JP5661092B2 - 抽出装置及び抽出方法 - Google Patents
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Description
前記収容部内に大気を取り込む取込路と、該取込路から前記収容部内に取り込まれる大気の通流量を制御する取込側制御弁と、前記収容部内の圧力を検出する圧力検出手段と、
該圧力検出手段で検出した圧力が前記目的圧となるように前記取込側制御弁を制御して該取込側制御弁での通流量を調整する通流量調整手段と、を備え、前記取込路は、取り込んだ大気を前記収容部の底部側へ案内して当該底部側から導入する。
また、請求項2の抽出装置においては、前記収容部内に収容された対象物を攪拌する攪拌部を設けるとともに、前記取込路から取り込んだ大気を前記攪拌部の端部へ案内して前記収容部の底部側から噴出する為の案内路を当該攪拌部の軸部に設けた。
さらに、請求項3の抽出装置では、前記制御手段は、前記収容部内の圧力が20キロパスカルから80キロパスカルとなるように制御する。
加えて、請求項4の抽出装置にあっては、モノテルペンを高濃度で含有した精油を針葉樹の葉から抽出する装置である。
本発明の請求項5の抽出方法にあっては、収容部内の減圧下で加熱された対象物より気化した成分を液化して抽出物として抽出する抽出方法において、前記収容部内の圧力を目的圧に保った状態で特定の成分を主成分とした前記抽出物を前記対象物より抽出する際に、前記対象物より気化した成分を前記収容部から取り出す取出経路に負圧を供給して前記収容部内の気化成分の取り出しを促進しつつ前記収容部内を減圧する一方、前記収容部内へ大気を取り込む取込路での通流量を調整して前記収容部内の圧力が前記目的圧となるように制御するとともに、前記取込路から取り込んだ大気を前記収容部の底部側から導入する。
また、請求項6の抽出方法においては、前記収容部内に収容された前記対象物を攪拌部で攪拌しながら前記抽出物を抽出する際に、前記取込路から取り込んだ大気を前記攪拌部の軸部を介して前記収容部の底部側へ噴出する。
さらに、請求項7の抽出方法では、前記収容部内の圧力が20キロパスカルから80キロパスカルとなるように制御する。
加えて、請求項8の抽出方法にあっては、モノテルペンを高濃度で含有した精油を針葉樹の葉から抽出する。
原料として、スギの葉を用い、以下のようにしてスギ精油を得た。すなわち、スギ葉を圧砕式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したもの約50kgを、図1に示すマイクロ波水蒸気蒸留装置の蒸留槽に投入し、攪拌しながら蒸留槽内の圧力を、約20KPaの減圧条件下に保持し、(蒸気温度は約67℃)1時間マイクロ波照射し精油を蒸留した。得られた精油の量は180mLであり、投入試料に対する精油の割合は、0.34%であった。
実施例1と同じスギの葉を用い、以下の水蒸気蒸留法により、スギ精油を得た。すなわち、圧搾式粉砕機(KYB製作所製)で粉砕したスギ葉約101gをパイレックス(登録商標)ガラス製フラスコに入れ、5〜8倍量の水を加えた後、当該フラスコを湯浴中で90〜100℃に加熱し沸騰させる。精油採取管には加熱前に基準線まで水を入れておいた。
植物の葉を、スギからトドマツに代える以外は実施例1と同様にして精油を取得した。得られた精油中のテルペン構成を表2に示す。
植物の葉を、スギからヒノキに代える以外は実施例1と同様にして精油を取得した。得られた精油中のテルペン構成を表3に示す。
(1)二酸化窒素の濃度低減性試験:
内径が5mmΦのガラス管内に、紙製のウエス約0.1gを充填し、この紙製ウエスに下記表1に示す量の本発明の除去剤を含浸させた。このガラス管の一方の端を8.5ppmの二酸化窒素を入れたテドラーバックと連結し、他方の端を二酸化窒素用ガス検知管(ガステック社製)に連結した。ガス検知管の他方には、吸引用シリンジに接続した。
A:除去剤を通過させた後の二酸化窒素濃度
B:ブランクを通過させた後の二酸化窒素濃度
8.5ppmの二酸化窒素を4.2ppmの二酸化硫黄にかえ、検知管として二酸化硫黄用ガス検知管(ガステック社製)を利用する以外は、上記(1)と同様にして試験を行った。二酸化窒素濃度を二酸化硫黄濃度に代えた上記式を用い、二酸化硫黄の除去効果を確認した。この結果も表4に示す。
ホルムアルデヒドの濃度低減性試験:
実施例1〜3で得た精油1をn―ヘキサンで5%に調整し、インピンジャーに3ml入れた。インピンジャーの一方の口を、ホルムアルデヒド(0.95ppm)の入っているテドラーバックに接続し、他方の口をアルデヒド検出用のDNPHカートリッジに接続して、100ml/分で吸引した。30分間吸引後、DNPHカートリッジより吸着成分を所定の方法で溶出させHPLCにて分析してホルムアルデヒド濃度を測定した。ホルムアルデヒドの除去率は、n―ヘキサンのみを通過させたときのホルムアルデヒド濃度をコントロールとして下記の式により算出した。この結果を表5に示す。
A:サンプル通過後のホルムアルデヒド濃度
B:このトロールのホルムアルデヒド濃度
実施例1から3で得た精油を用いて、気体状態における二酸化窒素の除去効果を、下記方法により確認した。
二酸化窒素と精油成分の反応による粒子の生成:
1Lのテドラーバッグ内に、ボンベ空気1Lと実施例1で得たスギ葉精油50μLを注入し、40℃にて10分間放置した。その後、20Lのテドラーバッグ内に揮発したスギ葉精油のヘッドスペースを全量注入し、清浄空気にて20Lになるまで満たした。これに二酸化窒素(6.2ppm)を注入し、注入3分後の粒子径をパーティクルカウンター(Wide−Range Particle Spectrometer)MODEL1000XP:米国MSP社製)を用いて測定した。なおブランクとして、二酸化窒素単独およびスギ葉精油単独を注入したもの(二酸化窒素混合前のもの)を同様の方法により測定した。結果を図4及び図5に示す。
二酸化窒素の酸化反応抑制確認試(1)
リノール酸の過酸化物の生成の阻害率により、本発明の精油による二酸化窒素の酸化能抑制効果を以下の手順にて確認した。
過酸化物生成阻害率(%)=(1− ―――――― )×100
(A1−A0)
A0:ブランクの吸光度
A1:二酸化窒素のみで測定した吸光度
A2:本発明の除去剤を添加した際の吸光度
二酸化窒素の酸化反応抑制確認試(2):
本発明の精油と二酸化窒素を24時間接触した場合の酸化能抑制効果を以下の手順にて確認した。
ジプロピレングリコール90質量%に、実施例1で得たスギ葉精油10質量%を配合し、空間噴霧用有害酸化物除去剤を製造した。得られた空間噴霧用有害酸化物除去剤を、超音波霧化装置(エコーテック(株)製)を用いて空間に噴霧したところ、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。またこのものは空間に対し、さわやかな芳香を付与することができた。
ジプロピレングリコール90質量%に、比較例1で得たスギ葉精油10質量%を配合し、空間噴霧用有害酸化物除去剤を製造した。得られた空間噴霧用有害酸化物除去剤を超音波霧化装置(エコーテック(株)製)を用いて空間に噴霧したところ、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。しかし、噴霧後の空間には、木酢様の臭気が残存してしまった。
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール50質量%に、実施例2で得たヒノキ葉精油50質量%を配合し、空間噴霧用有害酸化物除去剤を製造した。この有害酸化物除去剤を加熱蒸散装置(エステー(株)社製消臭プラグ)を用いて空間に噴霧したところ、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。
3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール50質量%に、スギ葉に代えトドマツ葉を用いた以外は比較例1と同様の方法で得たトドマツ葉精油50質量%を配合し、空間噴霧用有害酸化物除去剤を製造した。この有害酸化物除去剤を加熱蒸散装置(エステー(株)社製消臭プラグ)を用いて空間に噴霧したところ、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。しかし、噴霧後の空間には強いフェノール様の臭気が残存してしまった。
実 施 例 11
実施例3で得たヒノキ葉精油0.1質量%を、水99.9質量%に分散させて、空間噴霧用有害酸化物除去剤を製造した。この有害酸化物除去剤を超音波霧化装置(エコーテック(株)製)を用いて空間に噴霧したところ、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。
実施例1で得たスギ精油3.0g、プロピレングリコール10gおよび水84gの混合液中に、ゲル化剤としてκ−カラギーナン3gを分散させ、約60℃に加熱分散後、上面開放のカップ型容器に充填し、冷却固化してゲル状の空間揮散用有害酸化物除去剤を製造した。このものを石油ストーブを使用する室内空間に設置し、揮散させたところ、約1ヶ月間、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。
実施例2で得たトドマツ葉精油2質量%を、界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルエーテル)5質量%で水に可溶化させて、空間揮散有害酸化物除去剤を製造した。この有害酸化物除去剤を図2に示すような揮散装置を用い石油ストーブを使用する室内空間に設置し、揮散させたところ、約3ヶ月間、ホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物を除去した。
実施例3で得たヒノキ精油を、図3に示すような加圧空気霧化噴霧装置を用い、石油ストーブを使用している室内に5ml/分で8時間噴霧した。使用前に比べ8時間後のホルムアルデヒドや窒素酸化物、硫黄酸化物等の有害酸化物の濃度は低下した。
2 … … 蒸留槽
3 … … マイクロ波加熱装置
4 … … 撹拌はね
5 … … 気流流入管
6 … … 蒸留物流出管
7 … … 冷却装置
8 … … 加熱制御装置
9 … … 減圧ポンプ
10 … … 圧力調整弁
11 … … 圧力制御装置
12 … … 蒸留対象物
13 … … 抽出物
21 … … 揮散装置
22 … … 揮散体
23 … … 吸上芯
24 … … 容器
25 … … 除去剤
30 … … 加圧空気霧化噴霧装置
31 … … 気液混合噴霧ノズル
32 … … 2液流量調整供給装置
33 … … コンプレッサ
34 … … 精油
35 … … 水
36 … … 空気
Claims (8)
- 収容部内の減圧下で加熱された対象物より気化した成分を液化して抽出する抽出装置において、
前記収容部内の圧力を目的圧に制御する制御手段を備え、
該制御手段は、
前記対象物より気化した成分を前記収容部から取り出す取出経路と、
該取出経路に負圧を供給する負圧供給手段と、
前記収容部内に大気を取り込む取込路と、
該取込路から前記収容部内に取り込まれる大気の通流量を制御する取込側制御弁と、
前記収容部内の圧力を検出する圧力検出手段と、
該圧力検出手段で検出した圧力が前記目的圧となるように前記取込側制御弁を制御して該取込側制御弁での通流量を調整する通流量調整手段と、
を備え、
前記取込路は、取り込んだ大気を前記収容部の底部側へ案内して当該底部側から導入することを特徴とした抽出装置。 - 前記収容部内に収容された対象物を攪拌する攪拌部を設けるとともに、前記取込路から取り込んだ大気を前記攪拌部の端部へ案内して前記収容部の底部側から噴出する為の案内路を当該攪拌部の軸部に設けたことを特徴とする請求項1記載の抽出装置。
- 前記制御手段は、前記収容部内の圧力が20キロパスカルから80キロパスカルとなるように制御することを特徴とした請求項1又は2記載の抽出装置。
- モノテルペンを高濃度で含有した精油を針葉樹の葉から抽出する装置であることを特徴とした請求項1、2又は3記載の抽出装置。
- 収容部内の減圧下で加熱された対象物より気化した成分を液化して抽出物として抽出する抽出方法において、
前記収容部内の圧力を目的圧に保った状態で特定の成分を主成分とした前記抽出物を前記対象物より抽出する際に、前記対象物より気化した成分を前記収容部から取り出す取出経路に負圧を供給して前記収容部内の気化成分の取り出しを促進しつつ前記収容部内を減圧する一方、前記収容部内へ大気を取り込む取込路での通流量を調整して前記収容部内の圧力が前記目的圧となるように制御するとともに、
前記取込路から取り込んだ大気を前記収容部の底部側から導入することを特徴とした抽出方法。 - 前記収容部内に収容された前記対象物を攪拌部で攪拌しながら前記抽出物を抽出する際に、前記取込路から取り込んだ大気を前記攪拌部の軸部を介して前記収容部の底部側へ噴出することを特徴とした請求項5記載の抽出方法。
- 前記収容部内の圧力が20キロパスカルから80キロパスカルとなるように制御することを特徴とした請求項5又は6記載の抽出方法。
- モノテルペンを高濃度で含有した精油を針葉樹の葉から抽出することを特徴とした請求項5、6又は7記載の抽出方法。
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