JP5633821B2 - 酸化グラフェンシート及びこれを還元して得られるグラフェン含有物質を含有する物品、並びに、その製造方法 - Google Patents

酸化グラフェンシート及びこれを還元して得られるグラフェン含有物質を含有する物品、並びに、その製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、還元することによってグラフェン構造を有する物質に変化する酸化グラフェンシート及びこれを還元して得られるグラフェン含有物質を含有する物品、並びに、その製造方法に関する。
従来、黒鉛のようにグラフェンシートが積層した構造を有する物質を酸化処理することによって、それを構成するグラフェンシートを一枚一枚までに剥がせることが知られている。このように、原子厚さのグラフェンシートを製造する技術はナノテクノロジーの大黒柱として期待されている。例えば、黒鉛のグラフェンを酸化することにより、酸化グラフェンが得られる。当該酸化グラフェンは、水中で単層に剥離するので、当該材料を基板上に積層して、酸化グラフェン膜を作成した後に、薄膜を還元して、グラフェン薄膜を得る方法が提案されている(非特許文献1〜3)。
H. C. Schniepp et al., J. Phys. Chem. B 110 (2006) 8535. S. Watcharotone et al.,Nano Lett. 7 (2007) 1888. X. Wang et al., Nano Lett. 8 (2008) 323.
この黒鉛酸化処理の技術は、既に150年ほど前に開発されていたが、生産性が低く、反応過程が複雑であるため、品質の高いグラフェンシートを大量に製造することすることが極めて困難であった。その他、物理的な方法として、粘着テープにより一枚一枚のグラフェンシートを黒鉛から剥離する方法が知られているが、これもまたグラフェンシートを大量に製造するには不向きである。そこで、本発明は、品質の高い酸化グラフェンシート及びこれを製造する方法、並びに、当該酸化グラフェンシートを用いて得られたグラフェン構造を有する物質を提供することを目的とする。
本発明(1)は、還元することによってグラフェン構造を有する物質に変化する酸化グラフェンシートであって、
グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくした後に、酸化処理することにより得られることを特徴とする、酸化グラフェンシートである。
本発明(2)は、前記グラフェン含有物質を分散させたコロイド溶液を遠心分離処理して塊状のグラフェン集合体を除去して酸化処理することにより得られることを特徴とする、前記発明(1)の酸化グラフェンシートである。
本発明(3)は、前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする、前記発明(1)又は(2)の酸化グラフェンシートである。
本発明(4)は、前記酸化グラフェンシートがイオン交換処理により精製されていることを特徴とする、前記発明(1)〜(3)のいずれか一つの酸化グラフェンシートである。
本発明(5)は、前記酸化処理において、
グラフェン含有炭素物質を含むコロイド溶液に対して酸化剤を添加して、更に水分除去して10wt%以下に調製し、酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製し、当該パウダー組成物と濃硫酸とを混合しグラフェン含有炭素物質を酸化処理することを特徴とする、前記発明(1)〜(4)のいずれか一つの酸化グラフェンシートである。
本発明(6)は、前記水分除去において、凍結乾燥して酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製することを特徴とする、前記発明(1)〜(5)のいずれか一つの酸化グラフェンシートである。
本発明(7)は、前記酸化剤が過マンガン酸塩又はペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする、前記発明(5)又は(6)の酸化グラフェンシートである。
本発明(8)は、前記グラフェン含有炭素物質がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、カーボンナノホーン、黒鉛及びフラーレンからなる群から選ばれる一の物質又は二以上の物質の組み合わせであることを特徴とする、前記発明(1)〜(7)のいずれか一つの酸化グラフェンシートである。
本発明(9)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを還元することにより得られることを特徴とする、グラフェン含有物質である。
本発明(10)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートを還元することにより得られるグラフェン含有物質を含有することを特徴とする、摩擦材である。
本発明(11)は、更に、有機繊維と熱硬化性樹脂とを含有することを特徴とする、前記発明(10)の摩擦材である。
本発明(12)は、有機繊維により抄造された紙に、前記酸化グラフェンシートの溶液を含浸させて乾燥し、その後前記酸化グラフェンシートを還元し、更に熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させることにより得られることを特徴とする、前記発明(10)又は(11)の摩擦材である。
本発明(13)は、前記有機繊維が、天然有機繊維であることを特徴とする、前記発明(11)又は(12)の摩擦材である。
本発明(14)は、前記熱可塑性樹脂が、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂及びメラミン樹脂からなる群から選ばれる一の樹脂又は二以上の樹脂の組み合わせであることを特徴とする、前記発明(11)〜(13)のいずれか一つの摩擦材である。
本発明(15)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートを繊維中で還元することにより得られることを特徴とする、導電性繊維である。
本発明(16)は、前記酸化グラフェンシートを用いて繊維を染色して還元することにより得られることを特徴とする、前記発明(15)の導電性繊維である。
本発明(17)は、前記酸化グラフェンシートの水溶液により染色処理することを特徴とする、前記発明(16)の導電性繊維である。
本発明(18)は、前記繊維が、ポリアリレート、アラミド繊維、ポリエステル、ナイロン、綿及び麻からなる群から選ばれる一の繊維又は二以上の繊維の組合せであることを特徴とする、前記発明(16)又は(17)の導電性繊維である。
本発明(19)は、前記酸化グラフェンシートをポリマー中に練り混んで紡糸した後に還元することにより得られることを特徴とする、前記発明(15)の導電性繊維である。
本発明(20)は、前記ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)及びポリエステルからなる群から選ばれる一のポリマー又二以上のポリマーの組合せであることを特徴とする、前記発明(19)の導電性繊維である。
本発明(21)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートによってポリマー粒子の表面を覆い、当該ポリマー粒子の集合体を還元することにより得られることを特徴とする、導電性材料である。
本発明(22)は、更にポリマー粒子同士を架橋することを特徴とする、前記発明(21)の導電性材料である。
本発明(23)は、ポリマーエマルジョンと酸化グラフェンシートとを混合し、水分を除去して架橋することにより得られることを特徴とする、前記発明(22)の導電性材料である。
本発明(24)は、前記ポリマー粒子が、フッ素系樹脂であることを特徴とする、前記発明(21)又は(22)の導電性材料である。
本発明(25)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートとポリアクリロニトリルとを含む混合物を紡糸して、耐炎化・炭化することにより得られることを特徴とする、炭素繊維である。
本発明(26)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシート水溶液と、金属粉末とを混合し乾燥させて、溶融焼結により加熱及び加圧を同時に行うことにより得られることを特徴とする、高強度軽量化金属材料である。
本発明(27)は、前記溶融焼結が放電プラズマ焼結である、前記発明(26)の高強度軽量化金属材料である。
本発明(28)は、前記金属がアルミニウムであることを特徴とする、前記発明(26)又は(27)の高強度軽量化金属材料である。
本発明(29)は、還元することによってグラフェン構造を有する化合物に変化する酸化グラフェンシートの製造方法であって、
グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくする分散工程と、
前記分散工程後、グラフェン含有炭素物質を酸化処理する酸化工程と、
を有することを特徴とする酸化グラフェンシートの製造方法である。
本発明(30)は、前記分散工程により得られるグラフェン含有物質が分散したコロイド溶液を遠心分離処理して、塊状のグラフェン集合体を除去する遠心分離工程と、を更に有することを特徴とする、前記発明(29)の製造方法である。
本発明(31)は、前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする、前記発明(29)又は(30)の製造方法である。
本発明(32)は、前記酸化工程により酸化されて生成した酸化グラフェンシートをイオン交換処理により精製する精製工程を有することを特徴とする、前記発明(29)〜(31)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(33)は、前記酸化工程において、
グラフェン含有炭素物質を含むコロイド溶液に対して酸化剤を添加して、更に水分除去して10wt%以下に調製する水分除去工程と、
水分除去した組成物と濃硫酸とを混合しグラフェン含有炭素物質を酸化処理する酸処理工程と、を有することを特徴とする、前記発明(29)〜(32)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(34)は、記水分除去工程において、凍結乾燥して酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製することを特徴とする、前記発明(29)〜(33)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(35)は、前記酸化剤が過マンガン酸塩又はペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする、前記発明(33)又は(34)の製造方法である。
本発明(36)は、前記グラフェン含有炭素物質がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、カーボンナノホーン、黒鉛及びフラーレンからなる群から選ばれる一の物質又は二以上の物質の組み合わせであることを特徴とする、前記発明(29)〜(35)のいずれか一つの製造方法である。
本発明(37)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートを還元することを特徴とする、グラフェン含有物質の製造方法である。
本発明(38)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートを還元することを特徴とする、グラフェン含有物質を含有する摩擦材の製造方法である。
本発明(39)は、前記酸化グラフェンシートと有機繊維との混合物に対して、還元剤を適用して還元することを特徴とする、前記発明(38)の摩擦材の製造方法である。
本発明(40)は、有機繊維により抄造された紙に、前記酸化グラフェンシートの溶液を含浸させて乾燥し、その後前記酸化グラフェンを還元し、更に熱硬化性樹脂を含浸させて硬化させることにより得られることを特徴とする、前記発明(38)又は(39)の摩擦材の製造方法である。
本発明(41)は、前記有機繊維が、天然有機繊維であることを特徴とする、前記発明(39)又は(40)の摩擦材の製造方法である。
本発明(42)は、前記熱可塑性樹脂が、フェノール樹脂、変性フェノール樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂及びメラミン樹脂からなる群から選ばれる一の樹脂又は二以上の樹脂の組み合わせであることを特徴とする、前記発明(39)〜(41)のいずれか一つの摩擦材の製造方法である。
本発明(43)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートを繊維中で還元することを特徴とする、導電性繊維の製造方法である。
本発明(44)は、前記酸化グラフェンシートを用いて繊維を染色して還元することを特徴とする、前記発明(43)の導電性繊維の製造方法である。
本発明(45)は、前記酸化グラフェンシートの水溶液により染色処理することを特徴とする、前記発明(44)の導電性繊維の製造方法である。
本発明(46)は、前記繊維が、ポリアリレート、アラミド繊維、ポリエステル、ナイロン、綿及び麻からなる群から選ばれる一の繊維又は二以上の繊維の組合せであることを特徴とする、前記発明(44)又は(45)の導電性繊維の製造方法である。
本発明(47)は、前記酸化グラフェンシートをポリマー中に練り混んで紡糸した後に還元することを特徴とする、前記発明(43)の導電性繊維の製造方法である。
本発明(48)は、前記ポリマーが、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)及びポリエステルからなる群から選ばれる一のポリマー又二以上のポリマーの組合せであることを特徴とする、前記発明(47)の導電性繊維の製造方法である。
本発明(49)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートによってポリマー粒子の表面を覆い、当該ポリマー粒子の集合体を還元することを特徴とする、導電性材料の製造方法である。
本発明(50)は、更にポリマー粒子同士を架橋することを特徴とする、前記発明(49)の導電性材料の製造方法である。
本発明(51)は、ポリマーエマルジョンと酸化グラフェンシートとを混合し、水分を除去して架橋することを特徴とする、前記発明(50)の導電性材料の製造方法である。
本発明(52)は、前記ポリマー粒子が、フッ素系樹脂であることを特徴とする、前記発明(49)又は(50)の導電性材料の製造方法である。
本発明(53)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシートとポリアクリロニトリルとを含む混合物を紡糸して、耐炎化・炭化することを特徴とする、炭素繊維の製造方法である。
本発明(54)は、前記発明(1)〜(8)のいずれか一つの酸化グラフェンシート水溶液と、金属粉末とを混合し乾燥させて、溶融焼結により加熱及び加圧を同時に行うことを特徴とする、高強度軽量化金属材料の製造方法である。
本発明(55)は、前記溶融焼結が放電プラズマ焼結である、前記発明(54)の高強度軽量化金属材料の製造方法である。
本発明(56)は、前記金属がアルミニウムであることを特徴とする、前記発明(55)の高強度軽量化金属材料の製造方法である。
以下、本明細書において使用する各種用語の意味を解説する。「酸化グラフェンシート」とは、還元することによってグラフェン構造を有する物体へと変化する物質を意味する。
本発明に係る酸化グラフェンシートおよびその製造方法によれば、化学的方法により製造できるため、大量に製造することが可能である。また、マイルドな酸化条件であっても酸化グラフェンシートを得ることができるため、過剰酸化によるグラフェンシートに穴が開くなどの欠損を生じるといった問題が生じにくくなる。すなわち、グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させることにより、グラフェン含有炭素物質がばらばらになる。例えばグラフェン含有物質がグラファイトであれば層状に幾重にも重なったグラフェンシートが分散されてばらばらになりより少ない積層数のグラファイト単位となる。また、カーボンナノチューブであれば、集合した塊から界面活性剤により分散することにより小さな塊や一本一本分散された状態となる。これにより、グラフェン含有炭素物質のグラフェンの露出面積が大きくなるため、マイルドな酸化条件であっても十分にグラフェンシートを酸化することができる。したがって、得られる酸化グラフェンシートに欠損が少なくなるため、本発明に係る酸化グラフェンシートを還元して用いた場合、例えば、高い導電性、優れた機械強度、優れた耐摩耗性、優れた電磁波吸収性、優れた発熱性を有するグラフェン含有物質を得ることができる。
本発明(2)、(30)によれば、遠心分離によって、大きな塊状のグラフェン集合体を除去することにより、集合して酸化され難くなったグラフェン含有炭素物質を取り除くことが可能となるため、より酸化処理を行いやすくなる。
本発明(3)、(31)によれば、界面活性剤により、容易にグラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくすることができる。
本発明(4)、(32)によれば、イオン交換処理により、酸化処理により生成したカルボキシル基の金属塩が、プロトンを有するカルボキシル基へと変換されるため、金属イオンを取り除くことができるので、その後の取り扱いが容易になる。
本発明(5)〜(8)、(33)〜(36)によれば、より欠陥のすくない酸化グラフェンを得ることができる。
本発明(9)、(37)によれば、欠損の少ないグラフェンシートが得られるため、当該物は、高い導電性、優れた機械強度、優れた耐摩耗性、優れた電磁波吸収性、優れた発熱性を有する。
本発明(10)、(38)によれば、均一な面が形成できるため、摩擦熱により局部的に熱が上昇するヒートスポットの発生の少ない摩擦材を得ることができる。
本発明(11)〜(14)、(39)〜(42)によれば、有機繊維と、熱可塑性樹脂により紙質摩擦材において、ヒートスポットの発生の少ない摩擦材を得ることができる。
本発明(15)、(43)によれば、繊維中に酸化グラフェンを存在させて、還元することによって容易に導電性繊維を得ることが可能となる。
本発明(16)〜(18)、(44)〜(46)によれば、繊維を染色する方法と同様の方法によって、繊維に導電性を付与することが可能となる。
本発明(19)、(20)、(47)、(48)によれば、導電性のみならず、グラフェン含有炭素物質が繊維内に形成されるためより高い強度も得られる。
本発明(21)、(24)、(49)(52)によれば、導電性のネットワークが形成されるため、高い導電性を有する導電性材料を得ることができる。
本発明(22)、(50)によれば、ポリマー粒子同士が架橋されることにより、高い強度を有する導電性材料を得ることができる。
本発明(23)、(51)によれば、高い導電性を有する導電性シートを得ることができる。
本発明(25)、(53)によれば、高引張強度かつ高引張弾性率の炭素繊維が得られる。
本発明(26)、(27)、(54)、(55)によれば、金属と、グラフェン含有炭素物質とからなる高強度軽量化金属材料を得ることができる。
本発明(28)、(56)によれば、鉄材料と比較して、素材の軽量化と優れた物性の実現により、製品の性能と効率が格段に向上される。その結果、例えば車両に使用することにより、車両重量の軽量化により二酸化炭素の排出量の削減を実現することが可能になる。
図1は、参考例1に係るコロイド溶液の粒度分布の測定結果を示す図である。 図2は、参考例2に係るコロイド溶液の粒度分布の測定結果を示す図である。 図3は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図4は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図5は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図6は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図7は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図8は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図9は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図10は、本発明に係る酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡写真と、形状の測定結果を示す図である。 図11は、本発明に係る酸化グラフェンシートの透過型電子顕微鏡写真である。 図12は、本発明に係る摩擦材の写真である。 図13は、本発明に係る染色型導電性繊維の写真である。
《酸化グラフェンシート》
本発明に係る酸化グラフェンシートは、還元することによってグラフェン構造を有する物質に変化するものであって、グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくした後に、酸化処理することにより得られることを特徴とする。グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくすることにより、よりマイルドな酸化条件でグラフェン含有炭素物質を酸化することができるため、過剰酸化による欠損の少ない酸化グラフェンシートとなる。また、グラフェン含有物質を分散させたコロイド溶液を遠心分離処理して塊状のグラフェン集合体を除去することが好適である。これにより、酸化され難い大きな塊状のグラフェン集合体が取り除かれるため、より酸化しやくなる。
グラフェン含有炭素物質が黒鉛である場合には、通常その集合単位は、グラフェンシートが何層にも重なった(通常約数千〜数万層)状態にある。これを分散剤により当該集合単位を小さくすることができる。より具体的には、分散後の黒鉛の集合単位の大きさは、とくに限定されないが、黒鉛集合体を粒子とみなした場合の粒度分布において、80%の粒子が500nm以下であることが好適であり、80%の粒子が300nm以下であることがより好適である。また、同様に粒子の平均粒径が、500nm以下であることが好適であり、300nm以下であることがより好適である。ここで集合単位の大きさは、動的光散乱式粒度分布測定により求められた値である。これらの集合単位では約一千層以下の積層体となる。
ここで、本発明においてグラフェン含有炭素物質は、グラフェン骨格を有する物質であれば特に限定されないが、例えば、カーボンナノチューブ(単層・二層・多層タイプ、カップスタック型)、カーボンナノファイバー、炭素繊維、カーボンナノホーン、黒鉛又はフラーレンを挙げることができる。
グラフェン含有炭素物質の中でも、黒鉛(グラファイト)を使用する場合、得られる酸化グラフェンの形状はフレーク状である。酸化グラフェンシートの平均長さと平均幅の比は、0.1〜10が好適であり、1.0〜3.3が更に好適である。酸化グラフェンシートの長さは、10nm〜500μmが好適であり、500nm〜2μmが更に好適である。これらの形状に関する各種パラメータは、原子間力電子顕微鏡によって測定できる。
グラフェン含有炭素物質としてカーボンナノチューブを用いた場合には、酸化グラフェンシートの形状は、帯状となる。帯形状の酸化グラフェンシートの幅は、6nm〜300nmが好適である。これらの形状に関するデータは、透過型電子顕微鏡により測定することができる。
《製造方法》
本発明に係る酸化グラフェンシートの製造方法は、グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくする分散工程と、前記遠分散工程後、グラフェン含有炭素物質を酸化処理する酸化工程とを有することを特徴とする。また、任意工程として、前記分散工程により得られたコロイド溶液を遠心分離処理して、塊状のグラフェン集合体を除去するする遠心分離工程や、前記酸化工程により酸化された炭素物質をイオン交換処理により精製する精製工程を有することが好適である。
分散工程
本工程において、グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくする。これにより、集合して塊状となった、グラフェン含有物質を小さな単位にすることができるため、後述の酸化工程においてマイルドな条件で酸化を行なうことが可能となる。
また、本工程において、分散剤として界面活性剤を使用することが好適である。ここで、分散剤としては、特に限定されないが、例えば、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤等の界面活性剤、両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、シクロデキストリン類といった包摂化合物を形成するホスト化合物、その他核酸やたんぱく質等の天然由来の高分子化合物、胆汁酸等が挙げられる。陰イオン界面活性剤としては、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルフォン酸塩、ナフタレンスルフォン酸ホルマリン縮合化物、脂肪酸塩類の界面活性剤の一種類またはその混合物である。陽イオン界面活性剤としては、アルキルアミン塩、例えば、アルキルベンジルジメチルアンモニウム、ジステアリルジメチルアンモニウム、ステアリルトリメチルアンモニウム類の界面活性剤の一種類またはその混合物である。非イオン界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の一種類又はその混合物である。両性イオン界面活性剤としては、リン酸基を官能基とする両性イオン界面活性剤、例えば、ホスファチジルコリン{例えば、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ジパルミトリルホスファチジルコリン(DPPC)}、ホスファチジルエタノールアミン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルセリン、ホスファチジルグリセロール、ジホスファチジルグリセロール、リゾホスファチジルコリン、スフィンゴミエリンを挙げることができる。その他、四級アンモニウム塩基/スルホン酸基(−SOH)タイプ、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に可溶)、四級アンモニウム塩基/リン酸酸基タイプ(水に不溶)、四級アンモニウム塩基/カルボキシル基タイプの両性イオン界面活性剤が挙げられる。尚、前記の酸基は塩であってもよい。特に、前記の両性イオン界面活性剤が一分子中に+と−の両電荷を有することが好適であり、前記の酸基の酸解離定数(pKa)が、5以下であることが好ましく、4以下であることがより好ましく、3以下であることが更に好ましい。具体的には、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−2−ヒドロキシ−1−プロパンスルホン酸(CHAPSO)、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)、N,N−ビス(3−D−グルコナミドプロピル)−コラミド、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−デシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−ドデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−テトラデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸{Zwittergent(商標)−3−14}、n−ヘキサデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸、n−オクタデシル−N,N’−ジメチル−3−アミノ−1−プロパンスルホン酸等のスルホベタイン系両性イオン界面活性剤、n−オクチルホスホコリン、n−ノニルホスホコリン、n−デシルホスホコリン、n−ドデシルホスホコリン、n−テトラデシルホスホコリン、n−ヘキサデシルホスホコリン等のホスホコリン系両性イオン界面活性剤、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジリノレオイルホスファチジルコリン等のホスファチジルコリン系両性イオン面活性剤が挙げられる。「胆汁酸」としては、コール酸、グリココール酸、タウロコール酸、ケノデオキシコール酸、ヒオコール酸、ウルソデオキシコール酸、5α‐シプリノール、デオキシコール酸、リトコール酸、ヒオデオキシコール酸が挙げられる。これら分散剤の中でも、特に好適な分散剤としては、両性イオン型又は非イオン型を、陽イオン型又は陰イオン型の界面活性剤と混合して使うことである。これらの中でも、両性イオン界面活性剤を使用することが好適である。両性イオン界面活性剤の中でも、スルホベタイン系両性イオン界面活性剤を用いるのが特に好適である。用いる分散剤の量は、グラフェン含有炭素材料に対して、0.01〜10.0wt%が好適であり、0.1〜5.0wt%がより好適であり、0.2〜2.0wt%が更に好適である。
遠心分離工程
遠心分離工程において、グラフェン含有炭素物質を分散させたコロイド溶液を遠心分離処理し、塊状のグラフェン集合体を除去する。当該工程により、大きな塊状のグラフェン集合体を取り除き、重なりの少ないグラフェン含有炭素物質を得ることができる。ここで遠心分離の条件は、公知の条件を適宜設定することができる。
酸化工程
酸化工程では、前記分散工程後のグラフェン含有炭素物質を酸化処理する。グラフェン含有炭素物質の酸化処理方法は、従来から、塩素酸塩等の酸化剤を用いて酸化する方法や、濃硫酸と硝酸塩と過マンガン酸カリウムで処理する等の公知の方法により行なうことが可能であるが、前工程によりマイルドな条件であってもグラフェンを酸化することが可能となる。
本工程においては、例えば、グラフェン含有炭素物質を含有したコロイド溶液に対して酸化剤を添加して、更に水分除去して10wt%以下(好適には5wt%以下)に調製する水分除去工程と、水分除去した組成物と濃硫酸とを混合しグラフェン含有物質を酸化処理する酸処理工程とを有することが好適である。水分除去工程において用いられる酸化剤としては、例えば、過マンガン酸カリウム等の過マンガン酸塩、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、ペルオキソ二硫酸ナトリウム等のペルオキソ二硫酸塩が挙げられる。酸処理工程において用いられる酸としては、例えば、濃硫酸、濃硝酸が挙げられる。酸処理工程では、例えば、25℃以下の低い温度条件で行なうことが好適である。
水分除去工程において、凍結乾燥し、酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製することが好適である。このようにパウダー組成物とすることにより、十分に水分を除去することができ、後の酸処理工程において高濃度の酸を適用できるため、効率的に反応が進行する。また、このように酸化剤の存在下で凍結乾燥することにより、酸化剤がグラフェン含有物質の集合体の間に入り込んで粉状となるため、次の酸処理工程においてグラフェンシートと効率的に反応し、処理時間が短くなる。
精製工程
精製工程においては、前記酸化工程により酸化されて生成した酸化グラフェンシートを精製する。精製方法は、公知の精製方法を使用することが可能であるが、イオン交換処理により行なうことが好適である。すなわち、イオン交換処理の精製プロセスを経ることにより、純度の高い酸化グラフェンシートを得ることができる。ここでは、例えば、陰イオン交換カラム(強塩基型イオン交換樹脂)と陽イオン交換カラム(強酸型のイオン交換樹脂)を使い精製し、酸化グラフェンシートをグラフェン酸シートに変換することが好適である。イオン交換処理により、酸化グラフェンシートに導入されたカルボキシル基が酸化処理により塩になった状態から、遊離プロトンを有する酸性のカルボキシル基へと変換される。
強塩基型イオン交換樹脂としては、IRA−402(オルガノ社製)、SBR−P−C(室町ケミカル社製)が挙げられる。強酸型イオン交換樹脂としては、15DRY(スルホン酸基型、オルガノ社製)、HCR−W2(室町ケミカル社製)が挙げられる。
《使用方法》
本発明に係る酸化グラフェンシートは、対象物に塗布して還元することによりグラフェンシートとして使用することができる。ここで還元する際に還元剤を用いることが好適である。
使用する還元剤は、公知の還元剤を使用することが可能であるが、例えば、ヒドロキシメタンスルフィン酸類、アスコルビン酸類、チオグリコール酸類、システイン類、亜硫酸類、チオ硫酸類、亜ジチオン酸類、が挙げられる。ヒドロキシメタンスルフィン酸類としては、ヒドロキシメタンスルフィン酸及びヒドロキシメタンスルフィン酸塩が挙げられ、ヒドロキシメタンスルフィン酸塩としては、例えばヒドロキシメタンスルフィン酸ナトリウム等が挙げられる。アスコルビン酸類としては、アスコルビン酸、アスコルビン酸塩、アスコルビン酸誘導体、エリソルビン酸、エリソルビン酸塩、及びエリソルビン酸誘導体が挙げられる。アスコルビン酸塩及びエリソルビン酸塩としては、例えばアスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸カリウム、アスコルビン酸カルシウム、アスコルビン酸アンモニウム、アスコルビン酸モノエタノールアミン、アスコルビン酸ジエタノールアミン、エリソルビン酸ナトリウム等が挙げられる。アスコルビン酸誘導体及びエリソルビン酸誘導体としては、例えばアスコルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、エリソルビン酸硫酸エステル二ナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム、パルミチン酸アスコルビル、ステアリン酸アスコルビル、ジパルミチン酸アスコルビル、テトラ2−ヘキシルデカン酸アスコルビル、ミリスチン酸アスコルビル、ラウリン酸アスコルビル、酢酸アスコルビル、プロピオン酸アスコルビル、酒石酸アスコルビル、クエン酸アスコルビル、コハク酸アスコルビル、安息香酸アスコルビル、(アスコルビル/トコフェリル)リン酸カリウム、アスコルビルエチル、アスコルビン酸アラントイン、アスコルビン酸キトサン、アスコルビン酸メチルシラノール、テトラデシルヘキシルアスコルビル、アミノプロピルアスコルビルフォスフェート、アスコルビン酸ポリペプタイド、アスコルビルグルコシド、アスコルビルメチルシラノールペクチネート等が挙げられる。チオグリコール酸類としては、例えば、チオグリコール酸、チオグリコール酸塩、チオグリコール酸エステル等が挙げられる。チオグリコール酸塩としては、チオグリコール酸アンモニウム、チオグリコール酸ナトリウム等が挙げられる。チオグリコール酸エステルとしては、グリセリンチオグリコレート等が挙げられる。システイン類としては、例えば、システイン、システイン塩酸塩、N−アセチル−L−システイン等が挙げられる。亜硫酸類としては、例えば、亜硫酸、亜硫酸塩、重亜硫酸塩等が挙げられる。亜硫酸塩又は重亜硫酸塩としては、例えば、アンモニウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。チオ硫酸類としては、チオ硫酸及びチオ硫酸塩が挙げられ、チオ硫酸塩としては例えばチオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウム等が挙げられる。亜ジチオン酸類としては、亜ジチオン酸及び亜ジチオン酸塩が挙げられ、亜ジチオン酸塩としては、例えば亜ジチオン酸ナトリウム(ハイドロサルファイトナトリウム)、亜ジチオン酸カリウム等が挙げられる。
《応用例》
<摩擦材>
本発明に係る酸化グラフェンを、例えば、自動車のクラッチやブレーキに用いられる摩擦材として応用することが可能である。すなわち、本発明に係る酸化グラフェンシート由来のグラフェン含有炭素材料を存在させることにより、摩擦熱により局部的に熱が上昇するヒートスポットが発生しにくくなる。ここで、摩擦材としては、例えば、銅、錫などの金属粉末と、セラミックス等の摩擦調整材と、グラフェン含有物質などの潤滑材と含有し、これらの材料を成型・焼結し製造する焼結金属摩擦材や、パルプ・アラミド等の有機繊維と、セラミックス等の摩擦調整材と、グラフェン含有物などの潤滑材とを含有する紙質摩擦材料や、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂と、有機・無機繊維と、セラミックス等の摩擦材と、グラフェン含有物質などの潤滑材とを混合・成型・熱硬化により製造されるレジンモールド摩擦材が挙げられる。これらの中でも、紙質摩擦材を例に取り、詳細に説明する。
紙質摩擦材料は、パルプ、アラミドなどの有機繊維により抄造された紙に、本発明に係る酸化グラフェンシートの水溶液を含浸させて乾燥し、その後、還元剤により還元することによりグラフェン含有炭素材料を含む紙を得ることができ、更に、当該紙にエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂材料を含浸させることにより、紙質摩擦材を得ることができる。
前記有機繊維としては、より詳細には、リンターパルプなどの天然有機繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、フェノール繊維、レーヨン繊維などの合成有機繊維が用いられる。有機繊維に、摩擦材の機械的強度を向上させるために、ガラス繊維、炭素繊維、セラミック繊維などの無機繊維を含有させることもできる。その他、繊維に配合する充填材としては、コークス、雲母、バーミキュライト、二硫化モリブデン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、酸化鉄、シリカ、珪藻土などの無機質粉末、カシューダスト、フッ素樹脂粉末、熱硬化性(球状)樹脂粉末などの有機質粉末が使用される。熱硬化性樹脂としては、(変性)フェノール樹脂、(変性)エポキシ樹脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
ここで、有機繊維に対するグラフェン含有炭素材料の重量比率は、0.01〜30wt%が好適であり、0.01〜10wt%がより好適であり、0.1〜1wt%が更に好適である。また、含浸させる熱硬化性樹脂の有機繊維に対する重量比率は、0.1〜10wt%が好適であり、0.1〜5wt%がより好適であり、0.3〜0.5wt%が更に好適である。また、摩擦材の動摩擦係数は、0.10〜0.20が好適であり、0.10〜0.15がより好適であり、0.10〜0.13が更に好適である。磨耗量は、60μm以下が好適である。
<導電性繊維>
本発明に係る酸化グラフェンを導電性繊維に応用することができる。すなわち、繊維中に酸化グラフェンを存在させて、還元することによって容易に導電性繊維を得ることが可能となる。当該導電性繊維の具体的な態様として、染色型導電性繊維と混練型導電性繊維を例にとり説明する。
染色型導電性繊維
本最良形態において染色型導電性繊維は、酸化グラフェンシートを用いて繊維を染色し還元することにより得ることができる。より詳細には、酸化グラフェンシートを含むコロイド水溶液を、水性染料として使い、繊維や皮革を染色処理して還元剤により還元処理することにより、繊維上にグラフェン含有炭素物質を構築できる。これにより高い電気導電性を与えることが可能である。また、繊維が高強度となる。ここで使用する繊維としては、ポリアリレート繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維、ナイロン繊維等の化成糸や、綿、麻等の天然糸が挙げられる。尚、ここで用いる酸化グラフェンシートを含むコロイド水溶液は、酸化グラフェンシートを水中に溶かすのみで容易に調製することが可能である。また用いる還元剤も先述のものを使用することが可能である。
染色型導電性繊維において、酸化グラフェンシートの付着量は、0.01〜10wt%が好適であり、0.1〜8wt%がより好適であり、0.1〜5wt%が更に好適である。染色型導電性繊維の導電性としては、1010Ω/cm以下であることが好適であり、10Ω/cm以下がより好適であり、10Ω/cmが更に好適である。下限は特に限定されないが、例えば、10−3Ω/cmである。
混練型導電性繊維
混練型導電性繊維は、酸化グラフェンシートをポリマー中に練り混んで繊維を紡糸した後に還元することにより、導電性の繊維を得ることができる。また、混練型導電性繊維は、導電性のみならず、グラフェン含有炭素物質が繊維内に形成されるためより高い強度も得られる。混練型導電性繊維は、ポリマー及び酸化グラフェンシートが溶解した溶液から紡糸して乾燥により溶媒を除去し、その後延伸し、最後に還元することで得ることができる。ここで紡糸は公知の方法により行なうことができる。また、還元も先述した還元剤を用いることにより行なうことができる。
ここで使用するポリマーとしては、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリエステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、ポリウレタン、ポリアミド、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリユリア、レーヨン等を用いることができる。
混練型導電性繊維において、酸化グラフェンシートの含有量は、0.01〜50wt%が好適であり、0.1〜30wt%がより好適であり、0.5〜20wt%が更に好適である。混練型導電性繊維の導電性としては、1010Ω/cm以下であることが好適であり、10Ω/cm以下がより好適であり、10Ω/cmが更に好適である。下限は特に限定されないが、例えば、10−3Ω/cmである。
<導電性材料>
本最良形態に係る導電性材料は、本発明に係る酸化グラフェンシートによってポリマー粒子の表面を覆い、当該ポリマー粒子の集合体を還元することにより得られる。これにより、粒子表面に付着した酸化グラフェンシートが還元されてグラフェン含有炭素材料がポリマー粒子表面に形成される。これによって、導電性のネットワークが形成されるため、高い導電性を有する導電性材料を得ることができる。また、これらのポリマー粒子同士を架橋することが好適である。また、ここで還元は、先述した還元剤を用いて行なうことが可能である。以下、ポリマー粒子としてエマルジョンを用いた導電性フィルム、またポリマー粒子としてフッ素樹脂を使用した導電性樹脂について例にとり詳細に説明する。
導電性フィルム
本発明に係る酸化グラフェンを還元して使用することにより導電性フィルムとして応用することができる。導電性フィルムでは、ポリマー粒子としてポリエステルエマルジョン等のポリマーエマルジョンを使用する。導電性フィルムは、酸化グラフェンシートの水溶液をポリマーエマルジョンと混合させて水分を蒸発・架橋させてシート形状とした後に還元剤により還元することにより導電性シートを得ることができる。
ここで、使用可能なポリマーエマルジョンとしては、ポリエステルエマルジョン、ラテックス、ウレタンエマルジョン等が挙げられる。また、架橋としては、熱による融着や、公知の架橋剤を用いて架橋することができる。
ポリマーエマルジョンの固形分に対する酸化グラフェンシートの重量比率は、0.01〜50wt%が好適であり、0.1〜30wt%がより好適であり、0.5〜20wt%が更に好適である。また、導電性フィルムの電気抵抗は、1010Ω/cm以下であることが好適であり、10Ω/cm以下であることがより好適である。下限値は特に限定されないが、例えば、10−3Ω/cmである。
導電性樹脂
導電性樹脂は、ポリマー粒子と、酸化グラフェンシートの水溶液を混合し、乾燥させて還元することにより導電性材料を得ることができる。ポリマー粒子としては、各種ポリマーの粉末を使用することが可能であり、特に限定されないが、例えば、フッ素樹脂、ゴム、ポリウレタン、ポリエステル、ポリオレフィン等のポリマーを使用することができる。
ポリマー粒子に対する酸化グラフェンシートの重量比率は、0.01〜50wt%が好適であり、0.1〜30wt%がより好適であり、0.5〜20wt%が更に好適である。また、導電性樹脂の電気抵抗は、1010Ω/cm以下であることが好適であり、10Ω/cm以下であることがより好適である。下限値は特に限定されないが、例えば、10−3Ω/cmである。
<炭素繊維>
本発明に係る酸化グラフェンシートは、炭素繊維に応用することができる。例えば、炭素繊維は、酸化グラフェンシートとポリアクリロニトリルとを含む混合物を紡糸して耐炎化・炭化することにより得られる。すなわち、酸化グラフェンシートを含むコロイド水溶液に、ポリアクリロニトリルを溶かし、高濃度の酸化グラフェンシートを含む水溶液を作成する。ポリアクリロニトリル(PAN)系ポリマーを、この溶液を使い溶かし、PAN系前駆体繊維を作成する。高温での耐炎化・予備炭化及び炭化処理プロセスを経て、高引張強度かつ高引張弾性率の炭素繊維が得られる。
ここで、耐炎化とは、PAN系前駆体繊維をゆっくりと時間をかけて酸化する好適である。当該工程を経た繊維は見た目上真っ黒になり火を近付けても燃えない。耐炎化処理は、空気中で行われ、温度は200〜300℃であることが好適であり、処理時間としては、特に限定されず、例えば、1〜24時間である。
続いて、予備炭化において、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気下で高温にして、耐炎かした繊維を炭化する。予備炭化処理の温度は、特に限定されないが、例えば、600〜3000℃が好適である。炭化工程において、不活性ガス雰囲気下で更に高温にすることにより黒鉛化した炭素繊維を得ることができる。ここで炭化処理の温度は、特に限定されないが、例えば、1000〜4000℃が好適である。ここで、炭化処理は任意であり、予備炭化処理のみを行ってもよい。
ここで当該炭素繊維の引張強度は、特に限定されないが、5000MPa以上が好適である。上限は特に限定されないが、例えば、100000MPa以下である。また、引張弾性率は、特に限定されないが、300GPa以上が好適である。上限は特に限定されないが、例えば、10000GPa以下である。
<高強度軽量化金属材料>
本発明に係る酸化グラフェンシートは、高強度軽量化金属材料(高強度軽金属)として応用することができる。金属粉末と、酸化グラフェンシートの水溶液を混合し、水分を蒸発させて金属粉末と酸化グラフェンシートの混合粉末を作成し、真空中で当該混合粉末に対して放電プラズマ焼結装置により加熱・加圧を同時に行い作成することができる。ここで、金属としては、特に限定されず、アルミニウム、鉄(鉄鋼を含む)、銅、マグネシウム、チタン等の各種金属材料やこれらを含む合金を使用することが好適である。ここで放電プラズマ焼結とは、対象となる材料に対してパルス通電を行い高密度エネルギーを集中させることにより焼結体が得られる方法である。これにより、通常の鉄材料と比較して、軽量化とされた金属材料を得ることができる。また当該金属は高い強度を発揮する。軽量化された金属材料を得る観点からは、アルミニウムを使用することが好適である。
その他の応用例
グラフェンシートを含むコロイド水溶液に水酸化ナトリウムを溶かした後、240℃で水分を蒸発させ、溶融したグラフェンシートを含む水酸化ナトリウムを作成する。この溶融水酸化ナトリウムを使い、グラフェンを含むアルミナを作成する。電気溶融プロセスへ経て、グラフェンシートを強化剤とする高強度のアルミニウム金属材料を実現することができる。
グラフェンシートを含むコロイド水溶液を、還元剤を含む有機溶剤と混合することにより、還元されたグラフェンシートを含む有機溶剤を作る。このグラフェンシートを含む有機溶剤を塗料として用い、船舶等の防汚塗料を実現することができる。
グラフェンシートの幅をナノメートルオーダにして、グラフェンを素材とするトランジスターを実現することができる。
グラフェンシートを含むコロイド水溶液をセメントに添加することにより、高い機械強度を持つモルタルやコンクリートを実現することができる。
参考例1
高濃度高分散性黒鉛コロイド水溶液の調製:水1000gに、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)5gを添加し、室温で5分間撹拌した。これに黒鉛200gを添加し、黒鉛の孤立分散コロイド水溶液を得た。この黒鉛分散コロイド水溶液を3000gで遠心分離し、サイズの大きい黒鉛を除去する(沈殿物)。得られた黒鉛の孤立分散コロイド水溶液を粒度分布測定したところ、上記の結果が得られた。最大粒子径は、1200ナノ以下であることがわかつた。結果を図1に示した。
参考例2
高濃度高分散性黒鉛コロイド水溶液の調製:水1000gに、コール酸ナトリウム5gを添加し、室温で5分間撹拌した。これに黒鉛200gを添加し、黒鉛の孤立分散コロイド水溶液を得た。この黒鉛分散コロイド水溶液を3000gで遠心分離し、サイズの大きい黒鉛を除去する(沈殿物)。得られた黒鉛の孤立分散コロイド水溶液を粒度分布測定したところ、上記の結果が得られた。最大粒子径は、1200ナノ以下であることがわかつた。結果を図2に示した。
(実施例1:グラフェンシートの製造)
1)高濃度高分散性黒鉛コロイド水溶液の調製:水1000gに、3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアミノ]−プロパンスルホン酸(CHAPS)5gを添加し、室温で5分間撹拌した。これに黒鉛200gを添加し、黒鉛の孤立分散コロイド水溶液を得た。この黒鉛分散コロイド水溶液を3000gで遠心分離し、サイズの大きい黒鉛を除去する(沈殿物)。
2)酸化剤の添加:上記黒鉛分散コロイド水溶液に500g過マンガン酸カリウムと100gの硝酸ナトリウムを添加した後撹拌し、完全に溶解した後、凍結乾燥により、黒鉛/過マンガン酸カリウム/硝酸ナトリウムの混合ファンパウダーを作成した。
3)黒鉛の酸化処理:上記の混合パウダーに、冷やしながら(氷冷却、温度は25℃越えないように)、濃硫酸と混合する。濃硫酸を少しずつ添加する。総添加量は4リットルとなるようにする。濃硫酸を添加した後、温度を35℃に上げて、反応を10分間維持させる。その後、脱イオン水を少しずつ添加し、総量は10リットルになるようにする。反応を10分間維持させる。その後、脱イオン水を更に加え、溶液の総体積は15リットルになるようにする。20wt%の過酸化水素水を添加し、溶液が透明の濃いオレンジ色になるようにする。
4)グラフェンシートの精製:上記のグラフェン分散水溶液を、陰イオン交換カラム(強塩基型イオン交換樹脂)と陽イオン交換カラム(強酸型のイオン交換樹脂)を使い精製し、塩となっているカルボキシル基を酸性カルボキシル基へと変換して酸性の酸化グラフェンシートに変換する。
図3〜図10は、黒鉛を出発物質として用い、上述の実施プロセスを経て得られた酸化グラフェンシートの原子間力顕微鏡による評価結果を示す。得られた酸化グラフェンシートのサイズ等のデータは表1にまとめた。
(実施例2)
グラフェン含有炭素材料として、多層カーボンナノチューブを用いた以外は、実施例1と同様にして、帯状の酸化グラフェンシートを作成した。図11は得られた酸化グラフェンシートの透過型電子顕微鏡の写真を示す。
(実施例3:自動車用摩擦材)
市販のろ紙を、実施例1の酸化グラフェンシートの水溶液で10分間浸したあと、80℃乾燥、その後、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で、100℃、30分間、還元処理し、導電性紙を作成した。図12はその写真を示す。得られたグラフェンシート含浸紙の電気抵抗は10×10Ω/□であった。電気抵抗の測定は、四端子法により測定した。エポキシ樹脂で含浸・固定化した後、その摩擦および熱伝導性について測定した。尚、動摩擦係数は、SAE試験機により測定した。結果は表2に示す。
(実施例4〜7:染色型導電性繊維)
実施例4
高強度繊維であるポリアリレート繊維を、精錬、漂泊処理した後、酸化グラフェンシートの水溶液を充填した高圧釜に入れて、30分間染色処理した。ここで酸化グラフェンシートの添着量は、0.8wt%であった。その後、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で還元処理し、導電性糸を作成した。図13は、グラフェンシートを染料として用い、ポリアリレート繊維を染色処理による作成された導電糸の写真を示す(白色は染色処理前の原糸、黒色は還元処理した後の糸、導電性が2.7×10Ω/cm)。ここで電気抵抗は、Advantest R8340Aにより測定した。
実施例5
同様に、アラミド繊維を原糸として用い、精錬、漂泊処理した後、酸化グラフェンシートの水溶液を充填した高圧釜に入れて、30分間染色処理した。ここで酸化グラフェンシートの添着量は、0.7wt%であった。その後、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で還元処理し、導電性糸を作成した。導電性が3.6×10Ω/cmであつた。ここでの電気抵抗は、実施例4と同様の方法で測定した。
実施例6
ボビンに巻いたナイロン糸を、精錬、漂泊処理した後、酸化グラフェンシートの水溶液を充填した高圧釜に入れて、30分間染色処理した。ここで酸化グラフェンシートの添着量は、0.5wt%であった。その後、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で還元処理し、導電性糸を作成した。導電性が8.3×10Ω/cmであつた。ここでの電気抵抗は、実施例4と同様の方法で測定した。
実施例7
ボビンに巻いた綿糸を、精錬、漂泊処理した後、酸化グラフェンシートの水溶液を充填した高圧釜に入れて、30分間染色処理した。ここで酸化グラフェンシートの添着量は、0.3wt%であった。その後、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で還元処理し、導電性糸を作成した。導電性が5.3×10Ω/cmであつた。ここでの電気抵抗は、実施例4と同様の方法で測定した。
(実施例8、9:混練型導電性繊維)
実施例8
ポリビニルアルコール(PVA)水溶液に酸化グラフェンシートの水溶液を混合し、PVAが5.0wt%、酸化グラフェンシートが0.5wt%になるように調製した。紡糸、乾燥、延伸、還元のプロセスを経て、グラフェンシートのネットワークを骨格とする導電性繊維を作成した。得られた繊維の電気抵抗は10×10Ω/cmオーダーであった。ここでの電気抵抗は、実施例4と同様の方法で測定した。
実施例9
エチレングリコールと酸化グラフェンシート(エチレングリコールに対して1wt%)の水溶液を混合した後、95℃で、水分を蒸発させ、酸化グラフェンシートをエチレングリコールに移行・分散させた。これを原料にして、ポリエチレンテレフタラート繊維を合成した。ここで、酸化グラフェンシートの含有量は0.5wt%であった。ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で100℃60分間で還元処理した後、電気抵抗は10×10Ω/cmオーダーである導電性繊維を作成した。ここでの電気抵抗は、実施例4と同様の方法で測定した。
(実施例10:導電性フィルム)
酸化グラフェンシートの水溶液をポリエステルエマルジョン(固形分38%)と混合させた後(ここで酸化グラフェンシートの含有量はポリエステルエマルジョンの固形分に対して2.3wt%とした。)、85℃で、水分を蒸発・熱架橋させ、酸化グラフェンシートのネットワークを骨格とするフィルムを作成した。ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で100℃60分間で還元処理した後、電気抵抗は10×10Ω/cmオーダーである導電性フィルムを作成した。ここでの電気抵抗は、四端子法により測定した。
(実施例11:導電性樹脂)
粒子の直径が50ミクロン前後であるフッ素系樹脂(PTFE)の粉末100gを、酸化グラフェンシート0.5gの水溶液(1リットル)と十分に混合した。85℃で、水分を蒸発させ、酸化グラフェンシート/樹脂粉末の複合体を作成した。この複合体を、ハイドロサルファイトナトリウム水溶液で100℃60分間で還元処理した後、脱イオン水で洗浄、乾燥した後、電気抵抗は10×10Ω/cmオーダーである導電性フッ素樹脂のマスタバッチを作成した。1000kg/cmの圧力で圧縮成型したあと、340℃で、30分間、焼結し、テストサンプルを作成した。得られたサンプルは、電気抵抗は10Ω/cmであって、引張強度は65MPaであった。ここでの電気抵抗は実施例10と同様の方法により測定した。また、引張強度は、IMADA Force Measurementにより測定した。
(実施例12:高強度炭素繊維)
酸化グラフェンシートの水溶液に、ポリアクリロニトリル(PAN)系ポリマーを溶解させた後(酸化グラフェンの含有量はPAN系ポリマーに対して0.1wt%)、紡糸することによって、前駆体繊維(酸化グラフェンシート含有PAN系前駆体繊維)を作成した。この前駆体繊維を高温で加熱して耐炎化、予備炭素化、及び炭素化する処理よって、高引張強度及び高引張弾性率という二つの特性を両立させた炭素繊維を製造した。得られたグラフェンシートを含む炭素繊維は、酸化グラフェンシートが入っていない以外は全く同じ条件で作成したコントロールサンプルと比べ、引張強度が150%、引張弾性率110%増えた。
(実施例13:高強度軽金属)
粒子の直径が300ミクロン前後であるアルミニウムの粉末200gを、酸化グラフェンシート0.5gの水溶液(1リットル)と十分に混合した。85℃で、水分を蒸発させ、酸化グラフェンシート/アルミニウム粉末の複合体を作成した。真空雰囲気中で粉末粒子に対して加熱・加圧を同時に付与できる放電プラズマ焼結装置を用い、テストサンプルを作成した。得られたグラフェンシート/アルミニウム複合体は、引張強度が4.3GPaであり、熱伝導性が356W/mKであった。
本発明によって作成された酸化グラフェンシートは、インターカレーション作用に基づき、染料として機能し、繊維や皮革に、染色処理により、導電性や耐耗摩性等を与えることができる。また、作成されたグラフェンは、金属、炭素繊維、プラスチック、セメント等の素材に添加することにより、これらの材料の機械強度を著しく向上させることができる。また、グラフェンシートの幅をナノメートルオーダに制御することにより、原子厚さの半導体性の材料を作り出すことも可能である。

Claims (27)

  1. 還元することによってグラフェン構造を有する物質に変化する酸化グラフェンシートであって、
    グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくした後に、酸化処理することにより得られることを特徴とする、酸化グラフェンシート。
  2. 前記グラフェン含有物質を分散させたコロイド溶液を遠心分離処理して塊状のグラフェン集合体を除去して酸化処理することにより得られることを特徴とする、請求項1記載の酸化グラフェンシート。
  3. 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする、請求項1又は2記載の酸化グラフェンシート。
  4. 前記酸化グラフェンシートがイオン交換処理により精製されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート。
  5. 前記酸化処理において、
    グラフェン含有炭素物質を含むコロイド溶液に対して酸化剤を添加して、更に水分除去して10wt%以下に調製し、当該組成物と濃硫酸とを混合しグラフェン含有炭素物質を酸化処理することを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート。
  6. 前記水分除去において、凍結乾燥して酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート。
  7. 前記酸化剤が過マンガン酸塩又はペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする、請求項5又は6記載の酸化グラフェンシート。
  8. 前記グラフェン含有炭素物質がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、カーボンナノホーン、黒鉛及びフラーレンからなる群から選ばれる一の物質又は二以上の物質の組み合わせであることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを還元することにより得られるグラフェン含有物質を含有し、
    更に、有機繊維と熱硬化性樹脂とを含有することを特徴とする、摩擦材。
  10. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを繊維中で還元することにより得られることを特徴とする、導電性繊維。
  11. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートによってポリマー粒子の表面を覆い、当該ポリマー粒子の集合体を還元することにより得られることを特徴とする、導電性材料。
  12. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートとポリアクリロニトリルとを含む混合物を紡糸して、耐炎化・炭化することにより得られることを特徴とする、炭素繊維。
  13. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート水溶液と、金属粉末とを混合し乾燥させて、溶融焼結により加熱及び加圧を同時に行うことにより得られることを特徴とする、高強度軽量化金属材料。
  14. 還元することによってグラフェン構造を有する化合物に変化する酸化グラフェンシートの製造方法であって、
    グラフェン含有炭素物質を分散剤により分散させて前記グラフェン含有炭素物質の集合単位を小さくする分散工程と、
    前記分散工程後、グラフェン含有炭素物質を酸化処理する酸化工程と、
    を有することを特徴とする酸化グラフェンシートの製造方法。
  15. 前記分散工程により得られるグラフェン含有物質が分散したコロイド溶液を遠心分離処理して、塊状のグラフェン集合体を除去する遠心分離工程と、を更に有することを特徴とする、請求項14記載の製造方法。
  16. 前記分散剤が、界面活性剤であることを特徴とする、請求項14又は15記載の製造方法。
  17. 前記酸化工程により酸化されて生成した酸化グラフェンシートをイオン交換処理により精製する精製工程を有することを特徴とする、請求項1416のいずれか一項記載の製造方法。
  18. 前記酸化工程において、
    グラフェン含有炭素物質を含むコロイド溶液に対して酸化剤を添加して、更に水分除去して10wt%以下に調製する水分除去工程と、
    水分除去した組成物と濃硫酸とを混合しグラフェン含有炭素物質を酸化処理する酸処理工程と、を有することを特徴とする、請求項1417のいずれか一項記載の製造方法。
  19. 前記水分除去工程において、凍結乾燥して酸化剤とグラフェン含有炭素物質とを含むパウダー組成物を調製することを特徴とする、請求項1418のいずれか一項記載の製造方法。
  20. 前記酸化剤が過マンガン酸塩又はペルオキソ二硫酸塩であることを特徴とする、請求項18又は19記載の製造方法。
  21. 前記グラフェン含有炭素物質がカーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、炭素繊維、カーボンナノホーン、黒鉛及びフラーレンからなる群から選ばれる一の物質又は二以上の物質の組み合わせであることを特徴とする、請求項1420のいずれか一項記載の製造方法。
  22. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを還元することを特徴とする、グラフェン含有物質の製造方法。
  23. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを還元することを特徴とする、グラフェン含有物質を含有する摩擦材の製造方法。
  24. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートを繊維中で還元することを特徴とする、導電性繊維の製造方法。
  25. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートによってポリマー粒子の表面を覆い、当該ポリマー粒子の集合体を還元することを特徴とする、導電性材料の製造方法。
  26. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシートとポリアクリロニトリルとを含む混合物を紡糸して、耐炎化・炭化することを特徴とする、炭素繊維の製造方法。
  27. 請求項1〜8のいずれか一項記載の酸化グラフェンシート水溶液と、金属粉末とを混合し乾燥させて、溶融焼結により加熱及び加圧を同時に行うことを特徴とする、高強度軽量化金属材料の製造方法。
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