JP5626747B2 - 釣り竿用竿体及び釣り竿 - Google Patents

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Description

本発明は、プリプレグを巻回して形成した内側層とプリプレグを巻回して形成した外側層とを備えた釣り竿用竿体及び釣り竿に関する。
この種の釣り竿用竿体において、内側層と外側層としては、プリプレグをテープ状に成形したものが使用されることがある。このプリプレグテープは、細幅の長尺状を呈しており、長手方向に沿って強化繊維が配向されている。
このプリプレグテープを使用して内側層や外側層を形成するには、プリプレグテープをマンドレルに竿軸線方向に沿って密着する状態で螺旋状に巻回することによって形成していた。
このようなプリプレグテープを使用するのは、竿体の全長に相当する広い幅を有しているプリプレグシートをマンドレルに巻回して形成する場合に比べて、幅が細いものであるので、マンドレルに巻回する際に空気等を巻き込み難く、巻回作業性が良好になるからである。
特開2008−263819号公報(段落番号〔0026〕,〔0027〕、図3,図5)
上記した理由によって内側層と外側層とにプリプレグテープを使用しているが、螺旋状に巻回される方向が共に同じ方向である。つまり、公報における図3及び図5に示すように、プリプレグテープの巻回方向は、穂先側から竿軸芯方向に沿って見た場合に、右ネジに沿った方向で、内外層ともに同じ方向に設定してある。
そうすると、プリプレグの強化繊維がプリプレグテープの右ネジに沿った方向と一致する方向となるので、同じ方向を向いて配設されていることとなり、右ネジに沿った方向の捩じり力を受けた場合には強化繊維が引張対抗力を発揮して捩じり剛性を十分なものとするが、左ネジに沿った方向の捩じり力を受けた場合には、強化繊維は引張対抗力を発揮することができず、捩じり剛性を低下させるものとなっていた。
本発明の目的は、プリプレグテープの配設方向に工夫を加えることによって、捩じり剛性等を高めた釣り竿用竿体を提供する点にある。
〔構成〕
請求項1に係る発明の特徴構成は、内側層とその内側層の外周面に直接外側層を施している釣り竿用竿体であって、
前記内側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の内側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
前記外側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
前記内側プリプレグテープと前記外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように巻回してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、内側プリプレグテープと外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように巻回してあるので、左右何れの方向からの捩じり力が作用しても、いずれかのプリプレグテープの炭素繊維をその捩じり力に対抗させることができ、捩じりに強い竿体とすることができた。
したがって、針掛かりした魚の横走りに対して釣り人は竿を横倒ししながら魚の動きに対応する際に、釣り竿を追従させながら魚を水面に浮かせる操作が容易になり、魚の動きを制御し易い釣り竿用竿体を提供することができた。
〔構成〕
請求項2に係る発明の特徴構成は、内側層と中間層と外側層とを備えた釣り竿用竿体であって、
前記内側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の内側プリプレグテープを、竿先側に配置した口巻補強パターンに重ねて巻始めとし、かつ、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
前記中間層を、竿体の長さに相当する長さを備え炭素繊維を軸芯方向に沿って引き揃え配置したプリプレグシートからなるメインパターンを巻回して形成し、
前記外側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
前記内側プリプレグテープと前記外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように巻回してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
つまり、内側プリプレグテープと外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように巻回してあるので、左右何れの方向からの捩じり力が作用しても、いずれかのプリプレグテープの炭素繊維をその捩じり力に対抗させることができ、捩じりに強い竿体とすることができた。
したがって、針掛かりした魚の横走りに対して釣り人は竿を横倒ししながら魚の動きに対応する際に、釣り竿を追従させながら魚を水面に浮かせる操作が容易になり、魚の動きを制御し易い釣り竿用竿体を提供することができた。
しかも、細幅のプリプレグテープを螺旋状に巻回して形成してある内側層と、同じく細幅のプリプレグテープを螺旋状に巻回して形成してある外側層との間に中間層を設け、この中間層が竿体の長さに相当する長さを備えているプリプレグシートであるので、細幅のプリプレグテープが中間層のプリプレグシートによって連結結合されて、内側層及び外側層自体の結合力を強化すると同時に、内側層と中間層との結合力、及び、中間層と外側層と結合力を高めることができる。これによって、内側層及び外側層内で剥離や、内側層と中間層との間の層間剥離、中間層と外側層との間の層間剥離を抑制できて、損傷の起こり難い釣り竿を提供できるに至った。
また、魚が針掛かりした場合に、竿体は竿先側を下向きにした曲がりを生ずる。その場合に、竿体の竿軸線より上側の断面には引張力が作用する。中間層において、竿軸線方向に沿った炭素繊維が引き揃え配置されているので、竿体を曲げる力に対する対抗力が高い。つまり、曲げ剛性の高い竿体を提供することができた。
〔構成〕
請求項に係る発明の特徴構成は、請求項1又は2記載の釣り竿
用竿体を備えた釣り竿に構成している点にあり、その作用効果は次の通りである。
〔作用効果〕
上記したような捩じり剛性及び曲げ剛性の高い竿体を適宜組み合わせることによって、全体として、魚の横走り等があっても竿をためながら魚の動きを抑えて水面まで魚を浮かせることが容易に行える。
そして、魚の引きがあって穂先竿や二番竿が水面下に曲がり切った状態でも、元竿を握った手を振り上げることによって、釣り竿がそれに呼応して自身の弾性復帰力を発揮して上下向き姿勢に迅速に振り上がってくる。このことによって、魚を引き上げる力が強い釣り竿を提供することができた。
釣り竿の全体側面図である。 (a)内側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、(b)内側プリプレグテープの上から外側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図である。 (a)第1口巻き補強パターンを巻回する前の状態を示す斜視図、(b)内側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、(c)プリプレグシート(メインパターン)を巻回する前の状態を示す斜視図、(d)外側プリプレグテープを巻回する前の状態を示す斜視図である。 (a)第2口巻き補強パターンを巻回する前の状態を示す斜視図、(b)第1内側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、(c)第2内側プリプレグテープを第1内側プリプレグテープに交差するように巻回する状態を示す斜視図である。 (d)プリプレグシート(第1メインパターン)及びプリプレグシート(第2メインパターン)を巻回する前の状態を示す斜視図、(e)第1外側プリプレグテープを巻回する状態を示す斜視図、(f)第2外側プリプレグテープを第1外側プリプレグテープに交差するように巻回する状態を示す斜視図である。
〔第1実施形態〕
鮎竿や渓流竿等で代表される釣り竿Aは、図1に示すように、釣り竿用竿体Bとしての釣り糸aを連結した穂先竿1、二番竿2、三番竿3、元上4、握り部5Aを備えた元竿5で構成されている。
竿体Bの製作工程について説明する。
この第1実施形態では、穂先竿1から二番竿2等の比較的小径の竿体Bに適用されるものの構成について説明する。
内側層Aaについて説明する。図2(a)に示すように、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて細幅の内側プリプレグテープ8を形成する。その内側プリプレグテープ8を、マンドレル6に対して竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、マンドレル6に巻回されたその内側プリプレグテープ8の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、内側プリプレグテープ8を螺旋状に巻回することによって内側層Aaを形成する。
外側層Acについて説明する。図2(b)に示すように、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて細幅の外側プリプレグテープ9を形成する。その外側プリプレグテープ9を内側層Aaの上から竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、その外側プリプレグテープ9の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、外側プリプレグテープ9を螺旋状に巻回することによって外側層Acを形成してある。
図2(b)に示すように、内側層Aaの内側プリプレグテープ8と外側層Acの外側プリプレグテープ9は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されている。このことによって、各プリプレグテープ8,9の長手方向に沿って配置されている強化繊維cも、径方向視で互いに交差する状態で巻回されている。
交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。
このように、内側プリプレグテープ8と外側プリプレグテープ9とを、径方向視で交差する状態に配置することによって、請求項1に係る発明に対応した作用効果の項で記載したように、捩じりモーメント等に対する強度を確保することができる。
強化繊維cとしては、炭素繊維以外にガラス繊維及びボロン繊維等が使用でき、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂等が使用可能である。含浸させる樹脂としては、熱可塑性樹脂も使用できる。また、それらプリプレグの強化繊維cとしては、炭素繊維でメインパターンに20〜60トン/mm2の引張弾性率のものを使用することになる。
〔第1実施形態の別実施形態〕
この第1実施形態において、図示してはいないが、内側プリプレグテープ8をマンドレル6に巻回する前に、予め、プリプレグシート製のメインパターンを巻回し、そのメインパターンの上から内側プリプレグテープ8を巻回する構成を採ってもよい。ここに、メインパターンとは、プリプレグシートを、竿体Bの長さに相当する長さとマンドレル6の周長(数周長)に相当する幅とを有するものに裁断したものである。
〔第2実施形態〕
竿体Bの製作工程について説明する。三番竿3から元竿5等の比較的大径の竿体Bに適した実施形態について説明する。
図3(a)に示すように、マンドレル6に対して第1口巻補強パターン7を施してある。第1口巻補強パターン7は、竿軸線Xに対して第1傾斜角θ1だけ傾斜させて引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに対して、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて形成した上側プリプレグ7Aと、強化繊維cの引き揃え向きを、上側プリプレグ7Aの強化繊維cと竿軸線Xを挟んで対称に配置して形成した下側プリプレグ7Aとを重ね合わせたバイアス式重合体である。
内側層Aaについて説明する。図3(b)に示すように、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて細幅の内側プリプレグテープ13を形成する。その内側プリプレグテープ13を、第1口巻補強パターン7を施したマンドレル6に対して、竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、マンドレル6に巻回された内側プリプレグテープ13の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、内側プリプレグテープ13を螺旋状に巻回することによって内側層Aaを形成してある。
中間層Abについて説明する。図3(c)に示すように、メインパターン11は、竿軸線Xに沿って引き揃えた強化繊維cに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグシートを、竿体Bの長さに相当する長さL1とマンドレル6の周長(数周長)に相当する幅L2を備えた所定形状に裁断したものである。メインパターン11をマンドレル6に巻回することによって、中間層Abを構成する。
外側層Acについて説明する。図3(d)に示すように、長手方向に沿って引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに、マトリックス樹脂としてのエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を含浸させて形成した細幅の外側プリプレグテープ14を形成する。この外側プリプレグテープ14を、中間層Abの上から竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、中間層Abに巻回された外側プリプレグテープ14の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。このように、外側プリプレグテープ14を螺旋状に巻回することによって外側層Acを形成してある。
内側層Aaの内側プリプレグテープ13と外側層Acの外側プリプレグテープ14は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されており、各プリプレグテープ13,14の長手方向に沿って配置されている強化繊維cについても、径方向視で互いに交差する状態で巻回されている。
交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。捩じりモーメントに対する強度を確保するためである。
外側プリプレグテープ14を巻回した後に、第1竿尻補強パターン10を巻回する。第1竿尻補強パターン10は、上側プリプレグ10Aと下側プリプレグ10Aとを重ね合わせたバイアス式重合体である。上側プリプレグ10Aは、竿軸線Xに対して第2傾斜角θ2だけ傾斜させて引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに対してエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させて形成したものである。下側プリプレグ10Aは、強化繊維cの引き揃え向きを、上側プリプレグ10Aの強化繊維cに対して竿軸線Xを挟んで対称に配置したものである。
このように、バイアス式の第1竿尻補強パターン10を施すことによって、元上10の竿尻側端部の外周面を元竿5の竿先側端部の内周面に圧接させて振出竿を伸長状態に保持した場合に、強化繊維cを竿軸線Xを挟んで対称に配置しているので、それらの強化繊維cが竿軸線Xに沿った荷重、及び、竿軸線Xに直交する荷重のみならず、竿軸線Xに傾斜する荷重に対しても対抗力を発揮し、合わせ部位での対剪断力を強化する。
強化繊維cとしては、炭素繊維以外にガラス繊維及びボロン繊維等が使用でき、熱硬化性樹脂としてはフェノール樹脂等が使用可能である。含浸させる樹脂としては、熱可塑性樹脂も使用できる。また、それらプリプレグの強化繊維cとしては、炭素繊維でメインパターンに20〜60トン/mm2の引張弾性率のもの、補強パターンに10〜40トン/mm2の引張弾性率のものを使用することになる。
〔第2実施形態の別実施形態〕
メインパターン11としては、強化繊維cを周方向に引き揃え配置したプリプレグを使用してもよい。
〔第3実施形態〕
次に、三番竿3から元竿5に対応した大径の竿体Bについて説明する。
図4(a)に示すように、マンドレル6に第2口巻き補強パターン12を施す。第2口巻き補強パターン12は、上側プリプレグ12Aと下側プリプレグ12Aを重ね合わせたバイアス式の補強プリプレグである。プリプレグに使用される強化繊維cの向きが、竿軸線Xに対して傾斜する傾斜角θ3に設定されている。
第2口巻き補強パターン12は、プリプレグを構成する強化繊維c、強化繊維cの竿軸線Xに対する傾斜方向、マトリックス樹脂等を第1口巻き補強パターン12と同一に設定してもよく、或いは、異なるものに設定してもよい。
次に、内側層Aaを形成する。図4(b)に示すように、第2口巻き補強パターン12の上から細幅の第1内側プリプレグテープ17を竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、巻回された第1内側プリプレグテープ17の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。
そして、図4(c)に示すように、マンドレル6に巻回された第1内側プリプレグテープ17の上から第2内側プリプレグテープ18を竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、第2内側プリプレグテープ18の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。
内側層Aaは第1内側プリプレグテープ17と第2内側プリプレグテープ18とで構成するが、これらの巻回状態は次のようなものである。
第1内側プリプレグテープ17と第2内側プリプレグテープ18は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されており、各プリプレグテープ17,18の長手方向に沿って配置されている強化繊維cについても、径方向視で互いに交差する状態である。
交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。捩じりモーメントに対する強度を確保するためである。
中間層Abについて説明する。図5(d)に示すように、第1メインパターン15及び第2メインパターン16をマンドレル6に巻回することによって、中間層Abを構成する。第1メインパターン15及び第2メインパターン16は、竿軸線Xに沿って引き揃えた強化繊維cに熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグシートを、竿体Bの長さに相当する長さL3とマンドレル6の周長(数周長)に相当する幅L4を備えた所定の形状に裁断したものである。
第1メインパターン15及び第2メインパターン16としては、プリプレグを構成する強化繊維c、マトリックス樹脂等をメインパターン11と同一に設定してもよく、或いは、異なるものに設定してもよい。
つまり、図5(d)に示すように、第1メインパターン15及び第2メインパターン16の強化繊維cの引き揃え方向を竿軸線方向に沿った状態に配設する。
このようにすると、魚が掛かって釣り竿Aが大きく曲がった場合に、竿体の断面において竿軸線Xより上方側に位置する部分に大きな引っ張り力が作用するが、この引っ張り力に対して強化繊維cが対抗力を発揮するので、釣り竿Aの曲がりに対する曲がり強度を高くすることができる。
したがって、両方のプリプレグシート15、16で釣り竿Aの曲がりに対する強度を高めることができるので、曲げ剛性の高い釣り竿Aを構成することができる。
第1メインパターン15と第2メインパターン16との組合わせとしては、一方のメインパターンの強化繊維cを竿軸線X方向に沿った配置で、かつ、他方のメインパターンの強化繊維cを周方向に沿った配置としてもよい。
或いは、両者の強化繊維cを径方向視で互いに交差する状態に形成してもよい。
また、捩じり剛性を向上させる点から述べてきたが、観点を変えてみると、強化繊維cの引張弾性率やメインパターンの重ね枚数を適宜選択することによって竿体Bの撓み易さを調整することが可能であると考えられる。つまり、硬い調子の竿体Bとするには、引張弾性率の大きな強化繊維cを選択したり、図示したように、第1メインパターン15と第2メインパターン16とを重ね合わせて使用することで対応できる。一方、軟調子の竿体Bとするには、引張弾性率の小さな強化繊維cを選択したり、第1メインパターン15だけを巻回する構成を採ることもできる。
次に、外側層Acを形成する。図5(e)に示すように、中間層Abの上から細幅の第1外側プリプレグテープ19を竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、巻回された第1外側プリプレグテープ19の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。
そして、図5(f)に示すように、中間層Abに巻回された第1外側プリプレグテープ19の上から第2外側プリプレグテープ20を竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回する。螺旋状に巻回する状態は、第2外側プリプレグテープ20の隣接する部分同士の側端が接触する密着状態である。
第2外側プリプレグテープ20を巻回した後に、第2竿尻補強パターン21を巻回する。つまり、第2竿尻補強パターン21は上側プリプレグ21Aと下側プリプレグ21Aとを重ね合わせたバイアス式重合体である。上側プリプレグ21Aは、竿軸線Xに対して第4傾斜角θ4だけ傾斜させて引き揃えた炭素繊維等の強化繊維cに対してエポキシ等の熱硬化性樹脂を含浸させて形成したものである。下側プリプレグ21Aは、強化繊維cの引き揃え向きを、上側プリプレグ21Aの強化繊維cと竿軸線Xを挟んで対称に配置して形成したものである。
外側層Acは第1外側プリプレグテープ19と第2外側プリプレグテープ20とで構成するが、これらの巻回状態は次のようなものである。
第1外側プリプレグテープ19と第2外側プリプレグテープ20は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されており、各プリプレグテープ19,20の長手方向に沿って配置されている強化繊維cについても、径方向視で互いに交差する状態で巻回されている。
交差する角度は、10度から75度の範囲にあればよく、望ましくは20度から60度である。捩じりモーメントに対する強度を確保するためである。
内側層Aaの第1内側プリプレグテープ17と第2内側プリプレグテープ18、外側層Acの第1外側プリプレグテープ19と第2外側プリプレグテープ20との関係について更に説明する。
前記したように内側層Aaでは、第1内側プリプレグテープ17と第2内側プリプレグテープ18は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されており、各プリプレグテープ17,18の長手方向に沿って配置されている強化繊維cについても、径方向視で互いに交差する状態で巻回されている。
前記したように外側層Acでは、第1外側プリプレグテープ19と第2外側プリプレグテープ20は、径方向視において、互いに交差する状態で巻回されており、各プリプレグテープ19,20の長手方向に沿って配置されている強化繊維cについても、径方向視で互いに交差する状態で巻回されている。
ここでは、4つのプリプレグテープ17,18,19,20の螺旋巻回方向における組み合わせについて記載する。これらの組み合わせは、竿体Bの所望の硬度を得るために、自由に選択することができる。
プリプレグテープ17,18,19,20を竿軸線X方向に沿って螺旋状に巻回していく状態を次のように定義する。つまり、穂先側から竿軸芯Xに沿った方向視で、左回りで巻回する状態を左ネジ方向と右回りで巻回する状態を右ネジ方向と表現する。
図4及び図5に示された巻回方向をネジ表記で表現すると、次のようになる。
(1)第1内側プリプレグテープ17は「右ネジ方向」、第2内側プリプレグテープ18は「左ネジ方向」、第1外側プリプレグテープ19は「左ネジ方向」、第2外側プリプレグテープ20は「右ネジ方向」である。
上記した以外に次のような巻回方向の組み合わせが可能である。
(2)第1内側プリプレグテープ17は「左ネジ方向」、第2内側プリプレグテープ18は「右ネジ方向」、第1外側プリプレグテープ19は「右ネジ方向」、第2外側プリプレグテープ20は「左ネジ方向」であってもよい。
(3)第1内側プリプレグテープ17は「右ネジ方向」、第2内側プリプレグテープ18は「左ネジ方向」、第1外側プリプレグテープ19は「右ネジ方向」、第2外側プリプレグテープ20は「左ネジ方向」であってもよい。
(4)第1内側プリプレグテープ17は「左ネジ方向」、第2内側プリプレグテープ18は「右ネジ方向」、第1外側プリプレグテープ19は「左ネジ方向」、第2外側プリプレグテープ20は「右ネジ方向」である。
(5)上記したようなプリプレグテープ17〜20の巻回方向は、釣り竿用竿体Bの捩じり剛性や曲げ剛性の度合い、及び、それらと関連する竿調子に必要な形態を適宜採用することができる。
〔第3実施形態の別実施形態〕
(1)第1口巻き補強パターン7とともに、竿尻側端の相当位置に、図示してはいないが、竿尻側補強パターンを設けてもよい。
(2)竿先端部及び竿尻端部の補強を図る必要のない場合には、第1口巻き補強パターン7とともに竿尻側補強パターンについても設けなくてもよい。
本発明の構成は、竿体の外周面に釣り糸ガイドを取り付けた磯竿、船竿等にも適用可能であり、釣り糸ガイドを竿体内に備える中通し竿にも適用可能である。また、振出竿だけでなく、並継竿及びインロー継竿にも適用可能である。
1 穂先竿 (竿体)
2 二番竿 (竿体)
3 三番竿 (竿体)
4 元上 (竿体)
5 元竿 (竿体)
8 内側プリプレグテープ
9 外側プリプレグテープ
11 メインパターン
13 内側プリプレグテープ
14 外側プリプレグテープ
15 第1メインパターン
16 第2メインパターン
17 第1内側プリプレグテープ
18 第2内側プリプレグテープ
19 第1外側プリプレグテープ
20 第2外側プリプレグテープ
A 釣り竿
Aa 内側層
Ab 中間層
Ac 外側層
B 釣り竿用竿体

Claims (3)

  1. 内側層とその内側層の外周面に直接外側層を施している釣り竿用竿体であって、
    前記内側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の内側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
    前記外側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
    前記内側プリプレグテープと前記外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように、巻回してある釣り竿用竿体。
  2. 内側層と中間層と外側層とを備えた釣り竿用竿体であって、
    前記内側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の内側プリプレグテープを、竿先側に配置した口巻補強パターンに重ねて巻始めとし、かつ、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
    前記中間層を、竿体の長さに相当する長さを備え炭素繊維を軸芯方向に沿って引き揃え配置したプリプレグシートからなるメインパターンを巻回して形成し、
    前記外側層を、長手方向に沿って炭素繊維を引き揃えた細幅の外側プリプレグテープを、細幅方向の端部同士が密着する状態で竿軸線方向に沿って螺旋状に巻回して形成し、
    前記内側プリプレグテープと前記外側プリプレグテープとを、それらプリプレグテープの炭素繊維が、径方向視において互いに交差するように巻回してある釣り竿用竿体。
  3. 請求項1又は2記載の釣り竿用竿体を備えた釣り竿。
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