JP2015221947A - 導電性繊維の製造方法、シート状電極の製造方法、導電性繊維、及びシート状電極 - Google Patents
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Abstract
【課題】再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンを繊維に固定することができる導電性繊維の製造方法の提供。
【解決手段】酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させる工程と、繊維10に静電吸着した酸化グラフェン40を還元する工程とを含む。繊維10がアニオン性の場合カチオン性の高分子を、カチオン性の場合アニオン性の高分子を事前に静電吸着させてから酸化グラフェン40を静電吸着させる導電性繊維の製造方法。
【選択図】図1
【解決手段】酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させる工程と、繊維10に静電吸着した酸化グラフェン40を還元する工程とを含む。繊維10がアニオン性の場合カチオン性の高分子を、カチオン性の場合アニオン性の高分子を事前に静電吸着させてから酸化グラフェン40を静電吸着させる導電性繊維の製造方法。
【選択図】図1
Description
本発明は、導電性繊維の製造方法、シート状電極の製造方法、導電性繊維、及びシート状電極に関する。
近年、携帯電話やノート型パーソナル・コンピューターをはじめとするモバイル機器の普及が目覚ましく、また、薄型・軽量・柔軟なフレキシブル・ウエアラブル電子機器の市場が急速に拡大している。更には、非常用電源の確保や、再生可能エネルギーを効率的に利用できるシステムの構築等が希求されており、蓄電デバイスの大容量化及びフレキシブル化が要望されている。
代表的な蓄電デバイスとして、リチウムイオン電池及びスーパーキャパシタ(電気二重層コンデンサ)が挙げられる。いずれも、基本構造は電極、電解質及びセパレータからなり、容量を決める重要な要素は電極の導電性及び比表面積である。現行の活性炭電極に替わる新素材として、近年、高導電性・高比表面積を有するグラフェン電極に関する研究開発が盛んである(例えば、非特許文献1参照。)。グラフェンの比表面積は、約2650m2/gである。
スーパーキャパシタ用電極として作製されたグラフェン電極の電気容量の理論値は、活性炭電極の電気容量(30F/g〜40F/g程度)の13倍以上(550F/g)に達する(例えば、非特許文献2参照。)。しかし、グラフェンは凝集しやすく、比表面積が大きく低下する。このため、実際の電気容量は150F/g前後にとどまる(例えば、非特許文献3参照。)。また、現在の高温化学蒸着法によるグラフェン製造プロセスは量産性に問題が残っており、高価なことも実用化の障壁になっている。
そこで、安価なグラファイトを酸化処理して得られる酸化グラフェンが注目を集めている(例えば、非特許文献4参照。)。酸化グラフェンの製造方法として、例えば特許文献1に開示されている方法がある。
酸化グラフェンは高比表面積を有するが、その表面には絶縁性の酸素官能基が多数存在する。このため、酸化グラフェンの導電性は低く、酸化グラフェンを電極として利用するには、還元処理が不可欠である。つまり、還元処理により、酸素官能基を取り除く必要がある。しかし、還元された酸化グラフェンは再スタッキングして比表面積が低下する。このため、十分な電気容量が得られない。例えば、非特許文献5には、電気容量が100F/g前後になることが報告されている。
また、グラフェン電極として、紙を基材とするものが提案されている。例えば、非特許文献6には、還元した酸化グラフェンを水に懸濁させて還元型酸化グラフェン水懸濁液を生成し、該還元型酸化グラフェン水懸濁液を紙で濾すことにより、紙上に還元型酸化グラフェンを複合化させる方法が提案されている。
しかしながら、非特許文献6に開示されている方法では、還元に1000℃以上の高温条件及び水素雰囲気環境が必要であることに加えて、濾過時に、ナノサイズの厚みを有する還元型酸化グラフェンが紙をすり抜けるため、紙上に還元型酸化グラフェンを効率的に担持させることが困難である。また、再スタッキングして比表面積が低下した還元型酸化グラフェンを用いているため、電極として十分な容量が得られない。
He Y.,et al.,Nanoscale,5(2013)8799.
Xia j.L.,et al.,Nat.Nanotechnol.,4(2009)505.
Stoller M.D.,et al.,Nano Lett.,8(2008)3498.
Hummers W.S.,et al.,j.Am.Chem.Soc.,80(1958)1339.
Wen Z.H.,etal.,Adv.Mater.,24(2012)5610.
Weng Z.,et al.,Adv.Energy Mater.,1(2011)917.
本発明は、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンを繊維に固定することができる導電性繊維の製造方法、及び、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンを、シート状に成型された繊維群に固定することができるシート状電極の製造方法を提供することを目的とする。また本発明は、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンが固定された導電性繊維、及び、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンが固定されたシート状電極を提供することを目的とする。
本発明に係る導電性繊維の製造方法は、酸化グラフェンを繊維に静電吸着させる工程と、前記繊維に静電吸着した前記酸化グラフェンを還元する工程とを含む。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維はアニオン性の繊維であってもよい。この場合、前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程は、カチオン性の高分子を前記繊維に静電吸着させる工程と、前記高分子を媒体として前記繊維に前記酸化グラフェンを静電吸着させる工程とを含んでもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維はアニオン性の繊維であってもよい。この場合、前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程は、カチオン性の高分子と前記酸化グラフェンとを静電吸着させる工程と、前記高分子を媒体として前記繊維に前記酸化グラフェンを静電吸着させる工程とを含んでもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維はアニオン性の繊維であってもよい。この場合、前記繊維と前記酸化グラフェンとカチオン性の高分子とを液体中で混合して、前記高分子を媒体として前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させてもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維はカチオン性の繊維であってもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維がカチオン性の繊維であり、前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程が、前記酸化グラフェンとカチオン性の第1高分子とを静電吸着させる工程と、アニオン性の第2高分子を前記繊維に静電吸着させる工程と、前記第1高分子及び前記第2高分子を媒体として前記繊維に前記酸化グラフェンを静電吸着させる工程とを含んでもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記繊維はパルプ繊維であってもよい。
上記導電性繊維の製造方法は、前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させた後、脱水処理によって、前記繊維を液体から分離させる工程を更に含んでもよい。この場合、前記脱水処理後に、前記酸化グラフェンを還元してもよい。
上記導電性繊維の製造方法において、前記酸化グラフェンは、光を照射して還元してもよい。
本発明に係るシート状電極の製造方法は、複数の繊維のそれぞれに酸化グラフェンを静電吸着させる工程と、前記酸化グラフェンを静電吸着させた後、脱水処理により、前記複数の繊維を液体から分離させる工程と、前記脱水処理の後、熱及び圧力を付与することにより、前記複数の繊維をシート状に成型する工程と、前記複数の繊維のそれぞれに静電吸着した前記酸化グラフェンを還元する工程とを含む。
上記シート状電極の製造方法において、前記複数の繊維をシート状に成型した後に、前記酸化グラフェンを還元してもよい。
上記シート状電極の製造方法において、前記酸化グラフェンは、光を照射して還元してもよい。
本発明に係る導電性繊維は、繊維と、前記繊維に静電吸着しているグラフェンとを備える。
本発明に係るシート状電極は、シート状に成型された繊維群と、前記繊維群に含まれる各繊維に静電吸着しているグラフェンとを備える。
本発明に係る導電性繊維の製造方法によれば、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンを繊維に固定することができる。また本発明に係るシート状電極の製造方法によれば、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンを、シート状に成型された繊維群に固定することができる。また本発明に係る導電性繊維によれば、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンが繊維に固定されている。また本発明に係るシート状電極によれば、シート状に成型された繊維群に、再スタッキングが抑制された還元型酸化グラフェンが固定されている。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されない。また、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
(第1実施形態)
まず、本実施形態に係るシート状電極の製造方法について図面を参照して説明する。本実施形態に係るシート状電極の製造方法では、複数の繊維のそれぞれに酸化グラフェンを1枚1枚分散させて固定した後、紙抄き工程を経て紙を得る。その後、各繊維に固定された酸化グラフェンを還元する。この製造方法によれば、酸化グラフェンを再スタッキングさせることなく還元することができる。したがって、高比表面積を有する還元型酸化グラフェンが固定されたシート状電極を得ることができ、シート状電極の大容量化とフレキシブル性とを実現することが可能となる。
まず、本実施形態に係るシート状電極の製造方法について図面を参照して説明する。本実施形態に係るシート状電極の製造方法では、複数の繊維のそれぞれに酸化グラフェンを1枚1枚分散させて固定した後、紙抄き工程を経て紙を得る。その後、各繊維に固定された酸化グラフェンを還元する。この製造方法によれば、酸化グラフェンを再スタッキングさせることなく還元することができる。したがって、高比表面積を有する還元型酸化グラフェンが固定されたシート状電極を得ることができ、シート状電極の大容量化とフレキシブル性とを実現することが可能となる。
図1は、本実施形態に係るシート状電極の製造方法の一例を示す図である。なお、図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。
まず、図1(a)に示すように、複数の繊維10を含む懸濁液100を用意する。本実施形態において、繊維10はパルプ繊維である。繊維10がパルプ繊維である場合、懸濁液100の液体は水が好ましい。本実施形態において、懸濁液100の液体は水である。また、パルプ繊維は水中で負に帯電する。つまり、本実施形態において、繊維10はアニオン性の繊維である。複数の繊維10は、好ましくは、懸濁液100中で十分に分散されている。
繊維10の長さは特に限定されるものではない。例えば、繊維10の材料として木材が使用された場合、木材から得られる繊維10(木質パルプ繊維)の幅(太さ)は数μm〜数十μm程度となり得る。また、木材から得られる繊維10(木質パルプ繊維)の長さは、その幅(太さ)の百倍〜千倍程度となり得る。
繊維10がパルプ繊維(アニオン性の繊維)である場合、図1(a)に示すように、懸濁液100に加えて、複数のカチオン性高分子20を含む溶液200を更に用意する。
カチオン性高分子20は、液体(溶媒)中でカチオン性を示す高分子である。カチオン性高分子20は特に限定されるものではない。例えば、カチオン性高分子20として、アミノ基を有する高分子を使用できる。アミノ基を有する高分子としては、例えばポリエチレンイミンやポリジアリルジメチルアンモニウムクロライドがある。本実施形態において、溶液200の液体(溶媒)は水である。カチオン性高分子20の長さは、特に限定されるものではないが、繊維10の長さよりも短いことが好ましい。
次に、図1(a)に示すように懸濁液100と溶液200とを混合して、図1(b)に示すように第1混合液(懸濁液)300を生成する。例えば、懸濁液100に溶液200を添加することで、第1混合液300を得ることができる。懸濁液100と溶液200とを混合することにより、水中で弱く負に帯電している各繊維10の表面がカチオン化される。つまり、各繊維10の負の電荷とカチオン性高分子20の正の電荷との間に働く静電気力(静電相互作用)によって、各繊維10の表面にカチオン性高分子20が静電吸着する。例えば、カチオン性高分子20としてポリエチレンイミンが使用された場合、ポリエチレンイミンは正の電荷を多数有しているため、各繊維10の表面がカチオン化される。したがって、斯かる工程により、カチオン性高分子20が表面に静電吸着した繊維10を得ることができる。つまり、第1混合液300は、カチオン性高分子20が表面に静電吸着した複数の繊維10を含有する。
次に、図1(b)に示すように、複数の酸化グラフェン40が分散された分散液400を用意する。そして、第1混合液300と分散液400とを混合して、図1(c)に示す第2混合液(懸濁液)500を生成する。例えば、第1混合液300に分散液400を添加することで、第2混合液500を得ることができる。本実施形態において、分散液400の液体は水である。複数の酸化グラフェン40は、好ましくは、分散液400中で十分に分散されている。また、酸化グラフェン40の厚さは、好適にはナノサイズ(例えば1nm)である。
分散液400は、例えば、水中に分散した複数の酸化グラフェンに超音波を照射することで得られる。具体的には、Hummers法によってグラファイトから酸化グラフェンを合成し、これを水中に分散させる。そして、超音波を照射することで、酸化グラフェンが層方向に剥離されて、分散液400が得られる。このようにして得られた分散液400中の各酸化グラフェン40は、厚みがナノサイズの酸化グラフェンナノシートとなる。例えば、酸化グラフェン40の厚みは、1nm以下である。酸化グラフェン40の面積は特に限定されるものではないが、繊維10の周面の投影面積よりも小さいことが好ましい。
分散液400中に分散した各酸化グラフェン40はアニオン性を示す。よって、第1混合液300と分散液400とを混合することで、複数の繊維10のそれぞれの表面に、カチオン性高分子20を媒体として酸化グラフェン40が静電吸着する。つまり、図1(d)に示すように、カチオン性高分子20の正の電荷と酸化グラフェン40の負の電荷との静電相互作用により、各繊維10の表面に酸化グラフェン40(酸化グラフェンナノシート)が固定される。このとき、複数の酸化グラフェンナノシートが繊維10の表面に1枚1枚均質に分散されて固定されることが好ましい。斯かる工程により、カチオン性高分子20を媒体として酸化グラフェン40が表面に静電吸着した繊維10を得ることができる。つまり、第2混合液500は、カチオン性高分子20を媒体として酸化グラフェン40が静電吸着した複数の繊維10を含有する。
上記した各工程において、懸濁液100、溶液200、第1混合液300、分散液400及び第2混合液500の各液体の温度は、各液体が液相を保持できる温度である限り特に限定されるものではない。
また、懸濁液100中の繊維10の濃度、溶液200中のカチオン性高分子20の濃度、及び分散液400中の酸化グラフェン40の濃度は、特に限定されるものではない。例えば、繊維10の濃度が0.1mg/ml以上40mg/ml以下の範囲から選択された場合、カチオン性高分子20の濃度は0.05mg/ml以上50mg/ml以下の範囲から選択でき、酸化グラフェン40の濃度は0.01mg/ml以上10mg/ml以下の範囲から選択できる。なお、添加するカチオン性高分子20の量は、酸化グラフェン40の酸化度(酸素の含有量)に応じて決定することが好ましい。酸化グラフェン40の酸化度により、酸化グラフェン40の負の電荷量が変わるためである。
次に、第2混合液500に対して脱水処理を行い(紙抄き工程)、酸化グラフェン40が静電吸着された複数の繊維10を液体から分離させる。つまり、湿式法により、繊維の集積層を得る。例えば、金属メッシュを用いて脱水を行うことができる。なお、得られる繊維の集積層の数は単数であってもよいし、複数であってもよい。
上記した各工程は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で行うことができる。
次に、ホットプレス処理(熱接着法)により、液体から分離された複数の繊維10(繊維の集積層)を熱圧着してシート状に成型する。これにより、シート状に成型された繊維群が得られる。つまり、紙が得られる。本実施形態では、湿式法及び熱接着法(サーマルボンド法)により、複数の繊維10から紙を得ている。この場合、各繊維10の水酸基(OH基)同士が水素結合することによって繊維の集積層が形成され、繊維の集積層に含まれる繊維10同士が熱圧着される。あるいは、複数の繊維の集積層同士が熱圧着される。したがって、各繊維10の水酸基(OH基)同士が水素結合できるように、酸化グラフェン40は、各繊維10の表面に隙間を一部残して分散されることが好ましい。なお、繊維10がパルプ繊維以外の繊維である場合は、不織布が得られる。
ホットプレス処理によって付与される熱は、例えば100℃以上110℃以下である。また、ホットプレス処理によって付与される圧力は、例えば1MPaである。このようにして得られた紙(成型された繊維群)は、静電吸着によって酸化グラフェン40が固定された複数の繊維10を含む。ホットプレス処理は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で行うことができる。あるいは、ホットプレス処理は、炉体内で行われてもよい。なお、室温とは、ホットプレス処理由来の輻射熱が発生する前の温度である。
次に、紙(成型された繊維群)に含まれる複数の繊維10のそれぞれに静電吸着している酸化グラフェン40を還元する。これにより、図1(e)に示すように、繊維10の表面において還元型酸化グラフェン40aが形成される。本実施形態では、紙(成型された繊維群)に光を照射して酸化グラフェン40を還元する。照射する光は、例えば白色光である。白色光を照射する場合、光の照射時間は数ミリ秒〜数十ミリ秒程度でよい。白色パルス光を照射して、酸化グラフェン40を還元することができる。光還元処理は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で行うことができる。
このようにして得られた還元型酸化グラフェン40aは、繊維10の表面に静電吸着している。つまり、還元型酸化グラフェン40aは、繊維10の表面に固定されている。
以上、図1を参照して、本実施形態に係るシート状電極の製造方法の一例について説明した。この製造方法によって得られるシート状電極は、シート状に成型された繊維群と、該繊維群に含まれる各繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)とを含む。更に、当該シート状電極はカチオン性高分子20を含み、還元型酸化グラフェン40aは、カチオン性高分子20を媒体として繊維10の表面に静電吸着している。得られたシート状電極は、紙ならではの柔軟性を有している。
本実施形態によれば、懸濁液中で繊維10(パルプ繊維)の表面に酸化グラフェン40を静電吸着によって固定することができる。これにより、用意した酸化グラフェン40を略100%使用することが可能となる。更に、繊維10がパルプ繊維である場合、繊維10を略100%使用して紙(シート状電極)を得ることができる。これに対し、上記した非特許文献6に開示されているように、還元型酸化グラフェン水懸濁液を紙で濾すことにより、紙に還元型酸化グラフェンを担持させる場合、還元型酸化グラフェンが紙をすり抜けるため、用意した還元型酸化グラフェンの一部を紙上に担持させることしかできない。
また本実施形態によれば、再スタッキングを抑制しながら酸化グラフェン40を還元することができる。即ち、繊維10の表面に酸化グラフェン40を固定したまま光照射することで還元型酸化グラフェン40aの再スタッキングを抑制している。したがって、再スタッキングを抑制できるので、電極の容量を向上させることができる。
また本実施形態によれば、繊維10として安価なパルプ繊維を用いることができる上、酸化グラフェン40は、安価なグラファイトを酸化処理して得られる。したがって、シート状電極の量産化及び低コスト化を図ることができる。更に、紙抄き技術を応用してシート状電極を得ることができるため、電極の大面積化が容易となる。
また、酸化グラフェン40の還元は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で、光照射のみによって実現できる。したがって光照射による還元処理は、省エネプロセスである。更に、光照射による還元処理は、有毒化学試薬(例えば、ヒドラジン。)を使用する必要がない。
また本実施形態によれば、繊維10の表面に酸化グラフェン40を分散させて固定した後に、酸化グラフェン40を還元する。この製造方法によれば、上記した非特許文献6に開示されているように、還元型酸化グラフェン水懸濁液を紙で濾すことにより、紙に還元型酸化グラフェンを担持させる場合と比べて、製造に係る時間を短縮することができる。即ち、非特許文献6に開示されている方法では、所望の量の還元型酸化グラフェンを紙上に担持させるために、還元型酸化グラフェン水懸濁液を多数回紙で濾す必要があり、製造に時間がかかる。
また本実施形態によれば、繊維10としてパルプ繊維を使用し、紙抄き技術を応用してシート状電極を得ることから、製造プロセスの低温化を実現できる。更には、光照射による還元処理を行うことにより、製造に係る時間の更なる短縮化、及び製造プロセスの更なる低温化を図ることができる。
なお、本実施形態では、複数の繊維10がシート状に成型された後に還元処理が実行されたが、各繊維10の表面に酸化グラフェン40が固定された後に、液体中で酸化グラフェン40を還元してもよい。あるいは、脱水処理後、ホットプレス処理の前に還元処理を実行してもよい。
また本実施形態では、光照射によって酸化グラフェン40を還元したが、酸化グラフェン40の還元処理はこれに限定されるものではなく、例えば、化学試薬(例えば、ヒドラジン。)を用いた還元処理であってもよい。あるいは、熱処理によって酸化グラフェン40を還元してもよい。
また、繊維10の表面に酸化グラフェン40を静電吸着させることができる限り、懸濁液100、溶液200、及び分散液400の混合順序(添加順序)は特に限定されるものではない。
例えば、まず、溶液200と分散液400とを混合して第3混合液を生成した後、この第3混合液と懸濁液100とを混合して、第4混合液を生成してもよい。この場合、まず、カチオン性高分子20と酸化グラフェン40とが静電吸着する。次に、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。
あるいは、懸濁液100、溶液200、及び分散液400を同時に混合して、第5混合液を生成してもよい。この場合も、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。
あるいは、懸濁液100と分散液400とを混合して第6混合液を生成した後、この第6混合液と溶液200とを混合して、第7混合液を生成してもよい。この場合も、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。斯かる順序で懸濁液100、溶液200、及び分散液400を混合した場合、電極の容量を更に向上させることができる。これは、第7混合液中で、カチオン性高分子20を媒体として酸化グラフェン40が比表面積を損なうことなく多層化され、この多層化された酸化グラフェン40が繊維10の表面に固定されるためであると推定される。
また本実施形態ではカチオン性高分子20が使用されたが、カチオン性高分子20は、アニオン性の高分子をカチオン化して得た高分子であってもよい。
以上のように、一般的な紙の原料であるパルプ繊維(繊維10)に酸化グラフェン40(ナノカーボン)を固定した後に、酸化グラフェン40を還元して、紙に電極性能(導電性)を持たせることができる。
なお、繊維10はパルプ繊維に限定されるものではなく、不織布を得ることが可能な繊維であってもよい。例えば、パルプ繊維を微細化して得られるセルロースナノファイバーやガラス繊維、セラミック繊維、アクリル繊維のようなアニオン性の繊維を使用してもよい。
また本実施形態においては、繊維10としてパルプ繊維を使用するため、水が使用されたが、パルプ繊維以外の繊維を使用する場合には、使用する繊維に応じて、水以外の液体が使用されてもよい。但し、酸化グラフェン40を使用するため、極性を有する液体を使用する。
また本実施形態においては湿式法及び熱接着法によりシート状の電極が形成されたが、これに限らず、例えば、繊維の集積層の形成に乾式法が用いられてもよいし、繊維同士の結合に化学的接着法(ケミカルボンド法)等が使用されてもよい。なお、湿式法を適用する場合、一般的に長さ6mm以下の繊維が使用され、乾式法を適用する場合、一般的に長さ15mm以上100mm以下の繊維が使用される。
また本実施形態においては、アニオン性の繊維10が使用されたが、これに替えてカチオン性の繊維が使用されてもよい。カチオン性の繊維としては、例えばポリウレタン系の繊維が使用できる。
繊維10がカチオン性の繊維である場合、カチオン性高分子20を含む溶液200を用いることなく、シート状電極を形成することができる。即ち、繊維10(カチオン性の繊維)を含む懸濁液100と、酸化グラフェン40が分散された分散液400とを混合することのみにより、酸化グラフェン40を繊維10の表面に静電吸着させることができる。この製造方法によって得られるシート状電極は、シート状に成型された繊維群、及び、該繊維群に含まれる各繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)のみを含んでもよい。
あるいは、繊維10がカチオン性の繊維である場合、カチオン性高分子20を含む溶液200に加えて、アニオン性高分子を含む溶液を用いて、酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させてもよい。アニオン性高分子は、液体(溶媒)中でアニオン性を示す高分子である。アニオン性高分子は、例えば、ポリアクリルアミド系の高分子やスルホン酸系の高分子である。
具体的には、溶液200と分散液400とを混合して、第8混合液を得る。この第8混合液中では、酸化グラフェン40とカチオン性高分子20とが静電吸着している。その一方で、繊維10(カチオン性の繊維)を含む懸濁液100とアニオン性高分子を含む溶液とを混合して、アニオン性高分子が静電吸着した繊維10を含む第9混合液を得る。この第9混合液中の繊維10はその表面がアニオン化されている。次いで、第8混合液と第9混合液とを混合する。
このような方法により、カチオン性高分子20とアニオン性高分子とを媒体として、繊維10(カチオン性の繊維)の表面に酸化グラフェン40が静電吸着によって固定される。この製造方法によって得られるシート状電極は、シート状に成型された繊維群、該繊維群に含まれる各繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)、カチオン性高分子20、及びアニオン性高分子を含む。なお、アニオン性高分子は、カチオン性の高分子をアニオン化して得た高分子であってもよい。
以上、第1実施形態について説明した。本実施形態に係るシート状電極の製造方法によれば、紙又は不織布に導電性を持たせることができる。得られたシート状電極はフレキシブル(柔軟)であり、例えば、リチウムイオン電池の電極や、スーパーキャパシタの電極として使用することができる。更には、ペーパー状の電池の電極として使用することができるため、次世代フレキシブル・ウエアラブルデバイスに有用である。
また、繊維10の表面に固定した酸化グラフェン40を還元するため、還元型酸化グラフェン40aの再スタッキングを抑制することができる。よって、電極の容量を高めることができる。
また、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着によって固定される。したがって、得られたシート状電極に指先で触れても、該指先に還元型酸化グラフェン40aが付着することはない。また、得られたシート状電極を水中で振っても、シート状電極の基材である紙又は不織布から還元型酸化グラフェン40aが取れることはない。これに対し、上記した非特許文献6に開示されているように、還元型酸化グラフェン水懸濁液を紙で濾すことにより、紙に還元型酸化グラフェンを担持させる場合、還元型酸化グラフェンは紙上に担持されるのみである。つまり、紙に還元型酸化グラフェンが物理吸着しているのみであるため、該紙に指先で触れると、該指先に還元型酸化グラフェンが付着する。また、該紙を水中で振ると、還元型酸化グラフェンが紙から取れてしまう。
(第2実施形態)
続いて、本実施形態に係る導電性繊維について説明する。本実施形態に係る導電性繊維は、第1実施形態で説明したシート状電極の製造方法と同様な製造方法によって得ることができる。具体的には、第2実施形態に係る導電性繊維の製造方法は、第1実施形態に係るシート状電極の製造方法から、不織布を形成するための工程が省略された製造プロセスを具備している。
続いて、本実施形態に係る導電性繊維について説明する。本実施形態に係る導電性繊維は、第1実施形態で説明したシート状電極の製造方法と同様な製造方法によって得ることができる。具体的には、第2実施形態に係る導電性繊維の製造方法は、第1実施形態に係るシート状電極の製造方法から、不織布を形成するための工程が省略された製造プロセスを具備している。
即ち、第2実施形態に係る導電性繊維の製造方法は、第1実施形態と同様に、酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させる工程と、繊維10に静電吸着した酸化グラフェン40を還元する工程とを含む。
例えば、繊維10がパルプ繊維等のアニオン性の繊維である場合、酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させる工程は、第1混合液300を生成する工程と、第2混合液500を生成する工程とを含む。つまり、第1混合液300を生成する工程では、複数の繊維10を含む懸濁液100と、複数のカチオン性高分子20を含む溶液200とが混合される。これにより、カチオン性高分子20が静電吸着した繊維10が得られる。また、第2混合液500を生成する工程では、複数の酸化グラフェン40が分散された分散液400と第1混合液300とが混合される。これにより、カチオン性高分子20を媒体として、各繊維10の表面に複数の酸化グラフェン40が分散された状態で固定される。
次いで、第2混合液500に対して脱水処理を行い、酸化グラフェン40が静電吸着された複数の繊維10を液体から分離させる。次いで、液体から分離された複数の繊維10を乾燥させる(乾燥工程)。なお、該乾燥工程において熱が付与されてもよい。次いで、乾燥後の複数の繊維10のそれぞれに静電吸着している酸化グラフェン40を、光照射によって還元する。このようにして得られた還元型酸化グラフェン40aは、繊維10の表面に静電吸着している。つまり、還元型酸化グラフェン40aは、繊維10の表面に固定されている。
本実施形態では、第1実施形態と異なり、乾燥工程において圧力が付与されないため、乾燥後に、バラバラになった繊維の集積体を得ることができる。また、繊維の集積体をほぐすことで、繊維の集積体を更に細かく分割することができる。
以上、本実施形態に係る導電性繊維の製造方法の一例について説明した。この製造方法によって得られる導電性繊維は、繊維10と、繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)とを含む。更に、当該導電性繊維はカチオン性高分子20を含み、還元型酸化グラフェン40aは、カチオン性高分子20を媒体として繊維10の表面に静電吸着している。
本実施形態によれば、懸濁液中で繊維10(パルプ繊維)の表面に酸化グラフェン40を静電吸着によって固定することができる。これにより、用意した酸化グラフェン40を略100%使用することが可能となる。
また本実施形態によれば、再スタッキングを抑制しながら酸化グラフェン40を還元することができる。即ち、繊維10の表面に酸化グラフェン40を固定したまま光照射することで還元型酸化グラフェン40aの再スタッキングを抑制している。
また本実施形態によれば、繊維10として安価なパルプ繊維を用いることができる上、酸化グラフェンは、安価なグラファイトを酸化処理して得られる。したがって、導電性繊維の量産化及び低コスト化を図ることができる。
また、酸化グラフェン40の還元は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で、光照射のみによって実現できる。したがって光照射による還元処理は、省エネプロセスである。更に、光照射による還元処理は、有毒化学試薬(例えば、ヒドラジン。)を使用する必要がない。
また本実施形態によれば、製造プロセスの低温化を実現できる。更には、光照射による還元処理を行うことにより、製造に係る時間の短縮化、及び製造プロセスの一層の低温化を図ることができる。
なお、本実施形態では、乾燥工程後に還元処理が実行されたが、各繊維10の表面に酸化グラフェン40が固定された後に、液体中で酸化グラフェン40を還元してもよい。あるいは、脱水処理後、乾燥工程の前に還元処理を実行してもよい。
また本実施形態では、光照射によって酸化グラフェン40を還元したが、酸化グラフェン40の還元処理はこれに限定されるものではなく、例えば、化学試薬(例えば、ヒドラジン。)を用いた還元処理であってもよい。あるいは、熱処理によって酸化グラフェン40を還元してもよい。
また、繊維10の表面に酸化グラフェン40を静電吸着させることができる限り、懸濁液100、溶液200、及び分散液400の混合順序(添加順序)は特に限定されるものではない。
例えば、まず、溶液200と分散液400とを混合して第3混合液を生成した後、この第3混合液と懸濁液100とを混合して、第4混合液を生成してもよい。この場合、まず、カチオン性高分子20と酸化グラフェン40とが静電吸着する。次に、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。
あるいは、懸濁液100、溶液200、及び分散液400を同時に混合して、第5混合液を生成してもよい。この場合も、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。
あるいは、懸濁液100と分散液400とを混合して第6混合液を生成した後、この第6混合液と溶液200とを混合して、第7混合液を生成してもよい。この場合も、カチオン性高分子20を媒体として、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着する。
また本実施形態ではカチオン性高分子20が使用されたが、カチオン性高分子20は、アニオン性の高分子をカチオン化して得た高分子であってもよい。
以上のように、一般的な紙の原料であるパルプ繊維(繊維10)に酸化グラフェン40(ナノカーボン)を固定した後に、酸化グラフェン40を還元して、繊維10に導電性を持たせることができる。
なお、繊維10はパルプ繊維に限定されるものではなく、例えば、パルプ繊維を微細化したセルロースナノファイバーやガラス繊維、セラミック繊維、アクリル繊維のようなアニオン性の繊維を使用してもよい。
また本実施形態においては、繊維10としてパルプ繊維を使用するため、水が使用されたが、パルプ繊維以外の繊維を使用する場合には、使用する繊維に応じて、水以外の液体が使用されてもよい。但し、酸化グラフェン40を使用するため、極性を有する液体を使用する。
また本実施形態においては、アニオン性の繊維10が使用されたが、これに替えてカチオン性の繊維が使用されてもよい。カチオン性の繊維としては、例えばポリウレタン系の繊維が使用できる。
繊維10がカチオン性の繊維である場合、カチオン性高分子20を含む溶液200を用いることなく、導電性繊維を得ることができる。即ち、繊維10(カチオン性の繊維)を含む懸濁液100と、酸化グラフェン40が分散された分散液400とを混合することのみにより、酸化グラフェン40を繊維10の表面に静電吸着させることができる。この製造方法によって得られる導電性繊維は、繊維10、及び、繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)のみを含んでもよい。
あるいは、繊維10がカチオン性の繊維である場合、カチオン性高分子20を含む溶液200に加えて、アニオン性高分子を含む溶液を用いて、酸化グラフェン40を繊維10に静電吸着させてもよい。アニオン性高分子は、液体(溶媒)中でアニオン性を示す高分子である。アニオン性高分子は、例えば、ポリアクリルアミド系の高分子やスルホン酸系の高分子である。
具体的には、溶液200と分散液400とを混合して、第8混合液を得る。この第8混合液中では、酸化グラフェン40とカチオン性高分子20とが静電吸着している。その一方で、繊維10(カチオン性の繊維)を含む懸濁液100とアニオン性高分子を含む溶液とを混合して、アニオン性高分子が静電吸着した繊維10を含む第9混合液を得る。この第9混合液中の繊維10はその表面がアニオン化されている。次いで、第8混合液と第9混合液とを混合する。
このような方法により、カチオン性高分子20とアニオン性高分子とを媒体として、繊維10(カチオン性の繊維)の表面に酸化グラフェン40が静電吸着によって固定される。この製造方法によって得られる導電性繊維は、繊維10、繊維10の表面に静電吸着している還元型酸化グラフェン40a(グラフェン)、カチオン性高分子20、及びアニオン性高分子を含む。なお、アニオン性高分子は、カチオン性の高分子をアニオン化して得た高分子であってもよい。
以上、第2実施形態について説明した。本実施形態に係る導電性繊維は、熱伝導材、補強材、フィラー、又は触媒等として使用することができる。また、当該導電性繊維を用いて、糸又はロープ状物質等を形成してもよいし、チューブ状物質を形成してもよい。チューブ状物資は、その外表面及び内表面に還元型酸化グラフェン40aが固定されていてもよい。
また本実施形態によれば、繊維10の表面に酸化グラフェン40が静電吸着によって固定される。したがって、得られた導電性繊維に指先で触れても、該指先に還元型酸化グラフェン40aが付着することはない。また、得られた導電性繊維を水中で振っても、導電性繊維から還元型酸化グラフェン40aが取れることはない。なお、導電性繊維は、導電性を有する繊維状粉末又は繊維状粉体であってもよい。
以下、実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)
木質パルプ繊維の濃度が2mg/mlのパルプ繊維水懸濁液と、ポリエチレンイミンの濃度が1mg/mlの高分子水溶液と、酸化グラフェンナノシートの濃度が0.45mg/mlの酸化グラフェン水分散液とを用意した。
木質パルプ繊維の濃度が2mg/mlのパルプ繊維水懸濁液と、ポリエチレンイミンの濃度が1mg/mlの高分子水溶液と、酸化グラフェンナノシートの濃度が0.45mg/mlの酸化グラフェン水分散液とを用意した。
次いで、手作業により、パルプ繊維水懸濁液に高分子水溶液を添加した。次いで、手作業により、パルプ繊維水懸濁液に更に酸化グラフェン水分散液を添加した。なお、各添加作業において、手作業により液体を攪拌してもよい。次いで、手作業により金属メッシュを用いて脱水処理した。次いで、水から分離された生成物に対し、110℃の熱と1MPaの圧力を付与して(ホットプレス処理)、該生成物を厚みが0.18mm、面積が4536mm2のシート状に成型した。次いで、シート状に成型された生成物に対して、984mJ/cm2の白色パルス光を1800マイクロ秒照射した。これらの各作業は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で順次行われた。
以上の作業によって得られたシート状電極をスーパーキャパシタ用電極として使用し、サイクリックボルタンメトリ測定を行った。図2にサイクリックボルタモグラムを示す。該測定では、電極電位を20mV/sの掃引速度で0Vから1Vまで直線的に掃引した後、1Vから0Vまで直線的に掃引して、応答電流を測定した。図2のサイクリックボルタモグラムにおいて、縦軸は電流密度を示し、横軸は電位を示す。なお、参照電極として銀/塩化銀電極を使用した。
図2に示すように、実施例1のスーパーキャパシタ用電極に対してサイクリックボルタンメトリ測定を行った結果、長方形に近い曲線が得られ、良好な電圧−電流応答特性を示した。
また、実施例1のスーパーキャパシタ用電極の充電及び放電挙動を、電極重量当たりの電流値を0.5A/gとして測定した。図3に測定結果を示す。図3に示すように、概ね直線的に充電及び放電が行われた。
また、実施例1のスーパーキャパシタ用電極において、単位重量当たりの電気容量は約250F/g(電極重量当たりの電流値0.5A/g)であった。また、単位面積当たりの電気容量は29.4mF/cm2(単位面積当たりの電流値28.29μA/cm2)となり、単位体積当たりの電気容量は、3.68mF/cm3となった。
したがって、実施例1のスーパーキャパシタ用電極の電気容量(約250F/g)は、現行の活性炭電極の電気容量(30F/g〜40F/g程度)と比べて6倍以上高い値となった。これは、従来の電池に比べて6倍以上長持ちすることと同義である。
(実施例2)
実施例1に対し、パルプ繊維水懸濁液、高分子水溶液、及び酸化グラフェン水分散液の添加順序が異なる以外、実施例1と同じ方法により、シート状電極を得た。具体的には、実施例2では、パルプ繊維水懸濁液に酸化グラフェン水分散液を添加した後、高分子水溶液を更に添加した。以上の作業によって得られたシート状電極をスーパーキャパシタ用電極として使用した場合、単位重量当たりの電気容量は約300F/gとなった。
実施例1に対し、パルプ繊維水懸濁液、高分子水溶液、及び酸化グラフェン水分散液の添加順序が異なる以外、実施例1と同じ方法により、シート状電極を得た。具体的には、実施例2では、パルプ繊維水懸濁液に酸化グラフェン水分散液を添加した後、高分子水溶液を更に添加した。以上の作業によって得られたシート状電極をスーパーキャパシタ用電極として使用した場合、単位重量当たりの電気容量は約300F/gとなった。
(比較例)
酸化グラフェンナノシートの濃度が0.45mg/mlの酸化グラフェン水分散液を用意した。次いで、手作業により、酸化グラフェン水分散液を繰り返し(10回)紙で濾した。次いで、該紙に対して実施例1と同様にホットプレス処理を行った。次いで、ホットプレス処理後の紙に対し、実施例1と同様に白色パルス光を照射した。これらの各作業は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で順次行われた。この製造方法によって得られた電極の容量は10F/gであった。
酸化グラフェンナノシートの濃度が0.45mg/mlの酸化グラフェン水分散液を用意した。次いで、手作業により、酸化グラフェン水分散液を繰り返し(10回)紙で濾した。次いで、該紙に対して実施例1と同様にホットプレス処理を行った。次いで、ホットプレス処理後の紙に対し、実施例1と同様に白色パルス光を照射した。これらの各作業は、大気雰囲気中、室温(常温)の環境下で順次行われた。この製造方法によって得られた電極の容量は10F/gであった。
本発明にかかるシート状電極は、リチウムイオン電池の電極や、スーパーキャパシタの電極に有用である。更に、ペーパー状の電池の電極に有用であり、次世代フレキシブル・ウエアラブルデバイスへの応用が期待できる。また本発明に係る導電性繊維は、熱伝導材や、補強材、フィラー、触媒等として有用である。
10 繊維
20 カチオン性高分子
40 酸化グラフェン
40a 還元型酸化グラフェン
20 カチオン性高分子
40 酸化グラフェン
40a 還元型酸化グラフェン
Claims (15)
- 酸化グラフェンを繊維に静電吸着させる工程と、
前記繊維に静電吸着した前記酸化グラフェンを還元する工程と
を含む、導電性繊維の製造方法。 - 前記繊維がアニオン性の繊維であり、
前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程は、
カチオン性の高分子を前記繊維に静電吸着させる工程と、
前記高分子を媒体として前記繊維に前記酸化グラフェンを静電吸着させる工程と
を含む、請求項1に記載の導電性繊維の製造方法。 - 前記繊維がアニオン性の繊維であり、
前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程は、
前記酸化グラフェンとカチオン性の高分子とを静電吸着させる工程と、
前記高分子を媒体として前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程と
を含む、請求項1に記載の導電性繊維の製造方法。 - 前記繊維がアニオン性の繊維であり、
前記繊維と前記酸化グラフェンとカチオン性の高分子とを液体中で混合して、前記高分子を媒体として前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる、請求項1に記載の導電性繊維の製造方法。 - 前記繊維がカチオン性の繊維である、請求項1に記載の導電性繊維の製造方法。
- 前記繊維がカチオン性の繊維であり、
前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させる工程は、
前記酸化グラフェンとカチオン性の第1高分子とを静電吸着させる工程と、
アニオン性の第2高分子を前記繊維に静電吸着させる工程と、
前記第1高分子及び前記第2高分子を媒体として前記繊維に前記酸化グラフェンを静電吸着させる工程と
を含む、請求項1に記載の導電性繊維の製造方法。 - 前記繊維がパルプ繊維である、請求項2〜4のいずれか1項に記載の導電性繊維の製造方法。
- 前記酸化グラフェンを前記繊維に静電吸着させた後、脱水処理によって、前記繊維を液体から分離させる工程を更に含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の導電性繊維の製造方法。
- 前記脱水処理後に、前記酸化グラフェンを還元する、請求項8に記載の導電性繊維の製造方法。
- 光を照射して前記酸化グラフェンを還元する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の導電性繊維の製造方法。
- 複数の繊維のそれぞれに酸化グラフェンを静電吸着させる工程と、
前記酸化グラフェンを静電吸着させた後、脱水処理により、前記複数の繊維を液体から分離させる工程と、
前記脱水処理の後、熱及び圧力を付与することにより、前記複数の繊維をシート状に成型する工程と、
前記複数の繊維のそれぞれに静電吸着した前記酸化グラフェンを還元する工程と
を含む、シート状電極の製造方法。 - 前記複数の繊維をシート状に成型した後に、前記酸化グラフェンを還元する、請求項11に記載のペーパー状電極の製造方法。
- 光を照射して前記酸化グラフェンを還元する、請求項11又は12に記載のシート状電極の製造方法。
- 繊維と、
前記繊維に静電吸着しているグラフェンと
を備えた導電性繊維。 - シート状に成型された繊維群と、
前記繊維群に含まれる各繊維に静電吸着しているグラフェンと
を備えたシート状電極。
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