JP7116839B2 - 熱湯を注いで粘性を付与するための顆粒状組成物 - Google Patents
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Description
したがって、本発明は、沸騰水ほどの高温の熱湯を使用せずとも、粘性を安定に発現することのできる組成物を提供することを目的としている。
すなわち、本発明は、以下に示す熱湯を注いで粘性を付与するための顆粒状組成物及び熱湯を注ぐと粘性が生じる混合物を提供するものである。
〔1〕熱湯を注いで粘性を付与するための顆粒状組成物であって、
(A)未α化澱粉と、
(B)α化澱粉と、
(C)油脂と、
(D)澱粉分解物と、
を含むことを特徴とする顆粒状組成物。
〔2〕前記(A)未α化澱粉の含有量及び前記(B)α化澱粉の含有量の合計が、5.0~70.0質量%であり、(A):(B)の質量比が、1:0.1~6.0である、前記〔1〕に記載の顆粒状組成物。
〔3〕前記(B)α化澱粉の含有量が、30質量%以下である、前記〔1〕又は〔2〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔4〕前記(A)未α化澱粉が、馬鈴薯澱粉及び/又はタピオカ澱粉を含む、前記〔1〕~〔3〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔5〕前記(B)α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉及び/又はα化リン酸架橋澱粉を含む、前記〔1〕~〔4〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔6〕前記(C)油脂の含有量が、25質量%以下である、前記〔1〕~〔5〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔7〕(E)乳化剤をさらに含む、前記〔1〕~〔6〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔8〕前記(E)乳化剤の含有量が、0.1質量%以上である、前記〔7〕に記載の顆粒状組成物。
〔9〕押出し造粒したものである、前記〔1〕~〔8〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔10〕風味原料を含まない、前記〔1〕~〔9〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
〔11〕前記〔1〕~〔10〕のいずれか一項に記載の顆粒状組成物、及び、風味原料などを含む粉粒状組成物を含む、熱湯を注ぐと粘性が生じる混合物。
本発明の熱湯を注いで粘性を付与するための顆粒状組成物は、未α化澱粉と、α化澱粉と、油脂と、澱粉分解物とを含むことを特徴としている。前記顆粒状組成物は、熱湯と混合するだけで、他に加熱を要することなく、結果として生じる液体に粘性を付与することができるものである。前記液体は、特に限定されないが、例えば、コーンスープ、パンプキンスープ、及び汁粉などのスープであってもいいし、クリームシチュー及びビーフシチューなどのシチューであってもいいし、カレーソース、ホワイトソース、デミグラスソース、及びパスタソースなどのソースであってもよい。風味原料などを含まない粘性液であってもよい。また、本明細書に記載の「熱湯」とは、80℃以上の熱水のことをいい、例えば、沸騰水であってもよく、90℃以下の熱水であってもよい。本発明の顆粒状組成物は、沸騰水を使用しなくても所望の粘性を発現することができる。すなわち、80~100℃の熱水、好適には85~100℃の熱水を注いで所望の粘性を発現することができる。
(1)風味原料を含まない顆粒状組成物の製造
後述の表1に記載の原料を用意した。小麦粉及びパーム硬化油(上昇融点が46~53℃のもの)を均質に混合し、これを加熱撹拌釜内で品温が約120℃になるように加熱混合して、小麦粉ルウを調製した。その後、ここに予め混合しておいた残りの原料を投入し、品温が約95℃になるように加熱混合した。このようにして得られた溶融状物を、品温が約60℃になるように冷却した後、押出し造粒機(スクリーンの孔の直径1.0mm)を用いて押出し造粒した。品温が約60℃の造粒物を造粒機から排出した後、これに対して流動層内で約10℃の冷風を吹き付け、1分間で品温が約20℃になるように急速冷却して、顆粒状組成物(試料1~6)を得た。得られた顆粒状組成物は、粒度範囲が500~1000μmのもの(JISふるい網の目開き500μmにONし、目開き1000μmをPASSしたもの)で、均一な組織の顆粒であった。
なお、馬鈴薯澱粉及びデキストリンの混合乾燥物は、流動層乾燥機に馬鈴薯澱粉を投入し、この馬鈴薯澱粉に対して、デキストリンを等量の水で混合した混合液を噴霧乾燥して、馬鈴薯澱粉とデキストリンの比率が質量比で8:2となるように調製したものである。前記混合乾燥物に含まれる馬鈴薯澱粉が未α化澱粉に相当する。また、前記混合乾燥物に含むデキストリン及び単独で加えるデキストリンとしては、どちらもDE値8の同じものを使用した。すなわち、これらのデキストリンの合計量が、本発明で規定する澱粉分解物の量となる。また、乳化剤としては、HLBが4.3の蒸留モノグリセリン脂肪酸エステルを使用した。
上記(1)で製造した顆粒状組成物10gをグラスに入れ、95℃又は85℃の熱湯150gを注ぎ、小型のスプーンで30秒間ゆっくりかき混ぜた。注湯後2分30秒から3分の間で、B型粘度計(東機産業社製、「DEGITAL VISCOMETER DVL-B II」、ローターNo.3)により粘度を測定し、最大粘度(mPa・s)を記録した。また、各試料のとろみを、以下の基準で評価した。
[とろみの評価基準]
5:ボテボテしていて非常に粘度が高い。
4:ややボテボテしている。
3:シチュー状のとろみがある。
2:ポタージュ状のとろみがある。
1:スープ状のとろみがある。
上記(1)で製造した顆粒状組成物10gをグラスに入れ、95℃又は85℃の熱湯150gを注ぎ、スリーワンモーター(新東科学株式会社製)の小型の羽根で100rpmで30秒間撹拌した。この攪拌条件は、測定試料内にダマや溶け残りがあっても、それをさらに溶解させることはできない緩慢な条件である。攪拌後の試料を篩に通して、ダマ及び溶け残りの有無を観察した。ダマ形成については、以下の基準で評価した。
[ダマ形成の評価基準]
5:全くダマができない。
4:直径5mm以下のダマが少しできる。
3:直径5mm以下のダマが多くできる。
2:直径5mm以上のダマが少しできる。
1:直径5mm以上のダマが多くできる。
(1)顆粒状組成物及び粉粒状組成物を含む混合物の製造
試験例1で製造した顆粒状組成物(試料1~6)と風味原料を含む粉状組成物とを、それぞれ1:1の質量比で混合して、混合試料1’~6’を調製した。
(2)粘度測定並びにとろみ及びダマ形成の評価の結果及び考察
各混合試料20g(顆粒状組成物10g分を含む)を使用して、試験例1と同様に、粘度を測定し、とろみ及びダマ形成を評価した。それらの結果を以下の表2に示す。前記の粉状組成物は、粒度範囲が1000μm以下の粉体(JISふるい網の目開き1000μmをPASSしたもの)であった。
(1)風味原料を含む顆粒状組成物の製造
試験例2では、粘性を付与するための顆粒状組成物と風味原料を含む粉状組成物とを別々に調製して混合したが、本試験例では、これらの両組成物に含まれる成分を一体として含む顆粒状混合物を、試験例1の顆粒状組成物と同様の方法で調製した(試料7及び8)。
(2)粘度測定並びにとろみ及びダマ形成の評価の結果及び考察
各試料20g(顆粒状組成物10g分を含むものに相当する)を使用して、試験例1と同様に、粘度を測定し、とろみ及びダマ形成を評価した。それらの結果を以下の表3に示す。
(1)風味原料を含まない顆粒状組成物の製造
小麦粉30.2質量部、ナタネ硬化油(上昇融点が50~55℃のもの)15.5質量部、未α化タピオカ澱粉10.88質量部、α化リン酸架橋澱粉25質量部、DE値15のデキストリン10質量部、ポリグリセリン酸脂肪エステル(乳化剤)1質量部、及びグルコース(賦形剤)7.42質量部を順次混合し、小麦粉ルウの製造工程を経なかった点以外は試験例1と同様にして、顆粒状組成物(試料9)を製造した。得られた顆粒状組成物は、粒度範囲が500~1000μmのもの(JISふるい網の目開き500μmにONし、目開き1000μmをPASSしたもの)で、均一な組織の顆粒であった。
Claims (11)
- 熱湯を注いで粘性を付与するための顆粒状組成物であって、
(A)未α化澱粉と、
(B)α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉、α化リン酸架橋澱粉、α化アセチル化アジピン酸架橋澱粉、α化アセチル化リン酸架橋澱粉、α化アセチル化酸化澱粉、及びα化ヒドロキシプロピル澱粉から選択されるα化澱粉と、
(C)油脂と、
(D)澱粉分解物と、
を含むことを特徴とする顆粒状組成物。 - 前記(B)α化澱粉の含有量が、5.0質量%以上であり、前記(C)油脂の含有量が、5.0質量%以上である、請求項1に記載の顆粒状組成物。
- 前記(A)未α化澱粉の含有量及び前記(B)α化澱粉の含有量の合計が、5.0~70.0質量%であり、(A):(B)の質量比が、1:0.1~6.0である、請求項1又は2に記載の顆粒状組成物。
- 前記(B)α化澱粉の含有量が、5.0質量%~30質量%である、請求項1~3のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- 前記(A)未α化澱粉が、馬鈴薯澱粉及び/又はタピオカ澱粉を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- 前記(B)α化澱粉が、α化ヒドロキシプロピル化リン酸架橋澱粉及び/又はα化リン酸架橋澱粉を含む、請求項1~5のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- 前記(C)油脂の含有量が、25質量%以下である、請求項1~6のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- (E)乳化剤をさらに含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- 85℃の熱水を注いだときに生じる液体の粘度が、400mPa・s以上である、請求項1~8のいずれか一項に記載の顆粒状組成物。
- 請求項1~9のいずれか一項に記載の顆粒状組成物、及び、風味原料を含む粉粒状組成物を含む、熱湯を注ぐと粘性が生じる混合物。
- 前記(A)未α化澱粉、前記(B)α化澱粉、前記(C)油脂、及び前記(D)澱粉分解物を含む原料を、押出し造粒する工程を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の顆粒状組成物の製造方法。
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