JP7305944B2 - 粉末スープ及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、溶解性に優れた粉末スープとその製造方法に関する。
湯又は水を加えるだけで、ままこあるいはダマと称される塊が残らないで速やかに分散溶解することは粉末スープに要求される重要な性質である。この溶解性を改善する為に、従来から多数の研究が行われて来た。例えば、ポリグリセリンオレイン酸エステルを配合することによって、特に冷水や冷たい牛乳を加えても溶解性の良好な冷製スープが得られるようにした手段(特許文献1)、α化澱粉とガム質と食用油を配合した顆粒状スープ(特許文献2)、澱粉とデキストリンを共に造粒してからこれに他の原料を加えて造粒する手段(特許文献3)などが報告されている。
特開2011-193756号公報 WO2011/096594号公報 特許第5689551号公報
特許文献1、2の手段は、スープ以外の成分を新たに追加するものであるから、出来ればこのような成分を加えないで溶解性を解決できるようにすることが望ましい。また、特許文献3の手段はスープ成分の一部を造粒し、他成分を追加して再度造粒するものであるから、製造時間が長くなり、より生産効率を高める手段の開発が望まれる。
従って、本発明の目的は、第三成分を加えなくても溶解性の極めて良好な粉末スープを効率よく製造しうる手段を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討の結果、スープ成分の内、澱粉とデキストリンと油脂を予め混合して造粒しておき、これに他の成分を粉末のまま加えたものは、溶解性が極めて良好であることを見出し、これに基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、澱粉、デキストリン、油脂を含む造粒物及び未造粒の他の粉末原料を含む粉末スープを提供するものである。
本発明者らは、また、押出し造粒を行なうと粉末スープの溶解性がより良好になることを見出した。従って、本発明はまた、造粒物が押出造粒物である上記の粉末スープを提供するものである。
また、造粒物は粒度が0.5mm~0.85mmの範囲、即ち、0.5mm以上、0.85mm以下のものを用いると特に溶解性が良好になることを見出した。従って、本発明は造粒物の粒度が0.5mm~0.85mmである上記の粉末スープを提供するものである。
造粒物は、粉体圧縮試験で調べた硬さがある程度硬い方が良好な溶解性を有することを見出した。従って、本発明は、粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~60秒である上記に記載のいずれかである粉末スープを提供するものである。
また、本発明では粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~30秒であるときに一層溶解性が改善されることを見出した。従って、本発明は、粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~30秒である上記に記載のいずれかである粉末スープを提供するものである。
更に、本発明者らは造粒物中に油脂を所定量含有させたときに良好な溶解性を有することを見出した。従って、本発明は造粒物中の油脂の含有量が澱粉、デキストリン及び油脂の合計重量を100重量部とした場合に10重量部~30重量部である上記に記載のいずれかである粉末スープを提供するものである。
更に、融点が30℃~50℃の油脂を用いたときに、より良好な溶解性を有することを見出した。従って、本発明は油脂の融点が30℃~50℃である上記に記載のいずれかである粉末スープを提供するものである。
すなわち、本発明の実施形態は以下の通りである。
(1)澱粉、デキストリン、油脂を含む造粒物及び未造粒の他の粉末原料を含む粉末スープ。
(2)造粒物が押出造粒物である(1)記載の粉末スープ。
(3)造粒物の粒度が0.5mm~0.85mmである(1)又は(2)に記載の粉末スープ。
(4)粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~60秒である(1)~(3)に記載のいずれかである粉末スープ。
(5)粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~30秒である(1)~(4)に記載のいずれかである粉末スープ。
(6)造粒物中の油脂の含有量が澱粉、デキストリン及び油脂の合計を100重量部とした場合に10重量部~30重量部である(1)~(5)に記載のいずれかである粉末スープ。
(7)油脂の融点が30℃~50℃である(1)~(6)に記載のいずれかである粉末スープ。
(8)澱粉、デキストリンおよび油脂を混合して造粒し、得られた造粒物に未造粒の他の粉末原料を加えて混合することを特徴とする粉末スープの製造方法。
(9)澱粉、デキストリン、油脂に更に水を添加して混合し、造粒することを特徴とする(8)に記載の製造方法。
(10)造粒が押出し造粒機を用いて行う(8)又は(9)に記載の製造方法。
本発明により、溶解性に優れた粉末スープを短時間に効率よく製造することができる。また、本発明により得られた粉末スープは呈味、風味とも優れたものである。
粉体圧縮試験機で測定したサンプルの圧縮荷重の経時変化を示すグラフである。
本発明では、粉末スープ成分の内、澱粉とデキストリンと油脂、更に必要により水を加えて混合して造粒物とする。
本発明に於いては、澱粉としては、食用のものであれば特に限定されず、任意に使用することができる。例えば、馬鈴薯澱粉、コーンスターチ、タピオカ澱粉、小麦粉澱粉、米澱粉など、原料穀物は問わず、未加工のものであっても良いし、加工したものであっても良く、加工澱粉やα化澱粉なども用いることもできる。
デキストリンは、澱粉を酸や酵素などで加水分解したものである。デキストリンとしては澱粉を酵素や酸で加水分解して調製したものを用いてもよく、市販されているものを用いても構わない。糖化率(DE)は特に限定されないが、通常3~15程度のものを用いればよい。
油脂としては、食用として使用が認められているものであれば、植物性油脂、でも動物性油脂でも用いることが出来る。植物性油脂としては、例えば、コーン油、大豆油、ナタネ油、キャノーラ油、カカオバター、パーム油、パーム核油、ヤシ油、ヒマワリ油、紅花油、オリーブ油、ゴマ油、エゴマ油、亜麻仁油、綿実油、グレープシード油、サラダ油などを挙げることができる。また、動物性油脂としては、例えば、ヘット、ラード、チキンファット、各種バターなどを挙ることができる。また、これらの油脂を水素添加又はエステル交換して得られる水素添加油脂、エステル交換油脂なども用いることが出来る。これらの油脂を単独で用いても良いし、2種類以上組み合わせて用いても構わない。
上述したように油脂であれば特に限定されないが、好ましくは融点が30℃~50℃、より好ましくは40℃~48℃のものが望ましい。油脂の融点が30℃未満のものであると、夏期などのように保管温度が上昇した場合、溶け出して製品の流動性悪化を引き起こす可能性があるからである。一方、油脂の融点が50℃を超えたものであると、他の粉末原料に添加したときに油温が下がった場合、他の粉末原料とに均一に混合する前に固化して油ダマを形成する可能性があるからである。
従って、本発明では30℃~50℃、より好ましくは40℃~48℃の範囲に融点を持つラード、ヘッド、パーム油など、更には融点が30℃~50℃、より好ましくは40℃~48℃の範囲に融点を持つ水素添加油脂、エステル交換油脂などを用いるのが好ましい。
澱粉とデキストリンと油脂の配合割合は、特に限定されないが、澱粉、デキストリン及び油脂の合計を100重量部とした場合に油脂を通常10重量部~30重量部を含有させれば良いが、より優れた溶解性を出すためには15重量部~20重量部含有されるのが好ましい。また、澱粉とデキストリンの配合比率は特に限定されないが、重量比で95:5~80:20の範囲が好ましい。
油脂合量が澱粉、デキストリン、油脂の3成分の合計重量の10重量%よりも少ない場合は澱粉やデキストリンと均一混合しにくく、又、油脂で覆われていない澱粉粒子割合が多くなり、その結果、スープの溶解性が低下する。
また、油脂含量が30重量%よりも多いと溶け残りが多くなる可能性が高まる。
3成分の混合順序は特に限定されるものではない。従って、澱粉、デキストリン、油脂を全て加えて一度に混合し、造粒してもよいし、又、澱粉とデキストリンを混合した後に、油脂を加えて混合し、造粒してもよい。尚、必要により混合時に加水しても良い。加水量は澱粉、デキストリン、油脂の3成分の合計を100重量部とした場合に25重量部~40重量部が好ましい。
造粒は、押出し造粒機、圧縮造粒機、破砕型造粒機、混合型造粒機などいずれも使用できるが、押出し造粒機を用いることがスープと混合しやすい顆粒を形成しやすい点から好ましい。
押出し造粒機には、スクリュー式、ロール式などがあり、いずれも用いることが出来るが、本発明に於いてはスクリュー式の押出し造粒機を用いるのが好ましい。
そして、得られた造粒物は、粒径が好ましくは0.5mm~0.85mm、即ち、0.5mm以上、0.85mm以下であることが望ましい。
粒径は篩分することで調整する。尚、造粒物の粒径が0.5mm~1.0mmの範囲でもスープの種類により、溶解性が改善される場合もあるが、全てのスープで効果が見られるのは粒径が0.5mm~0.85mmの範囲である。
また、造粒物の強度が、粉体圧縮試験機を用い、5ml/minの一定の負荷速度で荷重を加えていった場合に、圧縮荷重が100Nに達してからそれを越えて300Nに達するまでに要する時間が10秒~60秒であることが好ましい。即ち、この時間が10秒以上であることが好ましく、又、この時間は通常、最長でも60秒以下が好ましい。60秒よりも長いと顆粒が硬くなり、溶解性が低下するからである。
実験例であるが、馬鈴薯澱粉(東海澱粉株式会社製「特士幌」)75重量部、デキストリン(三和澱粉工業株式会社製「サンデック#70」、DE10)10重量部、油脂(融点42℃ Jオイルミルズ株式会社製「Pfat」)15重量部を加えて混合し、60℃に加熱してスクリュー式の押出し造粒機であるツインドームグラン(株式会社ダルトン社製 TDG-80A型。)を用いて押出造粒した。尚、油脂は加熱融解後に添加した。この造粒物を60℃で30分間乾燥後、冷却し、篩分して0.5mm~0.85mmの粒度の造粒物を得た(造粒物1)。
融点42℃の油脂に代えて融点48℃の油脂(Jオイルミルズ株式会社製「Pfat」)を用いた以外は造粒物1と全く同一の条件で調製した造粒物2も得た。更に、澱粉、デキストリン、油脂を混合する段階で加水(30重量部)した以外は造粒物1と全く同一の条件で調製した造粒物(造粒物3)も得た。
このようにして得た3つの造粒物(各3g)を粉体圧縮試験機(株式会社ダルトン社製「PCM-50型」、シリンダー径:16mm)に入れて、5ml/minの荷重速度で荷重を加えて行き、得られた曲線を図1に示す。
造粒物1、2及び3は図1中のグラフに付した番号と対応する。造粒物1、2、及び3とも圧縮荷重が100Nに達してからそれを越えて300Nに達するまでに要する時間が全て10秒~30秒の範囲であった。より正確に述べると、造粒物1が11秒、造粒物2は17秒、造粒物3は28秒であった。
この曲線は、造粒物が硬い程、崩れながら潰されていく速度が遅くなるため緩やかになる。この曲線において、圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が通常10秒~60秒好ましくは10秒~30秒(10秒以上、30秒以下)、より好ましくは15秒~30秒(15秒以上、30秒以下)の造粒物を用いると、粉末スープの溶解性が向上することを本発明者らは見出した。
本発明で未造粒のまま加えられる粉末原料としては、粉乳類、穀粉、野菜・果実パウダー、調味料、香辛料、賦形剤、増粘多糖類等であるが、これらに限定されるものではない。また、必要に応じてパセリ等の具材を加えることもできる。
粉乳類としては、全脂粉乳、脱脂粉乳、チーズパウダー、ホエー等が挙げられる。さらに、粉末油脂等の粉乳代替品(クリーミングパウダー)も含む。穀粉としては、コーンパウダー、小麦粉、大豆粉、米粉のように、穀物を粉砕し、乾燥して得られる粉末が挙げられ、食用のものであれば任意に使用することができる。野菜・果実パウダーとしては特に限定されないが、例えば、たまねぎ、にんじん、ピーマン、ネギ、セロリ、白菜、かぼちゃ、じゃがいも、さつまいも、トマト、りんご、イチゴ、桃、マンゴー、バナナ等を粉砕し、乾燥して得られる粉末が挙げられる。また、これらを煮て得た抽出物を乾燥して得られるエキス粉末や、これらを搾って得た搾汁を乾燥して得られるジュース粉末を含む。これらは必要に応じ、粉末化前に単独或いは複数を混合して加熱したり、調味処理を施したりしても構わない。
調味料としては、砂糖、食塩、グルタミン酸ナトリウム、イノシン酸ナトリウム、グアニル酸ナトリウム等の旨味調味料、畜肉エキス、魚介エキス、酵母エキス等が挙げられる。香辛料としては、コショウ、ナツメグ、シナモン等が挙げられ、食用のものであれば任意に使用することができる。賦形剤としては、乳糖、麦芽糖、デキストリン、各種澱粉等を用いることができる。本発明に用いる賦形剤としては、低温溶媒における分散性により優れた乳糖、麦芽糖が好ましい。
増粘多糖類は食用のものであれば特に限定されず、任意に使用することが出来る。例えば、グアガムやキサンタンガム等が挙げられる。更に、必要により、植物性油脂なども添加してもよい。
これらの配合割合は、粉末スープの種類に応じて採用されている公知の割合でよい。
本発明の粉末スープにおける造粒物と未造粒の粉末との割合は、粉末スープの種類に応じて定まるが、重量比で造粒物1に対し、粉末が2~7程度である。
以下に本発明を実施例に基づいて説明する。尚、本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
表1にはコーンスープモデルの配合を示した。
Figure 0007305944000001
上記の各成分の内、粉末油脂には、(Jオイルミルズ株式会社製「クリーミングパウダー」)、ポテトスターチには、(東海澱粉株式会社製「特士幌」)、植物性油脂には、(Jオイルミルズ株式会社製「Pfat」)、そしてデキストリンには、(三和澱粉工業株式会社製「サンデック#70」、DE10)を用いた。
上記原料の内、コーンパウダーを除く粉体原料を混合した後、加熱融解した植物性油脂を添加し、混練した後、流動層造粒機(FLOW COATER 5:大川原製作所製)にて加水率5%で造粒し、105℃で10分間乾燥した。冷却後にコーンパウダーを加えて良く混合したものをコントロールとして用いた。
次に、馬鈴薯澱粉(東海澱粉株式会社製「特士幌」)75重量部、デキストリン(三和澱粉工業株式会社製「サンデック#70」、DE10)10重量部、油脂(融点42℃ Jオイルミルズ株式会社製「Pfat」)15重量部、水30重量部を加えて、混合し、60℃に加熱してツインドームグラン(株式会社ダルトン社製 TDG-80A型)を用いて押出造粒した。このようにして得た造粒物を60℃で30分間乾燥後、冷却し、表3に示すように1)0.5mm以下の区分、2)0.5mm~0.85mmの区分、3)0.85mm~1.0mmの区分、4)1.0mm以上の4区分に篩分した。また、同じ実験を繰り返し、各区分とも評価に使えるだけの十分量を取得した。
表1に示す配合に於いてポテトスターチに代えて上記1)~4)の区分をそれぞれ用い、表1に示す他の原料と良く混合し、サンプル1)、2)、3)及び4)を調製した。
さて、上記サンプル1)から19gを取り、別の容器に入れた。同様にサンプル2)、3)、4)及びコントロールから、それぞれ19gを取り、それぞれ別の容器に入れた。85℃の湯150mlを各容器に注湯し、10秒間静置した。その後、それぞれについて、スプーンで2撹拌/秒の割合で5秒間撹拌し、10メッシュの金網上に流してメッシュ上に残ったものを溶け残り重量として測定した。結果を表3に示した。尚、表3に記載した数値は同じ溶け残り量を測る実験を3回繰り返し、溶け残り重量の平均値を記載した。
<実施例2>
表2にはポタージュスープモデルの配合を示した。
Figure 0007305944000002
上記原料の内、粉末油脂、ポテトスターチ、植物性油脂、デキストリンは、実施例1と同一のものを用いた。また、乳糖は(ラクトース:メグレ・ジャパン株式会社製)、野菜パウダー(オニオンパウダー、クノールトレーディング株式会社)、チーズパウダーは(カマンベールチーズパウダー:ケリー・ジャパン株式会社製)を用いた。
上記原料の内、粉体原料を混合した後、加熱融解した植物性油脂を添加し、混練した後、流動層造粒機(FLOW COATER MULTI:大川原製作所製)にて加水率9%で造粒し、105℃で12分間乾燥した。冷却したものをコントロールとして用いた。
次に、馬鈴薯澱粉(東海澱粉株式会社製「特士幌」)75重量部、デキストリン(三和澱粉工業株式会社製「サンデック#70」、DE10)10重量部、油脂(融点48℃ Jオイルミルズ株式会社製「Pfat」)15重量部を加えて、混合し、60℃に加熱してツインドームグラン(株式会社ダルトン社製 TDG-80A型)を用いて押出造粒した。この造粒物を60℃で30分間乾燥後、冷却し、表3に示すように1)0.5mm以下の区分、2)0.5mm~0.85mmの区分、3)0.85mm~1.0mmの区分、4)1.0mm以上の4区分に篩分した。また、同じ実験を繰り返し、各区分とも評価に使えるだけの十分量を取得した。
その後、表2の配合中のポテトスターチに代えて上記1)~4)の区分をそれぞれ用いて、他の原料と良く混合してサンプル1)、2)、3)及び4)を調製した。
さて、上記サンプル1)から19gを取り、別の容器に入れた。同様にサンプル2)、3)、4)及びコントロールから、それぞれ19gを取り、それぞれ別の容器に入れた。85℃の湯150mlを各容器に注湯し、10秒間静置した。その後、それぞれについて、スプーンで2撹拌/秒の割合で5秒間撹拌し、10メッシュの金網上に流してメッシュ上に残ったものを溶け残り重量として測定した。結果を表3に示した。尚、表3に記載した数値は同じ溶け残り量を測る実験を3回繰り返し、溶け残り重量の平均値を記載した。
Figure 0007305944000003
同表に示すように、0.5mm未満の粒度では、溶け残りを減少させる効果が低かった。粒度が小さいと分散が悪く、すぐに発粘して他の原料と結着して溶け残りが減少しないと推察される。
コーンスープ及びポタージュスープに於いて0.5mm~0.85mm粒度の造粒物を使用すると5秒撹拌でもコントロールに対して溶け残りが大きく減少した。溶け残りが0.1g以下であれば、好ましいスープと高く評価される。
一方、粒度が1,0mmより大きくなると、溶け残る傾向が大きくなった。また、コーンスープの場合は0.85mm~1.0mm付近でも溶け残りは少なかった。
本実施例より分かるように造粒物の粒度が0.5mm~0.85mmのときに溶解性が良く、溶け残りが極めて少なくなり、コーンスープでもポタージュスープでも効果が大きな範囲であった。
<実施例3>
実施例1と同様に粒度が0.5mm~0.85mmの造粒物を調製し、それを表1のポテトスターチに代えて用いる以外は表1と同じ配合でコーンスープ粉末を調製した。当該粉末に85℃の湯を加えて調製したコーンスープを経験豊かな官能パネルによる官能評価に供した結果、当該スープは呈味、風味とも高評価であった。
同様に、実施例2と同様に0.5mm~0.85mmの造粒物を調製し、表2のポテトスターチに代えて用いる以外は表2と同じ配合でポタージュスープ粉末を調製した。当該粉末に85℃の湯を加えて調製したポタージュスープを経験豊かな官能パネルによる官能評価に供した結果、当該スープは呈味、風味とも高評価であった。
本発明によれば粉末スープの種類に拘わらず、溶解性の高い粉末スープを製造できるので、幅広い利用が期待される。また、本発明は造粒を1度しか行わないので生産効率も高いという特徴も有する。更に、本発明により得られる粉末スープは優れた風味、呈味も有する。

Claims (10)

  1. 澱粉、デキストリン、油脂よりなる混合物を造粒した造粒物及び未造粒の他の粉末原料を含む粉末スープ。
  2. 造粒物が押出造粒物である請求項1に記載の粉末スープ。
  3. 造粒物の粒度が0.5mm~0.85mmである請求項1又は2に記載の粉末スープ。
  4. 粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~60秒である請求項1~3に記載のいずれかである粉末スープ。
  5. 粉体圧縮試験を行ったときに、造粒物の圧縮荷重が100Nから300Nに達するまでの時間が10秒~30秒である請求項1~4に記載のいずれかである粉末スープ。
  6. 造粒物中の油脂の含有量が澱粉、デキストリン及び油脂の合計を100重量部とした場合に10重量部~30重量部である請求項1~5に記載のいずれかである粉末スープ。
  7. 油脂の融点が30℃~50℃である請求項1~6に記載のいずれかである粉末スープ。
  8. 澱粉、デキストリンおよび油脂を混合して造粒し、得られた造粒物に未造粒の他の粉末原料を加えて混合することを特徴とする請求項1記載の粉末スープの製造方法。
  9. 澱粉、デキストリン、油脂に更に水を添加して混合し、造粒し、乾燥することを特徴とする請求項8に記載の製造方法。
  10. 造粒が押出し造粒機を用いて行う請求項8又は9に記載の製造方法。
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