が生じていないと判別すると(ステップS19;No)、猶予時間が経過したか否かを判別する(ステップS20)。そして、猶予時間が経過していないと判別すると(ステップS20;No)、宅内機器70は、上述したステップS18に処理を戻す。
つまり、宅内機器70は、猶予時間が経過するまで、自ら機器状態を監視しながら、異常が生じていないかどうかを判別する。
上述したステップS19にて、機器異常が生じたと判別すると(ステップS19;Yes)、宅内機器70は、猶予時間の経過を待つことなく、ステップS21に処理を進める。
一方、このような機器異常が生じることなく、上述したステップS20にて、猶予時間が経過したと判別すると(ステップS20;Yes)、宅内機器70は、安全動作へ遷移させる(ステップS21)。
すなわち、遠隔操作異常処理部124は、主機能制御部126を制御して安全動作に遷移させる。
宅内機器70は、安全動作への遷移を終えると、監視制御処理を終了する。なお、上述したように、安全動作が複数定義されている場合もある。その場合、宅内機器70は、上述したステップS17に処理を戻し、次に遷移すべき安全動作と猶予時間を決定し、ステップS18〜S20を繰り返し実行する。そして、次に遷移すべき安全動作がなくなると、宅内機器70は、監視制御処理を終了する。
このような監視制御処理により、遠隔操作が不能となった場合でも、住宅H内に居住者がいる場合は、その居住者への報知により、コントローラ80を通じた宅内機器70の継続操作が可能となる。また、そのような居住者がいない場合でも、必要な猶予時間が経過した後に、安全動作に遷移させるため、それまでの遠隔操作が無駄とはならず、利便性を維持することができる。また、遠隔操作が不能となった状況において、宅内機器70が自ら機器状態を監視することで、遠隔操作時と同等の安全管理を行うことができる。
この結果、遠隔操作が不能となった場合でも、安全性を確保しつつ、適正な制御を行うことができる。
上記の第1及び、第2の実施形態では、発明の理解を容易にするために、コントローラ20,80が宅内機器10,70の情報を収集しない場合について説明したが、実際には、コントローラ20,80が宅内機器10,70から機器情報等を収集して管理することもある。
具体的には、宅内機器10,70が通信端末40から遠隔操作されている間において、コントローラ20,80からも一定時間毎に状態取得要求フレームが宅内機器10,70に送信されることになる。
その場合、遠隔操作監視部112は、遠隔操作受付部111が受信した状態取得要求フレームが、通信端末40から送られたものか、コントローラ20,80から送られたものかを明確に区別しつつ、通信端末40との通信状況を監視する。例えば、遠隔操作監視部112は、状態取得要求フレーム中の送信元アドレスをチェックし、その状態取得要求フレームが通信端末40から送られたものか、コントローラ20,80から送られたものかを判定する。そして、上記の実施形態と同様に、一定時間を大きく経過(例えば、2回送信分の時間を経過)しても遠隔操作受付部111が通信端末40から送られた状態取得要求フレームを受信しなかった場合に、遠隔操作監視部112は、通信端末40との通信が途絶した(遠隔操作が不能となった)と判別する。
なお、この他にも、コントローラ20,80が、中継する通信端末40からの状態取得要求フレームを受信しなくなると、自身からの状態取得要求フレームの送信を停止するようにしてもよい。例えば、コントローラ20,80は、通信端末40から送られた状態取得要求フレームを受信し、その状態取得要求フレームを宅内機器10,70に送信したのをトリガとして、自身からの状態取得要求フレームの送信を宅内機器10,70に送信するようにする。そのため、通信端末40からの状態取得要求フレームを受信しなくなると、コントローラ20,80は、自動的に、自身からの状態取得要求フレームの送信も停止する。
この場合、宅内機器10,70(遠隔操作監視部112)は、状態取得要求フレームの送信元を判別することなく、上述した第1及び、第2の実施形態と同様に、状態取得要求フレームを所定時間内に受信しないと、通信端末40との通信が途絶した(遠隔操作が不能となった)と判別する。
上記の第1及び、第2の実施形態では、通信端末40がサーバ50を通じて、コントローラ20,80との通信接続を確立する場合について説明したが、このようなサーバ50を用いずに、通信端末40が直接、コントローラ20,80との通信接続を確立できるようにしてもよい。
上記の第1及び、第2の実施形態では、専用の宅内機器10,70を用いる場合について説明したが、これら宅内機器10,70の動作を規定する動作プログラムを既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等に適用することで、当該パーソナルコンピュータ等を本発明に係る宅内機器10,70として機能させることも可能である。
また、このようなプログラムの配布方法は任意であり、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto Optical Disk)、メモリカードなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納して配布してもよいし、インターネットなどの通信ネットワークを介して配布してもよい。
1,2 ホームシステム、10,70 宅内機器、20,80 コントローラ、30 宅内ネットワーク、40 通信端末、50 サーバ、60 宅外ネットワーク、111 遠隔操作受付部、112 遠隔操作監視部、113 パス、114,806 報知部、115,807 表示部、116,808 音声出力部、117 遠隔操作ログ記憶部、118 機器状態監視部、121 手動操作受付部、122 リモコン操作受付部、123,723 入力排他処理部、124 遠隔操作異常処理部、125 タイマ、126 主機能制御部、127 遠隔操作異常時遷移定義記憶部、128 機器制御データベース、714 報知依頼部、721 宅内操作受付部、201 宅内通信部、202 宅外通信部、203 制御部、204 データ記憶部、805 操作パネル

Claims (10)

  1. 宅内に配置され、所定の主機能を動作させる宅内機器であって、
    通信端末と通信を行い、宅外からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
    宅内からの操作を受け付ける操作受付手段と、
    前記遠隔操作受付手段が受け付けた遠隔操作、又は、前記操作受付手段が受け付けた操作に基づいて、前記主機能の動作を制御する主機能制御手段と、
    前記遠隔操作の実行中に、前記遠隔操作受付手段における前記通信端末との通信を監視する通信監視手段と、
    前記通信監視手段が前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作が不能となった旨を宅内に報知する報知手段と、
    を備える宅内機器。
  2. 前記報知手段が前記遠隔操作が不能となった旨を報知してから所定時間内に、前記操作受付手段が操作を受け付けると、前記主機能制御手段は、前記遠隔操作を終え、前記主機能の動作を前記操作受付手段が受け付けた操作に基づいて制御する、
    請求項1に記載の宅内機器。
  3. 前記報知手段が前記遠隔操作が不能となった旨を報知してから所定時間を経過しても前記操作受付手段が操作を受け付けない場合に、前記主機能制御手段を制御し、予め定められた安全動作に遷移させる異常処理手段を更に備える、
    請求項1又は2に記載の宅内機器。
  4. 前記異常処理手段は、前記主機能の動作状況に基づいて、前記安全動作に遷移させるまでの猶予時間を設定し、
    前記主機能制御手段は、前記猶予時間が経過した後に、前記安全動作に遷移させる、
    請求項3に記載の宅内機器。
  5. 前記通信端末から収集され得る機器状態を、前記通信端末に代わって収集する機器監視手段を更に備え、
    前記異常処理手段は、前記機器監視手段が収集した機器状態から機器の異常が判別されると、前記猶予時間の経過を待つことなく、前記主機能制御手段を制御して前記安全動作に直ちに遷移させる、
    請求項4に記載の宅内機器。
  6. 前記通信監視手段は、前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作受付手段と前記主機能制御手段とを結ぶ伝達経路を遮断する、
    請求項1から5の何れか1項に記載の宅内機器。
  7. 少なくとも、前記遠隔操作受付手段及び前記通信監視手段と、前記操作受付手段及び前記主機能制御手段とは、別ユニットにて構成されている、
    請求項1から6の何れか1項に記載の宅内機器。
  8. 宅内に配置され所定の主機能を動作させる宅内機器と、当該宅内機器を宅内にて管理するコントローラと、宅外にて使用される通信端末とを含んだホームシステムであって、
    前記宅内機器は、
    前記通信端末からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付手段と、
    前記コントローラを通じて宅内からの操作を受け付ける宅内操作受付手段と、
    前記遠隔操作受付手段が受け付けた遠隔操作、又は、前記宅内操作受付手段が受け付けた宅内操作に基づいて、前記主機能の動作を制御する主機能制御手段と、
    前記遠隔操作の実行中に、前記遠隔操作受付手段における前記通信端末との通信を監視する通信監視手段と、
    前記通信監視手段が前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作が不要となった旨の報知を前記コントローラに依頼する報知依頼手段と、を備え、
    前記コントローラは、
    前記通信端末と前記宅内機器との間の通信を中継する宅外通信手段と、
    宅内のユーザに操作される操作手段と、
    前記操作手段への操作に応じた前記宅内操作を前記宅内機器に送信し、前記宅内機器から送られる報知依頼を受信する宅内通信手段と、
    前記宅内通信手段が前記報知依頼を受信した場合に、前記遠隔操作が不能となった旨を宅内に報知する報知手段と、を備える、
    ホームシステム。
  9. 宅内に配置され、所定の主機能を動作させる宅内機器における制御方法であって、
    通信端末と通信を行い、宅外からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付ステップと、
    宅内からの操作を受け付ける操作受付ステップと、
    前記遠隔操作受付ステップにて受け付けた遠隔操作、又は、前記操作受付ステップにて受け付けた操作に基づいて、前記主機能の動作を制御する主機能制御ステップと、
    前記遠隔操作の実行中に、前記遠隔操作受付ステップにおける前記通信端末との通信を監視する通信監視ステップと、
    前記通信監視ステップにて前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作が不能となった旨を宅内に報知する報知ステップと、
    を備える制御方法。
  10. 宅内に配置され、所定の主機能を動作させるコンピュータを、
    通信端末と通信を行い、宅外からの遠隔操作を受け付ける遠隔操作受付部、
    宅内からの操作を受け付ける操作受付部、
    前記遠隔操作受付部が受け付けた遠隔操作、又は、前記操作受付部が受け付けた操作に基づいて、前記主機能の動作を制御する主機能制御部、
    前記遠隔操作の実行中に、前記遠隔操作受付部における前記通信端末との通信を監視する通信監視部と、
    前記通信監視部が前記通信端末との通信途絶を検出した場合に、前記遠隔操作が不能となった旨を宅内に報知する報知部、
    として機能させるプログラム。
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