JP5677812B2 - 基板の再生方法、マスクブランクの製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法 - Google Patents

基板の再生方法、マスクブランクの製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、マスクブランク等の薄膜を除去して基板を再生する基板の再生方法、マスクブランクの製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法に関する。
一般に、半導体装置の製造工程では、フォトリソグラフィー法を用いて微細パターンの形成が行われている。また、この微細パターンの形成には通常何枚ものフォトマスクと呼ばれている転写用マスクが使用される。この転写用マスクは、一般に透光性のガラス基板上に、金属薄膜等からなる微細パターンを設けたものであり、この転写用マスクの製造においてもフォトリソグラフィー法が用いられている。
フォトリソグラフィー法による転写用マスクの製造には、ガラス基板等の透光性基板上に転写パターン(マスクパターン)を形成するための薄膜(例えば遮光膜など)を有するマスクブランクが用いられる。このマスクブランクを用いた転写用マスクの製造は、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し、所望のパターン描画を施す描画工程と、描画後、前記レジスト膜を現像して所望のレジストパターンを形成する現像工程と、このレジストパターンをマスクとして前記薄膜をエッチングするエッチング工程と、残存するレジストパターンを剥離除去する工程とを有して行われている。上記現像工程では、マスクブランク上に形成されたレジスト膜に対し所望のパターン描画を施した後に現像液を供給して、現像液に可溶なレジスト膜の部位を溶解し、レジストパターンを形成する。また、上記エッチング工程では、このレジストパターンをマスクとして、ドライエッチング又はウェットエッチングによって、レジストパターンの形成されていない薄膜が露出した部位を除去し、これにより所望のマスクパターンを透光性基板上に形成する。こうして、転写用マスクが出来上がる。
また、転写用マスクの種類としては、従来の透光性基板上にクロム系材料からなる遮光膜パターンを有するバイナリ型マスクのほかに、ハーフトーン型位相シフトマスクが知られている。このハーフトーン型位相シフトマスクは、透光性基板上に位相シフト膜を有する構造のもので、この位相シフト膜は、実質的に露光に寄与しない強度の光(例えば、露光波長に対して1%〜20%)を透過させ、所定の位相差を付与するものであり、例えばモリブデンシリサイド化合物を含む材料等が用いられる。また、モリブデン等の金属のシリサイド化合物を含む材料を遮光膜として用いるバイナリ型マスクも用いられるようになってきている。
ところで、近年の半導体デバイス等の電子部品の低価格化競争は厳しくなる一方であり、転写用マスクの製造コストの抑制も重要な課題となっている。このような背景から、基板上にパターン形成用の薄膜を成膜後、表面欠陥が発見されたマスクブランク、あるいは、マスクブランクを用いて作製された転写用マスクにおいて修正が困難なパターン欠陥が発見された該転写用マスクを不良品としてそのまま廃棄せずに、基板上から薄膜を剥離除去して基板を再生する方法が要望されている。
ガラス基板上の薄膜を除去する方法としては、薄膜のエッチャントを用いる方法が従来一般的である。例えば、特許文献1には、珪化モリブデン等の金属珪化物を含有する遮光性膜のエッチャントとして、弗化水素アンモニウム、弗化アンモニウム、珪弗化水素酸、弗化ホウ素酸のうち何れか少なくとも一つと、過酸化水素、硝酸のうち何れか少なくとも一つとを混合した水溶液を用いることが記載されており、このようなエッチャントを用いて、基板上の金属珪化物を含有する薄膜をエッチングにより除去することが可能である。また、珪化モリブデン等の金属珪化物を含有する薄膜に対しては、フッ酸を用いて除去することも可能である。
特開昭62−218585号公報 特開2002−4052号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載されているようなエッチャントあるいはフッ酸を用いて、ガラス基板上の珪化モリブデン等の金属珪化物を含有する薄膜を除去する方法には次のような問題点がある。
すなわち、基板の材料であるガラスは特許文献1に記載のエッチャントやフッ酸に対して可溶性であることから、薄膜除去後の基板表面に、白濁による変質層が形成されたり、あるいは高平滑に研磨されていた基板表面の表面粗さが大きくなるなどのダメージが発生してしまうことが避けられない。
このようなダメージを完全に除去して基板を再生するには、再研磨し、しかも研磨取代を多く取る必要がある。成膜前のガラス基板の表面研磨は、通常、粗研磨から精密研磨に至る複数段階の研磨工程を経て行われている。再研磨する場合、上記のように研磨取代を多く取る必要があるため、複数段階の研磨工程のうちの初期段階へ戻す必要が生じ、再研磨加工に長時間を要するので、再研磨の工程負荷が大きく、コストが高くなる。つまり、従来の方法で基板再生を行っても、転写マスクの製造コストの抑制という課題の解決に対しては十分とは言い難い。
なお、上記特許文献2には、基板上にアモルファスシリコン等の堆積膜の成膜を行う成膜装置における反応容器内壁に付着した堆積膜を、少なくともClF3を含むクリーニングガス又は該クリーニングガスのプラズマにより除去する方法が開示されている。しかし、クリーニング速度を高めるためにプラズマを使用した場合、プラズマによるダメージの発生が懸念される。マスクブランクの基板再生においては、薄膜除去後の基板表面の変質を抑制すること、および表面粗さの悪化を抑制することが望まれるので、上記特許文献2のように反応容器内壁に付着した堆積膜を単に除去すればよい場合と同様の方法を単純に適用することはできない。
また、マスクブランクの薄膜材料は、上述の珪化モリブデン等の金属珪化物に限らず、マスクブランクの種類に応じて多種類の薄膜材料が知られており、夫々の薄膜材料に応じた剥離剤(エッチャント等)を用いて基板上の薄膜を除去して基板を再生することは可能である。しかし、これら薄膜材料が異なる場合に対しても、出来れば同じ方法を用いて薄膜を除去して基板を再生できることが望ましい。さらに、マスクブランクの薄膜は、複数層から構成されることも多く、この場合、各層の材料が異なる場合であっても、基板を再生する際には、複数層の薄膜全体を一度に基板から剥離除去できることが望ましい。
また、近年では半導体装置等におけるパターンの高微細化に伴い、高精度、高品質の転写マスクが要求されており、このような転写マスクを製造するためのマスクブランクにおいても高付加価値を備えた高価な基材が多く用いられるようになってきており、転写用マスクの製造コストの抑制を図るうえで、マスクブランクの基板再生は、従来にも増して重要な課題となってきている。
そこで本発明は、このような従来の事情に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、第一に、薄膜の除去後の基板のダメージが少なく、再研磨の工程負荷も少ないことにより、基板の再生コストを低減できる基板の再生方法を提供することであり、第二に、この再生方法により再生された基板を使用するマスクブランクの製造方法、多層反射膜付き基板の製造方法、及び反射型マスクブランクの製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、基板上の薄膜を、特定のフッ素系化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより、薄膜除去後の基板のダメージを少なくできることを見い出した。また、上記の方法は、薄膜が例えばケイ素を含有する材料など、フッ素系ガスでドライエッチング可能な材料で形成されている場合に、薄膜除去後の基板のダメージを特に少なくでき、基板再生に好適であることも見い出した。
本発明者は、以上の解明事実に基づき、さらに鋭意研究を続けた結果、本発明を完成したものである。
すなわち、上記課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。
(構成1)
ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクまたは該マスクブランクを用いて作製された転写用マスクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法であって、前記マスクブランクまたは前記転写用マスクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
(構成2)
前記薄膜は、単層あるいは複数層からなり、少なくとも前記基板に接する層は、フッ素系ガスでドライエッチング可能な材料で形成されていることを特徴とする構成1に記載の基板の再生方法である。
(構成3)
前記基板に接する層は、ケイ素(Si)を含有する材料、金属とケイ素(Si)を含有する材料、およびタンタル(Ta)を含有する材料のうちのいずれかにより形成されていることを特徴とする構成2に記載の基板の再生方法である。
(構成4)
前記基板は合成石英ガラスからなることを特徴とする構成1乃至3のいずれかに記載の基板の再生方法である。
(構成5)
構成1乃至4のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
(構成6)
ガラスからなる基板の主表面上に低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を備える多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を除去して基板を再生する方法であって、前記多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
(構成7)
前記低屈折率層はケイ素(Si)からなり、前記基板の主表面に接して形成されていることを特徴とする構成6に記載の基板の再生方法である。
(構成8)
前記基板はSiO2−TiO2系低熱膨張ガラスからなることを特徴とする構成6又は7に記載の基板の再生方法である。
(構成9)
構成6乃至8のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を形成することを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法である。
(構成10)
ガラスからなる基板の主表面上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜と、パターン形成用の吸収体膜とを順に備える反射型マスクブランクまたは該反射型マスクブランクを用いて作製された反射型マスクの前記多層反射膜を除去して基板を再生する方法であって、前記反射型マスクブランクまたは前記反射型マスクの前記多層反射膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
(構成11)
前記低屈折率層はケイ素(Si)からなり、前記基板の主表面に接して形成されていることを特徴とする構成10に記載の基板の再生方法である。
(構成12)
前記基板はSiO2−TiO2系低熱膨張ガラスからなることを特徴とする構成10又は11に記載の基板の再生方法である。
(構成13)
構成10乃至12のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜と、パターン形成用の吸収体膜とを順に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法である。
(構成14)
ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクにおいて、ドライエッチング処理により前記薄膜及び前記基板をエッチング加工するインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法であって、前記マスクブランクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
(構成15)
前記薄膜は、単層あるいは複数層からなり、少なくとも前記基板に接する層は、タンタル(Ta)を主成分とする材料により形成されていることを特徴とする構成14に記載の基板の再生方法である。
(構成16)
前記基板は合成石英ガラスからなることを特徴とする構成14又は15に記載の基板の再生方法である。
(構成17)
構成14乃至16のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法である。
本発明によれば、基板の材料であるガラスは、励起状態のフッ素系ガスによるドライエッチングではエッチングされやすいが、非励起状態のフッ素系化合物の物質に対してはエッチングされにくい特性を有しているため、薄膜の除去後の基板のダメージを少なくすることができ、再研磨の工程負荷も少なくなることで、基板の再生コストを低減することができる。また、本発明によれば、高品質の基板を低コストで再生することができるので、特に高付加価値を備えた高価な基材を用いたマスクブランクの基板再生に好適である。
また、本発明によれば、この本発明による再生方法により再生された基板上に、パターン形成用の薄膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するマスクブランクを低コストで製造することができ、また上記基板上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜、パターン形成用の吸収体膜等を形成することにより、高品質の再生基板を使用する多層反射膜付き基板、或いは反射型マスクブランクを低コストで製造することができる。
薄膜を除去する工程で用いる処理装置の概略構成図である。
以下、本発明の実施の形態を詳述する。
[第1の実施の形態]
本発明の第1の実施の形態は、ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクまたは該マスクブランクを用いて作製された転写用マスクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法に係るものであって、前記マスクブランクまたは前記転写用マスクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
本実施の形態におけるマスクブランクは、基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクであるが、具体的には、基板の主表面上に遮光膜を備える構造のバイナリ型マスクブランク、基板の主表面上に位相シフト膜、あるいは位相シフト膜及び遮光膜を備える構造の位相シフト型マスクブランクが挙げられる。また、実質的に露光に寄与しない強度の光を透過するが、位相シフト効果を生じさせるような位相差は付与しない特性を有する光半透過膜、あるいは、その光半透過膜および遮光膜を備える構造のマスクブランクが挙げられる。さらにこれらのマスクブランクの最上層にエッチングマスク膜を備える構造のマスクブランクなども挙げられる。そのほか、FPD(フラットパネルディスプレイ)デバイスの製造で用いられる多階調マスクに用いられるマスクブランクに対しても適用可能である。このマスクブランクとしては、ガラス基板上に光半透過膜と遮光膜が積層した構造などが挙げられる。
この遮光膜は、単層でも複数層(例えば遮光層と反射防止層との積層構造)としてもよい。また、遮光膜を遮光層と反射防止層との積層構造とする場合、この遮光層を複数層からなる構造としてもよい。また、上記位相シフト膜や光半透過膜についても、単層でも複数層としてもよい。
本発明に係る基板の再生方法は、前記薄膜がフッ素系ガス(例えば、SF6,CF4,C2F6,CHF3等、あるいはこれらとHe,Ar,N2,C2H4,O2等との混合ガス)でドライエッチング可能な材料で形成されているマスクブランクの基板の再生に好適である。ガラス基板は、ドライエッチングで用いられる励起状態であるフッ素系ガスのプラズマにはエッチングされやすいが、非励起状態のフッ素系化合物の物質に対してはエッチングされにくい特性を有している。これに対して、薄膜で使用されるフッ素系ガスでドライエッチング可能な材料は、非励起状態のフッ素系化合物の物質に対してもエッチングされやすい特性を有している。すなわち、フッ素系ガスでドライエッチング可能な材料は、非励起状態のフッ素系化合物の物質に対して、十分なエッチング選択性が得られやすく、薄膜の剥離による基板へのダメージを少なくできる効果を特に得られやすい。
このフッ素系ガスでドライエッチング可能な材料としては、例えば、ケイ素(Si)を含有する材料、遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料、金属とケイ素(Si)を含有する材料、およびタンタル(Ta)を含有する材料などが挙げられる。このような材料を用いるマスクブランクとしては、例えば、遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料により形成されている遮光膜を備えるバイナリ型マスクブランク、タンタル(Ta)を含有する材料により形成されている遮光膜を備えるバイナリ型マスクブランク、ケイ素(Si)を含有する材料、あるいは遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料により形成されている位相シフト膜を備える位相シフト型マスクブランクなどが挙げられる。
上記ケイ素(Si)を含有する材料としては、ケイ素に、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料、具体的には、ケイ素の窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。
また、上記遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料としては、遷移金属とケイ素を含有する材料のほかに、遷移金属及びケイ素に、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料が挙げられる。具体的には、遷移金属シリサイド、または遷移金属シリサイドの窒化物、酸化物、炭化物、酸窒化物、炭酸化物、あるいは炭酸窒化物を含む材料が好適である。遷移金属には、モリブデン、タンタル、タングステン、チタン、クロム、ハフニウム、ニッケル、バナジウム、ジルコニウム、ルテニウム、ロジウム、ニオブ、イットリウム、ランタン、パラジウム、鉄等が適用可能である。この中でも特にモリブデンが好適である。
また、上記金属とケイ素(Si)を含有する材料としては、金属とケイ素を含有する材料のほかに、金属及びケイ素に、さらに窒素、酸素及び炭素のうち少なくとも1つの元素を含む材料が挙げられる。金属とケイ素(Si)を含有する材料には、前記の遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料が含まれる。金属には、前記の遷移金属のほか、ゲルマニウム、ガリウム、アルミニウム、インジウム、スズ等が適用可能である。
また、上記タンタル(Ta)を含有する材料としては、タンタル単体のほかに、タンタルと他の金属元素(例えば、Hf、Zr等)との化合物、タンタルにさらに窒素、酸素、炭素及びホウ素のうち少なくとも1つの元素を含む材料、具体的には、TaN、TaO,TaC,TaB,TaON,TaCN,TaBN,TaCO,TaBO,TaBC,TaCON,TaBON,TaBCN,TaBCONを含む材料などが挙げられる。
本発明に係る基板の再生方法は、バイナリ型マスクブランクにおける遮光膜、位相シフト型マスクブランクにおける位相シフト膜などの薄膜が複数層からなる場合、これら複数層のうち、少なくとも前記基板に接する層は、フッ素系ガスでドライエッチング可能な材料、例えば上述のケイ素(Si)を含有する材料、遷移金属とケイ素(Si)を含有する材料、金属とケイ素(Si)を含有する材料、およびタンタル(Ta)を含有する材料のうちのいずれかにより形成されているマスクブランクの基板の再生に好適である。
上記マスクブランク用の基板は、使用する露光波長に対して透明性を有するものであれば特に制限されず、合成石英基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)が用いられるが、この中でも合成石英基板は、ArFエキシマレーザー又はそれよりも短波長の領域で透明性が高いので、特に好ましく用いられる。
本発明に係る基板の再生方法は、上述のような基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクまたは該マスクブランクを用いてマスク加工技術により作製された転写用マスクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより基板を再生する方法である。
ガラス基板とパターン形成用薄膜(特にフッ素系ガスでドライエッチング可能な材料からなる薄膜)の間では、励起状態のフッ素系ガスのプラズマによるエッチングや、荷電粒子の照射を受けて励起状態となったフッ素系ガスによるエッチングでは、エッチング選択性が得られにくい。これに対し、非励起状態のフッ素系化合物の物質に対しては、ガラス基板とパターン形成用薄膜との間で高いエッチング選択性を得ることができる。なお、この非励起状態のフッ素系化合物の物質は、流体の状態で接触させるとよく、特にガス状態で接触させることが好ましい。
一方、水素イオンを含有するフッ酸溶液や珪フッ酸溶液は、水素イオンがガラス中のSi−Oの結合を切る作用を起こし、フッ素とケイ素が結び付きやすくするため、ガラスを溶解させやすく、本発明の作用効果を得ることは困難である。この点を考慮すると、非励起状態のフッ素系化合物の物質には、水素を実質的に含有しないことが望ましい。
本発明において用いられる、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物(以下、単に「本発明の化合物」と呼ぶ。)としては、例えば、ClF3、ClF、BrF5、BrF、IF3、IF5、XeF2、XeF4、XeF6、XeOF2、XeOF4、XeO22、XeO32、又はXeO24等の化合物を好ましく用いることができる。この中でも、本発明においては特にClF3を好ましく用いることができる。
マスクブランクまたは該マスクブランクを用いて作製された転写用マスクの前記薄膜を、本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させる方法としては、例えばチャンバー内にマスクブランクを設置し、該チャンバー内に本発明の化合物を含む物質をガス状態で導入してチャンバー内を該ガスで置換する方法が好ましく挙げられる。
本発明において、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物と窒素ガス、あるいはアルゴン(Ar)、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)、ラドン(Rn)等(以下、単にアルゴン(Ar)等という。)との混合ガスを用いることができる。本発明において、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物とアルゴン(Ar)との混合ガスを好ましく用いることができる。
マスクブランクまたは転写用マスクの前記薄膜を、本発明の化合物を含む非励起のガス状態の物質に接触させる場合の処理条件、例えばガス流量、ガス圧力、温度、処理時間については特に制約する必要はないが、本発明の作用を好ましく得る観点からは、薄膜の材料や層数(膜厚)によって適宜選定するのが望ましい。
ガス流量については、例えば本発明の化合物とアルゴンとの混合ガスを用いる場合、本発明の化合物が流量比で1%以上混合されていることが好ましい。本発明の化合物の流量が上記流量比よりも少ないと、薄膜の剥離の進行が遅くなり、結果として処理時間が長くなり、剥離しづらくなる。
また、ガス圧力については、例えば、100〜760Torrの範囲で適宜選定することが好ましい。ガス圧力が上記範囲よりも低いと、チャンバー内の本発明の化合物のガス量自体が少なすぎて薄膜の剥離の進行が遅くなり、結果として処理時間が長くなり、剥離しづらくなる。一方、ガス圧力が上記範囲よりも高い(大気圧以上である)と、ガスがチャンバーの外に流出する恐れがあり、本発明の化合物には毒性の高いガスも含まれるため、好ましくない。
また、ガスの温度については、例えば、20〜500℃の範囲で適宜選定することが好ましい。温度が上記範囲よりも低いと、薄膜の剥離の進行が遅くなり、結果として処理時間が長くなり、剥離しづらくなる。一方、温度が上記範囲よりも高いと、剥離が早く進行し、処理時間は短縮できるものの、薄膜と基板との選択性が得られにくくなり、基板ダメージがやや大きくなる恐れがある。
さらに、処理時間については、基本的には基板から薄膜が剥離除去されるのに十分な時間であればよい。本発明の場合、上述のガス流量、ガス圧力、温度によっても、或いは薄膜の材料、膜厚によっても多少異なるが、その処理時間は概ね5〜30分の範囲で本発明の作用が好ましく得られる。
図1は、前記薄膜を除去する工程に用いるのに好適な処理装置の概略構成図である。
この処理装置では、ガス充填容器13,14、流量制御器15,16、噴出ノズル17およびこれらの接続配管を備え、非励起ガス供給機が構成されている。マスクブランク等の処理基板11は、処理装置のチャンバー10内のステージ12上に設置される。そして、例えば2種類のガス充填容器13,14内のガスがそれぞれ流量制御器15,16で流量が調節された後、混合され、噴出ノズル17から噴出されチャンバー10内に導入される。また、チャンバー10内のガスは、排気管18を通って排気ガス処理装置19で除害処理後、適宜排気される。
上記2種類のガスは、本発明のフッ素系化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明のフッ素系化合物と窒素ガス、あるいはアルゴン(Ar)等の希ガスである。
前記処理装置のチャンバー10は、横型の装置構成であり、枚葉処理に適している。一方、一度に多くの枚数の基板を処理するバッチ処理に適したチャンバーの構成としては、たとえば、以下の構成が考えられる。チャンバーを円筒形状の縦長とし、チャンバーの外周に加熱装置を配置して、チャンバー内部を加熱できるようにする。さらに、チャンバー内部に合成石英等の耐熱材料で形成された縦長の棚を配置し、処理基板をチャンバー内に間隔を空けて縦に複数配置できるようにする。
なお、一般に、マスクブランクのパターン形成用の薄膜として、ケイ素を含有しないクロム系材料(Cr,CrO,CrN,CrC,CrON,CrCN,CrOC,CrOCN等)も用いられている。これらの薄膜の場合、従来のクロム系材料の除去方法を用いてもよいし、本発明の化合物を高温で供給する方法や、本発明の化合物をガス状態として、それと酸素(O2)ガスとの混合ガスで供給する方法を用いてもよい。クロム系材料の薄膜に対し、本発明の化合物を高温で供給する方法の場合、その供給条件としては、たとえば、供給ガス中の本発明の化合物の濃度(ガス流量比での濃度)を90%以上、より好ましくは100%とし、処理対象物の表面温度が280℃〜350℃になるようにするとよい。また、処理時間を5分以上、より好ましくは6分以上、チャンバー内の圧力を1kPa程度、供給ガス流量を300sccm程度とすることが望ましい。
遷移金属とケイ素を含有する材料からなる薄膜を遮光膜とするバイナリ型マスクブランクで、遮光膜の上にエッチングマスク膜としてクロム系材料の薄膜が用いられることがある。また、遷移金属とケイ素を含有する材料からなる薄膜を位相シフト膜とする位相シフト型マスクブランクで、位相シフト膜の上に遮光帯を形成するための遮光膜としてクロム系材料の薄膜が用いられることがある。また、遷移金属とケイ素を含有する材料からなる薄膜を光半透過膜とするマスクブランクで、光半透過膜の上に遮光帯を形成するための遮光膜としてクロム系材料の薄膜が用いられることがある。さらに、クロム系材料の遮光膜の上に、エッチングマスク膜としてフッ素系ガスでドライエッチング可能な材料からなる薄膜を積層した構成のマスクブランクもある。これらの場合、クロム系材料の薄膜を除去する段階は、前記の方法や従来のクロム系材料の除去方法を用いることができる。
本発明に係る基板の再生方法によれば、マスクブランク等の薄膜を本発明の化合物を含む非励起状態(好ましくは非励起でガス状態)の物質に接触させることにより、ガラスからなる基板(特に合成石英基板)との間で高いエッチング選択性が得られるため、薄膜の除去後の基板のダメージを少なくすることができる。
このようにして、マスクブランクから薄膜を除去した後、基板の表面を短時間精密研磨することにより、薄膜除去前の高平滑な基板の表面粗さに回復させることができる。本発明による基板の再生方法は、薄膜の除去による基板表面のダメージが少ないため、再研磨する場合の研磨取代も少なくて済み、粗研磨から精密研磨に至る複数段階の研磨工程のうちの最終段階(精密研磨)へ戻すことが可能になる。したがって、再研磨の工程負荷も少なくなることで、基板の再生コストを低減することができ、しかも高品質の基板を再生することができる。本発明によれば、高品質の基板を低コストで再生することができるので、特に高付加価値を備えた高価な基材を用いたマスクブランクの基板再生に好適である。
また、本発明は、この再生方法により再生された基板を使用するマスクブランクの製造方法についても提供する。この本発明による再生方法により再生された基板上に、たとえばスパッタリング成膜法を用いて、再度、パターン形成用の薄膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するマスクブランクを低コストで製造することができる。
[第2の実施の形態]
本発明の第2の実施の形態は、ガラスからなる基板の主表面上に低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を備える多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を除去して基板を再生する方法に係るものであって、前記多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
近年、半導体産業において、半導体デバイスの微細化に伴い、極紫外(Extreme Ultra Violet:以下、EUVと呼称する)光を用いた露光技術であるEUVリソグラフィが有望視されている。ここで、EUV光とは、軟X線領域又は真空紫外線領域の波長帯の光を指し、具体的には波長が0.2〜100nm程度の光のことである。このEUVリソグラフィにおいて用いられるマスクとして反射型マスクが提案されている。このような反射型マスクは、基板上に露光光を反射する多層反射膜が形成され、該多層反射膜上に露光光を吸収する吸収体膜がパターン状に形成されたものである。
上記多層反射膜付き基板は、上記反射型マスクを製造するための反射型マスクブランク、すなわち、基板上に露光光を反射する多層反射膜と、露光光を吸収するパターン形成用の吸収体膜とを順に備える反射型マスクブランク用の基板として用いることができる。そして、基板上に多層反射膜を形成した後、表面欠陥検査により膜下欠陥等が発見された多層反射膜付き基板は、反射型マスクブランク用の基板として用いることができないため、一旦上記多層反射膜を除去して基板を再生することが望まれる。
上記多層反射膜は、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた多層膜であり、一般的には、重元素又はその化合物の薄膜と、軽元素又はその化合物の薄膜とが交互に40〜60周期程度積層された多層膜が用いられる。
例えば、波長13〜14nmのEUV光に対する多層反射膜としては、Mo膜とSi膜を交互に40周期程度積層したMo/Si周期積層膜が好ましく用いられる。その他に、EUV光の領域で使用される多層反射膜として、Ru/Si周期多層膜、Mo/Be周期多層膜、Mo化合物/Si化合物周期多層膜、Si/Nb周期多層膜、Si/Mo/Ru周期多層膜、Si/Mo/Ru/Mo周期多層膜、Si/Ru/Mo/Ru周期多層膜などがある。露光波長により、材質を適宜選択すればよい。
また、上記ガラス基板としては、露光時の熱によるパターンの歪みを防止するため、0±1.0×10-7/℃の範囲内、より好ましくは0±0.3×10-7/℃の範囲内の低熱膨張係数を有するものが好ましく用いられ、この範囲の低熱膨張係数を有する素材としては、例えばアモルファスガラスであれば、SiO2−TiO2系ガラス、石英ガラス、結晶化ガラスであれば、β石英固溶体を析出した結晶化ガラス等を用いることが出来る。また、高反射率及び高転写精度を得るために、高い平滑性と平坦度を備えた基板が好ましい。特に、0.15nmRq以下の平滑な表面(10μm角エリアでの平滑性)と、50nm以下の平坦度(142mm角エリアでの平坦度)を有することが好ましい。なお、平滑性を示す単位Rqは、二乗平均平方根粗さであり、原子間力顕微鏡で測定することができる。また平坦度は、TIR(Total Indicated Reading)で示される表面の反り(変形量)を表す値で、基板表面を基準として最小自乗法で定められる平面を焦平面とし、この焦平面より上にある基板表面の最も高い位置と、焦平面より下にある基板表面の最も低い位置との高低差の絶対値である。
本発明に係る基板の再生方法は、例えば上記Mo/Si周期積層膜のような前記低屈折率層がケイ素(Si)からなり、前記基板の主表面に接して形成されている多層反射膜付き基板の基板を再生するのに好適である。また、本発明に係る基板の再生方法は、例えば上記SiO2−TiO2系ガラスのような基板が低熱膨張ガラスからなる多層反射膜付き基板の基板を再生するのに好適である。特に、SiO2−TiO2系低熱膨張ガラスの場合、基板主表面上の多層反射膜をフッ酸溶液や珪フッ酸溶液で剥離しようとすると、Tiが基板から抜けてしまうことで、表面粗さが大幅に悪化するという大きな問題があるため、特に本発明に係る基板の再生方法は有効である。
本実施の形態の多層反射膜付き基板においても、多層反射膜付き基板の多層反射膜を、前記本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより基板を再生することができる。
本実施の形態において用いられる本発明の化合物、即ち、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物としては、前述の第1の実施の形態の場合と同様、例えば、ClF3、ClF、BrF5、BrF、IF3、IF5、XeF2、XeF4、XeF6、XeOF2、XeOF4、XeO22、XeO32、又はXeO24等の化合物を好ましく用いることができ、特にClF3を好ましく用いることができる。
多層反射膜を本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させる方法としては、前述の第1の実施の形態と同様、チャンバー内にマスクブランクを設置し、該チャンバー内に本発明の化合物を含む物質をガス状態で導入してチャンバー内を該ガスで置換する方法が好ましく挙げられる。また、前述の第1の実施の形態と同様、図1に示す処理装置を用いて、ガラス基板上の多層反射膜を除去してもよい。本実施の形態においても、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物と窒素ガス、あるいはアルゴン(Ar)等との混合ガスを用いることができる。本実施の形態においても、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物とアルゴン(Ar)との混合ガスを好ましく用いることができる。
多層反射膜を本発明の化合物を含む非励起のガス状態の物質に接触させる場合の好ましい処理条件、例えばガス流量、ガス圧力、温度、処理時間の好ましい条件については、前述の第1の実施の形態の場合とほぼ同様であるが、多層反射膜の材料や層数(膜厚)によって適宜選定するのが望ましい。
本発明に係る基板の再生方法によれば、上記多層反射膜付き基板の多層反射膜を本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させることにより、ガラスからなる基板(特に低熱膨張性ガラス基板)との間で高いエッチング選択性が得られるため、多層反射膜の除去後の基板のダメージを少なくすることができる。
このようにして、多層反射膜付き基板から多層反射膜を除去した後、基板の表面を再研磨することにより、多層反射膜除去前の高平滑な基板の表面粗さに回復させることができる。本発明による基板の再生方法は、多層反射膜の除去による基板表面のダメージが少ないため、再研磨する場合の研磨取代も少なくて済み、粗研磨から精密研磨に至る複数段階の研磨工程のうちの最終段階(精密研磨)へ戻すことが可能になる。したがって、再研磨の工程負荷も少なくなることで、基板の再生コストを低減することができ、しかも高品質の基板を再生することができる。本発明によれば、高品質の基板を低コストで再生することができるので、特に高付加価値を備えた高価な基材を用いた多層反射膜付き基板の基板再生に好適である。
また、本発明は、この再生方法により再生された基板を使用する多層反射膜付き基板の製造方法についても提供する。この本発明による再生方法により再生された基板上に、たとえばDCマグネトロンスパッタ法や、イオンビームスパッタ法を用いて、再度、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用する多層反射膜付き基板を低コストで製造することができる。
また、本発明は、上述の多層反射膜付き基板の基板を再生させるだけでなく、反射型マスクブランクの基板の再生にも好適である。すなわち、基板の主表面上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜と、パターン形成用の吸収体膜とを順に備える反射型マスクブランクまたは該反射型マスクブランクを用いて作製された反射型マスクの前記多層反射膜を、本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより基板を再生することができる。
なお、上記吸収体膜は、露光光である例えばEUV光を吸収する機能を有するもので、例えばタンタル(Ta)単体又はTaを主成分とする材料が好ましく用いられる。Taを主成分とする材料としては、TaとBを含む材料、TaとNを含む材料、TaとBを含み、更にOとNの少なくとも何れかを含む材料、TaとSiを含む材料、TaとSiとNを含む材料、TaとGeを含む材料、TaとGeとNを含む材料、TaとHfを含む材料、TaとHfとNを含む材料、TaとHfとOを含む材料、TaとZrを含む材料、TaとZrとNを含む材料、TaとZrとOを含む材料等が用いられる。
また、通常、多層反射膜を保護するため、多層反射膜と吸収体膜との間に保護膜やバッファ膜を設ける。保護膜の材料としては、ケイ素のほか、ルテニウムや、ルテニウムにニオブ、ジルコニウム、ロジウムのうち1以上の元素を含有するルテニウム化合物が用いられ、バッファ膜の材料としては、主に前記のクロム系材料が用いられる。
本発明によれば、このような反射型マスクブランクまたは反射型マスクの場合、上記多層反射膜とその上に積層された吸収体膜(保護膜を有する場合は、保護膜及び吸収体膜)を一緒に除去することが可能である。
反射型マスクブランクまたは反射型マスクの基板を再生する場合においても、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物と窒素ガス、あるいはアルゴン(Ar)等との混合ガスを用いることができる。反射型マスクブランクまたは反射型マスクの基板を再生する場合においても、前述の本発明の化合物とアルゴン(Ar)との混合ガスを好ましく用いることができる。反射型マスクブランク等の多層反射膜を本発明の化合物を含む非励起のガス状態の物質に接触させる場合の好ましい処理条件、例えばガス流量、ガス圧力、温度、処理時間の好ましい条件については、前述の多層反射膜付き基板の場合とほぼ同様である。
なお、吸収体膜にクロム系材料を使用した構成や、クロム系材料のバッファ膜を設けた構成の反射型マスクブランクや反射型マスクについては、クロム系材料の吸収体膜やバッファ膜の除去は、前記の方法や従来のクロム系材料の除去方法を用いるとよい。
本発明に係る基板の再生方法によれば、上記反射型マスクブランク等の多層反射膜を本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させることにより、ガラス基板(特に低熱膨張性ガラス基板)との間で高いエッチング選択性が得られるため、多層反射膜とその上の積層膜(吸収体膜、あるいは保護膜及び吸収体膜)の除去後の基板のダメージを少なくすることができる。本発明による基板の再生方法は、このように多層反射膜等の除去による基板表面のダメージが少ないため、再研磨の工程負荷も少なくなり、基板の再生コストを低減することができ、しかも高品質の基板を再生することができる。
また、本発明は、この再生方法により再生された基板を使用する反射型マスクブランクの製造方法についても提供する。この本発明による再生方法により再生された基板上に、たとえばDCマグネトロンスパッタ法や、イオンビームスパッタ法を用いて、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を形成し、その上に、マグネトロンスパッタ法等により、保護膜やパターン形成用の吸収体膜(或いはバッファ膜及び吸収体膜)を形成することにより、高品質の再生基板を使用する反射型マスクブランクを低コストで製造することができる。
また、処理対象の反射型マスクブランクや反射型マスクの構成が、多層反射膜上の保護膜にクロム系材料が用いられ、かつ吸収体膜にクロム系以外の材料(タンタル単体やタンタルを主成分とする材料等)が用いられている場合、吸収体膜のみを除去することも可能である。この場合、供給ガス中の本発明の化合物の濃度(ガス流量比での濃度)を80%以上、より好ましくは90%以上とし、吸収体膜の表面温度を180℃から220℃となるようにするとよい。また、処理時間を5分以上、より好ましくは7分以上、チャンバー内の圧力を490〜510Torrとすることが望ましい。これにより、反射型マスクブランクや反射型マスクから、多層反射膜付き基板を再生することができる。さらに、この再生した多層反射膜付き基板に、吸収体膜を再度形成することにより、反射型マスクブランクを製造することができる。
[第3の実施の形態]
本発明の第3の実施の形態は、ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクにおいて、ドライエッチング処理により前記薄膜及び前記基板をエッチング加工するインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法に係るものであって、前記マスクブランクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法である。
半導体デバイスの微細回路パターン、微細パターンにより光学的機能を付加した光学部品作製、ハードディスクドライブ等に用いられる磁気記録媒体における磁性層の微細パターン形成に使用するインプリント用モールド(スタンパ)の作製においては、合成石英ガラスなどのガラス基板上にパターン形成用の薄膜を備えたマスクブランクが用いられる。このマスクブランク上に所望のレジストパターンを形成し、このレジストパターンをマスクとして上記薄膜をエッチング加工することにより薄膜パターン(マスクパターン)を形成し、さらにこの薄膜パターンをマスクとして、上記基板をエッチング加工して、透光性基板に段差パターンを形成することにより、インプリント用モールドを作製している。
本発明は、このようなインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの基板の再生にも好適である。
本発明に係る基板の再生方法は、上記マスクブランクにおける薄膜が単層あるいは複数層からなり、少なくとも前記基板に接する層が、タンタル(Ta)を主成分とする材料により形成されているマスクブランクの基板の再生に特に好適である。このようなマスクブランクとしては、例えば、上記薄膜が少なくとも上層と下層の積層膜よりなり、上層はCrを主成分とする材料で形成され、下層がタンタル(Ta)を主成分とする材料で形成され、且つこれらの薄膜が塩素系ガスを用いたドライエッチング処理によりエッチング加工が可能なマスクブランクなどが一例として挙げられる。
タンタルを主成分とする材料は、例えばTaHf、TaZr、TaHfZrなどのTa化合物、あるいはこれらのTa化合物をベース材料として、例えばB、Ge、Nb、Si、C、N等の副材料を加えた材料などがある。しかし、Taを主成分とする材料は、酸素を含有する気体に触れると酸化されやすい特性を有している。TaHf、TaZr、TaHfZrを主成分とする材料を除いたTaを主成分とする材料は、励起状態の塩素系ガスと励起状態のフッ素系ガスの両方でエッチング可能であるが、酸化したTaを主成分とする材料は、励起状態の塩素系ガスを用いたドライエッチングではエッチングが困難になり、励起状態のフッ素系ガスでのみエッチング可能となる。この場合、フッ素系ガスではガラス基板とのエッチング選択性を得ることが難しくなり、剥離後のガラス基板のダメージが大きくなるため、本発明の効果は非常に大きい。
また、TaHf、TaZr、TaHfZrを主成分とする材料は、励起状態の塩素系ガスではエッチング可能であるが、励起状態のフッ素系ガスではエッチングが困難である。これらの材料も酸化しやすく、酸化すると励起状態の塩素系ガスでもエッチングがしにくくなる。この場合、ガラス基板との間で、塩素系ガスによるエッチング選択性が得にくくなり、剥離後のガラス基板のダメージが大きくなるため、本発明の効果は非常に大きい。
上記マスクブランク用の基板は、合成石英基板、その他各種のガラス基板(例えば、ソーダライムガラス、アルミノシリケートガラス等)が用いられるが、この中でも合成石英基板は、特に好ましく用いられる。
本実施の形態のインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクにおいても、マスクブランクの薄膜を、前記本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより基板を再生することができる。
本実施の形態において用いられる本発明の化合物、即ち、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物についても、前述の第1の実施の形態の場合と同様、例えば、ClF3、ClF、BrF5、BrF、IF3、IF5、XeF2、XeF4、XeF6、XeOF2、XeOF4、XeO22、XeO32、又はXeO24等の化合物を好ましく用いることができ、特にClF3を好ましく用いることができる。
本実施の形態においても、本発明の化合物を含む非励起状態の物質にマスクブランクの薄膜を接触させる方法としては、前述の第1の実施の形態と同様、チャンバー内にマスクブランクを設置し、該チャンバー内に本発明の化合物を含む物質をガス状態で導入してチャンバー内を該ガスで置換する方法が好ましく挙げられる。また、前述の第1の実施の形態と同様、図1に示す処理装置を用いて、マスクブランクの薄膜を除去してもよい。本実施の形態においても、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物と窒素ガス、あるいはアルゴン(Ar)等との混合ガスを用いることができる。また、本実施の形態においても、本発明の化合物を含む物質をガス状態で使用する場合、本発明の化合物とアルゴン(Ar)との混合ガスを好ましく用いることができる。マスクブランクの薄膜を本発明の化合物を含む非励起のガス状態の物質に接触させる場合の好ましい処理条件、例えばガス流量、ガス圧力、温度、処理時間の好ましい条件については、前述の第1の実施の形態の場合とほぼ同様であるが、薄膜の材料や層数(膜厚)によって適宜選定するのが望ましい。
本発明に係る基板の再生方法によれば、上記インプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの薄膜を本発明の化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することにより、ガラスからなる基板(特に合成石英ガラス基板)との間で高いエッチング選択性が得られるため、薄膜除去後の基板のダメージを少なくすることができる。
このように本実施の形態においても、薄膜の除去による基板表面のダメージが少ないため、再研磨の工程負荷も少なくなることで、基板の再生コストを低減することができ、しかも高品質の基板を再生することができる。
また、本発明は、この再生方法により再生された基板を使用するインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの製造方法についても提供する。すなわち、本発明による再生方法により再生された基板上に、たとえばDCマグネトロンスパッタ法などを用いて、再度、パターン形成用の薄膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するマスクブランクを低コストで製造することができる。
以下、実施例により、本発明の実施の形態を更に具体的に説明する。併せて、実施例に対する比較例についても説明する。
(実施例1)
合成石英ガラスからなる透光性基板上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(原子%比 Mo:Si=12:88)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.3Pa,ガス流量比 Ar:N2:He=8:72:100)で、DC電源の電力を3.0kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、膜厚70nmのモリブデン、シリコン、及び窒素を主たる構成要素とする単層で構成されたArFエキシマレーザー(波長193nm)用位相シフト膜を形成して、位相シフトマスクブランクを作製した。なお、この位相シフト膜は、ArFエキシマレーザー(波長193nm)において、透過率は4.52%、位相差が182.5度となっていた。
次に、上記のようにして作製された位相シフトマスクブランクにおいて許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、この位相シフトマスクブランクの位相シフト膜を除去して基板の再生を行った。
すなわち、チャンバー内に上記位相シフトマスクブランクを設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記位相シフトマスクブランクの位相シフト膜を非励起状態の上記混合ガスに接触させるようにした。この時のガス圧力は488〜502Torr、温度は195〜202℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてMoSiNからなる位相シフト膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、位相シフト膜の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、位相シフト膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の基板と変化はなかった。さらに、位相シフト膜を除去した基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=0.32nm、Rmax=6.27nmであり、位相シフト膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると若干荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、薄膜除去後の基板のダメージの少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記位相シフト膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用する位相シフト型マスクブランクを製造することができる。
(実施例2)
合成石英ガラスからなる透光性基板上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにモリブデン(Mo)とシリコン(Si)との混合ターゲット(原子%比 Mo:Si=21:79)を用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.07Pa、ガス流量比 Ar:N2=25:28)で、DC電源の電力を2.1kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、MoSiN膜(遮光層)を膜厚50nmで成膜し、引き続いて、Mo/Siターゲット(原子%比 Mo:Si=4:96)を用い、アルゴン(Ar)と酸素(O2)と窒素(N2)とヘリウム(He)との混合ガス雰囲気(ガス圧0.1Pa、ガス流量比 Ar:O2:N2:He=6:3:11:17)で、DC電源の電力を3.0kWとし、MoSiON膜(表面反射防止層)を膜厚10nmで成膜することにより、MoSiN膜とMoSiON膜の積層からなるArFエキシマレーザー(波長193nm)用遮光膜を形成して、バイナリ型マスクブランクを作製した。なお、ArFエキシマレーザーに対する遮光膜の光学濃度は3.0であった。
次に、上記のようにして作製されたバイナリ型マスクブランクにおいて許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、このバイナリ型マスクブランクの遮光膜を除去して基板の再生を行った。
すなわち、チャンバー内に上記バイナリ型マスクブランクを設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記バイナリ型マスクブランクの遮光膜を非励起状態の上記混合ガスに接触させるようにした。この時のガス圧力は495〜502Torr、温度は195〜201℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてMoSiN膜とMoSiON膜の積層からなる遮光膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、遮光膜の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、遮光膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の基板と変化はなかった。さらに、遮光膜を除去した基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=0.22nm、Rmax=3.06nmであり、遮光膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると若干荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、薄膜除去後の基板のダメージの少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記遮光膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するバイナリ型マスクブランクを製造することができる。
(実施例3)
合成石英ガラスからなる透光性基板上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにタンタル(Ta)ターゲットを用い、キセノン(Xe)と窒素(N2)の混合ガス雰囲気(ガス圧0.076Pa、ガス流量比 Xe:N2=71:29)で、DC電源の電力を1.5kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、TaN膜を膜厚42nmで成膜し、引き続いて、Taターゲットを用い、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の混合ガス雰囲気(ガス圧0.3Pa、ガス流量比 Ar:O2=58:32.5)で、DC電源の電力を2.0kWとし、TaO膜を膜厚9nmで成膜することにより、TaN膜とTaO膜の積層からなるArFエキシマレーザー(波長193nm)用遮光膜を形成して、バイナリ型マスクブランクを作製した。なお、ArFエキシマレーザーに対する遮光膜の光学濃度は3.1であった。
次に、上記のようにして作製されたバイナリ型マスクブランクにおいて許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、このバイナリ型マスクブランクの遮光膜を除去して基板の再生を行った。
すなわち、チャンバー内に上記バイナリ型マスクブランクを設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記バイナリ型マスクブランクの遮光膜を非励起状態の上記混合ガスに接触させるようにした。この時のガス圧力は496〜504Torr、温度は198〜202℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてTaN膜とTaO膜の積層からなる遮光膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、遮光膜の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、遮光膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の基板と変化はなかった。さらに、遮光膜を除去した基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=1.57nm、Rmax=21.4nmであり、遮光膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、薄膜除去後の基板のダメージの少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記遮光膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するバイナリ型マスクブランクを製造することができる。
(実施例4)
SiO2−TiO2系ガラス(熱膨張係数0.2・10-7/℃)からなる基板(平滑性0.15nmRq以下、平坦度50nm以下)上に、13〜14nmのEUV光波長域に適したMo/Si周期多層反射膜を形成した。即ち、多層反射膜は、MoターゲットとSiターゲットを使用し、イオンビームスパッタリングにより基板上に交互に積層して形成した。まず、Si膜を4.2nm、Mo膜を2.8nm成膜し、これを一周期として、40周期積層した後、Si膜を4.2nm成膜し、最後に保護膜として、RuNbターゲットを用いてRuNb膜を2.5nm成膜した。
このようにして多層反射膜付き基板を作製した。この多層反射膜に対し、13.5nmのEUV光を入射角6.0度で反射率を測定したところ、65.9%であった。
次に、上記のようにして作製された多層反射膜付き基板において許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、この多層反射膜付き基板の多層反射膜を除去して基板の再生を行った。
すなわち、チャンバー内に上記多層反射膜付き基板を設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記多層反射膜付き基板の多層反射膜を非励起状態の上記混合ガスに接触させるようにした。この時のガス圧力は495〜502Torr、温度は195〜201℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてMo膜とSi膜の交互積層膜からなるEUV多層反射膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、多層反射膜の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、多層反射膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の基板と変化はなかった。さらに、多層反射膜を除去した基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=1.09nm、Rmax=13.8nmであり、多層反射膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、多層反射膜付き基板の多層反射膜を除去した後の基板のダメージが少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記多層反射膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用する多層反射膜付き基板を製造することができる。
(実施例5)
最初に、実施例4と同様の手順で多層反射膜付き基板を作製した。
次に、RuNb保護膜上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにタンタル(Ta)とホウ素(B)の混合ターゲット(原子%比 Ta:B=80:20)を用い、キセノン(Xe)と窒素(N2)の混合ガス雰囲気(ガス流量比 Xe:N2=13:6)で、DC電源の電力を1.5kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、TaBN膜を膜厚50nmで成膜し、引き続いて、同じTaB混合ターゲットを用い、アルゴン(Ar)と酸素(O2)の混合ガス雰囲気(ガス流量比 Ar:O2=58:32.5)で、DC電源の電力を0.7kWとし、TaBO膜を膜厚15nmで成膜することにより、TaBN膜とTaBO膜の積層からなる吸収体膜を形成し、EUV露光光が適用される反射型マスクブランクを作製した。
次に、上記のようにして作製された反射型マスクブランクにおいて許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、この反射型マスクブランクの吸収体膜等の薄膜および多層反射膜を全て除去して基板の再生を行った。
すなわち、チャンバー内に上記反射型マスクブランクを設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記反射型マスクブランクの吸収体膜の表面に非励起状態の上記混合ガスを接触させるようにした。この時のガス圧力は495〜502Torr、温度は195〜201℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてTaBNとTaBOの積層構造からなる吸収体膜、RuNb保護膜、Mo膜とSi膜の交互積層膜からなるEUV多層反射膜を全て除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、多層反射膜等の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の基板と変化はなかった。さらに、除去した基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=1.12nm、Rmax=14.3nmであり、剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、反射型マスクブランクの吸収体膜、保護膜、および多層反射膜を全て除去した後の基板のダメージが少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記多層反射膜、保護膜、および吸収体膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するEUV露光光が適用される反射型マスクブランクを製造することができる。
(実施例6)
合成石英ガラスからなる透光性基板上に、枚葉式スパッタ装置を用いて、スパッタターゲットにタンタル(Ta)とハフニウム(Hf)の合金ターゲット(原子%比 Ta:Hf=80:20)を用い、アルゴンガス雰囲気(ガス圧0.3Pa)で、DC電源の電力を2.0kWとし、反応性スパッタリング(DCスパッタリング)により、TaHf膜(導電性膜)を膜厚7nmで成膜し、引き続いて、クロムターゲットを用い、アルゴン(Ar)と窒素(N2)の混合ガス雰囲気で、CrN膜(Cr:N=80:20原子%比)を膜厚2.5nmで成膜することにより、TaHf膜とCrN膜の積層薄膜を形成して、インプリント用モールドの作製に用いるマスクブランクを作製した。
次に、上記のようにして作製されたマスクブランクにおいて許容できない表面欠陥が存在していると仮定して、このマスクブランクの上記積層薄膜を除去して基板の再生を行った。
すなわち、最初に、硝酸第2セリウムアンモニウム、過塩素酸および純水の混合液をノズルでCrN膜表面に噴き付け、CrN膜を除去した。
次に、チャンバー内に上記CrN膜を除去したマスクブランクを設置し、該チャンバー内に、ClF3とArの混合ガス(流量比 ClF3:Ar=0.2:1.8(SLM))を導入してチャンバー内を該ガスで置換することにより、上記マスクブランクのTaHf膜を非励起状態の上記混合ガスに接触させるようにした。この時のガス圧力は495〜502Torr、温度は195〜201℃に調節し、処理時間は10分とした。
このようにしてTaHf膜とCrN膜の積層薄膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、積層薄膜の残渣や、白濁などの変質層の発生は確認されなかった。また、積層薄膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、成膜前の初期の基板と変化はなかった。さらに、積層薄膜を除去した後の基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=1.40nm、Rmax=18.0nmであり、積層薄膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると荒れていたものの、基板表面を再精密研磨(通常の研磨工程のうちの最終段階)することによって容易に表面粗さを回復することができた。
すなわち、本発明にかかる基板の再生方法によれば、上記マスクブランクの積層薄膜除去後の基板のダメージの少ないことが確認できた。
また、上記のようにして再生された基板上に、再度、上記TaHf膜とCrN膜の積層薄膜を形成することにより、高品質の再生基板を使用するインプリント用モールド作製用のマスクブランクを製造することができる。
(比較例1)
実施例1において作製された位相シフトマスクブランクの位相シフト膜を従来の方法によって除去して基板の再生を行った。
すなわち、上記位相シフトマスクブランクを処理槽に収容されたフッ酸溶液(濃度 0.2%)中に浸漬した。このときのフッ酸溶液の温度は40℃、処理時間は30分とした。なお、処理中はマスクブランクを適宜揺動しながら行った。
このようにしてMoSiNからなる位相シフト膜を除去した基板の表面を電子顕微鏡にて観察したところ、位相シフト膜の残渣はとくに観察されなかったが、基板表面に白濁などによる変質層が生じていることが確認された。また、位相シフト膜除去後の基板の表面反射率(200〜700nm)を測定したが、この変質層が生じた影響で成膜前の基板と比べると反射率が全体的に低下していた。さらに、位相シフト膜を除去した後の基板の表面粗さを原子間力顕微鏡(AFM)にて測定した結果、Ra=15.1nm、Rmax=150nmであり、位相シフト膜の剥離前の基板の表面粗さ(Ra=0.11nm、Rmax=1.26nm)と比べると荒れが非常に大きく、膜除去による基板ダメージが大きいことが確認された。したがって、基板表面を再研磨により良好な表面粗さを回復させるためには、通常の成膜前の基板研磨工程のうちの最初の段階から再研磨を行う必要があり、再研磨の工程負荷が大きくなる。
10 チャンバー
11 処理基板
12 ステージ
13,14 ガス充填容器
15,16 流量制御器
17 噴出ノズル
18 排気管
19 排気ガス処理装置

Claims (29)

  1. ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜でありスパッタリング法によって成膜された薄膜を備えるマスクブランクまたは該マスクブランクを用いて作製された転写用マスクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法であって、
    前記マスクブランクまたは前記転写用マスクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法。
  2. 前記薄膜は、単層あるいは複数層からなり、少なくとも前記基板に接する層は、フッ素系ガスでドライエッチング可能な材料で形成されていることを特徴とする請求項1に記載の基板の再生方法。
  3. 前記基板に接する層は、ケイ素(Si)を含有する材料およびタンタル(Ta)を含有する材料のうちのいずれかにより形成されていることを特徴とする請求項2に記載の基板の再生方法。
  4. 前記基板は合成石英ガラスからなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の基板の再生方法。
  5. 前記非励起状態の物質は、ガス状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の基板の再生方法。
  6. 前記非励起状態の物質は、100Torr以上760Torr以下の圧力の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項5に記載の基板の再生方法。
  7. 前記非励起状態の物質は、20℃以上500℃以下の温度の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項5又は6に記載の基板の再生方法。
  8. 請求項1乃至7のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
  9. ガラスからなる基板の主表面上に低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を備える多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を除去して基板を再生する方法であって、
    前記多層反射膜はスパッタリング法によって成膜されており、
    前記多層反射膜付き基板の前記多層反射膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法。
  10. 前記低屈折率層はケイ素(Si)からなり、前記基板の主表面に接して形成されていることを特徴とする請求項9に記載の基板の再生方法。
  11. 前記基板はSiO−TiO系低熱膨張ガラスからなることを特徴とする請求項9又は10に記載の基板の再生方法。
  12. 前記非励起状態の物質は、ガス状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項9乃至11のいずれかに記載の基板の再生方法。
  13. 前記非励起状態の物質は、100Torr以上760Torr以下の圧力の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項12に記載の基板の再生方法。
  14. 前記非励起状態の物質は、20℃以上500℃以下の温度の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項12又は13に記載の基板の再生方法。
  15. 請求項9乃至14のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜を形成することを特徴とする多層反射膜付き基板の製造方法。
  16. ガラスからなる基板の主表面上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜と、パターン形成用の吸収体膜とを順に備える反射型マスクブランクまたは該反射型マスクブランクを用いて作製された反射型マスクの前記多層反射膜を除去して基板を再生する方法であって、
    前記多層反射膜および前記パターン形成用の吸収体膜はスパッタリング法によって成膜されており、
    前記反射型マスクブランクまたは前記反射型マスクの前記多層反射膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法。
  17. 前記低屈折率層はケイ素(Si)からなり、前記基板の主表面に接して形成されていることを特徴とする請求項16に記載の基板の再生方法。
  18. 前記基板はSiO−TiO系低熱膨張ガラスからなることを特徴とする請求項16又は17に記載の基板の再生方法。
  19. 前記非励起状態の物質は、ガス状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項16乃至18のいずれかに記載の基板の再生方法。
  20. 前記非励起状態の物質は、100Torr以上760Torr以下の圧力の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項19に記載の基板の再生方法。
  21. 前記非励起状態の物質は、20℃以上500℃以下の温度の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項19又は20に記載の基板の再生方法。
  22. 請求項16乃至21のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、低屈折率層と高屈折率層を交互に積層させた構造の多層反射膜と、パターン形成用の吸収体膜とを順に形成することを特徴とする反射型マスクブランクの製造方法。
  23. ガラスからなる基板の主表面上にパターン形成用の薄膜を備えるマスクブランクにおいて、ドライエッチング処理により前記薄膜及び前記基板をエッチング加工するインプリント用モールドの作製方法に対応するマスクブランクの前記薄膜を除去して基板を再生する方法であって、
    前記パターン形成用の薄膜はスパッタリング法によって成膜されており、
    前記マスクブランクの前記薄膜を、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、およびキセノン(Xe)のうちのいずれかの元素とフッ素(F)との化合物を含む非励起状態の物質に接触させて除去することを特徴とする基板の再生方法。
  24. 前記薄膜は、単層あるいは複数層からなり、少なくとも前記基板に接する層は、タンタル(Ta)を主成分とする材料により形成されていることを特徴とする請求項23に記載の基板の再生方法。
  25. 前記基板は合成石英ガラスからなることを特徴とする請求項23又は24に記載の基板の再生方法。
  26. 前記非励起状態の物質は、ガス状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項23乃至25のいずれかに記載の基板の再生方法。
  27. 前記非励起状態の物質は、100Torr以上760Torr以下の圧力の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項26に記載の基板の再生方法。
  28. 前記非励起状態の物質は、20℃以上500℃以下の温度の状態で前記薄膜に接触することを特徴とする請求項26又は27に記載の基板の再生方法。
  29. 請求項23乃至28のいずれかに記載の基板の再生方法により再生された基板上に、パターン形成用の薄膜を形成することを特徴とするマスクブランクの製造方法。
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