JP2018188788A - グラフェン被覆繊維、導電性マルチフィラメント、導電性布帛およびグラフェン被覆繊維の製造方法 - Google Patents

グラフェン被覆繊維、導電性マルチフィラメント、導電性布帛およびグラフェン被覆繊維の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】繊維が層状のグラフェンに均一に被覆されており、繊維の持つ柔らかな風合いを損なうことなく高い導電性を持つグラフェン被覆繊維を提供する。【解決手段】繊維の表面がグラフェンで被覆されてなる繊維であって、グラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比Aが30以上1000以下であるグラフェン被覆繊維。【選択図】なし

Description

本発明は、繊維をグラフェンで被覆してなるグラフェン被覆繊維およびその製造方法、ならびに当該グラフェン被覆繊維からなる導電性マルチフィラメントおよび導電性布帛に関する。
従来、導電性繊維として、銅などの金属を表面にコーティングした繊維や、カーボンブラックを単糸内に含有させた繊維、金属細線を織り込んだ繊維などが知られている。これらの導電性繊維は、金属配線やカーボンの樹脂成形物などと比べ、軽量かつ柔軟性に優れるため、静電気防止衣料などに利用されている。また、フレキシブルで軽量であることから、生体電極やバイオインターフェースへ応用した際に、デバイスの装着感を向上できる可能性があり、盛んに研究されている。
特許文献1では、ポリエステル樹脂からなる単糸にカーボンブラックを練り込んだ導電性繊維を作製している。
また、特許文献2では、パルプ繊維水懸濁液にカチオン性高分子水溶液を添加した上で酸化グラフェン水分散液を添加、酸化グラフェンをカチオン性高分子に静電吸着させ、その後、脱水、シート化、還元することでパルプ繊維上にグラフェンを固定化した電極シートを作製している。
特開2007−247095号公報 特開2015−221947号公報
特許文献1では、絶縁性のポリエステル樹脂内にカーボンブラックが混ぜ込まれるため、カーボンブラック単独よりも導電性が低くなるという課題があった。
また、特許文献2では、パルプ繊維表面へグラフェンが凝集状態で付着したり、繊維間を跨った形で付着したりするため、全体として不均一に付着しやすく、導電性が不十分であるという課題があった。
上記課題を解決するための本発明は、繊維の表面がグラフェンで被覆されてなるグラフェン被覆繊維であって、前記グラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比Aが30以上1000以下であるグラフェン被覆繊維である。
本発明のグラフェン被覆繊維は、単繊維の周長とグラフェンのサイズの比を適切に制御することで、繊維表面を層状のグラフェンで均一に被覆することに成功した。この様な構造を実現したことで、繊維の持つ柔らかな風合いを損なうことなく高い導電性を付与することができる。
<グラフェン>
グラフェンとは、狭義には1原子の厚さのsp結合炭素原子のシート(単層グラフェン)を指すが、本明細書においては、単層グラフェンが積層した薄片状の形態を持つものも含めてグラフェンと呼ぶ。また、酸化グラフェンも同様に、積層した薄片状の形態を持つものも含めた呼称とする。さらに、グラフェンには分散性の向上等を目的とした表面処理がなされる場合があるが、本明細書においては、このような表面処理剤が付着したグラフェンも含めて「グラフェン」と呼称するものとする。なお、本明細書においては、後述するO/C比が0.40を超えるものを酸化グラフェンと呼び、O/C比が0.40以下のものをグラフェンと呼ぶ。
グラフェンの平均サイズは、0.10μm以上であることが好ましく、0.15μm以上であることがより好ましく、0.20μm以上であることがさらに好ましい。また同様に、3.00μm未満であることが好ましく、1.00μm未満であることがより好ましく、0.80μm未満であることがさらに好ましく、0.60μm未満であることがさらに好ましい。ここでいうグラフェンのサイズとは、グラフェン面の最長径と最短径の平均を指す。グラフェンの平均サイズが0.01μmを下回ると、グラフェン同士の凝集力が強くなり、繊維への被覆が不均一になる傾向がある。一方、グラフェンの平均サイズが3.00μmを上回ると、溶媒への分散性が低下し、繊維への被覆が不均一になる傾向がある。
酸化グラフェンのサイズと還元後のグラフェンのサイズはほぼ変化しないため、グラフェンの平均サイズは、酸化グラフェンの平均サイズを制御することにより制御できる。酸化グラフェンの平均サイズを制御する手法は製法の項に記載する。
グラフェンの平均厚みは、特に制限は無いが、好ましくは100nm以下、より好ましくは50nm以下、さらに好ましくは20nm以下である。また同様に、1nm以上が好ましく、2nm以上がより好ましく、3nm以上がさらに好ましい。グラフェンの平均厚みが100nmを上回ると、グラフェンのフレキシブル性が低下し、繊維表面へ追従しにくくなる傾向がある。一方、グラフェンの平均厚みが1nmを下回ると、グラフェン同士の凝集力が強くなり、繊維への被覆が不均一になる傾向がある。
グラフェンの平均サイズは、グラフェンをN−メチルピロリドン溶剤中で0.002〜0.005質量%にまで希釈し、ガラス基板などの平滑性の高い基板上に滴下・乾燥し、レーザー顕微鏡で観察して、グラフェンの小片の最も長い部分の長さ(長径)と最も短い部分の長さ(短径)を測定し、(長径+短径)/2で求められる数値の平均値であり、具体的には、後述する測定例3に記載の方法により測定することができる。
グラフェンの平均厚みは、上記と同様にグラフェンを基板上に調整した後に、原子間力顕微鏡で観察することで測定することができる。具体的には、後述する測定例4に記載の方法により測定することができる。
繊維を被覆しているグラフェンの、X線光電子分光法により測定される炭素に対する酸素の元素比(O/C比)は、特に限定されないが、0.05以上0.40以下であることが好ましい。X線光電子分光法では、試料を高真空チャンバー付の測定室に導入し、超高真空中に置いた試料表面に軟X線を照射し、表面から放出される光電子をアナライザーで検出する。この光電子をワイドスキャンおよびナロースキャンで測定し、物質中の束縛電子の結合エネルギー値を求めることで、物質表面の元素情報が得られる。
繊維を被覆しているグラフェンのO/C比を測定する場合、グラフェン被覆繊維を水中でスターラーで攪拌することでグラフェンを遊離させたり、繊維が有機溶媒に溶解する場合は有機溶媒で溶解してろ過洗浄するなどして、グラフェンを取り出し真空乾燥してから測定する。
グラフェンをX線光電子分光法により測定すると284eV付近に炭素に由来するC1sピークが検出されるが、炭素が酸素に結合している場合は高エネルギー側にシフトすることが知られている。具体的には炭素が酸素に結合していないC−C結合、C=C二重結合、C−H結合に基づくピークはシフトせずに284eV付近に検出され、C−O一重結合の場合286.5eV付近に、C=O二重結合の場合287.5eV付近に、COO結合の場合288.5eV付近にシフトする。そのため、炭素に由来する信号は、284eV付近、286.5eV付近、287.5eV付近、288.5eV付近のそれぞれのピークを重ね合わせた形で検出される。また同時に、533eV付近に酸素に由来するO1sピークが検出される。C1sピークとO1sピークのピーク面積からO/C比を求めることができる。
グラフェン表面の酸素原子は、グラフェン自体に結合した酸性基や、グラフェン表面に付着した表面処理剤が有する酸性基に含まれる酸素原子である。このような酸性基はグラフェンの分散性を向上させるとともに、後述するカチオン化剤がグラフェンと結合する接点となる。グラフェン表面の酸性基が少なすぎると分散性やカチオン化剤との接着性が悪くなる傾向があるが、多すぎると導電性が低下する傾向がある。グラフェンのO/C比は、より好ましくは0.07以上であり、さらに好ましくは0.09以上であり、特に好ましくは0.10以上である。また同様に、より好ましくは0.30以下であり、さらに好ましくは0.20以下であり、特に好ましくは0.15以下である。
グラフェンのO/C比は、原料となる酸化グラフェンの酸化度、還元剤の量、表面処理剤の種類等によりコントロールすることが可能である。
<繊維>
本発明のグラフェン被覆繊維を構成する繊維は、特に制限はないが、グラフェンの被覆により導電性を付与するという本発明の効果の有用性の点から、導電性を有しない繊維であることが好ましい。繊維は、天然繊維であっても化学繊維であってもよいが、繊維の周長を厳密に制御しやすい点で、化学繊維を用いることが好ましい。化学繊維としては、ポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリアリレート繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維、ポリクロロトリフルオロエチレン繊維、あるいは、これらの繊維を構成するポリマーの構成成分に他の成分が共重合された共重合ポリマーからなる繊維を好ましく用いることができる。また、天然繊維としては、綿、絹などの繊維を用いることができる。
本発明のグラフェン被覆繊維を構成する繊維の形態は特に限定されず、長繊維、短繊維のいずれであってもよいが、短繊維は紡績した際に繊維同士の接触点が増えて接触抵抗が増大する傾向があるため、長繊維であることが好ましい。
繊維の周長は、30μm以上300μm以下のものを用いることが好ましい。周長が30μmを下回ると、繊維加工品とした場合の単位体積当たりの繊維数が多くなり、繊維間の接触点が増えるため、接触抵抗が増大し、高抵抗となる傾向がある。一方、周長が300μmを上回ると、表面積が小さくなるため、繊維の単位体積当たりのグラフェン付着量が少なくなり、導電性が低下する傾向がある。繊維の周長は、45μm以上が好ましく、60μm以上がより好ましく、75μm以上がさらに好ましい。また、繊維の周長は、250μm以下が好ましく、190μm以下がより好ましく、130μm以下がさらに好ましい。なお、繊維の周長とは繊維の軸方向に垂直な断面の周長を意味し、具体的には後述する測定例1の方法で測定することができる。
<グラフェン被覆繊維>
本発明のグラフェン被覆繊維は、前述の繊維が前述のグラフェンに被覆されてなる。
従来グラフェンを導電剤用途で使用するには、導電性を得るためにグラフェンのサイズが大きいほどグラフェン一個あたりの導電パスが長くなるため、良いと考えられていた。しかし、本発明者が鋭意検討した結果、繊維の導電性を得るためには単にグラフェンを大きくするよりも、繊維表面に被覆しやすいことの方が導電性向上の点で優位性があることを見出した。そして凝集を防ぎ繊維上への被覆を容易にするためには、単にグラフェンのサイズを大きくするよりも繊維の大きさより大幅に小さいサイズにすることが重要であることを見出した。グラフェンのサイズが小さすぎると導電性が得られにくくなるため、グラフェン被覆繊維の周長とグラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比には適切な範囲がある。
すなわち、本発明のグラフェン被覆繊維は、下記式で表される、グラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比Aが、30以上1000以下である。
A=グラフェン被覆繊維の周長/グラフェンの平均サイズ
Aが30未満の場合、繊維表面の曲率がグラフェンに対して大きくなるため、グラフェンが繊維表面に追従できず、被覆が不均一になる傾向がある。また、Aが1000より大きい場合、繊維あたりのグラフェンの数が多くなりグラフェン同士の接触点が増えるため、接触抵抗が増大し、高抵抗となる。Aは、好ましくは50以上であり、より好ましくは70以上であり、さらに好ましくは90以上である。また、Aは、好ましくは800以下であり、より好ましくは、600以下であり、さらに好ましくは400以下である。
前述のように、グラフェンの厚みは100nm以下程度であるため、繊維の周長はグラフェンによる被覆によってほとんど変化しない。すなわち、グラフェン被覆繊維の好ましい周長の範囲は、前述の繊維の好ましい周長の範囲と同一であり、また測定方法も同様である。
本発明のグラフェン被覆繊維は、さらに、カチオン化剤を含んでいることが好ましい。カチオン化剤は、少なくともその一部がグラフェンと繊維の間に存在していることで、グラフェンと繊維の間の接着性を高める効果を発揮する。
カチオン化剤は特に限定されるものではないが、第4級アンモニウムカチオンやピリジニウム塩型、などのカチオン性低分子化合物や、カチオン性高分子化合物を使用することができ、カチオン性高分子化合物を用いることが均一なグラフェンの被覆状態を形成する上で好ましい。カチオン性低分子化合物のカチオン化剤の具体例としては、下記(1)または(2)に、カチオン性高分子化合物のカチオン化剤の具体例としては、下記(3)に記載の化合物が挙げられる。これらのカチオン化剤は、一種類だけではなく、複数種類を混合して用いてもよい。
(1)第4級アンモニウムカチオン(下記一般式(1))
Figure 2018188788
(一般式(1)中、R〜Rは、水素原子、炭素数1〜36の直鎖または分岐のアルキル基またはベンジル基を表し、それぞれ同一であってもそれぞれ異なっていても良い。Xは第4級アンモニウムと塩を形成し得る任意のアニオンを表す。)
一般式(1)中、R〜Rとしては、水素原子、炭素数1〜18の直鎖または分岐のあるアルキル基またはベンジル基が好ましく、それぞれ同一であってもそれぞれ異なっていても良い。
Xとしては、ハロゲン原子、炭素数1又は2のアルキル硫酸基、または有機酸の水素原子を除いた残基が好ましい。
第4級アンモニウムカチオンの具体例としては、下記の化合物を挙げることができる。
グリシジルトリメチルアンモニウムクロライド、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ジメチルラウリルアンモニウムクロライド、ラウリルメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ステアリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、オクタデシルジメチルエチルアンモニウムブロミド、オクタデセニルトリメチルアンモニウムブロミド
(2)ピリジニウム塩型
ピリジニウム塩型の化合物の具体例としては、ラウリルピリジニウムクロライド、ステアリルアミドメチルピリジニウムクロライドが挙げられる。
(3)カチオン性高分子化合物
カチオン性高分子化合物のカチオン化剤としては、第一級アミノ基(−NH)、第二級アミノ基(−NHR)、又は第三級アミノ基(−NR)、イミノ基(=NH)、イミド基(−C(=O)−NH−C(=O)−)、アミド基(−C(=O)NH−)、前述した第4級アンモニウムカチオンのうち少なくとも1種類以上有する高分子化合物が挙げられる。
このようなカチオン性高分子化合物の具体例としては、ポリ(N−メチルビニルアミン)、ポリビニルアミン、ポリアリルアミン、ポリアリルジメチルアミン、ポリジアリルメチルアミン、ポリジアリルジメチルアンモニウムクロリド、ポリジアリルジメチルアンモニウムトリフルオロメタンスルホネート、ポリジアリルジメチルアンモニウムナイトレート、ポリジアリルジメチルアンモニウムペルクロレート、ポリビニルピリジニウムクロリド、ポリ(2−ビニルピリジン)、ポリ(4−ビニルピリジン)、ポリビニルイミダゾール、ポリ(4−アミノメチルスチレン)、ポリ(4−アミノスチレン)、ポリビニル(アクリルアミド−co−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド)、ポリビニル(アクリルアミド−co−ジメチルアミノエチルメタクリレート)、ポリエチレンイミン、ポリリジン、DAB−Am及びポリアミドアミンデンドリマー、ポリアミノアミド、ポリヘキサメチレンビグアニド、ポリジメチルアミン−エピクロロヒドリン、塩化メチルによるポリエチレンイミンのアルキル化の生成物、エピクロロヒドリンによるポリアミノアミドのアルキル化の生成物、カチオン性モノマーによるカチオン性ポリアクリルアミド、ジシアンジアミドのホルマリン縮合物、ジシアンジアミド− ポリアルキレンポリアミン重縮合物、天然ベースのカチオン性ポリマーの例としては、部分的に脱アセチル化したキチン、キトサン、及びキトサン塩が挙げられる。合成ポリペプチド、例えばポリアスパラギン、ポリリシン、ポリグルタミン、およびポリアルギニンが挙げられる。
中でも、第一級アミノ基、または第二級アミノ基を有するカチオン性高分子化合物のカチオン化剤を用いることにより、アミド結合による接着力も加わり、固着がより強固になるため好ましい。
カチオン性高分子化合物の数平均分子量は600以上であることが好ましい。数平均分子量が600を下回ると、分子当たりの繊維への接着力が不足するため、グラフェン被覆が不均一になる傾向がある。一方、数平均分子量が200000を上回ると、カチオン性高分子化合物の粘度が上昇し、取扱性が低下する傾向があるため、カチオン性高分子化合物の数平均分子量は200000以下であることが好ましい。同様の観点から、カチオン性高分子化合物の数平均分子量は、5000以上100000以下であることがより好ましく、10000以上80000以下が更に好ましい。
グラフェン被覆繊維表面の、X線光電子分光法により測定される炭素に対する窒素の元素比(N/C比)は、0.001以上0.500以下であることが好ましい。X線光電子分光法では、グラフェン被覆繊維を真空乾燥機などにより予備乾燥した後、乾燥試料を高真空チャンバー付の測定室に導入し、超高真空中に置いた試料表面に軟X線を照射し、表面から放出される光電子をアナライザーで検出する。この光電子をワイドスキャンおよびナロースキャンで測定し、物質中の束縛電子の結合エネルギー値を求めることで、物質表面の元素情報が得られる。
本発明のグラフェン被覆繊維をX線光電子分光法により測定すると284eV付近に炭素に由来するC1sピークが検出されるが、炭素が酸素に結合している場合は高エネルギー側にシフトすることが知られている。具体的には炭素が酸素に結合していないC−C結合、C=C二重結合、C−H結合に基づくピークはシフトせずに284eV付近に検出され、C−O一重結合の場合286.5eV付近に、C=O二重結合の場合287.5eV付近に、COO結合の場合288.5eV付近にシフトする。そのため、炭素に由来する信号は、284eV付近、286.5eV付近、287.5eV付近、288.5eV付近のそれぞれのピークを重ね合わせた形で検出される。また同時に、402eV付近に窒素に由来するN1sピークが検出される。N/C比は、C1sピークとN1sピークのピーク面積から求めることができる。
グラフェン被覆繊維表面の窒素原子は、カチオン化剤に含まれるアミノ基、ピリジン基やイミダゾール基、アセトアミド構造などの窒素を含有する化学構造に由来するものである。このような窒素含有化学構造は繊維に対するグラフェンの接着性を向上する上で、適度に含有されていることが好ましい。グラフェン被覆繊維表面のN/C比が0.001未満の場合、グラフェンと繊維の間の接着力が不足し、被覆が不均一になる傾向がある。また、N/C比が0.500より大きい場合、グラフェンが繊維表面で凝集する傾向がある。同様の観点から、グラフェン被覆繊維表面のN/C比は、より好ましくは0.010以上であり、さらに好ましくは0.020以上である。また、グラフェン被覆繊維表面のN/C比は、より好ましくは0.100以下であり、さらに好ましくは0.050以下である。
なお、グラフェン被覆繊維中に存在する繊維やグラフェンの物性を分析する場合は、グラフェンを繊維から分離した上で分析するものとする。
このようなグラフェン被覆繊維は、単繊維(撚り合わされていない単独の繊維)のモノフィラメントで用いてもよいが、長繊維であるグラフェン被覆繊維を撚り合わせた導電性マルチフィラメントとして用いることや、短繊維であるグラフェン被覆繊維を紡績した導電性紡績糸として用いることが好ましい。また、グラフェン被覆繊維、導電性マルチフィラメントまたは導電性紡績糸を製織した布帛とすることで、衣料等の材料として用いることができる。
<グラフェン被覆繊維の製造方法>
本発明のグラフェン被覆繊維は、一例として、繊維を、酸化グラフェンで被覆する被覆工程と、その後に酸化グラフェンを還元する還元工程とを含む製造方法によって製造することができる。
〔被覆工程〕
被覆工程においては、繊維を酸化グラフェンで被覆する。被覆工程において、繊維は、単繊維の状態であっても、長繊維を撚り合わせてマルチフィラメントとした状態であっても、短繊維を紡績した紡績糸の状態であってもよく、またこうした短繊維やマルチフィラメント、紡績糸から製織した布帛の状態であってもよい。どのような状態で被覆工程を行うかは、繊維の種類や最終的な用途によって選択することができる。
酸化グラフェンとしては、特に制限は無く、ハマーズ法等の公知の方法で作製したものを使用できる。また市販の酸化グラフェンを購入してもよい。
酸化グラフェンは、それ自体は絶縁性で、導電性を有しない。酸化グラフェンの酸化度が高すぎると、還元して得られるグラフェンの導電性が悪くなる場合があるため、酸化グラフェンの、X線光電子分光法によって測定される酸素原子に対する炭素原子の比は、0.5以上であることが好ましい。酸化グラフェンをX線光電子分光法で測定する際には、十分に溶媒を乾燥させた状態で行う。
また、酸化グラフェンは、内部までグラファイトが酸化されていないと、還元した時に薄片状のグラフェンが得られにくい。そのため、酸化グラフェンは、乾燥させてX線回折測定をした時に、グラファイト特有のピークが検出されないことが望ましい。
酸化グラフェンの酸化度は、黒鉛の酸化反応に用いる酸化剤の量を変化させることで調整することができる。具体的には、酸化反応の際に用いる、黒鉛に対する硝酸ナトリウムおよび過マンガン酸カリウムの量が多いほど高い酸化度になり、少ないほど低い酸化度になる。
酸化グラフェンの大きさを制御することで、還元後のグラフェンの大きさを制御できる。酸化グラフェンの大きさは酸化グラフェン原料の黒鉛の粒径を変更することによって変えることが出来るし、酸化グラフェンを製造した後に分散液を超音波処理することなどで微細化することが出来る。この酸化グラフェンサイズを制御する工程で、繊維の周長に適したグラフェンサイズとすることが可能である。
被覆工程において、繊維を酸化グラフェンで被覆する前に、繊維をカチオン化剤で処理することは、好ましい態様である。カチオン化剤としては、前述のものを用いることができる。カチオン化剤による処理方法は特に限定されず、カチオン化剤溶液またはカチオン化剤分散液への繊維の浸漬、混合などにより行うことができる。
第一級アミノ基、または第二級アミノ基を有するカチオン性高分子化合物を用いた場合、カチオン化剤による処理時に加熱することで繊維表面のカルボニル基やエステル結合との反応が促進され、カチオン性高分子化合物と繊維をより強固に接着することができる。この場合の加熱温度は、好ましくは40℃以上200℃以下、より好ましくは60℃以上160℃以下、さらに好ましくは80℃以上120℃以下である。加熱温度が200℃を超えると、繊維の劣化や変形が進む傾向がある。
また、繊維をカチオン化剤で処理した後、酸化グラフェンにより被覆する前に、繊維表面に付着したカチオン化剤量を調節するために、極性溶媒で洗浄しても良い。
なお、繊維表面が酸化グラフェン分散液中で正のゼータ電位を持つ繊維を用いる場合は、カチオン化処理は実施せずに、そのまま酸化グラフェンによる被覆を行うことも好ましい態様である。
繊維を酸化グラフェンにより被覆する方法は、特に限定されず、繊維を酸化グラフェン分散液へ浸漬する方法、繊維と酸化グラフェン分散液を混合する方法などを用いることができる。酸化グラフェン分散液の分散媒としては、極性溶媒を用いることができる。
また、繊維を酸化グラフェン分散液で処理した後、後述する還元工程までの間に、繊維表面に付着した酸化グラフェン量を調節するために、極性溶媒で洗浄しても良い。
〔還元工程〕
次に、繊維に付着した酸化グラフェンを還元する還元工程を行うことで、グラフェン被覆繊維が得られる。
酸化グラフェンを還元する方法は特に限定されないが、化学還元が好ましい。化学還元の場合、還元剤としては、有機還元剤、無機還元剤が挙げられるが、還元後の洗浄の容易さから無機還元剤がより好ましい。
有機還元剤としてはアルデヒド系還元剤、ヒドラジン誘導体還元剤、アルコール系還元剤が挙げられ、中でもアルコール系還元剤は比較的穏やかに還元することができるため、特に好適である。アルコール系還元剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ベンジルアルコール、エタノールアミン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、などが挙げられる。
無機還元剤としては亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウム、亜リン酸、水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジンなどが挙げられ、中でも亜ジチオン酸ナトリウム、亜ジチオン酸カリウムは、低毒性かつ反応時間が短い上、酸性基を比較的保持しながら還元できるので溶媒への分散性の高いグラフェンが製造でき、好適に用いられる。
還元工程の後かつ乾燥工程の前の段階で、還元剤の除去を目的としてグラフェン被覆繊維を極性溶媒で洗浄しても良い。
還元工程の後、グラフェン被覆繊維を乾燥して溶媒を除去することが好ましい。乾燥方法は特に限定されるものではないが、熱風乾燥機又は真空乾燥機などを好適に用いることができる。
〔測定例1:グラフェン被覆繊維の周長〕
グラフェン被覆繊維をエポキシ樹脂で包埋し、Reichert社製FC・4E型クライオセクショニングシステムで凍結し、ダイヤモンドナイフを具備したReichert−Nissei ultracut N(ウルトラミクロトーム)で切削した後、その切削面を走査型電子顕微鏡で観察し、繊維の軸方向に垂直な断面の周長を測定した。これをグラフェン被覆繊維10本に対して行い、平均して求めた。
〔測定例2:酸化グラフェンの平均サイズ〕
酸化グラフェン水分散液をイオン交換水で0.002wt%に希釈し、マイカ基板上に滴下、乾燥し、基板上に付着させた。基板上の酸化グラフェンをキーエンス社製レーザー顕微鏡VK−X250で観察して、酸化グラフェンの小片の最も長い部分の長さ(長径)と最も短い部分の長さ(短径)をランダムに50個測定し、(長径+短径)/2で求められる数値を50個分平均して求めた。
〔測定例3:グラフェンの平均サイズ〕
グラフェン被覆繊維を水中、浴比1:50で40℃でホットスターラーREXIM RSH−6DN(AS ONE社)で回転数450rpmで24時間撹拌処理することにより繊維グラフェンを遊離させた。得られた混合物を吸引濾過で繊維の直径かグラフェンのサイズのいずれか小さい方のみを通過可能な孔径を有するろ紙に数回かけることで繊維とグラフェンを分離した。その後、得られたグラフェンをNMPで希釈し、フィルミックス(登録商標)30−30型(プライミクス社)で回転速度40m/s(せん断速度:毎秒20000)で60秒処理した後、マイカ基板上に滴下、乾燥し、基板上に付着させた。基板上のグラフェンをキーエンス社製レーザー顕微鏡VK−X250で観察して、グラフェンの小片の最も長い部分の長さ(長径)と最も短い部分の長さ(短径)をランダムに50個測定し、(長径+短径)/2で求められる数値を50個分平均して求めた。
〔測定例4:グラフェンの平均厚み〕
グラフェン被覆繊維グラフェン被覆繊維グラフェン被覆繊維を水中、浴比1:50で40℃でホットスターラーREXIM RSH−6DN(AS ONE社)で回転数450rpmで24時間撹拌処理することにより繊維グラフェンを遊離させた。得られた混合物を吸引濾過で繊維の直径かグラフェンのサイズのいずれか小さい方のみを通過可能な孔径を有するろ紙に数回かけることで繊維とグラフェンを分離した。その後、得られたグラフェンをNMPで希釈し、フィルミックス(登録商標)30−30型(プライミクス社)で回転速度40m/s(せん断速度:毎秒20000)で60秒処理した後、マイカ基板上に滴下、乾燥し、基板上に付着させた。基板上のグラフェンを、原子間力顕微鏡(Dimension Icon;Bruker社)で観察して、グラフェンの厚みをランダムに50個測定し、平均値を求めた。一小片で厚みにバラつきがあった場合は面積平均を求めた。
〔測定例5:X線光電子測定〕
X線光電子測定はQuantera SXM (PHI社製))を使用して測定した。励起X線は、monochromatic Al Kα1,2 線(1486.6eV)であり、X線径は200μm、光電子脱出角度は45°である。炭素原子に基づくC1sメインピークを284.3eVとし、酸素原子に基づくO1sピークを533eV付近のピーク、窒素原子に基づくN1sピークを402eV付近のピークに帰属し、各ピークの面積比からO/C比、およびN/C比を求めた。
測定は、下記実施例で作製したグラフェン被覆繊維、および、グラフェンに対して行った。グラフェンは、以下の手順で作製した。グラフェン被覆繊維を水中、浴比1:50で、40℃でホットスターラーREXIM RSH−6DN(AS ONE社)を用いて回転数450rpmで24時間撹拌処理することによりグラフェン遊離させた。得られた混合物を吸引濾過で繊維の直径かグラフェンのサイズのいずれか小さい方のみを通過可能な孔径を有するろ紙に数回かけることで繊維とグラフェンを分離した。その後、得られたグラフェンをNMPで希釈し、フィルミックス(登録商標)30−30型(プライミクス社)で回転速度40m/s(せん断速度:毎秒20000)で60秒処理した後、吸引濾過器で濾過し、さらに凍結乾燥してグラフェンを得た。
〔測定例6:抵抗値〕
抵抗値測定は、Loresta−GP(三菱化学社製)を使用して測定した。プローブはLSPプローブ(三菱化学社製、型番MCP−TPLSP)を用い、四探針法測定とした。測定は、下記実施例で作製した導電性織物に対して行った。
〔測定例7:被覆状態観察〕
下記実施例で作製した導電性織物を走査型電子顕微鏡で観察し、被覆状態を評価した。評価は、”非常に良い”、”良好”、“悪い”の三段階で評価した。それぞれの意味合いは、走査電子顕微鏡で1000倍の倍率で観察した際に、繊維全体が被覆され、グラフェン凝集体がほとんど観察されない状態を、”非常に良い”とし、繊維にグラフェン未被覆部分、凝集体がところどころ観察される状態を、“良好”とし、繊維にグラフェン未被覆部分、凝集体が良く観察される状態を”悪い”として評価した。
(合成例1:酸化グラフェン水分散液の調製方法1)
1500メッシュの天然黒鉛粉末(上海一帆石墨有限会社)を原料として、氷浴中の10gの天然黒鉛粉末に、220mlの98%濃硫酸、5gの硝酸ナトリウム、30gの過マンガン酸カリウムを入れ、1時間機械攪拌し、混合液の温度は20℃以下で保持した。この混合液を氷浴から取り出し、35℃水浴中で4時間攪拌反応し、その後イオン交換水500mlを入れて得られた懸濁液を90℃で更に15分反応を行った。その後、600mlのイオン交換水と50mlの過酸化水素を入れ、5分間の反応を行い、酸化グラフェン分散液を得た。熱いうちにこれを濾過し、希塩酸溶液で金属イオンを洗浄し、イオン交換水で酸を洗浄し、pHが7になるまで洗浄を繰り返して酸化グラフェンゲルを調製した。調製した酸化グラフェンゲルの、X線光電子分光法により測定される酸素原子の炭素原子に対する元素比は0.53であった。得られた酸化グラフェンゲルにイオン交換水を加えて濃度を0.5wt%とし、超音波装置UP400S(hielscher社)を使用して、出力300Wで超音波を30分間印加し、0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは0.5μmであった。
(合成例2:酸化グラフェン水分散液の調製方法2)
超音波処理条件を出力300Wで超音波を10分間印加にした以外は、合成例1と同様にして0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは1.5μmであった。
(合成例3:酸化グラフェン水分散液の調製方法3)
超音波処理条件を出力300Wで超音波を20分間印加にした以外は、合成例1と同様にして0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは0.9μmであった。
(合成例4:酸化グラフェン水分散液の調製方法4)
超音波処理条件を出力300Wで超音波を120分間印加にした以外は、合成例1と同様にして0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは0.1μmであった。
(合成例5:酸化グラフェン水分散液の調製方法5)
超音波処理条件を出力300Wで超音波を7分間印加にした以外は、合成例1と同様にして0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは1.8μmであった。
(合成例6:酸化グラフェン水分散液の調製方法6)
超音波処理をしなかったこと以外は、合成例1と同様にして0.5wt%酸化グラフェン水分散液を調整した。得られた酸化グラフェンの平均サイズは10μmであった。
[実施例1]
単繊維周長47μmの84T−36Fのポリエステルフィラメントを、5wt%ポリエチレンイミン(数平均分子量70000)水溶液中で100℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーREXIM RSH−6DN(AS ONE社)を用いて回転数450rpmにて30分処理した。その後、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーで回転数200rpmにて1分間洗浄する操作を2回繰り返した。次に、合成例1で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液中で80℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーを用いて回転数450rpmにて30分処理した。その後、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーを用いて回転数600rpmにて1分間洗浄する操作を3回繰り返した。
続いて、5wt%亜ジチオン酸ナトリウム水溶液中で40℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーを用いて回転数450rpmにて5分処理した。その後、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーで回転数600rpmにて1分間洗浄する操作を3回繰り返した後、熱風乾燥機で乾燥し、グラフェン被覆繊維から形成された導電性フィラメントを得た。
また、得られた導電性フィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例2]
合成例2で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例3]
合成例3で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例4]
合成例4で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェンで被覆されたグラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例5]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長300μmの931T−10Fのポリエステルフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例6]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長200μmの415T−36Fのポリエステルフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例7]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長100μmの103T−10Fのポリエステルフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例8]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長35μmの45T−36Fのポリエステルフィラメントを用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例9]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長300μmの931T−10Fのポリエステルフィラメントを用い、グラフェン分散液として、合成例3で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例10]
ポリエチレンイミンの数平均分子量を1000に替えた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例11]
ポリエチレンイミンをポリジアリルジメチルアンモニウムクロライド(数平均分子量1000)に替えた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例12]
ポリエチレンイミン水溶液処理後のイオン交換水による洗浄を実施しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例13]
ポリエチレンイミン水溶液処理の際の温度を23℃に変えた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例14]
ポリエステルフィラメントをポリビニルアルコールフィラメントに替えた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[実施例15]
単繊維周長47μmの84T−36Fのポリエステルフィラメントを、合成例1で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液中で80℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーを用いて回転数450rpmにて30分処理した。その後、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーを用いて回転数600rpmにて1分間洗浄する操作を3回繰り返した。
その後実施例1と同様に、還元工程を実施してグラフェン被覆繊維から形成された導電性フィラメントを得た。得られた導電性フィラメントを用いて平織物を製織した。

[比較例1]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長35μmの45T−36Fのポリエステルフィラメントを用い、合成例5で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[比較例2]
84T−36Fのポリエステルフィラメントに替えて、単繊維周長200μmの415T−10Fのポリエステルフィラメントを用い、合成例4で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液を用いた以外は、実施例1と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[比較例3]
ポリエチレンイミン水溶液処理とその直後のイオン交換水による洗浄を行わなかったこと以外は、比較例2と同様にして、グラフェン被覆繊維から形成された導電性ポリエステルフィラメントを得た。得られた導電性ポリエステルフィラメントを用いて平織物を製織した。
[比較例4]
単繊維周長25μmの木材パルプ繊維を、5wt%ポリエチレンイミン(数平均分子量70000)水溶液中で100℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーREXIM RSH−6DN(AS ONE社)を用いて回転数450rpmにて30分処理した。その後、減圧濾過で水を除いた上で、イオン交換水と浴比1:1000で混合し、ホットスターラーを用いて回転数200rpmにて1分間洗浄する操作を2回繰り返した。
次に、減圧濾過で水を除いた上で、合成例6で作製した0.5wt%酸化グラフェン水分散液中で80℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーを用いて回転数450rpmにて30分処理した。その後、減圧濾過で水を除いた上で、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーを用いて回転数600rpmにて1分間洗浄する操作を3回繰り返した。
続いて、減圧濾過で水を除いた上で、5wt%亜ジチオン酸ナトリウム水溶液中で40℃、浴比1:50で混合し、ホットスターラーを用いて回転数450rpmにて5分処理した。その後、減圧濾過で水を除いた上で、イオン交換水中で浴比1:1000で混合し、ホットスターラーを用いて回転数600rpmにて1分間洗浄する操作を3回繰り返した後、減圧濾過を行い、グラフェン複合導電性パルプ繊維の固形物を得た。この固形物に対して、110℃、1MPaの熱プレスをかけ、シート状に成型した。
各実施例、比較例で作製したグラフェン被覆繊維の製造条件、物性を表1に示す。
Figure 2018188788

Claims (15)

  1. 繊維の表面がグラフェンで被覆されてなる繊維であって、前記グラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比Aが30以上1000以下であるグラフェン被覆繊維。
  2. 前記繊維が化学繊維である、請求項1に記載のグラフェン被覆繊維。
  3. 前記化学繊維がポリエステル繊維、ポリオレフィン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリ塩化ビニリデン繊維、ポリアリレート繊維、ポリフェニレンスルフィド繊維、ポリエーテルエーテルケトン繊維、ポリテトラフルオロエチレン繊維およびポリクロロトリフルオロエチレン繊維からなる群より選択される化学繊維である、請求項2に記載のグラフェン被覆繊維。
  4. 前記グラフェンの平均サイズが0.10μm以上3.00μm未満である、請求項1〜3のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維。
  5. 周長が30μm以上300μm以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維。
  6. X線光電子分光法により測定される炭素に対する窒素の元素比(N/C比)が0.001以上0.500以下である、請求項1〜5のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維。
  7. 前記グラフェンの、X線光電子分光法により測定される炭素に対する酸素の元素比(O/C比)が0.05以上0.40以下である、請求項1〜6のいずれかに記載のグラフェングラフェン被覆繊維。
  8. 前記グラフェンの平均サイズに対するグラフェン被覆繊維の周長の比Aが90以上400以下である、請求項1〜7のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維。
  9. さらに、カチオン化剤を含む、請求項1〜8のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維。
  10. 前記カチオン化剤がカチオン性高分子化合物である、請求項9に記載のグラフェン被覆繊維。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維を含む導電性マルチフィラメント。
  12. 請求項1〜10のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維を紡績してなる導電性紡績糸。
  13. 請求項1〜10のいずれかに記載のグラフェン被覆繊維を含む導電性布帛。
  14. 繊維の表面がグラフェンで被覆されてなるグラフェン被覆繊維の製造方法であって:
    酸化グラフェンの平均サイズに対する前記繊維の周長の比Aが30以上1000以下となるよう前記繊維を酸化グラフェンで被覆する被覆工程と;
    その後に酸化グラフェンを還元する還元工程と;
    を有するグラフェン被覆繊維の製造方法。
  15. 前記被覆工程において、繊維を酸化グラフェンで被覆する前に、繊維をカチオン化剤で処理する、請求項14に記載のグラフェン被覆繊維の製造方法。
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