JP5689551B1 - 澱粉を含有する顆粒状スープ類の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】風香味が良く且つ溶解性も良好な澱粉を含有する顆粒状スープ類を製造する方法、及び、該製造方法により製造される風香味及び溶解性が好適な澱粉を含有する顆粒状スープ類等を提供する。【解決手段】流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと、未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化する工程を含む製造工程により顆粒状スープ類を製造することで、風香味を維持しながら溶解性が向上した澱粉を含有する顆粒状スープ類を得ることができる。【選択図】なし

Description

本発明は、澱粉を含有する顆粒状スープ類の製造方法等に関するものである。詳細には、風香味が良く且つ溶解性も良好な澱粉含有顆粒状スープ類を製造する方法、該製造方法により製造される澱粉含有顆粒状スープ類等に関する。
熱湯を注ぐだけですぐに食べられるカップスープ類(即席スープ類)は、その簡便性だけでなく、フレーバーの種類の豊富さなどから消費者のニーズは非常に高い。特に、ポタージュなどのとろみのあるスープ類は、消費者の購買意欲が高く、人気商品となっている。
このカップスープ類の形状は様々であり、粉末状、顆粒状、フリーズドライブロック、ペースト状など多岐にわたる。そして、とろみのあるスープ類は、スープに粘性を付与させるために澱粉を含有しているものが多いが、その熱湯溶解性を高めたり、固結抑制、含量均一性の維持、ハンドリング向上などのため、通常は顆粒状に加工されている。しかし、顆粒状に加工されていても、熱湯を注いだ後にダマ(継粉)を生じ、短時間で均一に分散、溶解できない(溶け残りが発生する)場合が多く見受けられる。
このような溶け残りが発生すると、スープ本来の風香味が得られないばかりか、消費者が喫食中に何度も攪拌しなくてはならないこともあり、製品の価値を著しく損なうこととなる。また、カップスープ類だけでなく、シチューの素(シチュールー)などのスープベースにおいても、顆粒状に加工され商品化されているものがあるが、これについても使用時の溶解不良発生は大きな問題となる。したがって、当業界においては、これらのような顆粒状スープ類の溶解性改善、特に、風香味や嵩などに大きな影響を及ぼさない溶解性改善方法の開発が望まれている。
なお、スープ類の溶解性を向上させるには造粒することが最適な選択肢のひとつであるが、上述の通り、単純に配合原料を混合して顆粒化するだけでは充分でない場合も多い。また、過度の顆粒化工程を行うことは高い熱履歴をかけ風香味を損ねることとなり、さらには、顆粒の嵩が非常に大きくなって個包装等に支障をきたす恐れもあり、特に風香味を楽しむ個食スープ類製品などにとって望ましいものではない。
他に澱粉を含有する顆粒状スープ類などの溶解性を向上させる方法としては、これまでに、植物ステロールと卵黄リポ蛋白質との複合体を所定量含有させたり(特許文献1)、エーテル化あるいはエステル化された化工澱粉と特定の添加物(リン酸塩など)を含有させマイクロ波加熱する方法(特許文献2)等が知られている。しかし、これらも効果が充分でない場合が多く、また、消費者ニーズからできるだけ添加物を用いないことが望ましい。
特開2007−259826号公報 特開2009−039108号公報
本発明は、風香味が良く且つ溶解性も良好な澱粉含有顆粒状スープ類を製造する方法、及び、該製造方法により製造される風香味及び溶解性が好適な澱粉含有顆粒状スープ類等を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明者らは鋭意研究を行い、顆粒状スープ類の原料のうち澱粉とデキストリンを先に流動層造粒により造粒し、これに未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化する工程を含む製造工程を採用することで、風香味を維持しながら溶解性が向上した澱粉含有顆粒状スープ類を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の実施形態は次のとおりである。
(1)流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと、未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化する工程を含むことを特徴とする、澱粉を含有する顆粒状スープ類の製造方法。
(2)流動層造粒により造粒する澱粉とデキストリンの配合比が、澱粉80重量部:デキストリン20重量部〜澱粉50重量部:デキストリン50重量部の範囲であることを特徴とする、(1)に記載の方法。
(3)流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンを、製造原料全量のうち重量比で15〜50%用いることを特徴とする、(1)又は(2)に記載の方法。
(4)他の原料として、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、まめ、にんじん、だいこん、ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ゴマ、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類から選ばれる少なくとも1以上の粉末及び/又は抽出物粉末(乾燥粉砕物、抽出エキス粉末、搾汁粉末等)を用いることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)(1)〜(4)のいずれか1つに記載の方法により製造された、嵩比重が0.30〜0.75g/ml及び安息角が30〜60°である、澱粉を含有する顆粒状スープ類。
(6)顆粒状スープ類の製造において、流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと、未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化することを特徴とする、澱粉を含有する顆粒状スープ類の風香味を維持しながら溶解性を改善する方法。
(7)流動層造粒により造粒する澱粉とデキストリンの配合比が、澱粉80重量部:デキストリン20重量部〜澱粉50重量部:デキストリン50重量部の範囲であることを特徴とする、(6)に記載の方法。
(8)流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンを、製造原料全量のうち重量比で15〜50%用いることを特徴とする、(6)又は(7)に記載の方法。
(9)他の原料として、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、まめ、にんじん、だいこん、ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ゴマ、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類から選ばれる少なくとも1以上の粉末及び/又は抽出物粉末を用いることを特徴とする、(6)〜(8)のいずれか1つに記載の方法。
本発明によれば、事前に流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンを顆粒状スープ類の製造原料に用いることで、風香味が良く且つ簡単に熱湯等に溶解して適度な粘性を有するスープとなり、さらに、必要以上に顆粒の嵩や粒子が大きくない(個包装する際にも欠点とならない)澱粉を含有する顆粒状スープ類を製造することができる。
実施例1で製造した各種顆粒状コーンスープ(試験区分I〜III)の粒度分布を示す。縦軸が分布割合(%)、横軸がメッシュサイズを表し、菱形が試験区分I(本発明)、四角が試験区分II、三角が試験区分IIIのグラフである。 実施例3で製造した各種顆粒状コーンスープ(試験区分I〜III)の官能評価結果を示す。縦軸が点数(5点満点)、横軸が評価項目を表し、白抜きが試験区分I(本発明)、斜線が試験区分II、黒塗りが試験区分IIIのグラフである。
本発明では、澱粉を含有する顆粒状スープ類の製造において、まずはじめに、原料中において風香味に影響を与えない成分であり且つ粘性の主成分となる澱粉と、デキストリンだけを混合して造粒する。ここでは、澱粉単独ではなく、水に溶けやすいデキストリンを併用することで、澱粉分子同士の距離をある程度置くことができ、溶解時の凝集を防ぎ、溶解性を向上させる。また、デキストリンを配合することで粒子形状が不定形となり、面接触で造粒され易く、顆粒が壊れにくくなる。使用する澱粉は、粉末状の天然澱粉及び/又は加工澱粉であり、コーンスターチ、小麦澱粉、米澱粉、馬鈴薯澱粉、甘藷澱粉、タピオカ澱粉、緑豆澱粉、サゴ澱粉、これらの加工澱粉などを用いることができる。また、デキストリンとは、澱粉を酸あるいは酵素類で分解して得られる3〜10程度の重合度のオリゴ糖であり、これも市販品などを広く使用できる。
澱粉とデキストリンの配合比は、澱粉80重量部:デキストリン20重量部〜澱粉50重量部:デキストリン50重量部の範囲であるのが好適である。なお、デキストリンの使用量が少なすぎると充分な効果が奏されない可能性があり、また、澱粉のみを造粒したものでは、澱粉分子同士が近傍にありすぎ溶解時に凝集し易く、本発明の効果を充分発揮できないため不適である。
混合した澱粉及びデキストリンは、流動層造粒工程により造粒する。流動層造粒は定法により行えばよく、特段の限定はないが、例えば、結合剤として0.5〜5%程度の濃度の澱粉あるいはガム類水溶液を用い、風量0.1〜0.5m程度、噴霧速度1〜10ml/分程度、給気温度80〜100℃程度の条件が例示される。なお、この澱粉及びデキストリンの造粒工程で流動層造粒法以外の造粒法を採用することは、粒同士に空隙をつくることで粒同士の凝集を防ぐという本工程の目的が達成されないため好ましくない。
そして次に、流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと、未造粒の他の原料をできるだけ均一に混合する。ここで、未造粒の他の原料とは、スプレードライや乾燥・粉砕などにより粉末状となっている(顆粒状に加工されていない)素材、その抽出エキス、搾汁(ジュース)等を指す。なお、未造粒の他の原料について、造粒するのではなく、事前に粉砕及び整粒等を行って粒子サイズをそろえたものを用いることを完全に除外するものではないが、本発明では、このような整粒等を行わずそのまま(各原料の粒子サイズが均一でない状態で)使用しても、製品の溶解性改善効果が充分発揮されることが大きな特徴である。
用いることができる未造粒の他の原料としては、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、まめ、にんじん、だいこん、ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ゴマ、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類から選ばれる少なくとも1以上の粉末及び/又は抽出物(エキス、ジュース等)粉末、塩類(食塩、アミノ酸類など)、糖類(砂糖、乳糖など)、ガム類、粉末油脂、粉末状乳タンパク質、香辛料粉末などが例示される。
また、流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと未造粒の他の原料の混合比については、流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンを、製造原料全量(混合物全量)のうち重量比で15〜50%(例えば25〜45%程度)用いるのが好ましい。流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンの配合量がこの範囲より少ない場合、充分な粘性を有する製品が得られない可能性があり、また、この範囲より多い場合、溶解性が充分でない製品となる可能性がある。
このようにして得られた混合物は、最終加工工程として公知の造粒法により顆粒化する。造粒法としては、流動層造粒、攪拌造粒、押出造粒などが例示され、特段の限定はない。顆粒のサイズについても特段の限定はないが、即席スープ類やスープベースの製品の使用態様を考慮すると、包装に適さないような嵩比重や粒子径とするのは好ましくない。
例えば、得られる最終製品の顆粒の物性の好適値としては、嵩比重が0.40〜0.75g/ml、安息角が30〜60°程度であることが示されるが、使用する原料の種類や物性などによりこの数値は多少変化する場合があり、この範囲に限定されるものではない。
なお、本発明において「顆粒状スープ類」とは、流動層造粒などの公知の造粒法により顆粒化された、カップなどに投入して熱湯を注ぎ溶解させてから喫食する食品(いわゆる即席スープ類)、又は、鍋などの熱湯中に投入して溶解させるベーススープとなる食品(シチューの素などのいわゆるスープベース)を意味する。また、「熱湯」とは、80〜100℃の熱水(液体)を意味する。
本発明によれば、風香味が良く且つ溶解性が向上した澱粉含有顆粒状スープ類を得られるだけでなく、必要以上に嵩や粒子が大きくない(1食分あるいは所要の用量を個包装する際にも欠点とならない)澱粉を含有する顆粒状スープ類を製造することができ、各原料の整粒等の複雑な操作も必要ない。
以下、本発明の実施例について述べるが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、本発明の技術的思想内においてこれらの様々な変形が可能である。
(澱粉含有顆粒状スープ類の溶解性確認試験I)
各種条件で製造した顆粒状コーンスープの溶解性を比較確認するため、以下の試験を実施した。
下記表1に記載の配合で顆粒状コーンスープを各種製造した。具体的には、まず、原料中の澱粉とデキストリンを流動層造粒により造粒した。この造粒の条件は、結合剤として3%α化澱粉水溶液を用い、風量0.4m、噴霧速度6ml/分、給気温度90℃とした。次に、この造粒した澱粉及びデキストリンと、下記表2に示すように調製(粉体混合又は流動層造粒)した他の原料を混合した(試験区分I〜III)。そして、試験区分I及びIIIについては、混合物を最終加工工程として攪拌造粒を行った。このようにして得られた各試験区分の顆粒について、それぞれ300mlビーカーに20g投入し、羽付き攪拌機を200rpmに回転させながら熱湯を200ml注ぎ、30秒間攪拌し続け、その後60秒間静置してから熱湯を捨て、溶け残った重量を測定することにより、溶解性の確認を行った。なお、溶解性の確認は、各試験区分について上記測定を3回行い、その平均値を算出した。
Figure 0005689551
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この結果、試験区分I及びIIIについては溶け残りが非常に少なく、溶解性は良好であったが、試験区分IIは溶け残りが多く、溶解性が充分でないことが示された(表3)。
Figure 0005689551
また、試験区分I〜IIIの顆粒について、粉体物性値の確認を行った。具体的には、JIS規格にそった標準篩にて粉を落としきるまで振り、各メッシュ上に残る重量から粒度分布を測定し、また、パウダーテスター(ホソカワミクロン製)により、安息角、崩潰角、差角、嵩比重(ゆるめ嵩比重)、固め嵩比重、圧縮率の各項目を測定した。
この結果を表4(粒度分布測定値)、表5(パウダーテスター測定値)、及び図1(粒度分布グラフ)に示した。この結果が示すとおり、試験区分IIIは嵩比重が非常に軽く且つ粒子もかなり大きく、個包装の量が多くなりすぎるという欠点が散見されることが明らかとなった。逆に、本発明に係る方法で製造した試験区分Iは、溶解性が良好であり且つ粉体物性も個包装に適したものであることが示された。
Figure 0005689551
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(澱粉含有顆粒状スープ類の溶解性確認試験II)
更に、各種条件で製造した顆粒状コーンスープの溶解性を比較確認するため、以下の試験を実施した。
実施例1の表1に記載の配合と同じ配合で顆粒状コーンスープを各種製造した。具体的には、下記表6に示したように、まず、試験区分VI及びVIIについては、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した。次に、この造粒した澱粉及びデキストリン(試験区分VI及びVII)、あるいは未造粒の澱粉とデキストリン(試験区分IV及びV)と、未造粒の他の原料を混合した。そして、試験区分V及びVIIについては、混合物を最終加工工程として攪拌造粒を行った。このようにして得られた各試験区分の顆粒又は粉状物について、それぞれ300mlビーカーに20g投入し、熱湯200mlを一気に注いだ後の溶け残り重量を測定することにより、溶解性の確認を行った。なお、溶解性の確認は、各試験区分について上記測定を3回行い、その平均値を算出した。
Figure 0005689551
この結果、本発明に係る方法で製造した試験区分VIIについては溶け残りが非常に少なく、溶解性は良好であったが、他の試験区分は溶け残りが多く、溶解性が充分でないことが示された(表7)。
Figure 0005689551
(澱粉含有顆粒状スープ類の風香味確認試験)
各種条件で製造した顆粒状コーンスープの風香味を比較確認するため、以下の試験を実施した。
下記表8に記載の配合で顆粒状コーンスープを各種製造した。具体的には、まず、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した。次に、この造粒した澱粉及びデキストリンと他の原料を、実施例1の表2と同様の条件により混合、最終加工を行った(試験区分I〜III)。このようにして得られた各試験区分の顆粒について、それぞれ300mlビーカーに20g投入し、熱湯を200ml注いで攪拌した後、訓練されたパネラー8名により官能評価(5点満点での項目評価)を実施した。
Figure 0005689551
この結果を表9及び図2に示した。この結果から、試験区分IIIはコーンのフレッシュな香りや蒸したコーンの風味が少なく、造粒時の熱履歴による風香味の劣化が大きいこと、及び、本発明に係る方法で製造した試験区分Iは、コーンのフレッシュな香り、蒸したコーンの風味、香ばしさのバランスが非常に良好であることが明らかとなった。
Figure 0005689551
(澱粉とデキストリンの適性配合比確認試験)
澱粉含有顆粒状スープ類製造における、先に造粒する澱粉とデキストリンの適性配合比を確認するため、以下の試験を実施した。
下記表10に記載の配合で澱粉及びデキストリンの造粒品を各種製造し、その溶解性を確認した。具体的には、まず、各種配合比の澱粉及び/又はデキストリンを流動層造粒により造粒した。この造粒の条件は、結合剤として1%α化澱粉水溶液を用い、風量0.4m、噴霧速度6ml/分、給気温度90℃とした。次に、このようにして得られた各試験区分の顆粒(試験区分B〜G)及び未造粒の澱粉(試験区分A)について、それぞれ300mlビーカーに最終濃度が2%澱粉水溶液となるように投入し、熱湯200mlを一気に注いだ後の溶け残り重量を測定することにより、溶解性の確認を行った。なお、溶解性の確認は、各試験区分について上記測定を3回行い、その平均値を算出した。
Figure 0005689551
この結果、試験区分D〜Gについては溶解性が良好であること、及び、試験区分CとDの間に溶解性の大きな差が認められることが明らかとなった(表11)。つまり、良好な溶解性を保つためには、流動層造粒により造粒する澱粉とデキストリンの配合比が、澱粉80重量部:デキストリン20重量部〜澱粉50重量部:デキストリン50重量部の範囲とするのが好適であることが示された。
Figure 0005689551
(各種澱粉含有顆粒状スープ類の製造試験)
各種澱粉含有顆粒状スープ類の製造、及び、その性状確認を以下の通り実施した。
下記表12に記載の配合で顆粒状コーンポタージュを製造した。具体的には、まず、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した(造粒澱粉区分)。なお、対照品は、澱粉のみを未造粒で用いた(既存品区分)。次に、未造粒の他の原料を混合し、混合物を最終加工工程として攪拌造粒した。このようにして得られた各区分について、パウダーテスター(ホソカワミクロン製)により、安息角、崩潰角、差角、嵩比重(ゆるめ嵩比重)、固め嵩比重、圧縮率の各項目を測定した。また、実施例2に記載の方法と同条件で、溶け残り重量も測定した。但し、溶解性は同量での評価ではなく、デキストリン添加量を加味した重量にて評価した。
Figure 0005689551
また、下記表13に記載の配合で顆粒状クラムチャウダーを製造した。これも、まず、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した(造粒澱粉区分)。なお、対照品は、澱粉のみを未造粒で用いた(既存品区分)。次に、未造粒の他の原料を混合し、混合物を最終加工工程として流動層造粒機で造粒、乾燥した。このようにして得られた各区分について、パウダーテスター(ホソカワミクロン製)により、安息角、崩潰角、差角、嵩比重(ゆるめ嵩比重)、固め嵩比重、圧縮率の各項目を測定した。また、実施例2に記載の方法と同条件で、溶け残り重量も測定した。但し、溶解性は同量での評価ではなく、デキストリン添加量を加味した重量にて評価した。
Figure 0005689551
さらに、下記表14に記載の配合で顆粒状コーンポタージュを製造した。これも、まず、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した(造粒澱粉区分)。なお、対照品は、澱粉及びデキストリンを未造粒で用いた(既存品区分)。次に、未造粒の他の原料を混合し、混合物を最終加工工程として押出造粒した。押出造粒の条件は、計量した粉体をミキサーに入れ、混合しながら全体の重量に対して10%まで加水し、吸湿した粉体を押出造粒機にて造粒し、得られた粉体を棚乾燥にて70℃、7時間乾燥した。そして、十分に乾燥された造粒物をミキサーで粉砕し、評価顆粒とした。このようにして得られた各区分について、パウダーテスター(ホソカワミクロン製)により、安息角、崩潰角、差角、嵩比重(ゆるめ嵩比重)、固め嵩比重、圧縮率の各項目を測定した。また、実施例2に記載の方法と同条件で、溶け残り重量も測定した。
Figure 0005689551
さらには、下記表15に記載の配合で顆粒状スープである海老のビスクを製造した。まず、原料中の澱粉とデキストリンを実施例1に記載の方法と同じ条件で流動層造粒により造粒した区分(造粒澱粉区分)と、澱粉とデキストリンを未造粒で用いた区分(既存品区分)に、それぞれ未造粒の他の原料を混合し、混合物を最終加工工程として流動層造粒機で造粒、乾燥した。このようにして得られた各区分について、パウダーテスター(ホソカワミクロン製)により、安息角、崩潰角、差角、嵩比重(ゆるめ嵩比重)、固め嵩比重、圧縮率の各項目を測定した。また、実施例2に記載の方法と同条件で、溶け残り重量も測定した。
Figure 0005689551
以上より、最終加工工程が攪拌造粒、流動層造粒、押出造粒のいずれにおいても、流動層造粒した澱粉及びデキストリンを原料として用いることで、澱粉を未造粒で用いた場合よりも良好な粉体物性及び溶解性の澱粉含有顆粒状スープ類を製造できることが示された。
本発明を要約すれば、以下の通りである。
本発明は、風香味が良く且つ溶解性も良好な澱粉を含有する顆粒状スープ類を製造する方法、及び、該製造方法により製造される風香味及び溶解性が好適な澱粉を含有する顆粒状スープ類等を提供することを目的とする。
そして、流動層造粒により造粒した澱粉及びデキストリンと、未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化する工程を含む製造工程により顆粒状スープ類を製造することで、風香味を維持しながら溶解性が向上した澱粉を含有する顆粒状スープ類を得ることができる。

Claims (6)

  1. 顆粒状スープ類の原料のうち澱粉とデキストリンを先に流動層造粒により造粒し、この造粒した澱粉及びデキストリンと未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化する工程を含むことを特徴とする、澱粉を含有する顆粒状スープ類の製造方法。
  2. 澱粉とデキストリンの配合比が、澱粉80重量部:デキストリン20重量部〜澱粉50重量部:デキストリン50重量部の範囲であることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  3. 澱粉及びデキストリンを、製造原料全量のうち重量比で15〜50%用いることを特徴とする、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 他の原料として、とうもろこし、じゃがいも、かぼちゃ、まめ、にんじん、だいこん、ごぼう、たまねぎ、アスパラガス、キャベツ、レタス、ホウレンソウ、ハクサイ、トマト、ナス、ピーマン、ブロッコリー、ゴマ、鶏肉、豚肉、牛肉、魚介類から選ばれる少なくとも1以上の粉末及び/又は抽出物粉末を用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により製造された、嵩比重が0.30〜0.75g/ml及び安息角が30〜60°である、澱粉を含有する顆粒状スープ類。
  6. 顆粒状スープ類の製造において、顆粒状スープ類の原料のうち澱粉とデキストリンを先に流動層造粒により造粒し、この造粒した澱粉及びデキストリンと未造粒の他の原料を混合し、この混合物を造粒して顆粒化することを特徴とする、澱粉を含有する顆粒状スープ類の風香味を維持しながら溶解性を改善する方法。
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